当中間会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
当中間会計期間におけるわが国の経済は、物価高の影響から一部に弱い動きがみられたものの、雇用・所得環境の改善により緩やかに回復してきました。一方で、各国の金利の変化による為替相場の変動やエネルギー価格を取り巻く環境の混迷からエネルギー価格は高止まり、先行きの不透明な状況が続きました。
エネルギー価格の変動の影響を大きく受ける電力に関しては、EVの普及やIT機器の利活用等により今後も旺盛な需要が続くと見込まれ、一層の安定的かつ経済的な供給体制が求められております。昨今は生成AIの需要の高まりに伴い、大規模な電力消費を伴うデータセンターの設置や増強が加速しております。また、大量のデータを必要とする社会全体のデジタル化に伴い、製造に膨大な電力を必要とする半導体の需要も急速に増加しております。電力広域的運営推進機関によると、データセンターや半導体工場の新増設に伴う需要電力量は2034年度までに514億kWh増加し、電力需要全体でも増加の見通しとなっております(出典:全国及び供給区域ごとの需要想定(2025年度)、2025年1月22日公表)。
このような状況下、当社は電力会社に対して、AI技術や数理最適化技術を用いた電力需給計画の最適化を提供し、電力会社のエネルギー消費量の削減を実現してまいりました。また、配船計画、生産計画、空調熱源制御等の最適化も提供しており、AIエンジン開発、システム開発、運用・サポートまで一貫したサービスとして展開してまいりました。これまでの計画業務は、オペレーションを熟知した熟練人材による多大な労力により成立しておりましたが、AI技術や数理最適手法を用いた当社の計画最適化サービスは、複雑かつ不確実性の高いビジネス環境下でも短時間で最適な計画を提供し、属人性を排することを可能としており、当社の事業に対する期待は一層高まっております。
当中間会計期間は、引き続き電力・エネルギー、物流・サプライチェーン、都市交通・スマートシティの3分野に注力いたしましたが、予算規模が大きい電力会社からの追加受注や本番導入開発が進展し、電力・エネルギー分野の売上が全体の5割超を占めることとなりました。物流・サプライチェーン分野についても、配船計画における本番導入開発の進展により全体の3割超を占める売上となりました。また、都市交通・スマートシティについても、鉄道会社の修繕計画におけるAIエンジン開発が進展し、堅調に推移しました。
当社は、AIエンジン及びシステム開発をフロー型売上、運用・サポートをストック型売上として定義しておりますが、当中間会計期間の電力・エネルギー分野の合計売上高は480百万円(前年同期比82.6%増)、うちフロー型売上は398百万円(前年同期比91.8%増)でストック型売上は81百万円(前年同期比47.9%増)、物流・サプライチェーン分野の合計売上高は305百万円(前年同期比8.9%増)、うちフロー型売上は173百万円(前年同期比0.2%増)でストック型売上は131百万円(前年同期比23.0%増)、都市交通・スマートシティ分野の合計売上高は95百万円(前年同期比13.4%増)、うちフロー型売上は61百万円(前年同期比4.0%減)でストック型売上は33百万円(前年同期比69.0%増)、社会インフラ3分野に分類されないその他の合計売上高は9百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
また、当社は開発体制の強化に向けて優秀なエンジニアの採用を行うことで今後の事業拡大に向けた取り組みを進めており、当中間会計期間末におけるエンジニアは74名(前年同期比13.8%増)となりました。加えて、営業体制の強化も進めており、営業・管理部門は29名(前年同期比26.1%増)となりました。このことから、製造費用におけるエンジニアの人件費は379百万円(前年同期比23.9%増)、販管費における営業・管理部門の人件費は201百万円(前年同期比19.9%増)となりました。
以上より、当中間会計期間について、売上高は890百万円(前年同期比39.5%増)となり、営業利益62百万円(前年同期は営業利益3百万円)、経常利益63百万円(前年同期は経常損失17百万円)、中間純利益38百万円(前年同期は中間純損失14百万円)となりました。
(資産)
当中間会計期間末の総資産は4,029百万円となり、前事業年度末と比較して71百万円減少いたしました。流動資産は3,704百万円となり、前事業年度末と比較して42百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が165百万円増加した一方で、売掛金及び契約資産が226百万円減少したことによるものであります。固定資産は325百万円となり、前事業年度末と比較して29百万円減少いたしました。これは主に投資その他の資産に含まれる繰延税金資産が23百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当中間会計期間末の負債は350百万円となり、前事業年度末と比較して112百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が32百万円、その他に含まれる契約負債が56百万円、預り金が12百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末の純資産は3,678百万円となり、前事業年度末と比較して40百万円増加いたしました。これは主に中間純利益の計上により利益剰余金が38百万円増加したことによるものであります。
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は3,065百万円となり、前事業年度末と比較して165百万円増加いたしました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は216百万円(前年同期は39百万円の資金の使用)となりました。主な収入要因は、税引前中間純利益63百万円、売掛金及び契約資産の減少226百万円である一方、主な支出要因は、契約負債の減少56百万円によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は19百万円(前年同期は18百万円の資金の使用)となりました。支出要因は、有形固定資産の取得1百万円、無形固定資産の取得18百万円によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は31百万円(前年同期は2,008百万円の資金の獲得)となりました。主な支出要因は、長期借入金の返済32百万円によるものであります。
当中間会計期間の研究開発費の総額は69百万円であります。
なお、当中間会計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。