第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、時流を捉え、革新的な事業を創造することを目指しています。数多くの金融システム構築で培った知見と最先端のテクノロジーに、金融事業のノウハウを融合させることで得られるデジタル金融としての新たなナレッジを活かしたサービスを取引先に提供するとともに、デジタル化が進む社会の中で金融と社会が大きく変貌するパラダイムシフトに合致した企業グループとして革新的なサービスを生み出してまいります。

 

(2)経営環境に対する認識

当社グループが創業以来手掛けてきたシステム開発事業(SIer事業)は、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の進展により、事業構造が大きく変容していくものと考えており、近い将来、業界再編が加速し、劇的な変革に迫られるシナリオも想定しております。これらをふまえ、当社グループでは、50年以上にわたる金融機関向けシステム開発の知見を基に2016年よりフィンテック戦略を掲げ、ブロックチェーンに注力し、2022年からWeb3事業に参入いたしました。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 2023年10月に中期経営計画(2024年10月期~2026年10月期)を策定いたしました。

                                                   (単位:百万円)

 

2024年10月期

2025年10月期

2026年10月期

連結売上高

6,302

7,045

7,813

連結営業利益

169

318

467

 

※2024年10月期は見直した結果、2023年10月16日公表の数値と異なっております。

中期経営計画の達成に向けた具体的な施策は以下のとおりです。

1.既存Web3事業の拡大

・カイカコイン(CICC)の資産価値向上

当社は自社で暗号資産「カイカコイン(CICC)」を発行しており、運用実績は7年に及びます。今後は、GameFiとして注目されるゲーム内決済通貨としての活用をはじめとして、活用シーンを増やすことで資産価値の向上を図ります。

 

・Zaif INOにおけるサ-ビスの拡充

カイカフィナンシャルホールディングスが運営するブロックチェーン専門のNFTローンチパッドZaif INOでは、クリエイターが制作した作品のNFT化からマーケティングまでを包括して行っております。2023年11月、Zaif INOでのカイカコイン(CICC)決済が実装され、2023年12月に、カイカコイン(CICC)で決済可能なNFTの第1弾販売を実現いたしました。今後は暗号資産交換所Zaifのウォレットにおいて購入したNFTの管理機能などを検討し、サービスを拡充していく予定です。

 

・Web3型のデータ保管サービス(ブロックチェーンストレージサービス)の展開

当社グループはブロックチェーン技術を活用した次世代のストレージサービスを展開しております。従来のストレージサービスはデータセンターのセキュリティに関する潜在的なリスクを孕んでいましたが、分散台帳技術の活用により格段にセキュリティの向上が期待できます。また決済にカイカコイン(CICC)を用いることで、ユースケースの拡大にも寄与します。今後は事業ドメインの拡大とユーザビリティの向上を継続して行うことで、シェアの拡大を図ります。

 

2.DXコンサルティングによるSI事業の伸長

当社グループは暗号資産交換所Zaifの運用や、NFTローンチパッド、ZaifINOの運用実績を活かし、CtoCプラットフォームやIPを保有する企業に対して、Web3事業開発のノウハウを提供します。

また、CAICAテクノロジーズにおいては従来、開発案件の二次請け受注業務を行ってまいりましたが、従来の体制と併せて新しい体制を構築することにより上流工程の案件獲得を目指すことで収益構造の抜本的改革を目指します。なお、CAICAテクノロジーズは従来体制においてはウォーターフォール型の開発体制を構築してまいりました。一方、上流工程の案件を獲得するためにアジャイル型の開発チームにて新たにスクラム体制を組織いたしました。

 

3. M&Aによる事業拡大

当社は積極的にM&Aを行い、中期的な事業拡大を図ってまいります。現在、当社が想定している対象企業、及び戦略は以下の通りです。これまでに金融サービス事業で得た知見とパイプラインを活かし、複数の案件を検討しております。

・ブロックチェーン関連企業

ブロックチェーンを活用したサービスを展開する企業をM&Aにより獲得し、当社のノウハウを活かし更なる業績拡大を図ります。

 

・Web3と親和性の高い企業

ゲーム開発会社や、独自のIPを所有する会社をM&Aにより獲得し、当社とのシナジーにより、高い収益性を目指します。

 

・システム開発企業

引続きマーケットは需要が旺盛であり、CAICAテクノロジーズは需要過多な状況です。M&Aにより獲得した企業のリソースを活用するとともに新規顧客の開拓に努め、事業拡大を図ります。

 

今後、これらの具体的な施策を推進していく上での課題は、専門分野に特化した人材及びハイスペックな人材の確保であると認識しております。

当社グループのITサービス事業は創業来、開発案件の二次請け受注業務を行ってまいりましたが、近年は一次請け受注業務の比率が向上しております。今後は従来の体制と併せ、Web3のコンサルティング事業である「CAICA Web3 for Biz」とのシナジーを活かし、顧客ニーズを捉え、上流工程の案件を一層獲得することで収益を拡大してまいります。これにあたり、コンサルティングの専門人材やハイスペックなエンジニア等の確保が必要であることから、ヘッドハンティング会社や、専門分野に特化した紹介会社の利用による採用活動に加え、現状の社員紹介制度を充実させることで人材の獲得を強化してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、当連結会計年度において下記の項目に該当することから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

・継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナス

・重要な営業損失

・借入金の返済条項の不履行

 

当社グループは、当連結会計年度の業績においても、営業損失2,378百万円、経常損失2,560百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失3,889百万円を計上し、当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。

当社グループは、上記の継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況を解消するために、以下の対応策を講じ、当該状況の解消又は改善に努めてまいります。

 

当社グループは、安定したキャッシュ・フローを産みだすシステム開発のITサービス事業に集中し、資本業務提携を締結したクシム及びその子会社である株式会社チューリンガムとともに、ブロックチェーン技術を活用したWeb3ビジネスの拡大を図ります。ITサービス事業への集中とWeb3ビジネスの拡大により、2026年10月期までの間に年平均13%増の連結売上高を目指してまいります。

これまで業績面で大幅なマイナスの影響をもたらしていた暗号資産関連事業の子会社を売却し、カイカ証券を廃業したことで、2024年10月期以降は販売費及び一般管理費は、約2,200百万円が削減される見込みです。

また、Web3コンサル事業「CAICA Web3 for Biz」から、上流工程の高単価SI案件を獲得することで、2026年10月期までに営業利益率6%を目指します。さらに、2026年10月期までにITサービス事業の人員(パートナー人員を含む)を2023年10月期比で8.5%増の725人とする予定であり、一人当たりの売上も8.5%増とする予定です。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社は、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティを巡る課題への対応は経営の重要課題と認識しております。

当社では取締役会がサステナビリティに関する基本方針や重要課題を決定するための監督の責任を持ちます。関係各部門から報告されたリスクは、コンプライアンス委員会においてサステナビリティ関連の課題についての審議・検討を行い、その内容が取締役会に報告されることで、取締役会がこれらの課題について監督を行う形となっております。

 

(2)戦略

当社は、労働力不足が予想される中、優秀な人材の確保と生産性の向上を目的として、働きがいを感じることができるような社内環境の整備と、多様性を尊重した人材の採用・育成に取り組んでいます。

 

人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社は、多様な人材の活躍を支援するための施策として、柔軟な働き方を実現する取り組みの推進をはじめ、労働者不足への対応や生産性向上の観点から、性別や年齢など関係なく、様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する組織の構築を推進しており、以下の環境を整備しております。

・テレワーク勤務の推進

・リファラル採用による雇用の促進

 

(3)リスク管理

当社グループにおいて全社的なリスク管理は、コンプライアンス委員会において行っております。サステナビリティに関するリスクを含む、より重要なリスクについては財務的影響、当社の活動が環境・社会に与える影響、発生可能性をふまえた上で経営会議の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会に報告されます。

 

(4)指標及び目標

当社においては、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、以下の指標を用いております。

人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標 

当社は男女の区別なく、事業に貢献して頂ける人材を採用・育成できるよう、男性の育児休暇取得、テレワーク勤務、育児・介護短時間勤務制度をはじめとした、働き方の柔軟性を充実させる取り組み及び、有給休暇取得率80%以上といったワークライフバランスの整った職場環境の整備を進めてまいりました。

また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針において、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

 

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2026年10月までに20%

5.0%

男性労働者の育児休業取得率

2026年10月までに80%

66.7%

労働者の男女の賃金の差異

2026年10月までに90%

83.5%

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスク及び変動要因は下記のとおりです。当社グループでは、これらのリスク及び変動要因の存在を認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避するための努力を継続してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)システム開発プロジェクトの採算性について

当社子会社の株式会社CAICAテクノロジーズ(以下、「CAICAテクノロジーズ」といいます。)が請け負うシステム開発では、顧客の要求する機能を実現するために必要な延べ作業時間(作業工数)を受注活動の準備段階で予め見積もり、制作に要するコストを確定させております。しかし、開発作業において何らかのトラブルがあり、予め見積もっていた作業時間を超える作業が発生した場合には、その費用をCAICAテクノロジーズが負担しなければならない場合があります。

また、開発途中に仕様変更が生じ、作業工数の増加が生じたものの、その費用負担がCAICAテクノロジーズに求められる場合があります。

さらに、開発したシステムを顧客に納品し、顧客が異常なしと判断して検収が完了したにも関わらず、その後不具合が発生した場合にも、その解消をCAICAテクノロジーズの費用負担で行わなければならない場合があります。

このようなリスクをふまえ、CAICAテクノロジーズでは、契約時における見積もりの精度の向上を図るべく、開発工程(フェーズ)ごとに細かく見積もりを行う等、見積もり作業工数と実際作業工数との乖離が生じないよう採算性には十分留意しております。

 

(2)情報システムの不稼働について

当社グループは、システム開発や情報システムを活用した事業を展開しておりますので、自然災害や事故等によるシステム障害、またはウィルスや外部からのコンピュータ内部への不正侵入による重要データ消失等により長期間にわたり不稼動になった場合には事業を中断せざるを得ず、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。

このようなリスクをふまえ、当社グループでは、情報セキュリティ管理規程を定め、個人情報及び業務上取り扱う情報資産を各種の脅威から適切に保護する情報セキュリティポリシーを定義することにより、システムの安定稼働の維持に努めるとともに、セキュリティ強化に努めております。

 

(3)顧客情報の秘密保持について

当社グループは、サービスを提供する過程で、顧客の機密情報などを取り扱うことがあります。万が一、機密情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償請求または社会的信用失墜等が生じ当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクをふまえ、当社グループはこれらの情報の重要性を認識して、従業員から「機密保持誓約書」を取得するとともに、業務委託先と機密情報保護に関する「機密保持契約」を締結しております。また、CAICAテクノロジーズは、「プライバシーマーク」認証取得企業として、従業員への教育及び監査を通じて社内啓蒙活動を行っています。

 

(4)暗号資産の運用について

当社及び当社子会社のカイカフィナンシャルホールディングスは、暗号資産の運用を行っております。暗号資産運用のリスクとしては、暗号資産の価格変動や、暗号資産市場の混乱等で暗号資産市場において取引ができなくなる、または通常より不利な取引を余儀なくされることによる損失リスクや、暗号資産のデリバティブ取引システムの障害、暗号資産交換所のシステムの障害及び破たん、サーバへの不正アクセスによる盗難等があります。万が一これらのリスクが顕在化した場合には、対応費用の増加、当社グループへの信用の低下等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、当連結会計年度において下記の項目に該当することから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

・継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナス

・重要な営業損失

・借入金の返済条項の不履行

 

当社グループは、当連結会計年度の業績においても、営業損失2,378百万円、経常損失2,560百万円及び親会社株主に帰属する当期純損失3,889百万円を計上し、当該状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。

当社グループは、上記の継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況を解消するために、以下の対応策を講じ、当該状況の解消又は改善に努めてまいります。

 

当社グループは、安定したキャッシュ・フローを産みだすシステム開発のITサービス事業に集中いたします。また、資本業務提携を締結したクシム及びその子会社であるチューリンガム株式会社とともに、ブロックチェーン技術を活用したWeb3ビジネスの拡大を図ります。ITサービス事業への集中とWeb3ビジネスの拡大により、2026年10月期までの間に年平均13%増の連結売上高を目指してまいります。

これまで業績面で大幅なマイナスの影響をもたらしていた暗号資産関連事業の子会社を売却し、カイカ証券を廃業したことで、2024年10月期以降は販売費及び一般管理費は、2023年10月期比で約2,200百万円が削減される見込みです。

また、Web3コンサル事業「CAICA Web3 for Biz」から、上流工程の高単価SI案件を獲得することで、2026年10月期までに営業利益率6%を目指します。さらに、2026年10月期までにITサービス事業の人員(パートナー人員を含む)を2023年10月期比で8.5%増の725人とする予定であり、一人当たりの売上も8.5%増とする予定です。

 

この方針をふまえ、2024年~2026年までの3カ年を対象とする中期経営計画を策定いたしました。詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」をご参照ください。

 

なお、借入金の返済条項の不履行につきましては、当社グループは、取引金融機関との間で締結したシンジケートローン契約について、2023年2月10日に全額返済したことにより、当該事項は解消いたしました。

 

(6)投融資について

当社グループでは、今後の事業拡大のために、国内外を問わず設備投資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンスを目的とした事業投資、M&A等を実施する場合があります。

当社グループといたしましては、投融資案件に対しリスク及び回収可能性を十分に事前評価し、投融資を行っておりますが、投融資先の事業の状況が当社グループに与える影響を確実に予想することは困難な場合があり、今後投資先の業績が悪化し、その純資産が著しく毀損、減少した場合に評価損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクをふまえ、出資後は定期的なモニタリングを継続実施してまいります。

 

(7)知的財産権への対応について

当社グループにおいて、知的財産権の侵害等による損害賠償・差止請求等を受けた事実はありませんが、将来、顧客または第三者より損害賠償請求及び使用差し止め等の訴えを起こされた場合、あるいは特許権実施に関する対価の支払いが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクをふまえ、当社グループは、顧客または第三者に対する知的財産権を侵害することがないように、細心の注意を払って事業活動を行っております。

 

(8)大規模災害等について

大規模な災害や重大な伝染病が発生した場合には、当社グループが提供するシステムやサービス、事業所及び従業員が被害を受ける可能性があり、その結果として、当社グループの社会的信用やブランドイメージが低下する恐れがある他、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクをふまえ、行政のガイドラインに準拠した事業継続のための体制整備や防災訓練を実施しております。

 

(9)重大な感染症の影響について

重大な感染症が長期間にわたり拡大・蔓延した場合、当社グループの事業活動においても影響が生じる懸念があります。CAICAテクノロジーズにおいては、受注に関するリスクとして、顧客における経営状況の変化や情報システムの投資計画の抜本的見直しが行われた場合、CAICAテクノロジーズとの契約が更新されない可能性や顧客の投資意欲が後退し、新たな顧客の獲得が想定通りに進まない可能性があります。生産に関するリスクとしては、CAICAテクノロジーズの従業員は、在宅勤務を推奨する勤務形態であり、顧客が期待する高い品質のサービスを提供できない可能性やコンサルティング、システム開発業務の遅延等が発生する可能性があります。

このようなリスクをふまえ、全社に向けた注意喚起を行うとともに、緊急事態宣言の解除後も在宅勤務や時差出勤、Web会議の推奨、従業員及び取引先の安全確保と、マスクの着用、手洗い、アルコール消毒の徹底、検温等を行い感染拡大防止への対応を徹底し、感染症による影響の低減に努めております。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2022年11月1日~2023年10月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の緩和等に伴い、社会経済活動の正常化が進展し、回復の兆しが見られております。一方で世界的なインフレや円安の進行等による原材料価格や原油価格の高騰が続き、依然として先行きは不透明な状況となっております。

当社グループが事業を展開するITサービス業界及び金融サービス業界は、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、新たな生活様式が定着していく中で、更なるデジタルトランスフォーメーションが進むことが予想されます。

このような状況の下、ITサービス事業においては、大手SIer等の既存顧客からの受注の拡大に加え、一次請け比率の向上に努めました。金融サービス事業においては、これまで当社グループの業績面、キャッシュ・フロー面で大幅なマイナスの影響をもたらしていた事業構造の抜本的な見直しを行いました。2023年9月21日付で、株式会社クシム(以下、「クシム」といいます。)との間で、資本業務提携を締結し、クシムに対し第三者割当による新株式の発行を行いました。また、2023年10月31日付で、暗号資産関連の事業会社を傘下に持つ株式会社カイカエクスチェンジホールディングス(現商号:株式会社ZEDホールディングス、以下、「カイカエクスチェンジホールディングス」といいます。)の株式をクシムに譲渡いたしました。これにより、カイカエクスチェンジホールディングス、株式会社カイカエクスチェンジ(現商号:株式会社Zaif、以下、「カイカエクスチェンジ」といいます。)及び株式会社カイカキャピタル(現商号:株式会社Web3キャピタル、以下、「カイカキャピタル」といいます。)の3社は当社の連結の範囲から除外されます。また、2023年11月22日付で、カイカ証券株式会社(現商号:株式会社EWJ、以下、「カイカ証券」といいます。)は第一種金融商品取引業と投資運用業を廃止いたしました。

赤字が継続していた金融サービス事業を整理したことに加え、今後は黒字事業であるITサービス事業に集中するとともにWeb3事業を拡大することで収益力の向上を図ってまいります。

なお、2023年10月16日付で「中期経営計画(2024年10月期~2026年10月期)」を策定いたしました。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略をご参照ください。

 

当連結会計年度における売上高は5,408百万円(前連結会計年度比16.0%減)となりました。CAICAテクノロジーズにおけるシステム開発が堅調であった一方、既存商品のサービスを終了したカイカ証券や、暗号資産交換所Zaifを運営するカイカエクスチェンジ及び暗号資産レンディングサービスや暗号資産の投融資・運用を行うカイカキャピタルにおいては、大幅に減少いたしました。

利益面につきましては、前連結会計年度にカイカエクスチェンジののれんの全額減損処理を行ったことにより、当期から当該のれんの償却額が発生しなくなったことに加え、グループ全体で経費の圧縮に努めたものの、売上高の減少を補いきれませんでした。この結果、営業損失は2,378百万円(前連結会計年度は営業損失1,389百万円)となりました。経常損失は、当社子会社が保有する投資有価証券のうち、将来の期間にわたって実質価額の低下の状態が続くと予想されるものについて減損処理を行い、投資有価証券評価損として105百万円を営業外費用に計上したことに加え、当社子会社の長期貸付金及び長期未収利息について、貸付先の経営状況及び財務状況に関して検討した結果、当該債権に対する貸倒引当金繰入額として104百万円を計上したこと等により、2,560百万円(前連結会計年度は経常損失1,395百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、子会社株式の譲渡に伴い、関係会社整理損1,493百万円等を特別損失に計上したことにより3,889百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失6,244百万円)となりました。

 

セグメントごとの業績は以下のとおりであります。

1)ITサービス事業

システム開発を担うCAICAテクノロジーズの売上高は前連結会計年度を上回っておりますが、利益面では主に一部開発案件において積極的に売上拡大を図ったことによる一時的な原価増加により前連結会計年度を下回りました。

金融機関向けのシステム開発分野は安定的に伸長いたしました。一次請けである保険会社向け案件の売上高が拡大するとともに、銀行向け案件も好調でした。銀行向け案件においては、従来からの開発案件に加え、AIを活用したローコード、ノーコード事業を含むソリューション製品を活用した先端事業プロジェクト等が貢献いたしました。

非金融向けシステム開発分野は、顧客の事業拡大意欲が強く、IT投資も依然継続されており、大手SIer等の既存顧客からの受注は堅調に推移いたしました。やや低調であった新規受注につきましても大手電力会社等からの引き合いを獲得し、回復傾向となりました。現在、ブロックチェーンなどの業界を問わない先端技術の開発提案や、リソースの最適化による改善策を実施しております。

フィンテック関連のシステム開発分野は、決済系の案件を中心に安定的に受注を獲得いたしました。また、暗号資産交換所向けのシステム開発は引き合いが複数件あるものの、当連結会計年度においては受注には至りませんでした。

さらに、当連結会計年度において、エンドユーザーのセキュリティリテラシーを向上させる 「CAICA Security Training/標的型メール訓練サービス」の販売を開始いたしました。ニーズの急増に対応するため、7月にCAICAテクノロジーズのウェブサイトに特設ページを設け、ユーザーからのお問い合わせに迅速に対応するなど販売を強化いたしました。また、Web3事業に参入する企業を支援する、セミオーダー型NFTマーケットプレイス開発サービスの販売を開始いたしました。さらに当社及びCAICAテクノロジーズは9月に「Web3型のデータ保管サービス」の提供を開始いたしました。CAICAテクノロジーズでは、今後も引き続き自社ソリューションの提供を推進してまいります。

 


 


「CAICA Security Training/標的型メール訓練サービス」
https://www.caica-technologies.co.jp/portals/lp202305_training/

 「セミオーダー型 NFT マーケットプレイス開発サービス」
https://www.caica-technologies.co.jp/service_002/

 

 


「Web3型のデータ保管のブロックチェーンストレージサービス」

https://www.caica.jp/bcss/

 

一方、業界全体の課題でもありますが、優秀なエンジニアの獲得競争は激しさを増しております。CAICAテクノロジーズにおいても、人材獲得手法や採用体系の多角化に努め、一般とスペシャリストの処遇体系を整備するとともに、パートナー企業との連携にも注力しております。

これらの結果、ITサービス事業の売上高は、5,553百万円(前連結会計年度比6.0%増)、営業利益は412百万円(前連結会計年度比46.9%減)となりました。

 

2)金融サービス事業

当社におきましては、当連結会計年度は、特筆すべき暗号資産の投融資・運用は行っておりません。

当社発行の暗号資産であるカイカコインにつきましては、2023年9月に、新たなビジョン「カイカコインをブロックチェーンにおけるゲームコインに!」を掲げ、その具体的な構想を盛り込んだライトペーパーを公開いたしました。カイカコインは国内のGameFiにおいてハブとなる暗号資産になることを目指し、GameFiエコシステムの形成を行うことで、事業者が安心してGameFi分野に参画できる環境づくりを推進してまいります。また、独自のブロックチェーンネットワークの展開も進めてまいります。 カイカコインがゲームコインとしてのユーティリティを実装することで、GameFi分野におけるサービス提供を支援するなど、カイカコインの価値向上を進め、Web3の発展に貢献してまいります。

カイカフィナンシャルホールディングスが運営するZaif INOの売上高は、NFTの販売高に応じた販売手数料を収益源としております。第1四半期連結会計期間にスタートした事業でありますため、連結業績への寄与は、しばらく時間を要しますが、NFTの販売は着実に実績を積み重ねております。また、2023年5月に、凸版印刷株式会社(現商号:TOPPAN ホールディングス株式会社)とWeb3領域におけるNFT活用の連携を発表いたしました。凸版印刷株式会社にはZaif INOの認定代理店として法人向け新規出品者の開拓から出品NFTのPRまでをワンストップでサポートして頂きます。

カイカ証券におきましては、これまで独自のワラント商品に加え、暗号資産関連商品の取り扱いを拡充してまいりましたが、海外の大手暗号資産交換所の経営破綻などを発端とする暗号資産相場の乱調をはじめ、デリバティブ派生商品に対する投資家の意欲の衰退などからカイカ証券の提供する商品の拡充ができなかったうえ、取引量も伸び悩んでおりました。こうした外部環境やカバードワラント事業の高コスト体質を考慮した結果、第一種金融商品取引業と投資運用業の廃止を決定し、2023年11月30日付で廃業いたしました。

カイカエクスチェンジの売上高は主に暗号資産交換所Zaifにおける受入手数料や暗号資産売買の損益で構成されております。当連結会計年度においては、暗号資産市場全体の取引高が低迷している影響を受け、厳しい環境が続いており、手数料・暗号資産売買ともに大幅に減少いたしました。

カイカキャピタルにおきましては、ビットコイン(BTC)、シンボル(XYM)、カイカコイン(CICC)のレンディングサービスを提供いたしました。暗号資産の投融資・運用につきましては、暗号資産の価格の推移を見極め、慎重にトレーディングを行ってまいりましたが、当連結会計年度においては、保有する暗号資産の評価損を計上いたしました。

なお、赤字が継続していた金融サービス事業を整理し、黒字事業であるITサービス事業に集中するため、2023年10月31日付でカイカエクスチェンジホールディングスの株式を譲渡いたいしました。これに伴い、カイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルの3社は当社の連結の範囲から除外されます。

これらの結果、金融サービス事業の売上高は△133百万円(前連結会計年度は1,373百万円)、営業損失は2,407百万円(前連結会計年度は営業損失1,828百万円)となりました。

 

3)その他

その他につきましては、暗号資産コンテンツの提供を行うメディア事業で構成されており、売上高は5百万円(前連結会計年度比75.3%減)、営業利益は5百万円(前連結会計年度比75.3%減)となりました。

 

財政状態は、以下のとおりとなりました。

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会年度末に比べ56,061百万円減少し、2,971百万円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ53,106百万円減少し、773百万円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,954百万円減少し、2,198百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1,622百万円減少し、1,049百万円となりました。
 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、1,749百万円(前連結会計年度は1,144百万円の資金の減少)となりました。これは主に、利用者暗号資産の増加額7,664百万円、預り金の減少額2,654百万円などにより資金が減少し、自己保有暗号資産の減少額544百万円、預り暗号資産の増加額7,664百万円、預託金の減少額2,805百万円などにより資金が増加したものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、572百万円(前連結会計年度は212百万円の資金の減少)となりました。主な減少要因としては、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出678百万円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、701百万円(前連結会計年度は229百万円の資金の減少)となりました。主な増加要因としては、株式の発行による収入1,206百万円などによるものであります。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年11月1日
  至 2023年10月31日

金額

前年同期比(%)

ITサービス事業

4,706,604

110.8

金融サービス事業

4,267

 合計

4,710,871

110.9

 

(注) 1 「金融サービス事業」につきましては、前年同期の販売実績がなかったため、前年同期比は記載しておりません。

2 「その他」につきましては、生産活動を行っていないため記載を省略しております。

 

(2) 仕入実績

 当社グループの仕入実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

(3) 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年11月1日
  至 2023年10月31日

受注金額

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

ITサービス事業

5,416,823

90.4

1,764,564

93.3

 合計

5,416,823

90.4

1,765,564

93.3

 

(注) 「金融サービス事業」及び「その他」につきましては、受注生産形態をとっていないため記載を省略しております。

 

 

(4) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年11月1日
  至 2023年10月31日

金額

前年同期比(%)

ITサービス事業

5,543,508

109.8

金融サービス事業

△139,699

その他

5,074

24.7

 合計

5,408,883

84.0

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

楽天グループ株式会社

668,284

10.4

831,415

15.4

東京海上日動火災保険

株式会社

644,188

11.9

日本アイ・ビー・エム

株式会社

564,556

10.4

 

(注)前連結会計年度における東京海上日動火災保険株式会社及び日本アイ・ビー・エム株式会社に対する販売実績は、連結損益計算書の販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高、営業利益

当連結会計年度の売上高は5,408百万円となりました。売上原価は4,888百万円で、販売費及び一般管理費は2,899百万円となりました。この結果、営業損失は2,378百万円(前連結会計年度 営業損失1,389百万円)となりました。詳細につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

② 営業外収益(費用)

営業外収益は47百万円となりました。これは主に投資事業組合運用益25百万円によるものであります。

営業外費用は229百万円となりました。これは主に投資有価証券評価損105百万円、貸倒引当金繰入額104百万円などによるものであります。

 

③ 特別利益(損失)

特別利益は2百万円を計上しております。これは関係会社清算益2百万円によるものであります。

特別損失は1,550百万円を計上しております。これは主に関係会社整理損1,493百万円によるものであります。

 

④ 税金等調整前当期純利益

以上の結果、税金等調整前当期純損失は4,108百万円(前連結会計年度 税金等調整前当期純損失6,285百万円)となりました。

 

⑤ 法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額)

法人税等は19百万円を計上しております。

 

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は3,889百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純損失6,244百万円)となりました。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

① 資産

流動資産は、2,529百万円(前連結会計年度比95.7%減)となりました。これは主に、利用者暗号資産43,196百万円、預託金9,025百万円が減少したことなどによるものであります。

固定資産は、441百万円(前連結会計年度比45.4%減)となりました。これは主に、投資有価証券が269百万円減少したことなどによるものであります。

この結果、総資産は2,971百万円(前連結会計年度比95.0%減)となりました。

 

② 負債

流動負債は、752百万円(前連結会計年度比98.6%減)となりました。これは主に、預り暗号資産43,196百万円、預り金8,803百万円が減少したことなどによるものであります。

固定負債は、20百万円(前連結会計年度比92.1%減)となりました。これは主に、長期借入金180百万円、社債70百万円が減少したことなどによるものであります。

この結果、負債は773百万円(前連結会計年度比98.6%減)となりました。

 

 

③ 純資産

純資産は、2,198百万円(前連結会計年度比57.3%減)となりました。これは主に、行使価額修正条項付株式会社CAICA DIGITAL第3回新株予約権の権利行使等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ604百万円増加し、また親会社株主に帰属する当期純損失3,889百万円などによるものであります。

以上により、当連結会計年度末においては、自己資本比率が73.2%(前連結会計年度末8.3%)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて1,622百万円減少し、1,049百万円となりました。

これは、営業活動の結果使用した資金が1,749百万円、投資活動の結果使用した資金が572百万円、財務活動の結果得られた資金が701百万円となったことによるものであります。詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

② 資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、ITサービス事業ではシステム開発開始から顧客による検収後現金回収までのプロジェクト関連経費の支払いにかかるものであります。その主なものは、システム開発にかかる労務費、外注費であります。

 

③ 資金の財源及び資金の流動性

当社グループは現在、必要な運転資金、設備投資及び投融資資金については、自己資金、または借入、増資、社債の発行といった資金調達方法の中から諸条件を総合的に勘案し、最も合理的な方法を選択して調達していく方針であります。当連結会計年度におきましては、2023年1月10日付けで発行した行使価額修正条項付株式会社CAICA DIGITAL第3回新株予約権の権利行使により、858百万円の資金を調達いたしました。また、2023年10月10日に、株式会社クシムを割当先とする第三者割当増資による新株式を発行し、350百万円の資金を調達いたしました。

当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金等を調達していく方針であります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表の作成に際しては、連結決算日現在における財政状態並びに連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社グループでは、過去の実績や状況等を総合的に判断した上で、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。また、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、特に重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(6) 戦略的現状と見通し及び今後の方針について

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

5 【経営上の重要な契約等】

1.当社は、2022年12月23日開催の当社取締役会において、EVO FUNDを割当先とする第三者割当による行使価額修正条項付株式会社CAICA DIGITAL第3回新株予約権の発行を決議し、2023年1月10日に当該新株予約権の発行価額の総額の払込が完了いたしました。

 なお、2023年10月末日時点において、すべての行使が完了しております。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (3) 行使価額修正条項付新株予約権付社債権等の行使状況等」をご参照下さい。

 

2.当社は、2023年9月21日開催の取締役会において、株式会社クシムとの間で、資本業務提携を行うこととし、株式会社クシムに対し、第三者割当による新株式の発行を行うことを決議し、資本業務提携についての契約を締結しました。

 

(資本業務提携の内容)

① ブロックチェーン技術を活用した Web3 ビジネスの拡大を目指す共創関係の構築

② カイカコインを利活用したビジネスの拡大を目指す共創関係の構築

③(株式会社クシムと経営統合後の)株式会社カイカエクスチェンジが運営する暗号資産交換所「Zaif」の適切な運営継続を目的とした当社による運営ノウハウ等の提供

④ ①②③を実現するためのシステムエンジニアリングサービスにおける連携

⑤ 株式会社カイカエクスチェンジホールディングス株式の譲渡

 

(株式会社クシムに対する第三者割当による新株発行の内容)

①  株式の種類及び数 普通株式 7,291,700 株

②  払込金額 1 株当たり金48円

③  払込金額の総額 金 350,001,600 円

④  払込期日 2023年10月10日

⑤  増加する資本金の額 金 175,000,800 円

⑥  増加する資本準備金の額 金 175,000,800 円

⑦  割当株式数 株式会社クシム 7,291,700 株
 

3.当社及び連結子会社である株式会社カイカフィナンシャルホールディングスは、2023年10月16日付で株式会社クシムと締結した株式譲渡契約に基づき、2023年10月31日付で当社及び連結子会社が保有する株式会社カイカエクスチェンジホールディングスの全株式を株式会社クシムに譲渡いたしました。これに伴い、株式会社カイカエクスチェンジホールディングス並びにその子会社である、株式会社カイカエクスチェンジおよび株式会社カイカキャピタルは当社の連結子会社から除外され、子会社の異動が生じました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 企業結合等関係」をご参照下さい。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。