文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループの事業は、ファンド組成・管理・運用を行うアセットマネジメント事業及び不動産物件への投資、太陽光発電設備等への投資、有価証券の売買、上場企業・未上場企業への投資、金融商品仲介業務等を行うインベストメントバンク事業から構成されております。これらの事業を通じて、当社グループは顧客ニーズを汲み上げ、既存の金融商品に縛られない新しいアセットや事業機会といった投資対象を、社内外に有する金融・法務・税務・会計等のノウハウを活用して商品化し、顧客に提供してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、アセットマネジメント事業におけるファンド運用資産残高及び不動産、太陽光発電設備、車両等の受託資産残高の積み上げを重要な経営指標のひとつとして位置付けております。2024年11月期における当社グループのファンド運用資産残高は224億円、不動産等の受託資産残高は188億円となっており、不動産等の受託資産残高のうち、太陽光発電設備等が58億円、車両等が31億円であります。今後は多様な投資アセットを対象とした新規ファンドを開発・組成すること等により、これらの残高を拡大することでアセットマネジメント事業からの安定的な収益を確保し、経営基盤の強化に努める方針です。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、アセットマネジメント事業とインベストメント事業の推進及び両事業のシナジーを図ることにより、株主、投資家、顧客をはじめとするステークホルダーの方々に必要とされる企業として、永続的に成長していくことを目指しております。
これを実現するため、当社グループが取り組む事項は下記の通りです。
① ファンド運用資産残高等の拡大と新規事業による収益基盤の構築
当社グループは、アセットマネジメント業務における様々な経験・実績を活かして、不動産等受託資産残高の拡大と新規ファンドの受託により安定収益を積み上げ、アセットマネジメント事業の収益基盤の拡充に取り組んでまいります。また、太陽光発電ファンド事業においては、引き続き優良案件の開発・発掘を行っていくほか、車両ファンド事業においても、運用資産残高の更なる拡大に注力してまいります。加えて、新たな投資アセットを対象としたファンドの開発・組成を行うことにより、より強固な収益基盤の構築を行ってまいります。
② 事業基盤の拡充
当社グループは、既存事業を拡大するとともに、新たな市場の開拓に向けて事業ポートフォリオを充実させ、事業基盤をより強固なものへと拡充していくことに取り組んでおります。既存事業による安定的な収益を確保しつつ、シナジー効果やリスク分散効果を狙いながら複数の新規事業に積極的に投資することやM&A等を実施することにより、事業基盤の拡充に努めてまいります。
③ 金融機関との関係強化について
当社グループは、これまで取引金融機関とは良好な関係を構築してまいりました。今後も、不動産投資や太陽光発電の設備開発、新たな事業展開等を積極的に進めていく上で、資金需要の増加が見込まれるため、機敏な資金調達が行えるように取引金融機関の新規開拓に加え、取引金融機関とより強固な関係を築いていく方針であります。
④ 提携先との関係強化について
当社グループは、これまでに証券会社や金融機関、税理士法人グループと良好な関係を築き、営業力の強化に努めてまいりました。今後は、提携先との更なる連携を進め、富裕層や優良未上場企業などを対象とした販売ルートの拡大と販売力の向上を目指してまいります。また、投資対象となる案件や商材の発掘・仕入れにおいても、提携先との関係を一層強化し、より効果的な戦略を展開してまいります。
⑤ 人材の確保・育成について
当社グループは、2024年11月30日現在、役職員41名(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、派遣社員を含む。社外取締役及び社外監査役を含む)と少人数である一方で、各人が営む業務は、いずれも専門的知識と多くの経験を必要としており、それらのスキルを持つ人材の確保・育成が当社グループの経営上の重要な課題であります。今後の業容の拡大に向けて、専門性の高い人材の確保に努めるとともに、定期的な新卒の採用による若手人材の育成にも努めていく方針であります。
当社グループのサステナビリティに関する考えたおよび取り組みは、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社グループのガバナンス体制は
当社グループは、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題を重要な経営課題と位置づけ、持続可能な社会の創造に向け、特に環境問題に積極的に取り組み、豊かで健康的な社会の環境づくりに貢献してまいります。
(人材の育成に関する方針、取り組み)
当社グループは、企業価値向上のため、経営において多様な人材の能力や特性を活かすダイバーシティ経営を重視しており、まず採用段階で多様な経験・技能・バックグラウンドを持つ人材を確保することを方針としております。
育成については、多様な人材を採用した上で、OJTとして業務を通じて必要なスキル、知識を培っていくことを方針としております。加えて、定期的な研修の実施、資格取得の奨励・補助を行うことで、当社グループが営む事業で必要とされる職業倫理・コンプライアンス意識と、高度な専門性をもった人材の育成に取り組んでおります。
当社グループでは、リスクを適切にコントロールするため、平常時のリスクマネジメント推進体制について「リスクマネジメント基本規程」を定め、必要に応じて弁護士・監査法人・顧問税理士等の外部機関より適宜アドバイスをいただく体制も構築し、リスクの把握、統制に努めております。
また、緊急時の危機管理体制としては「危機管理基本規程」を定め、当社の経営に重大な影響を与える不測の事態が発生した場合は、迅速に必要な初期対応を行い、損害・影響等を最小限に留める体制を整えております。
事業を通じたサステナビリティに関する取り組みについて、定量的な目標は定めておりませんが、上記の戦略に基づき、豊かで健康的な社会の環境づくりに貢献してまいります。注力しております環境問題への取り組みについては、事業を通じたCO2の削減効果を一つの定量的な指標として、取り組みの成果を測定しております。また、ダイバーシティ経営を実践するための人材に関する取り組みについては、下記の通り目標を定めております。
(多様な人材の確保に関する指標、目標並びに実績)
ダイバーシティ経営の実践のために、多様な人材の確保が必要と考えているものの、当社グループは少人数(2024年11月期末の役職員41名)の組織のため、必ずしも画一的な目標を定めるべきとは考えておりません。ただし、当社または子会社にて取締役または部門長職に就いている役職員における女性の比率を指標とし、当該指標が10%以上の状況を維持することを、現時点での目標として定めております。なお、現時点では当該指標は33%となっております。
また、現時点で当社の役員の25%、当社および子会社の従業員の32%が女性となっており、一定の多様性を確保出来ていると考えております。
以下において、当社グループの事業リスク要因となる可能性が考えられる主な事項を記載しております。
また、当社グループとして、必ずしも事業上のリスクとして考えていない事項につきましても、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当社グループを取り巻く経営環境について
イ.外部環境の変化について
当社グループの事業は、金利動向、不動産市況の変動及び法改正等、経済情勢等の外部環境の影響を強く受ける面があり、また、当社グループが組成する金融商品への投資家ニーズが継続する保証はありません。今後の経済情勢や外部環境あるいは投資家ニーズの変化に対して、当社グループが十分に対応できなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性は相応にあるものと認識しております。
当社グループでは、金利動向、不動産市況の変動及び法改正等、経済情勢等の影響により、当該リスクが顕在化する可能性は相応にあるものと認識しております。また、投資家の資金運用ニーズは多様化し続けていくものと認識しております。
当社グループといたしましては、それら外部環境の変化や多様化する投資家のニーズの変化に対応するため、今後も変化に対応した新たなファンド等を開発していくことにより、当該リスクの低減に取り組んでいく方針であります。
ロ.競合について
当社グループは、様々なアセットを投資対象とする投資信託等を組成し管理・運用するアセットマネジメント
事業及び自己の勘定によって不動産、太陽光発電設備や企業等に投資するインベストメントバンク事業を展開しております。それぞれの事業について、以下の事項が想定されます。
a.アセットマネジメント事業について
当社グループが行うアセットマネジメント事業においては、大手銀行や金融商品取引業者を中核とした金融グループに属するアセットマネジメント会社や、不動産等の特定の業務に特化したブティック型(専門型)のアセットマネジメント会社等が競合相手として挙げられます。また、当業界では、金融技術の発展や法改正を含む業界環境の変化のスピードが速く、環境変化等に対する速やかな対応ができない場合には、当社グループの商品開発力等が他社に比べ劣後することにより、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性は相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、当社グループは比較的小規模であり、それぞれ特色あるファンドに限定して取り組むとともに、必要に応じた人材の確保あるいは外部の専門家の活用によって、投資家のニーズに対応していく点に特色があるものと認識しており、そうした特色を活かした事業活動を今後も継続することで当該リスクの低減に取り組んでまいります。
b.インベストメントバンク事業について
当社グループが行うインベストメントバンク事業は、不動産、太陽光発電設備等への投資や開発、株式等の有価証券への投資が主な内容であり、競合・新規参入等が増加し、案件の獲得競争が激化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当該リスクに対しましては、当社グループは、創業以来グループ各社が培ってきたソーシング力を活かして独自の案件を発掘してきた点に特色があるものと認識しており、そうした特色を活かした事業活動を今後も継続することで、当該リスクの低減に取り組んでまいります。
② 当社グループの事業特有のリスクについて
イ.アセットマネジメント事業
a.不動産ファンドへの依存について
現状のアセットマネジメント事業における売上高は不動産ファンドに大きく依存しており、不動産市場が急激に変動した場合や、当社グループに悪影響を及ぼす市場動向が起こった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性は相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、これまでも「投資家のニーズに立脚した魅力的なファンドの開発」を事業コンセプトに、新しい投資対象、新しい事業機会を発掘し、金融技術や社内外のプロフェッショナルな人材及びノウハウを活用し、様々なファンドを投資家に提供しております。アセットマネジメント事業においては、特定の投資対象に限定せず、投資家のニーズに合った新たな金融商品の開発に取り組んでおります。これまでも国内外の不動産、太陽光発電設備、上場株式及び未上場株式等を投資対象とするファンドを組成し管理・運用を行ってまいりましたが、当該リスクに対しましては、今後も投資対象を幅広く選定し、特定の市場動向から受ける影響を低く抑えていく方針であります。
b.アイザワ証券㈱との取引関係について
当社グループが管理・運用する各ファンドについては、アイザワ証券㈱の募集によるものが一定の割合を占めております。何らかの理由により同社の当社グループとの関係に関する方針が変更され、同社との取引が減少した場合、あるいは同社との取引関係が継続できなくなった場合には、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、今後、さらなる新規の販路の拡大に努める一方で、引き続き同社との関係の緊密化も図ってまいることで、当該リスクの低減に取り組んでまいります。
c.特定のファンドへの依存について
当社グループでは、2024年11月期における「レジット」から派生的に発生する報酬等のアセットマネジメント事業に占める割合は41.03%となっており、不動産市場や経済動向等の何らかの理由により「レジット」から発生する報酬等が減少した場合、当社グループにおけるアセットマネジメント事業の経営成績に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、多様なアセットを投資対象とした新たなファンドの組成等により収益源を分散化し、「レジット」から発生する報酬等のアセットマネジメント事業全体の収益に占める割合を低減することで、当該リスクの低減に努めてまいります。
d.一時的な収益への依存について
当社グループの主力商品である「レジット」から派生的に発生する報酬等には、アクイジションフィー、ディスポジションフィー等が含まれます。アクイジションフィー、ディスポジションフィー等は不動産等を所有する特別目的会社(SPC)等が不動産等を取得又は売却する際に発生する一時的な報酬であり、継続的には発生いたしません。従って、各SPC等による不動産等の取得や売却が発生しなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、多様なアセットを投資対象とした新たなファンドの組成等により、ファンド運用資産残高、不動産等受託資産残高を積み上げ安定的なアセットマネジメントフィーを増加させることにより、一時的な収益の比率と影響度を抑え、当該リスクの低減に努めてまいります。
ロ.インベストメントバンク事業
a.不動産投資等部門について
不動産投資等部門での不動産等への投資を行う場合においては、当該投資物件における権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥・契約不適合等のリスクがある場合や、不動産市況の変化、地震等の不可抗力を起因として期待通りのリターンを得られない場合、投資資金が回収できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが行う不動産開発においては、設計会社、建設会社等の一定の技術を有する第三者と協業して業務を行うため、当社グループの役員及び使用人が直接業務を行う場合を除き、開発コスト上昇や工事の不備、工期遅れなど外的要因の影響を受けることにより、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、不動産等への投資を行う場合には、主に匿名組合出資を通じて投資を行うことによりリスクを出資額に限定し、また、不動産開発においては管理会社と契約することにより開発コストや工期管理を行うなど、当該リスクの低減に努めております。
b.太陽光発電投資等部門について
太陽光発電投資等部門においては、政府による再生可能エネルギー法及び関連法制度等の法的規制を受けていることから、政府の諸事情によりこれらの法制度が変更され、固定買取価格制度等が変更された場合、当社グループが管理するファンドの組成・運営に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、各種法規制について常に最新情報を取得・検討し、当社グループが管理するファンドの組成・運営への影響への評価を行い対処することにより、当該リスクの低減に努めております。
c.証券投資等部門について
証券投資等部門においては、「中堅上場企業、優良未上場企業をターゲットとした高度な金融ソリューションの提供」を事業コンセプトに、上場企業、未上場企業等に対する投資を行っております。しかしながら、中堅上場企業については当該企業の業績や株式市場の動向等によって当該企業の株価が下落した場合、また、未上場企業については株式上場準備が計画どおり進展しなかった場合あるいは上場時の株価が投資時に想定した株価を大きく下回る場合、当社グループが想定したリターンを得られないことにより、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、投資先企業の業績や株式市場の動向について常に最新情報を取得・検討するとともに、投資先企業に対しては資金面に限らない各種ソリューションを提供し、投資先企業の成長を図ることにより、当該リスクの低減に努めております。
d.金融商品仲介業について
当社グループが行う金融商品仲介業は、多くの機関投資家及び個人投資家とのコネクションを活かし、それら機関投資家及び個人投資家を直接顧客として有価証券の売買の仲介等を行うものであります。このように、直接顧客と接することから、法令の遵守に特に留意する必要があり、不測の事態により法令を遵守できなかった場合には、他の事業を含めて当社グループ全体の信用を損ない、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループでは、グループの役職員を対象に定期的なコンプライアンス研修を実施しており、法令順守・コンプライアンスを徹底することにより、当該リスクの低減に努めております。
③ 新規事業の開発等について
当社グループでは、今後も引き続き、積極的に新規事業の開発、既存事業の拡大に取り組んでまいりますが、これらの開発等に係る各種の進捗の遅れや当社グループのコントロールの及ばない法的規制、市場環境の変化等によって新規事業の展開が計画どおりに進まない場合には投資を回収できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、各種法規制や市場環境の変化について最新情報を取得・検討し、当社グループが計画する新規事業へ与える影響を評価するとともに、新規事業の開発・展開に当たっては必要に応じて適切に計画を修正していくことにより、当該リスクの低減に努めております。
④ 法的規制について
当社グループの主要事業であるアセットマネジメント事業及びインベストメントバンク事業は、各種の法令や業界団体による自主規制ルールによる規制を受けております。また、当社グループや投資先等が海外に存在する場合は、それぞれの国又は地域での法令及び規制を遵守する必要があります。
以下の法的規制は、当社グループの業務を規制し、また、現在は直接規制の対象となっていなくとも、今後の法改正や当社グループの業務範囲の拡大等によっては、新たに法的規制の根拠となる可能性があります。将来における法律、規則、政策、実務慣行、法改正及びその他の政策の変更による影響(種類・内容・程度等)を予測することは困難であり、当社がコントロールしうるものではありません。当社グループは現時点の規制に従って業務を遂行しておりますが、そうした改正、変更等が有った場合には、当社グループの業務運営や経営成績等に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
現時点で想定される主な法的規制には、以下のものが挙げられます。
「金融商品取引法」「資産の流動化に関する法律」「不動産特定共同事業法」「金融商品の販売等に関する法律」
「投資信託及び投資法人に関する法律」「信託業法」「宅地建物取引業法」「建築基準法」「都市計画法」
「貸金業法」「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」
当社グループが取得している主な許可・認可・登録は以下のとおりであり、これらの各種許認可等の取消事由等に該当する何らかの問題が生じた場合には、業務停止命令や許認可等の取消処分を受ける可能性があります。
当社グループといたしましては、グループの役職員を対象に定期的なコンプライアンス研修を実施し、法令順守・コンプライアンスを徹底し、各種許認可等の取消事由の発生を未然に防止することにより、当該リスクの低減に努めております。
⑤ 当社グループの業績推移等について
当社グループにおけるインベストメントバンク事業は、保有不動産の販売の有無により、売上高の構成内容、構成比率、利益率が大きく変動します。したがって、過年度の財政状態や経営成績は、今後の当社グループの業績を判断するのに不十分な面があります。
最近の連結業績等の推移は下表のとおりであり、また、セグメントの売上高及び営業利益については、「第5 経理の状況 1. 連結財務諸表等」の「注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
⑥ 棚卸資産の評価について
当社グループでは、棚卸資産の時価が取得原価を下回る場合には、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に則り評価損を計上することとしております。今後、市場環境の悪化などにより、棚卸資産の時価が大きく下落した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、適宜市場環境の変化を注視し適切な対処に努めるとともに、会計基準に則した適切な財務諸表の作成と開示に努めてまいります。
⑦ 連結の範囲決定に関する事項について
当社グループは、従来より各特定目的会社(SPC)及びファンド等の連結範囲については「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第22号)、「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第15号)、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第20号)等の基準及び取扱い等に従い、各特定目的会社(SPC)及びファンド等の契約内容やスキームを踏まえ、個別に支配力及び影響力を検討した上で決定しております。今後、これらの基準及び取扱い等の改正や新たな会計基準の制定、実務指針等の公表により、当社が採用している連結範囲の決定方針と大きく異なる会計慣行が確立された場合には、当社の連結範囲の決定方針に大きな変更が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、会計基準や実務指針等について常に最新情報を取得・検討し、当社グループの業績及び財政状態への影響を評価するとともに、会計基準や実務指針等に則した適切な財務諸表の作成と開示に努めてまいります。
⑧ 当社グループの事業体制について
イ.小規模組織であることについて
当社グループは、2024年11月30日現在、従業員25名(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、派遣社員含む)と少人数であり、内部管理体制も当該組織規模に応じたものとなっております。今後も、事業規模に適合した組織的な内部管理体制の充実を図る方針ではありますが、必要となる人員が想定どおりに確保できず社内管理体制の充実が円滑に進まなかった場合には、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、少人数体制での効率的な業務運営を図っております。また、定期的な新卒採用と必要に応じて専門知識を有する人材の適宜採用及び新卒・中途入社の人材への継続した教育・育成により、当該リスクの低減に努めております。
ロ.特定の人物への依存リスクについて
当社グループは、代表取締役社長田島克洋が2002年12月に当社子会社である㈱ファンドクリエーションを創業し、現在まで当社グループの経営に携わり業容を拡大させてまいりました。現在も、同氏は顧客獲得のためのマーケティングや商品開発等に深く関与し、また、経営トップとして当社グループを統轄しております。現時点においては、何らかの理由により同氏が退職もしくは業務遂行が困難になる事態が生じた場合、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、これまでも経営体制の強化を図り、同氏への過度な依存を改善すべく体制整備を進めてまいりましたが、今後についても体制整備を推進し、当該リスクの低減に努めてまいります。
⑨ 人材の確保・育成について
当社グループが営む業務は、いずれも専門的知識と多くの経験を必要としており、それらのスキルを持つ人材の確保・育成が当社グループの経営上の重要な課題であると認識しております。しかしながら、想定どおり人材の確保・育成が進まなかった場合には、当社グループの今後の事業の拡大に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。また、人材の確保・育成が順調に行われた場合でも、採用費、人件費等のコスト負担が増加する場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、定期的な新卒採用と必要に応じて専門知識を有する人材の適宜採用及び新卒・中途入社の人材への継続した教育・育成により、当該リスクの低減に努めております。また、コスト負担の増加については、当社グループの業務運営に必要な適切な人員数を把握し適切な人員配置を行うこと、それにより業務運営の効率化を図ることにより、当該リスクの低減に努めてまいります。
⑩ 事業資金の資金調達について
当社グループは、事業資金は主に金融機関からの借入金によっております。今後、何らかの理由により借入条件に抵触したりまたは制限が付与されるなどにより新規の調達等が計画どおり実施できなかった場合、あるいは金融情勢等の変化により金利水準が大きく上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループといたしましては、これまでと同様に取引金融機関とは良好な関係を維持することにより、また、同時に事業資金の調達先の多様化を図ることにより、当該リスクの低減に努めてまいります。
⑪ コンプライアンスの徹底について
当社グループが営む業務には、様々な法的規制や業界団体による自主規制ルールがあり、これらを企業として遵守することのみならず、役職員一人一人に高いモラルが求められているものと考えております。役職員による不祥事等が発生した場合、当社グループに対するイメージ、レピュテーション(評判・風評)が失墜し、当社グループの事業活動及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループでは、役職員に対する定期的なコンプライアンス研修等を通じてコンプライアンスの徹底を図っており、当該リスクの低減に努めております。
⑫ 個人情報保護について
当社グループは業務上、投資家や当社グループにおいてアセットマネジメントを行う物件の入居者の個人情報を保有しております。不測の事態により個人情報の漏洩等があった場合には、当社グループへの損害賠償の請求や信用及びレピュテーションが低下し、事業活動及び経営成績等に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループでは、内部の情報管理体制の整備等により個人情報保護に注力するほか、役職員に対する定期的なコンプライアンス研修等を通じてコンプライアンスの徹底を図っており、当該リスクの低減に努めております。
⑬ 不測の事故、災害の発生及び感染症に関するリスクについて
当社及び当社グループ会社の多くは同一建物内に所在しており、当該建物に不測の事故や災害、通信障害等が発生した場合、あるいは広域にわたる自然災害、情報・通信システム、電力供給等のインフラストラクチャーの障害が発生した場合には、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性が相応にあるものと認識しております。
当社グループでは、不測の事故、災害の発生時を想定した危機管理規程、リスク管理規程等を策定し、不測の事態が生じた際の対処について定めるとともに、各グループの役職員に周知徹底することにより、当該リスクの低減に努めております。
⑭ 訴訟等に関するリスクについて
当社グループは、国内外の事業に関して、訴訟、紛争、その他の法的手続きの対象となるリスクがあります。有価証券報告書の提出日現在において、当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来、重大な訴訟等が提起された場合には、その内容や結果等によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(業績等の概要)
(1) 経営成績に関する分析
当連結会計年度(2023年12月1日~2024年11月30日)における我が国経済は、堅調な企業業績などを背景に景況感は良好な水準を維持しており、雇用・所得環境についても緩やかに改善が進んでおります。一方で、引き締め的な金融政策運営が世界的に行われる中で、一部の中央銀行では利下げに転じる動きがあるなど、金融市場の先行きについては不確実性が高まっております。加えて、物価の上昇によるコスト高や為替相場の変動が続いており、経済の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの主要事業が属する不動産業界では、引き続き投資家の物件取得意欲は高い状況にあり、訪日外国人の消費回復や円安などの影響もあり、国内外の投資家による活発な物件の売買が行われております。今後についても、物件価格と収益性のバランスを慎重に検討しながら、新規物件の取得を行ってまいります。
また、太陽光発電業界におきましては、投資商品としての需要に加え、カーボンニュートラルの実現に取り組む企業からの投資ニーズも高まっております。再生可能エネルギー普及促進への政府の後押しも追い風に、今後も市場の拡大が期待されております。
運送業界では、トラックドライバーの時間外労働の上限規制などのいわゆる「2024年問題」により、中小の物流事業者の財務改善、資金調達のニーズが高水準で推移しており、当社グループが展開するトラックのリースバックは需要の拡大が見込まれます。
こうした状況の下、アセットマネジメント事業においては、引き続きファンド運用資産残高、不動産等受託資産残高の増加に向けて、新たに投資家ニーズに適合した魅力的な商品開発を進めております。当期においては運送事業用トラックを投資対象とするファンド「FC車両ファンド」の運用資産残高が1,195百万円増加いたしました。
インベストメントバンク事業においては、当期において国内外の不動産を取得、売却し、収益計上いたしました。車両リース事業においては、運送事業者からのトラックの取得に注力し、当期において1,159百万円のリースバック車両を取得いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,669百万円(前期比37.0%増)、営業利益434百万円(前期比24.0%増)、経常利益341百万円(前期比13.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益200百万円(前期比9.5%増)となりました。
セグメント別の業績は以下の通りであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を除いた売上高で表示しております。
<アセットマネジメント事業>
当連結会計年度末において、当社グループが運用するファンド運用資産残高は224億円(一部円換算US$1.00=150.74円)、当社グループがアセットマネジメント業務を受託している不動産ファンド及び太陽光発電ファンド等の受託資産残高は188億円となりました。
不動産ファンドにつきましては、アセットマネジメントフィー及びファンド管理報酬等を計上いたしました。証券ファンドにつきましては、外国投資信託の管理報酬等を計上いたしました。また、事業型ファンドにつきましてもアセットマネジメントフィー等を計上いたしました。この結果、アセットマネジメント事業は、売上高882百万円(前期比0.9%増)、営業利益357百万円(前期比10.2%減)となりました。
<インベストメントバンク事業>
不動産投資事業では、国内外の不動産の売却、保有不動産からの賃料収入を計上いたしました。また、車両リース事業においては、車両の売却、リース収入を計上しました。この結果、インベストメントバンク事業は、売上高4,786百万円(前期比46.7%増)、営業利益410百万円(前期比53.0%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ302百万円増加し、1,837百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、180百万円となりました。税金等調整前当期純利益339百万円の計上、未払消費税等の増加210百万円、前受収益及び契約負債の減少243百万円等が資金増加の主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により獲得した資金は、246百万円となりました。短期貸付金が221百万円減少したこと等が資金増加の主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、126百万円となりました。社債の償還による300百万円の資金減少、長期借入金の借入による収入と返済により211百万円の資金増加等が主な要因であります。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績、仕入実績及び受注実績
グループの提供するサービスは生産・仕入・受注活動を伴わないため、記載を省略しております。
(2) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引は相殺しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(3) ファンド資産残高の状況
① 不動産ファンドの運用資産残高
(注) 1.FCファンド-レジット不動産証券投資信託(「レジット」)は2003年11月に運用を開始しました。2010年11月度より「レジット」クラスC受益証券、2011年11月度より「レジット」ブラジルレアルクラス受益証券及び豪ドルクラス受益証券の運用資産残高を含めております。
2.任意組合型不動産ファンドは2015年4月に運用を開始しました。
3.FC FUNDINGは2023年4月に運用を開始しました。
② 証券ファンドの運用資産残高
(注) 1.FCグローバル ベトナムファンド(「ベトナム」)(旧名称 フェイム-アイザワ トラスト ベトナムファンド)は2006年9月に運用を開始しました。なお、本ファンドは運用資産が米ドル建てで算出されており、下記の月末為替レート(TTM)を使用しております。
2.FCベンチャー企業投資任意組合1号、2号は2022年8月に、3号は2022年9月に、5号は2022年12月に、6号は2023年7月に運用を開始しました。
③ 事業型ファンドの運用資産残高
(注) 1.福岡川崎ソーラーファンド 福岡川崎ソーラー事業匿名組合は2014年3月に運用を開始しました。
2.福岡田川ソーラーファンド 福岡田川ソーラー事業匿名組合は2014年10月に運用を開始しました。
3.三重芸濃ソーラーファンド 三重芸濃ソーラー事業匿名組合は2015年2月に運用を開始しました。
4.栃木益子ソーラーファンド 栃木益子ソーラー事業匿名組合は2015年3月に運用を開始しました。
5.熊本明徳ソーラーファンド 熊本明徳ソーラー事業匿名組合は2015年3月に運用を開始しました。
6.福岡豊前ソーラーファンド 福岡豊前ソーラー事業匿名組合は2015年12月に運用を開始しました。
7.福島二本松ソーラーファンド 福島二本松ソーラー事業匿名組合は2016年3月に運用を開始しました。
8.和歌山新宮ソーラーファンド 和歌山新宮ソーラー事業匿名組合は2016年3月に運用を開始しました。
9.栃木那須烏山ソーラーファンド 栃木那須烏山ソーラー事業匿名組合は2017年3月に運用を開始しました。
10.民泊等宿泊事業ファンド1号は 、 2018 年6月に設定され 2018年12月に追加募集がなされました。
11.FC事業ファンド1号は、2020 年11月に設定され 2021年3月に募集が完了いたしました。
12.FC車両ファンド1号は2022年9月に、2号は2022年12月に、3号は2023年3月に、4号は2023年5月に、5号は2023年8月に、6号は2023年11月に、L-1号ファンドが2024年3月に、7号ファンドが2024年5月に、8号ファンドが2024年8月に、9号ファンドが2024年11月に設定されました。
(4) アセットマネジメント事業に関する報酬
① アクイジションフィー、ディスポジションフィー等
② アセットマネジメントフィー等
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループの当連結会計年度(自 2023年12月1日 至 2024年11月30日)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況については、以下に記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。見積り及び判断・評価につきましては、過去の実績や合理的と考えられる要因等に基づいて判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積及び仮定のうち、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
但し、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っておりますが、現時点では予想できないさらなる外部環境の変化等が発生した場合には将来において損失が発生する可能性があります。
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比113百万円増加し4,909百万円となりました。これは主として、現金及び預金が302百万円、棚卸資産が54百万円増加、短期貸付金が221百万円減少したことなどによるものです。
また、当連結会計年度末における固定資産の残高は、有形固定資産420百万円、無形固定資産2百万円、投資その他の資産461百万円となり、前連結会計年度末比26百万円増加し884百万円となりました。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比300百万円減少し1,297百万円となりました。これは主として、短期借入金が43百万円、未払金が73百万円、預り金が67百万円増加した一方で、短期社債が300百万円、前受収益及び契約負債が242百万円減少したことなどによるものです。
また、当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比226百万円増加し1,455百万円となりました。これは主として、長期借入金が197百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度比209百万円増加し3,054百万円となりました。これは主として、配当金の支払いにより37百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益200百万円計上したことにより利益剰余金が162百万円増加したこと、その他有価証券評価差額金が47百万円増加したことなどによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度比136百万円増加し5,806百万円、負債は前連結会計年度比73百万円減少し2,752百万円、純資産は前連結会計年度比209百万円増加し3,054百万円となり、自己資本比率は52.6%と前連結会計年度比2.4%増加いたしました。
セグメントごとの分析は、次の通りです。
(アセットマネジメント事業)
当連結会計年度末において、当社グループが運用するファンド運用資産残高は224億円(一部円換算US$1.00=150.74円)、当社グループがアセットマネジメント業務を受託している不動産等の受託資産残高は188億円となりました。
不動産ファンドにつきましては、アセットマネジメントフィー及びファンド管理報酬等を計上いたしました。証券ファンドにつきましては、外国投資信託の管理報酬等を計上いたしました。また、事業型ファンドにつきましてもアセットマネジメントフィー等を計上いたしました。この結果、アセットマネジメント事業全体では、売上高882百万円(前期比0.9%増)、営業利益357百万円(前期比10.2%減)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比256百万円増加し1,441百万円となりました。
(インベストメントバンク事業)
不動産投資事業では、国内不動産の売却、保有不動産からの賃料収入を計上いたしました。また、車両リースバック事業においては、車両の売却、リース収入を計上しました。この結果、インベストメントバンク事業全体では、売上高4,786百万円(前期比46.7%増)、営業利益410百万円(前期比53.0%増)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ321百万円減少し2,912百万円となりました。
当社グループの主要な事業領域である不動産業界においては、引き続き投資家の物件取得意欲は高い状況にあり、国内外の投資家による活発な物件の売買が行われています。一方で、日本を含めた主要国の金融政策の見通しは困難な状況となっており、今後の新規物件の取得にあたっては、物件価格と収益性のバランスを慎重に検討することが必要となってきております。
また、太陽光発電業界におきましては、長期間にわたって安定した売電収入が期待できる点、現在の良好な資金調達環境などによる利回り商品としての需要拡大に加えて、政府のグリーン成長戦略の推進等による後押しもあり、今後も市場の拡大が期待されております。
運送業界では中小・零細の物流事業者の財務改善、資金調達のニーズが高水準で推移しており、当社グループが展開するトラックのリースバックは需要の拡大が見込まれます。
当社グループの事業セグメントであるアセットマネジメント事業、インベストメントバンク事業のいずれにおいても上記の視点に基づき事業を推進しており、当連結会計年度の経営成績は次の通りです。
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比1,532百万円増加し5,669百万円となりました。
アセットマネジメント事業の売上高は、不動産ファンド関連報酬が前連結会計年度比90百万円増加し737百万円となったこと、また、証券ファンド関連報酬が31百万円減少し20百万円となったことにより、全体では前連結会計年度比7百万円増加し882百万円となりました。インベストメントバンク事業の売上高は、保有不動産の売却による売上高の増加、車両の売却等により前連結会計年度比1,524百万円増加し4,786百万円となりました。
当連結会計年度の売上原価は、主としてインベストメントバンク事業において保有不動産の売却、車両の売却等により前連結会計年度比1,461百万円増加し4,533百万円を計上しました。この結果、当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度比71百万円増加し1,135百万円となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、役員報酬、給与手当、賞与等の人件費344百万円、支払手数料150百万円を中心に、前連結会計年度比12百万円減少し700百万円となりました。売上総利益が71百万円増加し販管費が12百万円減少した結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比84百万円増加し434百万円となりました。
当連結会計年度の営業外収益は、受取利息、受取配当金等の計上により23百万円となりました。営業外費用は支払利息、資金調達費用等の計上により117百万円となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比41百万円増加し341百万円となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が前連結会計年度比で増加し、法人税、住民税及び事業税133百万円及び法人税等調整額5百万円を計上したことにより、前連結会計年度比17百万円増加し200百万円となりました。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当該事業リスクが発生した場合、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。詳細につきましては、同項を参照願います。
① 資金調達
短期資金需要については、当社グループでは、営業活動におけるインベストメントバンク事業の投融資等の事業活動に必要な資金の確保と、財務の健全性の維持及び手元流動性の確保を基本方針としており、インベストメントバンク事業の不動産投資等部門が行う投融資では、主に金融機関からの借入による資金調達のほか、当連結会計年度においてはソーシャルレンディングを活用した資金調達を実施し、適切な手元流動性の確保と資金調達方法の多様化を図っております。
② 資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、アセットマネジメント事業については新規ファンド組成に係る諸費用や人件費等の販売費及び一般管理費の運転資金、インベストメントバンク事業については営業活動における不動産や太陽光発電設備等の取得及び新規開発に係る投資や企業への投融資、人件費等の販売費及び一般管理費の運転資金であります。
アセットマネジメント事業においては、運転資金は主として営業活動によるキャッシュ・フローで対応する方針です。インベストメントバンク事業の投融資は、不動産投資等部門における不動産等投融資と、証券投資部門における成長性豊かな上場企業・未上場企業に対し投融資とからなります。インベストメントバンク事業においては投融資が収益拡大を促進するため、当社グループでは今後も金融機関から調達した資金を中心に投融資を継続していく予定であります。
また、当社グループでは、M&A等を実施することにより成長機会を捉え、事業基盤の拡充を行うことが、当社グループの中長期的な企業価値の向上を図る上で重要な戦略と考えており、上記事業での資金需要とは別にM&A等の資金需要が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。