文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年10月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限の緩和期待により、個人消費の活性化と企業の設備投資の拡大など、緩やかな回復基調となっておりますが、地政学的な不安定さや、米国を中心とした金利動向、円安及び資源高に起因するコストプッシュ型の物価高騰の影響もあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
保険業界においては、ITや医療技術の進歩を背景として、引き続き保険商品の多様化と高度化が進むと同時に、真にお客さまの役に立つ情報の提供並びにコンサルティングの実施等、お客さま本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の実現が求められております。
このような状況下、当社グループは「人とテクノロジーを深化させ進化する会社」を標榜し、あらゆる保険ニーズに対応できる「保険業界のプラットフォーム」と、OMO(Online Merges with Offline.=オンラインとオフラインの融合)時代に相応しいエコシステム(ビジネス生態系)を構築すべく、日々新たな挑戦を行っております。
具体的には、自社開発のビデオ通話システム「Dynamic OMO」により、対面と非対面の垣根をなくし、オフラインと同等のオンライン保険相談を実現してまいります。当社のオンライン保険相談は、時間と場所の制約を取り払った面談方法としてお客さまに強く支持されており、新型コロナウイルス感染症の感染状況に関わらず、不可逆的な利便性が評価され、利用数を伸ばしております。2022年7月には、大阪大学の石黒浩教授が代表を務めるスタートアップ企業「AVITA」と提携し、同社が開発したアバターを活用して、お客さまのご相談にアバターコンサルタントがお答えするサービスを開始いたしました。「Dynamic OMO」とアバターを組み合わせ、メタバース時代の到来を見据えた新しい保険募集のあり方を実現した結果、直近ではアバターによる問い合わせからの保険相談アポイント獲得率は電話に比べて2倍超になり、オンライン保険相談におけるコンサルタント指名予約においてはアバターが最も支持されております。また、保険会社向けにアバターシステムの販売も行っており、既に複数の保険会社でアバターシステムを導入いただくなど、保険業界全体のDX化にも貢献しております。
また、2022年9月期より、自動車保険をはじめとする損害保険分野についても取り組みを強化しており、足許では損害保険の新規申込件数が急増するなど、確実に成果が出ております。損害保険分野でのマーケティングオートメーションにも注力しており、特に新型コロナウイルス感染症終息以降のライフスタイルで拡大が期待される海外旅行保険や自動車保険について、お客さまに最適なプランを、簡単便利に、スピーディーにご契約いただける仕組みを構築いたしました。
保険業界の共通プラットフォームシステム「Advance Create Cloud Platform(ACP)」(以下、「ACP」という。)の開発についても、引き続き推進してまいります。ACPは保険会社と乗合保険代理店、お客さまの情報を相互に連携し、保険商品の検討からお申し込み、保全手続きまでを一括して管理・運用できるシステムです。ACPの普及により、ペーパーレス化と事務負担の大幅な軽減が期待できます。ACPの主要機能である顧客管理システム「御用聞き」、申込共通プラットフォームシステム 「丁稚(DECHI)」、保険証券管理アプリ「folder」、ビデオ通話システム「Dynamic OMO」は、いずれも導入したお客さまからご好評をいただいており、さらなる機能拡充を進めております。特に「Dynamic OMO」については、保険会社や保険代理店をはじめ、クレジットカード会社など他業種のお客さまにも導入いただいております。これらのシステムの販売により、サブスクリプションモデルとしてのストック収入の確保及び協業事業の拡大を目指します。
さらに、当社はSNS、SMS等のテキストコミュニケーションツールの活用により、お客さまとのよりスムーズなコンタクトを実現しております。このようなノウハウを、他の保険会社や保険代理店の顧客に対する保全業務を請け負うBPO事業にも活用し、保険業界の課題であるCRMの継続・改善にも取り組んでいきたいと考えております。これらの施策を拡充するとともに、ガバナンス体制及びコンプライアンス体制の一層の充実や、情報セキュリティ体制の強化を継続し、保険業法や個人情報保護法等の関係法令に適応した保険募集管理体制の強化に全社的に取り組み、管理体制面において積極的に経営資源を投下してまいります。
以上により、当第2四半期連結累計期間の売上高は6,246百万円(前年同期比27.9%増)、営業利益は809百万円(前年同期比112.8%増)、経常利益は713百万円(前年同期比105.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は100百万円(前年同期は442百万円の損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(保険代理店事業)
保険代理店事業におきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は4,850百万円(前年同期比31.9%増)、営業利益は370百万円(前年同期は67百万円の損失)となりました。
(ASP事業)
乗合保険代理店等へのACPの新規販売が堅調に推移したことにより、増収増益となりました。この結果、ASP事業におきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は125百万円(前年同期比29.2%増)、営業利益は49百万円(前年同期比131.1%増)となりました。
(メディア事業)
保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」への広告出稿が堅調に推移し、増収増益となりました。
この結果、メディア事業におきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,836百万円(前年同期比
70.7%増)、営業利益は409百万円(前年同期比60.5%増)となりました。
(メディアレップ事業)
保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」の運営を通じて蓄積したWEBマーケティングのノウハウをベース
に、保険専業の広告代理店としてさまざまなサービスの提供に努めた一方、前期に引き続き新たな広告手法を積極的に開発投資した結果、増収減益となりました。
この結果、メディアレップ事業におきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は662百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は111百万円(前年同期比10.3%減)となりました。
(再保険事業)
売上高が引き続き堅調に推移した一方、前期に続き新型コロナウイルス感染症の影響が残っていたことで再保険金の支払いが増加し増収減益となりました。この結果、再保険事業におきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は545百万円(前年同期比7.9%増)、営業損失は133百万円(前年同期は45百万円の利益)となりました。
①財政状態
(資産合計)
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ34百万円減少し、10,415百万円(前連結 会計年度末は10,450百万円)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ186百万円増加し、8,192百万円となりました。これは主に、売掛金が471百万円増加したこと等によるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ218百万円減少し、2,215百万円となりました。これは主に、保険積立金が336百万円減少したこと等によるものです。
(負債合計)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ238百万円増加し9,852百万円(前連結会計年度末は9,614百万円)となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ492百万円増加し、7,746百万円となりました。これは主に、未払金の増加129百万円及び債権流動化に係る調整勘定(負債)の増加266百万円等によるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ254百万円減少し、2,106百万円となりました。これは主に、社債の減少100百万円及び長期借入金の減少25百万円等によるものです。
(純資産合計)
純資産は、前連結会計年度末に比べ273百万円減少しましたが、これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益100百万円を計上した一方で、剰余金の配当による減少394百万円があったこと等によるものです。
②経営成績
(売上高)
当第2四半期連結累計期間の売上高は6,246百万円(前年同期比27.9%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当第2四半期連結累計期間の売上原価は、1,534百万円(前年同期比26.1%増)となりました。これは、主に売上増加に伴うものであります。
当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、3,902百万円(前年同期比18.8%増)となりました。主な増加要因としましては、コールセンター部門への先行投資によるものであります。
(営業利益)
当第2四半期連結累計期間の営業利益は、809百万円(前年同期比112.8%増)となりました。
(経常利益)
当第2四半期連結累計期間の経常利益は、713百万円(前年同期比105.4%増)となりました。
(親会社株主に帰属する四半期純利益)
当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は100百万円(前年同期は442百万円の損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ843百万円減少し、1,427百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は、税金等調整前四半期純利益268百万円(前年同期は296百万円の損失)、減価償却費29百万円(前年同期は22百万円)、売上債権の増減額△471百万円(前年同期は△622百万円)、未収入金の増減額△40百万円(前年同期は845百万円)、債権流動化に係る調整勘定(負債)の増減額266百万円(前年同期は555百万円)及び法人税等の支払額323百万円(前年同期は552百万円)等により、177百万円の支出(前年同期は361百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、無形固定資産の取得による支出280百万円(前年同期は232百万円の支出)等により、100百万円の支出(前年同期は284百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果使用した資金は、社債の償還による支出100百万円(前年同期は100百万円)及び配当金の支払額394百万円(前年同期は337百万円)等により、557百万円の支出(前年同期は456百万円の支出)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因に変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性
当第2四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性の重要な変更はありません。
(7)保険代理店事業に係る売上計上について
保険代理店事業の主たる収入は保険代理店手数料収入であります。当社は、保険契約の媒介及び代理行為に伴い、各保険会社との契約及び手数料規程に基づき保険代理店手数料を受領しております。
保険代理店手数料の受領形態は、保険商品の種類(生命保険・損害保険、契約期間(1年・複数年)、保険料支払方法(年払い・月払い)、その他)、保険会社毎の契約及び規程によりさまざまな形態があり、保険契約成立時に受領するもの(初回手数料)及び保険契約継続に応じて受領するもの(2回目以降手数料)等、これらについて一括又は分割並びにその受領割合等が異なるものが存在しております。
当社は、初回手数料については保険契約成立時に受領する手数料額を売上計上しているほか、2回目以降手数料の一部については、複数年にわたる期間を対象とする保険契約のうち保険会社より計算結果確認書面の受領が可能である等の条件の下、顧客との契約における履行義務が充足した額を収益として認識しております(一方で、将来発生する解約相当額を収益額の算定において控除しております)。