1 【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名 称  日本製鉄株式会社

所在地  東京都千代田区丸の内二丁目6番1号

 

2 【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式

 

3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1) 本公開買付けに関する意見の内容

当社は、2025年1月31日開催の当社取締役会において、下記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。

なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。

 

(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

 

① 本公開買付けの概要

公開買付者は、2025年1月31日開催の取締役会において、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は、当社株式を28,863,844株(所有割合(注1):52.98%)所有する当社の筆頭株主であり、公開買付者の完全子会社である日鉄物流株式会社(所有株式数33,937株、所有割合:0.06%)及び日鉄テックスエンジ株式会社(所有株式数20,200株、所有割合:0.04%)並びに公開買付者の連結子会社である日鉄プロセッシング株式会社(所有株式数600株、所有割合:0.00%)を通じた間接所有分と合わせて当社株式28,918,581株(所有割合:53.08%)を所有することにより、当社を連結子会社としております。

(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年1月31日付で公表した「2025年3月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(54,507,307株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(24,970株)を控除した株式数(54,482,337株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下同じです。

 

本公開買付けにおいては、公開買付者は、買付予定数の下限を7,457,756株(所有割合13.69%)としており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。一方、公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。

なお、買付予定数の下限は、当社の議決権総数(当社決算短信に記載された2024年12月31日現在の当社の発行済株式総数(54,507,307株)から、当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(24,970株)を控除した株式数54,482,337株)に係る議決権の数である544,823個に3分の2を乗じた数(363,216個、小数点以下を切り上げ)に、当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(36,321,600株)から、公開買付者所有株式数(28,863,844株)を控除した株式数(7,457,756株)としているとのことです。

 

公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載されている当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することにより、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得する予定とのことです(ただし、本公開買付けにおける応募株券等の数の合計が下限に満たない場合はこの限りではありません。)。なお、当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、下記「(4) 上場廃止となる見込み及びその事由」に記載のとおり、本公開買付けの結果次第では、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があり、また、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の各手続を実施することとなった場合には、所定の手続を経て上場廃止となります。

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

公開買付者は、1950年4月1日に八幡製鐵株式会社、富士製鐵株式会社としてそれぞれ設立し、両社は1970年3月31日に合併し、商号を新日本製鐵株式會社に変更したとのことです。新日本製鐵株式會社は、2012年10月1日に、1949年7月1日に設立された住友金属工業株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行い、商号を新日鐵住金株式会社に変更し、その後、2019年4月1日に、商号を現在の日本製鉄株式会社に改め、2020年4月1日に日鉄日新製鋼株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行い、本書提出日現在に至っているとのことです。また、公開買付者は、1950年10月2日付で東京証券取引所及び株式会社名古屋証券取引所に、1950年10月5日付で証券会員制法人福岡証券取引所に、その後、1952年1月21日付で証券会員制法人札幌証券取引所にそれぞれ株式を上場し、本書提出日現在、公開買付者の株式は、東京証券取引所においては、2022年4月の新市場区分への移行後、それまでの市場第一部に代わりプライム市場に、株式会社名古屋証券取引所においては、2022年4月の新市場区分への移行後、それまでの市場第一部に代わりプレミア市場にそれぞれ上場しているとともに、証券会員制法人福岡証券取引所及び証券会員制法人札幌証券取引所にもそれぞれ引き続き上場しているとのことです。

公開買付者は、2024年9月30日現在、当社を含む425社の連結子会社及び113社の持分法適用関連会社等を有しているとのことです。公開買付者グループ(注2)では、製鉄事業を主体に、エンジニアリング事業、ケミカル&マテリアル事業及びシステムソリューション事業を加えた4セグメント体制を敷いているとのことです。公開買付者グループは、「常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献する」という基本理念に則り、将来に亘って日本の産業競争力を支える「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指して成長し続けることを念頭に、2021年3月5日付で中長期経営計画(2021年度~2025年度)(以下「公開買付者経営計画」といいます。)を策定しているとのことです。公開買付者経営計画では、4つの柱として、(ⅰ)「国内製鉄事業の再構築とグループ経営の強化」、(ⅱ)「海外事業の深化・拡充に向けた、グローバル戦略の推進」、(ⅲ)「カーボンニュートラル(注3)への挑戦」及び(ⅳ)「デジタルトランスフォーメーション戦略の推進」を掲げているとのことです。

(注2) 公開買付者は、2024年9月30日現在、当社を含む425社の連結子会社及び113社の持分法適用関連会社等を有しているとのことです(公開買付者並びにその連結子会社及び持分法適用関連会社等を総称して、以下「公開買付者グループ」といいます。以下同じです。)

(注3) 「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス(以下「GHG」といいます。)の「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることをいうとのことです。

 

 

一方、当社は、1933年創業の山陽製鋼所の事業を承継する形で1935年1月に山陽製鋼株式会社として設立され、1939年9月に大阪証券取引所に、1954年1月に東京証券取引所に株式を上場いたしました。1959年1月に商号を山陽特殊製鋼株式会社に変更し、今日に至っております。なお、当社は2022年4月の東京証券取引所における新市場区分への移行後の本書提出日現在においては、東京証券取引所プライム市場に上場しております。当社の主力品種である軸受鋼は創業当初から生産を開始し、その後、「社会からの信頼」、「お客様からの信頼」、「人と人との信頼」の確立を目指す「信頼の経営」の経営理念のもと、再生資源である鉄スクラップを原料とした特殊鋼製造で資源循環型社会の一翼を担うとともに、「高清浄度鋼製造技術」をベースとして、開発・品質・安定供給等、あらゆる面にわたって市場から高い信頼を獲得する「高信頼性鋼」の提供を通じて社会の更なる発展に貢献することを使命として、特殊鋼メーカーとして成長を続けてまいりました。当社が長年培ってきた高清浄度鋼製造技術は、お客様における工程省略・簡略化が可能になることを通じてGHG排出量削減に貢献する「ECOMAX®シリーズ」や「TOUGHFIT®」等の開発にも繋がっており、脱炭素社会に向けた製品開発を推進、EV(注4)化進展等に伴う部品の小型・軽量化などの新規ニーズを取り込むとともに、風力発電や鉄道用ベアリング等の今後成長が期待される分野においても当社技術を活かした着実な新規需要の捕捉に貢献しております。公開買付者とは2006年2月に鉄鋼需要の変動や国際的な競争激化へ対応するため、生産受委託等、原料調達・製品物流におけるコストダウン推進、共同研究開発、生産・研究開発分野における人材交流の提携施策のメリットを相互に享受することを狙いとし、業務提携を実施することに合意いたしました。また、当該合意に基づき、同年6月に公開買付者の持分法適用関連会社となり、2019年3月には第三者割当による新株式の発行を通じて公開買付者の連結子会社となると同時に、スウェーデンのTriako Holdco AB(現 Ovako Group AB。以下、Ovako Group AB 及びその子会社を「Ovako」といいます。)を連結子会社化いたしました。当社、Ovako、公開買付者で進める3社連携では、技術人材派遣によるOvakoの生産効率向上や、グループ内インフラ活用による物流費の削減、原材料や資機材の適切な活用によるコストの削減、得意品種の生産集約、3社での研究開発面の連携などの施策を展開しております。カーボンニュートラルの観点からは、現在当社が展開している日本、欧州、インド拠点はいずれも、GHG排出量削減の観点から相対的に優位とされる電気炉による製造を行っております。特にOvakoは、水力等の安価グリーン電力(注5)の利用に加え、毎時約4千㎥を誇る欧州の大規模カーボンフリー水素生成プラントの稼働等も通じ、高炉による製造と比較して低位なGHG排出を実現しており、鉄鋼分野でのカーボンニュートラルに関するフロントランナーと考えております。また、当社のみならずお客様においてもGHG排出量を削減できる製品の提供や、海外子会社への生産技術提供により省エネルギーを推進する取り組み等を通じ、サプライチェーン全体の脱炭素化に貢献しております。こうした活動の結果として、当社は国内特殊鋼専業メーカーとしては唯一となるCDPスコア(注6)「A-」を取得いたしました。

当社グループ(注7)を取り巻く経営環境につきましては、北米やインド等を中心にグローバルの特殊鋼需要は、今後も一定の成長が見込まれるものの、国内の特殊鋼需要は人口減少や高齢化等の社会構造の変化に伴い減少することが見込まれ、また、特殊鋼の直接輸出あるいは特殊鋼を使用した製品等の間接輸出も、海外需要家の地産地消化ニーズの高まりやグローバルサプライチェーンの見直しにより中長期的には減少が見込まれます。また、EV化の進展等、社会・産業構造の変化を踏まえた、国内外の特殊鋼メーカーとの競争激化や2050年カーボンニュートラルに向けた鉄スクラップを中心とする調達面での競争激化なども想定されます。このような中、技術力・商品開発力・コスト競争力を強化し、国内外の競合者に対する優位性を強化・拡大することが、当社グループにとって必要であると認識しております。

(注4) 「EV」とは「Electric Vehicle」の略で、バッテリーに蓄えた電気をモーターに供給して走行する電気自動車のことをいいます。

(注5) 「グリーン電力」とは、化石燃料を使用せず、自然エネルギーによって発電された電力のことをいいます。

(注6) 「CDPスコア」とは、グローバルな環境情報開示システムを運営する英国の非政府組織であるCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)が、企業の気候変動やGHGの排出削減に向けた取り組み等を評価し、企業の環境対策のレベルをスコアリングし格付けした指標です。

(注7) 「当社グループ」とは、当社、連結子会社34社及び持分法適用関連会社1社(本書提出日現在)からなる企業グループをいいます。以下同じです。

 

 

かかる状況を踏まえ、当社グループは2021年4月30日に2025年を最終年度とする中期経営計画「次期経営計画(25年中期)について」を公表し、「事業基盤強化を通じ、安定的な収益を確保できる盤石な企業体質を確立し、グローバルな特殊鋼マーケットでの企業価値の更なる向上を図る」ことを目指し、持続的な成長の追求に取り組んでおりましたが、当初の2025年中期経営計画策定後、資源価格のインフレ、人的資源の制約拡大、EV化・カーボンニュートラルの加速化など、大きな環境変化が起こっていることから、2023年7月28日に中期経営計画の見直しを行い「2025年中期経営計画の見直し」(以下「本中期経営計画」といいます。)を公表いたしました。本中期経営計画では「グローバルな特殊鋼市場での企業価値・プレゼンスの更なる向上」、「国内・海外事業の収益力強化」、「ESG(注8)の取り組み強化」、「2050年カーボンニュートラルの実現」、「DX(注9)の推進」を5つの柱として各種戦略を推進し、グローバルな特殊鋼市場での企業価値・プレゼンスの更なる向上を図っております。

(注8) 「ESG」とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)のことをいいます。

(注9) 「DX」とは、「Digital Transformation」の略で、デジタル技術を活用して事業や業務プロセス、製品・サービスなどを変革し、企業成長を目指すことをいいます。

 

なお、公開買付者と当社の資本関係は、1953年に公開買付者が当社の株主として資本参加したことに始まります。その後、2006年2月に、鉄鋼需要の変動や国際的な競争激化へ対応するため、生産受委託等の提携施策のメリットを相互に享受することを狙いとし、業務提携を実施することに合意いたしました。また、当該合意に基づき、公開買付者は、同年6月に当社の株式を追加取得し、当社を持分法適用関連会社といたしました。その後、2019年3月28日に当社は第三者割当増資を行い、公開買付者は当社株式24,012,500株を取得したことにより、本書提出日現在、公開買付者は当社株式を28,863,844株(所有割合:52.98%)所有するに至っているとのことです。当社の連結子会社化以降、当社グループを含む公開買付者グループ全体で年間100億円程度のシナジー発揮を目指し、当社子会社の操業改善支援によるコスト削減等の効率的生産の追求及びお客様対応力の強化として新規提案等を通じた拡販の実行、並びに調達コスト削減等の取り組み及び公開買付者グループと当社グループの各部門間での相互連携を深める中で競争力強化を図っており、一定の成果は得たと認識しているとのことです。

このような中、我が国の特殊鋼の需要は、人口減に伴う主要需要分野における内需の減少、中国における過剰生産能力と輸出攻勢、中長期的なEV化の潮流等の中で、縮小傾向に向かい、競争はますます激化することが想定される一方、北米やインド等の市場では今後も特殊鋼需要の拡大が見込まれるなど、グローバルでの特殊鋼事業を取り巻く課題は複雑化すると想定しているとのことです。

公開買付者においては、このような環境の変化に足元から的確かつ迅速に対応し厳しい環境下において競争に打ち勝ち、また、両社の中長期的な更なる企業価値向上のために、グループ横断の視点から不断に最適生産を追求するとともに、当社グループとの一層の人事交流等も含めて両社の経営リソースを持ち寄り、更なる一体化・最適化を推進していくことで、競争力を強化していくこと、また、北米やインド等の一定の特殊鋼需要の拡大が見込まれる地域での収益機会を確実に公開買付者グループに取り込むことが必須であると考えているとのことです。

他方で当社が上場企業であり、公開買付者と当社の一般株主との間の一定の利益相反構造が内包される関係にあることから、技術情報等の共有、経営資源の補完及び相互活用等において、一定の制約を受けていると考えているとのことです。具体的には、グループ一貫の観点での最適化施策は、グループ全体の企業価値向上に資するものの、個社単位で見ると一方の会社にメリットが偏るおそれがあるため、両社それぞれにおいて、一般株主の皆様に配慮した意思決定や利害関係の調整に時間を要すことや、中長期的には企業価値を向上させるような大胆な施策が個社の短期的な利益を毀損するおそれがあることで実施しにくくなるなど、厳しい事業環境下において競争に打ち勝つにあたって支障が生じかねないとのことです。

公開買付者は、こうした現状の制約に捉われることなく、両社の協力関係を発展させることが、双方の企業価値向上に資する最善の方策と考え、そうした観点から2024年10月9日、公開買付者は、当社の完全子会社化が望ましいと判断したとのことです。

 

なお、公開買付者は、本取引の実施に伴う当社の上場廃止等のデメリットについても検討したとのことです。上場廃止に伴い、設備投資等の際に株式市場における資金調達手段が限定されるデメリットは想定されますが、資金需要に対しては親会社による子会社への資金融通等、株式市場における資金調達を代替する手段が存在することから、そのようなデメリットによる影響は限定的と考えているとのことです。本取引により当社が公開買付者の完全子会社となり、公開買付者との更なる連携強化を図ることによって当社の中長期的な企業価値向上に資するものと考えているとのことです。また、本取引により両社の一層の連携が進むことでシナジー発揮の余地がある一方、当社の事業に重大な影響を及ぼすようなディスシナジーは特段生じないと考えているとのことです。

公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とし、かつ当社株式を非公開化することにより、以下の施策の実現が可能と考えているとのことです。

 

ⅰ.特殊鋼棒線事業の更なる一体化・最適化を通じた収益機会の拡大・事業戦略の強化

a.営業面での連携強化による拡販等の実行

現状は、お客様への拡販活動にあたって、両社それぞれにおいて、製造・販売・技術・研究の連携取り組みを推進し、新規鋼材の開発や原価低減活動、それらを踏まえた価格見積もりの提示等、様々な提案を行っているとのことです。

今後、両社の経営リソースをより一体化・最適化することで、提案のバリエーションを増やし、お客様のニーズを的確に捉えることで、競合他社との更なる差別化が実現可能と考えているとのことです。特に主要需要分野である国内外の自動車・軸受・建設及び産業機械分野における取り組みを想定しているとのことです。例えば、自動車分野において、公開買付者は、グループの総合力を発揮し、次世代自動車の開発・製造において、各部品、電動車、次世代モビリティという分野で、材料開発、構造・機能設計、工法開発、性能評価という基軸から貢献を目指してソリューションコンセプト(注10)を拡充するなどの取り組みを進めているとのことですが、軽量で、短工期・低コスト、多種多様な次世代モビリティの開発・製造が可能となるこうした取り組みの中で他品種との組み合わせによるお客様への提案力強化の可能性も広がると考えているとのことです。

(注10) 公開買付者は、次世代自動車の開発・製造におけるソリューションコンセプトとして、公開買付者の次世代鋼製自動車コンセプト(“NSafe®-AutoConcept”)における、ゼロカーボンに対するニーズの高まりに対応した電動車向けの鉄鋼ソリューションコンセプト(“NSafe®-AutoConcept xEV”)と、車のカタチが多様化すると想定される中での次世代モビリティ向けの生産ソリューションコンセプト(“NSafe®-AutoFrameConcept”)を構築しているとのことです。

 

これらの連携については現状の資本関係が直ちに困難をもたらすものとは考えていないとのことですが、より迅速かつ機動的に施策を検討・実行していくにあたり、当社を完全子会社化することが望ましいと考えているとのことです。

 

 

b.技術部門の連携強化による技術・ソリューション提案力の強化

これまでも両社の技術部門間における一定の連携は行ってきたとのことですが、現時点では、両社が各々に開発を行い、お客様に鋼材やソリューション提案を実施している分野が存在すると認識しているとのことです。特殊鋼のソリューション提案は、鋼材×工法(熱処理や浸炭処理(注11))の視点が極めて重要であり、両社の技術・特許・知見をより一体化することで、鋼材・工法の選択肢を増やすことが可能となり、そのことが提案力の強化に資すると考えているとのことです。これは、上記「a.営業面での連携強化による拡販等の実行」で述べたように、グループの総合力を発揮し、他品種との組み合わせによるお客様への提案力強化の可能性も広がると考えているとのことです。

(注11) 浸炭処理とは、炭素雰囲気ガスの中に部品を一定時間入れることにより、表面のみ炭素量を増やし、加工性と耐摩耗性を両立させる技術をいうとのことです。

 

現状の資本関係においては、技術・特許の共有には、個社単位で見ると一方の会社にメリットが偏るケースもあることから、両社それぞれにおいて、個社の視点のみで見ると他方の会社の一般株主の皆様の理解を得ることが容易ではない可能性もあり、一定の制約があると考えているため、当社を完全子会社化することが望ましいと考えているとのことです。

 

c.グローバル戦略の更なる深化・拡大

これまでも2019年の当社連結子会社化以降、当社の海外事業会社で連結子会社である欧州のOvako及びインドのSanyo Special Steel Manufacturing India Pvt. Ltd.(以下「SSMI」といいます。)を中心に、当社及び当社海外事業会社・公開買付者の3社連携を推進してきたとのことです。Ovakoに関しては、操業改善や拡販活動、研究開発等のグループ連携施策を推進してきたとのことです。インドのSSMIに関しても、3社にて収益改善に向けた取り組みを精力的に推進し黒字化を達成する等、一定の成果をあげているとのことです。

そうした中、公開買付者グループ全体としては、北米・インドを中心に伸び行く海外需要捕捉に向けた施策を展開しているとのことですが、特殊鋼分野においても、国内需要が縮小すると想定される中、更なるグローバル需要の捕捉に取り組んでいく必要があり、両社の海外事業に関するリソースを一体化・最適化することが、より両社の特殊鋼分野におけるグローバル戦略の深化・拡大に資すると考えているとのことです。

これらの連携については現状の資本関係が直ちに困難をもたらすものとは考えていないとのことですが、当社の完全子会社化により、短期的な収益変動のリスクに必ずしもとらわれない、長期的な視野に立った両社の海外事業に関するリソースの一体化・最適化が可能となると考えているとのことであり、より迅速かつ機動的に施策を検討・実行していくにあたり、当社を完全子会社化することが望ましいと考えているとのことです。

 

d.スクラップ調達連携等の原料施策によるコスト競争力向上

公開買付者は、2021年3月5日に公表した「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」において、高炉水素還元、水素による還元鉄製造、大型電炉での高級鋼製造からなる3つの超革新的技術を用いた2050年のカーボンニュートラル実現を目標に掲げており、2030年の脱炭素目標を確実に達成するため、高炉プロセス(高炉を使用して鉄鉱石を還元・溶解する製鉄法)から電炉プロセス(電気炉を使用して鉄スクラップや直接還元鉄を溶解する製鉄法)への転換について本格検討を進めているとのことです。こうした動きの中で、公開買付者は冷鉄源(鉄鋼製造原料となる鉄スクラップや直接還元鉄)調達を拡大していくことを想定しているとのことです。一方、こうした電炉化の動きはグリーントランスフォーメーションの潮流の中で、競合他社においても見られ、スクラップ等の調達競争は激しさを増すことが想定されるとのことです。

こうした環境変化を踏まえ、当社及び公開買付者のリソースやノウハウをより一体化・最適化し、公開買付者グループ全体でこれら冷鉄源の調達から使用に至るまでの一貫したマネジメント基盤を構築することが、将来にわたる安定的かつ競争力のあるスクラップ等の冷鉄源調達・活用に資すると考えているとのことです。

 

これらの連携については現状の資本関係が直ちに困難をもたらすものとは考えていないとのことですが、より迅速かつ機動的に施策を検討・実行していくにあたり、当社を完全子会社化することが望ましいと考えているとのことです。

 

ⅱ.公開買付者グループ全体での更なる最適生産体制の追求

公開買付者は、現在、例えば棒鋼製品にはじまり、自由鍛造で製造する製品(注12)や熱間押出製品(注13)に関して、両社にて類似する製造設備で製造している製品があると認識しているとのことです。今後、マーケット変動等があった際には需要動向を踏まえて両社それぞれが製造する製品を社を越えて集中生産することにより、設備稼働率の向上による設備余力の解消等が見込まれ、両社にとって生産性向上・コスト競争力強化等に資することから、グループ一貫の観点からメリットを得られると考えているとのことです。

(注12) 「自由鍛造で製造する製品」とは、プレス機等により鋼塊を成形する熱間鍛造製品をいいます。

(注13) 「熱間押出製品」とは、加熱した母材を所定の形状の金型を通して押し出し成形した製品をいいます。

 

公開買付者は、上記の検討を踏まえ、2024年9月2日、当社の完全子会社化を含めた公開買付者及び当社の中長期的かつ持続的な企業価値の向上施策に係る検討を開始したい旨の初期的な打診(以下「本初期的打診」といいます。)を当社に対して行ったとのことです。その後、公開買付者は、2024年9月下旬に社内の関係部門を構成員とする本取引に関する検討体制を構築し、事業環境や本取引の意義、公開買付により完全子会社化を目指すこと等について社内検討を行った上で、2024年10月9日、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業をそれぞれ選任し、また、同日に、当社に対して公開買付け及び株式売渡請求又は株式併合による完全子会社化の提案書(以下「本提案書」といいます。)を提出したとのことです。これに対して、2024年10月31日、当社より、公開買付者からの10月9日付の提案書を受領したこと、同日付で設置した特別委員会の設置を含め適切な社内体制を整備し、公正性担保措置を実施の上で、提案につき検討する旨の連絡を受領したとのことです。2024年11月9日、当社の特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)より本提案書に対する本取引の提案の背景・目的等、本取引のシナジー及びデメリット、本取引後の当社の経営方針、ストラクチャー等についての質問を受領したため、2024年11月19日に、2024年11月9日付の各質問に対する公開買付者の見解を書面で回答し、また、本特別委員会から2024年11月19日付の公開買付者の回答に対する追加の質問も2024年11月20日に受領したため、それらの質問も踏まえて、2024年11月21日に、本特別委員会に対して、本取引に関する詳細な説明を行うなど、当社との間で、本取引の意義及び目的に関するより詳細な協議・交渉を実施したとのことです。その後、2024年12月2日に、本特別委員会から本提案書に対する公開買付者グループにおけるグローバル及び特殊鋼についての今後の戦略及び方向性と、その中における本取引の位置付け、公開買付者が当社に期待する活動・貢献等についての追加質問を受領したため、2024年12月6日に書面で回答を行っているとのことです。

 

また、公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のためのデュー・ディリジェンスを2024年11月9日から2024年12月18日まで実施したとのことです。公開買付者は、当該デュー・ディリジェンスの結果及び当社を取り巻く外部環境、並びに当社より受領した事業計画及び当社の株式価値算定の結果等の各種諸要素を総合的に勘案し、熟慮を重ねた結果、当社に対して2024年12月20日に、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を2,350円とすることを含む正式な提案を行ったとのことです。なお、公開買付者が提案した価格は、当社が2025年3月期の期末配当を行わないことを前提として提示された価格とのことです。以下同様です。その後、2024年12月23日に、公開買付者は、当社から、本公開買付価格は当社の本源的価値を反映するものではなく、また、本公開買付けを通じて生じることが見込まれるシナジー効果の一部は公開買付価格に反映されるべきものであると考えているとして、価格引上げの再検討を要請されたとのことです。その後、公開買付者は、2024年12月26日に、当社の事業計画に対する公開買付者の見解の説明と当社及び特別委員会の見解の確認をしたい旨の要請を行ったとのことです。これに対して、2024年12月27日に、当社から、当該事業計画は当社を取り巻く事業環境を客観的に評価した上で作成された蓋然性の高いものであると考えているとして、公開買付者による2024年12月20日付の提案価格の再考を要請されたとのことです。加えて、2025年1月9日に、公開買付者、当社及び本特別委員会は、面談の場において、当社の事業計画に対する公開買付者、当社及び本特別委員会それぞれの見解を確認したとのことです。これらの対話も踏まえ、事業計画に対する公開買付者の見解、当社が主張するカーボンニュートラル社会における当社の価値、本取引を通じたシナジー等を総合的に勘案し、公開買付者は、2025年1月17日に、本公開買付価格を2,550円とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、2025年1月20日に、当社から、当社の本源的価値及び当社のバランスシートの態様を適切に反映し、当社一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待も勘案の上で公開買付価格について再検討するよう要請された上で、当社の株式価値に係る様々な評価要素を総合的に勘案した価格として、2,800円を提案されたとのことです。これに対して、公開買付者は、2025年1月23日に、当社の意向を尊重し公開買付者として最大限の提案をするべく熟慮を重ねた結果、本公開買付価格を2,750円とする旨の提案を行ったとのことです。これに対して、2025年1月24日に、当社より、応諾する方針で検討する旨の連絡を受けたとのことです。

以上の検討・協議・交渉の結果、公開買付者及び当社の間で、本公開買付価格を2,750円とすることについての考えが一致したことから、公開買付者は、2025年1月31日開催の取締役会において、本取引の一環として本公開買付けを実施することを決議したとのことです。

 

 

③ 本公開買付け後の経営方針

公開買付者は、本取引を通じて当社を完全子会社化した後、公開買付者グループと当社グループの連携を加速させるとともに意思決定を効率化し、経営の効率化も進めることで上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の施策を実現させ、当社グループを含む公開買付者グループ全体の企業価値向上に努めるとのことです。なお、当社グループ会社の具体的な経営方針や従業員の処遇方針について、現時点で本取引をきっかけとした変更を検討している事項はないとのことです。

 

④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)公開買付者からの提案及び検討体制の構築の経緯

当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者から、2024年9月2日に本初期的打診を受け、その後、2024年10月9日に、当社の完全子会社化に関する本提案書を受領いたしました。これを受けて、当社は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者は、当社株式の所有割合が52.98%である当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2024年10月31日開催の当社取締役会において、公開買付者グループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、外部のリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所外国法共同事業をそれぞれ選任いたしました。また、当社は、本取引の公正性を担保するため、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言も得つつ、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり本特別委員会の設置に向けた準備を進めた上で、2024年10月31日開催の取締役会決議により、要木洋氏(当社監査等委員である独立社外取締役、元・株式会社三井住友銀行理事)、藤原佳代氏(当社独立社外取締役、ENEOSオーシャン株式会社取締役常務執行役員)、戸出巌氏(当社独立社外取締役、元・三菱商事株式会社常務執行役員自動車・モビリティグループCEO)及び宮口亜希氏(当社監査等委員である独立社外取締役、公認会計士宮口亜希事務所所長)の4名から構成される本特別委員会(本特別委員会の検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(1)本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、当社取締役会に勧告を行うこと、(2)当社取締役会による本取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでないかを検討し、当社取締役会に意見を述べること(なお、上記勧告及び意見に際しては、(ⅰ)当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、(ⅱ)当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断するものとしております。)(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。

 

また、当社は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)当社取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否も含め、特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び(ⅱ)特別委員会が本取引に係る取引条件が妥当でないと判断した場合、当社取締役会は当該取引条件による本取引の承認を行わない(本公開買付けに賛同しないことを含みます。)ことを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社が公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与すること(必要に応じて、公開買付者との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら公開買付者と交渉を行うことを含みます。)、(ⅱ)本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、財務若しくは法務等に関する独自のアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社が負担します。)、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含みます。)すること(なお、特別委員会は、当社のアドバイザーの独立性及び専門性に問題がないことを確認した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができます。)、(ⅲ)事業計画の内容及び作成の前提に係る情報を含め、当社の役職員から本取引に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること及び(ⅳ)その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と特別委員会が認める事項について権限を付与することを決議しております(当該取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

なお、本特別委員会は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年10月31日、上記の権限に基づき、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所をそれぞれ選任する旨を決定しております。

また、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券並びに当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所外国法共同事業について、公開買付者グループ及び当社グループからの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。

更に、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。

 

(ⅱ)検討・交渉の経緯

当社は、SMBC日興証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。

また、公開買付者から2024年10月9日に本提案書を受領して以降、当社は、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。

 

具体的には、当社及び本特別委員会は、2024年10月9日に本提案書を受領したことを踏まえて、当社における検討・協議を進め、2024年11月9日に公開買付者に対し、本取引の提案の背景・目的、本取引のシナジー、本取引のデメリット、本取引後の当社の経営方針、ストラクチャー等に関して書面による質問をしたところ、2024年11月19日に、公開買付者から2024年11月9日付の各質問に対する公開買付者の見解について書面による回答を受けました。更に、本特別委員会は、当該回答に関して2024年11月20日に書面による追加の質問を行い、2024年11月21日、公開買付者から当該質問について説明を受けるとともに、本取引に関する質疑応答を行いました。その後、本特別委員会は、2024年12月2日に公開買付者グループにおけるグローバル及び特殊鋼についての今後の戦略及び方向性と、その中における本取引の位置付け、公開買付者が当社に期待する活動・貢献等について書面による追加の質問をしたところ、2024年12月6日に公開買付者から、2024年12月2日付の質問事項について書面による回答を受けました。

本公開買付価格については、当社は、2024年10月9日以降、公開買付者との間で、複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、当社は、2024年12月20日、公開買付者が、当社に対するデュー・ディリジェンスの結果及び当社を取り巻く外部環境、並びに当社より受領した事業計画及び当社の株式価値算定の結果等の各種諸要素を総合的に勘案し、熟慮を重ねた結果である正式な提案として、公開買付者から、本公開買付けにおける本公開買付価格を2,350円(提案実施日の前営業日である同月19日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,773円に対するプレミアム率は32.54%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,813円に対するプレミアム率は29.62%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,863円に対するプレミアム率は26.14%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,918円に対するプレミアム率は22.52%です。)とすることを含んだ本取引の諸条件に関する提案を受けました。しかし、当社及び本特別委員会は、2024年12月23日、公開買付者に対し、当該本公開買付価格は、当社の本源的価値を反映するものではなく、また、本公開買付けを通じて生じることが見込まれるシナジー効果の一部は公開買付価格に反映されるべきものであると考えていることから、価格の引き上げを検討するよう要請いたしました。その後、当社は、2024年12月26日、公開買付者より、事業計画に関する公開買付者の見解と当社及び本特別委員会の見解を確認したい旨の回答を受領いたしました。これを受け、当社及び本特別委員会は、2024年12月27日、当社の事業計画は、当社として事業環境を客観的に評価した上で作成しており、その蓋然性は高いものと考えている旨を回答するとともに、価格の再考を検討するよう要請いたしました。その後、2025年1月9日に、公開買付者、当社及び本特別委員会は、面談の場において、当社の事業計画に対する公開買付者、当社及び本特別委員会それぞれの見解を確認しました。これらの対話も踏まえ、事業計画に対する公開買付者の見解、カーボンニュートラル社会における当社の価値、本取引を通じたシナジー等を総合的に勘案し、2025年1月17日、公開買付者より、本公開買付価格を2,550円(提案実施日の前営業日である同月16日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,846円に対するプレミアム率は38.14%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,864円に対するプレミアム率は36.80%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,849円に対するプレミアム率は37.91%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,884円に対するプレミアム率は35.35%です。)とする旨の提案を受けました。これに対して、当社及び本特別委員会は、2025年1月20日に、当社の本源的価値及び当社のバランスシートの態様を適切に反映し、当社一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待も勘案の上で公開買付価格について再検討するよう要請した上で、当社の株式価値に係る様々な評価要素を総合的に勘案した価格として、公開買付者に対して2,800円を提案いたしました。その後、当社及び本特別委員会は、2025年1月23日、公開買付者より、最終提示価格として、本公開買付価格を2,750円(提案実施日の前営業日である同月22日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,890円に対するプレミアム率は45.50%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,894円に対するプレミアム率は45.20%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,851円に対するプレミアム率は48.57%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,878円に対するプレミアム率は46.43%です。)とする旨の提案を受けました。その結果、当社及び本特別委員会は、2025年1月24日に、公開買付者の提案価格は、当社の本源的価値や電炉設備保有等を背景としたカーボンニュートラル社会の実現に向けての当社の強み、当社一般株主の皆様を含む市場参加者による本取引の経済条件に対する期待等の様々な評価要素を総合的に反映したものと評価していると考え、応諾する方針で検討する旨を回答いたしました。

 

 

以上の検討・交渉過程において、当社は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びにSMBC日興証券及び森・濱田松本法律事務所外国法共同事業からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、本特別委員会のアドバイザーである野村證券及び中村・角田・松本法律事務所から助言を受けるとともに、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってまいりました。具体的には、当社が公開買付者に対して提示し、また、SMBC日興証券及び野村證券が当社株式の価値算定において基礎とする当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。また、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券は、公開買付者との交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。

 

そして、当社は、2025年1月30日付で、本特別委員会から、①当社取締役会は、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すべきであると考えられる旨、及び、②当社取締役会による本取引についての決定(本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定、及び本スクイーズアウト手続を実施する旨の決定)は当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております(本答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。なお、本特別委員会は、2025年1月30日付で野村證券から当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり2,750円が当社の株主(公開買付者を除きます。)にとって財務的見地から妥当であると考える旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(野村證券)」といいます。)の提出を受けております(本株式価値算定書(野村證券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)の概要については、下記「(3) 算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。

 

(ⅲ)当社の意思決定の内容

以上の経緯の下で、当社は、2025年1月31日開催の当社取締役会において、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言、2025年1月30日付でSMBC日興証券から提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(SMBC日興証券)」といいます。)及びフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。

その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の完全子会社化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。

当社グループを取り巻く経営環境は大きく構造変化しており、今後も変化が予想されます。こうした長期的な経営環境の変化に的確に対応し、当社グループの企業価値を更に向上するためには、公開買付者グループのテクノロジー、ノウハウ、リソースを活用し、顧客に対する提供価値の拡大や、リソースの最適な配分を通じて経営の効率化を図り、持続的な成長を追求する必要があると考えております。

 

しかしながら、公開買付者からは、公開買付者と当社の現在の資本関係においては、公開買付者グループ全体の企業価値向上には資する施策であっても個社単位の観点からは一方の会社にメリットが偏るというケースがあり、この場合、個社の視点では他方の会社の一般株主の理解を得ることが容易ではない可能性もあることから当該施策の実行が困難になるなど、最大限のシナジー発揮が容易ではない状況にあると考えているとの説明を受けております。加えて、公開買付者と当社のそれぞれにおいて、一般株主に配慮した意思決定や利害関係の調整に時間を要することや、中長期的には企業価値を向上させるような大胆な施策が個社の短期的な利益を毀損するおそれがあることを理由として実施しにくくなることは、厳しい事業環境下において競争に打ち勝つにあたって支障が生じかねないと考えているとの説明も受けております。加えて、当社としても、公開買付者と当社の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は、当社の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある中で、経営資源の相互活用を含む両社の取引関係を推し進めていく際に、一定の制約になり得ると考えております。

 

当社グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じて当社を完全子会社化し、公開買付者と当社の一般株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、公開買付者による当社グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで当社が実現可能と考える具体的なシナジーは以下のとおりです。

 

Ⅰ.一体運営による生産・調達体制の効率化・コスト削減

生産体制の効率化を図ることで、より一層の設備の有効活用ができることに加え、原料やエネルギーの共同調達・物流費等の最適化によるコスト削減及びコスト競争力強化の実現も可能と考えております。また、カーボンニュートラルの観点においても生産・調達体制の効率化及び当社が保有する電気炉の最大活用やOvakoが保有するカーボンフリー水素生成の知見は、公開買付者グループ全体においても、その取り組みを加速させる上で重要な役割を果たすことができるものと考えております。

 

Ⅱ.研究開発の深化

これまでOvakoを含む当社と公開買付者が各々で開発を進めてきた特殊鋼の製造技術を融合することで、当社単独で開発するよりも多くのプロダクトをお客様に提案できるようになるものと考えております。また、これまでは全ての共有が難しかった研究開発の成果においても、当社が公開買付者の完全子会社になることによって細部にわたる共有が可能となり、大きな付加価値を生み出す源泉となるものと考えております。

 

Ⅲ.グローバル展開における人的資本の共有・競争力強化

国内の特殊鋼需要が成熟化している中、更なるグローバル需要の捕捉に取り組んでいく必要があると認識しております。現在当社が展開している日本、欧州、インドの他、グローバル展開に注力していく中で、公開買付者と人的資本をはじめとする経営資源やノウハウを共有することで競争力を高めることができると考えております。

 

Ⅳ.迅速かつ柔軟な意思決定

当社と公開買付者グループで視点を統一し、国内のみならずグローバルにおいても意思決定の迅速化を進めるとともに、変化の激しい事業環境への柔軟な対応・連携の深化が可能になり得ると考えております。

 

Ⅴ.上場維持コスト及びそれに係る業務負担軽減

年間上場料等の固定的なコストや、上場会社として要求されるガバナンス体制の維持及び近年のガバナンス規制の強化に対応するために必要なコスト及び管理部門の業務負担が軽減するものと考えております。

 

 

なお、当社は、本取引の実施に伴う当社の上場廃止等のデメリットについても検討しました。上場廃止に伴い、設備投資等の際に株式市場における資金調達手段が限定されるデメリットは想定されますが、資金需要に対しては親会社による子会社への資金融通等、株式市場における資金調達を代替する手段が存在することから、そのようなデメリットによる影響は限定的と考えております。本取引により当社が公開買付者の完全子会社となり、公開買付者との更なる連携強化を図ることによって当社の中長期的な企業価値向上に資するものと考えています。また、本取引により両社の一層の連携が進むことでシナジー発揮の余地がある一方、当社の事業に重大な影響を及ぼすようなディスシナジーは特段生じないと考えています。

 

また、以下の理由により、本公開買付価格である2,750円は当社の本源的価値を反映した、一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社を取り巻く足許の事業環境を映した株価推移を踏まえても、当社の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却及び利益確保の機会を提供するものであると総合的に判断いたしました。

 

(ア)当該価格が、当社において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯な交渉を重ねた結果合意された価格であること。

(イ)当該価格が、下記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載の本株式価値算定書(SMBC日興証券)におけるSMBC日興証券による当社株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似上場会社比較法による算定結果の上限を上回り、ディスカウンティッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内にある価格であること。また、下記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、SMBC日興証券から、本公開買付価格である1株当たり2,750円が当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。)にとって財務的見地より公正であると考える旨の本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)が発行されていること。

(ウ)当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年1月30日の東京証券取引所における当社株式の終値1,945円に対して41.39%、同日までの直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,902円に対して44.58%、同直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,860円に対して47.85%、同直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,873円に対して46.82%のプレミアムが加算されたものであること。本公開買付価格は、類似事例(M&A指針が公表された2019年6月28日以降2024年12月31日までに公表された子会社の非公開化を目的とした公開買付け案件で、特別委員会が設置され、対象者の時価総額が100億円以上の案件(MBO、2段階公開買付け、不成立案件及び株主に対して応募推奨をしていない事例を除く。)40件(プレミアム水準の中央値は約40%))との比較において遜色のないプレミアムが付されているものと認められること。

(エ)当該価格は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。

 

 

なお、本公開買付価格である2,750円は、当社の2024年12月31日時点の1株当たりの連結簿価純資産額(4,106円)を下回っておりますが(33%のディスカウント)、簿価純資産額は理論上の清算価値を示すものであり、当社の将来の収益性及び成長性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において合理性を否定する要素とはならないと考えております。また、仮に当社が清算する場合には、当社の事業内容や保有する設備にも鑑みると、同日現在の当社の連結貸借対照表において流動性が低い資産(商品、製品、仕掛品、原材料、貯蔵品等の棚卸資産や、建物、機械装置、土地等の有形固定資産)の総資産に占める割合が62.4%(小数点以下第二位を四捨五入しています。)と相当程度存在し、資産売却に際しての困難性や工場の閉鎖に伴う除去コスト等の様々な追加コストが発生すると見込まれること等を考慮すると、簿価純資産額がそのまま株主に分配される残余財産の価額となるものではなく、簿価からの相当程度の減額が想定されること(但し、当社としては清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得や具体的な試算は行っておりません。)から、本公開買付価格が1株当たりの連結簿価純資産額を下回っていることをもって本公開買付価格の合理性が否定されることにはならないと考えております。

 

以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年1月31日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。

当該取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。

 

(3) 算定に関する事項

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

当社は、本公開買付価格に関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券に対し、当社株式の価値算定及び付随する財務分析、並びに本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2025年1月30日付で、本株式価値算定書(SMBC日興証券)(注1)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)(注2)を取得いたしました。

 

SMBC日興証券は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、SMBC日興証券は、当社グループ及び公開買付者グループに対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を行っている株式会社三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループのグループ企業の一員であり、また、株式会社三井住友銀行は当社の第8位株主(2024年9月30日現在。同日現在の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対する所有株式数の割合0.59%(小数点以下第三位を四捨五入))でありますが、当社は、SMBC日興証券の第三者算定機関としての実績に鑑み、かつ、弊害防止措置としてSMBC日興証券における当社株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び株式会社三井住友銀行との間で社内の規程に定める情報遮断措置が講じられていること、当社とSMBC日興証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているためファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての独立性が確保されていること、SMBC日興証券は当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、当社がSMBC日興証券に対して当社株式の株式価値の算定を依頼することに関し、特段の問題はないと考えられることを踏まえた上で、SMBC日興証券をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選任しております。また、本特別委員会は、第1回の会合において、SMBC日興証券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザーとして承認しております。なお、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案し、またSMBC日興証券の同種の取引における助言実績及び社会的評価等も踏まえ、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。

(注1) SMBC日興証券は、本株式価値算定書(SMBC日興証券)の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき当社において一切認識されていないことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。更に、当社及びその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株式価値算定書(SMBC日興証券)に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。SMBC日興証券が、本株式価値算定書(SMBC日興証券)で使用している、SMBC日興証券に提供された当社の事業計画及びその他将来に関する情報(以下「本事業計画等」といいます。)は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、本株式価値算定書(SMBC日興証券)において、SMBC日興証券が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。

 

(ⅱ)当社株式に係る算定の概要

SMBC日興証券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、当社の株式価値の算定を行い、当社はSMBC日興証券から2025年1月30日付で本株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得しております。

本株式価値算定書(SMBC日興証券)において、上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価法:     1,860円~1,902円

類似上場会社比較法: 1,582円~2,662円

DCF法:        2,410円~3,591円

 

 

市場株価法では、2025年1月30日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,902円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,860円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,873円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,860円~1,902円と算定しております。

類似上場会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として、大同特殊鋼株式会社、愛知製鋼株式会社、及び三菱製鋼株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,582円~2,662円と算定しております。

DCF法では、当社が作成した事業計画等を基に、2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業計画等における収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第3四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を2,410円~3,591円と算定しております。なお、割引率は6.20%~7.20%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率モデルを採用し、永久成長率は-0.25%~0.25%として当社株式の1株当たり株式価値を算定しております。

SMBC日興証券がDCF法による算定に用いた当社作成の本事業計画等においては、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2024年3月期の売上高の減少に起因した運転資本減少によるフリー・キャッシュ・フローの増加があったことにより、2025年3月期はフリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおります。2026年3月期は、売上高の増加及びコスト削減により営業利益の大幅な増加を見込んでいるものの、売上高の増加に伴う運転資本の増加や設備投資の増加が見込まれていることにより、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおります。2027年3月期及び2028年3月期は、各々の前事業年度と比較して設備投資の減少が見込まれていることにより、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。また、SMBC日興証券がDCF法による分析において前提とした当社作成の財務予測は、本中期経営計画(2025年度計画売上高4,200億円、経常利益220億円)とは異なりますが、本中期経営計画の策定時から現在までの市場環境の変化、具体的には、アジアや欧州における低価格中国製品の台頭による構造変化、足元の収益環境及び当社の業績等を踏まえ、より現状に即した客観的かつ合理的な当該財務予測に基づいて企業価値を算定し、本公開買付価格の妥当性を検討することが適切であると判断いたしました。なお、当社が本取引のために事業計画を作成するにあたり、本特別委員会は、当社より事業計画案の内容、重要な前提条件等について説明を受けるとともに、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及びその作成経緯等の合理性を確認したものであり、また、本中期経営計画と当該財務予測の数値との間に乖離が生じていることに関しても、本中期経営計画の策定時から現在までに市場環境が大きく変化していることから、足元の収益環境及び当社の業績等を踏まえ、本特別委員会においてその合理性を確認しております。

本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味しておりません。なお、当社は、当社決算短信において、2025年3月期の業績予想の修正を公表しておりますが、SMBC日興証券が当社株式の価値算定を行うにあたっては、当該業績予想の修正の影響を反映しております。

なお、DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

2025年3月期

(6ヶ月)

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

売上高

169,733

357,044

365,862

371,197

377,433

営業利益

8,106

19,678

22,405

23,647

24,323

EBITDA

16,398

36,233

38,625

40,396

41,554

フリー・キャッシュ・フロー

13,445

(65)

7,385

12,803

13,449

 

 

 

(ⅲ)本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の概要

当社は、2025年1月30日付で、SMBC日興証券から、本公開買付価格である1株当たり2,750円が当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得しております。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)は、本事業計画等に基づく当社株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり2,750円が、当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除きます。)にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)は、本事業計画等を含む財務情報の分析及び検討並びに当社との質疑応答を経て、SMBC日興証券により実施された当社株式の価値算定結果の検討に加え、SMBC日興証券におけるフェアネス・オピニオンに関する承認手続きを経て発行されております。

(注2) SMBC日興証券は、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明を行うにあたり、公開されている情報、SMBC日興証券がレビューの対象とし、SMBC日興証券に提供され又はSMBC日興証券が当社と協議した情報その他SMBC日興証券が検討した一切の情報が、全て正確かつ完全であることを前提とし、これらの情報の正確性及び完全性に依拠しており、それらの情報自体又はその正確性及び完全性について独自に検証を行っておらず、また、検証の責任又は義務を負うものではなく、それらの情報の正確性及び完全性につき何らの保証を与えるものではありません。SMBC日興証券は、当社の経営陣が、SMBC日興証券に提供され又はSMBC日興証券と協議した情報を不正確又は誤解を招くようなものとする事実又は状況を一切認識していないことを前提としております。SMBC日興証券は、当社とその関係会社のいかなる資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、SMBC日興証券による独自の評価、鑑定又は査定は行っておらず、また、それらについていかなる評価、鑑定又は査定の提供も受けておりません。本事業計画等については、当社の経営陣の最善の予測と判断に基づき合理的に作成又は回答され、本事業計画等に従って、当社の財務状況が推移することを前提としており、SMBC日興証券は、本事業計画等の実現可能性について独自の調査をすることなく、本事業計画等及びそれに関連する資料に依拠しております。また、SMBC日興証券は、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明を行うにあたり、本取引の実行に必要な一切の政府、監督官庁その他による同意又は許認可(契約上のものであるか否かを問いません。)が、当社若しくは公開買付者又は本取引から想定される利益に悪影響を与えることなく得られるものであることを前提としております。SMBC日興証券は、法律又は会計若しくは税務の専門家ではなく、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明を行うにあたり、本取引の適法性・有効性及び会計若しくは税務上の処理の妥当性について独自に検討及び分析を行っておらず、本取引が全ての法律上、会計上、税務上の適正な手続を経て、適切かつ有効に実行されることを前提としております。また、SMBC日興証券は、本取引の実行による当社、公開買付者及びその他取引関係者に対する課税関係への影響については考慮しておりません。

SMBC日興証券は、本取引に関して、当社のファイナンシャル・アドバイザーを務めており、そのサービスの対価として当社から手数料を受領する予定です(その相当部分が本取引の完了を条件としております。)。また、当社は、SMBC日興証券の実費を負担すること、及びSMBC日興証券の関与から発生する一定の責任についてSMBC日興証券に補償することに合意しております。SMBC日興証券及びその関係会社は、当社、公開買付者又はそれらの関係会社に対して、投資銀行業務その他の証券/金融商品取引関連業務及び銀行業務等を行い又は将来において行い、かかる業務の提供に対して報酬等を受領しており、また、将来においても受領する可能性があります。また、通常の業務の過程において、当社、公開買付者又はそれらの関係会社の有価証券及び金融派生商品を含む各種金融商品を自己の勘定又は顧客の勘定において随時取引し又は所有することがあります。

 

本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明は、本取引実行後の当社株式の価値又は株価水準について意見を述べるものではありません。SMBC日興証券は、本公開買付価格の決定の基礎となる各前提事実若しくは仮定(本事業計画等を含みます。)、当社が本取引を遂行するという事業上の意思決定、又は本取引に代替する取引と比較しての相対的優位性について意見を述べることを要請されておらず、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)においてもかかる点についての意見を述べておりません。SMBC日興証券は、当社の、普通株式以外の有価証券の保有者、債権者、その他の利害関係者にとって本取引又は本公開買付価格が公正であることについての検討を要請されておらず、かかる検討は行っておりません。また、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明は、本取引の当事者のいかなる役員、取締役若しくは従業員又はそれらの者の中で一定の職位の者に対する報酬の金額、性質その他の側面に関する、本公開買付価格との比較における公正性(財務的見地からの公正性か否かを問いません。)について、何らの意見又は見解も表明するものではありません。更に、SMBC日興証券は当社又は当社の取締役会に対して、本取引に関する第三者の意思表明を勧誘する義務を負っておらず、また、そのような勧誘をしておりません。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)に記載されたSMBC日興証券の意見は、当社の株主に対して本取引に関して議決権その他の株主権の行使について何ら意見を述べ又は推奨を行うものではなく、また、当社の株主やその他の利害関係者に対して、当社株式の本公開買付けへの応募、譲渡、譲受その他これらに関連する事項について何ら勧誘又は推奨するものではありません。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明は、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の作成日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提としており、また、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の作成日までにSMBC日興証券に提供され又はSMBC日興証券が入手した情報に基づいております。今後の状況の変化により本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明の内容は影響を受けることがありますが、SMBC日興証券はその意見を更新、変更又は再確認する義務を負いません。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)に記載された意見は、当社の取締役会が本公開買付価格を検討するにあたり参考情報を提供することのみを目的として当社取締役会に対してのみ提供されたものです。従って、本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)記載の意見表明の内容は、当社取締役会のためのかかる目的以外のいかなる目的にも使用されてはなりません。

 

② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対し、当社株式の価値算定及び付随する財務分析、並びに本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2025年1月30日付で、本株式価値算定書(野村證券)(注1)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)(注2)を取得いたしました。

 

野村證券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、複数のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、野村證券を独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本取引に係る野村證券の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

 

(注1) 野村證券は、当社株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び当社から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、また、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。本事業計画等については、本特別委員会又は当社の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2025年1月30日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、本特別委員会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。

 

(ⅱ)当社株式に係る算定の概要

野村證券は、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、当社の株式価値の算定を行いました。

上記各手法に基づいて算定された当社の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価平均法: 1,860円~1,945円

類似会社比較法: 1,773円~3,113円

DCF法:      2,126円~3,129円

 

市場株価平均法では、2025年1月30日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の普通取引の基準日の終値1,945円、直近5営業日の終値の単純平均値1,899円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,902円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,860円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,873円を基に、当社の1株当たりの株式価値の範囲を1,860円~1,945円と算定しております。

類似会社比較法では、当社グループを、当社グループ(Ovako及びSSMIを除きます。)、Ovako及びSSMIに分類して株式価値算定を行うサム・オブ・ザ・パーツ分析(以下「SOTP分析」といいます。)を実施いたしました。各グループと類似性があると判断される類似上場会社として大同特殊鋼株式会社、愛知製鋼株式会社、voestalpine AG、SSAB AB、Aperam SA、Jindal Stainless Ltd.、Jindal Steel & Power Ltd.、JSW Steel Ltd.、Shyam Metalics & Energy Ltd.、Steel Authority of India Ltd.及びTata Steel Ltd.を選定した上で、企業価値に対するEBITの倍率、企業価値に対するEBITDAの倍率、及び時価総額に対する純利益の倍率を用いて算定を行い、当社の1株当たりの株式価値の範囲を1,773円~3,113円と算定しております。

DCF法についてもSOTP分析を実施しており、当社が作成した事業計画等を基に、2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業見通しにおける収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、各グループが2025年3月期第3四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を2,126円~3,129円と算定しております。なお、割引率は当社グループ(Ovako及びSSMIを除きます。)については5.75%~6.25%、Ovakoについては9.00%~9.50%、SSMIについては10.75%~11.25%を採用しております。継続価値の算定にあたっては永久成長率モデル及びマルチプルモデルを採用し、永久成長率は当社グループ(Ovako及びSSMIを除きます。)については0.75%~1.25%、Ovakoについては1.75%~2.25%、SSMIについては3.75%~4.25%、EBITDAマルチプルは当社グループ(Ovako及びSSMIを除きます。)については5.0倍~6.0倍、Ovakoについては3.5倍~4.5倍、SSMIについては8.5倍~9.5倍として当社の1株当たり株式価値を算定しております。

 

野村證券がDCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりです。

なお当該財務予測においては、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2024年3月期の売上高の減少に起因した運転資本減少によるフリー・キャッシュ・フローの増加があったことにより、2025年3月期はフリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおります。2026年3月期は、売上高の増加及びコスト削減により営業利益の大幅な増加を見込んでいるものの、売上高の増加に伴う運転資本の増加や設備投資の増加が見込まれていることにより、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおります。2027年3月期及び2028年3月期は、各々の前事業年度と比較して設備投資の減少が見込まれていることにより、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。また、野村證券がDCF法による分析において前提とした当社作成の財務予測は、本中期経営計画(2025年度計画売上高4,200億円、経常利益220億円)とは異なりますが、本中期経営計画の策定時から現在までの市場環境の変化、具体的には、アジアや欧州における低価格中国製品の台頭による構造変化、足元の収益環境及び当社の業績等を踏まえ、より現状に即した客観的かつ合理的な当該財務予測に基づいて当社の株式価値を算定することが適切であると判断いたしました。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味しておりません。なお、当社は、当社決算短信において、2025年3月期の業績予想の修正を公表しておりますが、野村證券が当社株式の価値算定を行うにあたっては、当該業績予想の修正の影響を反映しております。

 

(単位:百万円)

 

2025年3月期

(6ヶ月)

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

売上高

169,733

357,044

365,862

371,197

377,433

営業利益

8,106

19,678

22,405

23,647

24,323

EBITDA

16,398

36,233

38,625

40,396

41,554

フリー・キャッシュ・フロー

7,855

1,392

8,529

12,971

13,371

 

 

 

(ⅲ)本フェアネス・オピニオン(野村證券)の概要

本特別委員会は、2025年1月30日付で、野村證券から、本公開買付価格である1株当たり2,750円が当社の株主(公開買付者を除きます。)にとって財務的見地から妥当であると考える旨の本フェアネス・オピニオン(野村證券)を取得しております。

(注2) 野村證券は、本フェアネス・オピニオン(野村證券)の作成にあたり野村證券が検討した公開情報及び野村證券に提供された財務、法務、規制、税務、会計に関する情報その他一切の情報については、それらがいずれも正確かつ完全であることを前提としており、独自にその正確性及び完全性についての検証は行っておらず、また、検証の義務を負うものではありません。野村證券は、当社とその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておりません。また、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。当社の財務予測その他将来に関する情報については、本特別委員会又は当社の経営陣により現在可能な最善かつ誠実な予測と判断に基づき合理的に作成又は検討されたこと、それらの予測に従い当社の財務状況が推移することを前提としており、野村證券は、本フェアネス・オピニオン(野村證券)の作成にあたり、独自の調査をすることなくかかる財務予測その他将来に関する情報に依拠しております。野村證券は、かかる財務予測等の実現可能性につき一切の保証をするものではありません。野村證券は、本公開買付けが本プレスリリースに記載された条件に従って適法かつ有効に実行されること、本公開買付けの税務上の効果が野村證券に提示された想定と相違ないこと、本公開買付けの実行に必要な全ての政府、監督官庁その他による同意又は許認可が、本公開買付けによりもたらされると期待される利益を何ら損なうことなく取得されること、及び本プレスリリースに記載された重要な条件又は合意事項の放棄、修正又は変更なく本公開買付けが本プレスリリースの条件に従って完了することを前提としており、これらについて独自の調査は行っておらず、またその義務を負うものではありません。野村證券は、本特別委員会により本公開買付け以外の取引又はその相対的評価についての検討を要請されておらず、かかる検討は行っておりません。野村證券は、本特別委員会、当社又は当社の取締役会に対して、本取引に関する第三者の意思表明を勧誘する義務を負っておらず、また、そのような勧誘を行っておりません。

野村證券は、本取引に関して、本特別委員会の財務アドバイザーを務めており、本取引に関する交渉の一部に関与しております。そのサービスの対価として、当社から本フェアネス・オピニオン(野村證券)提出を支払条件とするものを含む手数料を受領する予定です。また、野村證券は、弊社及びその関係会社に生じた一定の費用の払い戻しを当社から受領する予定です。本フェアネス・オピニオン(野村證券)提出にあたっては当社と野村證券との契約に規定する免責・補償条項が適用されます。野村證券及びその関係会社は、当社、公開買付者又はそれらの関係会社に対して、投資銀行業務、その他の金融商品取引関連業務及びローン業務等を行い又は将来において行い、報酬を受領する可能性があります。また、野村證券及びその関係会社は、通常の業務の過程において、当社、公開買付者又はそれらの関係会社の有価証券及び金融派生商品を含む各種金融商品を自己の勘定又は顧客の勘定において随時取引し又は所有することがあります。

本フェアネス・オピニオン(野村證券)に記載された野村證券の意見は、本特別委員会が本公開買付価格を検討するために参考となる情報を提供することのみを目的としており、第三者による如何なる利用又は依拠若しくは引用もすることはできません。かかる意見は、本フェアネス・オピニオン(野村證券)に記載された条件及び前提のもとで、本公開買付価格の財務的見地からの妥当性について述べられたものに留まり、野村證券は、本公開買付価格の決定の基礎となる各前提事実若しくは仮定について意見を述べること、又は本特別委員会若しくは当社が本取引を実行するという判断について賛否を含む何らの意見を述べることも要請されておらず、本フェアネス・オピニオン(野村證券)においてもかかる意見を述べておりません。また、本フェアネス・オピニオン(野村證券)に記載された野村證券の意見は、当社の株主に対して、本取引に関する議決権等の株主権の行使、株式の取引その他の関連する事項について何らの推奨を行うものではなく、更に、本フェアネス・オピニオン(野村證券)は、当社の普通株式の株価水準について、過去、現在又は将来に係る何らの意見を述べるものでもありません。なお、野村證券は、本取引に関して、法務、規制、税務又は会計に関連するアドバイスを独自に行うものではなく、これらの事項については、本特別委員会、当社又はそれらの外部専門家の判断に依拠しております。

本フェアネス・オピニオン(野村證券)の内容は、別途当社と野村證券との契約において特別に認められている場合を除き、第三者に開示されず、又は目的外に使用されないことを前提としており、本特別委員会は、野村證券の事前の書面による同意なく、本フェアネス・オピニオン(野村證券)の全部又は一部を問わず、これを開示、参照、伝達又は使用することはできません。

本フェアネス・オピニオン(野村證券)に記載された野村證券の意見は、本フェアネス・オピニオン(野村證券)の日付現在における金融、経済、市場、事業環境その他の状況を前提とし、また、当該日付現在で野村證券が入手している情報に依拠しております。今後の状況の推移又は変化により、本フェアネス・オピニオン(野村證券)に記載された野村證券の意見が影響を受けることがありますが、野村證券はその意見を修正、変更又は補足する義務を負いません。

 

 

③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対し、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、大和証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことです。公開買付者は、同種の取引における一般的な事務慣行及び本取引が不成立となった場合であっても公開買付者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により大和証券を公開買付者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。また、公開買付者は、公開買付者及び当社において本公開買付価格の公正性を担保する措置(具体的には、「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」における「① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」乃至「⑨ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保」に記載の措置)を実施し、当社の一般株主の利益への配慮が十分になされていると考えられることから、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。

 

(ⅱ)当社株式に係る算定の概要

大和証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値の算定にあたって採用すべき算定手法を検討の上、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式価値が類推可能であることから類似会社比較法及び将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法の各手法を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者は大和証券から2025年1月30日付で当社の株式価値に関する株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。

大和証券による当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりとのことです。

 

市場株価法       :1,860円~1,945円

類似会社比較法     :564円~1,692円

DCF法          :1,933円~2,791円

 

市場株価法では、2025年1月30日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,945円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,902円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,860円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,873円を基に、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,860円から1,945円までと算定しているとのことです。

類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社を選定した上で、事業価値に対するEBITDAの倍率を用いて当社株式の株式価値を評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を564円から1,692円と算定しているとのことです。

DCF法では、当社が作成した2025年3月期から2029年3月期までの事業計画を、直近までの業績動向、公開買付者が当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果や一般に公開された情報等の諸要素を考慮し、公開買付者において調整を行った当社の事業計画に基づき、2025年3月期第3四半期以降に当社が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,933円から2,791円と算定しているとのことです。なお、大和証券がDCF法による算定に用いた当社の事業計画は、大幅な増減益を含まず、本取引によるシナジーは加味されていないとのことです。

 

公開買付者は、本公開買付価格について、大和証券から取得した公開買付者算定書の算定結果に加え、公開買付者が当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2025年1月31日開催の取締役会において、本公開買付価格を1株当たり2,750円とすることを決定したとのことです。

本公開買付価格2,750円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年1月30日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値1,945円に対して41.39%、同日までの過去1か月間の終値単純平均値1,902円に対して44.58%、同日までの過去3か月間の終値単純平均値1,860円に対して47.85%、同日までの過去6か月間の終値単純平均値1,873円に対して46.82%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。また、本公開買付価格2,750円は、本書提出日の前営業日である2025年1月31日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値2,001円に対して37.43%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。

 

(4) 上場廃止となる見込み及びその事由

当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後、公開買付者は、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実行することを予定しているとのことであるため、かかる手続が実行された場合、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式の上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。

 

(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社の株主を公開買付者のみとするための本スクイーズアウト手続を行うことを企図しているとのことです。

 

① 株式売渡請求

公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権数の合計が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主の皆様(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。

株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。そして、公開買付者は、売渡株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、各売渡株主に対して本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において株式売渡請求を承認する予定です。

株式売渡請求に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

 

② 株式併合

公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が所有する当社の議決権数の合計が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを当社に要請する予定とのことです。また、公開買付者は、当社の企業価値向上の観点から、本臨時株主総会を早期に開催することが望ましいと考えており、当社に対し、本公開買付けの決済の開始日後の近接する日(本書提出日現在においては、2025年3月下旬頃を予定しております。)が本臨時株主総会の基準日となるように、基準日設定公告を行うことを要請する予定とのことです。当社は、公開買付者の要請に応じ本臨時株主総会を開催する予定であり、本臨時株主総会の開催は2025年5月下旬頃を予定しております。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。

本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、当社の株主の皆様は、株式併合がその効力を生ずる日において、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当該端数の株式を所有する当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該当社の株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。なお、株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社の株主が公開買付者のみとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう当社に要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。

株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する当社株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主の皆様(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。

なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

 

(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

公開買付者及び当社は、当社が公開買付者の連結子会社であるため、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と当社の一般株主との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本公開買付けを含む本取引に関する意思決定の過程における恣意性を排除し、利益相反を回避する観点から、以下の措置を実施しております。

なお、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本書提出日現在、当社株式を28,863,844株(所有割合:52.98%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりませんが、公開買付者及び当社において以下の①乃至⑨の措置を講じていることから、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされているとのことであり、当社としても同様に判断しております。

また、以下の記載のうち公開買付者において実施した措置等については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対し、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、大和証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことです。公開買付者は、同種の取引における一般的な事務慣行及び本取引が不成立となった場合であっても公開買付者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により大和証券を公開買付者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。公開買付者が大和証券から取得した公開買付者株式価値算定書の詳細につきましては、上記「(3) 算定に関する事項」の「③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

 

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

当社は、下記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者グループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券を選任し、当社株式の価値算定及び本公開買付価格の妥当性に関する意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2025年1月30日付で本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得しております。本株式価値算定書(SMBC日興証券)本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。

なお、SMBC日興証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。その他、SMBC日興証券の独立性については、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」の「(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係」をご参照ください。

 

③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯

上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2024年10月31日に開催された当社取締役会における決議により、本特別委員会を設置いたしましたが、かかる本特別委員会の設置に先立ち、当社は、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言も得つつ、その時点の当社の独立社外取締役を含む取締役全員に対して、公開買付者から本取引及び本グループ内再編に関する初期的な意向を受けた旨、並びに本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を説明いたしました。また、当社は、並行して、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる当社の独立社外取締役の独立性及び適格性等についても確認を行いました。その上で、当社は、公開買付者グループ及び当社グループからの独立性を有すること(要木洋氏、藤原佳代氏、戸出巌氏及び宮口亜希氏と公開買付者又は当社との間に重要な利害関係は存在しないことを確認しております。)、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、金融機関における豊富な業務経験を有している要木洋氏(当社監査等委員である独立社外取締役、元・株式会社三井住友銀行理事)、大手エネルギー会社グループにおいて役員を務め、戦略構築等に関する知識と経験を有している藤原佳代氏(当社独立社外取締役、ENEOSオーシャン株式会社取締役常務執行役員)、大手総合商社において役員を務め、経営能力及び企業経営におけるガバナンス等に関する知見を有している戸出巌氏(当社独立社外取締役、元・三菱商事株式会社常務執行役員自動車・モビリティグループCEO)、公認会計士としての豊富な業務経験を有する宮口亜希氏(当社監査等委員である独立社外取締役、公認会計士宮口亜希事務所所長)の4氏を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました(なお、本特別委員会の委員長には、委員間の互選により、要木洋氏が選定されており、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。

 

その上で、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年10月31日開催の当社取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会を当社取締役会から独立した合議体として位置付け、本取引に関する意思決定を行うに際して、本公開買付けへの賛否も含め、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は当該取引条件による本取引の承認を行わない(本公開買付けに賛同しないことを含みます。)ことを決議するとともに、本特別委員会が、当社が公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与すること(必要に応じて、公開買付者との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら公開買付者と交渉を行うことを含みます。)、本特別委員会が本諮問事項に関する答申を行うに際し、必要に応じ、当社の費用負担のもと、財務若しくは法務等に関する独自のアドバイザーを選任し、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含みます。)すること(特別委員会は、当社のアドバイザーの独立性及び専門性に問題がないことを確認した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができます。)、事業計画の内容及び作成の前提に係る情報を含め、当社の役職員から本取引に関する検討及び判断に必要な情報を受領すること、並びにその他本取引に関する検討及び判断に際して必要と特別委員会が認める事項について権限を付与することを決議しております。

なお、特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2024年10月31日から2025年1月30日までの間に合計16回、合計約18時間30分にわたって開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールやWeb会議を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。

具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性・実績等を検討の上、2024年10月31日、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を選任する旨を決定いたしました。

また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しており、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所外国法共同事業について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しております。

更に、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)について、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認しております。

その上で、本特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言及び森・濱田松本法律事務所外国法共同事業から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行いました。

本特別委員会は、公開買付者に対して、本取引の意義、公開買付者グループ及び当社のシナジー・ディスシナジー、本取引の検討状況、本取引の想定ストラクチャー、従業員の取扱い、その他本公開買付けの諸条件等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、書面での回答を受領するとともに、本特別委員会において公開買付者から直接説明を受け、質疑応答を行っております。また、本特別委員会は、上記書面での回答及び上記質疑応答の結果等を検討し、公開買付者に対し、完全子会社化の背景・目的、シナジーの具体的内容、完全子会社化に係るデメリット、完全子会社化後の経営方針、完全子会社化の方法(ストラクチャー)等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、書面での回答を受領しております。

 

本特別委員会は、当社執行陣から、本取引の背景・目的やシナジーについての見解等について説明を受け、質疑応答を行っております。

加えて、公開買付者との交渉の基礎となり、また、SMBC日興証券及び野村證券による当社株式の価値評価の基礎ともなる本事業計画等の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について、当社から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認し、承認しております。その上で、上記「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」及び下記「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、SMBC日興証券及び野村證券は、本事業計画等の内容を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、SMBC日興証券及び野村證券から、それぞれが実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらについて合理性を確認しております。

また、「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」及び上記「(3) 算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、当社はSMBC日興証券から本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の提出を受け、本特別委員会は野村證券から本フェアネス・オピニオン(野村證券)の提出を受けておりますが、本特別委員会は、SMBC日興証券及び野村證券から、それぞれ本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)の発行手続等について説明を受け、質疑応答を行っております。

本特別委員会は、2024年12月20日に当社が公開買付者から最初の公開買付価格の提案を受領して以降、当社が公開買付者から公開買付価格についての提案を受領する都度、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券から適時にその内容及び交渉経過等について報告を受け、野村證券から受けた助言及びSMBC日興証券から聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討するとともに、SMBC日興証券から公開買付者との交渉方針案及び公開買付者に対する回答書案について事前に説明を受け、必要に応じて意見を述べ、質疑応答を行った上で承認し、公開買付者との交渉を担当するSMBC日興証券に対して指示・要請を行う等しております。

本特別委員会は、本プレスリリース等のドラフトについて、本特別委員会のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所の助言等を受けつつ、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所外国法共同事業及び当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券から複数回説明を受け、質疑応答を行い、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。

 

(ⅲ)判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言、並びに2025年1月30日付で提出を受けた本株式価値算定書(野村證券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。

(a) 答申内容
ⅰ.当社取締役会は、本公開買付けに対して賛同意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すべきであると考えられる。

ⅱ.当社取締役会による本取引についての決定(本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定、及び本スクイーズアウト手続を実施する旨の決定)は当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。

 

(b) 答申理由

ⅰ.以下の点より、本取引は当社の企業価値向上に資するものであると考えられる。

 当社グループを取り巻く経営環境は大きく構造変化しており、今後も変化が予想される。具体的には、北米やインド等を中心にグローバルの特殊鋼需要は、今後も一定の成長が見込まれるものの、国内の特殊鋼需要は人口減少や高齢化等の社会構造の変化に伴い減少することが見込まれ、また、特殊鋼の直接輸出あるいは特殊鋼を使用した製品等の間接輸出も、海外需要家の地産地消化ニーズの高まりやグローバルサプライチェーンの見直しにより中長期的には減少が見込まれる。また、EV化の進展等、社会・産業構造の変化を踏まえた、国内外の特殊鋼メーカーとの競争激化や2050年カーボンニュートラルに向けた鉄スクラップを中心とする調達面での競争激化なども想定される。こうした長期的な経営環境の変化に的確に対応し、当社グループの企業価値をさらに向上するためには、公開買付者グループのテクノロジー、ノウハウ、リソースを活用し、顧客に対する提供価値の拡大や、リソースの最適な配分を通じて経営の効率化を図り、持続的な成長を追求する必要があると考えられる。

 しかしながら、公開買付者からは、公開買付者と当社の現在の資本関係においては、公開買付者グループ全体の企業価値向上には資する施策であっても個社単位の観点からは一方の会社にメリットが偏るというケースがあり、この場合、個社の視点では他方の会社の一般株主の理解を得ることが容易ではない可能性もあることから当該施策の実行が困難になるなど、最大限のシナジー発揮が容易ではない状況にあると考えているとの説明を受けている。加えて、公開買付者と当社のそれぞれにおいて、一般株主に配慮した意思決定や利害関係の調整に時間を要することや、中長期的には企業価値を向上させるような大胆な施策が個社の短期的な利益を毀損するおそれがあることを理由として実施しにくくなることは、厳しい事業環境下において競争に打ち勝つにあたって支障が生じかねないと考えているとの説明も受けている。当社としても、公開買付者と当社の少数株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は、当社の少数株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある中で、経営資源の相互活用を含む両社の取引関係を推し進めていく際に、一定の制約になり得ると考えているとのことであり、本取引を通じて当社を完全子会社化することによって、公開買付者による当社グループへの更なる経営資源の投入が可能となるものと考えられる。

 公開買付者による当社グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで以下のようなシナジーの創出が期待される。

Ⅰ.一体運営による生産・調達体制の効率化・コスト削減

Ⅱ.研究開発の深化

Ⅲ.グローバル展開における人的資本の共有・競争力強化

Ⅳ.迅速かつ柔軟な意思決定

Ⅴ.上場維持コスト及びそれに係る業務負担軽減

 なお、本取引を通じて当社が完全子会社化されることにより、当社の資金調達手段の限定や意思決定プロセスの変化による当社の事業活動への悪影響等のデメリットが発生する可能性が懸念される。しかし、公開買付者によれば、本取引後も既に当社が子会社として利用しているキャッシュマネジメントシステムを活用した融資については変更の予定はなく、前向きな投資を含めスピード感を持った意思決定により競争力を強化したいと考えているとのことである。また、当社執行陣としても、意思決定プロセスやその自由度については、現状と本取引による完全子会社化後で大きな変化はなく、本取引による完全子会社化によって当社の事業価値が特段毀損することはないと考えているとのことである。

 また、完全子会社化に伴い従業員のモチベーションや採用活動への悪影響等のデメリットが発生する可能性についても懸念されるが、公開買付者によれば、現時点で本取引に伴い従業員の処遇や採用方針について変更を予定しているものはなく、当社の企業文化や女性活躍促進の取組みについても理解を深め、優れたものはグループ全体で採り入れていきたいと考えており、当社の従業員に対しても丁寧に対話を行いたいと考えているとのことである。当社執行陣としても、従業員との丁寧な対話は必要であると考えているとのことである。

 

 以上を踏まえれば、本取引を通じて完全子会社化されることによりデメリットが発生する可能性はあるものの、その程度は限定的であり、本取引によって創出されることが期待されるシナジーを上回るものではないと考えられる。

ⅱ.以下の点より、本取引に係る公開買付価格等の取引条件は公正・妥当であると考えられる。

 本取引の買収の方法について、一段階目として本公開買付けを行い、二段階目として株式等売渡請求又は株式併合によるスクイーズアウトを行う方法は、本取引のような非上場子会社化の取引においては一般的に採用されている方法の一つである。また、買収対価の種類については、公開買付者と当社とでは事業内容等が異なり、当社株主の中には公開買付者株式の取得を望まない者もいると思われること等からすると、買収対価として金銭を交付する方法によることには妥当性があると考えられる。したがって、本取引の方法及び買収対価の種類については妥当性があると考えられる。

 本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本株式価値算定書(野村證券)におけるDCF法による算定の前提とされている当社の事業計画は、公開買付者及び本取引の成否から独立した事業計画検討チームが、当社が公表した業績予想値・中期経営計画が存在する年度についてはこれらをベースに足許の事業環境を踏まえた合理的な見通しを反映して、それ以降の年度については外部機関の統計資料等に基づく市場動向及び見通しを踏まえて策定したものであり、その策定手続及び内容について不合理な点は認められない。

 本株式価値算定書(野村證券)における算定の方法及び内容(類似会社比較法における類似会社の選定並びにDCF法における割引率の計算及び継続価値の算定も含む。)について特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断されるところ、本公開買付価格は、野村證券による市場株価平均法による算定結果の上限を上回り、類似会社比較法及びDCF法による算定結果の範囲内にある価格であると認められる。

 本株式価値算定書(SMBC日興証券)における算定の方法及び内容(類似上場会社比較法における類似会社の選定並びにDCF法における割引率の計算及び継続価値の算定も含む。)に特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断されるところ、本公開買付価格は、SMBC日興証券による市場株価法及び類似上場会社比較法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内にある価格であると認められる。

 本公開買付価格は、類似案件(経済産業省から「公正なM&Aの在り方に関する指針」が公表された2019年6月28日以降2024年12月31日までに公表された子会社の非公開化を目的とした公開買付け案件のうち、特別委員会が設置され、対象者の時価総額が100億円以上の案件から、MBO、2段階公開買付け、不成立案件及び株主に対して応募推奨をしていない事例を除いた40件)との比較において遜色のないプレミアムが付されているものと認められる。

 本特別委員会は、当社と公開買付者との間の公開買付価格等の本取引の条件に関する協議・交渉過程において実質的に関与しており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況、すなわち独立当事者間取引と同視し得る状況が確保された上で、真摯な交渉が実施されたものと認められる。

 本特別委員会は野村證券から本フェアネス・オピニオン(野村證券)を取得しているところ、野村證券は、本公開買付価格が当社の株主(公開買付者を除く。)にとって財務的見地から妥当であると考える旨の意見を述べている。本フェアネス・オピニオン(野村證券)は、発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、これによっても本公開買付価格の公正性・妥当性が裏付けられるものと考えられる。

 当社はSMBC日興証券から本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得しているところ、SMBC日興証券は、本公開買付価格が当社の株主(公開買付者及び自己株式として当社株式を所有する当社を除く。)にとって財務的見地より公正であると考える旨の意見を述べている。本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)は、発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、これによっても本公開買付価格の公正性・妥当性が裏付けられるものと考えられる。

 本公開買付価格は、当社の1株当たりの連結簿価純資産額を下回っているが、簿価純資産額は、継続企業である当社の企業価値算定において合理性を否定する要素とはならないと考えられ、本公開買付価格が1株当たりの連結簿価純資産額を下回っていることをもって本公開買付価格の合理性が否定されることにはならないと考えられる。

 

 以上に述べたこと等からすれば、本公開買付価格は公正・妥当であると考えられる。また、本取引においては、下記ⅲのとおり、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることからすれば、本公開買付価格と同額とされる本スクイーズアウト手続において当社株主に交付される対価についても公正・妥当であると考えられる。

ⅲ.以下の点より、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されているものと考えられる。

 当社においては、公開買付者グループ及び当社グループから独立した本特別委員会が設置され、有効に機能したものと認められる。

 本特別委員会は、その独立性及び専門性・実績等を確認した上で選任した本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所並びに本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から専門的助言を受けている。

 当社は、本特別委員会がその独立性及び専門性・実績等を確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとすることを承認した森・濱田松本法律事務所外国法共同事業並びに当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関とすることを承認したSMBC日興証券から専門的助言を受けている。

 本特別委員会は、本特別委員会の第三者算定機関である野村證券から本株式価値算定書(野村證券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)を取得している。

 当社は、当社の第三者算定機関であるSMBC日興証券から、本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)を取得している。

 当社は、当社グループ以外の公開買付者グループから独立した立場で、本取引に係る検討・交渉等を行う体制を社内に構築し、本特別委員会の確認・承認を得ている。また、公開買付者の常務執行役員を兼務している当社取締役の園田裕人氏及び過去2年以内に公開買付者グループに在籍していた当社取締役の堀賀郎氏は、本取引に係る当社取締役会における審議及び決議に参加しておらず、かつ、当社の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加していない。

 本取引においては、本公開買付けにおける公開買付期間は法令に定める下限より長期である30営業日が予定されており、また、当社は、公開買付者との間で、対抗的買収提案者が当社と接触等を行うことを制限するような内容の合意等を行っていないため、他の買収者による買収提案の機会が確保されている。

 本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定される予定はないが、公開買付者が当社株式の過半数を所有していることから、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合には、比較的少数の株式で本公開買付けの成立を阻害することができることとなり、本公開買付けの成立が不安定なものとなることでかえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の利益に資さない可能性があることに加え、本取引では他に十分な公正性担保措置が講じられていることから、本公開買付けにおいて、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定がなされていないことは、本公開買付けにおける手続の公正性を損なうものではないと考えられる。

 本公開買付けにおいては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。

 本取引においては、本スクイーズアウト手続に際して、本公開買付けに応募しない株主に株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されないスキームは採用されていないこと、本スクイーズアウト手続は、本公開買付け成立後速やかに実施する予定であり、また、本スクイーズアウト手続において本公開買付けに応募しなかった株主に対して交付される金銭の額は、本公開買付価格と同一の価格を基準として決定することを想定しているとのことであり、その旨が開示される予定であることから、強圧性を排除するために望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が排除されているものと認められる。

 

ⅳ.上記ⅰのとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと考えられること、上記ⅱのとおり、本取引に係る公開買付価格等の取引条件は公正・妥当であると考えられること、上記ⅲのとおり、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることから、当社取締役会は、本公開買付けに賛同するとともに、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明すべきであると考えられる。

ⅴ.上記ⅰのとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと考えられること、上記ⅱのとおり、本取引に係る公開買付価格等の取引条件は公正・妥当であると考えられること、上記ⅲのとおり、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることから、当社取締役会が、本公開買付けに賛同するとともに、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を決定すること、並びに、本公開買付けが成立した後、当社の株主を公開買付者のみとするために、当社取締役会が本スクイーズアウト手続を実施することを決定することは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。

 

④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得

本特別委員会は、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を選任し、当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言を受けるとともに、2025年1月30日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得しております。また、本特別委員会は、野村證券から、本公開買付価格である1株当たり2,750円が当社の株主(公開買付者を除きます。)にとって財務的見地から妥当である旨の本フェアネス・オピニオン(野村證券)も取得しております。本株式価値算定書(野村證券)及び本フェアネス・オピニオン(野村證券)の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。

なお、野村證券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。その他、野村證券の独立性については、上記「(3) 算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」の「(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係」及び上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」をご参照ください。

 

⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言

本特別委員会は、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。

なお、中村・角田・松本法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、中村・角田・松本法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。その他、中村・角田・松本法律事務所の独立性については、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」をご参照ください。

 

⑥ 当社における外部の法律事務所からの助言

当社は、「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、外部のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所外国法共同事業を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。

 

なお、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

⑦ 当社における独立した検討体制の構築

上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、当社グループ以外の公開買付者グループから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。当社は、2024年10月9日に、公開買付者から本提案書を受領した時点以降、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社株式の価値評価の基礎となる事業計画の作成過程その他一切の本取引に係る検討、交渉及び判断の過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、当社グループ以外の公開買付者グループとの兼務者及び直近3年間に公開買付者グループに在籍していた公開買付者の出身者を関与させておりません。

具体的には、当社代表取締役社長である宮本勝弘氏、当社取締役である大前浩三氏及び八並敬之氏による全体調整の下、当社内に、「事業計画検討チーム」「DD対応チーム」「買付価格検証チーム」、「総務、広報、社員向け発信等対応チーム」を組成し、本取引に係る検討を進めてまいりました。

上記各チームには、現に当社グループ以外の公開買付者グループ各社の役職員を兼任する当社の役職員及び直近3年間に公開買付者グループに在籍していた当社の役職員は一切関与しておりません。

なお、当社代表取締役社長である宮本勝弘氏、当社の取締役である大前浩三氏及び八並敬之氏は過去に公開買付者に在籍しておりましたが、宮本勝弘氏は、公開買付者から当社に転籍して既に3年7ヶ月程度が経過しており、現在は公開買付者グループとの間で兼任その他指揮命令関係にない上、当社の代表取締役社長として当社の企業価値向上の観点から本取引の検討・交渉にあたり不可欠で代替できない特殊鋼事業に関する豊富な知識・企業経営における幅広い経験を有していること、大前浩三氏及び八並敬之氏については、公開買付者から転籍して既にそれぞれ8年10ヶ月程度及び5年10ヶ月程度が経過しており、現在は公開買付者グループとの間で兼任その他指揮命令関係にないことから、本取引に関する審議及び決議を含めた上記検討体制に関与しております。以上の取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)は森・濱田松本法律事務所外国法共同事業の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ております。

 

⑧ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認

当社取締役会は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、森・濱田松本法律事務所外国法共同事業から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言、本株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本フェアネス・オピニオン(SMBC日興証券)の内容、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。

その結果、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年1月31日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。

 

上記2025年1月31日開催の当社取締役会においては、園田裕人氏及び堀賀郎氏を除く10名の取締役(監査等委員である取締役を含みます。)において審議の上、全員一致により上記の決議を行っております。園田裕人氏は現に公開買付者の常務執行役員を兼務していること、堀賀郎氏は過去2年以内に公開買付者グループに在籍していたことに鑑み、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記2025年1月31日開催の当社取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。

 

⑨ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っていないとのことです。また、公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「本公開買付期間」といいます。)を法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しているとのことです。このように、公開買付者は、本公開買付期間を法定の最短期間よりも長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。

 

(7) 公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

該当事項はありません。

 

 

4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

 

氏名

役職名

所有株式数(株)

議決権数(個)

宮本 勝弘

代表取締役社長

(社長)

10,456

104

大井 茂博

取締役

(常務執行役員)

35,722

357

大前 浩三

取締役

(常務執行役員)

17,439

174

柳本 勝

取締役

(常務執行役員)

23,765

237

八並 敬之

取締役

(常務執行役員)

4,034

40

堀 賀郎

取締役

(執行役員)

774

7

藤原 佳代

取締役

1,328

13

戸出 巌

取締役

1,328

13

園田 裕人

取締役

永野 和彦

取締役

(常任監査等委員)

21,106

211

要木 洋

取締役

(監査等委員)

11,496

114

宮口 亜希

取締役

(監査等委員)

316

3

127,771

1,273

 

(注1) 所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。

(注2) 取締役 藤原 佳代、戸出 巌、要木 洋及び宮口 亜希の各氏は、社外取締役です。

(注3) 所有株式数及び議決権の数には、それぞれ当社役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれに係る議決権の数を含めております。

 

5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

該当事項はありません。

 

6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

該当事項はありません。

 

7 【公開買付者に対する質問】

該当事項はありません。

 

8 【公開買付期間の延長請求】

該当事項はありません。