第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績に関する説明

当中間連結会計期間における我が国の経済は、各種政策の効果によって緩やかな回復が続くことが期待される一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

当社グループがSaaS型クラウドサービスを提供する不動産DXの市場においては、不動産業界における慢性的な労働人口不足が続いており、生産性向上を目指したIT投資需要は引き続き高水準を維持しております。また、2022年5月のオンライン不動産取引解禁や、AIを活用した空室対策、ビッグデータを用いたマーケティング精度の向上等、法改正・技術革新によって、業界全体のデジタル化が一層加速しております。

 

このような事業環境の下、当社は業界特化型の不動産DX推進事業者として、個社毎の経営課題や事業者間のデータ連携、不動産業界全体の効率化に向けて、幅広いサービスラインナップで不動産事業者を支援してまいりました。また、今期策定した3カ年の成長計画である新中期経営計画「3カ年計画(FY2025-FY2027)」の計画実現に向けて各種成長戦略を推進し、重要指標であるMRR(月次経常収益)の増加と、当社の強みである低い解約率の維持に努めております。

※3カ年計画(FY2025-FY2027)とは、当社の2025年6月期 ~ 2027年6月期の3カ年の業績計画と重要指標について記載したものであり、詳細は当社IRサイトにて公開している「2025年6月期 第2四半期 決算説明資料」にてご確認いただけます。

 

「3カ年計画(FY2025-FY2027)」では、安定的な収益基盤の構築を目指し、月額課金で構成されるストック売上の比率を高める方針としております。「賃貸革命」を中心とした管理ソリューションでの成長基盤を維持しながら、仲介ソリューションのMRR(月次経常収益)の拡大を成長の主要なドライバーとしております。

 

管理ソリューションでは「賃貸革命」を中心に顧客の賃貸管理業務の効率化を支援しております。また、「入居者アプリ」や「オーナーアプリ」を通じて、入居者やオーナーとの円滑なコミュニケーションも支援しております。導入時に計上されるライセンス料はイニシャル売上全体においても高い割合を占め、毎月の利用料やオプション利用料が月額課金収益として積み上がっております。新規販売のみならず、法改正やさらなる効率化を追求したバージョンアップ製品による売上も堅調であり、成長の基盤となっております。

 

仲介ソリューションでは集客から成約までの不動産仲介のサービスラインナップとなっており、ホームページや大手ポータルサイトでの集客、顧客管理(CRM)、オンラインでの不動産取引(電子入居申込・電子契約)等、集客数、成約率を高める支援を行っております。業者間物件流通サービス「リアプロ」または同様のサービスである「不動産BB」によってデータ化された空室情報の活用や成約までの効率化を図っております。

 

なお、類似サービスである業者間物件流通サービス「リアプロ」と「不動産BB」においては、統合版の開発を進めており、今年の5月にリリースを予定しております。リリース後は、国内最大級の業者間物件流通サービスとして市場に対して高い価値を提供し、仲介ソリューション拡大の基盤となることを計画しております。

※「リアプロ」は2022年にM&Aによってラインナップに追加となったサービスであります。

※第1四半期決算時に延期となった本統合版のリリース時期については顧客への影響を考慮し、顧客の繁忙期を避けた5月としております。

 

当社における報告セグメントは単一であるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

各サービス別の概況は以下のとおりであります。

(仲介ソリューション)

仲介ソリューションにおいては、有償サービスとして提供する業者間物件流通サービス「リアプロ」を通じて物件情報のデジタル化と不動産事業者間のネットワーク上でのコミュニケーション構築を支援し、データ化された空室情報の2次活用として顧客の集客から不動産取引までの業務効率化を推進してまいりました。集客・不動産取引支援の具体的なサービスとしては自社ホームページ集客を支援する「WebManagerPro」や、不動産ポータルサイト集客を支援する「物件データ連動」、不動産契約の電子化を支援する「電子契約サービス」等、仲介業務の課題解決となるサービスの提案を積極的に行ってまいりました。また、無償サービスである業者間物件流通サービス「不動産BB」を導入済の顧客に対して有償サービス「リアプロ」への切り替えも促進しており、仲介ソリューション全体を通して、有償で利用する顧客からの月額利用料が順調に積み上がりました。

その結果、仲介ソリューションの売上高は1,105,147千円(前年同期比40.0%)となりました。

 

(管理ソリューション)

管理ソリューションにおいては、売上のメインとなる「賃貸革命」の新規顧客への販売、既存顧客へのバージョンアップ、オプション追加等積極的に提案してまいりました。また、解約率については継続して低位で安定していることから、月額利用料も堅調に積み上がりました。

その結果、管理ソリューションの売上高は1,518,038千円(前年同期比24.6%増)となりました。

 

※ 仲介ソリューション、管理ソリューションの合計売上高2,623,185千円の他に、その他売上高25,301千円があります。

 

(2)財政状態に関する説明

   ① 資産

当中間連結会計期間末における資産合計は、5,649,898千円となり、前連結会計年度末から79,986千円増加となりました。流動資産の残高は、1,825,991千円となり、前連結会計年度末から273,891千円減少となりました。固定資産の残高は、3,823,907千円となり、前連結会計年度末から353,877千円増加となりました。

主な要因は、流動資産の減少は売掛金が減少したこと、固定資産の増加はソフトウエア仮勘定が増加したことによるものであります。

 

   ② 負債

当中間連結会計期間末における負債合計は、2,001,994千円となり、前連結会計年度末から101,463千円減少となりました。流動負債の残高は、1,747,388千円となり、前連結会計年度末から19,718千円減少となりました

主な要因は、流動負債その他に含まれます未払金及び未払費用が減少したことによるものであります。

 

   ③ 純資産

当中間連結会計期間末における純資産の残高は、3,647,904千円となり、前連結会計年度末から181,449千円増加となりました。

主な要因は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、930,786千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は、790,324千円(前年同期は131,089千円の増加)となりました。

これは、主に税金等調整前中間純利益586,370千円、売上債権の増加293,224千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は、586,671千円(前年同期は179,744千円の減少)となりました。

 これは、主に無形固定資産の取得による支出472,498千円、非連結子会社株式の取得による支出79,280千円、有形固定資産の取得による支出17,336千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は、60,312千円(前年同期は119,970千円の減少)となりました。

 これは、主に配当金の支払いによる支出70,241千円によるものであります。

 

(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は4,340千円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。