1【提出理由】

当社は、2025年2月28日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、株式会社NEPAL HYDRO POWER HOLDINGS(以下、「NHPH社」といいます。)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下、「本株式交換」といいます。)を実施することを決議し、同日付で両社の間で株式交換契約を締結いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものです。

 

2【報告内容】

(1) 本株式交換の相手会社に関する事項

① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容

商号

株式会社NEPAL HYDRO POWER HOLDINGS

本店の所在地

東京都港区東麻布1丁目9番11号9階

代表者の氏名

代表取締役 大森 泰則

資本金の額

5,000千円

純資産の額

5,000千円(2024年11月26日現在)

総資産の額

5,000千円(2024年11月26日現在)

事業の内容

海外における再生可能エネルギー事業の開発、運営

再生可能エネルギー事業に関するコンサルティング業務

 

② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益

 

 

 

(単位:千円)

 

2022年10月期

2023年10月期

2024年10月期

売上高

営業利益又は営業損失(△)

経常利益又は経常損失(△)

当期純利益又は当期純損失(△)

(注)1.2024年11月24日設立のため、売上高、営業利益、経常利益及び純利益はありません。

2.2024年11月26日現在においては、純資産5,000千円及び総資産5,000千円、並びに、1株当たりの純資産1,000円であります。

3.株式交換効力発生日後の所在地は、当社東京事務所所在地である「東京都港区麻布台3-1-6」へ移転する予定です。(当該所在地は、株式会社海帆 東京支店の住所となります。)また、当社から取締役2名、監査役1名を選任する予定です。

4.株式交換対象子会社であるNHPH社は、現時点では出資した資金のみを資産として保有しております。しかし、本株式交換の効力発生日後に、ネパール国内でネパール電力公社とのPPA契約を保有する新法人が設立される予定です。この新法人の設立時、NHPH社の100%子会社となるNEPAL HYDRO POWER PLANT Pvt. Ltd(住所:Flat E4,20/F,Sunway Garden,989 King's Road,Quarry Bay HONGKONG 代表者:YUE KWAN ALAN WONG(以下、「NHPP社」といいます。))が51%の出資割合を保有することになります。これにより、NHPH社が保有することとなるNHPP社の株式価値(子会社株式)は30億円となる見込みであり、本株式交換の効力発生日後には、NHPH社は30億円に相当する資産を保有することになります。

純資産

3,005,000千円

総資産

3,005,000千円

1株当たり純資産

601,000円

(注)純資産及び総資産については、本株式交換の対価を基に記載しております。なお、後述の「(4) 株式交換に係る割当ての内容の算定根拠 ①算定の基礎」に記載のNHPH社の評価額は、第三者算定機関が算定した金額であります。そのため、本株式交換の対価である30億円は、算定の合理的範囲内であることから、妥当であると判断しております。

 

③ 大株主の名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合

 

(2024年11月26日現在)

大株主の名称

発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合

MEL CAPITAL LIMITED

100.00%

 

④ 提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係

資本関係

該当事項はありません。

人的関係

該当事項はありません。

取引関係

該当事項はありません。

 

(2) 本株式交換の目的

(事業環境について)

当社は、飲食事業を中心に事業展開を進めてまいりましたが、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業全体の構造改革を実施してまいりました。その一環として、2022年より再生可能エネルギー事業を立ち上げ、現在拡大を進めております。このたび、再生可能エネルギー事業の一環として、2024年2月29日に開示いたしました「ネパール共和国における水力発電事業の包括合意契約締結に関するお知らせ」で公表した水力発電事業に関する包括合意契約(以下、「包括合意契約」といいます。)に基づき、ネパール国内での本格的な水力発電事業への参入を進めることといたしました。

 

(本株式交換とした理由)

当社は、包括合意契約の締結以降、8か所の水力発電所に関して協議を進めて参りました。

8か所の水力発電所建設には総額568.2億円の投資が必要となるため、1~2物件の取得、もしくは分割での取得を目指し意見交換を行ってきましたが、ネパール共和国における水力発電事業の最重要部分は、EPC建築会社(以下、「EPC」といいます。)による建中立替であり、EPCより総容量250MWh以上と条件提示され、条件を満たすため8か所の全ての物件を取得することといたしました。

8か所の水力発電所取得に関して、現地法人への出資や発電所SPC法人への出資等も検討いたしましたが、水力発電所の権利が確実に譲渡され、当社にとって出資リスクが少ない方法として一定の条件を満たさない場合には、本株式交換にて交付される株式は、発電所毎における株式交換価値の株式返還を行うことを条件として本株式交換をすることといたしました。

また、割当先となるMEL CAPITAL LIMITED(住所:Flat E4,20/F,Sunway Garden,989 King’s Road,Quarry Bay,HongKong 代表者:Director YUE KWAN ALAN WONG(以下、「MEL社」といいます。))は、海外の資金調達に長けており、ネパール共和国の国策に沿ったクリーンエネルギー事業は資金調達が容易に行われやすいということ、その上で本事業である水力発電事業については、ネパールの国営電力会社との長期的な売電契約が事業可能性として評価いただき、当社株式を交付する株式交換を望まれたため、株式交換という手法を採用することといたしました。

 

(完全子会社化する目的について)

当社は、ネパール共和国における水力発電事業において、約1年間の期間をかけて検討してまいりました。

今般本株式交換により株式を取得する対象会社は、建設資金管理や発電後の売電管理等のAM(アセットマネジメント)事業を行うNHPP社の100%親会社であるNHPH社となります。

NHPH社は、本株式交換のために日本国内に新設されたNHPP社(本社:HONGKONG)の親会社であり、NHPP社がSURYA MAINA HOLDING Pvt. Ltd(以下、「SURYA社」といいます。)と共同でネパール国内に設立予定の特別目的会社(以下、「SPC」といいます。)の過半数を保有する予定です。当該SPCは、ネパール国内での本格的な水力発電事業を運営することを目的としており、当社がNHPH社を子会社化することで、ネパール国内での水力発電事業における参画機会を確保し、当該事業から生じるSPC持分相当分の収益を獲得することで、長期的な収益基盤を強化することができます。そのため、本株式交換は当社の再生可能エネルギー事業の持続可能な成長を目指す重要な取り組みとなるものです。

当社は、包括合意契約締結当初、現地への直接出資や発電所SPCへの直接出資も視野に検討してまいりましたが、ネパール共和国エネルギー省などと協議を重ねた結果、現在のネパール共和国内における8か所の水力発電プロジェクトの権利を新しいSPCを設立してこのSPCを事業主体として進めていくことをSURYA社及び8社の権利保有者並びにNHPP社で合意をいたしました。

理由としては、水力発電所の長期的な安定運営が求められており、他の事業や他の債務が存在しないことが望ましいとのネパール電力公社の見解の上で、倒産隔離をした本事業専用のSPCを設立することとなりました。

SURYA社は、ネパール国内における8か所の水力発電プロジェクトの権利(長期売電契約(PPA)の契約権利及び水力発電所建設の権利)を保有する8つのSPCオーナーと交渉を重ね、SURYA社に権利を譲渡することで合意をし、本株式交換締結後、SPCの設立手続きを進め、設立完了後にSURYA社から新設するSPCへ権利を現物出資の形をとることとしました。

当社は、SURYA社と共同でSPCを設立することで合意したNHPP社を取得することにし、会社法上、外国会社による株式交換は認められないことから、NHPH社を日本国内に設立し、それをNHPP社の親会社とすることで、NHPH社との株式交換を実現し、連結子会社化することとしました。

NHPH社の子会社であるNHPP社は、ネパール国内における8か所の水力発電プロジェクトの権利を保有するSURYA社と共同でネパール国内において、新法人(※)の設立を予定しております。また、本新法人の設立時出資割合は、NHPP社が51%、SURYA社が49%となります。

 

※新法人の概要

名称

KS HYDROPOWER PVT LTD(予定)

所在地

Maharajgunj-3,Kathmandu,Nepal(予定)

代表者の役職・氏名

Director CEO 大森 泰則(予定)

事業内容

水力発電所の建設、運営、売電(予定)

資本金

未定

設立年月日

2025 年3月31日(予定)

※1.新法人は、水力発電所8か所の権利を保有する予定です。

2.Director CEO 大森 泰則(予定)は、再生可能エネルギー事業の経験を有しており、個人でも太陽光発電設備を保有している人物であります。今後は、当社の再生可能エネルギー事業に深く関わっていく予定です。

 

(資本関係図)

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当社は、対象会社であるNHPH社を株式交換により100%連結子会社化することで、ネパール国内における8か所の水力発電プロジェクト(合計281.4MW)を推進し、安定した再生可能エネルギーの供給を実現してまいります。

この水力発電事業は、ヒマラヤ山脈の豊富な雪解け水を活用した流れ込み方式により、巨額な設備投資を要するダムの建設を不要としており、地域環境への負荷を低減するとともに、24時間安定した発電を可能とするベース電源を供給いたします。8か所の水力発電所の長期電力買取契約の申請は完了しており、水力発電所完成後、ネパール電力公社との長期電力買取契約が締結された場合には、長期電力買取契約に基づき、30年間にわたる売電を計画しており、さらなる電力需要者の獲得と事業拡大を目指します。

 

 

 

 

 

 

 

(ロードマップ)

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また、8か所の発電所は順次完成していきますが、全て完成した場合の2034年3月期の年間売電収入は総額で約116億円を見込んでおり、配分(海帆7:3SURYA社)による当社子会社に帰属する税引前経常利益は36.4億円となる計画です。

当計画は、8か所の発電所が完成した前提としてネパール電力公社からのPPA契約に基づく売電収入により算出しており、30年間の固定買取制度のため、全ての発電所が完成した際には、売電単価により固定の買取となるため変化はしないものと考えております。

この経常利益は、新設する法人に帰属し、そこから当社の孫会社であるNHPP社へ配当として吸い上げられ、この時点で課税を受け当社子会社であるNHPH社の業績として計上されます。

課税においては、配当課税として15%を計画しており、8か所の発電所が完成し全ての配当が発生する予定の2035 年には、税引き後にて約42億円が孫会社の経常利益として、子会社のNHPH社には約35.7億円(海外子会社の課税を考慮)を計画しております。分割して建設を段階的に進めていく計画となっており、全ての発電所を完成させるまで、売電収入だけでは必要資金を賄えないことから、資金調達は必要となります。この8か所の発電所を全て建設する総事業費の回収には16年前後と長期間に渡る事業計画となり、長期電力買取契約終了後には発電設備及び土地はネパール政府に無償譲渡する必要がありますが、長期的に安定した収益基盤を確保することができると考えております。しかしながらネパール共和国内の政治的不安定や政策変更による予期せぬ税制変更が生じる可能性があり、当計画が下回る可能性もありますが、(本プロジェクトに関するリスクと対応策参照)本件は、当社グループの収益基盤を強化するとともに、長期的な成長に寄与する重要な取り組みであると考えております。

 

(本株式交換とした理由)

本株式交換における本株式取得の相手先は、NHPH社の100%株主であるMEL社となります。

MEL社は、NHPP社の100%株主であり、NHPP社は、今後8か所の水力発電プロジェクトの権利を保有する新法人の51%の出資割合を保有することとなります。MEL社が保有するNHPP社の株式価値は30億円となる見込みであり、本株式交換の効力発生日後には、NHPH社は30億円に相当する資産を保有することになります。

本株式交換のために設立されたMEL社が保有するNHPH社の株式を株式交換により100%連結子会社化し、MEL社のDirectorであるYUE KWAN ALAN WONG氏に、8か所の水力発電所の権利を保有する各SPCとの折衝及び本事業において重要な資金調達の役割を担っていただきます。

 

(今後の事業展開について)

当社は、発電所の建設にあたり、プロジェクト全体を発電所の規模に応じて3つのフェーズに分割し、環境調査が完了している発電所から優先的に着工する方式を採用しております。

第一フェーズ(2025年着工予定~2026年完成予定)では、5.5メガワットから13.7メガワット規模の小型発電所を対象とし、第二フェーズ(2027年着工予定~2029年完成予定)では46メガワットから50メガワット規模の中型発電所、第三フェーズ(2029年着工予定~2033年完成予定)では57メガワットから91.8メガワット規模の大型発電所を順次着工する計画です。EPCとしては、最低でも250Mw以上の発電量を求めています。今回、このEPCと組むメリットは建設期間中の立て替えが非常に大きく、当社としても外せないパートナーとなっております。当社の規模から考えても、小規模な発電所から建設を始めますが、EPCの要望も勘案して合計で8箇所、281.4Mwを計画することといたしました。EPCの要望をクリアしたことで、当社の本開示後に本契約を締結し、完全なるコミットとなります。建設期間中の資金は75%(総額568億円)がEPC(※本株式交換契約締結後、会社概要を開示)による建中立替を予定しており、当社の負担分は25%(総額142億円)を予定しております。

2034年3月期当社子会社に帰属する36.4億円の前に控除されるものは、償却費、現地管理費(OM)、会計関連費用となります。

さらに、小規模発電所の竣工後には、現地インフラストラクチャーファンドと連携し、長期融資によるリファイナンスを実施することで、早期に拠出した自己資金の回収を図る計画(下記、計画図)を進めております。

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(注)各SPCとも、前期決算において、売上高及び利益の計上はございません。

 

この手法により、資本効率を向上させ、さらなる事業拡大への原資を確保することを目指しております。

このフェーズ分割方式とリファイナンス戦略を組み合わせることで、設備投資効率の最大化と投下資本の早期回収を実現し、計画の確実性と事業の成長を促進してまいります。

当社は、国内における再生可能エネルギー事業の拡大を継続するとともに、今回のような海外PPA事業への参画を一層推進することで、地球温暖化の抑制や持続可能な社会の構築に貢献してまいります。また、事業収益の向上だけでなく、ネパールにおける電力不足の解消、クリーンな再生可能エネルギーの導入、同国の経済振興や国民生活の向上に寄与することを目指し、社会的意義の高い事業展開を進めてまいります。

ネパール水力発電所共同開発における財務・法務レポート(東京フィナンシャル・アドバイザーズ株式会社 代表取締役 公認会計士・税理士 能勢 元)を取得し進めております。リスクと対応策は、下記のとおりです。

・本プロジェクトに関するリスクと対応策

リスク

リスク内容

対応策

土地取得に関するリスク

銅山などの埋蔵物が発掘されるリスクがあり、土地の取得ができない場合があります。

事前の調査により、埋蔵物の有無を確認して土地を選定しています。万が一埋蔵物が出た場合には別の候補地を確保します。

土地所有者との取得交渉難航により土地が所有できない。

建設開始前までに、ネパール電力公社よりPPA契約に基づく土地の利用(土地収用法)を原則として取得を行います。

開発権利(内容)に関するリスク

住民反対、環境アセスなどにより開発許可が下りない可能性があります

事前の調査により、許可が出る条件の土地にて申請をしています

発電設備建設工事に関するリスク

資材の調達ができないリスクがあります

70カ国以上、400プロジェクト以上の実績豊富なEPC業者を選定しています

EPCに関するリスク

全て外注となるため、建設工期が遅れるリスクがあります

実績豊富なEPC業者を選定しています

資金繰り・資金調達に関するリスク

 

事業費(総額568億円、当社負担分142億円)の調達ができないリスクがあります

日本国内だけではなく、海外での資金調達も視野に対応していきます

運転稼働に関するリスク

設備の故障リスク

実績豊富な世界大手のEPCを採用することによりリスクは最小限に抑えられると考えています。

必要電源確保のリスク

EPCによる自家発電設備の設置

人材調達、雇用に関するリスク

人件費の高騰などにより確保できないリスクがあります

常に情報を取り入れ、適切な人件費の設定を考えています

送電に関するリスク

発電所完成後も送電するインフラの整備が遅れ、、電力供給が遅れるリスク。

ネパール軍が整地を行います。

雨量、水量、天候に関するリスク

急激な気候変動により、水量が増減するリスクがあります

ヒマラヤ山脈の雪解け水を利用することで、水量により左右されないように考えています

発電量に関するリスク

水量により変化するリスクがあります

・ヒマラヤ山脈の雪解け水を利用することで、水量により左右されないように考えています

・雨季と乾季で、買取金額をそれぞれ一定の金額にしております。

PPAに関するリスク

申請済みのため、現在該当するものはないと考えています

発電所完成後に、契約を締結。

電力需要に関するリスク

別種類の発電所建設などにより、電力供給過多になるリスクがあります

隣国のインドやバングラディッシュへの売電も視野に入れています

カントリーリスク

政権交代などにより法令が変わるリスクがあります

長期間の売電契約を締結することにより、計画に影響が出ないように対策しています

 

(3) 本株式交換の方法、株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容

① 株式交換の方法

当社を株式交換完全親会社、NHPH社を株式交換完全子会社とする株式交換となります。本株式交換は、当社については、会社法第796条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続により、当社の株主総会の承認を受けずに、NHPH社については、2025年2月28日開催の臨時株主総会において本株式交換契約の承認を受けた上で、2025年4月1日を効力発生日として行われる予定です。

 

② 株式交換に係る割当ての内容

会社名

株式会社海帆

(完全親会社)

NHPH社

(完全子会社)

株式交換に係る割当比率

558

株式交換により発行する新株式

2,785,600株(予定)

(注)1.本株式交換に係る割当比率

NHPH社の普通株式1株に対して、当社の普通株式558株を割り当てます。当社は本株式交換による株式の交付に際し、新たに普通株式2,785,600株を発行する予定です。なお、上記表に記載の本株式交換に係る割当比率(以下、「本株式交換比率」といいます。)は、本株式交換契約に従い、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社合意の上、変更されることがあります。

2.1株に満たない端数の処理

本株式交換に伴い、当社の普通株式1株に満たない端数が生じた場合、会社法第234条の規定に従い、1株に満たない端数部分に応じた金額のNHPH社の株主に対して支払います。

 

③ 株式交換に係る割当ての内容

当社とNHPH社との間で、2025年2月28日付で締結した株式交換契約の内容は次の通りであります。

 

株式交換契約書

 

株式会社海帆(住所:名古屋市中村区名駅四丁目15番15号名古屋綜合市場ビル、以下「甲」という。)と株式会社NEPAL HYDRO POWER HOLDINGS(住所:東京都港区東麻布一丁目9番11号9階、以下「乙」という。)は、次のとおり株式交換契約を締結する。

 

(株式交換)

第1条 甲及び乙は、乙の発行済株式の全部を甲に取得させるための株式交換を行う。

 

(株式交換に際して交付する株式および割当て)

第2条 甲は、この株式交換に際して普通株式2,785,600株を発行し、効力発生日の前日の最終の乙の株主名簿に記載された株主に対して、その所有する乙の株式1株につき甲の株式558株の割合をもって割当交付する。

 

(資本金及び準備金の額)

第3条 甲は、本株式交換により増加する甲の資本金及び準備金の額は次のとおりとする。

(1)資本金の額

0円

(2)資本準備金の額

会社計算規則第39条の規定に従い甲が別途適当に定める金額

 

(効力発生日)

第4条 株式交換が効力を発生する日を令和7年4月1日とする。ただし、その日までに株式交換に必要な手続を行うことができないときは、甲乙協議の上、これを変更することができる。

 

(本契約の承認に係る株主総会)

第5条 甲は、会社法第796条第2項の規定に基づき、本契約について同法第795条第1項に定める株主総会の承認を得ないで本株式交換を行う。

2.乙は、効力発生日の前日までに、本契約について会社法第783条第1項に定める株主総会の承認を得る。

 

(善管注意義務)

第6条 甲及び乙は、本契約の締結後効力発生日に至るまで、善良なる管理者の注意をもって財産の管理を行うものとし、その財産及び権利義務に重要な影響を及ぼす行為を行う場合には、あらかじめ甲乙協議の上、これを行うものとする。

 

(本契約の効力)

第7条 本契約は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その効力を失う。

(1)会社法第796条第3項の規定により、甲が第5条第1項に定める手続による本株式交換を行うことができない場合

(2)第5条第2項に定める乙の株主総会又は法令で定める関係官庁の承認が得られない場合

(3)次条に従い本契約が解除された場合

 

(株式交換条件の変更等)

第8条 本契約締結の日から効力発生日に至るまでの間において、天災地変その他の事情により、甲及び乙の財産または経営状態に重要な変動を生じたとき、もしくは、隠れたる重大な瑕疵が発見された場合には、甲乙協議の上、株式交換条件を変更し、または本契約を解除することができる。

 

(準拠法及び管轄)

第9条 本契約の準拠法は日本法とし、日本法に従って解釈される。

2.甲及び乙は、本契約に関連して裁判上の紛争が生じたときは、東京地方裁判所を第一審の専属的管轄裁判所とすることに合意する。

 

(規定外条項)

第10条 本契約書に定める事項のほか、株式交換に関して協議すべき事項が生じた場合は、甲乙協議の上、これを決定する。

 

上記契約の成立を証するため、本契約書2通を作成し、甲及び乙は各1通を保有するものとする。

 

令和7年2月28日

 

(甲)名古屋市中村区名駅四丁目15番15号

名古屋綜合市場ビル

株式会社海帆

代表取締役 守田直貴

 

(乙)東京都港区東麻布一丁目9番11号9階

株式会社NEPAL HYDRO POWER HOLDINGS

代表取締役 大森泰則

 

 

(4) 株式交換に係る割当ての内容の算定根拠

① 算定の基礎

当社は、本株式交換に用いられる株式交換比率の算定にあたって公平性・妥当性を担保するため、当社及び対象会社グループから独立した第三者算定機関である株式会社渋谷国際会計事務所(以下「渋谷国際会計事務所」、又は、「算定機関」という)に算定を依頼いたしました。

算定機関は、両社の株式価値の算定に際して、当社の株式価値については、当社が東京証券取引所グロース市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法(算定基準日は、直近の株式市場の状況を反映するために2025年2月27日を算定基準日とし、算定基準日の終値及び算定基準日から遡る1か月、3か月、6か月の各期間の株価終値の単純平均値)を用いて算定を行いました。算定された当社の普通株式の1株当たりの価値の評価レンジは以下のとおりです。

算定手法

算定結果(円)

市場株価法

871 ~ 1,162

また、NHPH社の株式価値を評価するにあたり、NHPH社の100%子会社であるNHPP社の株式評価、並びに、NHPP社が保有することとなる新法人の51%持分について評価を行う必要があります。

そのため、NHPH社及びNHPP社の株式価値の算定にあたっては、非上場会社であり市場株価が存在せず、将来清算する予定はない継続企業であるものの、新法人の持分を保有する企業であることから、客観的に貸借対照表上の純資産に着目して株式価値を算定する事は有用であることに鑑みて時価純資産方式による算定を採用し、また、水力発電事業を運営する新法人の持分については、水力発電事業の将来収益が獲得されることから、DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法を採用いたしました。

なお、NHPH社及びNHPP社の株式価値については、DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法で算定された新法人の持分と実質的に同じ価値(注:自己資本である資本金の差額だけが発生します。)となります。

算定については、水力発電事業の事業計画は、新法人であるKS HYDROPOWER PVT LTD(予定)の財務予測期間である30年間を基本としております。

なお、当該事業計画の作成者は、CENTURY COMMERCIAL BANK Project Chief Mr.Bisham Rimal銀行の担当技術者が作成(当銀行は昨年にPrabhu Bankと合併、以下、「事業計画作成者」といいます。)したものであります。

当該事業計画の財務予測期間は水力発電所8か所となる現地SPCの30年間の計画数値を作成しておりますが、竣工する年月がそれぞれの現地SPCで異なっております。

そのため、水力発電所8か所が竣工する年月の翌月から収益が計上されることを前提に一定の割引率で現在価値に割り引くことによって新法人の持分を算定しております。

なお、算定に用いたネパール国内における8か所の水力発電プロジェクト(合計281.4MW)の竣工時期と収益開始時期は下記のとおりです。

PJ

番号

現地SPC

MW

着工予定年月

竣工年月

収益開始年月

Dupcheshwor Mahadev Hydro Pvt,Ltd

5.5

2025年7月

2025年12月

2026年1月

Water Energy Solution Pvt. Ltd.

8.3

2025年10月

2027年5月

2027年6月

Super Glelamdi Khole Hydro power

9.1

2025年10月

2027年5月

2027年6月

Betrawati Hydro Electric Company ltd

13.7

2025年9月

2026年8月

2026年9月

Saniveri-3 Hydro Power Project

46.0

2027年9月

2029年8月

2029年9月

DIVYA JYOTI HYDRO power pvt ltd

50.0

2027年9月

2029年8月

2029年9月

Ramjanaki hydropower pvt. Ltd

57.0

2029年11月

2033年10月

2033年11月

SURYA ENERGY PVT LTD

91.8

2029年11月

2033年10月

2033年11月

以上のとおり、算定の対象とした現地SPCの収益開始年月がそれぞれ異なることから、DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法による算定期間は2025年1月から2063年11月までの期間(39年間)を予測期間とし、全ての現地SPCが稼働する時期は2033年11月となります。

また、DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法で用いた収益開始年月を反映した事業計画においては、2026年12月期における営業利益は259百万円(注:2026年12月期おける営業利益は、Dupcheshwor Mahadev Hydro Pvt. Ltd(5.5MW)および Betrawati Hydro Electric Company Ltd(13.7MW)が当初の予定通りに竣工した場合の数値であり、竣工時期に変動が生じた場合には変動する可能性があります。)、各現地SPCが順次稼働をしていくことによって、2042年12月期における営業利益まで増益となり、その後、全ての現地SPCの30年間が終了する2063年12月期の営業利益まで減益が続くこととなります。

なお、事業計画の算定期間が長くなるほど将来の変動要因(例えば、価格変動や市場状況の変化)が発生しやすく、不確実性が高まる傾向があります。しかしながら、本事業計画では、ネパール電力公社との30年間の固定買取制度に基づき売電単価が固定されております。具体的には、水力発電所の運転開始年の固定電力買取単価をベースとして、以降8年間(9年目まで)は毎年3%上昇し、10年目以降は9年目の単価が継続適用されることとなります。そのため、当社が想定する固定電力買取単価の上昇率(年間3%)が実際のネパール共和国におけるインフレ率と乖離する可能性があり、価格上昇のペースが想定を上回る場合には、実質的な収益性が低下するリスクがあります。

実際、ネパールの過去10年間のインフレ率は年ごとに変動しており、直近の推計では5%台となるなど、事業計画における上昇率(年間3%)を上回る水準となる可能性もあります。

(ネパール共和国における過去10年のインフレ率)

年度

2015

2016

2017

2018

2019

インフレ率

7.21

9.93

4.45

4.15

4.64

年度

2020

2021

2021

2023

2024

インフレ率

6.15

3.60

6.26

7.82

5.64

(出典:2024年10月時点の国際通貨基金(IMF)の推計)

そのため、インフレに関するリスクに対応するため、価格設定や契約条件の交渉や運営コストの最適化を進めるとともに、主要な調達品目について長期契約や価格調整条項の導入を検討し、コスト上昇の抑制を図るなど、適切なリスク管理策を講じてまいります。しかしながら、事業計画の蓋然性の面においては、固定単価によって収入の変動要因が排除されているため、この不確実性(予測の不安定さ)を可能な限り小さく抑えていると考えられることから、長期間であっても収入予測の根拠が安定しているため、不確実性による影響は可能な限り排除されているものと判断しております。

ネパール共和国における電力生産の7割近くが水力発電によるものとなっています。日系企業では東芝が2019年に進出をしましたが、EPCとして中国のEPCと共同で受注をしており、発電者としての進出は当社が初となります。

現在の同国における水力発電は、貯水式(ダム方式)がメインとなっており、当社の建設する流れ込み方式については類似の事業者は確認できません。

これは、水流における乾季と雨季による差があることから、乾季には雨季の6割に発電が抑えられることが理由となります。

当社が建設する流れ込み方式では、乾季における発電量は減少するものの、PPAにおける買取契約において、買取価格に差をつけることにより(雨季に安く4.8NPR、乾季に高く8.4NPR)、1年間安定して電力買取契約を計画することが可能となりました。

年間を通しての水量は、現地の環境調査により大きなブレはなく確保できることを確認しており、また安定して水量が確保できる場所を厳選して設計を行なっております。しかしながら、ネパール共和国は、地震や豪雨、土砂崩れなどの自然災害が頻発する地域のため、自然災害や地質的リスク、また政治的不安定や政策変更による税制変更や規制強化による政治的及び規制リスク、太陽光発電などはおおよそ10年での回収事業モデルとして考えておりますが、ネパール共和国における電力買取期間は30年が一般的であることから、事業計画の予測期間も30年で作成しております。(注:DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法では、各現地SPCの竣工年月を反映していることから、予測期間は39年間となります。)

なお、本キャッシュ・フローは、事業計画作成者が作成し、当社は1年以上の間、現地に何度も赴き、実際に現地を確認し、プロジェクトに関わるエンジニアとの協議やネパール共和国エネルギー省との協議、また環境・水量調査などの結果をもとにシミュレーションを上記事業計画作成者により策定してもらいました。

算定機関が時価純資産法に基づき算定したNHPH社普通株式の1株当たりの株式価値及びNHPP社普通株式の1株当たり株式価値、並びに、DCF法に基づき算定した新法人の株式価値の算定結果は以下のとおりです。

 

(1)NHPH社(本株式交換の対象会社)

採用手法

1株あたり株式価値 算定結果(円)

時価純資産法

588,473 ~ 732,690

(注)1.NHPH社の純資産評価については、NHPP社の子会社株式の時価評価分から当社の追加出資分(3,830百万円)を控除した評価額3,326,401千円が含まれています。

2.必要資金は142億円ですが、リファイナンスを活用した場合に必要となる当社の追加出資分は3,830百万円となります。

3.為替レートはUSD-円為替:154.08円(2024年12月中値月中平均値)で計算しています。

4.算出されたNHPH社の株式価値(中値)は、前提条件や市場環境の変動による影響を考慮し、一定の幅を持たせることで柔軟性と妥当性を確保するため、合理的な範囲として中値から±10%の範囲を株式価値の範囲として算出しております。

 

(2)NHPP社(NHPH社の子会社)

採用手法

株式価値 算定結果(千円)

時価純資産法

7,158,062

(注)1.NHPP社の純資産評価については、NHPP社が保有することとなる新法人の持分51%の評価額7,150,311千円が含まれています。

2.為替レートはUSD-円為替:154.08円(2024年12月中値月中平均値)で計算しています。

3.算出されたNHPP社の株式価値については、NHPH社の子会社株式の評価額として単一の株価を示す必要があるため、株式価値の範囲は算出しておりません。

 

(3)新法人(NHPP社の子会社、NHPHの孫会社)

採用手法

株式価値 算定結果(千円)

DCF法

14,020,219

NHPP社持分(51%)

7,150,311

(注)1.新法人はDCF法で評価した事業価値に水力発電事業における総事業費の75%の有利子負債を控除して株式価値を算定しています。

2.NHPP社持分(51%)につきましては、DCF法で算出した株式価値に持分51%を乗じて算出しています。

3.為替レートは、NPR-USD為替:0.00727(2024年12月31日UTC※当該為替が一時点の為替RATEになっている理由は月中平均が取得できないためですが、変動幅が少ないため影響は軽微であると判断しております。)、USD-円為替:154.08円(2024年12月中値月中平均値)で計算しています。

 

上記より、当社の普通株式1株あたりの株式価値を1とした場合の株式交換比率の算定結果は以下のとおりとなります。

株式交換比率の算定結果

1(当社)

506 ~ 841

算定機関は、株式価値の算定に際して、両社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、採用したそれらの情報等が全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。

 

② 算定の経緯

当社は提出を受けた株式交換比率の算定結果、並びに両社の財務状況、業績動向、株価動向等を参考に、両社間で慎重に協議を重ねた結果、本株式交換比率が、渋谷国際会計事務所が算定した株式交換比率の算定結果のレンジ内のため妥当であるとの判断に至り合意いたしました。なお、この株式交換比率は、算定の基礎となる諸条件について重大な変更が生じた場合、両社間の協議により変更することがあります。

 

③ 算定機関との関係

算定機関である株式会社渋谷国際会計事務所は、当社及びNHPH社の関連当事者には該当せず、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。

 

④ 上場廃止となる見込み及びその事由

当社は、本株式交換において株式交換完全親会社となり、また株式交換完全子会社となるNHPH社は非上場会社であるため、該当事項はございません。

 

(5) 本株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容

商号

株式会社海帆

本店の所在地

名古屋市中村区名駅四丁目15番15号

代表者の氏名

代表取締役社長  守田 直貴

資本金の額

2,311,343千円

純資産の額

現時点では確定しておりません。

総資産の額

現時点では確定しておりません。

事業の内容

飲食店舗の企画開発及び運営をする飲食事業

太陽光発電設備の開発による売電、設備販売を行う再生可能エネルギー事業

 

(6) 子会社(孫会社)の異動

本株式交換に伴い、NHPH社の子会社となるNHPP社が新たに当社の子会社(孫会社)に該当することとなります。

 

 

株式交換完全子会社の子会社

名称

NEPAL HYDRO POWER PLANT Pvt.Ltd

所在地

Flat E4,20/F,Sunway Garden,989 King's Road,Quarry Bay HONGKONG

代表者の役職・氏名

YUE KWAN ALAN WONG

事業内容

再生可能エネルギー事業

資本金

50,000USD

設立年月日

2023年11月9日

発行済株式数

50,000株

決算期

11月末

従業員数

1人

主要取引先

SURYA MAINA HOLDINGS

主要取引銀行

香港上海銀行・中国銀行

大株主及び持株比率

株式会社NEPAL HYDRO POWER HOLDINGS 100%

当事会社間の関係

 

 

資本関係

該当事項はありません。

 

人的関係

該当事項はありません。

 

取引関係

該当事項はありません。

 

 

関連当事者への

該当状況

該当事項はありません。

最近3年間の経営成績及び財政状態(単位:米ドル)

 

決算期

2022年11月期

2023年11月期

2024年11月期

 

純資産

50,000米ドル

 

総資産

50,000米ドル

 

1株当たり純資産

1米ドル

 

売上高

 

営業利益

 

経常利益

 

当期純利益

 

1株当たり当期純利益

 

1株当たり配当金

(注)1.2023年11月9日設立であり、2024年11月期までに事業を行っておりませんので、最近3年間の経営成績及び財政状態は、記載しておりません。

2.NHPP社が保有することとなる新法人の持分51%の価値は、19,520,405米ドルを見込んでおります。

3.新法人の持分51%を保有した場合に想定されるNHPP社の資産の状況は以下のとおりです。

純資産

19,520,405米ドル

総資産

19,520,405米ドル

1株当たり純資産

390.41米ドル

(注)純資産及び総資産については、本株式交換の対価を基に記載しております。前述の「(4) 株式交換に係る割当ての内容の算定根拠 ①算定の基礎」に記載のNHPP社の評価額は、第三者算定機関が算定した金額であり、追加出資分となる38億円が含まれた金額となっております。

4.本株式交換後にNHPH社を経由してNHPP社に38億円の追加出資を実施した場合に想定される資産の状況は以下のとおりです。

純資産

44,182,918米ドル

総資産

44,182,918米ドル

1株当たり純資産

883.66米ドル

(注)純資産及び総資産については、本株式交換の対価を基に追加出資の38億円を加算した金額を記載しております。前述の「(4) 株式交換に係る割当ての内容の算定根拠 ①算定の基礎」に記載のNHPP社の評価額は、第三者算定機関が算定した金額であります。しかしながら、本株式交換の対価に追加出資の38億円を加算した金額は、算定の合理的範囲内であることから、妥当であると判断しております。

 

以 上