当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化による人流増加や持続的な賃上げが下支えとなり、国内の消費活動は緩やかな回復の動きが続いております。一方で、中国経済の減速懸念や米国の政策動向、地政学リスクの上昇、エネルギー資源や原材料価格の上昇、金融資本市場の変動リスクなどにより、依然として景気の先行きは不透明な状況であります。
外食業界においては、行動規制の緩和に伴う人流増加に加え、インバウンド需要の回復も追い風となり、外食需要は回復基調が続いております。しかし、原材料価格や光熱費、人件費の上昇、人財の供給不足の深刻化、継続的な物価上昇による消費者の節約志向が強まるなど、厳しい経営環境に直面しております。
このような環境において、当社グループは中期経営計画「ビジョン2025」の実現に向け、「とびっきりの笑顔と心からの元気」をスローガンに店舗運営を行っております。当社グループの売上向上施策として、既存店舗の内外装の積極的な改装、看板商品の磨きこみ、グランドメニューの変更、期間限定商品の販売、サービス力の強化を行い、他社との差別化を図るとともに顧客体験価値の向上に注力しております。
また、テレビCMの放映やスマートフォンアプリ、ブランドサイト、SNSなどを活用したデジタルマーケティングの強化により、お客様からの認知度やブランドロイヤルティの向上を図っております。
さらに、顧客利便性や生産性の向上を目的に、『焼肉きんぐ』における特急レーンの導入店舗の拡大や自動案内システムの開発、『丸源ラーメン』におけるセルフレジ、タッチパネルの導入に加えて、『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』における配膳ロボットの複数台使用や予約システムの刷新など、店舗運営のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めております。これらの施策の効果により、国内既存店(注)の当中間連結会計期間における売上高は、直営店において前年同期比3.8%増、フランチャイズ店において前年同期比4.6%増となりました。
昨今の原材料価格の上昇に対処するため、主要食材における調達先の多様化、商品ラインナップやメニュー価格、各種販売促進施策の見直しを図っております。加えて、人件費や光熱費などの上昇への対応策として、従業員の勤務編成の標準化による人件費コントロール、本社を含む業務の効率化や高度化に向けたIT化の推進に取り組んでおります。
新業態への取り組みにおいては、『焼きたてのかるび』の積極的な出店や、新業態の開発を進めております。海外事業においては、中国・インドネシア・香港における事業展開に加えて、新たに台湾での事業展開の準備を進めております。
中長期的な成長の実現に向けて、多様な理念型人財の積極的な採用や教育・研修の拡充による理念経営の推進と能力開発を進めるとともに、多様な人財が自分らしくイキイキと働ける企業文化の醸成を図っております。
店舗出店については、国内において郊外ロードサイドの好立地への積極的な展開に加えて、都市部への進出により、直営店23店、フランチャイズ7店、海外において15店の出店を実施した結果、当中間連結会計期間末における当社グループの店舗数は761店舗(直営471店、フランチャイズ251店、海外39店)となりました(後掲表)。
以上の結果により、売上高59,905百万円(前年同期比15.1%増)、営業利益4,333百万円(前年同期比2.9%増)、経常利益4,274百万円(前年同期比0.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益2,764百万円(前年同期比12.4%増)となりました。
(注)国内既存店とは、新規開店から18カ月以上経過している店舗と定義しております。
当中間連結会計期間におけるセグメント別の概況については、当社グループの事業は単一セグメントでありますので、その概況を部門別に示すと次のとおりであります。
①焼肉部門
当中間連結会計期間において、『焼肉きんぐ』は14店舗の出店(直営7店、フランチャイズ7店)を実施しました。これにより、焼肉部門の当中間連結会計期間末の店舗数は339店舗(直営212店、フランチャイズ127店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は30,102百万円(前年同期比12.0%増)となりました。
②ラーメン部門
当中間連結会計期間において、『丸源ラーメン』は7店舗の出店(直営7店)を実施しました。これにより、ラーメン部門の当中間連結会計期間末の店舗数は226店舗(直営122店、フランチャイズ104店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は10,568百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
③お好み焼部門
当中間連結会計期間末のお好み焼部門の店舗数は20店舗(直営16店、フランチャイズ4店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は1,073百万円(前年同期比9.5%増)となりました。
④ゆず庵部門
当中間連結会計期間において、『寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵』は4店舗の出店(直営4店)を実施しました。これにより、ゆず庵部門の当中間連結会計期間末の店舗数は101店舗(直営85店、フランチャイズ16店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は9,757百万円(前年同期比12.3%増)となりました。
⑤専門店部門
当中間連結会計期間において、『焼きたてのかるび』は5店舗の出店(直営5店)を実施しました。これにより、専門店部門の当中間連結会計期間末の店舗数は36店舗(直営36店)となりました。
以上の結果により、直営店の売上高は2,544百万円(前年同期比35.6%増)となりました。
⑥フランチャイズ部門
主にフランチャイズ加盟企業からの売上ロイヤルティ・加盟金・業務受託料等であります。当中間連結会計期間において、フランチャイズは7店舗の出店を実施いたしました。これにより、当中間連結会計期間末のフランチャイズ店舗数は251店舗となりました。
以上の結果により、売上高は3,681百万円(前年同期比13.9%増)となりました。
⑦その他部門
主に連結子会社である「物語(上海)企業管理有限公司」「PT. Agrapana Niaga Gemilang」および「物語香港有限公司」による取り組みであります。当中間連結会計期間において、15店舗の出店を実施しました。これにより、その他部門の当中間連結会計期間末の店舗数は39店舗となりました。
以上の結果により、売上高は2,178百万円(前年同期比59.1%増)となりました。
表 「部門別店舗数の状況」
(単位:店)
|
|
直営(国内) |
FC(国内) |
海外 |
2024年12月末 店舗数 |
|
焼肉部門 |
212 |
127 |
- |
339 |
|
ラーメン部門 |
122 |
104 |
- |
226 |
|
お好み焼部門 |
16 |
4 |
- |
20 |
|
ゆず庵部門 |
85 |
16 |
- |
101 |
|
専門店部門 |
36 |
- |
- |
36 |
|
その他部門 |
- |
- |
39 |
39 |
|
合計 |
471 |
251 |
39 |
761 |
当中間連結会計期間末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。
(資産)
当中間連結会計期間末の総資産は64,562百万円となり、前連結会計年度末と比較して3,032百万円の増加となりました。これは主に有形固定資産が2,284百万円増加、売掛金が948百万円増加、商品及び製品が347百万円増加、差入保証金が342百万円増加、現金及び預金が1,069百万円減少したことなどによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債は26,951百万円となり、前連結会計年度末と比較して5,020百万円の減少となりました。これは主に買掛金が1,343百万円増加、1年内返済予定の長期借入金が215百万円増加、長期借入金が278百万円増加、転換社債型新株予約権付社債の権利行使に伴い社債が5,887百万円減少、短期借入金が1,000百万円減少したことなどによるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産は37,610百万円となり、前連結会計年度末と比較して8,052百万円の増加となりました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の権利行使に伴い資本金及び資本準備金がそれぞれ3,080百万円増加、利益剰余金が2,151百万円増加したことなどによるものであります。
この結果、自己資本比率は58.0%(前連結会計年度末は47.2%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は10,802百万円となり、前連結会計年度末と比較して1,000百万円減少となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、営業活動の結果得られた資金は5,887百万円(前年同期は5,165百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益が4,125百万円あったことおよび減価償却費2,397百万円によるキャッシュ・フロー等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、投資活動の結果使用した資金は5,767百万円(前年同期は6,032百万円の使用)となりました。これは主に、新規出店に伴う有形固定資産の取得による支出が5,272百万円あったことおよび差入保証金の差入による支出が480百万円あったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、財務活動の結果使用した資金は1,120百万円(前年同期は1,029百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金による調達が1,600百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が1,106百万円、配当金の支払額が609百万円あったこと等を反映したものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等決定又は締結等はありません。