名 称 大日本塗料株式会社
所在地 大阪市中央区南船場一丁目18番11号
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2025年2月6日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する意見を表明するとともに、本公開買付けにおける買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)の妥当性については意見を留保し、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、株主の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。
なお、当該取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本取引の公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員による承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
本意見の「(2) 意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者が本書提出日に公表した「神東塗料株式会社(証券コード 4615)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」によれば、公開買付者は、2025年2月6日開催の取締役会決議により、東京証券取引所スタンダード市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を、当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的として、(ⅰ)本公開買付けの実施、及び(ⅱ)本公開買付けが成立すること等を前提条件とした本第三者割当増資の実施(本第三者割当増資の内容及び本第三者割当増資の実施に係る前提条件については、下記注2をご参照ください。)を通じて取得することを決議したとのことです。本公開買付け及び本第三者割当増資(以下、総称して「本取引」といいます。)が全て実施された場合、公開買付者は、増資後所有割合(下記注6に定義されます。以下同じです。)にして50.10%に相当する当社株式を所有することとなるとのことです。(注1)。本取引は当社株式の上場廃止を企図したものではないとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は、当社株式を所有していないとのことです。
(注1) 連結子会社化の方法として公開買付けに加えて第三者割当増資を実施する理由については、下記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「<連結子会社化の方法として公開買付けに加えて第三者割当増資を合わせて実施する理由>」をご参照ください。また、本第三者割当増資を実施することに伴う希薄化率については、下記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の<本第三者割当増資の1株当たりの発行価額と本公開買付価格の差について>及び注1をご参照ください。
本公開買付けが成立し、公開買付者が本第三者割当増資により当社株式を取得する場合には、本第三者割当増資において、公開買付者は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含み、以下「会社法」といいます。)第206条の2第1項に規定する特定引受人に該当することとなります。特定引受人である公開買付者による募集株式の引受けについて、総株主の議決権の10分の1以上の議決権を有する株主による反対通知がなされた場合には、速やかに、株主総会による承認を取得するべく(会社法第206条の2第4項参照)、臨時株主総会を開催する予定です。なお、当社が2025年2月6日に近畿財務局長に提出した有価証券届出書(以下「本有価証券届出書」といいます。)によれば、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が所有する当社株式が議決権割合で当社株式の議決権総数の過半数を下回る状況において、公開買付者が、本第三者割当増資の払込みを完了させた場合、公開買付者の当社に対する増資後所有割合は50.10%となり、公開買付者が当社の親会社である支配株主となる予定であるところ、当社は、東京証券取引所の有価証券上場規程第432条第1号に基づき、当社の経営者から一定程度独立した者による本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見の入手を目的として、当社の独立役員である社外取締役の樫尾昭彦氏及び矢倉昌子氏、並びに独立役員である社外監査役の日潟一郎氏及び桒山章司氏の4名から、本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する答申書を入手しております。
本公開買付けに際して、公開買付者は、2025年2月6日付で、住友化学株式会社(以下「本応募合意株主」といいます。)との間で、(i)本応募合意株主自らが本公開買付けに応募すること、及び(ⅱ)本応募合意株主が、本応募合意株主の子会社のうち以下の表に記載される子会社をして、本公開買付けに応募させるよう合理的な範囲で最大限努力することを合意しているとのことです(注2)(以下「本応募契約」といいます。また、以下、本応募合意株主の有する当社株式を「本応募合意株式」といい、本応募合意株式と、本応募合意株主の子会社のうち以下の表に記載される子会社(以下「本応募合意株主子会社」と総称します。)が所有する当社株式を総称して「本応募予定株式」といいます。)。
また、公開買付者は、2025年2月6日付で、当社との間で公開買付けの実施等に関する覚書(以下「本覚書」といいます。)を締結し、その中では、(ⅰ)当社が本公開買付けに賛同する旨(ただし、当社の株主による本公開買付けに対する応募については中立とする。)の取締役会決議を行い、その内容を公表すること、及び(ⅱ)当社は、本公開買付けが成立した場合、本第三者割当増資を実施することの合意等を行っています。
本応募契約及び本覚書の概要については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意」の「① 本応募契約」及び「② 本覚書」をご参照ください。
(注2) 本有価証券届出書に記載された当社による第三者割当増資を指し、概要は以下のとおりです。
(注3) 本応募合意株主によれば、本公開買付けに関する秘匿性の観点から、本公開買付けの公表前に、当社株式を所有する本応募合意株主の子会社に対して本公開買付けに応募することを連絡していないとのことです。なお、公開買付者としては、本応募契約に基づいて、親会社である本応募合意株主が本応募合意株主子会社に対して本公開買付けに応募するよう働きかけをすることから、本応募合意株主子会社はその働きかけに従って、その所有する当社株式を本公開買付けに応募するものと考えているとのことです。
(注4) 「所有株式数」欄に記載された株式数は、本応募合意株主を除き、当社の2024年9月30日時点の株主名簿上の記載に基づくものです。
(注5) 「増資前所有割合」とは、当社が2025年2月6日に公表した2025年3月期第3四半期決算短信(以下「本決算短信」といいます。)に記載された2024年12月31日現在の発行済株式総数(31,000,000株)から、本決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(22,904株)を控除した株式数(30,977,096株、以下「本増資前基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じとします。)をいいます。
(注6) 「増資後所有割合」とは、本増資前基準株式数に、公開買付者が本第三者割当増資において引き受ける予定の当社株式の数(3,070,000株)を加算した株式数(34,047,096株)に対する割合をいいます。
(注7) 3,070,000株は、仮に本応募合意株主子会社からその所有する当社株式について、本公開買付けに一切応募がなされなかったと仮定した場合に、公開買付者が増資後所有割合にして50.10%に相当する株式を所有するために必要となる株式数です。そのため、本応募合意株主子会社からその所有する当社株式に関して本公開買付けに応募がなされた場合、本第三者割当増資において、当社が公開買付者に対して発行する当社株式数が3,060,000株まで減少することとなります。なお、本覚書において、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けの結果を確認の上、本公開買付けに係る決済の開始日の翌営業日に、(i)本第三者割当増資の発行株数の最大数(3,070,000株)又は(ⅱ)本取引実行直後の時点における公開買付者の当社株式の議決権割合を50.10%以上とするために必要な最小の株式数のいずれか小さい株式数の当社株式を取得するために必要な払込金額のみ本第三者割当増資において払込みを行うものとされております。
(注8) 本第三者割当増資の1株当たりの発行価額(以下「本払込金額」といいます。)は、本第三者割当増資に係る当社の取締役会決議日(2025年2月6日)の前営業日である2025年2月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値141円を10.00%(小数点以下第三位四捨五入。以下、ディスカウントの計算において同じです。)ディスカウントした価格から1円未満を切り上げた価格(127円)であり、本公開買付価格(90円)よりも高い金額となります。本第三者割当増資の1株当たりの発行価額と本公開買付価格の差が生じた背景については、下記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「<本第三者割当増資の1株当たりの発行価額と本公開買付価格の差について>」をご参照ください。
(注9) 本第三者割当増資における払込日は、2025年3月18日とすることを予定しているところ、本公開買付けの買付期間(以下「公開買付期間」といいます。)が延長となった場合、払込日もそれに応じて延期となる可能性があるため、払込期日とするのではなく、払込期間としております(公開買付期間が延長となり、払込日が延期となった場合においても、延長後の払込日は、本公開買付けに係る決済の開始日の翌営業日を予定しています。)。また、仮に本第三者割当増資について会社法第206条の2の規定に基づいて株主総会決議が必要となった場合には、別途、払込期間を決議する予定です。
なお、本公開買付けにおいて、公開買付者は、(ⅰ)本公開買付けを通じた本応募合意株主及び本応募合意株主子会社からの本応募予定株式の取得、及び(ⅱ)本公開買付けの成立等を条件とする本第三者割当増資を通じた当社からの当社株式の取得によって当社の総議決権の過半数を所有し、当社を連結子会社化することを目的としているとのことです。そのため、公開買付者は、本公開買付けに係る買付予定数の下限を、本応募合意株主が本応募契約に基づいて本公開買付けに応募することが義務付けられている本応募合意株式と同数である13,989,000株(増資前所有割合:45.16%、増資後所有割合:41.09%)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方で、公開買付者は、本公開買付けは当社株式の上場廃止を企図するものではなく、本公開買付けが成立した場合においても、公開買付者及び当社は引き続き当社株式について上場を維持する方針であるため、本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を15,520,000株(増資前所有割合:50.10%、増資後所有割合:45.58%)と設定しているとのことです(注10)(注11)。
(注10) 本公開買付価格である90円は、本取引の公表日(2025年2月6日)の前営業日である2025年2月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値141円を36.17%ディスカウントした価格であるため、公開買付者は、本応募合意株主及び本応募合意株主子会社以外の当社の株主の皆様からの応募がなされる可能性は低いと考えているとのことですが、本応募合意株主及び本応募合意株主子会社以外の当社の株主の皆様から応募があった場合においても、本応募合意株主及び本応募合意株主子会社から本応募予定株式の全てを本公開買付けを通じて取得できるよう、若干の枠を設けることとしているとのことです。
(注11) 注10に記載のとおり、公開買付者は、本応募合意株主及び本応募合意株主子会社以外の当社の株主の皆様からの応募がなされる可能性は低いと考えているとのことですが、仮に本応募合意株主及び本応募合意株主子会社以外の当社の株主から本公開買付けに応募があった場合には、本第三者割当増資により発行される当社株式数は減少し、本第三者割当増資が実施されないことも理論上ありえるとのことです。具体的には、注7に記載のとおり、本覚書において、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けの結果を確認の上、本公開買付けに係る決済の開始日の翌営業日に、(i)本第三者割当増資の発行株数の最大数(3,070,000株)又は(ⅱ)本取引実行直後の時点における公開買付者の当社株式の議決権割合を50.10%以上とするために必要な最小の株式数のいずれか小さい株式数の当社株式を取得するために必要な払込金額のみ本第三者割当増資において払込みを行うものとされているとのことです。詳細は、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意」の「② 本覚書」をご参照ください。
そのため、応募株券等の数の合計が買付予定数の上限(15,520,000株)を超える場合は、その超える部分の全部又は一部の買付け等を行わないものとし、法第27条の13第5項及び発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)第32条に規定するあん分比例の方式により、株券等の買付け等に係る受渡しその他の決済を行うとのことです。この場合、本応募合意株主は本公開買付け後も、本応募合意株式の一部を所有することになりますが、本応募契約においては、本公開買付けを通じて売却できなかった当社株式が本応募合意株主に生じた場合、本応募合意株主は公開買付者に取扱いの協議を要請することができ、当該要請があった場合、公開買付者は誠実に協議を行う旨の規定があるとのことです。
公開買付者は、1929年7月25日に、日本電池株式会社(現在の商号は株式会社ジーエス・ユアサ コーポレーション)の塗料部門が分離独立して、鉛粉塗料株式会社として発足したとのことです(1936年5月に、現在の社名である大日本塗料株式会社に商号を変更しているとのことです。)。
公開買付者が発行する株式は、1949年5月に東京証券取引所、株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)、及び株式会社京都証券取引所(以下「京都証券取引所」といいます。)にそれぞれ上場を果たしたとのことです。その後、公開買付者が発行する株式は、2007年3月には東京証券取引所市場第一部に上場市場を変更しており、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、現在は東京証券取引所プライム市場に上場市場を移行しているとのことです。
なお、京都証券取引所については、2001年3月に京都証券取引所と大阪証券取引所が合併し、また、大阪証券取引所については、2013年7月に東京証券取引所と大阪証券取引所の現物市場の統合を行っていることから、現在、公開買付者の発行する株式は、東京証券取引所プライム市場にのみ上場しているとのことです。
公開買付者のグループは、本書提出日現在において、公開買付者、子会社21社及び関連会社1社で構成されているとのことです(以下、公開買付者、子会社及び関連会社を総称して「公開買付者グループ」といいます。)。公開買付者グループは、塗料、照明機器及び蛍光色材等の製造・販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する物流及びその他のサービス等の事業活動を展開しており、国内塗料事業、海外塗料事業、照明機器事業、蛍光色材事業及びその他事業の5つの事業セグメントを有しているとのことです。
公開買付者は、2024年5月16日に2026中期経営計画(2024~2026)(以下「公開買付者中期経営計画」といいます。)を公表し、連結売上高800億円、連結営業利益80億円を財務目標として掲げており、この達成に向けて事業活動を展開しているとのことです。なお、公開買付者は、公開買付者中期経営計画において、塗料事業基盤の拡大のために、内部成長に加えて、外部のリソースを獲得・活用することを基本方針としているとのことです。
一方、当社は、1901年「神戸ボイル油」(1910年株式会社組織に改組)を現在の神戸市灘区に塗料製造所として開設したのを事業の始めとし、1933年4月東洋塗料製造株式会社と合併し、「神東塗料株式会社」を設立いたしました。当社が発行する株式は、1951年6月に大阪証券取引所に上場し、2013年7月に東京証券取引所と大阪証券取引所の現物市場統合に伴い、東京証券取引所市場第一部に上場しており、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、現在は東京証券取引所スタンダード市場へ上場市場を移行しております。
当社のグループは、本書提出日現在において、当社、子会社7社及び関連会社6社その他の関係会社1社で構成され(以下、当社、子会社及び関連会社、その他の関係会社を総称して「当社グループ」といいます。)、塗料、化成品の製造販売を主な事業としております。当社グループは、高い技術水準に裏打ちされた高品質、高機能、環境対応型の塗料製品・コーティング材料とサービスを顧客志向の組織を通じて、真心こめて提供していくことを基本方針としております。
当社グループの事業領域である塗料事業は、国内市場の緩やかな縮小が続くと想定される一方で、当社が2022年4月28日付「当社製の一部製品に係る不適切行為に関する調査報告書公表のお知らせ」で公表いたしました、当社で製造する水道用ダクタイル鋳鉄管合成樹脂塗料(管用)に係る公益社団法人日本水道協会の認証規格(JWWA K139)に関する不適切行為の公表とその後の公的規格の認証停止・取消しで失ったお取引先様からの信頼回復にはなお時間を要すると言わざるを得ない状況であったため、2023~2025年度の中期経営計画においては、売上高の拡大を目指すのではなく、当社グループ全社員が一丸となって、抜本的な企業風土の改善に着実に取り組み、お取引先様からの信頼回復を最優先としました。具体的には、引き続き、塗料設計・製造技術を事業展開のコアとし、お取引先様に安心・信頼頂ける製品を提供することを最優先とし、データを活用した良品率向上・業務の標準化・組織の簡素化等による生産性向上、同業他社との様々な協業可能性の検討による利益率向上の3つの基本方針で取り組んで参りましたが、初年度である2023年度は、営業損益は改善したものの当初の目標を大きく下回る結果に終わったため、2年目にあたる2024年度につきましては、生産性の向上施策を1年前倒しする等の合理化を上積みすることで、営業黒字化を何としても達成することとしております。
また、かかる状況を踏まえ、今次中期経営計画への取り組みは2025年3月期で一旦終了し、新たに2025年度から始まる3ヵ年の中期計画の策定中であり、確定次第、開示する予定としております。
このような状況のもと、公開買付者は、野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)からの紹介により、2023年12月中旬に本応募合意株主と面談する機会を得て、当該面談において、本応募合意株主が今後の抜本的構造改革に向けた「短期集中業績改善策」の中で資産売却の取り組みを加速しており、採算性やベストオーナー視点での事業再構築の検討を進めるなかで、本応募合意株主が筆頭株主となっている当社株式に関して、当社の競合他社に対する価格・技術競争力の追求のために、当社の事業に近しい業界からのサポート、シナジーの追求が必要と考えたことから、当社のベストオーナー・ベストパートナーを探すべく、その所有する当社株式の売却の可能性を検討し、その一環として、当社株式の売却のための入札プロセスを実施することを知ったとのことです。
当時、公開買付者は、創立100年を迎える2029年度に連結売上高1,000億円、連結営業利益100億円を目指すとする「ビジョン2029」を含む大日本塗料中期経営計画(2024年5月16日公表)の策定を検討していたところ、仮に、公開買付者が当社を買収した場合には売上高及び営業利益の増額が見込まれるため、この「ビジョン2029」の目標の達成に資すると考えたことから、2024年1月下旬以降、当社株式の取得を検討することとしたとのことです。その後、2024年3月中旬、公開買付者は、本応募合意株主から、当社株式の取得に関する意向提案書の提出を求められたことから、公開買付者は、2024年4月24日付で法的拘束力を伴わない意向提案書(当社株式の市場価格にディスカウントを付す可能性も含めた現金対価での株式取得の提案で、公開買付けを通じて本応募合意株主からその所有する本応募合意株式を取得するもの)を本応募合意株主に提出したとのことです。その後、公開買付者は本応募合意株主との間で、2024年5月24日に、今後のプロセスに関する質疑を行うための会議を開催した後、2024年6月21日に本応募合意株主及び当社から、入札プロセスの一環として、第二次意向提案書を提出するよう求められたとのことです。そこで、公開買付者は、2024年7月12日に、法的拘束力を伴わない第二次意向提案書(当社株式の市場価格にディスカウントを付した公開買付けを通じて本応募合意株主からその所有する本応募合意株式を取得するもの)を提出し、改めて本応募合意株主が所有する当社株式の取得の意向を示したとのことです。
そして、公開買付者は、上記と並行して、本取引について本格的な検討体制を構築するべく、2024年6月下旬に、公開買付者、本応募合意株主及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザーとして株式会社三菱UFJ銀行を、2024年6月下旬に、公開買付者、本応募合意株主及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業及び弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所をそれぞれ選任したとのことです。
第二次意向提案書の提出後、公開買付者は、2024年7月22日に本応募合意株主及び当社から、専門家による当社への各種デュー・ディリジェンスの実施を受け入れること、当該デュー・ディリジェンスの実施後に入札プロセスに関する最終の提案書の提出を求めることを内容とする書簡を受領したことから、2024年7月下旬から同年9月上旬まで、当社に対する事業、財務・税務及び法務等に関するデュー・ディリジェンスや当社の経営陣との面談を実施したとのことです。公開買付者は、当該デュー・ディリジェンスや当社の経営陣との面談等を通じて、当社のビジネスについての理解を深めるとともに、公開買付者グループと当社との間の事業上のシナジーについての施策や、本取引後の経営方針等について分析及び検討を進めたとのことです。
その結果、公開買付者は、以下の検討過程を経て、2024年10月18日に、①当社を公開買付者の連結子会社化とすること、②連結子会社化の方法として、(ⅰ)公開買付価格を1株90円とする公開買付けを実施し本応募予定株式を取得することに加えて、(ⅱ)公開買付者が所有する当社株式に係る議決権割合が50.10%になるために必要となる当社株式を第三者割当増資を通じて取得すること(かつ、第三者割当増資の1株当たりの発行価額は、本取引の公表日の直前の取引日における当社株式の終値に90%を乗じた金額とすること)を内容とする法的拘束力のある最終の提案書(以下「最終意向提案書」といいます。)を本応募合意株主及び当社に対して提出したとのことです。
<当社を公開買付者の連結子会社とすることを提案した理由>
(ⅰ)公開買付者が当社を買収することにより公開買付者グループの売上高及び営業利益の増額が見込まれるため(注1)、「ビジョン2029」において掲げている2029年度の連結売上高1,000億円、連結営業利益100億円の目標の達成に資するとともに、公開買付者中期経営計画において公開買付者が掲げる基本方針(公開買付者の塗料事業基盤の拡大のために外部リソースを獲得・活用すること)にも合致すること
(注1) 公開買付者が当社を連結子会社化した場合、当社グループの売上高及び営業利益が増額することとなります。なお、当社が2024年8月8日に公表した「2025年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」では、2025年3月期に係る連結業績予想として売上高が185億円、営業利益が1.5億円とされています。
(ⅱ)公開買付者が当社を買収した場合、塗料の生産に関して、公開買付者は、当社と合算したグループ生産量を確保できるため、設備の統合も視野に含めた新規投資の意思決定が行いやすくなり、その結果、塗料の生産性の向上が期待できること
(ⅲ)他方で、当社の足元の営業成績(2022年3月期以降、3事業年度において経常損失を計上していること)や事業環境(国内の塗料市場は成熟期(注1)にあるため、需要は安定することはあっても、大きな伸張は期待できないこと)を踏まえると、当社株式を市場株価で取得することや市場株価に対してプレミアムを付した上で、当社株式を取得することは困難と考えたことから、当社株式を市場株価に対してディスカウントを付して本応募予定株式を取得することとしたため、当社の一般株主の皆様からの株式の取得は難しいと考え、当社を公開買付者の完全子会社とすることの提案は断念し、本応募予定株式のみを取得することとしたこと
(注1) 日本塗料工業会が公表した「日本の塗料工業2024」によれば、国内塗料市場の生産数量ベースにおける市場成長率は、前年対比で、2018年は-1.5%、2019年は-0.2%、2020年は-9.7%、2021年は2.8%、2022年は-3.2%、2023年は-0.5%とされています。
<連結子会社化の方法として公開買付けに加えて第三者割当増資を合わせて実施する理由>
(ⅳ)本応募予定株式のみを取得した場合、公開買付者は議決権割合で過半数を下回る当社株式を所有するにとどまるため、当社は公開買付者の持分法適用関連会社にとどまるところ、持分法適用関連会社となった場合、狭義の意味での公開買付者のグループ会社(公開買付者、完全子会社及び連結子会社を指します。)とは位置付けることができない結果、シナジーの実現に向けた公開買付者からの品質管理面のノウハウの提供やシステムの共有が困難であると考えたことから、連結子会社とすることが望ましいと考えたこと
(ⅴ)そこで、公開買付者は、当社の一般株主の皆様からの当社株式の取得が難しいという前提の下で、本応募予定株式を取得し、かつ、当社を連結子会社化する手法を検討していたところ、当社において資金需要があるのであれば、本公開買付けに加えて、第三者割当増資を通じた当社株式を取得する方法で連結子会社化の目的が達成できると考えたこと(なお、上記のとおり、公開買付者は、当社株式を市場株価で取得することや市場株価に対してプレミアムを付した上で、当社株式を取得することは困難と考えたため、当社を完全子会社化することは選択しておりません。)。
公開買付者は、本取引を通じて、具体的には以下のシナジーを実現できるのではないかと考えているとのことです。なお、本取引を通じて公開買付者が当社を連結子会社化することに伴うディスシナジーの発生は想定をしていないとのことです。
公開買付者及び当社は、総合塗料メーカーとして、国内市場における様々な領域において、塗料を供給してまいりました。本取引により、公開買付者及び当社の塗料事業が提携することで、(ア)主として、建築塗料の分野や粉体塗料の分野における商品に関して公開買付者及び当社が相互に補完しあえる関係にあることから、これにより、商品ラインナップの多様化が実現するとともに、(イ)原料の共同購買による優位性も実現できることから、これにより、顧客ニーズを充足できる塗料を、競争力ある価格で安定的に提供できると考えているとのことです。加えて、公開買付者及び当社の塗料事業が提携することで、品質管理面のノウハウやシステムの共有により、コスト低減の効果も生じ得ると考えているとのことです。
公開買付者及び当社は、総合塗料メーカーとして、国内市場における様々な領域において、塗料を供給してまいりましたが、両者の既存の生産設備は老朽化が進んでいる一方で、国内の塗料市場は成熟期にあるため、需要は安定することはあっても、大きな伸張は期待できません。公開買付者は、このような競争環境にあっては、生産及び研究開発拠点に関して、思い切った刷新投資を行いにくいと考えているとのことです。公開買付者は、本取引により、公開買付者及び当社を合算したグループの生産量を確保できるのであれば、両社の設備の統合も視野に入れた新規投資の意思決定を行いやすくなり、これにより、塗料の生産性を高めることが期待されると考えているとのことです。
その後、公開買付者は、2024年11月上旬に、本応募合意株主から契約交渉を継続する旨の連絡を受けたことから、2024年11月上旬以降、本応募合意株主との間で本応募契約に関する交渉を、当社との間で本覚書に関する交渉をそれぞれ行ったとのことです。
なお、本公開買付価格に関する価格交渉については、公開買付者は、最終意向提案書に記載された金額以上のものは提案できないことを2024年11月下旬に本応募合意株主に対して伝えており、それ以降、本公開買付価格に関する価格交渉は行われていないとのことです。
他方で、本第三者割当増資の1株当たりの発行価額については、公開買付者は、当社の特別委員会から2024年11月7日付及び同年12月22日付の書面にて、当社株式の希薄化を抑えるために、本取引の公表日の直前の取引日における当社株式の終値を下回らない価格での提案を行うよう2度の要請を受けたとのことです。公開買付者はいずれの要請に対しても、公開買付者としては本第三者割当増資における1株当たりの発行価額については本公開買付価格である1株90円と同額での引受けが望ましいと考えていることを示した上で、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日付)の定めに従った発行価額(本取引の公表日の直前の取引日における当社株式の終値に90%を乗じた金額とすること)としたい旨の回答を2024年11月22日及び2025年1月10日に行ったとのことですが、公開買付者は、2025年1月15日に、当社から、本取引の公表日の直前の取引日における当社株式の終値に90%を乗じた金額とすることについて応諾する旨の連絡を受けたとのことです。
<本第三者割当増資の1株当たりの発行価額と本公開買付価格の差について>
なお、公開買付者によれば、本第三者割当増資の1株当たりの発行価額は、本第三者割当増資に係る当社の取締役会決議日(2025年2月6日)の前営業日である2025年2月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値141円を10.00%ディスカウントした価格から1円未満を切り上げた価格(127円)としている一方、本公開買付価格については、上記終値141円に対し36.17%ディスカウントした価格(90円)としているとのことです。本公開買付価格をこのようにディスカウント価格とした経緯は、上記のとおり、当社の足元の営業成績や事業環境を踏まえると、当社株式を市場株価で取得することや市場株価に対してプレミアムを付した上で、当社株式を取得することは困難であると考えていたところ、上記のディスカウントの比率につき本応募合意株主と合意に至ったためとのことです。
公開買付者としては、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額についても、(公開買付者によれば、公開買付者による当社に対するデュー・ディリジェンスを経たうえで、大株主である本応募合意株主と合意された価格こそが当社の客観的な株式価値を表していると考えているため)本公開買付価格と同額での引受けが望ましいと考えているものの、本第三者割当増資における1株当たりの発行価額を本公開買付価格と同額とした場合には、当社株式の市場株価との関係で大きくディスカウントとなることから、当社の一般株主の皆様に対して株価下落及び希薄化のおそれを生じさせるものとなりうると考えているとのことです。そのため、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日付)の定めに従い、本第三者割当増資に係る当社の取締役会決議日(2025年2月6日)の前営業日である2025年2月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値141円を10.00%ディスカウントした価格としており、その結果、本公開買付価格(90円)を大きく超える金額となっているとのことです。そのため、公開買付者としては、本第三者割当増資は、一般に許容される以上の株価下落及び希薄化のおそれを生じさせるものではないと考えており、ひいては、本取引が、既存の当社の株主の皆様に不当に経済的不利益をもたらすものではないと考えているとのことです。
なお、公開買付者が当社を連結子会社化して当社の増資後所有割合が50.10%となるよう当社株式を取得する方法として、(a)第三者割当増資のみにより取得する場合、(b)本取引により取得する場合、及び(c)公開買付けのみにより取得する場合のそれぞれにおける、希薄化率、買付予定数及び必要資金の総額は、以下のとおりとのことです。
(注1) 「希薄化率」とは、(a)においては、当該第三者割当増資で公開買付者が引き受ける当社株式31,100,000株を、発行済株式総数から自己株式を除いた30,977,096株で除した割合、(b)においては本第三者割当増資の発行株数の最大数(3,070,000株)を、発行済株式総数から自己株式を除いた30,977,096株で除した割合をいい、それぞれ小数点以下第三位を四捨五入しております。
(注2) 「買付予定数」とは、公開買付けにおいて、当社の株主から取得する必要がある株式数をいいます(ただし、上記(b)においては本応募合意株式に係る株式数を記載しています。)。
(注3) 「必要資金総額」には、(a)においては、当該第三者割当増資における払込総額(1株当たりの払込金額127円に発行株式数を乗じた金額)、(b)においては、本第三者割当増資における払込総額(1株当たりの払込金額127円に発行株式数を乗じた金額)及び本公開買付けにおける買付予定数に本公開買付価格(90円)を乗じた金額の合計額、(c)においては、当該公開買付けにおける買付予定数に本公開買付価格(90円)を乗じた金額をそれぞれ記載しています。
以上の協議・検討を踏まえ、公開買付者は、2025年2月6日開催の取締役会において、(ⅰ)本公開買付価格を90円として本公開買付けを実施すること、(ⅱ)本応募合意株主との間で本応募契約を締結すること、及び(ⅲ)当社との間で本覚書を締結し、本第三者割当増資を通じて最大で当社株式3,070,000株(増資前所有割合:9.91%、増資後所有割合:9.02%)を取得することを決議したとのことです。なお、本応募契約及び本覚書の概要については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意」の「① 本応募契約」及び「② 本覚書」をご参照ください。
当社は、2024年3月上旬、本応募合意株主から、主に国内市場を対象にした塗料メーカーであるという事業形態を踏まえると、当社の業績は国内市場の動向といった外部要因に大きく影響を受けるとともに、競合他社に対する価格・技術競争力の追求のためには、当社事業に近しい業界からのサポート、シナジーの追求が必要と考え、本応募合意株主としては、かかる事業環境及び本応募合意株主のグループ全体としてベストオーナー・ベストパートナーを追求する視点から、本応募合意株主が所有する当社株式の全ての売却について検討していること、また、本応募合意株主において、2024年3月中旬に、本応募合意株主が所有する当社株式を譲渡し、またこれに伴う当社の今後のさらなる成長を実現されるための戦略的パートナー選定に関する第一次入札プロセス(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)を開始する予定であることを伝えられました(なお、本応募合意株主は、抜本的構造改革に向けた「短期集中業績改善策」を実施中であり、その中で資産売却の取組みを行っていたところ、採算性やベストオーナーの観点から、事業の再構築の検討を進めていたとのことです。)。
その後、当社は、2024年5月中旬、本応募合意株主から、本応募合意株主が、候補先である事業会社2社及びファンド1社より本第一次入札プロセスに関する第一次意向提案書を受領したことを踏まえ、本応募合意株主としては、当社がその高い技術力を活かし、電着塗料を強みとする総合塗料メーカーとして、本応募合意株主グループの経営に大きく貢献してきたものの、主に国内市場を対象にした塗料メーカーという当社の事業形態を踏まえると、当社の業績は国内市場の動向といった外部要因に大きく影響を受けるとともに、競合他社に対する価格・技術競争力の追求のためには、当社の事業に近しい業界からのサポート、シナジーの追求が必要と理解しており、かかる事業環境及び本応募合意株主グループ全体の事業ポートフォリオの状況を踏まえ、本応募合意株主が保有する当社株式の全てを、当社にとってベストオーナーとなり得る第三者に譲渡し、当該ベストオーナーとともに当社の競争力を一層強化いただくことが当社の企業価値の最大化を実現するために最善の方策であるという考えに至ったこと、また、入札手続に係るデュー・ディリジェンスへの対応を含む必要な社内体制を構築してほしい旨の連絡を受けました。これを踏まえ、当社は、2024年5月下旬、公開買付者、本応募合意株主及び当社から独立した、ファイナンシャル・アドバイザーとして野村證券を、リーガル・アドバイザーとして弁護士法人大江橋法律事務所(以下「大江橋法律事務所」といいます。)を、それぞれ選定いたしました。
また、当社は、入札手続により最終的に買付者として選定されるいずれかの候補先と、当社の筆頭株主である本応募合意株主が、本応募合意株主が所有する当社株式を公開買付けに応募すること等を内容とする応募契約を締結する予定であり、本応募合意株主と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性があること等を踏まえ、リーガル・アドバイザーとしての大江橋法律事務所の助言に従い、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2024年6月7日に、公開買付者、本応募合意株主及び当社から独立した社外取締役である樫尾昭彦氏、矢倉昌子氏、及び社外監査役である日潟一郎氏、桒山章司氏の4名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の取引条件(本取引の実施方法や本取引における対価を含む。)の妥当性、(ⅲ)本取引に至る交渉過程等の手続(買付候補者の選定プロセスを含む。)の公正性、(ⅳ)本第三者割当増資の必要性及び相当性、(ⅴ)上記(ⅰ)~(ⅳ)を踏まえ、当社取締役会が本取引を行う旨(本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること、及び、仮に本取引が当社の株主を買付候補者のみとし、当社株式の非公開化(以下「本非公開化」といいます。)を意図する場合には、本非公開化手続に必要な手続を行うこと。)の意思決定をすることが適切かを勧告し、また当社の一般株主にとって不利益でないかについて意見を述べることの点(以下「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました(ただし、上記(ⅳ)については、最終意向提案書を踏まえ、本取引が、本第三者割当増資を伴う可能性が高まったことを受けて、2024年10月31日付の取締役会において追加で諮問いたしました。)。委員の構成、その他の具体的な諮問事項等については、下記「(6) 本公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本取引の公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
また、当社は、2024年6月7日開催の本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券及びリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所については、その独立性及び専門性等に問題ないことを確認の上、その選任の追認を受けております。
さらに、当社は、2024年6月7日開催の本特別委員会において、当社内部における本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)について、その独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
当社は、上記検討体制を構築した上で、野村證券及び大江橋法律事務所から助言を受けながら、企業価値の向上と株主利益の最大化を図ることを目的として、本応募合意株主による当社株式の譲渡に関する検討を開始し、譲渡プロセス、想定される取引ストラクチャー及び候補先等に関して慎重に検討を行い、また、2024年6月上旬から本応募合意株主ともプロセス設計、取引ストラクチャー及び候補先に関して協議を行いました。その結果、2024年6月中旬、当社としても、当社の成長を促進し得る補完的な強みを持ち、当社の事業に強い興味を持つと考えられる候補先を対象とする入札手続を実施することが望ましいとの結論に至りました。また、当社は、当社のパートナー候補となり得る先は、いずれも本応募合意株主より本第一次入札プロセスへの参加を打診されたことを確認した上で、本応募合意株主及び当社の共同で行う第二次入札プロセス(以下「本第二次入札プロセス」といいます。)への参加を打診する候補先である事業会社2社について、本応募合意株主との間で合意したことを踏まえ、2024年6月下旬より本応募合意株主及び当社は、本第二次入札プロセスを開始いたしました。
2024年7月中旬以降、本応募合意株主及び当社は、本第二次入札プロセスに関して、候補先である事業会社2社より本第二次入札プロセスに係る意向提案書を受領したことから、本取引の目的、本取引後の当社の経営方針や事業戦略の方向性、当社とのシナジー効果、従業員の処遇、提示されたストラクチャー及び当社株式1株当たりの希望取得価格について慎重に検討及び協議の上、本取引における最終的な候補先を決定するための本応募合意株主及び当社の共同で行う最終入札プロセス(以下「本最終入札プロセス」といいます。)への参加を打診する候補先である事業会社2社を決定し、2024年7月下旬、本最終入札プロセスを開始いたしました。また、当社は、2024年7月下旬から2024年9月中旬までの間、本最終入札プロセスへ参加した候補先である事業会社2社に対して、デュー・ディリジェンスの機会を提供いたしました。これを踏まえ、本応募合意株主及び当社は、本最終入札プロセスに参加した候補先の一社である公開買付者より、2024年10月18日に、本取引を通じて、当社を連結子会社化する旨の最終意向提案書を受領いたしました。なお、本最終入札プロセスに参加した他の候補先からは、最終意向提案書の提出はなされませんでした。そして、当社は、2024年10月30日に本応募合意株主より、本最終入札プロセスの結果として公開買付者を最終候補先として選定したとの連絡を受けました。当社は、本最終入札プロセスにおいて、最終意向提案書の提出がなされたのは公開買付者からのみであったことから、公開買付者を最終候補先として協議・検討することが適切であると考え、公開買付者を最終候補先とすることを受諾いたしました。
また、当社は、2024年6月7日、本応募合意株主より本取引に係る連絡を受領したことを踏まえ、本特別委員会を設置し、2024年6月7日から2025年2月5日まで、計15回、本特別委員会を開催の上、同委員会における検討及び協議を進めました。また、2024年9月4日、本特別委員会は、公開買付者から、本取引に至る背景・経緯、本取引のメリット・デメリット、当社の事業環境及び経営課題、本取引のスキーム及び本取引後の経営方針等について説明を受け、質疑応答を行いました。さらに、当社は、2024年10月31日に、本公開買付けが成立したものの議決権割合で過半数を下回る状況において、公開買付者が、本第三者割当増資の払込みを完了させた場合、公開買付者の当社に対する増資後所有割合は50.10%となり、公開買付者が当社の親会社である支配株主となることから、東京証券取引所の有価証券上場規程第432条第1号に基づき、当社の経営者から一定程度独立した者による本第三者割当増資の必要性及び相当性に関する意見の入手を目的として、本特別委員会に対して、本第三者割当増資の必要性及び相当性についても諮問いたしました。その後、本特別委員会は、公開買付者からの最終意向提案書の内容を踏まえながら、本取引における本公開買付価格及び本払込金額を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点で慎重に検討を行った結果、本第三者割当増資における本払込金額を、本第三者割当増資に係る当社取締役会決議日の前取引日の終値に90%を乗じた価格(1円未満の端数切り上げ)とすることは、当社株式の1株当たりの価値の希薄化を生じさせ、当社の市場株価への影響が懸念されることから、公開買付者に対し、本払込金額について、本第三者割当増資に係る当社取締役会決議日の前取引日の終値を下回らない価格で改めて検討を要請するという結論に達し、2024年11月7日、野村證券を通じて当該要請を書面で提出いたしました。これに対して、本特別委員会は野村證券を通じて、公開買付者より、2024年11月22日、本第三者割当増資における本払込金額について、本第三者割当増資に係る当社取締役会決議日の前取引日の終値に90%を乗じた価格(1円未満の端数切り上げ)とする提案を維持する旨を記載した書面を受領しました。その後、本特別委員会は、公開買付者からの書面回答の内容を踏まえ、当社の一般株主の利益確保の観点から検討を行い、本払込金額について、本第三者割当増資に係る当社取締役会決議日の前取引日の終値を下回らない価格で改めて検討を要請するという結論に達し、2024年12月24日、野村證券を通じて当該要請を書面で提出いたしました。これに対して、本特別委員会は野村證券を通じて、公開買付者より、2025年1月10日、公開買付者が本件に取り組む前提として、本公開買付価格は90円となり、本第三者割当増資における本払込金額についても、本公開買付価格と同額での引き受けが妥当と考えているものの、本第三者割当増資における本払込金額を本公開買付価格と同額とした場合には、当社株式の市場株価との関係で大きくディスカウントとなることから、当社の一般株主に対して株価下落及び希薄化のおそれを生じさせるものとなりうると考えるため、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」の定めに従い、本第三者割当増資に係る当社取締役会決議日の前取引日の終値に90%を乗じた価格(1円未満の端数切り上げ)としており、その結果、公開買付者としては、本第三者割当増資は一般に許容される以上の株価下落及び希薄化のおそれを生じさせるものではないと考えており、本件が既存の当社の一般株主に不当に経済的不利益をもたらすものではないと考えていること、よって、本第三者割当増資における本払込金額を、本第三者割当増資に係る当社取締役会決議日の前取引日の終値に90%を乗じた価格(1円未満の端数切り上げ)とする提案を維持する旨を記載した書面を受領しました。その後、本特別委員会は、公開買付者からの書面回答の内容を踏まえ、本件の経緯、本件により創出されるシナジー効果を鑑みて、本第三者割当増資における本払込金額を、公開買付者からの提案の通り、本第三者割当増資に係る当社取締役会決議日の前取引日の終値に90%を乗じた価格(1円未満の端数切り上げ)に設定することについて、不合理ではない旨の意見とするとの結論に達し、2025年1月15日、野村證券を通じて当該結論に至った旨を公開買付者に書面で提出いたしました。
そして、当社は、2025年2月5日付で、本特別委員会から、(ⅰ)当社取締役会が、本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、本公開買付価格の妥当性については意見を留保し、株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、株主の皆様のご判断に委ねることを決議することは妥当であると考える旨、及び当社取締役会における本取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでない、及び(ⅱ)本第三者割当増資について必要性及び相当性が認められると考える旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております。本答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本取引の公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。
以上の経緯のもとで、当社は、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、野村證券及び大江橋法律事務所から受けた助言も踏まえ、本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本取引の諸条件が妥当なものか否かについて、慎重に検討いたしました。
その結果、当社としても、業種の異なる本応募合意株主の傘下では原材料の有利購買、技術開発におけるシナジー等の追求に限界があったところ、塗料業界の同業他社である公開買付者とは、短期的には共通する原材料の一層の有利購買、中長期的には同社の掲げる生産設備の新陳代謝等において、両社の少数株主の利益に配慮しつつ一定の期待効果が得られ、本取引が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。なお、当社は、本取引を通じて当社が公開買付者の連結子会社になることに伴うデメリット及びディスシナジーとして、公開買付者及び当社のいずれとも取引がある顧客のうち、複数の取引先からの購買をポリシーとする当社顧客が、当社が公開買付者の連結子会社となることを原因として、公開買付者と当社が同一の企業集団に属することになったと判断し、上記ポリシーの観点から取引量を減少させることについて、抽象的なおそれは想定しているものの、現時点において、これを超えた具体的なデメリット及びディスシナジーの発生は、想定しておりません。また、公開買付けと第三者割当増資を組み合わせることで連結子会社化するというスキームは、第三者割当増資のみにより連結子会社化を企図する場合に比較して、一般株主が有する株式の希薄化率を抑えることができることからして、本取引のスキームその他の取引条件(本公開買付価格を除きます。)には合理性があると判断いたしました。
以上のとおり、当社は、公開買付者の本公開買付け後の経営方針を踏まえて慎重な検討を行った結果、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の施策を推し進めることが、当社の今後の更なる成長・発展と企業価値の向上に資するものと判断し、2025年2月6日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明することを決議いたしました。
また、本公開買付価格に関しては、(ⅰ)本公開買付価格は、公開買付者と本応募合意株主との間の協議及び交渉の結果により合意されたものであり、かつ、本公開買付価格は、2025年2月6日の直近時の当社株式の市場株価より一定程度ディスカウントされたものであり、当社の少数株主が本公開買付けに応募する経済的なメリットは認められないと判断したため、当社は第三者算定機関に株式価値の算定を依頼しておらず、本公開買付価格が当社の企業価値を適正に反映したものであるか否かについて当社が独自に検証を行っていないこと、及び(ⅱ)公開買付者が本取引において当社株式の上場廃止を企図しておらず、本取引後も当社株式の上場が維持される方針であるため、当社の株主の皆様としては、本取引後も当社株式を所有するという選択肢をとることも十分な合理性が認められることに鑑み、本公開買付価格の妥当性については意見を留保し、株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては株主の皆様のご判断に委ねることを、2025年2月6日開催の当社取締役会において併せて決議いたしました。
なお、上記取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本取引の公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員による承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
公開買付者は、本取引後、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のシナジーの実現に向けて、当社と連携を深めていく考えとのことです。
また、公開買付者は、本取引後も、引き続き当社の上場を維持する予定とのことです。なお、公開買付者は、本取引後、当社における配当、資本政策及び経営方針について変更を求めることを予定していないとのことです。
次に、当社の取締役の構成に関しては、本取引によるシナジーを早期に実現するよう、本取引の完了後に開催される当社の定時株主総会において、公開買付者が推薦する者を取締役として選任することを希望しているとのことですが、人数及び候補者については現時点で確定したものはなく、本取引の完了後、当社と協議をした上で、これらを確定していく予定とのことです。
なお、当社と本応募合意株主との関係については、公開買付者及び本応募合意株主は、本応募契約において、(ⅰ)本書提出日時点で存在している当社と本応募合意株主の子会社との間の取引に関して、公開買付者が当社をして本応募契約の締結日時点の取引条件と実質的に同等の水準で継続させるよう商業上合理的な範囲で最大限努力すること、(ⅱ)本応募契約の締結日時点で、本応募合意株主から当社に出向している本応募合意株主の一定の従業員に関する出向関係を、法令上可能な範囲において、一定期間引き続き継続することを確認しております。本応募契約の内容については、下記「(7) 本公開買付けに係る重要な合意」の「① 本応募契約」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、第三者算定機関から株式価値算定書を取得しておらず、本公開買付価格の妥当性を検討しておりません。
なお、本公開買付価格の妥当性に関しては、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ウ)判断内容」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付価格は、公開買付者と本応募合意株主との間で協議及び交渉の結果により合意されたものであり、かつ、本公開買付価格は、2025年2月6日の直近時の当社株式の市場株価より一定程度ディスカウントされたものであり、当社の少数株主が本公開買付けに応募する経済的なメリットは認められないと判断したため、当社は第三者算定機関に株式価値の算定を依頼しておらず、本公開買付価格が当社の企業価値を適正に反映したものであるか否かについて当社が独自に検証を行っていないこと、及び(ⅱ)公開買付者が本取引において当社株式の上場廃止を企図しておらず、本取引後も当社株式の上場が維持される方針であるため、当社の株主の皆様としては、本取引後も当社株式を所有するという選択肢をとることも十分な合理性が認められることに鑑み、本公開買付価格の妥当性については意見を留保しております。
本公開買付けを含む本取引は、当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的として実施するものであり、当社株式の上場廃止を企図するものではないことから、公開買付者は、本書提出日現在、本取引後に当社株式を追加取得する予定はないとのことです。
なお、応募株券等の総数が買付予定数の上限を超え、あん分比例となった場合には、本応募合意株主は本公開買付けにおいて所有する当社株式の全てを売却できないこととなります。本応募契約においては、本公開買付けを通じて売却できなかった当社株式が本応募合意株主に生じた場合、本応募合意株主は公開買付者に取扱いの協議を要請することができ、当該要請があった場合、公開買付者は誠実に協議を行う旨の規定があるとのことですが、公開買付者としては、当該協議に際して、公開買付者による売却以外の様々な選択肢も議論されるものと考えており、公開買付者による追加取得の予定を生じさせるものではないとのことです。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、本公開買付けは、当社株式の上場廃止を企図するものではなく、公開買付者は、公開買付者は、当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的として、(ⅰ)買付予定数の上限を15,520,000株(増資前所有割合:50.10%、増資後所有割合:45.58%)と設定した上で本公開買付けを実施し、その後、(ⅱ)本第三者割当増資を通じて最大で当社株式を3,070,000株(増資前所有割合:9.91%、増資後所有割合:9.02%)を取得する予定とのことです。
ただし、上記(ⅰ)に関しては、本公開買付価格である90円は、本取引の公表日(2025年2月6日)の前営業日である2025年2月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値141円を36.17%ディスカウントした価格であるため、公開買付者は、本応募合意株主以外の当社の株主の皆様からの応募がなされる可能性は低いと考えており、公開買付者は、本公開買付けを通じて、本応募予定株式である13,992,800株(増資前所有割合:45.17%、増資後所有割合:41.10%)を取得する予定とのことです。
また、上記(ⅱ)に関しては、3,070,000株は、仮に本応募合意株主子会社からその所有する当社株式について、本公開買付けに一切応募がなされなかった場合において、公開買付者が増資後所有割合にして50.10%に相当する株式を所有するために必要となる株式数です。そのため、本応募合意株主子会社からその所有する当社株式に関して本公開買付けに応募がなされた場合、本第三者割当増資において、当社が公開買付者に対して発行する当社株式数が3,060,000株まで減少する予定とのことです。
以上より、本取引後、公開買付者が所有する当社株式数は、最大でも17,059,000株(増資後所有割合:50.10%)にとどまる予定とのことです。
したがって、本取引後も当社株式の東京証券取引所スタンダード市場への上場は維持される見込みとのことです。
また、本取引後において、上場廃止基準に抵触する見込みはないとのことです。
本書提出日現在において公開買付者は当社株式を所有しておらず、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しません。また、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当いたしません。もっとも、公開買付者が当社の筆頭株主である本応募合意株主との間で本応募契約を締結していることから、本応募合意株主と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性があること等を踏まえ、当社は、本公開買付けの公正性を担保する観点から、以下の措置を講じております。なお、本公開買付価格は、公開買付者と本応募合意株主との間で協議及び交渉の結果により合意されたものであり、かつ、本公開買付価格は、2025年2月6日の直近時の当社株式の市場株価より一定程度ディスカウントされたものであり、当社の一般株主が本公開買付けに応募する経済的なメリットは認められないと判断したため、当社は第三者算定機関に株式価値の算定を依頼しておりません。
当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定過程における公正性及び適正性についての専門的助言を得るため、当社、公開買付者及び本応募合意株主のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、大江橋法律事務所を選任し、同事務所から、本公開買付けに関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について法的助言を受けております。
なお、大江橋法律事務所は、当社、公開買付者及び本応募合意株主のいずれの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、大江橋法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
当社は、公開買付者及び本応募合意株主から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築しております。具体的には、当社の役職員12名を本取引に係る検討、交渉及び判断に関与するメンバーとし、本特別委員会及び各アドバイザーから助言・意見等を得ながら、本取引の検討等を行っております。なお、上記12名の中には、一部、本応募合意株主からの出向者及び過去に在籍していた者が含まれています。具体的には、本特別委員会設置当時、検討チームのメンバーであった当社取締役3名は、本応募合意株主からの転籍者であるものの、同名らの本応募合意株主から当社への転籍から5年以上が経過していることから、本応募合意株主から独立した立場で検討を行うことができると判断しました。また、他にも検討チームのメンバーのうち、本応募合意株主からの出向者及び過去に在籍していた者が含まれていますが、本応募合意株主からの転籍者1名(企画経理室担当)に関しては、当社における実務担当者の統括や各アドバイザーとの連携のためには必要不可欠であり、あくまで当社側の人員として、上記のような業務に従事していること、及び、本応募合意株主からの出向者3名(それぞれ総務人事室(法務)、総務人事室(人事)、及び、営業部門担当)に関しては、デュー・ディリジェンスにおける開示資料の作成及び検討といった、本応募合意株主の利益と一般株主の利益が相反するおそれが小さい事項に関する業務のみに従事していること等から、かかる検討体制に独立性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
当社は、本取引に関する当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2024年6月7日に、樫尾昭彦氏(社外取締役、独立役員)、矢倉昌子氏(社外取締役、独立役員)、日潟一郎氏(社外監査役、独立役員)、桒山章司氏(社外監査役、独立役員)の4名から構成される、当社、公開買付者及び本応募合意株主のいずれからも独立した本特別委員会を設置いたしました(なお、本特別委員会の委員の報酬については、固定額となっており、成功報酬は採用しておりません。また、当社は、本特別委員会の委員として設置当初からこの4名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。)。
当社取締役会は、本特別委員会設置の決定に際し、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。さらに、当社取締役会は、本特別委員会の意見を最大限尊重して本取引に関する決定を行うものとし、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引を行う旨の意思決定を行わないことを併せて決議しております。
加えて、当社取締役会は、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社の役職員から、本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限(特別委員会への出席を要求する権限を含む。)、(ⅱ)本取引の取引条件及び買付候補者の選定プロセス等に関する交渉過程に実質的に関与する権限(当社に対して意見を述べ又は指示若しくは要請を行うこと及び特別委員会自ら買付候補者と交渉を行うことを含む。)、(ⅲ)当社が選任した当社の外部専門家アドバイザーを承認(追認を含む。)する権限、(ⅳ)当社の費用負担において、当社の外部専門家アドバイザーに助言を求める権限、(ⅴ)当社の費用負担において、必要に応じ、自らの外部専門家アドバイザーを選任し、助言を求める権限、(ⅵ)その他、特別委員会の職務を補助する者の承認等、特別委員会が本取引に関する検討及び判断に際して必要と認める事項についての権限を付与いたしました。これを受けて、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券及び当社のリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ、当社のファイナンシャル・アドバイザー、リーガル・アドバイザーとして追認し、また本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。
本特別委員会は、2024年6月7日より2025年2月5日までの間に合計15回開催され、本諮問事項についての協議及び検討が慎重に行われました。具体的には、本特別委員会は、(ⅰ)公開買付者に対する、本取引の目的・背景、本取引の条件及び本取引後の当社の経営方針等に関する事項のヒアリング、(ⅱ)当社及び野村證券に対する、入札プロセスの進捗及び内容、入札参加候補者に開示した当社の事業計画の内容、並びに公開買付者の提案内容及び本取引後の当社の経営方針等に関する事項のヒアリング等を行っております(本特別委員会における検討の経緯の詳細については、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(イ)検討・交渉の経緯」に記載のとおりです。)。
本特別委員会は、以上の経緯で本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年2月5日、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、本諮問事項につき大要以下を内容とする本答申書を提出しております。
1.本取引は当社の企業価値向上に資するものであって、本取引の目的は合理的なものである。
2.本取引の取引条件(本第三者割当増資における発行条件を含み、本公開買付価格を除く。)は本取引の目的に照らして妥当である。
3.本取引に至る交渉過程等の手続(買付候補者の選定プロセスを含む。)の公正性は確保されている。
4.本第三者割当増資の必要性及び相当性は認められる。
5.当社取締役会が、本公開買付けに賛同意見を表明する旨の意思決定を行うことは適切である。但し、本公開買付価格の妥当性については意見を留保し、当社の株主に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて中立の立場をとり、株主の判断に委ねる旨の意思決定を行うことが適切である。また、当社取締役会が上述の意見を表明する旨の意思決定を行うことは、当社の一般株主にとって不利益でないと認められる。
1.本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
以下の理由で、本取引は、当社の企業価値の向上に資すると認められ、本取引の目的は正当であり、合理的であると考えられる。
・ 上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の当社及び公開買付者が有している当社をとりまく事業環境及び当社の経営課題についての現状認識については、本特別委員会も同様の認識を有しており、本特別委員会として異存はない。
・ 公開買付者は、本取引を通じて、(ⅰ)両社の塗料事業の提携による販売機会の増大及びコスト削減、及び、(ⅱ)新規の設備投資による生産性の向上というシナジーを実現できると考えているとのことであり、その詳細は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおりである。また、公開買付者は、両社でシナジーを具体化し、実践するための事業提携コミッティを設置し、両当事者の調達の最適化(共同購買に関する事項を含む。)、両当事者の生産拠点の最適化(生産品目、製造ラインの整理・統合に関する事項を含む。)、本応募合意株主からの当社への人的支援終了に備えての両当事者の人財育成・活用及び交流に関する事項等を議論する想定であるとのことである。
・ 以上の説明内容が相応に具体的であることに加え、当社としても、業種の異なる本応募合意株主の傘下では原材料の有利購買、技術開発におけるシナジー等の追求に限界があったところ、塗料業界の同業他社である公開買付者グループの傘下に加わることは、当社の塗料業界でのプレゼンスの向上に寄与し、短期的には共通する原材料の一層の有利購買、中長期的には同社の掲げる生産設備の新陳代謝等において効果があると考えているとのことである。加えて、当社としては、SDGs達成に向けた取り組みの一環として、2025年以降、環境対応型塗料の開発をより一層促進する予定であるところ、公開買付者グループの傘下に加わることで、当社の技術開発力の更なる向上が見込め、同塗料の製品開発も加速できるのではないかと考えているとのことである。このような分析を踏まえ、当社としても、本取引の実施によって、両社の一般株主の利益に配慮しつつ一定の期待効果が得られ、ひいては当社の企業価値の向上に資するのではないかとの見解を述べていることから、公開買付者による上記の成長戦略については、当社の認識とも整合しており、当社の経営課題解決に向けた有用性と現実性、換言すれば、当社の企業価値向上にとっての有用性と現実性が認められると考える。
・ 本取引は、当社の上場維持を前提とした上で、当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的として実施するものであるところ、当社は、上場による取引先や従業員(従業員となろうとする者を含む。)からの信用性向上更には資金調達力の維持・向上というメリットを引き続き、享受することができる。
・ 本取引後は、当社の親会社となる公開買付者と当社の一般株主の利益が相反する場面が想定されるため、コーポレートガバナンス・コードの各原則及びその他の上場規則等の趣旨を踏まえ、当社の一般株主の利益に配慮する必要があるところ、公開買付者は、本取引後も、当社が現有の経営資本を最大限に活用することにより引き続き独立経営を行うことを想定しているとのことであり、公開買付者グループと当社との間で取引を行う場合には、独立当事者間取引の経済条件を設定することで一般株主の利益に配慮する方針とのことであるため、本取引後においても、当社の自律性を尊重維持する構成となっていると考えられる。本覚書においても、当該覚書に基づく事業提携が、当社の独立性を尊重するとともに、当社の一般株主の利益に配慮した、当社の企業価値向上に資するものでなければならないことが相互に確認されている。
・ 公開買付者としては、本取引による具体的なディスシナジーは想定していないとのことである。他方で、当社としては、公開買付者及び当社のいずれとも取引がある顧客のうち、複数購買のポリシーを有する当社顧客が、当社が公開買付者のグループに属することを理由として取引量を減少させることについては想定しているものの、現時点では抽象的なおそれにとどまっているとのことである。また、当社の金融債務について、本取引の実施により期限の利益喪失条項に抵触するおそれがあるものも存在するが、当社としては、現状の金融機関及び公開買付者との協議を踏まえれば、本取引を契機とした期限の利益喪失等によって当社の資金繰りが悪化する具体的な懸念は認識していないとのことである。加えて、公開買付者の想定する生産及び研究開発拠点の刷新が、当社の従業員の雇用に影響を与える可能性も存在するが、本覚書において、当社及び公開買付者は、本取引完了日以降、当社の従業員の雇用及び雇用条件の維持に配慮するとともに、事業提携が円滑に進められるよう、当社の従業員に対して必要な説明を行う等、相互に協力することが合意されている。少なくとも本取引を通じて実現可能な上記のシナジーに鑑みれば、本取引に起因して、当社の企業価値又は一般株主の利益に著しいデメリットが生じるとまで認めるに足りる事情はないと考えられる。
2.本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法や本取引における対価を含む。)
以下の理由で、本取引の取引条件(本第三者割当増資における発行条件を含み、本公開買付価格を除く。)は、公正であり、妥当であると考える。但し、本公開買付価格は市場株価に対してディスカウントされた価格であり、本公開買付けに応募する経済的メリットは認められず、当社においても株式価値算定の取得その他の検証を行っていないため、応募するか否かについては一般株主の判断に委ねることが相当である。
・ 本取引の取引条件の概要は、以下のとおりである。
(ア)公開買付者が、本公開買付価格(1株につき90円)での本公開買付けにより、少なくとも本応募合意株式と同数である13,989,000株(増資前所有割合:45.16%、増資後所有割合:41.09%)を取得する。
(イ)当社は、本公開買付けの成立を条件として、本払込金額(1株につき127円)での本第三者割当増資を実施し、公開買付者が、最大で当社株式3,070,000株(増資前所有割合:9.91%、増資後所有割合:9.02%)を取得する。
(ウ)上記(ア)及び上記(イ)を通じて、公開買付者による当社の増資後所有割合は50.10%となり、当社が公開買付者の連結子会社となる。
・ 本公開買付価格は、市場株価に対してディスカウントされた価格であり、当社においても株式価値算定の取得その他の検証を行っていないことから、その妥当性については意見を留保すべきである。なお、同業他社である公開買付者が、市場株価よりもディスカウントした評価をしたという事実をもって、市場株価が当該事実に釣られて下落し、一般株主が不利益を被るおそれも抽象的には観念し得るが、少なくとも、上記1.記載のとおり、本取引が当社にもたらすシナジーにより当社の企業価値の向上が実現可能であると考えられることに鑑みれば、そのような懸念は仮に存在するとしても、当社の一般株主が得られるであろう利益を上回るものではないと考えられる。
・ 本公開買付けにおいては、買付予定数に上限が付されており、いわゆる二段階買収によるスクイーズアウトは想定されておらず、本公開買付け成立後も公開買付者の増資後所有割合は、50.10%に止まり、当社の上場は維持される方針である。そのため、当社の一般株主には応募の自由(本公開買付けに応募せず上場会社である当社の株主としての地位を享受する自由)が確保されている。加えて、本公開買付けの具体的状況を踏まえると、公開買付者は、本応募合意株主との間で応募契約を締結しているが、公開買付者と本応募合意株主は、資本関係及び人的関係のないいわゆる独立当事者の関係にあり、本公開買付けは基本的には、真摯な交渉が期待できる独立当事者間取引に近似する取引と評価し得る。
・ 以上を踏まえると、本公開買付けの取引条件(本公開買付価格を除く。)は公正であり、妥当であると考えられる。
・ 後記4.に記載のとおり、当社の資金需要を踏まえた本第三者割当増資という調達手段には合理性が認められ、本第三者割当増資の発行条件も相当であると認められる。また、当社が抱えている経営課題を公開買付者と創出するシナジーによって解消することができると考えられる点は上記1.に記載のとおりであり、当社を公開買付者の連結子会社とする必要性が存在する。そして、公開買付者による当社の連結子会社化の手法としては、本公開買付けと本第三者割当増資を組み合わせた方法により当社に投資資金を供給することが最適と判断していることは、後記4.記載のとおりである。
・ 以上を踏まえると、本第三者割当増資の取引条件は公正であり、妥当であると考えられる。
・ その他公開買付けと第三者割当増資を組み合わせることで連結子会社化するというスキームそのものは特殊なものではないこと、かかるスキームによれば、第三者割当増資のみにより連結子会社化を企図する場合に比較して、一般株主が有する株式の希薄化率を抑えることができること(上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」参照)等からして、本取引のスキームその他の取引条件(本公開買付価格を除く。)には合理性がある。また、当社の一般株主の犠牲のもとに、公開買付者又は本応募合意株主が不当に利益を得たという事実も認められず、当該条件の正当性・妥当性を害する事情は見受けられなかった。
3.本取引に係る手続の公正性(買付候補者の選定プロセスを含む。)
以下の理由で、本取引に至る交渉過程等の手続(買付候補者の選定プロセスを含む。)の公正性は確保されていると考えられる。
・ 当社は、当社、公開買付者を含む買付候補者及び本応募合意株主から独立した本特別委員会を設置している。また、本特別委員会の各委員に対する職務の対価としての報酬等は、答申内容にかかわらず、定額で支払うこととされており、報酬等の見地からも委員の独立性は確保されている。さらに、本特別委員会に対しては、アドバイザー等承認権限等、本諮問事項及び委嘱事項の検討に必要な権限が付与されている。
・ 当社取締役会は、本特別委員会が公開買付者との交渉に実質的に関与できる体制とするため、(a)本取引に係る当社の意思決定については本特別委員会の判断を最大限尊重して行うこと、及び、(b)本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことを決議している。そして、本特別委員会は、本公開買付価格及び本払込金額が当社の一般株主に不利益を与える価格となっていないかという点についての議論を複数回にわたって行い、当社は、当該議論の結果を公開買付者との交渉方針に反映し、同方針に基づき、公開買付者と本公開買付価格及び本払込金額の合理性や決定プロセスに関する交渉を行っており、また、本特別委員会が直接、公開買付者に質疑を行う機会も複数回設けられているため、公開買付者との交渉は、本特別委員会が実質的に関与してなされたと評価できる。
・ 当社及び本特別委員会は、当社、公開買付者を含む買付候補者及び本応募合意株主から独立したリーガル・アドバイザーとして当社が選任した大江橋法律事務所から随時、本取引において手続の公正性を確保するための措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその他の過程等に関する法的助言・意見等を得ている。
・ 当社及び本特別委員会は、当社、公開買付者を含む買付候補者及び本応募合意株主から独立したファイナンシャル・アドバイザーとして当社が選任した野村證券から、本公開買付価格を始めとする本公開買付けの条件について財務的見地からの助言・意見等を得ている。
・ 当社は、本応募合意株主から複数の候補先から第一次意向提案書を受領したこと等の連絡を受けた後速やかに、上記「② 当社における独立した検討体制」記載のとおり、公開買付者及び本応募合意株主から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含む。)を当社の社内に構築しており、かかる検討体制に独立性の観点から問題がないことについて、2024年6月7日開催の第1回特別委員会において、承認を行った(なお、上記検討体制における本応募合意株主からの出向者及び転籍者の扱いについては、上記「② 当社における独立した検討体制」記載のとおりである。)。
・ 当社は、2024年6月7日開催の当社取締役会において、本特別委員会の設置を決議したが、当日時点において当社の監査役であった吉野泰雄氏は、本応募合意株主の役職員も兼務していることから、その審議への参加を辞退し、意見を述べることを差し控えた。また、2025年2月6日に開催予定の取締役会においては、当社の取締役である小坂伊知郎氏は、2024年3月まで本応募合意株主の従業員の地位にあったため、利益相反のおそれを排除する観点から、本取引に関する審議及び決議への参加を辞退し、意見を述べることを差し控える予定である。同様に、当社の監査役である稲田英之氏は、本応募合意株主の役職員も兼務していることから、同日開催予定の取締役会において本取引に関する審議への参加を辞退し、意見を述べることを差し控える予定である。なお、当社の取締役である上鶴茂喜氏は、本応募合意株主からの転籍者であるものの、当社への転籍後6年以上が経過しており、本応募合意株主の意思決定に関与することができず、かつ、同社の影響を受けない立場にあるため、利害関係はないものと判断している。
・ 当社及び本応募合意株主は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(イ)検討・交渉の経緯」記載のとおり、複数の買付候補者に本取引を打診することによる入札プロセスを実施している。具体的には、本応募合意株主は、本第一次入札プロセスに先立ち、当社のパートナー候補となり得ると考える6社(国内事業会社4社及び投資ファンド2社)に本取引への参加を打診し、3社(国内事業会社2社及び投資ファンド1社)より法的拘束力のない第一次意向提案書を受領した。当社は、本応募合意株主が本取引を打診した6社について確認したが、当社のパートナー候補となり得ると考える先は、いずれも入札プロセスへの参加を打診されていたことを確認しており、本取引においては、積極的なマーケット・チェックが行われていたものと評価できる。その後、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(イ)検討・交渉の経緯」記載のとおり、本応募合意株主及び当社は、両社共同で実施する本第二次入札プロセス及び最終入札プロセスを経て、公開買付者を最終候補者としているが、本特別委員会は早期の段階から入札プロセスに関与しており、本第二次入札プロセスへの参加を打診する候補先の選定及び第二次意向提案書の検討、本最終入札プロセスへの参加を打診する候補先の選定及び最終意向提案書の検討等に関しては、本特別委員会の意見を最大限尊重しながら、当社の企業価値向上に資する候補先を選定しているため、買付候補者の選定プロセスは妥当であったものと言える。
・ 本特別委員会は、野村證券及び大江橋法律事務所から、複数回、2025年2月6日に公表予定の「大日本塗料株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明及び同社を割当予定先とする第三者割当増資の方法による新株式発行に関するお知らせ」のドラフト、当社が提出予定の意見表明報告書及び本有価証券届出書のドラフト、並びに公開買付者が公表予定の本公開買付けに係る公開買付届出書のドラフトの内容について説明を受けて、その内容を確認した。そして、これらのドラフトでは、本特別委員会における検討経緯や公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、本答申書の内容等について充実した情報開示がなされる予定となっている。
・ 以上の点に加え、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程において、当社が公開買付者より不当な影響を受けたことを推認させる事実は認められない。
4.本第三者割当増資の必要性及び相当性
以下の理由で、本第三者割当増資の必要性及び相当性は認められると考えられる。
・ 上記1.に記載のとおり、本取引を通じた公開買付者による成長戦略については、当社の企業価値向上にとっての有用性と現実性が認められる。また、当社は、本取引を通じた公開買付者との協業によるシナジーの実現を目的として、当社グループの事業領域である塗料事業のうち、電着塗料について、主要顧客の新規需要への対応として生産性の向上対策を現在検討中であり、成案となった暁には、生産設備への投資(具体的には、既存設備に隣接する形で、反応槽(化学反応を行うための処理装置)等の機械設備や構造物を増設)として、300百万円を支出する予定があるとのことである。また、その他の塗料についても生産性向上に資する生産設備への投資として、80百万円を支出する予定であり、具体的な投資方針については、公開買付者と協議の上、決定する予定とのことである(以下、これらの資金使途を合わせて「本資金使途」という。)。以上の点に加え、上記2.に記載のとおり、本取引を通じたシナジーの実現のためには、公開買付者が増資後所有割合にして50.10%の当社株式を取得し、当社を連結子会社化することが必要であり、かつ、その手段として本公開買付けに引き続いて本第三者割当増資を行うことが公正妥当であることに鑑みると、本第三者割当増資の必要性は、合理的なものと考えられる。
・ 当社は、本第三者割当増資にて調達予定の資金を、有利子負債で調達するのではなく第三者割当増資の方法で調達することは、当社の財務基盤の強化にも資すると考えている。また、当社は、本資金使途で想定されるような当社の中長期的な生産性向上のための投資資金を確保することが当社の企業価値向上の観点からも重要であると考えている。そのような資金需要を満たすことのみを考えれば、第三者割当増資ではなく、公募増資や株主割当増資といった他の手段も考えられるところではあるが、公募増資や株主割当増資は、いずれも過大な手続と時間を要し、また資金調達の確実性がないため、妥当でないと考えられる。他方、本第三者割当増資は、公開買付者による当社の連結子会社化の一環として行われるものであるところ、当社の連結子会社化を確実に実行し、当社の企業価値の向上を図るための諸施策を速やかに実施するためには、公開買付者を割当先とした第三者割当増資を実行する必要性があるといえる。したがって、本第三者割当増資という調達手段には相当性が認められる。
・ 本払込金額(127円)は、当社株式直前取引日終値の90%に相当する金額であるため、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日付)に従った払込金額であると言え、当該払込金額は相当であり、有利発行には該当しないものと考えられる。本払込金額は、プレミアムを含んだ価格ではないが、本第三者割当増資については、本資金使途のために必要な資金を当社が調達するものであり、当社株主から株式の取得を受けることはなく、当社を連結子会社化することで生じるシナジーの実現による当社の企業価値向上の機会を当社株主は享受することができることから、本払込金額についてプレミアムを含んだ価格とする必要はないと考えられる。なお、公開買付者としても、本払込金額については、当社の一般株主に対する株価下落及び希薄化のおそれを生じさせないために、本公開買付価格を上回る価格を設定しているとのことである。以上を踏まえると、本第三者割当増資の発行条件は相当であると認められる。
・ 上記1.に記載のとおり、本取引を通じた公開買付者による成長戦略については、当社の企業価値向上にとっての有用性と現実性が認められる。また、当社は、公開買付者の払込みに要する財産の存在について、公開買付者が2024年11月11日に提出した第142期中半期報告書に記載されている中間連結貸借対照表の現金及び預金の額(10,103百万円)により、本第三者割当増資の払込みに必要かつ十分な現金及び預金を有していることを確認しており、同社による本第三者割当増資の払込みに関して確実性があるものと判断している。加えて、公開買付者は、東京証券取引所プライム市場に上場しており、会社の履歴、役員、主要株主等について有価証券報告書等において公表している。また、公開買付者が東京証券取引所に提出している2024年6月27日付「コーポレート・ガバナンス報告書」に記載している反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況を、同取引所のホームページにて確認することにより、当社は、公開買付者並びにその役員及び主要株主が反社会的勢力とは一切関係がないと判断している。以上を踏まえると、公開買付者を本第三者割当増資の割当予定先として選定することには相当性が認められる。
・ 本資金使途のための資金需要は、発行諸費用を含め389,890,000円であるところ、本第三者割当増資による調達金額は、当該金額と同額であり、本第三者割当増資による調達金額は、必要性に応じた出資とみることができ、不必要に既存株主の株式の希薄化を生じさせるものではないと思料される。本第三者割当増資による株式価値の希薄化は、公開買付者が当社の連結子会社化に必要な当社株式の取得の一部を本公開買付けによって行うことにより、当社による本資金使途のための資金調達に必要な限度に留められており、公開買付者が当社の連結子会社化に必要な当社株式の取得の全部を第三者割当増資で行う場合に比して、生じ得る希薄化及び株価下落のリスクの程度は小さい。当社が資金調達をすることにより、当社の財務体質が一層強化されるとともに、本公開買付け及び本第三者割当増資を通じて公開買付者の連結子会社となることによって、中長期的には、上記の希薄化を上回る当社の企業価値及び株主価値の向上につながるものと考えられる。そのため、本第三者割当増資により生じ得る希薄化及び株価下落のリスクを考慮しても、当社株主は、当社の企業価値及び株主価値の向上により、それを上回るシナジーを享受できると考えられる。
5.当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決定することの是非、また本取引が当社の一般株主にとって不利益でないか
上記1.記載のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと認められ、上記2.及び3.記載のとおり、当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件(本公開買付価格を除く。)の妥当性及び手続の公正性も認められ、上記4.記載のとおり、本第三者割当増資の必要性及び相当性も認められる。
したがって、当社取締役会が、本公開買付けに賛同意見を表明する旨の意思決定を行うことは適切であると考えられる。但し、本公開買付価格は市場価格に対してディスカウントされた価格であり、本公開買付けに応募する経済的メリットは認められず、当社においても株式価値算定書の取得その他の検証を行っていないため、本公開買付価格の妥当性については意見を留保し、当社の株主に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて中立の立場をとり、株主の判断に委ねる旨の意思決定を行うことが適切である。また、当社取締役会が上述の意見を表明する旨の意思決定を行うことは、当社の一般株主にとって不利益でないと認められる。
当社取締役会は、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、大江橋法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本取引に関して、当社の企業価値向上、本取引に関する諸条件の妥当性等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、2025年2月6日開催の取締役会において、小坂伊知郎氏を除く審議及び決議に参加した当社の取締役4名全員の一致により、上記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、本公開買付価格の妥当性については意見を留保し、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについては、株主の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。
また、上記決議に係る取締役会には、当社の監査役4名のうち稲田英之氏を除く3名が参加し、当社が上記の意見表明を行うことにつき異議がない旨の意見を述べております。
なお、当社の取締役である小坂伊知郎氏は、2024年3月まで本応募合意株主の従業員の地位にあったため、利益相反のおそれを排除する観点から、上記取締役会の審議及び決議には参加しておらず、当社の立場において本取引の検討、本取引に係る公開買付者との協議・交渉に参加しておりません。また、当社の取締役である上鶴茂喜氏も本応募合意株主からの転籍者であるものの、当社への転籍後6年以上が経過しており、本応募合意株主の意思決定に関与することができず、かつ、同社の影響を受けない立場にあるため、利害関係はないものと判断しております。加えて、当社の監査役である稲田英之氏は、本応募合意株主の役職員も兼務していることから、本取引に係る当社の取締役会決議(本特別委員会設置に係る2024年6月7日付取締役会決議及び上記の2025年2月6日付取締役会決議)について、その審議に一切参加せず、意見を述べることを差し控えております。
公開買付者は、2025年2月6日付で、本応募合意株主との間で、本応募契約を締結し、(ⅰ)本応募合意株主がその所有する本応募合意株式(13,989,000株。増資前所有割合:45.16%。増資後所有割合:41.09%)を本公開買付けに応募すること、及び(ⅱ)本応募合意株主が、本応募合意株主子会社をして、本応募合意株式を除く本応募予定株式(合計3,800株。増資前所有割合:0.01%。増資後所有割合:0.01%)を本公開買付けに応募させるよう合理的な範囲で最大限努力することを合意しているとのことです。なお、公開買付者と本応募合意株主との間の合意は本応募契約以外になく、本公開買付けに係る買付代金以外に、本公開買付けに関して本応募合意株主に付与される利益はないとのことです。
本応募契約においては、公開買付期間の満了日の3営業日前までに、公開買付者以外の者から、本公開買付価格を超える金額により当社株式を公開買付けの方法により取得する旨の真摯な提案の公表等がなされた場合で、本応募合意株主が本公開買付けへの応募を行うこと若しくは既に行った応募を撤回しないことが本応募合意株主の取締役の善管注意義務に違反する具体的な可能性があると、その法律顧問からの助言に基づき判断する場合、本応募合意株主は、下記の金額の支払いを除き、何らの金銭の支払いをすることなく、かつ、何らの義務、負担又は条件を課されることなく、本公開買付けへの応募を行わず又は既に行った応募を撤回することができるとされているとのことです(この場合、上記(ⅱ)の努力義務も負担しないものとされているとのことです。)。ただし、本応募合意株主は、応募の全部又は一部の撤回があった場合、速やかに、公開買付者に対して本公開買付価格に当該撤回があった応募対象株式の数を乗じて得られる金額の2%に相当する金額を支払うものとされているとのことです。
なお、本応募契約においては、公開買付者による本公開買付けの開始の前提条件として(ただし、公開買付者は、その裁量により、以下の前提条件の全部又は一部を放棄することができるものとしています。)、(ⅰ)本応募契約に定める本応募合意株主の表明及び保証(注1)が、重要な点において真実かつ正確であること、(ⅱ)本応募合意株主の本応募契約に基づく義務(注2)が重要な点において履行又は遵守されていること、(ⅲ)当社の本公開買付けに関する意見表明として、本公開買付けに賛同する旨の取締役会決議が適法かつ有効に行われ、公表されていること、(ⅳ)当社に係る未公表の重要事実等が存在しないこと、(ⅴ)本公開買付けを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等が存在しないこと、(ⅵ)公開買付者と当社との間で本覚書が締結されていることが規定されているとのことです。
(注1) 本応募契約において、本応募合意株主は、公開買付者に対して、本応募契約の締結日、公開買付期間の開始日及び本公開買付けに係る決済の開始日において、本応募合意株主に関する表明保証事項として、(ⅰ)適法かつ有効な設立・存続、(ⅱ)本応募契約の締結に係る権利能力及び行為能力、(ⅲ)本応募契約の法的拘束力・強制執行可能性、(ⅳ)本応募契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(ⅴ)本応募合意株式の所有、(ⅵ)反社会的勢力への非該当性・反社会的勢力との関係の不存在、(ⅶ)倒産手続等の不存在、(ⅷ)応募合意株主が本応募契約の締結日において知る限りにおける当社の法定開示書類の正確性、並びに(ⅸ)応募合意株主が本応募契約の締結日において知る限りにおける当社に係る未公表の重要事実の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。
(注2) 本応募契約において、本応募合意株主は、表明及び保証違反又は義務違反に係る補償義務、秘密保持義務並びに本応募契約上の地位又は同契約に基づく権利義務の処分禁止に係る義務を負っているとのことです。
他方で、本応募契約において、本応募合意株主が本公開買付けに応募する前提条件として(ただし、本応募合意株主は、その裁量により、以下の前提条件の全部又は一部を放棄することができるものとしています。)、(ⅰ)本公開買付けが適用ある法令等に従って適法に開始され、撤回されていないこと、(ⅱ)本応募契約に定める公開買付者の表明及び保証(注3)が、重要な点において真実かつ正確であること、(ⅲ)公開買付者の本応募契約に基づく義務(注4)が重要な点において履行又は遵守されていること、(ⅳ)当社の本公開買付けに関する意見表明として、本公開買付けに賛同する旨の取締役会決議が適法かつ有効に行われ、公表されており、当該決議の撤回又はこれと矛盾する内容の決議が行われていないこと、(ⅴ)当社に係る未公表の重要事実等が存在しないこと、(ⅵ)本公開買付けを制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等が存在しないこと、(ⅶ)本公開買付けに関し、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)第10条第2項に基づく届出が行われ、当該届出に対し公正取引委員会から私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第九条から第十六条までの規定による認可の申請、報告及び届出等に関する規則(昭和28年公正取引委員会規則第1号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第9条の規定による排除措置命令を行わない旨の通知がなされており、かつ、当該届出に関し独占禁止法第10条第8項に規定される待機期間が経過していることが規定されているとのことです。
(注3) 本応募契約において、公開買付者は、本応募合意株主に対して、本応募契約の締結日、公開買付期間の開始日及び本公開買付けに係る決済の開始日において、(ⅰ)適法かつ有効な設立・存続、(ⅱ)本応募契約の締結に係る権利能力及び行為能力、(ⅲ)本応募契約の法的拘束力・強制執行可能性、(ⅳ)本公開買付けの実施のための許認可等の取得、(ⅴ)本応募契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(ⅵ)反社会的勢力への非該当性・反社会的勢力との関係の不存在、(ⅶ)倒産手続等の不存在、並びに(ⅷ)公開買付者が本公開買付けの実施のために必要となる資金の所有について表明及び保証を行っているとのことです。
(注4) 本応募契約において、公開買付者は、表明及び保証違反又は義務違反に係る補償義務、秘密保持義務並びに本応募契約上の地位又は同契約に基づく権利義務の処分禁止に係る義務を負っているとのことです。
上記に加えて、公開買付者及び本応募合意株主は、①本書提出日時点で存在している当社と本応募合意株主の子会社との間の取引に関して、公開買付者が当社をして本応募契約の締結日時点の取引条件と実質的に同等の水準で継続させるよう商業上合理的な範囲で最大限努力すること、②本応募契約の締結日時点で、本応募合意株主から当社に出向している本応募合意株主の一定の従業員に関する出向関係を、法令上可能な範囲において、一定期間引き続き継続することを確認しているとのことです。また、本応募契約では、本公開買付けを通じて売却できなかった当社株式が本応募合意株主に生じた場合、本応募合意株主は公開買付者に取扱いの協議を要請することができ、当該要請があった場合、公開買付者は誠実に協議を行うこととしているとのことです。
なお、本応募契約上、契約の終了事由として、(ⅰ)相手方が履行又は遵守すべき義務に関して重要な点において履行又は遵守されていない場合、(ⅱ)相手方の表明及び保証が重要な点において真実かつ正確ではないことが判明した場合、(ⅲ)相手方に倒産手続等が開始された場合、(ⅳ)本応募契約の当事者が書面で合意した場合に、本応募契約を解除することできることが規定されているとのことです(ただし、本公開買付けが成立した後は、(ⅰ)から(ⅲ)を理由として解除することはできないとのことです。)。
当社は、2025年2月6日付で、公開買付者との間で、本覚書を締結いたしました。本覚書の概要等は、以下のとおりです。
公開買付者は、適用法令等、本応募契約及び本覚書の定めに従って、本公開買付けを開始する。
当社は、本覚書の締結日において、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して応募するか否かについては、株主の判断に委ねる旨の取締役会決議(以下「本取締役会決議」といいます。)を行い、その内容を公表し、本公開買付けが開始された後、本公開買付けの開始日において、法令等に従い、本取締役会決議に係る意見表明報告書を提出する。
当社は、本覚書の締結日以降、公開買付期間の末日までの間、本取締役会決議の内容を維持し、変更又は撤回せず、また、本取締役会決議と矛盾する内容のいかなる決議も行わない。ただし、公開買付者以外の者から、本公開買付価格を超える金額により当社株式を公開買付けの方法により取得する旨の真摯な提案(ただし、買付予定数の下限は13,989,000株以上であるものに限る。)(以下「適格対抗提案」といいます。)が公表された場合で、本取締役会決議を維持することが当社の取締役としての忠実義務違反又は善管注意義務違反を構成する具体的な可能性があると、その法律顧問からの助言に基づき、当社の取締役会が判断する場合は、この限りでない。
当社は、(ⅰ)直接又は間接に、第三者との間で、本取引と競合・矛盾・抵触し又はそのおそれのある行為に関する提案、勧誘、情報提供、協議、交渉、合意等を一切行わず、(ⅱ)第三者からかかる行為に関する提案又は勧誘を受けた場合には、直ちに公開買付者に対して、その事実及び当該提案又は勧誘の内容を通知し、その対応について公開買付者との間で誠実に協議する。ただし、公開買付者以外の者から、適格対抗提案が公表された場合で、当該誠実協議を踏まえてもなお、当該第三者との間で情報提供、協議、交渉、合意等を行わないことが当社の取締役としての忠実義務違反又は善管注意義務違反を構成する具体的な可能性があると、その法律顧問からの助言に基づき、当社の取締役会が判断する場合は、この限りでない。
当社は、本覚書締結日において、本第三者割当増資決議を行い、その内容を公表するとともに、法令等に従い、本第三者割当増資に係る本有価証券届出書を提出する。
当社は、本第三者割当増資決議を維持し、変更又は撤回せず、また、本第三者割当増資決議と矛盾する内容のいかなる決議も行わない。ただし、本公開買付が成立しなかった場合、及び、適格対抗提案が公表されたことを原因として本覚書に基づいて本取締役会決議を変更した場合は、この限りでない。
公開買付者及び当社は、本第三者割当増資に関し、会社法第206条の2第4項に基づく株主からの反対の通知を原因として株主総会の開催が必要となった場合その他本第三者割当増資の実行を妨げる事象が発生した場合は、払込期間その他の本第三者割当増資の条件について協議を行うものとする。この場合、公開買付者及び当社は、本第三者割当増資の実行の実現に向けて最大限努力するものとする。
公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けの結果を確認の上、2025年3月17日(法令等に従い公開買付期間が延長された場合には変更後の決済の開始日)の翌営業日(以下「本払込日」といいます。)に、(ⅰ)本第三者割当増資の発行株数の最大数(3,070,000株)又は(ⅱ)本取引実行直後の時点における公開買付者の当社株式の議決権割合を50.10%以上とするために必要な最小の株式数のいずれか小さい株式数の当社株式を取得するために必要な払込金額のみ本第三者割当増資において払込みを行い、当社は、これに対応する当社株式を公開買付者に発行する。
(注1) 当社の本第三者割当増資を実施する義務の前提条件(ただし、当社は、その裁量により、以下の前提条件の全部又は一部を放棄することができるものとしています。)として、(ⅰ)公開買付者の表明及び保証が重要な点において(ただし、重要性又は重大性の留保が付されているものについては、全ての点において)真実かつ正確であること(注3)、(ⅱ)本有価証券届出書の効力が発生し、かつ、その効力が停止していないこと、(ⅲ)本公開買付けが成立していること、(ⅳ)本第三者割当増資決議が変更されていないこと、(ⅴ)本第三者割当増資を制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は司法・行政機関等の判断等が存在しないことが合意されています(ただし、当社は、当該(ⅰ)乃至(ⅴ)の条件の全部又は一部を放棄することができます。)。
(注2) 公開買付者の本第三者割当増資に係る払込み義務の前提条件(ただし、公開買付者は、その裁量により、以下の前提条件の全部又は一部を放棄することができるものとしています。)として、(ⅰ)当社の表明及び保証が重要な点において(ただし、重要性又は重大性の留保が付されているものについては、全ての点において)真実かつ正確であること(注4)、(ⅱ)本有価証券届出書の効力が発生し、かつ、その効力が停止していないこと、(ⅲ)本公開買付けが成立していること、(ⅳ)本第三者割当増資決議が適格対抗提案が公表されたことを原因として変更されていないこと、(ⅴ)本第三者割当増資を制限又は禁止する旨のいかなる法令等又は司法・行政機関等の判断等も存在しないこと、(ⅵ)本覚書締結日以降、当社グループに重大な悪影響(当社グループの事業遂行又は財務状態に重大な悪化を生じさせる影響)を生じさせる事由が発生していないことが合意されています(ただし、公開買付者は、(ⅰ)乃至(ⅵ)の条件の全部又は一部を放棄することができます。)。
(注3) 本覚書において、当社は、公開買付者に対して、本覚書の締結日、本公開買付けの開始日、本公開買付けの決済の開始日、本払込日、及び本取引完了日(本第三者割当増資に係る払込みの効力が発生した日を指します。以下同じです。)において、当社に関する表明保証事項として、(ⅰ)適法かつ有効な設立・存続、(ⅱ)本覚書の締結に係る権利能力及び行為能力、(ⅲ)本覚書の法的拘束力・強制執行可能性、(ⅳ)本覚書の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(ⅴ)本取引の実施のための許認可等の取得、(ⅵ)倒産手続等の不存在、(ⅶ)当社の財務諸表等に係る公正な表示、(ⅷ)当社の法定開示書類の正確性、(ⅸ)当社に係る未公表の重要事実等の不存在、(ⅹ)労働関係法令の遵守、(ⅺ)環境関連法令の遵守、(ⅻ)事業上の許認可の取得、(xiii)法令等の遵守、(xiv)紛争等の不存在、(xv)反社会的勢力への非該当性・反社会的勢力との関係の不存在について表明及び保証を行っております。
(注4) 本覚書において、公開買付者は、当社に対して、本覚書の締結日、本公開買付けの開始日、本公開買付けの決済の開始日、本払込日、及び本取引完了日において、公開買付者に関する表明保証事項として、(ⅰ)適法かつ有効な設立・存続、(ⅱ)本覚書の締結に係る権利能力及び行為能力、(ⅲ)本覚書の法的拘束力・強制執行可能性、(ⅳ)本覚書の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(ⅴ)本取引の実施のための許認可等の取得、(ⅵ)倒産手続等の不存在、(ⅶ)反社会的勢力への非該当性・反社会的勢力との関係の不存在について表明及び保証を行っております。
公開買付者及び当社は、本取引完了日以降、当社の上場が維持されるものであることから、公開買付者及び当社の事業提携については、法令等を遵守し、かつ、当社の独立性を尊重するとともに、当社の少数株主の利益に配慮した、当社の企業価値向上に資するものでなければならないことを相互に確認する。
公開買付者及び当社は、本取引完了日以降、当社の従業員の雇用及び雇用条件の維持に配慮するとともに、事業提携が円滑に進められるよう、当社の従業員に対して必要な説明を行う等、相互に協力する。
公開買付者及び当社は、本取引完了日以降可及的速やかに、事業提携の方法につき、誠実に協議する。本覚書締結日時点で想定される事業提携の項目は、以下のとおりである。
・ 公開買付者及び当社の生産体制・設備投資に関する事項
・ 公開買付者及び当社の人材育成・活用・交流に関する事項
・ 共同購買の実施
・ 公開買付者及び当社の商品ラインナップの多様化
・ 品質管理・保証面のノウハウ、システムの共有
・ 当社の資金調達に関する事項
・ その他、公開買付者及び当社が合意する事項
公開買付者及び当社は、本取引の完了日以降、公開買付者及び当社の協業等に関する情報及び意見の交換等を目的として、事業提携コミッティを設置する。
公開買付者は、別途指名する者(当社が合理的に指定する守秘義務等に関する誓約書を事前に提出した者に限る。)(最大で3名とする。)をオブザーバーとして当社の取締役会及び経営会議に参加させることができる。
公開買付者及び当社は、本取引の完了日以降、公開買付者と当社の少数株主との間の利益が相反する重要な取引について、取引の必要性及び条件の妥当性について十分に審議し、その適正性を確保するための合理的な措置を講じるものとする。
上記に加えて、本覚書では、当社は、(ⅰ)本取引完了日までの間、自ら又は自らの子会社若しくは関連会社をして、善良な管理者の注意をもって、その事業を行い又は行わしめること、(ⅱ)本取引完了日までの間、当社株式の所有割合に影響を及ぼすおそれのある行為を行う場合、当社は、公開買付者による書面による事前承諾を取得すること、(ⅲ)本取引の実施につき契約等の相手方に解除権が生じ、又は契約等の相手方の承諾を要する旨の規定を含むものの相手方から、書面による承諾を取得し、又は自らの子会社若しくは関連会社をして取得させるよう、商業上合理的な範囲で最大限努力すること、(ⅵ)本取引の実施につき契約等の相手方に対して事前又は事後に通知を要する旨の規定を含むものについて、契約等の規定に従い相手方に対して通知を行い、又はその子会社若しくは関連会社をして通知を行わせるよう、商業上合理的な範囲で最大限努力すること等を合意しています。
なお、本覚書において、(ⅰ)本公開買付けが不成立となった場合、(ⅱ)両当事者が書面により合意した場合、(ⅲ)両当事者の責めに帰すべからざる事由により2025年6月30日までに本第三者割当増資が実行されなかった場合に、本覚書は当然に終了することが規定されています。
加えて、本覚書において、本公開買付けの開始前に、(ⅰ)相手方に重大な義務違反があった場合、(ⅱ)相手方の表明及び保証が重要な点において真実かつ正確ではないことが判明し、是正するべき旨の通知を受けた後10日以内に当該違反が解消されない場合、(ⅲ)本取引を禁止する司法・行政機関等の判断等がなされた場合、(ⅳ)相手方に、法的倒産手続等の開始の申立てがなされた場合又は法的倒産手続等が開始された場合に、本覚書を解除できることが規定されています。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役樫尾昭彦氏及び取締役矢倉昌子氏は、社外取締役です。
(注3) 監査役日潟一郎氏、監査役桒山章司氏及び監査役稲田英之氏は、社外監査役です。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】
以 上