名称 株式会社LERZ
所在地 東京都港区南青山三丁目1番36号
普通株式
(1)意見の内容
当社は、2025年1月31日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明すると共に、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠及び理由
本「(2)意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者らに関する記載については、公開買付者らから受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、本公開買付けを通じて当社の株券等を取得及び所有することを主たる目的として、2024年12月23日に設立された、フリービット株式会社(以下「フリービット」といいます。)がその発行済株式数の全てを所有する株式会社であるとのことです。また、公開買付者の設立時の代表取締役は中園仁孝氏であったところ、2025年1月30日付で同氏が代表取締役の地位を辞任し、岡本真哉氏が公開買付者の代表取締役に就任しているとのことです。本書提出日現在、公開買付者は株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)ネクスト市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を所有しておりませんが、公開買付者の親会社であるフリービットは、本書提出日現在、当社株式8,772,000株(所有割合(注1):60.89%)を所有しており、フリービットは当社を子会社としているとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2024年12月13日に公表した2025年4月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2024年10月31日現在の発行済株式総数(17,078,400株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(2,672,365株)を控除した株式数(14,406,035株)、以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じとします。)をいいます。
この度、公開買付者は、2025年1月31日、当社の株主を公開買付者らのみとして当社を非公開化することを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として当社株式(但し、フリービットが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得するため、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を2,500円として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて当社の株主を公開買付者らのみとすることを目的としているため、買付予定数の下限を832,000株(所有割合:5.78%)と設定しており、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいては、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(832,000株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
買付予定数の下限(832,000株)は、本基準株式数(14,406,035株)に係る議決権の数である144,060個に3分の2を乗じ、1未満に係る数を切り上げた数(96,040個)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(9,604,000株)から、フリービットが所有する当社株式数(8,772,000株)を控除した株式数(832,000株)としているとのことです。これは、本取引において、当社の株主を公開買付者らのみとして当社株式を非公開化することを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式(但し、フリービットが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得できずに、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者らが当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したとのことです。
当社は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより当社株式(但し、フリービットが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者らのみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
公開買付者の親会社であるフリービットは、2000年5月、インターネットビジネス支援を事業目的とした株式会社フリービット・ドットコムとして設立されたとのことです。2007年3月に東京証券取引所マザーズに株式を上場、2016年7月に東京証券取引所市場第一部に市場変更し、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行しているとのことです。
本書提出日現在、フリービットの企業グループは、フリービット、当社を含む連結子会社21社及び関連会社1社の合計22社(以下「フリービットグループ」といいます。)で構成されているとのことです。フリービットグループは、企業理念として、「Being The NET Frontier!(Internetをひろげ、社会に貢献する)」を掲げ、インターネットに関わる核となる技術の開発、約300社のISP(インターネットサービスプロバイダ)向け及びMVNO(仮想移動体通信事業者(注2))向け通信ネットワークシステムの運用実績において蓄積した技術力を強みとして、主に法人向け、個人向けにインターネット関連サービスを提供しているとのことです。具体的には、5Gインフラ支援事業、5G生活様式支援事業、及び企業・クリエイター 5G DX支援事業の3つのセグメントにて事業を営んでいるとのことです。
(注2) 仮想移動体通信事業者
移動体通信事業者が保有する無線ネットワークを利用し、独自のサービスを企画・構築し、独自の販売ルートでサービスを提供する事業者
(ⅰ)5Gインフラ支援事業
MVNO事業への参入支援サービス、ISP(インターネットサービスプロバイダ)向けの事業支援サービスに加え、様々な事業法人がクラウドやIoT等の導入を行うための支援サービスを推進しているとのことです。また、5G(第5世代移動通信システムの略称で、次世代通信規格の1つ)時代に対応するための次世代ネットワークやデータセンターを構築し、クラウド基盤を活かしたサービス提供の強化や5G、eSIM(組み込み型のSIM)、AI(計算機(コンピュータ)を用いて人間の知的行動を研究または行わせる技術)、Blockchain(データ処理の記録やその追跡ができる改ざんが非常に困難な分散型台帳技術)を活用したサービスも展開するとともに、それらをはじめとした事業リソースを組み合わせたサービスの拡大に取り組んでいるとのことです。
(ⅱ)5G生活様式支援事業
個人をメインターゲットとしたスマートフォン等を利用したモバイル通信サービスや固定回線によるインターネット関連サービスの提供に加え、5G Homestyle(集合住宅向けインターネットサービス)の提供を推進しているとのことです。そして、5G Homestyleにおいては、集合住宅向けインターネットサービス以外の新規サービスの確立にも注力しているとのことです。また、フリービットグループの有する技術のショールームとしての位置づけも担う「トーンモバイル」においては、5G/web3(巨大プラットフォーマーを介さずに、ユーザー同士で直接データやコンテンツ等のやり取りができる非中央集権型の次世代インターネットの概念)時代の生活スタイルの変化を見据えたサービスの開発・提供を行うとともに、既存事業だけに止まらず、5G Workstyleや5G Healthstyle、5G Lifestyle、5G Carlifestyleといった分野においても、新サービスの開発や拡大に取り組んでいるとのことです。
(ⅲ)企業・クリエイター 5G DX支援事業
5G時代のマーケティングを意識したサービスの拡充やインフルエンサーズマーケティングの拡大を図るとともに、web3を視野に入れたインターネットマーケティングやアドテクノロジー関連事業の推進に加え、クリエイター/インフルエンサーが自らの作品を拡散させることができるプラットフォームである「StandAlone」を展開しているとのことです。
一方、当社は、1997年2月7日に設立され、設立当初はシステム開発事業、集合住宅向けインターネット定額常時接続サービスを展開し、2006年12月に名古屋証券取引所セントレックス市場(現名古屋証券取引所ネクスト市場)に当社株式を上場いたしました。その後、2007年12月にメディアエクスチェンジ株式会社(現株式会社ドリーム・トレイン・インターネット)との業務資本提携契約(2007年11月締結)に基づき、同社が当社の株式を取得いたしました。また、2009年3月にはフリービットがメディアエクスチェンジ株式会社の株式を取得したことに伴い、フリービットが当社の親会社となりました。
当社は、現在、当社及び当社の連結子会社3社(株式会社ギガテック、株式会社ソフト・ボランチ、株式会社LTM)からなる企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)で構成され、主にアパートやマンション等の集合住宅を中心とした全戸一括型のインターネット接続サービスの提供を主なサービスとするHomeIT事業、企業の社宅管理業務の代行を主なサービスとする不動産事業から構成されております。当社の各事業の概要は以下のとおりです。
(a)HomeIT事業
HomeIT事業は、「集合住宅向けISPサービス(注3)」、「IoTソリューションサービス(注4)」、「ネットワークサービス」及び「システム開発」から構成されております。
集合住宅向けISPサービスは、ハウスメーカー、不動産管理会社や個人オーナー(以下「サービス提供先」といいます。)が管理するマンションやアパート等の集合住宅に対して、インターネット接続に必要な通信設備の設計、導入工事から、導入後のサービス運用・保守及び入居者サポートまでを提供しております。このように、インターネットサービスをワンストップで提供することにより、サービス提供先や入居者の抱える課題やニーズをいち早く捉え、それぞれの課題やニーズに合ったサービスの改善や開発に取り組んでおります。同サービスの種類は、「OEM提供」と「自社ブランド」の2つに分かれます。OEM提供はハウスメーカー等のブランドとして入居者にサービスを提供するものであり、自社ブランドは分譲集合住宅又は賃貸集合住宅を対象とした「MyAgent(分離集合住宅居住者向けインターネットサービス)」「RentAgent(賃貸集合住宅居住者向けインターネットサービス)」としてサービスを提供するものであります。同サービスの提供体制については、インターネット設備の導入工事は連結子会社の株式会社ギガテックが主体となり、全国で対応可能な工事体制を構築しております。当社グループは、サービス運用・保守及び入居者サポートのすべてを内製化し、蓄積したノウハウによって、安定したサービスの提供及び障害発生時の迅速な対応に努めております。同サービスは、当社とサービス提供先が直接契約を結び、集合住宅の全戸に対して一括してインターネット設備を導入することから、入居者はインターネット契約が不要であり、入居と同時にインターネットを利用することが可能となります。近年の働き方や生活スタイルの変化に伴い、無料インターネット設備は物件の選定においてニーズが高く、サービス提供先にとっても、アパート・マンション経営において重要な入居率の向上に有用なサービスとして標準化が進んでおります。
IoTソリューションサービスは、クラウド型防犯カメラやスマートロック、ホームセキュリティ等のIoTに関連するサービスの提供を行っております。これらは集合住宅向けISPサービスとの親和性が高く、サービス提供先のニーズを捉えたサービスを開発し、付加価値の創出に向けた取組みを行っております。また、パートナー企業との協業により、互いの技術やノウハウを用いたサービスの実用化等、競争優位性のあるサービスの開発や事業モデルの構築を推進しております。
ネットワークサービスは、マネージドサービスプロバイダサービス(注5)及びホスティングサービス(注6)の提供により、インフラ構築から運用・保守まで一括したサービスを展開しております。本サービスで培ったノウハウ、知見をHomeIT事業の更なるサービス展開に活用しております。
システム開発は、不動産会社や不動産管理会社向けに、連結子会社である株式会社ソフト・ボランチと共同で開発した不動産業務支援システム「FutureVision® Plus(注7)」の販売・運用・保守等を行っております。
(注3) ISP
Internet Service Providerの略。公衆通信回線等を経由して契約者にインターネットへの接続を提供する事業社
(注4) IoT
Internet of Thingsの略。モノのインターネット化のこと
(注5) マネージドサービスプロバイダ
顧客の利用するコンピュータやネットワーク等のITシステムの運用や監視、保守等を行い、利用可能な状態に維持するサービスを提供する事業者
(注6) ホスティングサービス
事業者が所有する情報発信用のコンピューター(サーバー)の容量の一部を、ユーザーに貸し出すサービス
(注7) FutureVision® Plus
賃貸管理だけでなく、動産業務(賃貸/売買のSFA/CRMを含む)全般をクラウド上で全て完結することを目指して設計されたシステム
(b)不動産事業
不動産事業は、「社宅管理代行サービス」、「不動産賃貸サービス」、「テナント運営サービス」から構成されております。また、同事業の販路を活かして集合住宅向けISPサービスをはじめとする当社サービスの拡販を推進しております。
社宅管理代行サービスは、企業の社宅管理業務及びコストの大幅な削減を支援するため、全国の提携不動産会社を通じた物件紹介、賃貸借の契約業務、家賃の支払いや法定書類の作成等、多岐にわたる社宅管理に関連する業務を代行するサービスの提供を行っております。
不動産賃貸サービスは、当社所有のマンション等の不動産を賃貸するサービスであります。
テナント運営サービスは、連結子会社の株式会社LTMが運営する複合施設「LIVINGTOWNみなとみらい」において、同施設の企画・開発・運営を行っております。当社は、同施設を通信、自動車、飲食、住宅関連等様々なパートナー企業との協創の場と位置付け、パートナー企業の持つ製品・サービス及び技術を集結し、競争優位性のある新たなサービス、事業モデルの創出を目指しております。
当社グループは、上記事業を営むにあたり、「テクノロジーで不動産事業に新たな付加価値を創造する企業へ」というビジョンの下、当社が培ったノウハウと進化し続けるテクノロジーとの融合により、人々の暮らしを豊かにする不可価値の高いサービスの提供と新たな市場への展開やグループ間の連携を一層高めることにより、持続的成長と企業価値の向上を目指しております。
また、当社が事業を展開する市場におきましては、デジタル化の進展を背景に、安定した通信インフラの重要性が高まる中、これまで以上に高品質のインターネット設備が求められております。5Gの普及やIoT、クラウドカメラ(注7)といった付加価値サービスの需要拡大等、当社を取り巻く事業環境は常に変化しており、このような経営環境の下、当社グループは、企業価値の向上と持続的成長に向けて、デジタル社会の基盤である通信インフラの構築に貢献する企業として、既存サービスの改善、ニーズを捉えた独自性の高いサービス開発及び保守・サポート体制の強化によるサービス品質の継続的な向上に努め、幅広いニーズに応えられる総合力の底上げを目指しております。特に下記の3点の事業上及び財務上の課題は、当社グループとしても優先的に対処すべき内容として、注力をしております。
① 競争力の強化及び事業領域の拡大
当社の主力サービスである集合住宅向けISPサービスの市場におけるシェア獲得競争は、市場でのインターネット接続システムの導入率が高まるにつれ、競合他社との価格競争や新規参入業者の出現により、今後、より一層激しくなることが予想されます。したがって、当社グループが同サービスの持続的成長を実現するためには、競争力の強化及び事業領域の拡大が課題であると認識しております。この課題に対応するため、同サービスにおいては、営業体制の強化、サービスの安定提供、保守・サポート体制の充実等、全体的なレベルの底上げに取り組み、競争力強化を図る必要があると考えております。また、当社グループの売上高は、集合住宅向けISPサービスの売上に集中しており、当社グループの同サービスへの依存度は非常に高い状況にあることも課題として認識しております。この課題に対応するため、同サービスへの依存度低減に向けて、IoTソリューションサービス及び不動産事業の拡大とともに、新領域への挑戦と成長への可能性を追求し、競争優位性を生み出す新たな事業、新たなサービスの創出に取り組んでいく必要があると考えております。
② 情報技術革新への対応と顧客ニーズを捉えた新サービスの開発
次世代通信である5G、Wi-Fi6等の進展、AIやIoTをはじめとしたIT技術の飛躍的な進歩は、社会や生活に大きな変化をもたらし、それに応じて顧客ニーズもさらに多様化することが予想されており、当社グループの持続的な成長を実現のためには、情報技術革新への対応及び顧客ニーズを捉えた新サービスの開発が課題であると認識しております。この課題に対して、情報通信市場や先端技術の動向を注視するとともに、複合施設「LIVINGTOWN みなとみらい」を実証拠点として、技術力の高いパートナー企業との連携を強化し、5Gの社会実装に向けた検証を行うなど、競争優位性の高いサービス開発を進めており、かかる開発をさらに進展させていく必要があると考えております。また、さらに多様化することが予想される顧客ニーズに対しても、設計、施工から保守・入居者サポートまでワンストップで提供している当社グループの強みを活かし、顧客のダイレクトな声を反映し、市場に求められるサービスの開発に取り組んでいく必要があると考えております。
③ 内部管理体制の強化
当社グループの企業価値の向上と持続的成長のためには、コンプライアンスや財務報告に係る内部統制の整備を含む内部管理体制、事業環境の変化に対応できる組織力の強化が課題であると認識しております。当社グループは、内部監査による業務プロセスの整備・運用の継続的な是正活動やリスク管理の徹底、役員・従業員のコンプライアンス意識の向上を目的とした社内研修の定期的な実施により、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでいく必要があると考えております。
(注8) クラウドカメラ
撮影・録画した映像データをインターネット回線を介して、クラウドサーバーに保存するカメラ
フリービットと当社との資本関係は、2009年3月にフリービットが、当社の親会社であったメディアエクスチェンジ株式会社を公開買付けにより連結子会社としたことで、間接的に当社株式7,310株(所有割合(注9):52.15%)を所有していたとのことです。その後、2013年3月に当社が単元株制度を採用するため、1株につき100株の株式分割を行ったため、間接所有株式は731,000株(所有割合:56.88%)となり、また、2014年9月に株式会社ドリーム・トレイン・インターネット(当社の親会社であったメディアエクスチェンジ株式会社の吸収合併存続会社)が保有するすべての当社株式を現物配当により譲り受けたため、フリービットは、当社を直接子会社としたとのことです(所有株式:731,000株、所有割合:57.31%)。2017年4月に当社が1株につき2株の株式分割を行ったため所有株式数は1,462,000株(所有割合:58.34%)に、2018年7月に当社が1株につき3株の株式分割を行ったため所有株式数は4,386,000株(所有割合:58.34%)に、2020年1月に当社が1株につき2株の株式分割を行ったため8,772,000株(所有割合:58.34%)となったとのことです。その後、当社の継続的な自己株式の取得などにより現在の所有割合:60.89%)に至ったとのことです。
(注9) 本段落における「所有割合」とは、当社の当時の発行済株式総数から、当時の当社が所有する自己株式数を控除した株式数に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。
フリービットは、2021年に、2022年4月期から2024年4月期を対象期間とする中期経営計画『SiLK VISION 2024』(以下「SV2024」といいます。)を策定したとのことです。2021年からの10年を5G/web3/AIなどの技術や、気候温暖化対策も含めた抜本的な変化の期間ととらえ、2022年4月期から2024年4月期を、5G/web3/AI技術の普及開始期と位置付け、既存事業の着実な成長とその利益創出、新たなビジネス創出の準備を行うことを目標として事業を推進してきたとのことです。その結果、SV2024の最終年度である2024年4月期において、当初の業績目標であった売上高500億円、営業利益50億円を大きく上回り、売上高530億円、営業利益58億円を超える実績を達成したとのことです。また、web3における取り組みにつきましても、6,500を超えるスマートフォン端末のnode数(ネットワークに接続されている機器の数)を有する自社開発のレイヤ1ブロックチェーン「TONE Chain」や医療/ヘルスケア領域と日本政府が主導する「Trusted Web」(注10)との組み合わせ、EdgeAI/生成AI領域といった「インターネットにおける非中央集権化の動き」に合わせた事業のシードを創出し、次期中期経営計画を視野に入れた準備も完了させたとのことです。
これらSV2024の着実な進捗をもとに、フリービットは、2024年7月24日に公表した新中期経営計画『SiLK VISION 2027』(以下「SV2027」といいます。)の発表に至りました。このSV2027においては、通信とAIのトレーサビリティや約束ごとの確実な実行において得られる“信用(Trust)”を核とした「通信生まれのweb3実装企業」となることをテーマとしております。「Trusted Web」構想のもと、これを支える構成要素である非中央集権型IDやブロックチェーン技術を用いた改ざん不可能な取引等を実際に社会実装していくことを掲げ、業績のさらなる伸長を継続するとともに、通信事業に比べてよりPERが高いと考えるカテゴリー(AI、web3等)へのカテゴリーチェンジを実現していくことで、フリービットグループは企業価値向上を目指しているとのことです。
(注10) 内閣官房デジタル市場競争本部が2021年3月に発表した「Trusted Webホワイトペーパー ver1.0」の中で提唱される「Webで流通される情報やデータの信頼性を保証する仕組み」に関する概念のこと。特定のサービスに過度に依存せずに、データの検証及びそのデータのやり取りを検証できる領域を拡大し、Trust(信頼)を向上する仕組み
一方で、フリービット及び当社が属する市場環境は大きく変化してきているとのことです。固定インターネット接続市場においては、集合住宅に対する全戸一括加入型インターネット接続サービスのビジネスモデルにおける提供契約数の拡大が継続しているものの、今後の日本の総人口は2050年に約1億人まで減少(国立社会保障・人口問題研究所日本の将来推計人口(令和5年推計))し、世帯数においても2030年の5,773万世帯をピークに減少する(国立社会保障・人口問題研究所『日本の世帯数の将来推計(全国推計)』(令和6(2024)年推計)と予測されているとのことです。それに加え、情報通信業界についても、スマートフォン等のモバイル端末の普及に伴い、この10年あまりにおいて、固定網から大きくモバイルへのシフトが行われてきたとのことです。また、今後の競争軸としては、当社同業であるマンション・集合住宅向けインターネット接続事業者に留まらず、大手通信事業者を中心としたモバイル及び固定網を包含した競争戦略等、競争環境の変化が想起される状況となってきているものと考えているとのことです。フリービットグループは、その環境変化に伴い、固定回線によるインターネット接続サービスに留まらず、モバイル通信や電力をはじめとする住環境全体を包括したサービスの提供等、より総合的かつ競争優位性のあるサービス提供が必要不可欠になると想定しているとのことです。
この状況を踏まえ、当社を含むフリービットグループとしての更なる企業価値の向上、さらにはフリービットグループの総力をあげた価値創造を企図し、2024年9月5日、フリービット及び当社は、両者の取締役及び各事業分野における執行役員を構成員とする「価値創造委員会」を設立したとのことです。当該委員会では、フリービットの有する技術開発力と当社の有する集合住宅市場における顧客基盤といった両社のリソースを結集し、市場環境の変化に対応すべく、グループの回線調達のあり方や高齢化社会を見据えたIoTサービスをはじめとした新規事業など、様々な施策や可能性を検討したとのことです。
当該検討を進める中で、当社を含むフリービットグループ全体の企業価値の最大化を目指すためには、フリービットの経営資源を当社に柔軟に投入し、急速に変化する市場環境の中においても、当社の競争優位性を維持、向上させるための抜本的な施策を講じる必要があるとの考えに至ったとのことです。しかし、当社とフリービットがそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、経営資源の供与者と受益者が必ずしも一致するわけではなく、フリービットが当社に対して企業価値向上に資する経営資源の提供を行った際に、利益の一部がフリービットグループ外に流出するといった構造的な問題が存在するため、現在の親子上場という資本関係を解消し、当社を非公開化することが、当社及びフリービットの企業価値向上に資するものと判断したとのことです。一方で非公開化によるデメリットについては、当社の役職員のモチベーション低下や一部の取引先における当社の信用低下による事業運営への影響の可能性があるものの、より柔軟性のある経営及び組織改革を実行することが可能となることから、これらの影響は限定的であるものと考えているとのことです。なお、本取引を通じて当社株主を公開買付者らのみとすることによるデメリットについては特段想定していないとのことです。また、上記検討を進める中で、フリービットは、価値創造委員会設立の2024年9月5日から2024年10月31日までの期間、当社を含むフリービットグループの企業価値向上に資する提携パートナーの模索を行ったとのことです。具体的には、通信事業を取り巻く人口動態・競争環境の変化を踏まえ、フリービットグループの研究開発力の強化及び提供価格の低廉化による利用者の更なる利便性向上に資するべく、これまでの調達スキームを見直し、グループ一体的な共同調達による調達コストの低減を目指して、モバイル・固定回線の他、クラウドサービスなどの双方のサービスを提供できる事業者を潜在的な提携パートナーと想定し、複数の事業者と協議を重ねてきたとのことです。提携パートナーの選定に当たっては、調達コストの低減と将来にわたる持続可能な回線供給体制の構築が可能になることはもとより、提携パートナーの販売協力による全戸一括型マンションISPサービスの営業体制の強化などのシナジー効果、安心・安全な社会の実現に向けSV2027にてフリービットグループが邁進することを宣言した“信用(Trust)”を核とした「通信生まれのweb3実装企業」への飛躍に好影響を与えられることを重要な点として、候補となるパートナーから受領した複数の提案を検討してきたとのことです。5つの観点(web3の共同展開、増収効果、費用削減効果、共同での製品開発・拡販による規模拡大、新技術を共同研究することによる価値創造)から受領した提案の内容を精査し、評価の高い提案を行なったソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」といいます。)を2024年10月に優先交渉パートナーに選定したとのことです。その後、協議を重ねていくことで提案内容の理解を深め、ソフトバンクを提携パートナーとすることを決定し、2025年1月31日付でソフトバンクとの間で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といい、当該契約に基づく資本業務提携を、以下「本資本業務提携」といいます。)を締結したとのことです。また、フリービットは、2025年1月31日付の取締役会において、ソフトバンクを割当先とする第三者割当による自己株式の処分を決議したとのことです。なお、本資本業務提携契約及び当該第三者割当の詳細については、下記「(7)本公開買付けに関する重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携契約」をご参照ください。
上記を踏まえて、通信事業を取り巻く事業環境が急速に変化している状況において、フリービットグループが一体となりソフトバンクをはじめとするパートナー各社とも連携しつつ、総合的施策を迅速かつ効果的に推進するためには、急速な事業環境の変化に適時に対応していくための迅速な意思決定体制を構築し、経営の柔軟性を向上させることが不可欠であると考えたとのことです。また前述のとおり、当社とフリービットがそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、経営資源の供与者と受益者が必ずしも一致するわけではなく、フリービットが当社に対して企業価値向上に資する経営資源の提供を行った際に、利益の一部がフリービットグループ外に流出するといった構造的な問題が存在しています。そのため、当社を含むフリービットグループ全体の企業価値の最大化を目指すためには、現在の親子上場という資本関係を解消し、公開買付者らが当社を非公開化する必要があると判断したとのことです。
フリービットは、当社を非公開化することにより、次のようなシナジーの実現が可能であると考えているとのことです。
(A)共同調達スキーム構築による調達コストの低減と、将来に渡る持続可能な回線供給体制の確立
当社を非公開化し、フリービットグループ各社の調達機能を集約することで機能重複を解消しつつ、通信回線、ネットワーク機器、ITソフトウェア、クラウド環境などを中心に、各社の需要を集約して大規模な一括調達を行うことで、当社の調達コストの低減と将来に渡って最先端の回線を早期に利用できるといった持続可能な回線供給体制を構築でき、フリービットグループ全体の効率的な経営の実現に資するものと考えているとのことです。
(B)固定・モバイル両サービスの一体的な提供による顧客満足度の向上
当社において基幹となる固定通信を軸としたHomeIT事業においては、市場飽和や新規事業者の参入等により事業者間の競争が激化しており、コスト競争力の高い安心安全なネットワークの実現がより重要となっています。また、固定通信に留まらずモバイル・Wi-Fiといった多様なサービス・通信方式への対応や、固定及びモバイルを包含したサービスの提供が求められております。フリービットグループ及びソフトバンクとの連携強化により、当社が強みを発揮する固定回線サービスと、モバイルサービスを掛け合わせ、融合サービスやセット割引を一体的に提供することで、当社の競争力を向上させ、当社エンドユーザに対し新たな顧客体験を提供することにより、顧客満足度を最大化できるものと考えているとのことです。
(C)当社の既存主力サービスの販売機会の拡大
これまで当社は、主力の全戸一括型マンションISPサービスについて、大手デベロッパーへのOEM提供といった協業を中心に営業体制の充実を図ることで、サービス提供戸数の拡大を図ってまいりました。今後更なる提供戸数の拡大に向けては、現状連携する大手デベロッパーが有する顧客に留まらず、より広いチャネルの顧客へのアプローチも必要であると考えております。そこで、フリービットグループが有する多様なチャネル及び顧客基盤や営業人材、並びにソフトバンクとの協業による営業力を統合、又は適切に連携し活用することで、当社の顧客対応力の更なる強化を図っていくことが可能となり、主力サービスの販売機会の拡大に繋げられるものと考えているとのことです。
(D)ISPサービスのOEM提供による、当社工事施工・バックオフィス業務などの受託増
従前からOEM提供を行う大手デベロッパーなどのパートナーに加え、より幅広くISPサービスのOEM提供を開始することで、当社の提供戸数拡大に資することはもとより、当社が強みとする自社工事体制を生かした工事施工やバックオフィス業務の受託といった事業規模の拡大に貢献できるものと考えているとのことです。またこの規模拡大によって、管理業務や移動時間の最適化・共通化が進み、業務効率の向上に一定の効果が見込まれるため、更なるコスト削減にも繋げられるものと考えているとのことです。
(E)新たな成長領域における新規サービスの開発と顧客利便性の向上
当社の主力事業においては、高齢化社会の進展と少子化に起因した人口減少及びそれを踏まえた将来的な世帯数の減少や入居者の高齢化など、社会環境の変化が予測されており、今後はこの社会環境の変化に対応したトータルソリューションが求められます。この状況にいち早く対応し、フリービットが有するモバイル、クラウド、セキュリティ、AI/IoT、web3などの先端技術に対応できる高い技術力と、当社の保有する顧客ニーズやリソース・アセットを統合、または組み合わせることにより、早期かつ確実に当該ソリューションを実現できるものと考えているとのことです。フリービットは、当社を非公開化することで、当社の主力事業の持続的な成長を図りつつ、今後成長が見込まれる少子高齢化社会の領域において新規サービスの共同開発を行うことが可能となり、ひいては当社の成長機会の拡大につながるものと考えているとのことです。
またソフトバンクとの相互提案や技術連携を行うことで、フリービット及び当社が保有していないモバイルネットワーク及び光ファイバー網等のキャリアアセットなども活かし、サービスの高付加価値化を実現していくことで他社との更なる差別化を強化していくとのことです。この取組みにより、利用者における利便性の向上とともに、当社のARPU(1ユーザーあたりの収益)の拡大及びフリービットグループとして成長戦略の実現を加速していくとのことです。
(F)上場維持コスト及び関連する業務負担軽減並びに両社間での人材交流
当社を非公開化することにより、コーポレートガバナンス・コード等への対応を含めた近時の上場維持に係る業務負担や有価証券報告書等の継続的な情報開示、監査、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用に代表される上場維持に要する費用の削減が見込まれ、本取引を通じて、更なる事業成長への経営資源集中を図ることが可能になると考えているとのことです。当社経営陣についても、事業運営により専念する体制を確立することが可能になるものと考えているとのことです。また、フリービット及び当社グループの人材交流についても一層柔軟に行うことができるようになることから、当社グループの役職員のキャリアパスにおける選択肢も広がるものと考えているとのことです。
上記背景、目的、及び期待するシナジー効果を念頭に、フリービットは2024年10月31日に当社に対して本取引の検討を開始したい旨の意向を伝える提案書(以下「本意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。また、フリービットは2024年9月下旬に、公開買付者ら及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を(大和証券の独立性については、下記「(3)算定に関する事項」の「① 公開買付者らにおける独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。)、2024年9月上旬にリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)をそれぞれ選任したとのことです。さらに、本取引の実現可能性の精査のための当社に対するデュー・ディリジェンスを2024年11月下旬から2024年12月下旬まで実施するとともに、並行して、当社との間で、本公開買付けを含む本取引の諸条件についての協議・検討を続けてきたとのことです。
具体的には、フリービットは、当社に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてフィナンシャル・アドバイザーである大和証券が実施した初期的な当社株式価値分析及び当該情報を前提としてフリービットにおいて実施した初期的な当社株式価値分析内容を総合的に勘案し2025年1月7日に本公開買付価格を2,050円(提案実施日の前営業日である同月6日の終値1,701円に対して20.52%(小数点以下第三位四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)において同じです。)、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,693円に対して21.09%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,714円に対して19.60%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,702円に対して20.45%のプレミアム)とする提案を行ったとのことです。しかし、フリービットは、同月9日、当社より、本公開買付価格は当社株主にとって十分なものとは到底評価できないとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。かかる要請を踏まえ、フリービットは、同月14日に、本公開買付価格を2,300円(提案実施日の前営業日である同月10日の終値1,685円に対して36.50%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,690円に対して36.09%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,710円に対して34.50%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,698円に対して35.45%のプレミアム)とする再提案を行ったとのことです。これに対して、当社は、同月15日、本公開買付価格は依然として当社株主にとって十分なものとは評価できないとして、フリービットに対し、本公開買付価格の再検討の要請を行いました。その後、フリービットは、同月21日に、本公開買付価格を2,380円(提案実施日の前営業日である同月20日の終値1,664円に対して43.03%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,680円に対して41.67%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,703円に対して39.75%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,690円に対して40.83%のプレミアム)とする再提案を行ったとのことです。これに対して、当社は、同月22日、本公開買付価格は類似事例におけるプレミアム水準との比較において、未だ十分なプレミアムとは言えず、また、当社事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を踏まえた当社株式の本源的価値との関係においても依然として当社株主にとって十分なものとは評価できないとして、フリービットに対し、本公開買付価格の再検討の要請を行いました。かかる要請を受けて、フリービットは、同月24日に、本公開買付価格を2,450円(提案実施日の前営業日である同月23日の終値1,660円に対して47.59%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,677円に対して46.09%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,700円に対して44.12%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,688円に対して45.14%のプレミアム)とする再提案を行ったとのことです。これに対して、当社は、同月27日、過去の事例におけるプレミアム水準、株価算定等の諸般の事情を考慮して、フリービットに対し、本公開買付価格は、類似事例におけるプレミアム水準との比較において一定程度評価は出来るものの、プレミアムの基準となる期間によっては十分な水準であるとは言えない点があるほか、当社の事業計画を踏まえた当社株式の本源的価値との関係においても十分とはいえず、本公開買付価格を2,500円とすることを検討するよう要請しました。それに対して、フリービットは、同日に、本公開買付価格を2,500円(提案実施日の前営業日である同月24日の終値1,659円に対して50.69%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,676円に対して49.16%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,699円に対して47.15%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,686円に対して48.28%のプレミアム)とする提案を行ったとのことです。フリービットの提案に対し、同月30日に、当社より、当該提案を応諾し、本公開買付価格を2,500円とすることに合意するとの回答を受けたとのことです。
以上の経緯のもとで、フリービットは本公開買付けの実施により当社株式を非公開化することが、フリービットグループ全体の企業価値向上に資するとの結論に至り、当社の2025年4月期の期末配当が無配であることを前提として、最終的に2025年1月31日に本公開買付価格を2,500円とし、本取引の一環として本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
③ 本公開買付け後の経営方針
現時点においては、フリービットから取締役4名、監査役1名を派遣しております。公開買付者らとしては、本公開買付け後の当社の経営体制については、本公開買付けの実施後、双方の企業価値をさらに向上させる観点からフリービット及び当社との間で協議を行った上で決定する予定であり、現時点で具体的に想定している事実はないとのことです。当社を含むフリービットグループの経営資源をこれまで以上に集約することにより、フリービットグループが一体となり、更なる企業価値向上に向けて邁進していくとのことです。
また、公開買付者らは現時点で、当社の従業員については本公開買付け後もこれまで同様の業務に継続して従事していただきたいと考えており、原則として引き続き同水準の処遇にて雇用を継続することを想定しているとのことです。
④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)フリービットからの提案並びに検討体制の構築の経緯
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、フリービット及び当社により2024年9月に設立された価値創造委員会において、フリービット及び当社の今後の資本関係の方針を含む様々な施策や可能性を検討していたところ、2024年10月31日、フリービットより、本取引の検討を開始したい旨の本意向表明書の提出を受けました。
これを受けて、当社は本取引の検討並びにフリービットとの本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、フリービットは、当社株式の所有割合が60.89%に達する当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付を含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保することを目的として、フリービットから独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、2024年11月上旬に、フリービット及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)を、同じく公開買付者ら及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所(現在の森・濱田松本法律事務所外国法共同事業をいい、以下単に「森・濱田松本法律事務所」といいます。)を、それぞれ選任いたしました。また、当社は、当該提案を受けて、本取引の公正性を担保するため、森・濱田松本法律事務所の助言を受けて、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う為、2024年11月15日開催の取締役会決議により、大瀧守彦氏(当社独立社外取締役)、大信田博之氏(当社独立社外取締役)、田宮昭氏(当社独立社外監査役)、西田弥代氏(当社独立社外監査役、弁護士)の4名によって構成され、公開買付者ら及び当社のいずれからも独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置いたしました(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)。
また、本特別委員会は、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス並びに当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認しました。
また、本特別委員会は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、独自のリーガル・アドバイザーとして、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、中村・角田・松本法律事務所を選任しております。また、当社は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者らから独立した立場で、本公開買付けに係る検討、交渉及び判断を行う体制(本公開買付けの検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築すると共に、2024年11月15日に開催された第1回特別委員会において、本特別委員会により、かかる検討体制につき独立性及び公正性の観点から問題がないことについて承認を受けております。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
当社は、上記体制を整備した後、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、プルータス及び森・濱田松本法律事務所の助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。
また、当社は、フリービットから2024年10月31日に本取引に関する提案書を受領して以来、フリービットとの間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。
具体的には、2024年10月31日に本取引に関する本意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、2024年12月3日にフリービットに対し、本取引の意義・目的、想定されるデメリットの有無等に関して書面による質問をしたところ、2024年12月6日開催の本特別委員会において、フリービットから本取引を提案するに至った経緯及び本取引の意義・目的等に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行うとともに、2024年12月13日にフリービットから当該質問事項について書面による回答を受けました。さらに、当該回答を踏まえて、当社および本特別委員会が2024年12月18日に書面による追加の質問をしたところ、2024年12月23日にフリービットから当該質問事項について書面による回答を受けました。加えて、2025年1月中旬には、当社及びフリービットの間で、本取引を通じて当社の株主を公開買付者らのみとし、フリービットと当社の少数株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、フリービットによる当社グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで、機動的かつ着実な経営施策の実行を通じて創出を見込むことができると考えられるシナジーの具体的内容について複数回協議を行いました。また、「(7)本公開買付けに関する重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携契約」に記載のとおり、フリービットは、2025年1月31日付で、ソフトバンクとの間で本資本業務提携契約を締結しているとのことですが、当社としては、本資本業務提携契約に基づく当社サービス及び当社企業価値に対する影響についても、フリービットより説明を受け、これに対する質疑応答を行うとともに、2025年1月30日に、その質問内容についてフリービットより書面による追加回答を受けております。
本公開買付価格については、当社は、2025年1月7日以降、フリービットとの間で、複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、当社は、フリービットが当社に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである大和証券が実施した初期的な当社株式価値分析、及び当該情報を前提としてフリービットにおいて実施した初期的な当社株式価値分析内容を総合的に勘案した結果として、フリービットから、2025年1月7日に本公開買付けにおける本公開買付価格を2,050円(前営業日時点の名古屋証券取引所ネクスト市場における当社株式の株価終値1,701円に対して20.52%のプレミアム、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,693円に対して21.09%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,714円に対して19.60%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,702円に対して20.45%のプレミアム)とすることを含んだ本取引の諸条件に関する提案を受けました。しかし、当社は、同月8日、本公開買付価格は当社株主にとって十分なものとは到底評価できないとして、フリービットに対し、本公開買付価格の再検討を要請しました。これを受けて、フリービットから同月14日に本公開買付価格を2,300円(前営業日時点の名古屋証券取引所ネクスト市場における当社株式の株価終値1,685円に対して36.50%のプレミアム、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,690円に対して36.09%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,710円に対して34.50%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,698円に対して35.45%のプレミアム)とする旨の再提案を受けました。しかし、当社は、同月15日、本公開買付価格は依然として当社株主にとって十分なものとは評価できないとして、フリービットに対し、本公開買付価格の再検討を要請しました。これを受けて、フリービットから同月21日に本公開買付価格を2,380円(前営業日時点の名古屋証券取引所ネクスト市場における当社株式の株価終値1,664円に対して43.03%のプレミアム、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,680円に対して41.67%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,703円に対して39.75%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,690円に対して40.83%のプレミアム)とする旨の再提案を受けました。しかし、当社は、同月22日、本公開買付価格は類似事例におけるプレミアム水準との比較において、未だ十分なプレミアムとは言えず、また、当社の2025年4月期から2027年4月期までの3期分の本事業計画を踏まえた当社株式の本源的価値との関係においても依然として当社株主にとって十分なものとは評価できないとして、フリービットに対し、本公開買付価格の再検討を要請しました。これを受けて、フリービットから同月24日に本公開買付価格を2,450円(前営業日時点の名古屋証券取引所ネクスト市場における当社株式の株価終値1,660円に対して47.59%のプレミアム、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,677円に対して46.09%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,700円に対して44.12%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,688円に対して45.14%のプレミアム)とする旨の再提案を受けました。これに対して、当社は、同月27日、過去の事例におけるプレミアム水準、株価算定等の諸般の事情を考慮して、フリービットに対し、本公開買付価格は、類似事例におけるプレミアム水準との比較において一定程度評価は出来るものの、プレミアムの基準となる期間によっては十分な水準であるとは言えない点があるほか、本事業計画を踏まえた当社株式の本源的価値との関係においても十分とはいえず、本公開買付価格を2,500円(前営業日時点の名古屋証券取引所ネクスト市場における当社株式の株価終値1,659円に対して50.69%のプレミアム、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,676円に対して49.16%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,699円に対して47.15%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,686円に対して48.28%のプレミアム)とすることを検討するよう要請いたしました。これを受けて、当社は、フリービットから同月27日に、本公開買付価格を2,500円(前営業日時点の名古屋証券取引所ネクスト市場における当社株式の株価終値1,659円に対して50.69%のプレミアム、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,676円に対して49.16%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,699円に対して47.15%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,686円に対して48.28%のプレミアム)とする当社の要請を応諾する旨の回答を受けました。
以上の検討・交渉過程において、当社は、本公開買付価格に関するフリービットとの協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びにプルータス及び森・濱田松本法律事務所からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、本特別委員会のアドバイザーである中村・角田・松本法律事務所から助言を受けるとともに、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきました。具体的には、まず、当社がフリービットに対して提示し、また、プルータスが当社株式の価値算定において基礎とする本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。また、当社のフィナンシャル・アドバイザーであるプルータスは、フリービットとの交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、フリービットから本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、フリービットとの交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。
そして、当社は、2025年1月30日付で、本特別委員会から、①本取引が当社の企業価値向上に資するものであってその目的には合理性が認められること、また、本取引に係る手続の公正性・妥当性及び本取引の条件の公正性・妥当性が認められることを踏まえた上で、当社取締役会が本公開買付けに賛同するべきであり、また当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきであると考え、当社取締役会に対し、本取引の実施を勧告する旨、及び、②当社取締役会が本取引の実施に関する決定を行うことは、当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております(本答申書の概要については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)。
(ⅲ)判断内容
以上の経緯のもとで、当社は、2025年1月31日開催の当社取締役会において、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、プルータスから受けた財務的見地からの助言、2025年1月30日付でプルータスから提出を受けた当社普通株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容及び本公開買付価格の公正性に関する意見(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。
その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の非公開化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
当社グループは、創立当初より業界動向やIT技術動向を常に先取りし、高い技術力を持つ国内の通信サービス企業との強固なパートナーシップを構築しながら、集合住宅向けISPサービス等を提供することで、集合住宅市場を含めた不動産業界における顧客のニーズや課題の解決に広く貢献してまいりました。
昨今の当社グループを取り巻く環境は、社会全体のデジタル化が加速する中で、動画配信やIoTデバイスなどのサービスの普及が進むにつれ、国内のデータ流通量の増加は続いており、その基盤となる安全で安定した通信インフラの重要性は一層高まるなど、目まぐるしく変化しております。具体的には、集合住宅におけるインターネット設備の標準化に加え、入居者の安心・安全な住まいへのニーズの高まりに合わせた、オートロックやカメラ等の防犯対策の標準化等、物件の改修や管理サービスの向上に取り組む動きが進んでおり、これに伴い高速で安定した通信回線が求められております。
また、集合住宅向けISPサービスの市場におけるシェア獲得競争は、市場での導入率が高まるにつれ、契約獲得戸数の鈍化やそれに伴う競合他社との価格競争、大手通信業者を含む新規参入業者の出現により、今後、より一層激しくなることが予想されます。
こうした長期的な経営環境の変化に的確に対応し、当社の企業価値を更に向上させるためには、当社グループ単独の経営資源やノウハウを踏まえて、競争力の強化及び事業領域の拡大、情報技術革新への対応と顧客ニーズを捉えた新サービスの開発、内部管理体制の強化といった、特に優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題の克服に引き続き取り組むだけでなく、フリービットグループとの連携を一層強化し、フリービットグループのネットワーク、ノウハウ、リソースを活用の上、高速で安定した光配線方式や当社グループの既存サービス親和性の高い付帯商材等の市場優位性の高いサービスの開発、市場を問わず、持続的成長に向けた新たなサービス、顧客、成長可能性を重要視したアライアンスの探求、共同調達スキーム構築による調達コストの低減をはじめとした幅広いニーズに応えられる総合力の底上げ及び収益構造の変革が必要であると考えております。
しかしながら、フリービットと当社の現在の資本関係においては、フリービットが当社グループに投入する経営資源から得られる当社グループ利益の一部は当社の少数株主に流出するため、フリービットにとっては、自らが投入した経営資源から得られる利益をすべて得ることができず、フリービットと当社の少数株主との間に構造的な利益相反関係が生じ、その結果、フリービットによる当社グループへの経営資源の投入が制約されるという課題があるとの説明を受けております。
当社は、上記の当社グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じて当社の株主を公開買付者らのみとし、フリービットと当社の少数株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、フリービットによる当社グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで、機動的かつ着実な経営施策の実行を通じて、以下のようなシナジー創出を見込むことができ、当社の更なる企業価値向上に資するとの結論に至りました。
(A)当社主力サービスの市場優位性向上及び新たな成長領域における新規サービスの開発
当社の主力事業であるHomeIT事業においては、フリービットグループのネットワークを活かすことで、当社が保有していないモバイルネットワーク及び光ファイバー網等のキャリアアセットなどを適切に活用し、サービスの高付加価値化を実現していくことで他社との更なる差別化を強化していくことが可能になると考えております。この取組みにより、利用者における利便性の向上とともに、当社グループとして成長戦略の実現を加速していくことが可能になると考えております。
また、高齢化社会の進展と少子化に起因した人口減少及びそれを踏まえた将来的な世帯数の減少や入居者の高齢化など、社会環境の変化が予測されており、今後は、世帯数の減少に伴い当社の基軸となる固定通信サービスの住宅市場も徐々に縮小する高齢かつ単身入居者の安否確認等の住戸内ニーズは増加するものと想定しております。この社会環境の変化に対応し、通信とセンサーを組み合わせたトータルソリューションが求められるものと考えているとのことです。この状況にいち早く対応し、フリービットが有するモバイル、クラウド、セキュリティ、AI/IoT、web3などの先端技術に対応できる高い技術力と、当社の保有する顧客ニーズやリソース・アセットを統合、または組み合わせることにより、早期かつ確実に当該ソリューションを実現できるものと考えております。フリービットは、当社の主力事業の持続的な成長を図りつつ、今後成長が見込まれる少子高齢化社会の領域において新規サービスの共同開発を行うことが可能となり、ひいては当社の成長機会の拡大につながるものと考えております。
(B)当社の既存主力サービスの販売機会の拡大
これまで当社は、主力サービスである全戸一括型マンションISPサービスについて、大手ハウスメーカーへのOEM提供といった協業を中心に営業体制の充実を図ることで、サービス提供戸数の拡大を図ってまいりました。今後更なる提供戸数の拡大に向けては、現状連携する大手ハウスメーカーが有する顧客に留まらず、より幅広いチャネルの顧客へのアプローチも必要であると考えております。そこで、フリービットグループが有する多様なチャネル及び顧客基盤や営業人材との協業による営業力を統合、又は適切に連携し活用することで、当社の顧客対応力の更なる強化を図っていくことが可能となり、主力サービスの販売機会の拡大に繋げられるものと考えております。
(C)ISPサービスのOEM提供による当社工事施工・バックオフィス業務などの受託増
従前からOEM提供を行う大手ハウスメーカーなどのパートナーに加え、フリービットグループの提携パートナーにより幅広くISPサービスのOEM提供を開始することで、当社の提供戸数拡大に資することはもとより、当社が強みとする自社工事体制を生かした工事施工やバックオフィス業務の受託といった事業規模の拡大を図ることができるものと考えております。またこの規模拡大によって、管理業務等の最適化・共通化が進み、業務効率の向上に一定の効果が見込まれるため、更なるコスト削減にも繋げられるものと考えております。
(D)共同調達スキーム構築による調達コストの低減と、将来に渡る持続可能な回線供給体制の確立
フリービットグループ各社の調達機能を集約することで機能重複を解消しつつ、通信回線、ネットワーク機器、ITソフトウェア、クラウド環境などを中心に各社の需要を集約し、一括調達を行うことで、当社の調達コストの低減と将来に渡って最先端の回線を早期に利用できるといった持続可能な回線供給体制を構築でき、効率的な経営の実現に資するものと考えております。
(E)固定・モバイル両サービスの一体的な提供による顧客満足度の向上
当社において基幹となる固定通信を軸としたHomeIT事業においては、市場飽和や新規事業者の参入等により事業者間の競争が激化しており、コスト競争力の高い安心安全なネットワークの実現がより重要となっています。また、固定通信に留まらずモバイル・Wi-Fiといった多様なサービス・通信方式への対応や、固定及びモバイルを包含したサービスの提供が求められております。フリービットグループの提携パートナーであるモバイル・固定の双方の回線を提供できる大手通信業者との連携強化により、当社が強みを発揮する固定回線サービスとモバイルサービスを掛け合わせ、融合サービスやセット割引を一体的に提供することで、当社の競争力を向上させ、当社エンドユーザに対し新たな顧客体験を提供することにより、顧客満足度を最大化できるものと考えております。
(F)上場維持コスト及び関連する業務負担軽減
当社を完全子会社化することにより、コーポレートガバナンス・コード等への対応を含めた近時の上場維持に係る業務負担や有価証券報告書等の継続的な情報開示、監査、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用に代表される上場維持に要する費用の削減が見込まれ、本取引を通じて、更なる事業成長への経営資源集中を図ることが可能になると考えております。当社経営陣についても、事業運営により専念する体制を確立することが可能になるものと考えております。
なお、当社は、本取引を通じて当社の株主が公開買付者らのみになることによる、取引先その他のステークホルダーへの影響や従業員のモチベーション低下の可能性について検討いたしました。もっとも、上記「③ 本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、フリービットとしては、双方の企業価値をさらに向上させる観点からフリービット及び当社との間で協議を行った上で決定する予定であり、現時点で具体的に想定している事実はないものの、当社を含むフリービットグループの経営資源をこれまで以上に当社に集約することにより、フリービットグループが一体となり、更なる企業価値向上に向けて邁進する方針であること、また、当社の従業員については本公開買付け後もこれまで同様の業務に継続して従事し、原則として引き続き同水準の処遇にて雇用を継続することを想定している方針であることを踏まえ、当社としては、当社が本取引を通じて当社の株主が公開買付者らのみとなることは、当社グループの取引先、従業員、その他のステークホルダーにおいて受け入れられると考えております。
また、当社は、(ⅰ)本公開買付価格が、プルータスによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の上限を大きく超過しており、類似会社比較法のレンジの範囲内であること、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内あること、また、プルータスから、本公開買付価格である当社株式1株当たり2,500円が、当社の株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得していること(ⅱ)本公開買付価格が、名古屋証券取引所ネクスト市場における、本公開買付け実施についての公表日の前営業日である2025年1月30日の当社株式の終値1,690円に対して47.93%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,675円(円未満を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対して49.25%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,698円に対して47.23%、直近6ヶ月の終値平均値1,684円に対して48.46%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、また、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)を公表した2019年6月28日から2024年10月31日までに公表された支配株主関係にある上場会社の非公開化を目的としたほかの公開買付けの事例152件における公表日の前営業日の終値、直近1ヶ月の終値単純平均値、直近3ヶ月の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの平均値により算出したプレミアム水準(公表日の前営業日の終値に対して41.61%、並びに直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して44.47%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して46.75%及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して47.27%)との比較において、公表日の前営業日である2025年1月30日までの直近1ヶ月間、3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準は直前日の終値で47.93%、直前日の過去1カ月の平均終値で49.25%、直前日の過去3カ月の平均終値で47.23%、直前日の過去6カ月の平均終値で48.46%のプレミアムであり、本公開買付価格は、本公開買付価格の当社普通株式の過去1ヶ月の株価、過去3ヶ月の株価及び過去6ヶ月の株価からは相応のプレミアムが付された水準にあると考えられること、(ⅲ)本公開買付価格の決定に際しては、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が採られており、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(ⅳ)本公開買付価格が、当該措置が採られた上で、当社とフリービットとの間で協議・交渉が複数回行われた上で決定されていること、(ⅴ)本公開買付価格の決定にあたっては、当社は、当社とフリービットの間における本取引に係る協議及び交渉の経緯並びに内容等を本特別委員会に対して適時に報告を行い、本特別委員会を開催して協議及び交渉の方針等を協議した上で、本特別委員会は協議及び交渉の重要な局面で意見を述べ、当社は本特別委員会の意見、指示及び要請を最大限尊重してフリービットと協議及び交渉を行っており、本特別委員会がフリービットとの交渉過程に実質的に関与した結果として、フリービットから、当初の提案された本公開買付価格である2,050円から450円引き上げられた2,500円という最終的な提案を受けていること、(ⅵ)本特別委員会から取得した本答申書においても、本取引の条件の公正性・妥当性は確保されていると認められると判断されていること等を踏まえ、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けが、当社の株主の皆様に対して、合理的なプレミアムを付した価格での当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年1月31日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明すると共に、当社の株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。上記取締役会決議の詳細は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 公開買付者らにおける独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
フリービットは、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者ら及び当社から独立した第三者算定機関としてのフィナンシャル・アドバイザーである大和証券に対し、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、大和証券は、公開買付者ら及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。
大和証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社の市場株価の動向を勘案した市場株価法及び当社の業績の内容や予想等を勘案したDCF法を算定方法として用いて、当社株式の株式価値を算定し、フリービットは、大和証券から2025年1月30日付で株式価値算定書(以下「買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」に記載の諸要素を総合的に考慮し、かつ、当社との協議及び交渉を経て本公開買付価格を決定しているため、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
買付者株式価値算定書によると、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価法:1,675円から1,698円
DCF法 :2,199円から2,783円
市場株価法では、2025年1月30日を算定基準日として、名古屋証券取引所ネクスト市場における当社株式の基準日の終値1,690円、直近1ヶ月間(2025年1月6日から2025年1月30日まで)の終値の単純平均値1,675円、直近3ヶ月間(2024年10月31日から2025年1月30日まで)の終値の単純平均値1,698円及び直近6ヶ月間(2024年7月31日から2025年1月30日まで)の終値の単純平均値1,684円を基に、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,675円から1,698円までと算定しているとのことです。
DCF法では、本事業計画案における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を基に、公開買付者で妥当と思われる数値を前提として、当社が2024年2月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を2,199円から2,783円までと算定しているとのことです。大和証券がDCF法による分析に用いた上記事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれておりませんが、フリー・キャッシュ・フローについては、2025年4月期において1,859百万円(対前年比278%)の増加を見込んでおります。かかる変動は、2024年4月期に通信機器等の調達コストを抑える為、他の事業年度に比べ多額の一括仕入れを行ったことによる原材料及び貯蔵品の増加に起因しているとのことです。また、本公開買付けにより実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。
公開買付者は、大和証券から取得した買付者株式価値算定書の算定結果に加え、公開買付者において2024年11月下旬から2024年12月下旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社の企業価値に特段の重大な影響を及ぼす事項が発見されなかったこと、当社株式の市場株価の動向、本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、かつ、当社との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2025年1月31日、本公開買付価格を1株当たり2,500円と決定いたしたとのことです。
なお、本公開買付価格である2,500円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年1月30日の名古屋証券取引所ネクスト市場における当社株式の終値1,690円に対して47.93%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月間(2025年1月6日から2025年1月30日まで)の終値単純平均値1,675円に対して49.25%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間(2024年10月31日から2025年1月30日まで)の終値単純平均値1,698円に対して47.23%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間(2024年7月31日から2025年1月30日まで)の終値単純平均値1,684円に対して48.46%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であるとのことです。また、本公開買付価格は、本書提出日の前営業日である2025年1月31日の名古屋証券取引所ネクスト市場における当社株式の終値1,684円に対して48.46%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
② 当社における独立した第三社算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社および公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者ら及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータスに対して、当社の株式価値の算定及び公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を依頼し、2025年1月30日付で、本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンを取得いたしました。なお、プルータスは、公開買付者ら及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、プルータスに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
(ⅱ)当社株式に係る算定の概要
プルータスは、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社の市場株価の動向を勘案した市場株価法、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法及び当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて、当社の1株当たりの株式価値の算定を行い、当社は、2025年1月30日付でプルータスより本株式価値算定書を取得しました。上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :1,675円から1,698円
類似会社比較法:2,362円から2,685円
DCF法 :2,330円から2,980円
市場株価法では、2025年1月30日を算定基準日として、当社株式の名古屋証券取引所ネクスト市場における基準日の終値1,690円、直近1ヶ月間(2025年1月6日から2025年1月30日まで)の終値単純平均値1,675円、直近3ヶ月間(2024年10月31日から2025年1月30日まで)の終値単純平均値1,698円及び直近6ヶ月間(2024年7月31日から2025年1月30日まで)の終値単純平均値1,684円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,675円~1,698円と算定しております。
類似会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として、株式会社ファイバーゲート及び株式会社ブロードエンタープライズを選定したうえで、EBITマルチプルを用いて算定を行い、当社株式の1株当たり価値の範囲を2,362円~2,685円と算定しております。
DCF法では、本事業計画を基に、2025年4月期から2027年4月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年4月期第2四半期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり価値の範囲を2,330円~2,980円と算定しております。なお、プルータスがDCF法で算定の前提とした本事業計画に基づく財務予測には、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりませんが、フリー・キャッシュ・フローについては、2025年4月期において2,738百万円(対前年比366%)の増加を見込んでおります。かかる変動は、2024年4月期に通信機器等の調達コストを抑える為、他の事業年度に比べ多額の一括仕入れを行ったことによる原材料及び貯蔵品の増加に起因しております。また、割引率は8.94%~11.70%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、算定しております。
プルータスがDCF法による分析に用いた当社財務予測においては、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上記算定には加味しておりません。
プルータスは、当社の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、また本公開買付価格の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でプルータスに対して未開示の事実はないこと等を前提としてこれに依拠しており、独自にそれらの正確性の検証を行っていないとのことです。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点での得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成され、当社の経営陣がその内容を精査した上でプルータスによる価値算定において使用することを了承したことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。プルータスの算定は、2025年1月30日までの上記情報を反映したものです。
なお、DCF法で算定の前提とした当社財務予測の数値は以下のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
2025年 4月期6カ月 |
2026年4月期 |
2027年4月期 |
|
売上高 |
11,707 |
24,284 |
26,558 |
|
営業利益 |
2,248 |
4,593 |
5,115 |
|
EBITDA |
2,398 |
4,713 |
5,259 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
2,032 |
2,786 |
3,144 |
(ⅲ)本フェアネス・オピニオンの概要
当社は、2025年1月30日付で、プルータスより、本フェアネス・オピニオンを取得しております(注11)。本フェアネス・オピニオンは、本事業計画に基づく当社株式の株式価値の算定結果等に照らして、本公開買付価格である当社株式1株当たり2,500円が、当社の株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータスが、当社から、事業の現状、将来の事業計画等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社株式の株式価値の算定結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータスが必要と認めた範囲内での当社の事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータスにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。
(注11) プルータスは、本フェアネス・オピニオンを作成するに当たって当社から提供を受けた基礎資料及び一般に公開されている資料、並びに当社から聴取した情報が正確かつ完全であることを前提としております。プルータスはその正確性、完全性について、独自の調査、検証を実施しておらず、その義務を負うものではありません。したがって、プルータスはこれらの資料の不備や重要事実の不開示に起因する責任を負いません。プルータスは、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた本事業計画その他の資料は、当該資料の作成時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としております。プルータスはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明するものではありません。プルータスは、法律、会計又は税務の専門機関ではありません。したがってプルータスは本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものでもありません。プルータスは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提出も受けておりません。したがって、プルータスは当社及びその関係会社の支払能力についての評価も行っておりません。本フェアネス・オピニオンは、当社が本公開買付けに関する意見を表明するに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものです。したがって、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何らの意見を述べるものではありません。本フェアネス・オピニオンは、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見も述べるものではありません。したがって、プルータスは本フェアネス・オピニオンに依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負いません。プルータスは、当社への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有しておりません。したがって、本フェアネス・オピニオンは株主の皆様に対して本公開買付けに関する応募その他の如何なる行動も推奨するものではありません。本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が、当社の一般株主にとって財務的見地から公正か否かについて、本フェアネス・オピニオン提出日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、同日までにプルータスに供され又はプルータスが入手した情報に基づいて、同日時点における意見を述べたものです。今後の状況の変化によりこれらの前提が変化しても、プルータスはその意見を修正、変更又は補足する義務を負いません。本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではありません。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、名古屋証券取引所ネクスト市場に上場しておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は、名古屋証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には名古屋証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を名古屋証券取引所ネクスト市場において取引することはできません。なお、上場廃止を目的とする理由、少数株主への影響及びそれに対する考え方につきましては、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)判断内容」に記載のとおりです。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
当社は、公開買付者より、本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)につき、以下の説明を受けております。
公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式(但し、フリービットが所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下のいずれかの方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式売渡請求
本公開買付けの成立により、公開買付者らが所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、フリービットが会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、フリービットは、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(但し、公開買付者ら及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)するか、又は、公開買付者と共に、下記②に記載の当社株式の株式併合を実施する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、フリービットは、その旨を当社に通知し、当社に対し株式売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、フリービットは、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。
なお、当社は、フリービットより株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会においてフリービットによる株式売渡請求を承認する予定です。
株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式売渡請求がなされた場合には、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者らが所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合、又は公開買付者らが所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となる場合であって、フリービットが株式売渡請求を行わない場合には、公開買付者らは、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを当社に要請する予定とのことです。本書提出日現在において、当社は公開買付者らの要請に応じ本臨時株主総会を開催する予定であり、本臨時株主総会の開催は2025年6月上旬頃を予定しております。なお、公開買付者らは、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又はフリービット若しくは公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。公開買付者らは当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者ら及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者らは、当社に対して、公開買付者らが当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者ら及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者らによるこれらの要請に応じる予定です。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者ら及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。
上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者ら及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主の皆様(公開買付者ら及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定とのことです。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなるとのことです。
なお、2025年7月31日までに株式併合の効力発生が見込まれる場合、公開買付者らは、当社に対し、2025年4月期に係る当社の定時株主総会(以下「本定時株主総会」といいます。)で権利を行使することができる株主を、フリービット及び公開買付者のみとするため、本定時株主総会の議決権の基準日の定めを廃する旨の定款の一部変更を行うことを要請する予定とのことです。そのため、2025年4月30日の株主名簿に記載又は記録された株主であっても本定時株主総会において権利を行使できない可能性があるとのことです。
上記の株式売渡請求及び株式併合の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者ら及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置
本書提出日現在において、公開買付者の親会社であるフリービットが当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、フリービットと当社のフリービット以外の株主との間で構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付けの公正性を担保し、利益相反を回避するため、以下の措置を講じております。
なお、公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、当社株式を所有していませんが、公開買付者の親会社であるフリービットは当社株式8,772,000株(所有割合:60.89%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者ら及び当社において、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、以下の措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。また、本特別委員会は、本答申書において、他の公正性担保措置が十分に講じられていると解されることに鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、株主の適切な判断機会の確保が欠缺しているとまで解する必要はないと考えられる旨判断しており、当社としても同様に判断しております。
なお、以下の記載のうち、公開買付者らにおいて実施した措置については、公開買付者らから受けた説明に基づくものです。
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
上記「(3)算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三社算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、当社は、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会における意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者ら及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータスに当社株式の株式価値の算定及び本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2025年1月30日付で本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンを取得しております。なお、プルータスは、公開買付者ら及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
また、本特別委員会において、プルータスの独立性及び専門性に問題がないことが確認されております。プルータスの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンの概要につきましては、上記「(3)算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三社算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照下さい。
② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定における公正性及び適正性を確保するために、公開買付者ら及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所から、2024年11月以降、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。
なお、森・濱田松本法律事務所は、公開買付者ら及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
また、本特別委員会において、森・濱田松本法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことが確認されております。同事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
③ 本特別委員会における独立した法律事務所からの助言
下記「⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、本公開買付けを含む本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定における公正性及び適正性を確保するために、公開買付者ら及び当社から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、中村・角田・松本法律事務所は、公開買付者ら及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。同事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
④ 当社における独立した検討体制の構築
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者らから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。
具体的には、当社は、2024年10月31日、フリービットから本意向表明書の提出を受けた時点以降、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、現にフリービットの役職員を兼任する当社の役職員について、当社株式の価値評価の基礎となる本事業計画の作成過程や、当社とフリービットとの間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程に関与させないこととしており、かかる取り扱いを継続しております。
また、かかる取り扱いを含めて、当社の社内において、役員2名(代表取締役佐藤寿洋、取締役植田健吾)、従業員4名(総務法務部次長、経理財務部次長、マネージャー、経営企画室担当マネージャー)にて、本取引の検討体制を構築しました。(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性の観点から問題がないことについては本特別委員会の確認を経ています。
⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本取引に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、森・濱田松本法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる当社の独立社外取締役及び独立社外監査役の独立性及び適格性等について確認を行うとともに、公開買付者らとの間で重要な利害関係を有していないこと及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、2024年11月15日開催の当社取締役会決議により、大瀧守彦氏(当社独立社外取締役)、大信田博之氏(当社独立社外取締役)、田宮昭氏(当社独立社外監査役)、及び西田弥代氏(当社独立社外監査役、弁護士)の4名によって構成される本特別委員会を設置いたしました(なお、特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。
そして、当社は、本特別委員会に対して、本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、本取引に係る手続の公正性・妥当性及び本取引の条件の公正性・妥当性に関する検討を踏まえ、①本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、当社取締役会に対し、本取引の実施を勧告するか、②当社取締役会が本取引の実施に関する決定を行うことが当社の少数株主にとって不利益なものでないか(以下「本諮問事項」といいます。)について諮問しております。
また、当社は、本特別委員会を、当社取締役会から独立した合議体であると同時に、当社及び当社の少数株主の利益を図る立場に立って本諮問事項について検討・判断する組織として位置づけ、当社取締役会において本取引に係る意思決定を行うに際して、本公開買付けへの賛否も含め、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、その実施を承認しない(本公開買付けに賛同しないことを含む。)ことを決議しております。更に、本特別委員会に対しては、(ⅰ)当社がフリービットとの間で行う交渉の過程に実質的に関与すること(必要に応じて、フリービットとの交渉方針に関して指示または要請を行うこと、及び、自らフリービットと交渉を行うことを含む。)、(ⅱ)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、必要に応じ、自らの財務若しくは法務等に関するアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社が負担する。)、または、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含む。)すること、(ⅲ)必要に応じ、当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本諮問事項の検討及び判断に必要な情報を受領すること、(ⅳ)その他本取引に関する検討及び判断に際して必要と特別委員会が認める事項について権限を付与することを決議しております。なお、本特別委員会の各委員に対しては、固定報酬が支払われることとされており、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
上記取締役会においては、構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除し、本取引の公正性を担保する観点から、当社の取締役8名のうち、フリービットの取締役を兼任する友松功一氏及び清水高氏、フリービットの従業員を兼務する田中正幸氏及び柴田巧氏を除く3名(佐藤寿洋氏、植田健吾氏及び大信田博之氏。大瀧守彦氏は所用により欠席。)にて審議の上、その全員一致により上記決議を行いました。
さらに、上記の取締役会の審議及び決議に参加しなかった友松功一氏、清水高氏、田中正幸氏及び柴田巧氏の4名が、会社法に定める特別の利害関係を有していない可能性があり、その場合、当該議案について取締役会の定足数を満たしていないことになる可能性があることから、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、フリービットにおいて取締役を兼任していない田中正幸氏及び柴田巧氏を加えた取締役5名にて改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議しました。
また、上記の当社取締役会においては、和田育子氏を除く監査役全員が当該決議に異議がない旨の意見を述べております。なお、構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除し、本取引の公正性を担保する観点から、フリービットの取締役を兼任する当社監査役である和田育子氏は、上記の当社取締役会に出席しておらず、意見を述べることを差し控えております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2024年11月15日より2025年1月30日まで合計11回開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度、電子メールや電話、Web会議等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行っております。
具体的には、本特別委員会は、まず、2024年11月15日、その独立性及び専門性等を確認の上、公開買付者ら及び当社から独立した当社の独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任する旨の決定をいたしました。また、同日、本特別委員会は、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス並びに当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所について、その独立性及び専門性等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しております。さらに、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本公開買付けの検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性及び公正性の観点から問題がないことを承認しております。
その上で、本特別委員会は、本諮問事項の検討に当たり、当社から、本取引の経緯、当社の事業内容・事業環境、業績推移、主要な経営課題、本取引により当社の事業に対して想定されるメリット・デメリット等について説明を受け、質疑応答を行いました。また、フリービットに対し、本取引を提案するに至った検討過程、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後に予定している当社の経営方針等について書面による質問状を2回送付し、これらの事項に対し書面での回答を受領するとともに、本取引を提案するに至った経緯及び本取引の意義・目的等に関する説明をフリービットから直接受け、質疑応答を行いました。
また、本特別委員会は、フリービットとの交渉の基礎となり、また、プルータスによる当社株式の価値評価の基礎ともなる本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について、当社から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認し、承認しております。その上で、上記「(3)算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三社算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータスは、本事業計画の内容を前提として当社株式の価値算定を実施しており、本特別委員会は、別途プルータスから、当社株式の株式価値の算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。
また、上記「(3)算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三社算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、当社はプルータスから本フェアネス・オピニオンの提出を受けておりますが、本特別委員会は、プルータスから、本フェアネス・オピニオンの発行手続等について説明を受け、質疑応答を行っております。
加えて、本特別委員会は、当社より、当社とフリービットとの間の公開買付価格を含む本取引の取引条件に係る交渉状況の説明を適時に受け、質疑応答を行いました。また、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行いました。
また、本特別委員会は、2025年1月7日に当社がフリービットから最初の公開買付価格の提案を受領して以降、当社がフリービットから公開買付価格についての提案を受領する都度、当社のフィナンシャル・アドバイザーであるプルータスから適時にその内容及び交渉経過等について報告を受け、プルータスから聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討するとともに、プルータスからフリービットとの交渉方針案及びフリービットに対する回答書案について事前に説明を受けた上、本特別委員会内で交渉方針及び回答書案を協議し、必要に応じて意見を述べた上で承認し、フリービットとの交渉を担当するプルータスに対して指示・要請を行う等しております。
本特別委員会は、本プレスリリース等のドラフトについて、本特別委員会のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所の助言等を受けつつ、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス及びリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から説明を受け、質疑応答を行い、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、上記の各調査、協議及び検討の内容を踏まえ、本特別委員会のリーガル・アドバイザーである中村角田松本法律事務所からの法的助言、プルータスから受けた財務的助言、並びに2025年1月30日付で提出を受けた本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンの内容も踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行った結果、2025年1月30日に、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の答申書を提出しております。
(a)答申内容
1.本特別委員会は、本取引が当社の企業価値向上に資するものであってその目的には合理性が認められること、また、本取引に係る手続の公正性・妥当性及び本取引の条件の公正性・妥当性が認められることを踏まえた上で、当社取締役会が本公開買付けに賛同するべきであり、また当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきであると考え、当社取締役会に対し、本取引の実施を勧告する。
2.当社取締役会が本取引の実施に関する決定を行うことは、当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められる。
(b)答申理由
1.本諮問事項1.(本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、当社取締役会に対し、本取引の実施を勧告するか)に対する答申
(1)本取引の目的の合理性
以下の点より、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は正当で合理的と認められる。
ア 当社の予測しているシナジー
本特別委員会は当社から、本取引及びそれと同時に公表される本資本業務提携によるシナジーとして、大要以下のような点に期待ができる旨の説明がされた。
(ア)当社主力サービスの市場優位性向上及び新たな成長領域における新規サービスの開発
・当社の主力事業であるHomeIT事業において、フリービットグループのネットワークを活かすことで、当社が保有していないモバイルネットワーク及び光ファイバー網等のキャリアアセットなどを適切に活用し、サービスの高付加価値化を実現していくことで他社との更なる差別化を強化していくことが可能になる。
・また、フリービットの技術と当社のアセットを統合することで、今後成長が見込まれる少子高齢化社会の領域において新規サービスの共同開発を行うことが可能となる。
(イ)当社の既存主力サービスの販売機会の拡大
従来の大手ハウスメーカーに加えフリービットグループが有する多様なチャネル及び顧客基盤等を活用し、主力サービスの販売機会の拡大に繋げられる。
(ウ)ISPサービスのOEM提供による当社工事施工・バックオフィス業務などの受託増
従来の大手ハウスメーカーに加え、フリービットグループの提携パートナーにより幅広くISPサービスのOEM提供を開始することで、工事施工やバックオフィス業務の受託といった事業規模の拡大を図ることができる。
(エ)共同調達スキーム構築による調達コストの低減と、将来に渡る持続可能な回線供給体制の確立
フリービットグループ各社の調達機能を集約して一括調達を行うことで、当社の調達コストの低減と将来に渡って最先端の回線を早期に利用できるといった持続可能な回線供給体制を構築できる。
(オ)固定・モバイル両サービスの一体的な提供による顧客満足度の向上
フリービットグループの提携パートナーであるモバイル・固定の双方の回線を提供できる大手通信業者との連携強化により、当社が強みを発揮する固定回線サービスとモバイルサービスを掛け合わせ、当社の競争力を向上させ、顧客満足度を最大化できる。
(カ)上場維持コスト及び関連する業務負担軽減
イ フリービットが本取引の実施後に企図する企業価値向上策
・本特別委員会はフリービットから、本取引の実施後にフリービットが企図している当社の企業価値向上策及び想定している効果として、大要以下の説明を受け、また本取引及び本資本業務提携が当社の抱える事業リスクを低減させる効果を有するとの説明を受けている。
(ア)コスト・品質競争力の飛躍的向上と持続可能な回線供給体制の構築
現在、当社が回線調達する戸あたりコストと比較し非常に低価格での調達ができるようになり、かつスペックについても、現在の1Gだけでなく、10G回線の調達も見据えたものとなっていること
(イ)モバイルサービスセット割引等による顧客の満足度向上と販売促進
携帯電話料金とのセット割引の提供が可能となり、当社にとって競合他社と比べた差別化が可能になり販売促進に繋がること
(ウ)キャリア販路の開拓・拡大による営業体制の強化
ソフトバンクの販路で当社のサービスを販売することで営業体制が強化されること
(エ)工事施工・バックオフィス業務などの受託増
ソフトバンクから当社に対する工事発注が期待できること
(オ)新たな成長領域における新規サービスの開発と顧客利便性の向上
ソフトバンクグループとフリービットグループがIoT技術を用いたアプリケーションサービスを展開し、高齢者の見守り等の新たなサービスの創出が期待できること
(カ)上場維持に関する費用等の削減及び両社間での人材交流
ウ 本特別委員会の評価
・当社の予測しているシナジーについて、当社及びフリービットが本取引の実施後に企図している当社の企業価値向上策(上記ア及びイ)は、互いに矛盾することもなく、本取引に関与する当事者間で認識も一致しているものである。
・このことは、当社がフリービットとの間で、価値創造委員会における議論を通じて、当社とフリービットとの間での事業環境に関する認識のすりあわせができたことが背景にあるものと考えられる。
・また、経済産業省作成の2023年8月31日付「企業買収における行動指針」も指摘するとおり、企業価値の向上に資するか否かについては定量的な評価を行うことが必要であるところ、本取引に関して当社及びフリービットが予測しているシナジーは、定性的なストーリーに留まることなく、調達コストの低減やモバイルサービスセット割引の実施等、定量的な側面からも十分に説明が可能な内容になっている。
エ スキームの妥当性
本取引によるシナジーは、その多くが本資本業務提携によりもたらされるものであるが、フリービットからの説明によれば、スキーム上も、本取引と本資本業務提携が一体の取引として実施されることが想定されており、例えば本公開買付けが開始されたにもかかわらず本資本業務提携が発効しないといった事態が生じる可能性は低いと考えられる。
(2)本取引に係る手続の公正性・妥当性
以下の点より、本取引においては、公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
ア 特別委員会の設置
以下のような特別委員会の設置及び運用の状況からすれば、本特別委員会は公正性担保措置として有効に機能していると認められる。
(ア)本特別委員会は、取引条件が公開買付者らと当社との間で決定される前の段階で設置されていること
(イ)本特別委員会は、委員全員が公開買付者らからの独立性及び本取引の成否からの独立性が確保されているほか、委員の中で、当社との間で本取引が成立した場合に成功報酬を受け取る旨を合意している者は存在しないこと、M&A指針で最も委員としての適格性が認められている独立社外取締役及び独立社外取締役に次いで委員としての適格性が認められるものとされている独立社外監査役のみにより構成されていること
(ウ)本取引においては、当社がフリービットと本公開買付価格について協議する場合には、必ず当社が事前に特別委員会に対応について確認を求め、これに対して特別委員会がフリービットに対する回答の方針について当社に意見を述べ、当該意見に従って当社からの回答案が作成された結果、本特別委員会が取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保していること
(エ)本特別委員会は、当社及び公開買付者らから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、手続の公正性に関する専門的知見に基づき検討・判断をしてきたこと
(オ)本特別委員会は、当社のビジネスの特徴に関する知見(本特別委員会の委員のうち2名は当社の独立社外取締役である。)、企業価値評価への知見(本特別委員会の委員のうち1名がコンサルティング事業の出身であり、またもう1名が金融機関の出身である。)、法律面での知見(本特別委員会の委員のうち1名が弁護士である。)がいずれも委員により充足されており、特別委員会のアドバイザーと相俟って、本諮問事項の検討を行うに当たって十分な適性を有していること
(カ)本特別委員会は、少数株主に代わり、本取引について予定されている開示文書や想定されるシナジーに関する重要な情報を入手し、さらに両当事者にインタビューを行って本取引に関する詳細な確認を行い、これらを踏まえて検討・判断を行ったこと
(キ)当社取締役会は、当社取締役会が特別委員会の意見を最大限尊重の上で本取引に係る決議を実施することとし。特別委員会が本取引の条件を妥当でないと判断した場合には当社取締役会は本取引を承認しないこととしていること
イ 当社における意思決定プロセス
・当社の役員12名のうち、現にフリービットの役職員を兼任している役員5名は、田中正幸取締役及び柴田巧取締役が本特別委員会の設置に係る2024年11月15日付当社の取締役会における2段階目の決議にのみ参加し、また田中正幸取締役が本公開買付けへの応募推奨に係る2025年1月31日付取締役会に参加する予定である点を除き、当社取締役会の審議及び決議に参加していない。
・また、本公開買付けへの応募推奨に係る当社取締役会においては、1段階目として、上記のような利害関係のある取締役を審議から外し、全員一致により決議を行った上で、2段階目として、上記のような利害関係のない取締役に田中正幸取締役を加え、改めて全員一致により決議がされる予定である。
・M&A指針において、M&Aへの賛否を決定する取締役会決議において、当該M&Aに重要な利害関係を有する者を除く取締役全員の賛成及び監査役全員の異議がない旨の意見があった場合には、公正性担保措置が有効に機能したことを示す事情の一つとなるとされている。
・なお、上記のような2段階の決議を行うことは、会社法上の特別利害関係人の考え方をも踏まえて、取締役会の定足数を充たす決議をしつつ、利益相反の問題による影響を可能な限り排除する観点から行われるものであるため、公正である。
・以上から、当社における意思決定プロセスに関して、公正性に疑義のある点は見当たらない。
ウ 外部専門家の専門的助言等の取得
(ア)法務アドバイザーからの助言の取得
当社取締役会は、意思決定につき、リーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から助言を受けており、弁護士による独立した専門的助言を取得したと認められる。
(イ)第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
・当社取締役会は、本公開買付価格の公正性を担保するために、独立した第三者算定機関であるプルータスから、当社株式の株式価値に関する資料としての本株式価値算定書を取得している。
・その上で、プルータスの独立性については、本特別委員会が直接プルータスから、プルータス並びに公開買付者ら及び当社との間に継続的な取引関係がないこと、また成功報酬制が採用されていないことを確認済みである。
・以上から、本株式価値算定書は、独立した第三者評価機関による株式価値算定書であると認められる。
(ウ)本フェアネス・オピニオンの取得
・当社は、本公開買付価格の公正性を担保するために、当社FAから本公開買付価格である当社株式1株当たり2,500円が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものと考える旨の本フェアネス・オピニオンを取得している。
・本特別委員会は、本フェアネス・オピニオンをもって、公正性担保措置として積極的に評価することができるものと考える。
エ マーケット・チェック
・本公開買付けの買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)は、30営業日に設定されている。これは、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保するものと認められる。
・このように、本件では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されている。
・なお、フリービット及び当社の間で2025年1月31日付で締結された公開買付けに係る覚書(以下「本覚書」といいます。)において、当社が本公開買付けと実質的に競合、矛盾、抵触する又はそれらの具体的なおそれのある取引(以下「競合取引」といいます。)を行ってはならない旨及び当社が競合取引に関する提案等を行ってはならない旨の取引保護条項が存在する。もっとも、本覚書における取引保護条項にはFiduciary Out条項が設けられており、一定の要件を満たすことで、当社が法律顧問による助言を踏まえて競合取引に係る提案に対する情報提供等を行うことが認められており、かつ、その場合に当社に損害賠償や違約金の支払義務も課されていないことからすれば、本覚書における取引保護条項があっても、間接的なマーケット・チェックの効果が阻害されるものではないと考えられる。
オ マジョリティ・オブ・マイノリティ
・本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティが設定されていない。
・本件では、マジョリティ・オブ・マイノリティ以外の各種の方策により少数株主の利益は十分に図られていると考えられることからすれば、この点が理由で株主の適切な判断機会の確保が欠缺しているとまで解する必要はないと考えられる。
カ 少数株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の確保
・本プレスリリースでは、(ⅰ)算定の前提とした当社のフリー・キャッシュ・フロー予測、及びこれが当該M&Aの実施を前提とするものか否か、(ⅱ)算定の前提とした財務予測の作成経緯のほか、(ⅲ)割引率及び(ⅳ)継続価値の算定方法が記載されている。
・その他の情報についても、M&Aの実施に至るプロセスや交渉経緯に関し、当社プレスリリースで、充実した記載がされているものと認められる。
キ 強圧性の排除
・本取引のうち本スクイーズアウト手続は、株式併合又は株式売渡請求を用いるスキームにより実行するとされている。いずれのスキームを用いる場合でも、株主には、価格決定の申立てを行う権利が認められ、しかも、本プレスリリースでその旨が明示的に開示されている。
・本プレスリリースでは、本スクイーズアウト手続は本公開買付け終了後速やかに行われ、本スクイーズアウト手続の際に少数株主に対して交付される金銭は本公開買付価格と同一の価格とすることが予定されている旨が開示されている。
・以上からすれば、本取引については、強圧性を排除するための対応が行われていると認められる。
(3)本取引の条件の公正性・妥当性
以下の点より、本取引の条件の公正性・妥当性は確保されていると認められる。
ア 本取引における交渉状況
・本特別委員会は、本取引に係る取引条件等について公開買付者と交渉を行う権限を付与されていたこともあり、説明の都度、本公開買付価格の提案についての諾否の意見を述べた。また、それに留まらず、本特別委員会は、フリービットからの提案を拒絶する場合に、当社側から価格の提案を行うべきか否か、また価格の提案を行うとすればそれをいくらと設定すべきか及びその根拠についても意見を述べた。
・実際の交渉のプロセスにおいても、当社及びプルータスからフリービットに対して本公開買付価格に関する書面による連絡を行う場合には、本特別委員会が事前にその内容を閲覧し、本特別委員会における議論の方向性を正確に反映した内容になっていることを確認した。
・このように、交渉過程における本特別委員会の意見は、単に望ましい本公開買付価格についての所見を述べてあとは当社に任せるといったものではなく、交渉方針やフリービットに対する返答のあり方等の具体的な点についても具体的な意見及び要望を述べ、それをもとに当社としての交渉のスタンスを固めていくという形で実施された。
・このようなプロセスを経て、本特別委員会が複数回に亘ってフリービットからの本公開買付価格の提案を拒絶し、4回に上る上積みがされた結果として、最終的に本特別委員会が本公開買付価格を2,500円とすることについて了承したことによって、本公開買付価格が確定した。なお、本公開買付価格は、交渉の結果として、当初のフリービットの提案よりも450円の上積みがされる価格となった。
・以上のとおり、本特別委員会は、本公開買付価格の交渉について、与えられた権限を踏まえて主体的に関与した。そしてこのような交渉により、少数株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して交渉がされた経緯が認められる。
・以上からすれば、本件の公開買付者らとの取引条件に関する協議・交渉過程において、企業価値を高めつつ少数株主にとってできる限り有利な取引条件でM&Aが行われることを目指して合理的な努力が行われる状況が確保されていたと評価することができる。
イ 株式価値算定と本公開買付価格の関係
以下の点より、本特別委員会は、本公開買付価がプルータスにより算定された当社株式価値等との比較の観点からしても、少数株主にとって不利益ではない水準に達していると考える。
(ア)本事業計画
・本件で株式価値算定の基礎となる本事業計画は、スタンドアローン・ベースのものとなっているが、そのことは不合理なものではない。
・本特別委員会は本事業計画の策定経緯についてもヒアリング等において当社に確認したが、策定に関して恣意的な点は見当たらなかった。具体的には、本特別委員会は、本事業計画について、その作成方法・作成過程(本取引と利害関係を有する者が本事業計画の作成に関与していないことを含む。)及び内容(本事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含む。)について、本事業計画が意図的に当社の株式価値評価を押し下げるために抑制されていないかを検証した。さらに本特別委員会は、プルータスより、本事業計画は恣意的にアグレッシブ又は保守的に策定されているものではなく、合理的と考える旨の報告も受けている。
・なお、本特別委員会は、本事業計画の作成過程において、公開買付者らの関係者が関与していないことを、当社のみならずフリービットに対しても確認している。
・以上からすれば、本事業計画については、策定プロセス、策定方法のいずれからみても、公開買付者らの恣意的な圧力が介在した事実は認められない上、内容も合理的なものと認められる。
(イ)株式価値算定の結果
・本公開買付価格である1株当たり2,500円という価格は、(ⅰ)市場株価法により算定された当社1株当たり株式価値の上限を大きく超過しており、(ⅱ)類似会社比較法により算定された当社1株当たり株式価値のレンジの範囲内にあり、かつ、(ⅲ)DCF法により算定された当社1株当たり株式価値のレンジの範囲内にある。
・また、当社は、プルータスから本フェアネス・オピニオンも取得しており、かかる事実も本公開買付価格の公正性を裏付けるものであると評価できる。
ウ プレミアムの検討
・本公開買付価格は、2025年1月30日(以下本段落において「直前日」という。)までの名古屋証券取引所ネクスト市場における当社株式の終値に対して、直前日の終値で47.93%、直前日の過去1カ月の平均終値で49.25%、直前日の過去3カ月の平均終値で47.23%、直前日の過去6カ月の平均終値で48.46%のプレミアムを加えた金額となっている。
・本公開買付価格は、直前日の終値ベース並びに直前日の過去1カ月、過去3カ月及び過去6カ月の平均値ベースのすべての参照値との関係で、他の類似事例のプレミアム水準を、平均値・中央値いずれとの関係でも上回っている。
・さらに、当社株式の株価推移からみると、最後に本公開買付価格と同水準の市場株価であったのは2020年1月20日であり、本公開買付価格は、過去5年に亘る期間の当社の株価の終値での最高値を上回る水準であること、さらに過去10年を遡っても、当社の株価の終値が2,500円以上であった日は18日しかなかったことが認められる。
エ スキームの妥当性
・本公開買付けは現金を対価とするものであり、かつ、本スクイーズアウト手続において、本公開買付けに応募しなかった少数株主に交付する金銭の額は本公開買付価格と同額に設定することが想定されている。
・本件ではフリービット自身による株式交換は採用されていないが、一般論として株式より金銭の方が流動性の点で高いことは事実であるから、当社の少数株主に対しては、現金をもって買収対価として、(ⅰ)その後に引き続き当社を含むフリービットグループに投資したいと考えればフリービットの株式に再投資をし、(ⅱ)本取引後のフリービットグループの投資を行う気がなければその他の投資先に資金を投入するという選択肢を与えることも合理的であると考えられる。
・したがって、本取引のスキームは、当社の少数株主にとって適切な投資回収の機会を与えるという意味からも、合理的なものであると考えることができる。
2.本諮問事項2.(当社取締役会が本取引の実施に関する決定を行うことが当社の少数株主にとって不利益なものでないか)に対する答申
・本特別委員会は、本取引が当社の企業価値向上に資するものであってその目的には合理性が認められること、また、本取引に係る手続の公正性・妥当性及び本取引の条件の公正性・妥当性が認められることを踏まえた上で、当社取締役会が本公開買付けに賛同するべきであり、また当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきであると考える。
・以上から、当社取締役会が本取引の実施に関する決定を行うことは、当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められる。
⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、森・濱田松本法律事務所から得た本取引に関する意思決定の過程及び方法その他の留意事項についての法的助言、プルータスから受けた財務的見地からの助言並びに本株式価値算定書及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の是非及び本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性について慎重に協議・検討を行った結果、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年1月31日開催の当社取締役会において、本公開買付けに対して、賛同の意見を表明すると共に、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
上記の当社取締役会においては、構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除し、本取引の公正性を担保する観点から、当社の取締役8名のうち、フリービットの取締役を兼任する友松功一氏及び清水高氏並びにフリービットの従業員を兼務する田中正幸氏及び柴田巧氏を除く4名の取締役(佐藤寿洋氏、植田健吾氏、大瀧守彦氏及び大信田博之氏)にて審議の上、その全員一致により上記決議を行いました。
さらに、上記の当社取締役会の審議及び決議に参加しなかった友松功一氏、清水高氏、田中正幸氏及び柴田巧氏の4名が、会社法に定める特別の利害関係を有していない可能性もあり、その場合、当該議案について取締役会の定足数を満たしていないことになる可能性があることから、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、上記4名の取締役のうち、フリービットの取締役を兼務しておらず、かつ、本取引に際して、フリービット側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における当社の意思決定に関して利益相反関係が低いと考えられる、田中正幸氏を加えた取締役5名にて改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議しております。
また、上記の当社取締役会においては、和田育子氏を除く監査役全員が当該決議に異議がない旨の意見を述べております。なお、構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除し、本取引の公正性を担保する観点から、フリービットの取締役を兼任する当社監査役である和田育子氏は、上記の当社取締役会に出席しておらず、意見を述べることを差し控えております。
なお、当社の取締役のうち、フリービットの取締役を兼任する友松功一氏及び清水高氏並びにフリービットの従業員を兼務する田中正幸氏及び柴田巧氏は、構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除し、本取引の公正性を担保する観点から、田中正幸氏及び柴田巧氏が2024年11月15日開催の当社取締役会の二段階目の決議のみに、田中正幸氏が2025年1月31日開催の当社取締役会の二段階目の決議のみに参加したことを除き、本取引の検討に関する審議及び決議に一切参加しておらず、また、当社の立場において、本取引に関して、フリービットとの協議及び交渉に一切関与しておりません。
⑦ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者らは、上記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式の全ての株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(但し、公開買付者ら及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明らかにしていることから、当社としては、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮されていると考えております。
また、公開買付者らは、公開買付期間について、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定しているとのことです。このように公開買付期間を法定の最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様が本取引の是非や本公開買付価格の妥当性について熟慮し、本公開買付けに対する応募の是非について適切な判断を行うための期間を提供しつつ、対抗的な買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性を担保することも企図しているとのことです。
なお、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本覚書」に記載のとおり、フリービット及び当社の間で2025年1月31日付で締結された本覚書においては、当社は、本特別委員会において、当社の取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うこと(これらの意見を、以下「本意見」といいます。)について肯定的な内容の答申(以下「本答申」といいます。)が行われており、かつ、本答申が撤回又は変更されていないことを条件として、当社の取締役会において、本公開買付けに関し、本覚書の締結日に、法令等に従い、本意見の表明に係る決議を行い、その内容を公表し、かつ、2025年1月31日から公開買付期間満了までの間、本意見を変更せず維持し、これと矛盾する決議を行わないものとする条項が定められており、また、当社は、公開買付期間満了までの間、直接又は間接を問わず、フリービット又は公開買付者以外の者との間で、競合取引を行ってはならず、競合取引に関する提案、主体的な接触、勧誘、情報提供、協議又は合意を行ってはならないものとする条項が定められております。しかし、本覚書においては、本意見を変更せず維持すること若しくは本意見と矛盾する決議を行わないこと又は真摯な競合取引に係る提案(当社が競合取引に関する上記条項に違反することなく、フリービット又は公開買付者以外の第三者から競合取引の提案を受けた場合において、当該提案が真摯な提案であると当社の取締役会が合理的に判断したものとし、以下「競合提案等」といいます。)を受けた場合に情報提供、協議若しくは合意を行わないことが、当社の法律顧問による助言を踏まえて、その取締役の善管注意義務に違反すると合理的に判断する場合には、フリービットに事前にその内容及び理由を説明し、対応についてフリービットと誠実に協議するものとされており、当社は、フリービットとの間で誠実に協議をしてもなお、当社が本意見を変更せず維持すること又は本意見と矛盾する決議若しくは競合提案等に係る情報提供、協議若しくは合意を行わないことが、当社の法律顧問による助言を踏まえて、当社の取締役の善管注意義務に違反すると合理的に判断する場合で、当社の特別委員会が本意見に関する肯定的な内容の答申を撤回した場合には、本意見を撤回若しくは変更し、又は、本意見と矛盾する決議若しくは競合提案等に係る情報提供、協議若しくは合意を行うことができるものとされています。また、本覚書上、当社が本覚書の内容に従ってかかる本意見の撤回又は変更等を行ったことにより、損害賠償義務、違約金の支払義務その他名目の如何を問わず何らかの義務、負担又は条件を課される旨の定めは規定されておりません。当社としては、本覚書の合意内容は、上記の公開買付期間の設定によって対抗的な買付け等の機会が確保されていることにも鑑みれば、株主にとってより望ましい内容の対抗的な買付け等が行われる機会を阻害するものではないと考えております。
(7)本公開買付けに関する重要な合意に関する事項
① 本資本業務提携契約
フリービットは、2025年1月31日付で、ソフトバンクとの間で、本資本業務提携契約を締結しているとのことです。本資本業務提携契約における本公開買付けに関する重要な合意の概要は以下のとおりとのことです。
(ⅰ)目的
・フリービット及びソフトバンクは、本資本業務提携を実施することを通じて、本第三者割当(本公開買付けの成立を条件として、ソフトバンクに対して、フリービットの普通株式1,600,000株(議決権割合:7.35%(小数点第3位四捨五入))を第三者割当による自己株式の処分の方法により割り当てること(払込期間:2025年4月2日から2025年4月16日)をいいます。)、並びに、本公開買付けの成立後に、①web3技術を用いた非中央集権型インターネットアーキテクチャの実現、及び②モバイルサービス等と連携した次世代の固定ブロードバンド事業及び周辺事業の創造を実現することを目的とする。
(ⅱ)本公開買付けに関する事項
・フリービットは、本資本業務提携契約の締結日において、本公開買付けを行う旨の取締役会決議を行いその旨を公表するとともに、本資本業務提携契約の締結日の翌営業日において、法令等に従い、公開買付者をして、本公開買付けに係る公開買付届出書を提出させる。
・本公開買付けを撤回する場合、又はその条件を変更する場合、フリービットは事前又は事後速やかにソフトバンクにその内容及び理由を通知する。
・フリービットは、本第三者割当に係る払込金額のうち、発行諸費用に相当する金額を除いた金額を、本公開買付けの決済資金の確保のために、公開買付者をして、株式会社三菱UFJ銀行及び株式会社三井住友銀行から借り入れさせた金銭の返済に充当する。
(ⅲ)その他当社株式に関する事項
・フリービットは、本第三者割当の実行日以降、その保有する当社株式の全部又は一部の売却、承継、担保設定その他の処分を行い又は決定しようとする場合には、本資本業務提携への影響が生じないよう、事前にソフトバンクとの間で協議を行う。
(ⅳ)業務提携に関する事項
・フリービット及びソフトバンクは、本第三者割当の実行後、本資本業務提携の目的を達成するため、以下を含む事項(注12)の実現に向けて双方が協力を行うことを合意する。また、フリービットは、当社をして、以下に定める事項の実現に向けて、ソフトバンクに協力させる。
① フリービットの戸建て向け及び当社の集合住宅向けISPサービスにおけるソフトバンクの固定回線の利用
フリービットの戸建て向け及び当社の集合住宅向けISPサービスに対して市場競争力のあるソフトバンクの固定回線を利用し、フリービット及び当社が提供するサービスの差別化を図るものとする。
② ユーザーに対するソフトバンクのモバイル回線とのセット割引及びモバイル回線の拡販に向けた取り組み
フリービットの戸建て向け及び当社による集合住宅向けISPサービスの提供において、ソフトバンクのモバイル回線とのセット割引により、フリービット及び当社は提供するサービスの差別化を図ると共に、ソフトバンクのモバイル回線の拡販に取り組むこととする。
③ 集合住宅市場におけるソフトバンクとの協業による顧客基盤の拡大に向けた取り組み
集合住宅市場におけるソフトバンクとの協業による顧客基盤の拡大のため、ソフトバンク及びフリービットと当社は、集合住宅向けソリューションの共同開発及びビジネスプランの共同検討等について取り組むこととする。
(注12) 上記①乃至③の他、本資本業務提携契約においては、フリービット及びソフトバンクの業務のみを対象とした業務提携内容にかかる定めが置かれているとのことです。
(ⅴ)その他
・本資本業務提携契約において、フリービットは、本第三者割当の実行日までの間、当社及びその子会社に関して、当社をして、善良な管理者の注意をもって、本資本業務提携契約の締結日以前における通常の業務の範囲内で、その事業を行わせ、かつ、その財産の管理及び運営を行わせるよう、実務上可能な範囲で努力するものとされているとのことです。
② 本覚書
フリービット及び当社は、本公開買付けの実施にあたり、2025年1月31日付で、本覚書を締結しております。本覚書の概要は以下のとおりです。
(ⅰ)フリービットは、本覚書の規定に従い、公開買付者をして、本公開買付けを開始させ、本公開買付けが成立した場合には、下記(ⅱ)が遵守されていることを条件に、本覚書に従い、本取引を実施するものとされております。
(ⅱ)当社は、本特別委員会において本答申が行われており、かつ、本答申が撤回又は変更されていないことを条件として、本公開買付けに関し、①2025年1月31日に、その取締役会において、法令等に従い、本意見の表明に係る決議を行い、その内容を公表し、かつ、②2025年1月31日から公開買付期間満了までの間、本意見を変更せず維持し、これと矛盾する決議を行わないものとされております。
(ⅲ)当社は、公開買付期間満了までの間、直接又は間接を問わず、フリービット又は公開買付者以外の者との間で、実質的に競合、矛盾、抵触する又はそれらの具体的なおそれのある取引(以下「競合取引」といいます。)を行ってはならず、競合取引に関する提案、主体的な接触、勧誘、情報提供、協議又は合意を行ってはならないとされています。
(ⅳ)当社は、本意見を変更せず維持すること若しくは本意見と矛盾する決議を行わないこと又は競合提案等を受けた場合に情報提供、協議若しくは合意を行わないことが、当社の法律顧問による助言を踏まえて、その取締役の善管注意義務に違反すると合理的に判断する場合には、フリービットに事前にその内容及び理由を説明し、対応についてフリービットと誠実に協議するものとされております。また、当社は、フリービットとの間で本(ⅳ)に従って誠実に協議をしてもなお、当社が本意見を変更せず維持すること又は本意見と矛盾する決議若しくは競合提案等に係る情報提供、協議若しくは合意を行わないことが、当社の法律顧問による助言を踏まえて、当社の取締役の善管注意義務に違反すると合理的に判断する場合で、当社の特別委員会が本意見に関する肯定的な内容の答申を撤回した場合には、本意見を撤回若しくは変更し、又は、本意見と矛盾する決議若しくは競合提案等に係る情報提供、協議若しくは合意を行うことができるとされています。
(ⅴ)その他、本覚書においては、本取引の実施に係る事項、当社による一定事項の確認(注13)、並びに、公開買付者及び当社の一定の義務(注14)が定められております。
(注13) 本覚書において、当社は、未公表の重要事実等の不存在について確認しております。
(注14) 本覚書において、当社は、大要、①通常の業務の範囲内で当社グループの事業運営を行う義務、②本取引の実施に必要な手続の履践及び本取引の実施についての実務上合理的な範囲での公開買付者に対する協力義務、並びに③未公表の重要事実を認識した場合のフリービットに対する通知及びフリービットとの間の誠実協議義務を、公開買付者は、大要、本取引の実施に必要な手続の履践及び本取引の実施についての実務上合理的な範囲での当社に対する協力義務を、それぞれ負担しております。
|
氏名 |
役名 |
職名 |
所有株式数(株) |
議決権数(個) |
|
佐藤 寿洋 |
代表取締役社長 |
- |
133,300 |
1,333 |
|
植田 健吾 |
取締役 |
- |
29,200 |
292 |
|
大瀧 守彦 |
取締役 |
- |
1,800 |
18 |
|
大信田 博之 |
取締役 |
- |
1,900 |
19 |
|
清水 高 |
取締役 |
- |
7,800 |
78 |
|
友松 功一 |
取締役 |
- |
600 |
6 |
|
田中 正幸 |
取締役 |
- |
- |
- |
|
柴田 巧 |
取締役 |
- |
- |
- |
|
木村 賢治 |
監査役(常勤) |
- |
2,500 |
25 |
|
田宮 昭 |
監査役 |
- |
60,800 |
608 |
|
西田 弥代 |
監査役 |
- |
4,300 |
43 |
|
和田 育子 |
監査役 |
- |
1,200 |
12 |
|
計 |
- |
- |
243,400 |
2,434 |
(注1) 所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役大瀧守彦及び大信田博之は、社外取締役です。
(注3) 監査役田宮昭及び西田弥代は、社外監査役です。
(注4) 監査役西田弥代の戸籍上の氏名は、川口弥代です。