第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、創立以来一貫して食糧に関する事業を行い、農薬の開発・製造・販売を通じて農産物の安定供給に寄与することを社会的使命と捉えた事業を推進しております。

事業の中核となる農薬の研究開発を基礎に経営資源の投入を図り、近年消費者が求める「食の安全・安心」に対応した環境に優しい製品の開発に努めるとともに、地域の特性を活かした製品の開発にも努め、地域に密着した営業戦略を推進するなど、大手にできない独自性・優位性を発揮できる製品や技術の開発に注力しております。

また生産から販売まで一貫した連携・合理化を図り収益基盤をより強固にすることで収益性の高い自社製品販売比率を高め、競争力を有する強い企業体質の確立に努め、社会に貢献することを経営の基本としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、株主資本(自己資本利益率/ROE)や、総資本(総資産利益率/ROA)の運用効率を向上させるとともに、資金効率を高めるためキャッシュ・フローも重要な指標として認識し、売上高、営業利益の増加を目標に収益力の一層の向上を目指し企業価値の向上に努めてまいります。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、輸入農産物の増加や農耕地の減少に加え消費者の「食の安全・安心」への関心の高まりから減農薬栽培・有機栽培の増加等依然厳しい状況が続いております。

このような状況のもと、当社グループは、経営理念としている「環境との調和を図り社会に貢献する」を基本に、大手にできない「地域に密着した製品」、「環境に優しい製品」等の独自性を追求した商品の開発・育成に注力するとともに、キメ細かな普及・営業活動を徹底し、地域のニーズの動向を把握して迅速に対応し、販売と収益力の拡大に努めることで競争力を強化してまいります。

激変する市場環境に対応するため、研究開発の迅速化に努め、地域や時代のニーズを的確に把握して迅速に事業化を図ることで独自の植物を保護育成する製品、環境負荷軽減に繋がる製品、地域の植物防疫に適合する製品並びに農薬以外の関連資材、防除事業、生活環境の改善に関連する事業などの研究開発、育成に注力して自社製品販売比率を高めトップブランドの創造を目指してまいります。

また社員教育を通じ、経営全般にわたり一層の効率化を進め収益の確保、増大を図り、グループ各社のより一層の発展を推進してまいります。

一方、企業が果たすべき社会的責任として、品質、安全、環境への配慮、コンプライアンス(法令遵守)、内部統制の充実が重要と考え、内部統制室を設置し社会環境・事業環境の変化に対応しながら随時更新し評価を行ってまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次の通りであります。

 当社グループは、経営理念としている「環境との調和を図り社会に貢献する」を基本として、サステナビリティに関する様々な課題に向き合いながら企業価値の向上を図るとともに持続的な成長に繋げて、人に優しく大地に優しい社会の実現に努めてまいります。

 

(1)ガバナンス

 当社では、サステナビリティ関連のリスク及び機会を、その他経営上のリスク及び機会と一体的に監視及び管理し、コンプライアンスの徹底とリスクマネジメントを通じてコーポレート・ガバナンス体制の持続的な強化に取り組んでおります。

 詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(2)戦略

 当社の持続的な成長や事業価値の向上において、人材は最も重要な経営資源であると考えております。当社では、人材における多様性の確保と活用を目指し、従業員の成長過程や育成目的に即した多面的な教育研修を実施するとともに、男女間の機会均等の推進のための社内外の環境整備を進めております。社外研修の受講などを実施し人材育成に注力しております。また、年齢・性別にかかわらない適材適所による人事配置・登用、就業環境や社内制度の整備、社員のための教育・就業・生活環境の拡充を進めております。定期的に従業員の意識調査のアンケートを実施して問題点を把握し、職場環境の改善やハラスメント等の対策を行っております。

 

(3)リスク管理

 当社ではサステナビリティ関連のリスク及び機会を、その他経営上のリスク及び機会と一体的に監視及び管理しております。リスク管理の実施権限は、内部統制管理責任者及び各部門長にあり、経営者は全体のリスク管理責任を負います。

 詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 ロ リスク管理体制の整備の状況」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

 当社の人材の育成に関する方針及び社内環境に関する方針の具体的な指標について、現時点では定量的な指標や目標は設定しておりませんが、指標や目標の設定要否についても引き続き検討し、女性、男性とも働きやすい職場環境の整備、改善に向けた取り組みを推進してまいります。

 また、男性の育児休業取得率向上のため、周知と取得推奨を進めてまいります。

 

(正規雇用社員+フルタイムの有期契約社員)

・全従業員の男女比率          男性 84.0% : 女性 16.0%

・管理職の男女比率           男性 91.7% : 女性  8.3%

・男女の賃金差異            80.0%

・全従業員の年代構成

 

~20代

30代

40代

50代

60代~

構成比率

15.2%

13.0%

18.8%

35.5%

17.4%

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況等

 当社グループは、農薬・農業関連資材の販売及び公園・ゴルフ場等の緑化関係の防除を事業としており、国内外の経済・政治情勢、公的規制、官公庁の予算等によって直接的、間接的な影響を受けます。

(2)原材料の価格変動について

 当社グループの事業で使用する農薬原料、副原料の購入価格は石油化学製品が主体であるため、国内外の情勢、為替相場、原油価格動向等の影響を受けます。

業績に及ぼす影響は購入価格の引上げ幅の抑制や製品価格への転嫁等で可能な限り回避していますが、調達先における法規制の強化や災害等予期せぬ事態の場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)新製品の開発

 当社グループの主要製品であります農薬の開発には、人的資源、多額の資金と長期にわたる試験が必要です。開発の迅速化、研究体制の充実等により継続的な新商品の上市を目指しておりますが、この期間の市場環境の変化、技術水準の進捗、また競合品の開発状況により将来の収益に影響を受ける可能性があります。

(4)気象条件による影響について

 当社グループの主要製品であります農薬は、売上に季節性があり、また気象条件に左右されやすい傾向があります。気象条件により、農薬の散布機会を逸したり病害虫の発生状況が変化することで、業績に影響を及ぼす可能性がありますので、気象条件に左右されにくい製品の開発、販売増に努力しております。

(5)公的規制

 農薬の製造販売においては農薬取締法、製造物責任法等さまざまな規制を受けております。当社グループでは法的規制の遵守を強化しておりますが、遵守出来なかった場合や規制の強化によっては、事業活動に制約を受けコスト増加につながることから、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)事故・災害等

 当社工場において操業停止を余儀なくされた場合や破損した設備、工場施設の復旧に多大な費用を要する場合、また、取引先(仕入先、販売先等)の拠点において、火災や停電などの事故や自然災害により仕入れ及び販売に支障をきたした場合、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(7)全国農業協同組合連合会との取引について

 当社グループは全国農業協同組合連合会に対し農薬を販売しており、売上高に占める割合は当連結会計年度では30.2%となっております。今後、全国農業協同組合連合会との取引に大きな変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がありますので、良好な関係を継続できるように努めております。

 

(8)製品の安全・品質

 当社工場では、ISO9001で認定されたマネジメントシステムの構築と遵守、製品検査の徹底等、品質管理に努めておりますが、当社グループが製造販売する製品の安全品質管理に重大な問題が発生した場合、多額の損害賠償や製品ブランドの棄損等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、堅調な企業業績や人手不足を背景とした設備投資の増加やインバウンド需要の好調は続きましたが、個人消費が伸び悩み足踏み状態で推移しました。日本や欧州主要国で政権が不安定な状況にあり、ロシアとウクライナの戦争や中東での武力衝突は終結が見通せず、東アジアの地政学的な緊張感も高まっている中で、米国の政権交代が今後の世界の政治、経済状況にどのような影響を及ぼすか現時点では不透明であり、我が国経済の先行きについても見通すことが困難な状況にあります。

 国内の農業を取り巻く環境に関しましては、農林水産物・食品の輸出額が過去最高を記録した2023年並みで推移しましたが、基幹的農業従事者や新規就農者、耕地面積の減少傾向など根本的な課題は解決されておりません。10月に「スマート農業技術活用促進法」が施行され、営農の効率向上や農作業の負担軽減への具体的な取り組みが始まりましたが、これら課題の解決に効果が表れるまでには時間を要するものと思われます。

 このような状況のもと、当社グループでは従来からの地域密着を基本に、水稲用殺虫剤「スクミノン」、園芸用殺虫剤「サンケイ コテツベイト」および食品由来物質を用いた「サンクリスタル乳剤」、「ハッパ乳剤」などの食用作物用独自開発品ならびに環境と樹木への負荷を軽減した樹幹注入剤「ウッドスター」などの緑化用独自開発品に加え、総合防除による環境保全型農業への推進、森林や公園・ゴルフ場等の緑化防除事業ならびに不快害虫防除薬剤の開発と防除事業などに注力するとともに受託生産にも努めて工場の操業度向上を図ってまいりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は7,715百万円で、前連結会計年度末に比べ172百万円の増加となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は4,476百万円で、前連結会計年度末に比べ152百万円の増加となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は3,239百万円で、前連結会計年度末に比べ19百万円の増加となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高6,052百万円(前連結会計年度比54百万円、0.9%増)、営業利益は45百万円(前連結会計年度は11百万円の営業損失)、経常利益139百万円(前連結会計年度比101百万円、268.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益132百万円(前連結会計年度比96百万円、262.5%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 当社グループは事業の種類別セグメント情報は公開しておりませんが、製品の用途別売上は以下のとおりとなりました。

 殺虫剤は緑化用が減少し、売上高3,157百万円(前年同期比110百万円、3.4%減)、殺菌剤は園芸用が増加し、売上高713百万円(前年同期比136百万円、23.7%増)、殺虫殺菌剤は水稲用が増加し、売上高484百万円(前年同期比98百万円、25.6%増)、除草剤は園芸用が減少し、売上高612百万円(前年同期比78百万円、11.3%減)、その他は園芸用が増加し、売上高440百万円(前年同期比57百万円、15.0%増)、農薬以外は減少し、売上高644百万円(前年同期比50百万円、7.3%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ258百万円増加し、1,903百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは453百万円の増加(前年同期は111百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益218百万円及び棚卸資産の減少206百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは25百万円の増加(前年同期は317百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入70百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは220百万円の減少(前年同期は10百万円の減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出901百万円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.製品生産実績

 当社グループはセグメント情報を開示しておりませんので、種類別生産実績を示すと次のとおりであります。

種類

前連結会計年度

(自 2022年12月1日

至 2023年11月30日)

当連結会計年度

(自 2023年12月1日

至 2024年11月30日)

増減比

(%)

農薬

 

 

 

殺虫剤(千円)

1,568,417

1,293,143

△17.6

殺菌剤(千円)

298,481

307,636

3.1

殺虫殺菌剤(千円)

129,096

179,909

39.4

除草剤(千円)

207,047

18,004

△91.3

その他(千円)

208,379

236,850

13.7

小計(千円)

2,411,423

2,035,544

△15.6

農薬以外(千円)

23,618

35,261

49.3

合計(千円)

2,435,042

2,070,806

△15.0

 (注)金額は、製品製造原価で表示しております。

 

b.受注実績

 当社グループは、受注生産は行っておりません。

 

c.商品仕入実績

 当社グループは、自社製品の販売とともに他社製品も販売しており、最近の仕入実績は次のとおりであります。

種類

前連結会計年度

(自 2022年12月1日

至 2023年11月30日)

当連結会計年度

(自 2023年12月1日

至 2024年11月30日)

増減比

(%)

農薬

 

 

 

殺虫剤(千円)

1,113,447

1,022,066

△8.2

殺菌剤(千円)

273,028

263,873

△3.4

殺虫殺菌剤(千円)

192,205

203,156

5.7

除草剤(千円)

301,859

345,854

14.6

その他(千円)

134,918

129,327

△4.1

小計(千円)

2,015,459

1,964,278

△2.5

農薬以外(千円)

142,174

160,457

12.9

合計(千円)

2,157,633

2,124,736

△1.5

 (注)主な仕入先は、住友化学㈱、協友アグリ㈱、㈱ニッソーグリーン等であります。

 

d.販売実績

 当社グループはセグメント情報を開示しておりませんので、種類別販売実績を示すと次のとおりであります。

種類

前連結会計年度

(自 2022年12月1日

至 2023年11月30日)

当連結会計年度

(自 2023年12月1日

至 2024年11月30日)

増減比

(%)

農薬

 

 

 

殺虫剤(千円)

3,267,345

3,157,007

△3.4

殺菌剤(千円)

576,606

713,272

23.7

殺虫殺菌剤(千円)

385,637

484,490

25.6

除草剤(千円)

690,473

612,339

△11.3

その他(千円)

383,331

440,919

15.0

小計(千円)

5,303,393

5,408,029

2.0

農薬以外(千円)

694,693

644,351

△7.3

合計(千円)

5,998,087

6,052,381

0.9

 (注)1.当社グループの製品、商品は多品種、多規格であり、同一数量でも品種により価格の差が著しいため、数量表示を省略し、金額で表示しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年12月1日

至 2023年11月30日)

当連結会計年度

(自 2023年12月1日

至 2024年11月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

全国農業協同組合連合会

1,679,751

28.0

1,828,019

30.2

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、役員退職慰労引当金、返金負債、税金費用等の見積りはそれぞれ適正であると判断しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は7,715百万円で、前連結会計年度末に比べ172百万円の増加となりました。

 流動資産が198百万円増加し、固定資産が26百万円減少しました。流動資産の増加は主に現金及び預金並びに受取手形及び売掛金の増加が商品及び製品の減少を上回ったことによるものであります。固定資産の減少は主に機械装置及び運搬具並びに投資有価証券の減少によるものであります。

(負債合計)

 当連結会計年度末の負債合計は4,476百万円で、前連結会計年度末に比べ152百万円の増加となりました。

 流動負債が141百万円増加し、固定負債が11百万円増加しました。流動負債の増加は主に支払手形及び買掛金の増加によるものであります。固定負債の増加は主にリース債務の増加によるものであります。

(純資産合計)

 当連結会計年度末の純資産合計は3,239百万円で、前連結会計年度末に比べ19百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。

 

2)経営成績

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は6,052百万円で、前連結会計年度に比べ54百万円(0.9%)増となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 売上原価は4,683百万円で、前連結会計年度に比べ18百万円(0.4%)増となりました。販売費及び一般管理費は1,323百万円で、前連結会計年度に比べ20百万円(1.6%)減となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は132百万円で、前連結会計年度に比べ96百万円(262.5%)増となりました。

 なお、当連結会計年度の経営成績の概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、公的規制、気象条件、事故・災害等があります。

 市場動向については、当社グループの事業が関係する国内市場においては、市場規模の縮小傾向がある中で大手企業との厳しい競争が今後も展開されると予想されることから、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。このような状況のもと、当社グループは、大手にできない地域に密着したキメ細かな普及・営業活動を徹底し、地域のニーズの動向を把握して迅速に対応し、販売と収益力の拡大に努めることで競争力を強化してまいります。

 公的規制については、農薬の製造販売において規制を受ける農薬取締法や環境に関する法律に抵触した場合は業績に影響を及ぼす可能性があるものと認識しております。このため法令遵守は当然のこと、品質、安全、環境への配慮が重要と考え、ISO9001を維持する等、管理体制の強化に努めてまいります。

 気象条件については、農薬や防除事業においては、気象条件の変化に伴う病害虫の種類・発生状況の変化が業績に影響を及ぼす可能性があるものと認識しております。このため地域のニーズを的確に把握し、研究開発の迅速化に努め、迅速に事業化を図るとともに農薬以外の関連資材、生活環境の改善に関連する事業などの育成に注力してまいります。

 事故・災害については、当社グループの主要な拠点がある鹿児島及び関東においては大規模な火山の噴火あるいは地震の発生の可能性があるものと認識しております。このため当社グループは事業継続計画を策定しており、主要拠点間で相互の役割を補完できる体制の強化に努めてまいります。

 

c.目標とする経営指標の達成状況等

 当連結会計年度においては、計画数値として売上高6,250百万円及び営業利益20百万円を設定し、業績向上に努めて参りました。売上高については、受託生産の売上が減少したため計画数値を若干下回りました。営業利益については、連結子会社のゴルフ場防除事業が好調で予想を上回りました。

 

d.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用、販売する取扱商品の仕入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、継続的な新製品開発及び既存製品の改良のための外部委託試験費用であります。また、長期性の資金需要は、製造工場の稼働維持のための設備更新、受託加工生産の増強のための設備投資等であります。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。短期運転資金は自己資金を基本としておりますが、不足時の一時的な運転資金を効率的に調達するため、主要取引銀行と当座貸越契約を締結しております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,903百万円であり、借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は2,239百万円となっております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約は次のとおりであります。

契約先

契約年月日

有効期間

契約の内容

全国農業協同組合連合会

2003年11月11日

2003年10月1日から2004年11月30日までとする。ただし、期間満了の1か月前までにいずれからも文書による別段の意思表示がないときは、さらに1年間延長する。以後同様。

農薬製品の売買に関する売買基本契約

全国農業協同組合連合会

2023年12月4日

2023年12月1日から

2024年11月30日まで

売買基本契約に基づく2024年度農薬の売買に関する契約

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、安全性が高く環境にやさしい製品、九州南部の地域性を活かした南方からの侵入害虫等に対応する製品など、国内の市場に適応する農薬の開発に注力し、2品目の新規農薬登録取得と14品目の農薬適用拡大が認められ、営業品目の充実を図りました。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は224百万円であります。