文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、専門技術者集団として、少子高齢化といった社会構造の変化や多発・激甚化する自然災害、地球規模での温暖化問題にも深く配慮していかなければならない社会的使命を負っているものと考えております。当社グループは、これらの新たな時代の要請に応えつつ、「顧客満足と社員満足の両立」、「公明正大な企業活動」、「その他全てのステークホルダーへの責任」を念頭に、地球の明日を見つめながら、人の心の優しさと豊かさを育み、安全で安心・快適な生活空間を創造すべく果敢に挑戦し続ける企業を目指しております。
「企業をつくるのは"人"」、「経営を支えるのは"和"」、「技術を高めるのは"心"」の経営理念のもと、私たちは新たな価値の創造の実現に向け、人・社会・自然との調和を科学する先進的な技術者集団へと発展、飛躍をし、社会に貢献してまいります。
当社グループは、中期においても一定量の需要が持続するものと予想しており、2027年11月期における連結業績目標を、連結売上高84億円、連結営業利益9.3億円、連結経常利益9.3億円、親会社株主に帰属する当期純利益5.7億円に設定しております。
建設コンサルタント業界は、国土交通省が「国民の安全・安心の確保」、「持続的な経済成長の実現」、「個性をいかした地域づくりと分散型国づくり」の3本を柱に、令和7年度も前年度と同規模の予算要求がなされていることや、防衛施設整備関連の需要が拡大しており、防衛省においても過去最高額となる予算要求がなされていることから、引き続き安定した受注環境が継続するものと予想しております。一方、情報処理業界は、主要顧客の官公庁においては受注競争が激しさを増すものの、安定した需要があることから、中期的な受注は回復する方向で推移するものと予想しております。
当社グループ主力事業の建設コンサルタント事業は、主要顧客が官公庁であることから、顧客満足度の向上と業務実績の積み上げが必要不可欠です。このため、技術力と品質の向上を図り、安定した受注により業務実績を蓄積することが業績の維持・拡大に重要な要素となると考えております。
また、建設コンサルタント事業の現在の受注環境は、防災・減災、国土強靱化関連に加え、防衛省の基地整備関連も引き続き高い水準の需要があることから、今後も良好な受注環境が持続するものと考えております。
このような状況下、当社グループは、対処すべき課題として次の4点を掲げ、全社一丸となって中期的な業績目標の達成を目指します。
従来型の営業手法に加え、技術部門と営業部門が連携して技術提案営業を推進し、中期目標の達成に必要な受注量を確保する。
技術部門の横連携をさらに深化させ、業務量の平準化により生産性の向上と外注費等を削減する。また、販売費についても徹底して無駄を排除し、もう一段階の収益性の向上を目指す。
社会ニーズの変化に柔軟に対応し、新規案件にも積極的に挑戦して業務実績を蓄積する。また、ICT技術を積極的に活用して生産性を向上しつつ、ISO9001の確実な運用により品質管理を徹底する。
良好な受注環境下で確実に受注に結びつけられるよう、経験豊富な技術者を積極採用しつつ、若手技術者も積極採用し、受注・生産キャパシティの強化と次世代を担う人材開発を強力に推進する。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、1961年の創業以来半世紀にわたって社会基盤整備に関わってまいりました。今後も、社会基盤整備に深く永く関わり続けていくことは、当社グループに課せられた使命であると考えております。社会資本整備は、「作る」から「保全・再生」の時代へ移り変わっており、人口減少や高齢化といった社会構造の変化や、多発・激甚化する災害、地球規模での温暖化問題などにも深く配慮しておかなければなりません。
当社グループは、新しい時代の要請に応えつつ、「新たな価値の創造」に向けて果敢に挑戦し続け、「人・社会・自然との調和を科学する先進的な技術者集団」としての更なる飛躍を目指してまいります。
当社グループは、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権尊重・労働環境への配慮、取引先との公正な取引などに適切に対応することが持続的な企業価値の向上に重要であると認識しており、サステナビリティに関するガバナンス体制は、コーポレート・ガバナンスと同様となります。当社グループのコーポレート・ガバナンスの状況は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりです。
当社グループは、コンプライアンスを徹底しつつ適切なリスク管理を行うため、「倫理・コンプライアンス規定」、「リスク管理規定」等の社内規定を整備すると共に、文書化された内部統制システムの整備・運用を徹底しており、連結子会社においてもこれを準用しております。併せて、「内部通報取扱規定」に準拠して運用される内部通報窓口を設置することでリスクの検知にも努めております。
独立組織である内部監査室は、当社グループ全体に対して内部統制の整備・運用状況や内部通報の有無等を定期的に監査し、監査結果を定期的に取締役会に報告しております。
(3)戦略
当社グループは、気候変動などの地球環境問題への配慮につきましては、当社が認証を受けたISO14001に則り社内で実行すべき環境目標を定め、オフィス活動による環境負荷軽減や環境配慮設計等の取り組みを進めます。また、人的資源につきましては、人材が持続的な成長に必要な要素であると認識していることから、採用や役職者の登用は性別・国籍(国防上の機密を取り扱う業務においてはこれを除外)・社会的身分等を問わず、優秀な人材を積極採用することを原則とし、子育て世代にも働きやすい職場とすることで将来を担う人材の流出を防止します。
環境配慮(オフィス活動)
冷暖房機の適切な温度管理やこまめな消灯などにより、各事業所の電気使用量が過去3ケ年の累計平均値を超えることのないようエネルギー使用量を抑制する。
環境配慮(生産活動)
受注した業務のうち次に掲げる著しい環境側面に該当する業務は、90%以上の業務で環境提案を実施する。
・環境負荷が少ない材料・新工法の採用
・周辺の自然環境や生態系への配慮
・地形改変を最小化することによる周辺環境への配慮
・施工時に発生する残土・汚泥・廃棄物の有効利用や排出抑制
・構造物の壁面や屋上、道路沿道の緑化
・施設の長寿命化による環境負荷低減
人的資源(子育て世代の人材流出防止)
子育て世代の育児休業取得によるキャリア形成の中断を防止するため、男女の育児休業取得率の目標を次のとおり定める。
・男性労働者の育児休業取得率30%以上
・女性労働者の育児休業取得率100%を維持
当該指標に関する実績は、次のとおりであります。
(注)「-」は、対象者がいない場合を示しています。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスクを認識した上で、当該リスクの防止策を展開するとともに、不測の事態に備えた適切なリスク軽減・移転策を講じております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの受注は、国や地方自治体に対する依存度が高く、公的予算の変化が当社グループの受注環境や業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、このリスクへの対策として、建設コンサルタントとしてこれまで培った技術ノウハウを活用して、新たな社会ニーズに対応した新規周辺事業分野へ参入し、リスク分散することで受注環境の変化に対応する方針としております。
当社グループの主力事業である建設コンサルタント事業は、社会資本整備の調査・計画・設計・施工管理等の各業務において顧客の事業執行を支援する技術サービスを提供しており、顧客や各種関係機関等との協議・調整が業務を進める上で必要不可欠です。新種のウイルス感染症等が発生すると、対面で行うこれらの協議・調整に大幅な制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、このリスクへの対応として、リモートワーク環境やWEBミーティング環境を整備し、感染予防と生産性を両立する対策を講じております。
当社グループの成果品は、納品後も一定の期間にわたり契約不適合責任を有しております。これにより、万一、契約内容に適合しない成果品が発生すると、契約不適合に対する補修費用等の名目で後の業績に負の影響を与える可能性があります。
当社グループは、品質管理に関するリスク対策として、ISO9001に基づく品質管理の徹底によりリスクを軽減することに加え、不測の事態に備える賠償責任保険の継続加入することによりリスクの一部を外部へ移転しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用が改善し、物価高による実質賃金の低迷で伸び悩んでいた個人消費に持ち直しの兆しがみられたことに加え、良好な企業業績も重なって景気は回復傾向にありました。しかしながら、地政学的リスクの高まりやトランプ大統領再選などの国際情勢の影響を受け、景気の先行きは不透明な状況になっております。
一方、当社グループ主力事業の建設コンサルタント事業は、社会インフラの点検・補修・補強業務などの防災・減災、国土強靭化関連の需要が引き続き堅調であったことに加え、「防衛力整備計画」を背景とする防衛施設整備関連等の需要が拡大したことで安定した受注環境にありました。他方、連結子会社が取り組む情報処理事業は、安定した需要があるものの、主要顧客である官公庁に限定すると、価格競争による厳しい受注環境にありました。
このような状況下、当社グループは、営業面では、業績目標の達成に必要な受注量の確保を最優先とする営業活動をグループ全体で推進し、建設コンサルタント事業と情報処理事業共に前年同期を上回る成果を上げることができました。特に、建設コンサルタント事業の受注高の伸びが著しく、これは、当第2四半期連結会計期間から当第3四半期連結会計期間にかけて、防衛省等で複数年契約の大型案件を数件受注したことによるものであり、連結受注高を大きく牽引する要因となりました。
また、生産面では、建設コンサルタント事業は引き続き生産体制拡充と生産性向上に努めながら生産コストを縮減し、情報処理事業は価格競争の影響を最小限とするよう生産コストを縮減したことに加え、グループ全体で販売費および一般管理費も一層のコスト縮減を徹底し、連結各利益で前年同期を上回る成果を上げることができました。
なお、当連結会計年度は、受注高の増加に比べて売上高の増加が少なくなっておりますが、これは次期以降の売上高として計上される予定の繰越手持ちが増加していることによるものであります。
この結果、当連結会計年度の業績は、受注高9,906百万円(前年同期比22.3%増)、売上高8,061百万円(前年同期比5.0%増)、経常利益759百万円(前年同期比15.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益512百万円(前年同期比27.3%増)となりました。
次期以降の経営目標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。また、当該経営目標の達成に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(建設コンサルタント事業)
主力事業であります建設コンサルタント事業は、受注高8,261百万円(前年同期比25.8%増)、売上高6,514百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益874百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
(情報処理事業)
情報処理事業は、受注高1,642百万円(前年同期比7.5%増)、売上高1,543百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益13百万円(前年同期比569.1%増)となりました。
(不動産賃貸・管理事業)
不動産賃貸・管理事業は、当社子会社が主に連結グループ内企業に対してサービスを提供している事業で、受注高3百万円(前年同期比9.2%減)、売上高3百万円(前年同期比9.2%減)、営業利益25百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
(注)上記セグメント別の売上高は、外部顧客に対する売上高のみを表示しております。セグメント別の営業利益は、外部顧客に対する額に加え、セグメント間の額を含めて表示しております。
セグメントごとの受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて344百万円増加し7,421百万円となりました。これは完成業務未収入金及び契約資産等の増加543百万円、現金及び預金213百万円の減少等によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて167百万円減少し3,423百万円となりました。これは短期借入金の減少500百万円、契約負債の増加323百万円等によるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて511百万円増加し3,997百万円となりました。これは利益剰余金の増加495百万円等によるものです。
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、期首と比べ210百万円減少し3,279百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得した資金は410百万円(前年同期は獲得した資金595百万円)となりました。これは当連結会計年度において税金等調整前当期純利益を759百万円計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用した資金は59百万円(前年同期は獲得した資金7百万円)となりました。これは当連結会計年度において関係会社株式の取得による支出30百万円があること等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用した資金は561百万円(前年同期は使用した資金465百万円)となりました。これは当連結会計年度において短期借入金の純増減額500百万円を支出したこと等によるものです。
設備投資等の資本的支出につきましては営業活動による収入で賄うことを基本としておりますが、当社の財務戦略を鑑み、銀行借入またはリースを併用する場合があります。設備の新設等の計画につきましては「第3 設備の状況」「3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社グループは、本社機構の新規事業推進室を中心に、総合建設コンサルタントとしてこれまで培った技術ノウハウを活用して、地域活性化に関する調査・研究を進めました。当連結会計年度における研究開発費の総額は
なお、当連結会計年度において、情報処理事業、不動産賃貸・管理事業に関する研究開発の実績はございません。