第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した企業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

(1)経営成績の分析

当中間連結会計期間における当社グループの属する建設コンサルタント業界は、令和6年度国土交通省予算における補正予算も加えた公共事業関係費が前年度を上回る水準となるなど、堅調な市場環境が続いています。

このような状況の中で当社グループは経営理念「新しい価値の創造により社会の持続的発展へ貢献する」の実現に向けて、グループ内および建設分野のみならずAI・ICT、自然・社会科学、金融工学等を含む多岐にわたる分野の外部企業・団体との共創戦略により、建設コンサルタント事業の強化に留まらない事業変革に取り組んでいます。

国内建設コンサルタント事業分野においては、インフラ施設の老朽化による破損等による社会活動への大きな悪影響が顕在化してきているなか、昨年年初に設立した新会社による非破壊調査事業や下水道事業への新規参入などインフラメンテナンス事業の拡大に取り組んでいます。また、社会的関心が益々高まっているSDGs関連の新規活動としては、ネイチャーポジティブ支援セミナーを北九州で開催し、市場創造期を意識した活動を強化しています。海外事業も堅調な稼働状況ですが、次年度以降につながる新規業務の受注獲得や、引き続いての地政学リスクへの注意が必要な状況となっています。また、今後の成長に向け、新規分野への投資、給与水準の引き上げを含む人的資本への投資、企業規模拡大への積極投資を進めています。その一環として、グループ会社間の連携強化および保有する知財の集約と研究開発の促進を目的とし、北九州市八幡西区に自然と地域との協和を意識した木造建築のFC折尾ビルを建設しました。

以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績については、期中受注高は海外での新規受注が振るわなかったこと等により27億61百万円(前年同期比15.1%減)と前期を下回ったものの、売上高は順調な稼働率により39億89百万円(同6.2%増)となりました。なお、次年度を含む当中間連結会計期間以降に売上計上を予定する繰越業務量は43億44百万円(同12.6%減)ですが、国内外の営業活動の強化により受注量回復を目指します。

損益面では、売上高増加および生産性向上等により、経常利益は4億26百万円(同86.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は2億86百万円(同54.2%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資 産)

総資産は前連結会計年度末に比べて19億38百万円増加し、112億22百万円となりました。これは主に、業務処理量の増加を受けて完成業務未収入金及び契約資産が21億80百万円増加した一方で、運転資金、納税支出や社屋建設資金等によって現金及び預金が3億66百万円減少したことによるものです。なお、FC折尾ビル完成に伴い、建設仮勘定からの振替を含めて建物勘定が2億34百万円増加しています。

(負 債)

負債は前連結会計年度末に比べて18億15百万円増加し、35億70百万円となりました。これは主に、短期借入金が19億円、業務未払金が1億55百万円賞与引当金が2億10百万円増加する一方で、未払法人税等が1億2百万円その他流動負債が2億50百万円、それぞれ減少したことによるものです。

(純資産)

純資産は前連結会計年度末に比べて1億22百万円増加し、76億52百万円となりました。これは主に、資本剰余金が55百万円、利益剰余金が88百万円、それぞれ増加したことによるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、13億57百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

使用した資金は19億12百万円となりました(前年同期は19億11百万円の使用)。これは主に、売上債権21億80百万円の増加、業務未払金(仕入債務)1億55百万円の増加並びに法人税等の支払額3億42百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

使用した資金は1億61百万円となりました(前年同期は64百万円の使用)。これは主に、FC折尾ビル建築費残額85百万円とOA機器等の有形固定資産の取得による支出1億41百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

獲得した資金は17億7百万円となりました(前年同期は18億3百万円の獲得)。これは主に、運転資金としての短期借入金が19億円増加する一方で、前期の配当金を1億97百万円支払ったことによるものです。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において当連結グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間における研究開発費の総額は48百万円です。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。