当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループはこれまで、①「住宅作りにおいて、社会へ貢献する」②「より良いものを、より安く、より早く、より安全に提供することで社会へ貢献する」③「人を育て、健全経営を行い、社会へ貢献する」の3つを企業理念として、事業活動を行ってまいりました。
当社グループは、戸建事業を主軸としており、これまで支店展開などにあわせて事業エリアを拡大しております。当連結会計年度末では、当社におきましては、兵庫県下に本社を含めて7拠点、大阪府下に4拠点、京都府下に1拠点、奈良県下に1拠点、愛知県下に4拠点、広島県下に1拠点、福岡県下に1拠点、千葉県下に1拠点、及び埼玉県下に1拠点の合計21の営業拠点を有しております。また、平成30年5月1日付で連結子会社となったアオイ建設株式会社(相模原市南区)では、神奈川県下に2拠点、東京都下に1拠点を展開いたしております。また、令和6年10月17日付で株式会社KHC(兵庫県明石市)の株式の92.1%を取得し子会社化したことで、兵庫県下に14拠点、及び大阪府下に1拠点が加わりました。当社グループ全体では、39拠点を有しております。当社グループは、より高度なマーケティングを行うために地域に密着した営業活動を行うことを事業戦略としており、今後も引続き支店展開などを通じ事業エリアの拡大に努め、市場シェアの向上を目指してまいります。また、お客様第一主義で業務に取り組み、顧客満足の更なる向上を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、戸建事業におきまして戸建住宅供給棟数拡大を推進しており、マーケット・シェアの獲得による収益拡大を目指しております。当社グループでは、地域に密着した営業活動を行うことを基本戦略の1つとしており、創業以来、近畿圏を中心に営業拠点網を構築し、また平成20年12月に名古屋支店(名古屋市名東区)を開設して以降は、近畿圏以外の地域にも事業エリアを拡大してまいりました。
当社グループは今後も引き続き、既存の事業エリアにおいて更なる深耕を図るとともに、事業エリアの拡大を推し進めることを、中長期的な経営戦略としております。そして、顧客ニーズを的確に把握し徹底したマーケティングリサーチを行うため、年間2~3支店を目標として支店の新設を継続していき、それぞれの事業エリアにおいて地域に密着した営業活動を行ってまいります。
また、営業部門も工事部門もアウトソーシングを活用することにより、少数精鋭主義を持続させ、ムリ・ムダを省いた健全かつ効率的な経営を継続してまいります。これにより、柔軟で機動的な組織を構築し、事業展開のスピードを高めてまいります。
当社グループは将来にわたって戸建事業を柱として、①「地域に根ざした暮らし重視の住まい」、②「街の景観を形成する美しい住まい」、③「基礎・構造の確かな安心の住まい」、④「先端技術による居住性の高い住まい」の4つのキーワードでお客様のニーズに的確に応えていく方針であります。
当社グループではまた、主力の戸建分譲を中心とした戸建住宅の供給棟数拡大に加え、中長期的な観点で、事業の多角化による経営の強化を図るべく、注文住宅の請負工事、マンション分譲や不動産賃貸等のマンション事業など、周辺領域の事業育成にも取り組んでおり、また、木造建築のノウハウを戸建住宅以外の領域で活用することを目指す特建事業など、新たな分野への進出に向けた取り組みも行っております。当社では、将来の人口・世帯構成の変化に伴う住宅需要の多様化に対応できる体制を構築するとともに、収益基盤の強化並びに経営の安定性の向上を図ってまいります。
(3)経営環境
当社グループが事業を行う不動産業界においては、住宅ローン金利が低水準で推移し、新型コロナウイルス感染症による生活様式の変化などにより、戸建住宅を中心に住宅需要は比較的堅調に推移してまいりました。しかしながら、競合他社との競争激化、建設労働者の減少、木材などの資材価格の高騰も生じており、厳しい事業環境が続いております。足許では物価上昇に伴う実質所得の低下により住宅需要が冷え込む傾向がみられており、また住宅ローンの金利も上昇しており、住宅需要の動向には注意が必要であると考えております。
住宅の建築工事の面では、若年層の建設業界離れなどにより、建設労働者の減少や高齢化が問題の一つとなっており、施工体制を確保することの重要性が高まるとともに、建築コストにも影響を及ぼす状況が生じております。
長期的な観点からは、わが国における人口の減少や世帯構成の変化などが予想されており、こうした住宅需要の変化に対応できる収益基盤の構築が必要であると考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、今後も企業理念に基づいた事業の拡大を継続していくためには、会社の成長に応じた人材の採用並びに育成、施工能力の確保と建設労働者の減少・高齢化への対処、及び、事業の多角化による安定的な経営基盤の確立が必要であると考えております。
人材の採用並びに育成につきまして、当社の企画営業職は、販売をアウトソーシングする一方、緻密なマーケット調査、プロジェクトの立案、土地の仕入からプランニング、官公庁における許認可の取得、契約と業務が多岐にわたるため、その育成は非常に重要であります。また、工事部門では、施工は協力業者に分離発注する一方、工程、品質、コスト、安全の4つを徹底して管理することに人的資源を集中しておりますが、お客様にご満足していただける商品を作り、事業を拡大していくためには、これを適切に管理する人材を確保し、育成していくことが必要であります。
これに対し、人材の採用につきましては、長期的かつ安定的な人材確保を目的として、新卒者の定期採用を継続して実施しており、当連結会計年度におきましては17名が入社いたしました。更に、中途採用も継続して実施し、即戦力となる人材の確保に努めております。育成面においては、オン・ザ・ジョブ・トレーニングによる実務研修の他、社内外の講師を招いた研修会を定期的に開催し、法令等をはじめとする、業務に必要となる知識や技能の教育を実施しており、また資格支援制度によって各種業務資格の取得を促進しております。
今後も継続して新店舗を出店し、事業エリアを拡大していくためには、その責任者の確保が特に重要であるため、人材の採用並びに育成を当社の最重要課題として対処してまいります。
施工能力の確保と建設労働者の減少・高齢化への対処につきまして、近年、建設業界においては、若年層の建設業界離れなどにより、建設労働者の減少や高齢化が進んでおり、当社グループによる住宅の供給棟数を拡大していくためには、施工を行う協力業者の確保が必要となってまいります。これに対し、当社グループでは、継続して協力業者の新規開拓に取り組むとともに、海外からの技能実習生、特定技能労働者の受入等の取組みを行っております。
事業の多角化による安定的な経営基盤の確立につきましては、わが国において将来的な人口や世帯構成の変化が予想されており、それに伴って住宅ニーズも多様化することが見込まれるため、主力の戸建分譲に加え第2、第3の収益の柱となる事業の育成が重要であると考えております。これに対しては、当社グループでは現在、注文住宅の請負工事、マンション分譲や不動産賃貸等のマンション事業を始め、集合住宅などの大規模木造建築物の建築請負等を行う特建事業など、安定的な経営基盤の確立を目指して、住宅に関する周辺領域を対象とした事業分野の拡大を徐々に進めております。
また、令和6年10月に株式会社KHCの株式をTOBにより取得して連結グループが拡大いたしました。グループ各社はそれぞれ、事業エリア、販売商品に特徴があり、今後はグループ会社の強みを生かすとともに、相互補完、事業ノウハウの提供を積極的に行い、グループ経営の相乗効果を高めてまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、既存の事業エリアの深耕及び新規エリアへの積極的な事業展開によって販売棟数を拡大しつつ、売上高経常利益率10%以上を目標としております。また、当社グループは一定の資本効率を確保することが会社の健全な経営と株主を始めとする様々なステークホルダーの負託に応えるものとして考えており、賃貸等不動産に関する資産、負債及び利益を除いた自己資本当期純利益率について10%以上、棚卸資産回転率について年3回転を目標としております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティ基本方針>
ファースト住建グループは、「企業理念」である、「住宅作りにおいて社会へ貢献する」、基本方針「お客様第一主義」に基づき、お客様に快適で安全で安心して暮らせる住宅を提供することで、お客様、地域社会、取引先、従業員が、しあわせに暮らせる社会を目指しております。
サステナビリティ課題への対応は、リスクの減少のみならず、収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、積極的・能動的に取組んでまいります。
また、地球環境への配慮、安全・安心で快適な社会につながる事業活動に取組み、ESG経営を実践することで、サステナブルな社会づくりに貢献するとともに、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方や取り組みについては、当社ウェブサイトをご覧ください。
https://www.f-juken.co.jp/sustainability/index.html
<マテリアリティ>
(a)環境保全への対応を、重要課題として認識しております。
・環境配慮型の住宅作りの徹底
・太陽光発電、住宅性能評価、ZEH等の取組み
・DXの取組によるペーパー削減
(b)社会に対する貢献を、重要課題として認識しております。
・「お客様第一主義」の徹底により、安心で快適な住空間の提供
・ワークライフバランスに取組み、豊かな心を持った社員を育成
・ダイバーシティでハラスメントを拒否し、多様な人材に雇用の機会を創出
・環境・地域社会・社会的弱者にやさしい経営により、地域社会に貢献
・取引先とも協力しての安全衛生への取組
(c)ガバナンス、コンプライアンス面の充実を、重要課題として認識しています。
・ガバナンス、コンプライアンス、情報セキュリティの強化
・適時、適切な情報管理とDXの活用
・適時、適切で透明性の高い情報開示
(1)ガバナンス
当社グループは、堅実経営、健全経営を行いながら競争力を強化し、継続的に企業価値を高めるためには、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることが重要だと認識しております。コーポレート・ガバナンス体制などの詳細については、「
経営におけるリスク、課題、兆候等、サステナビリティ関連のリスク及び機会などについては、取締役会、経営会議、経営ソリューション会議などで、適宜、討議し解決を図っております。
(2)戦略
当社グループは、継続的な企業価値を高めるために、従業員一人ひとりの考えや成長が不可欠なものであり、従業員の個性や多様性を尊重し良好な職場環境を目指しております。社員の満足度を向上させることで定着率を向上させて、組織力や現場力をあげることで、企業価値の向上につながるものと考えております。そのために、資格取得に対する支援制度、女性が活躍できる会社、子育てしながら安心して就労できる職場環境、外国人労働者を積極的に採用するなど、それぞれのライフプランに沿ったキャリア形成を実現できるように考えております。また、住宅作りを通じてお客様に喜んで頂き、ひいては社会に貢献することを経営理念としております。
(3)リスク管理
当社グループは、経営に支障をきたす可能性のあるリスクに関して、「情報システム管理規程」、「非常災害対策規程」などを整備するとともに、定期的にコンプライアンス研修や、顧問弁護士による研修を行っております。住宅関係における法改正時の研修なども実施し、リスク管理の強化を図っております。
また、サステナビリティに関する、リスクの識別、及び評価などについては、取締役会、経営会議、経営ソリューション会議などで審議する体制をとっております。
(4)人的資本に関する戦略
当社グループは、「住宅作りにおいて社会へ貢献する。よりよいものを、より安く、より早く、より安全に提供することで社会へ貢献する、人を育て健全経営を行い、社会へ貢献する。」という企業理念とサステナビリティ基本方針に基づき、人材育成と社内環境整備について、以下のように考えております。
① 人材育成方針
従業員一人ひとりの考え、スキルや経験が生かされ、従業員が会社とともに発展していくことを目指しております。そのための評価制度の見直しを行い、研修、資格取得の支援などを行っております。
② 社内環境整備方針
従業員一人ひとりが、その能力や個性を発揮できる職場環境を目指しております。
具体的には、ダイバーシティの推進、女性活躍の推進、子育て中の従業員の支援、外国人実習生などの受入、中途採用者の活用、障碍者の雇用などを行っており、今後も方針に則った整備を進めてまいります。
③ 指標及び目標
人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標及び目標などについては、今後、慎重に検討してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1.事業内容について
(1)事業の概要について
当社グループは戸建事業を主な事業とし、この他、マンション事業を行っております。特に戸建事業は、住宅一次取得者層を主な購買層とした低価格の戸建住宅の分譲が中心であり、令和6年10月期において、売上高の96.3%(前連結会計年度は97.1%)を占めております。
戸建事業及びマンション事業は、消費者の需要動向の影響を受ける傾向があり、景気見通しの悪化、消費者所得の減少、金利の上昇、物価・地価の変動、住宅税制の改正や消費税等の税率変更等により消費者の需要が減少した場合、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、分譲用地仕入に際して徹底したマーケットリサーチを行うとともに事業サイクルの短縮を図ることで、当該リスクの低減に努めております。
(2)マンション事業について
当社グループはマンション事業において、新築マンションの分譲、中古マンション等のリノベーション販売並びに不動産賃貸を中心に行っております。
新築マンションの分譲につきましては、比較的短期間で建築できる中規模マンションを分譲しております。当該事業については戸建事業ほど積極的な事業拡大を目指しておらず、戸建住宅の分譲を中心とした事業活動の中でマンションに適した案件の情報が入手できた場合に、慎重に事業化の判断を行っております。従って、具体的な案件の有無により当該事業に関する売上が変動する可能性があります。
また、中古マンション等のリノベーション販売につきましては、中古マンション等を1戸単位で仕入れ、内装のリフォーム工事を行った後に販売を行っております。このリノベーション販売は、将来の事業展開に備えて継続してまいりますが、本格的に事業化するためには、更にノウハウの蓄積を行う必要があるものと見込まれます。
不動産賃貸につきましては、交通・周辺環境等の利便性の高い物件を厳選し、単身者向け賃貸マンション等を中心とする等、安定的な賃料収入の確保に努めております。しかしながら、不動産市況が悪化した場合、賃料収入の減少や当社所有不動産の評価損等が生じ、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(3)競争の激化について
当社グループでは、工期も含む事業サイクルの短縮及び仕入規模の拡大による建築コストの圧縮等により低価格での住宅供給に努めておりますが、競争激化等により当社の価格面での競争力が低下する可能性があります。また、販売競争が激化した場合、販売価格の下落や値引き競争により経営成績に影響が及ぶ可能性がある他、当社グループが販売未契約の完成物件を持つことを余儀なくされる可能性があります。
当該リスクに対しては、住宅のデザインや設備・仕様の見直しなどを通じて販売価格以外の面でも商品力の向上を図ることで、リスクの低減に努めております。
(4)価格変動等について
戸建事業及びマンション事業においては、不動産市況、原材料価格や近隣の取引状況が物件の販売価格、ひいては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは完成前に全ての物件について顧客と契約を結ぶことで販売未契約の完成物件を持たないことを基本方針としております。当社グループでは、徹底したマーケットリサーチにより顧客ニーズに即した住宅のプランニングを行い、販売契約の早期化に努めておりますが、計画どおりに販売契約が完了しない物件について価格改定による販売促進を行うことに伴い採算が悪化する可能性があります。
(5)用地仕入について
戸建事業及びマンション事業においては、土地の仕入の成否が経営成績に影響を及ぼします。当社グループが土地の仕入を行う際には、立地条件・面積・価格・地盤等について調査を行い、営業担当者が作成した事業計画を企画営業部業務推進課で審査を行うことで牽制が機能する体制を構築しておりますが、これにも関わらず周辺相場よりも高い価格で購入してしまう場合や当社グループが想定する価格で販売できない場合等があります。また、全体会議・支店長会議などを通じた進捗状況等の情報共有、エリアマネージャーによるサポート体制や仲介業者とのネットワークの強化により、仕入業務の円滑化を図っておりますが、他社との競合、情報収集の遅れ・不足等により土地の仕入が想定どおりにできない事態が発生する可能性があります。
また、用地仕入における専門知識と経験を有する優秀な人材の確保、育成のために、採用部門の強化や仕入業務に関するOJT体制の拡充、適切なインセンティブの設定などに取り組んでおりますが、人材が十分に確保できない場合又は現在在職している人材が流出するような場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
(6)外注先への依存について
当社グループは、戸建事業及びマンション事業のうちリノベーションに係る事業において、当社グループの工事監督が行う施工管理業務(品質・工程・コスト・安全の管理)を除いて全て外注業者に分離発注を行い外注しております。また、マンション事業のうち新築分譲に係る事業においては施工管理も含めて外部の建設業者に全てを外注しております。これにより、当社グループでは事業拡大の早期化を図るとともに、人件費の抑制を図っております。
しかしながら、施工面の大部分を外注に依存しているため、外注業者の新規開拓を継続的に行う一方、品質管理に万全を期すためにも委託先の選定は慎重に行っておりますが、万が一、販売件数の増加に伴って当社グループの選定基準に合致する外注先を十分に確保できない場合、また、近年の建設労働者の減少・高齢化により、外注業者自体が十分な労働力を確保できない場合や、外注先が経営困難に陥って施工できず工期が遅延した場合等には当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
(7)販売方法について
当社グループでは、自社販売部門を設けておらず、戸建住宅並びにリノベーション住宅の販売は地元仲介業者に委託し、新築マンションの販売は販売代理会社を通じて行っております。当社グループは、この販売方法により固定的な人件費及び広告宣伝費の肥大化を防止できる他、仲介業者が持つ情報を活用できるものと考えておりますが、販売を外部に依存しているため、他社との競合により仲介業者等が当社グループの物件を積極的に販売しなくなった場合等には当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
こうしたリスクを低減するために、当社グループでは、営業担当者がチラシのポスティングや現場待機を実施するなど、少しずつ自社販売にも取り組んでおります。
(8)営業地域について
当社グループは、分譲用地の仕入、建築工事や販売などの営業活動を効率的・効果的に遂行するために、各地域に営業拠点を設置し、地域に密着して行うことを基本戦略の1つとしております。当連結会計年度末時点における各地域の営業拠点数は、当社におきましては、兵庫県に本社を含め7拠点、大阪府に4拠点、京都府に1拠点、奈良県に1拠点、愛知県に4拠点、広島県に1拠点、福岡県に1拠点、千葉県に1拠点及び埼玉県に1拠点となっております。連結子会社のアオイ建設株式会社では、神奈川県下に本社を含め2拠点、東京都下に1拠点を有しております。また、令和6年10月17日付で株式会社KHC(兵庫県明石市)の株式の92.1%を取得し子会社化したことで、兵庫県下に14拠点、及び大阪府下に1拠点が加わりました。
当社グループは、現在のところ近畿圏、首都圏及び愛知県が主な事業エリアとなっておりますが、当社グループの事業におきましては、事業エリアが営業拠点の存在する地域及びその周辺地域となるため、当社グループの経営成績は近畿圏、首都圏及び愛知県等の営業拠点の所在地域における景気動向、住宅需要、地価変動等による影響を受けやすいものと認識しております。今後、各エリアにおいて営業拠点の拡大を進めることで、リスクの分散を図ってまいります。
また、当社グループは営業拠点の増加による事業の拡大を計画しておりますが、営業網の拡大にあたり営業基盤の確立が順調に進まない可能性があります。
なお、売上高の大部分を占める戸建事業のうちの戸建分譲について、物件の属する地域により分類した販売実績の推移は以下のとおりです。
|
|
令和4年10月期 |
令和5年10月期 |
令和6年10月期 |
||||
|
金額(千円) |
構成比(%) |
金額(千円) |
構成比(%) |
金額(千円) |
構成比(%) |
||
|
|
埼玉県 |
1,162,881 |
2.9 |
1,332,907 |
3.1 |
1,572,071 |
4.4 |
|
|
千葉県 |
963,002 |
2.4 |
1,456,324 |
3.3 |
957,960 |
2.6 |
|
|
東京都 |
1,858,796 |
4.7 |
2,648,029 |
6.1 |
2,374,336 |
6.6 |
|
|
神奈川県 |
4,209,488 |
10.5 |
4,250,909 |
9.8 |
4,168,173 |
11.6 |
|
|
岐阜県 |
- |
- |
- |
- |
24,204 |
0.1 |
|
|
愛知県 |
6,450,273 |
16.1 |
6,577,872 |
15.2 |
6,192,927 |
17.2 |
|
|
滋賀県 |
1,116,493 |
2.8 |
1,474,463 |
3.4 |
886,685 |
2.5 |
|
|
京都府 |
1,795,624 |
4.5 |
1,936,947 |
4.5 |
1,641,866 |
4.6 |
|
|
大阪府 |
7,125,854 |
17.8 |
9,248,084 |
21.3 |
6,020,541 |
16.7 |
|
|
兵庫県 |
6,931,064 |
17.4 |
6,063,960 |
14.0 |
3,755,691 |
10.4 |
|
|
奈良県 |
2,890,537 |
7.2 |
3,265,633 |
7.5 |
2,693,719 |
7.5 |
|
|
広島県 |
1,669,951 |
4.2 |
2,130,571 |
4.9 |
2,002,458 |
5.6 |
|
|
福岡県 |
1,228,390 |
3.1 |
812,384 |
1.9 |
1,276,537 |
3.5 |
|
|
佐賀県 |
48,183 |
0.1 |
19,645 |
0.0 |
- |
- |
|
戸建分譲 |
37,450,541 |
93.7 |
41,217,734 |
95.0 |
33,567,174 |
93.3 |
|
|
戸建分譲以外 |
2,514,740 |
6.3 |
2,155,686 |
5.0 |
2,418,636 |
6.7 |
|
|
合計 |
39,965,281 |
100.0 |
43,373,420 |
100.0 |
35,985,810 |
100.0 |
|
2.財政状態について
当社グループの戸建事業及びマンション事業におきましては、分譲用地又は中古マンション等の棚卸資産の仕入が必要であり、当社グループではこれら分譲用地等の取得資金について金融機関等からの借入金に依存しているため、棚卸資産の増加に伴って「営業活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスとなり、又は有利子負債が増加する可能性があります。
令和6年10月期末においては有利子負債が当社の総資産額の21.8%を占めておりますが、当社グループでは、今後も分譲用地の取得資金について金融機関等からの借入金を中心とした調達を計画しており、事業の拡大に際しては有利子負債残高が増加することが見込まれます。このため、今後、金利が上昇あるいは高止まりした場合、金融機関の貸し出し態度が変化した場合等には、支払利息の増加、仕入計画の変更等により当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
当該リスクに対しては、事業サイクルの短縮により資金効率を高めることでリスクを低減する他、取引金融機関との円滑な取引関係の構築、金融資本市場の動向のモニタリング、健全な財務体質の維持などにより、対処してまいります。
|
|
令和4年10月期(千円) |
令和5年10月期(千円) |
令和6年10月期(千円) |
|
総資産額 |
52,999,697 |
52,674,014 |
61,171,998 |
|
有利子負債残高 |
8,357,481 |
7,580,314 |
13,311,635 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△5,373,039 |
2,547,390 |
6,035,480 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△728,643 |
△1,332,947 |
△1,365,645 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△175,552 |
△1,412,180 |
△3,139,462 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
17,593,195 |
17,395,458 |
18,925,830 |
|
販売用不動産 |
10,277,646 |
13,599,472 |
11,289,193 |
|
仕掛販売用不動産 |
10,220,829 |
6,186,687 |
11,343,841 |
|
未成工事支出金 |
1,506,354 |
1,080,236 |
1,053,776 |
3.法的規制等について
当社グループは主に「宅地建物取引業法」に基づく宅地建物取引業、「建設業法」に基づく建設業、更に「建築士法」、「建築基準法」に基づく一級建築士事務所として分譲用の土地の仕入から企画設計業務、施工業務、販売業務を行っております。また、当社の事業は上記以外にも「都市計画法」、「土地区画整理法」、「農地法」、「宅地造成等規制法」、「国土利用計画法」、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」等、様々な法的規制を受けております。
当社及び当社子会社では、各社の事業に応じて宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業者免許及び建設業法に基づく建設業の許可を受けており、また建築士法に基づく一級建築士事務所の登録を行っております。
当社グループの主要な事業活動を継続するには、前述の宅地建物取引業者免許、建設業許可及び一級建築士事務所登録が必要であり、現時点においてこれらの免許、許可及び登録の取消し又は欠格事由に該当する事実等は無いものと認識しております。しかしながら、将来においてこれら免許、許可及び登録の取消し等があった場合には、主要な事業活動に支障をきたすとともに経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでは、各種法令等の遵守体制を強化するために、顧問弁護士による関連法令に関する法務セミナーを開催する他、各種会議体・研修会・通達などを通じて周知徹底を図る等、コンプライアンス教育に注力いたしております。
4.住宅品質保証について
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」は瑕疵担保期間の10年間義務化と住宅性能表示制度を定めております。同法により、住宅供給者は新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分について10年間の瑕疵担保責任を負っております。
当社が販売する戸建分譲住宅は、住宅瑕疵担保責任保険法人である住宅保証機構株式会社による住宅瑕疵担保責任保険「まもりすまい保険」に加入しております。当該保険等を利用するためには、同機構の定める技術的基準に適合しているかどうかについて同機構が指定する第三者機関による現場検査を受ける必要があります。そのため、当社グループにおきましても施工を充実させ、品質管理に万全を期するとともに、販売後のクレーム等に関しましても十分に対応しております。
しかしながら、販売件数の増加に伴い、当社グループの品質管理に不備が生じた場合には、クレーム件数の増加や保証工事の増加等が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループの販売した住宅に重大な瑕疵があるとされた場合など、当社グループの責によるか否かを問わず、また実際の瑕疵の有無によらず、根拠のない誤認であった場合にも当社グループの信用に悪影響を及ぼし、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
5.顧客情報等の管理について
当社グループは、当社グループの物件のご購入を検討頂くお客様やご購入頂いたお客様等、事業を行う上で多数の個人情報を保有している他、様々な経営情報等の内部情報を有しております。
これらの情報管理については、その管理に万全を期するため、管理体制の構築、社内規程の整備、システム上のセキュリティ対策を図るとともに、外部セミナーや研修等により社員の情報管理意識の向上に努めております。しかしながら、万が一、これらの情報が外部流出した場合は、当社グループに対する信頼の失墜や損害賠償等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、社会的関心が高まる中、今後、法規制が一層厳しくなる可能性もあり、徹底した情報管理の継続を図るため、コストが増加する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、円安基調にあって食品を始めとした生活必需品の物価上昇が目立ち、生活実感としては統計上よりも物価上昇が高く感じられる状況となっておりますが、賃金の上昇がそれに追いつかず家計を圧迫しております。また、今後の見通しも、長期的になったと思われる円安傾向に加え、わが国においても金利の上昇が予想され、ウクライナや中東情勢などにより原油・原材料などの輸入材の供給不足や高騰が懸念されるなど、厳しい状況が続いております。
不動産業界におきましては、円安による外国資本の投資もあって高級マンションや都心のオフィスなどの投資対象となる物件や、マイホームの買い控えにより賃貸住宅は比較的好調と言われますが、実需が中心の戸建住宅の市場は芳しくなく、需要は弱含み傾向となっております。一方で土地の供給価格は下がらず円安を背景に建築資材は上昇する中、土地建築原価は上昇、販売価格は低落し、利益を確保し難い大変厳しい状況が続いております。また、大工を始めとする建築関係の職人の減少、高齢化などは建設コストのみならず工期を長期化させる要因ともなっております。
このような経営環境の中、当社グループでは引き続き、企業理念「1.住宅作りにおいて、社会へ貢献する。2.より良いものを、より安く、より早く、より安全に提供することで社会へ貢献する。3.人を育て、健全経営を行い、社会へ貢献する。」の下、お客様に心から喜んでいただける魅力的な住宅を、適切な価格で供給することにこだわり、当社グループ一丸となり、業績の向上と企業価値の向上に取り組んでおります。
戸建事業におきまして、主力の戸建分譲では、土地価格や建築資材、外注費は上昇あるいは高止まりの傾向にあり開発案件の採算が悪化している中、分譲用地の仕入において採算の確保を重視し、コストダウンも見据えて新規の外注業者等の開拓や品質向上、コストダウンの両面から新素材を積極的に検討し、販売面においてもWEBの活用やポスティングなどを積極的に行い、前連結会計年度に比べて平均販売単価がやや上昇したものの、戸建住宅に対する需要は伸びず、前連結会計年度に引き続き売上、利益は減少いたしました。販売棟数は1,052棟(前連結会計年度比 19.3%減)と、前連結会計年度に比べて販売用不動産の期首在庫及び完成棟数は減少し、当連結会計年度の土地の仕入も採算性の確保を重視したため、残念ながら販売棟数は減少となりました。今後は販売棟数を拡大するために販売用土地の仕入増加が不可欠であるので、仲介業者への訪問強化や土地の売出情報の入手先の拡大により、採算性の良い分譲用地をできるだけ多く仕入れるとともに、工程管理の強化による用地仕入から建物完成までの期間短縮、原価管理を強化して1棟当たりの原価低減を行い、業績の向上を目指します。請負工事につきましては、注文建築の比率が高い子会社であるアオイ建設株式会社において、積極的な受注獲得に取り組み、前連結会計年度に引き続き多様な顧客ニーズに適切に対応できるプランを取り入れることによって、受注棟数が増加して、引渡棟数は35棟(同 6.1%増)となりました。また、建築原価の管理も強化することにより採算も向上しております。今後におきましても、モデルハウスを活用して新たなニーズの掘起こしと提案力を強化し、魅力ある住宅作りにつなげて行く所存です。
マンション事業では、賃貸による安定的な収益を着実に拡大するべく、前連結会計年度に引き続き賃貸用不動産の新規取得を進めており、当連結会計年度では、新築2棟(うち、1棟は当社の首都圏支社事務所としても活用)及び中古4棟の収益マンションを取得し、現在、1棟を建築しております。マンション分譲について、当連結会計年度の販売実績は、区分所有単位のリノベーション・マンション16戸(同 5.9%減)の他、保有目的を変更して固定資産から棚卸資産に振替えた賃貸マンション2棟の販売も行いました。特建事業については、当連結会計年度の販売実績はありませんでした。
また当連結会計年度には、令和6年10月に実施したTOBにより、東京証券取引所スタンダード市場に上場していた株式会社KHC及びその子会社6社を当社のグループ会社に迎えることができました。兵庫県明石市を中心に事業を展開し、従来から当社と業務提携を行っておりましたが、名実ともに当社とともに一緒に歩むこととなります。設計力に定評がある会社であり、当社と様々な補完関係にあるので今後は大きな相乗効果があるものと期待されます。なお、同社は当連結会計年度末から連結子会社となり、これに伴う負ののれん発生益14億77百万円が特別利益に計上されております。
これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高359億85百万円(前連結会計年度比 17.0%減)、営業利益18億28百万円(同 32.9%減)、経常利益17億99百万円(同 32.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益24億96百万円(同 42.5%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(戸建事業)
戸建事業のうち主力の戸建分譲について、当連結会計年度における販売棟数は1,052棟(うち、戸建分譲 984棟、土地分譲 68区画)(前連結会計年度比 19.3%減)となり、売上高は335億67百万円(同 18.6%減)となりました。前連結会計年度においては販売棟数が回復しましたが、当連結会計年度では、期首の在庫棟数の減少、仕入棟数の減少が重なり販売棟数が減少するとともに、戸建市場の不振、建築原価の上昇により、利益率が前連結会計年度に比べて更に低下いたしました。請負工事におきましては、子会社であるアオイ建設株式会社での受注数が増加したことにより引渡棟数は35棟(同 6.1%増)、売上高は9億67百万円(同 23.9%増)となり増加しております。戸建事業に関するその他の売上高は1億24百万円(同 6.7%減)となりました。
これらの結果、戸建事業全体の売上高は346億59百万円(同 17.7%減)となり、セグメント利益は25億44百万円(同 23.4%減)となりました。
(その他)
その他の事業セグメントのうち、マンション事業について、賃貸収益による売上高は7億14百万円(前連結会計年度比 6.3%増)となりました。前連結会計年度中に取得した賃貸用不動産などが賃貸収益の増加に寄与いたしております。マンション分譲については、当連結会計年度にはリノベーションマンション16戸(同 5.9%減)及び固定資産から棚卸資産へ振替えた賃貸マンション2棟を販売し、売上高は6億3百万円(同 52.6%増)となりました。また、前連結会計年度において1億65百万円の売上があった特建事業の売上は、当連結会計年度にはありませんでした。
これらの結果、その他の事業セグメント全体の売上高は13億19百万円(同 6.9%増)となり、セグメント利益は3億95百万円(同 12.2%増)となりました。
b.財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は611億71百万円(前連結会計年度末比 16.1%増)となり、前連結会計年度末に比べて84億97百万円増加いたしました。主な増加要因は、現金及び預金の増加15億90百万円、仕掛販売用不動産の増加51億57百万円及び有形固定資産の増加27億66百万円であり、主な減少要因は、販売用不動産の減少23億10百万円であります。現金及び預金、仕掛販売用不動産及び有形固定資産の増加は、株式会社KHC及びその子会社を新たに連結子会社としたことが主な要因となっており、有形固定資産については、マンション事業における賃貸用不動産の取得等を推進したこともその増加要因となっております。販売用不動産の減少につきましては、主力の戸建分譲において、土地仕入における採算の確保を重視した影響により完成棟数が減少したことが要因となっております。
負債合計は196億23百万円(同 43.9%増)となり、前連結会計年度末に比べて59億86百万円増加いたしました。主な増加要因は、短期有利子負債の増加21億67百万円及び長期有利子負債の増加35億63百万円であり、主な減少要因は、仕入債務の減少5億14百万円であります。有利子負債の増加については、連結子会社の増加が主な要因であり、仕入債務の減少については、完成棟数の減少に伴うものであります。
また、純資産は415億48百万円(同 6.4%増)となり、前連結会計年度末に比べて25億11百万円増加いたしました。主な増加要因は、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益24億96百万円及び連結子会社の増加などに伴う非支配株主持分の増加5億99百万円であり、主な減少要因は、配当金の支払5億97百万円であります。
これらの結果、自己資本比率は64.9%となり、前連結会計年度末よりも6.8ポイント低下しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、189億25百万円(前連結会計年度末比 8.8%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは60億35百万円の収入(前連結会計年度比 136.9%増)となりました。主な収入の要因は税金等調整前当期純利益32億70百万円及び棚卸資産の減少額58億5百万円であり、主な支出の要因は、負ののれん発生益14億77百万円、仕入債務の減少額13億55百万円及び法人税等の支払額6億76百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは13億65百万円の支出(前連結会計年度比 2.5%増)となりました。主な増加の要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入1億52百万円であり、主な支出の要因は、有形固定資産の取得による支出15億26百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは31億39百万円の支出(前連結会計年度比 122.3%増)となりました。主な支出の要因は、短期借入金の純減少額21億83百万円及び配当金の支払額5億97百万円であります。
③ 生産・受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和5年11月1日 至 令和6年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
件数 |
金額(千円) |
||
|
1.戸建事業 |
|
|
|
|
(1)戸建分譲 |
897 |
28,062,229 |
△37.4 |
|
(2)請負工事 |
35 |
967,442 |
+23.7 |
|
戸建事業 計 |
932 |
29,029,672 |
△36.3 |
|
2.その他 |
|
|
|
|
(1)マンション分譲 |
29 |
425,582 |
+9.3 |
|
(2)特建事業 |
- |
- |
△100.0 |
|
その他 計 |
29 |
425,582 |
△23.2 |
|
合計 |
961 |
29,455,255 |
△36.2 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.件数欄については、戸建分譲は棟数又は区画数、請負工事は棟数又は契約数、マンション分譲は戸数、特建事業は棟数を表示しております。
b.受注実績
当社グループは主に見込み生産を行っており、請負工事等、一部には受注生産も行っておりますが、その多くが短期間で販売するものであるため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和5年11月1日 至 令和6年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
件数 |
金額(千円) |
||
|
1.戸建事業 |
|
|
|
|
(1)戸建分譲 |
1,052 |
33,567,174 |
△18.6 |
|
(2)請負工事 |
35 |
967,442 |
+23.9 |
|
(3)その他 |
- |
124,490 |
△6.7 |
|
戸建事業 計 |
- |
34,659,107 |
△17.7 |
|
2.その他 |
|
|
|
|
(1)マンション分譲 |
38 |
603,922 |
+52.6 |
|
(2)不動産賃貸 |
- |
714,817 |
+6.3 |
|
(3)特建事業 |
- |
- |
△100.0 |
|
(4)その他 |
- |
1,238 |
△19.9 |
|
その他 計 |
- |
1,319,978 |
+6.9 |
|
セグメント計 |
- |
35,979,086 |
△17.0 |
|
事業セグメントに帰属しない売上高 |
- |
6,724 |
+2.4 |
|
合計 |
- |
35,985,810 |
△17.0 |
(注)1.件数欄については、戸建分譲は引渡棟数又は引渡区画数、請負工事は引渡棟数又は完成契約数、マンション分譲は引渡戸数、特建事業は引渡棟数を表示しております。
2.戸建分譲における地域別の販売実績は、次のとおりであります。なお、地域別の分類は、物件の属する地域によって分類しております。
|
地域 |
件数 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
埼玉県 |
45 |
1,572,071 |
+17.9 |
|
千葉県 |
31 |
957,960 |
△34.2 |
|
東京都 |
58 |
2,374,336 |
△10.3 |
|
神奈川県 |
113 |
4,168,173 |
△1.9 |
|
岐阜県 |
1 |
24,204 |
- |
|
愛知県 |
203 |
6,192,927 |
△5.9 |
|
滋賀県 |
35 |
886,685 |
△39.9 |
|
京都府 |
51 |
1,641,866 |
△15.2 |
|
大阪府 |
185 |
6,020,541 |
△34.9 |
|
兵庫県 |
125 |
3,755,691 |
△38.1 |
|
奈良県 |
97 |
2,693,719 |
△17.5 |
|
広島県 |
69 |
2,002,458 |
△6.0 |
|
福岡県 |
39 |
1,276,537 |
+57.1 |
|
佐賀県 |
- |
- |
△100.0 |
|
合計 |
1,052 |
33,567,174 |
△18.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。これらの指標に関して、当連結会計年度における実績は、売上高経常利益率 5.0%(前連結会計年度は6.1%)、賃貸等不動産に関する資産、負債及び利益を除いた自己資本当期純利益率 7.7%(同 5.3%)、棚卸資産回転率 年1.3回転(同 年1.8回転)となっております。売上高経常利益率につきましては、主力の戸建分譲において、土地価格や建築コストの上昇傾向が続いている一方、住宅需要は冷え込む状況となっており、コストの上昇を販売価格には十分に転嫁することができず、前連結会計年度より低下いたしました。賃貸等不動産に関する資産、負債及び利益を除いた自己資本当期純利益率におきましては、連結子会社の増加に伴う負ののれん発生益が主な要因となって、前連結会計年度より上昇いたしております。翌連結会計年度においては、引き続き厳選した仕入や商品力の向上、的確なコストコントロールに注力し、収益性の改善に取り組んでまいります。また、棚卸資産回転率につきましては、前連結会計年度より売上原価が16.9%減少した一方、棚卸資産が前連結会計年度末に比べて13.6%増加しており、その結果、当連結会計年度における棚卸資産回転率は前連結会計年度より低下いたしました。なお、棚卸資産増加については、当連結会計年度より株式会社KHC他6社が新たに連結子会社となったことが主な要因となっており、この影響を除いた場合、棚卸資産は前連結会計年度より25.5%の減少となり、棚卸資産回転率は、年2.0回転となります。分譲用地の仕入から販売までの事業サイクルの短縮に向け、工程管理の強化、業務効率の向上及び販売活動の強化を図り、引き続き年3回転を目標として、回転率の向上に努めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループの資金需要のうち主なものは、分譲用地の仕入資金及び収益物件の購入資金等であり、主に内部留保資金又は当座貸越契約を含む金融機関からの借入により調達しております。なお、当連結会計年度末における社債、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は133億11百万円(前連結会計年度末比 75.6%増)となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は189億25百万円(同 8.8%増)となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。