当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間会計期間におけるわが国経済は、景気回復が緩やかに進んでいると考えられます。所得に関しては、輸入物価の上昇や人手不足による賃上げ圧力により上昇しております。足元の消費は緩やかな回復傾向にありますが、消費者の景況感は悪化しており、これは、物価高、円安の影響を受けていると考えられ、持続的な消費回復には至っていないものと見られます。
世界経済では、経済成長が緩やかに成長するとの見方が示されており、米国経済は堅調に推移しておりますが、同国の政策運営を巡る不確実性が与える影響や中国経済の減速、ウクライナ・中東の地政学的リスク等が今後の動向に影響を及ぼすものと見られ、現状では依然として不確実性が高い状況が続いております。
一方、当社を取り巻く環境は、主要顧客が属する自動車業界においては、電動化された自動車(EV、PHV、HV等)の生産台数や販売台数の増加、新車種投入計画が発表されるなど、電動化推進の動きが活発になっております。環境問題に関しての脱炭素化への取り組みも加速しており、特に電力消費削減技術としてパワー半導体の需要が高まっております。パワー半導体は自動車やエネルギー産業での使用が拡大しており、今後も開発競争が続くと見ております。
このような状況下で、当中間会計期間の経営成績は、売上高は各セグメント共に増加し売上高1,928,210千円(前年同期比12.0%増)となりました。営業損益は、体制強化や次世代半導体を中心とした研究開発を積極的に進めたことで、人件費及び研究開発費の増加が影響したことから営業利益156,219千円(前年同期比8.2%減)となりました。経常損益は、上場関連費用の計上が無かったことから経常利益155,462千円(前年同期比0.1%減)となりました。中間純利益は、保険解約返戻金の計上が無かったことに加え、投資有価証券評価損の計上を行ったことから中間純利益92,763千円(前年同期比18.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当中間会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(信頼性評価事業)
信頼性評価事業では、パワーサイクル試験事業において主要顧客からの受注が順調に推移していることが業績を牽引しました。環境試験事業では各種試験ともに順調に推移しました。断面研磨事業も引き続き順調な受注推移となっております。売上原価は、パワエレテクノセンターの立上げが順調に進捗し稼働開始時期を2か月早め、持続的な成長の重要な要因となる人的投資を積極的に進めたことによりコストが増加しました。この結果、売上高1,691,387千円(前年同期比11.1%増)、営業利益486,622千円(前年同期比4.5%増)となりました。
(微細加工事業)
微細加工事業では、レーザ加工事業において量産品加工の需要が大きく回復したことや、試作品加工でも堅調な受注獲得が出来たことで売上高が伸長しました。また、当中間会計期間より当セグメントとなった表面処理技術事業においては、主要顧客の開発案件受注が好調に推移したことにより業績に寄与しました。売上原価では、減価償却費が減少しました。この結果、売上高210,394千円(前年同期比17.8%増)、営業利益94,146千円(前年同期比102.2%増)となりました。
(その他事業)
その他事業では、バイオ事業において受託試験の受注が好調に推移したことにより、売上高が大きく伸長しました。売上原価では、受託試験に関わる消耗品、人件費が増加しました。この結果、売上高26,429千円(前年同期比31.4%増)、営業損失11,221千円(前年同期は営業損失10,873千円)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当中間会計期間末における総資産は4,034,324千円となり、前事業年度末に比べ106,406千円減少いたしました。
流動資産は2,542,299千円となり、前事業年度末に比べ351,706千円減少いたしました。これは主に「現金及び預金」364,695千円減少によるものであります。固定資産は1,492,024千円となり、前事業年度末に比べ245,299千円増加いたしました。これは主にパワエレテクノセンター開設に係る工事や分析・試験設備等の取得に伴う「有形固定資産」290,639千円増加によるものであります。
(負債)
当中間会計期間末における負債は884,282千円となり、前事業年度末に比べ100,469千円減少いたしました。
流動負債は579,244千円となり、前事業年度末に比べ109,866千円減少いたしました。これは主に納付等に伴う「未払法人税等」76,791千円減少によるものであります。固定負債は305,037千円となり、前事業年度末に比べ9,397千円増加いたしました。これは主にパワエレテクノセンター開設等に伴う「資産除去債務」20,390千円計上及び「1年内返済予定の長期借入金」への振替に伴う「長期借入金」15,000千円減少によるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産は3,150,042千円となり、前事業年度末に比べ5,936千円減少いたしました。
これは主に「中間純利益」92,763千円の計上及び剰余金の配当98,700千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により135,800千円増加、投資活動により380,010千円減少、財務活動により120,488千円減少の結果、前事業年度末に比べ364,697千円減少し1,373,536千円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は135,800千円(前年同期は238,991千円の増加)となりました。これは主に「減価償却費」145,605千円及び「税引前中間純利益」143,325千円の資金の増加と、「法人税等の支払額」99,476千円及び「未払費用の減少額」53,486千円の資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は380,010千円(前年同期は168,138千円の減少)となりました。これは主にパワエレテクノセンター開設等に伴う「有形固定資産の取得による支出」379,389千円の資金の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は120,488千円(前年同期は462,069千円の増加)となりました。これは主に「配当金の支払額」98,205千円及び「長期借入金の返済による支出」15,000千円等の資金の減少によるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間会計期間における研究開発活動の金額は、84,952千円であります。
なお、当中間会計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 主要な設備
前事業年度末において計画中であった主要な設備の新設等について、当中間会計期間に完了したものは、次のとおりであります。
|
事業所名 (所在地) |
セグメントの 名称 |
設備の内容 |
投資総額 (千円) |
資金調達 方法 |
完成年月 |
|
パワエレテクノセンター (堺市西区) |
信頼性評価事業 |
試験所設備及び機械装置 |
314,174 |
自己資金 |
2024年11月 |
(注)完成年月は2025年1月から2024年11月に変更となりました。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金需要の主なものは、設備投資資金として、主要事業である信頼性評価事業に係る信頼性評価試験及び分析・故障解析に関する新しい分野を開拓するための試験設備の購入であり、運転資金として、事業を拡大するための消耗部材の購入、サービスや技術向上を目的とする人員を確保するための人件費や外注費であります。
資本の財源及び資金の流動性について、設備投資資金及び運転資金は主として自己資金で充当し、必要に応じて借入等による資金調達を実施することを基本方針としています。
当中間会計期間において、設備投資資金及び運転資金は自己資金を充当し、現金及び現金同等物の残高は1,373,536千円となっております。
当社は、引き続き強固な財務基盤を構築するため、有利子負債の削減に努め、健全な財政状態、安定的なフリーキャッシュ・フローの創出を図り、成長を維持するために将来必要な設備投資資金及び運転資金を調達する予定であります。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。