当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している以下の主要なリスクが発生しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(FIT太陽光のFIP転+蓄電池併設に関するリスク)
近年、国内における再生可能エネルギー発電所の出力制御エリアは全国的に拡大し、足元の出力制御量が増加傾向にある中、当社グループでは、特に出力制御の増加が見込まれる九州エリアにおいて、FIT制度を活用した自社太陽光発電所について、FIP制度への転換及び蓄電池を併設(新たな設備投資を含む。)することによって、出力制御の影響を抑えつつプレミアム交付による売電収入の向上に取り組んでおります。
しかしながら、FIP制度への転換及び蓄電池の併設後、万が一、電力市場における需給バランスが大きく変動し、当社グループが想定するプレミアム交付による売電収入を得られなかった場合には、収益性が悪化し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであります。
(1)外部環境等に関するリスク
①法的規制
(省略)
2.エネルギーサプライ事業
|
許認可等の名称 |
取得・登録者名 |
所管官庁等 |
許認可等の内容及び許認可番号 |
有効期限 |
関連法令 |
取消又は罰則条項 |
|
(省略) |
||||||
|
発電事業者の届出 |
合同会社福岡みやこソーラーパワー(注)2 |
経済産業省 |
― |
有効期限なし |
電気事業法 |
同法第115条~129条 |
|
(省略) |
||||||
(注)1.(省略)
2.同社は連結子会社ではありませんが、連結対象となる匿名組合の営業者であり、事業上の関連性が高いため、記載しております。
(省略)
(4)エネルギーサプライ事業に関するリスク
④大型バイオマス発電事業に関する投資
当社グループは、2021年9月に株式会社伊万里グリーンパワーの全株式を取得し、当社の連結子会社としております。同社は、佐賀県伊万里市において発電出力約46.0MWの大型バイオマス発電の事業化に向けた開発を行っており、本書提出日現在、当社グループ単独にて事業化推進を図ることとし、総額320億円の設備投資を計画及び実施しております。
当社グループは、当該プロジェクトにおいて、発電所建設に際しては、綿密な設計計画を作成した上で外注事業者と工事請負契約を締結しており、プラント建設工事の一部を当社の連結子会社であるテス・エンジニアリング株式会社が担っております。なお、当該バイオマス発電に用いるPKS(パーム椰子殻)燃料の近年における調達価格の高騰に対しては、複数のサプライヤーからの購買に加え、インドネシアでPKS燃料販売を行う当社の連結子会社であるPT INTERNATIONAL GREEN ENERGY(本社:インドネシア)において構築したPKS燃料の調達・販売のためのサプライチェーンを利用した自社安定調達を推進することにより、当該開発プロジェクトの収益性確保を図る方針であります。また、開発にかかる資金調達については、2023年6月21日開催の取締役会において実施を決議した「一部コミットメント型ライツ・オファリング」による調達資金に加えて、金融機関からのシンジケートローンによる対応を進めております。
近年、国内におけるPKS燃料調達価格は、燃料価格の高騰、海上輸送運賃の上昇及び円安等により過去最高値水準で推移しております。燃料価格変動リスクを踏まえた当社グループの試算において、適用される固定価格買取期間(約19.5年)に亘り調達価格が現在の最高値水準で推移したと仮定し、一定の長期為替予約を想定した場合のプロジェクト損益については、期間前半は金利及び税負担等もあり赤字が継続、期間全体では黒字を確保するものの利益水準は低位に留まるものと予測されます。なお、当社グループは、外部調査会社の見解をも踏まえ、将来においてPKS燃料価格は需給バランス改善等により一定程度の落着きを取り戻してくるものと想定しているほか、現在開発中のEFB燃料利用によるコスト低減も視野に入れたプロジェクト運営を検討しておりますが、必ずしも当社グループの想定通りに推移する保証はありません。
なお、上記取組みにかかる長期為替予約については、2024年12月末時点において複数の金融機関と総額519百万米国ドルの為替予約を締結しております。引き続き、複数の金融機関と為替予約の対応を進めておりますが、予約実行時に設定される為替レートや予約金額の状況によりプロジェクト損益は変動する可能性があります。また、長期為替予約にかかる会計処理については、2025年6月期中間連結会計期間よりヘッジ会計を適用しております。なお、ヘッジ会計適用前に発生したデリバティブ債権は、為替予約の実行に応じて営業外損益に計上いたします。
このように当社グループは、バイオマス燃料調達やその他のプロジェクト推進に影響を与える各種要因を注視しつつ収益性確保及び資金調達等に努めていく方針でありますが、今後、建設工事におけるトラブルの発生、燃料調達における著しい価格高騰又は調達困難、開発資金にかかる資金調達の不調、金利の変動、その他の予期せぬ事態により、当該プロジェクトの大幅な遅延や中断、収益性の著しい低下等が生じた場合、収益面の悪化が生じるほか、当該投資や発電所設備等の資産にかかる減損損失の計上が必要となる等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(バイオマス発電事業の概要)
発電事業者名:株式会社伊万里グリーンパワー
発電所名:佐賀伊万里バイオマス発電所
発電容量:約46.0MW
想定年間売電電力量:約312,000,000kWh/年(初年度想定)
固定買取価格:24円/kWh(一般木質バイオマス)
運転開始:2025年5月(予定)
当社グループの出資状況:議決権所有割合100%
当社グループの関与状況:EPC、アセットマネジメント業務、オペレーション&メンテナンス業務、燃料供給業務
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国の経済は、世界的な資材価格やエネルギー価格の高騰、ウクライナ情勢の悪化、円安による影響等、依然として景気の先行きの見通しが難しい状況が続いております。
当社グループが事業を行うエネルギー業界においては、2015年の国連による持続可能な開発目標(SDGs)(※1)の提唱や、パリ協定(※2)締結を契機に、引き続き世界的にエネルギーの脱炭素化に向けた取り組みが加速しております。日本においても、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画(※3)では、2050年カーボンニュートラルの実現と、2030年度の新たな温室効果ガス排出削減目標(2013年度比46%削減)の達成に向けたエネルギー政策の道筋が示されました。徹底した省エネルギーの更なる追求が求められると共に、2030年には国内電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を36~38%程度(2022年度は21.7%)にする目標が掲げられております。更に、2023年2月にはGX実現に向けた基本方針(※4)が閣議決定され、エネルギー安定供給の確保を大前提とした脱炭素への取組方針が示されました。
このような外部環境の中、当社グループは、「Total Energy Saving & Solution」の経営理念のもと、「再生可能エネルギーの主力電源化」「省エネルギーの徹底」及び「エネルギーのスマート化」の3つの事業領域に注力しながら事業を展開しております。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は18,013百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益は2,409百万円(前年同期比36.5%増)、経常利益は240百万円(前年同期比83.5%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は597百万円(前年同期比31.0%減)となりました。
この内、経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益につきましては、「2)デリバティブ評価損(営業外費用)及び法人税等調整額(益)の計上について」に記載のとおり、デリバティブ評価損1,816百万円を営業外費用に計上したこと及び「3)合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合の連結子会社化に伴う匿名組合投資利益(営業外収益)、負ののれん発生益(特別利益)、段階取得に係る差損(特別損失)の計上について」に記載のとおり、合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合の連結子会社化に伴う段階取得に係る差損292百万円を特別損失に計上したこと等から、経常利益は240百万円(前年同期比83.5%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は597百万円(前年同期比31.0%減)となりました。
1)セグメントごとの経営成績について
①エンジニアリング事業
(受託型)
省エネルギー系設備における顧客の省エネ、コスト低減、環境対策等のニーズに応じたエンジニアリング、再生可能エネルギー系設備の一部における、顧客取得のFIT認定やFIP認定(※5)を活用した発電施設や自家消費用発電設備のエンジニアリング等、顧客からEPCを受託する形態であり、受託したEPCによる売上を一定の期間にわたり収益を認識する方法に従って計上しております。
当中間連結会計期間においては、脱炭素ニーズ等の高まりにより、コージェネレーションシステム(※6)や燃料転換設備(※7)、ユーティリティ設備(※8)等の省エネルギー系設備に関するEPC案件が前年同期比で増加し、EPCの進捗も好調に推移いたしました。一方、太陽光発電システムやバイオマス発電システム等の再生可能エネルギー系設備に関するEPC案件につきましては、案件数の減少により売上高は前年同期比で微減となりましたが、エンジニアリング事業(受託型)全体としては、前年同期比で売上が増加いたしました。
(開発型)
当社グループが用地取得(又は賃借)、許認可及び権利等の取得、EPC等を主体的に関与し、開発に関する一連のソリューションを顧客に提供する形態であります。
前中間連結会計期間は開発型による新規EPCが無かったことに対し、当中間連結会計期間は鹿児島県におけるFIT制度(※9)を活用した太陽光発電所(発電容量約8.0MW)のEPCによる売上を一定の期間にわたり収益を認識する方法に従って計上したことから、前年同期比で売上が増加いたしました。
以上の結果、エンジニアリング事業につきましては、売上高は7,607百万円(前年同期比35.1%増)、セグメント利益は298百万円(前年同期はセグメント損失75百万円)となりました。
なお、セグメント間の内部売上高又は振替高を含む売上高は8,837百万円(前年同期比11.2%増)となりました。
②エネルギーサプライ事業
(再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電)
太陽光発電所を中心として、FIT制度又はFIP制度(※10)を活用した再生可能エネルギー発電所やFIT制度又はFIP制度を活用しないオンサイトPPAモデル(※11)による再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電を行っております。
当中間連結会計期間末における再生可能エネルギー発電所の件数及び発電容量は、当中間連結会計期間にオンサイトPPAモデルにおける電力供給サービスを新たに供給先8件、約7.7MWを開始したことにより、下表のとおりとなりました。
当中間連結会計期間においては、「福岡みやこメガソーラー発電所」(所在地:福岡県京都郡みやこ町、発電容量:約67.0MW)を運営する合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合の匿名組合出資持分全部を取得し連結子会社化したこと等、連結子会社の保有分における件数及び発電容量が増加したことから前年同期比で売電収入に伴う売上が増加いたしました。
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|
前中間連結会計期間末 |
当中間連結会計期間末 |
増減 |
|||
|
|
件数 (件) |
発電容量(MW) |
件数 (件) |
発電容量(MW) |
件数 (件) |
発電容量(MW) |
|
連結子会社の保有分 |
82 |
213.4 |
103 |
306.5 |
21 |
93.1 |
|
内、FIT制度及びFIP制度 |
66 |
195.0 |
66 |
263.7 |
0 |
68.7 |
|
内、オンサイトPPAモデル |
16 |
18.5 |
37 |
42.9 |
21 |
24.4 |
|
当社グループ出資先の保有分(※) |
12 |
88.1 |
10 |
21.1 |
△2 |
△67.0 |
|
合計 |
94 |
301.6 |
113 |
327.7 |
19 |
26.1 |
(※)当社グループ出資先の保有分は、持分法適用関連会社及び匿名組合出資を行う合同会社を営業者とする匿名組合であります。また、当社グループ出資先の保有分は、全てFIT制度を活用した再生可能エネルギー発電所による件数及び発電容量であります。
(オペレーション&メンテナンス(O&M))
顧客企業との定期契約によるメンテナンス業務及び24時間遠隔監視サービスに加え、不定期に発生するメンテナンス業務(消耗品の交換や法定検査等によるメンテナンス業務等の発生の予想可能なものと、顧客設備の故障による修理・交換等のメンテナンス業務等の発生の予想困難なもの)を行っております。
当中間連結会計期間においては、不定期に発生するメンテナンス業務が前年同期比で減少したことから前年同期比で売上が減少いたしました。
(電気の小売供給)
北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国及び九州の9電力エリアにて法人顧客向けに電気の供給を行っております。また、デマンドレスポンス(DR)(※12)技術やバーチャルパワープラント(VPP)(※13)技術を用いて、需要側が所有する分散型エネルギーリソース(※14)を取りまとめし、調整力として供給するERAB(※15)サービスのほか、コージェネレーションシステムを運用する顧客に対して行う燃料供給サービスを行っております。
当中間連結会計期間においては、顧客向けの電力料金が日本卸電力取引所(JEPX)のスポット価格と連動する市場連動型メニューによる供給量拡大に取り組んだ一方、従来の電力供給メニューにおける大口需要家との取引が終了したこと等から前年同期比で売上が減少いたしました。
(資源循環型バイオマス燃料供給)
日本国内のバイオマス発電所に向けたPKS(※16)燃料販売事業を行っております。
当中間連結会計期間においては、出荷量が前年同期比で増加したことから、前年同期比で売上が増加いたしました。
以上の結果、エネルギーサプライ事業につきましては、売上高は10,406百万円(前年同期比10.3%増)、セグメント利益は2,242百万円(前年同期比38.2%増)となりました。
なお、セグメント間の内部売上高又は振替高を含む売上高は10,407百万円(前年同期比10.3%増)となりました。
2)デリバティブ評価損(営業外費用)及び法人税等調整額(益)の計上について
当中間連結会計期間において、デリバティブ評価損1,816百万円を営業外費用に計上いたしました。これは、当社の連結子会社である株式会社伊万里グリーンパワーが佐賀県伊万里市において開発を進めている発電容量約46.0MWの大型バイオマス発電事業で使用するPKS燃料調達に係る為替変動リスクをヘッジする目的のために締結している為替予約の時価評価により生じたものであります。また、上記デリバティブ評価損の計上に伴う繰延税金負債の取崩しにより、当中間連結会計期間において法人税等調整額(益)622百万円を計上いたしました。詳細につきましては、2024年11月5日に公表いたしました「営業外費用(デリバティブ評価損)及び法人税等調整額(益)の計上に関するお知らせ」をご参照ください。
3)合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合の連結子会社化に伴う匿名組合投資利益(営業外収益)、負ののれん発生益(特別利益)、段階取得に係る差損(特別損失)の計上について
当中間連結会計期間において、匿名組合投資利益328百万円を営業外収益に、負ののれん発生益471百万円を特別利益に、段階取得に係る差損292百万円を特別損失に計上いたしました。これらは、2024年8月1日付で当社の100%子会社であるテス・エンジニアリング株式会社によって、太陽光発電事業(所在地:福岡県京都郡みやこ町、発電容量:約67.0MW)を行う合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合(以下「みやこ匿名組合」といいます。)に係る匿名組合出資持分全部を取得し、みやこ匿名組合を当社の連結子会社としたことに伴い生じたものであります。詳細につきましては、2025年2月12日に公表いたしました「(開示事項の変更)「営業外収益、特別利益及び特別損失の計上に関するお知らせ」の内容の一部変更に関するお知らせ」をご参照ください。
4)投資有価証券売却益(特別利益)の計上について
当中間連結会計期間において、投資有価証券売却益513百万円を特別利益に計上いたしました。これは、当社の連結子会社であるテス・エンジニアリング株式会社が保有する投資有価証券の一部を売却したことに伴い生じたものであります。詳細につきましては、2024年11月5日に公表いたしました「子会社による特別利益の計上に関するお知らせ」をご参照ください。
(※1)持続可能な開発目標(SDGs):
2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で発展途上国のみならず先進国自身が取り組むべき事項として掲げられた国際社会共通の目標であり、エネルギー、経済成長と雇用、気候変動等に対する取り組みをはじめとして計17の目標にて構成されております。
(※2)パリ協定:
第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)にてCO₂排出量に削減目標を定める温暖化対策の世界的枠組みとして日本を含め196の国々による合意に基づき2015年12月に採択された国際協定であります。日本は本協定に対して2030年までに2013年比で温室効果ガス排出量を46%削減することを目標として掲げております。
(※3)エネルギー基本計画:
エネルギー政策基本法第12条に基づき制定される、エネルギーの需給に関する施策の長期的、総合的かつ計画的な推進を図るためのエネルギーの需給に関する基本的な計画のことであります。
(※4)GX実現に向けた基本方針:
GX(グリーントランスフォーメーション)を通じて脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の3つを同時に実現するべく、2023年2月に閣議決定された取組方針であります。
(※5)FIT認定やFIP認定:
「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」に規定される、経済産業大臣による再生可能エネルギー発電事業計画の認定のことであります。
(※6)コージェネレーションシステム(CGS:Co-Generation System):
分散型エネルギーリソースの一つで、発電と同時に発生する熱を冷暖房や生産プロセスに利用する熱電併給システムのことであります。CHP:Combined Heat & Powerと呼称される場合もあります。
(※7)燃料転換設備:
工場の熱源として利用する燃料を石油から天然ガスへ転換するための設備のことであります。
(※8)ユーティリティ設備:
工場の生産設備の稼働に必要な電気、蒸気、水、圧縮空気、燃料等を供給する設備のことであります。
(※9)FIT制度:
「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」に基づき、太陽光、風力、バイオマス等の再生可能エネルギーで発電した電力を、電気事業者が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度であります。
(※10)FIP制度:
再生可能エネルギー発電事業者が発電した電気を卸電力取引市場や相対取引で売電をした場合に、基準価格(FIP価格)と市場価格の差額をプレミアム額として交付する制度のことであります。
(※11)オンサイトPPAモデル:
当社グループが発電事業者として、自家消費型太陽光発電所等の所有・維持管理等を行い、当該発電所等から発電された電力を需要家に供給する契約方式のことであります。
(※12)デマンドレスポンス(DR):
需要家側エネルギーリソース(※17)の保有者若しくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させることであります。
(※13)バーチャルパワープラント(VPP):
IoT技術を活用して分散型エネルギーリソースを遠隔から統合制御し、1つの発電所のように機能させることによって、電力の需給バランスを調整することであります。
(※14)エネルギーリソース:
電気や熱等のエネルギーを供給又は貯蔵することができる設備(発電システム、蓄電池システム、ボイラ)等のことであります。
(※15)ERAB(Energy Resource Aggregation Businesses):
DRやVPPを用いて、一般送配電事業者、小売電気事業者、需要家、再生可能エネルギー発電事業者といった取引先に対し、調整力、インバランス(※18)回避、電力料金削減、出力制御回避等の各種サービスを提供することであります。
(※16)PKS:
Palm Kernel Shellの略称で、パーム椰子の種からパーム油を搾油した後に残った椰子殻のことであります。
(※17)需要家側エネルギーリソース:
需要家の受電点以下(behind the meter)に接続されているエネルギーリソース(発電設備、蓄電設備、需要設備)を総称するものであります。
(※18)インバランス:
電気の小売供給において小売電気事業者が事前に策定した需要調達計画と実績の差分のことであります。
②財政状態の状況
(流動資産)
当中間連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,002百万円増加し、37,024百万円となりました。主な要因は、合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合の連結子会社化等による現金及び預金の増加2,010百万円及び売掛金の増加464百万円、エンジニアリング事業の受託型EPCに係る契約資産の減少2,457百万円等であります。
(固定資産)
当中間連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ22,886百万円増加し、105,992百万円となりました。主な要因は、合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合の連結子会社化等による機械装置及び運搬具の増加9,795百万円及び契約関連無形資産の増加4,567百万円、「佐賀伊万里バイオマス発電所」の建設仮勘定の増加5,445百万円等であります。
(流動負債)
当中間連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,952百万円増加し、26,202百万円となりました。主な要因は、短期借入金の増加790百万円及び合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合の連結子会社化等による1年内返済予定の長期借入金の増加1,856百万円等であります。この内、合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合に係る1年内返済予定の長期借入金の主な増加につきましては、連結子会社化に伴って合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合の流動負債を連結したものであり、当中間連結会計期間に新たに借入を行ったものではございません。
(固定負債)
当中間連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ19,975百万円増加し、74,057百万円となりました。主な要因は、合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合の連結子会社化等による長期借入金の増加18,696百万円等であります。この内、合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合に係る長期借入金の主な増加につきましては、連結子会社化に伴って合同会社福岡みやこソーラーパワーを営業者とする匿名組合の固定負債を連結したものであり、当中間連結会計期間に新たに借入を行ったものではございません。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ960百万円増加し、42,756百万円となりました。主な要因は繰延ヘッジ損益の増加1,418百万円及び配当金の支払等による利益剰余金の減少544百万円等であります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は15,539百万円と、前連結会計年度末と比べ1,441百万円(10.2%)の増加となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローの収入は、5,001百万円(前年同期は1,324百万円の収入)となりました。営業活動による資金増加の主な要因は、エンジニアリング事業における受託型EPC及びエネルギーサプライ事業における再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電での売上に基づく収入によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、6,266百万円(前年同期は3,413百万円の支出)となりました。投資活動による資金減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出6,094百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローの収入は、2,736百万円(前年同期は13,308百万円の収入)となりました。財務活動による資金増加の主な要因は、長期借入れによる収入6,061百万円等であります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループは経営ビジョンを以下のとおり改定いたしました。
〈改定前〉
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経営ビジョン +E Performer
当社グループのあるべき姿を定めたものが経営ビジョンの「+E Performer(プラスイー パフォーマー)」です。 「+E」には当社グループの事業活動に関わる「Energy、Economy、Environment、Engineering、Ecology、 Engagement…」等について「一歩先を行く、他には無いものを新しく提供する」という意味を込めております。 また、「Performer」には「実行者」という意味があり、顧客のニーズに正面から向き合い、成果を出していく 企業姿勢を表しております。 当社グループの強みを最大限に発揮することで、次世代に向けてエネルギーを育み、守り、つなぐ 「+E Performer」を目指してまいります。
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〈改定後〉
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経営ビジョン 脱炭素のリーディングカンパニー 顧客のTotal Energy Saving & Solutionを実現する会社
〈 脱炭素のリーディングカンパニーであるために 〉 ●省エネ・再エネ分野の豊富な実績、開発・施工から運用・保守までワンストップの対応力、 幅広いネットワークを活かした提案力で顧客に選ばれ続ける ●安定した収益基盤のもと、チャレンジを恐れず、持続的に成長・進化し続ける ●脱炭素、資源循環等の環境・エネルギー分野において幅広い社会課題の解決に取り組み続ける ●誰にとっても働きやすく、誰もが働きがいを感じ続けられる
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〈変更の理由〉
当社グループは2024年8月14日に「TX2030 TESS Transformation2030 / TESSグループ 中期経営計画(2025-2030)」を策定・公表したことに伴い、今後、当社グループが中長期的に目指す姿について改めて議論してまいりました。その結果、経営理念である「Total Energy Saving & Solution」のもと、当社グループが中長期的に目指す姿を改めて定義し、この度、経営ビジョンを「脱炭素のリーディングカンパニー」へ改定いたしました。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費の総額は、153百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数に著しい変動はありません。
(8)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当中間連結会計期間のエンジニアリング事業における生産実績は次のとおりであります。エネルギーサプライ事業につきましては、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
|
セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 2024年7月1日 至 2024年12月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
エンジニアリング事業 |
7,607 |
135.1 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
②受注実績
当中間連結会計期間の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。エネルギーサプライ事業につきましては、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
|
セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 2024年7月1日 至 2024年12月31日) |
|||
|
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
エンジニアリング事業 |
4,130 |
37.6 |
13,548 |
93.9 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
③販売実績
当中間連結会計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 2024年7月1日 至 2024年12月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
エンジニアリング事業 |
7,607 |
135.1 |
|
エネルギーサプライ事業 |
10,406 |
110.3 |
|
合計 |
18,013 |
119.5 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(9)主要な設備
当中間連結会計期間末時点において計画している主要な設備の新設は、次のとおりであります。
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会社名 |
事業所名 (所在地) |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
投資予定金額 |
資金調達方法 |
着手及び完了予定年月 |
完成後の 増加能力 |
計画変更の 有無 |
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総額 (百万円) |
既支払額 (百万円) |
着手 |
完了 |
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PT PTEC RESEARCH AND DEVELOPMENT |
インドネシア北スマトラ州 |
エネルギー サプライ 事業 |
バイオマス 燃料製造工場 |
197 (注)1 |
- |
自己株式 処分資金 (注)2 |
2022年 12月 |
2026年 12月 |
未定 (注)3 |
前連結会計年度末から計画内容に変更なし |
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株式会社伊万里グリーンパワー |
佐賀伊万里バイオマス発電所 (佐賀県伊万里市) |
エネルギー サプライ 事業 |
木質バイオマス発電 |
32,000 |
30,884 |
自己株式処分資金、借入金、自己資金及び増資資金 (注)2 |
2022年 2月 |
2025年 5月 |
完成後の 発電容量 (MW) 46.0 (注)4 |
前連結会計年度末から計画内容に変更なし |
(注)1.投資予定金額の総額については、バイオマス燃料製造工場に係る建築及び設備工事費が未確定であるため、現時点で支出が確実に見込まれる投資予定額を記載しております。また、投資予定金額は予算上の換算レート(1ドル=109.00円)で算出しております。なお、為替の変動等により、今後の投資予定額等に大幅な変更の可能性があります。
2.自己株式処分資金は、2021年4月の東京証券取引所市場第一部への新規上場時に実施した、自己株式処分及びオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当による自己株式処分による上場調達資金であります。増資資金は、2023年6月21日開催の取締役会において実施を決議した「一部コミットメント型ライツ・オファリング」による調達資金であります。
3.完成後の増加能力は、算出が困難なため記載を省略しております。
4.完成後の発電容量(MW)は発電端出力ベースの設備容量表記であります。
(10)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」をご参照ください。
(11)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当中間連結会計期間において、資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、新たに契約した重要な契約は次のとおりであります。
(資本業務提携契約)
当社は、2024年12月6日開催の取締役会において、東京センチュリー株式会社(以下「東京センチュリー社」といいます。)との間で、資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい、当該契約に基づく資本業務提携を以下「本資本業務提携」といいます。)を締結することを決議し、同日付で本資本業務提携契約を締結いたしました。
(1)業務提携の内容
当社は、本資本業務提携契約において、東京センチュリー社と以下の各号に定める業務及び事業に関して提携を行い、実行推進にあたり相互に協力する旨を合意しております。
①系統用蓄電所の開発における協業
当社グループが開発中の系統用蓄電所に関して、東京センチュリー社が蓄電所保有事業者、ファイナンス提供者及びトーリング契約(※)におけるオフテイカー(蓄電所の運営権者)等として参画することについて協議いたします。
②省エネルギー・再生可能エネルギー関連ソリューションにおける協業
当社グループが実施する省エネルギー・再生可能エネルギー関連のソリューションに関して、東京センチュリー社に対する受注拡大及び東京センチュリー社の顧客基盤を活用した新たな需要家に対する受注拡大につなげると共に、東京センチュリー社の再生可能エネルギー・カーボンニュートラル関連のビジネス創出を目指します。
③電気の小売供給や需給管理における協業
当社グループが提供する電気の小売供給や需給管理のソリューションに関して、東京センチュリー社及び東京センチュリー社の顧客基盤を活用した新たな需要家に対する受注拡大を目指します。
④資源循環型バイオマス燃料事業における協業
当社グループが日本国内のバイオマス発電所に向けて販売するPKS燃料や研究開発を進めているEFBペレット等の資源循環型バイオマス燃料の供給において、東京センチュリー社との協業について検討いたします。
⑤両グループのシナジー創出に向けた人材交流
本資本業務提携によるシナジーの創出に向け、相互の人材交流について検討いたします。
(※)トーリング契約:エネルギー売買契約の一種であり、オフテイカーが発電や充放電等に必要な費用を支払う契約形態のことであります。
(2)資本提携の内容
東京センチュリー社は、2024年12月31日現在、当社普通株式3,532,200株(発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合5.00%)を保有しております。