2022年6月27日に提出いたしました第75期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)内部統制報告書の記載事項に誤りがありましたので、金融商品取引法第24条の4の5第1項に基づき、内部統制報告書の訂正報告書を提出するものであります。
「3.訂正箇所」に記載しております。
1.訂正の対象となる内部統制報告書の提出日
2022年6月27日
2.訂正の理由及び財務報告に係る内部統制の評価結果を訂正するに至った経緯
2.1 訂正の理由
2022年6月27日に提出した内部統制報告書の「3 評価結果に関する事項」の記載事項に、当社の財務報告に係る内部統制は有効である旨の評価結果を記載しておりましたが、開示すべき重要な不備があると判断したことから訂正することといたしました。
2.2 財務報告に係る内部統制の評価結果を訂正するに至った経緯
当社は、当社の会計監査人であったRSM清和監査法人より、2024年6月25日付で、2024年3月期の有価証券報告書の財務諸表及び連結財務諸表について監査意見を表明しない旨の監査報告書を受領いたしました。当社は監査意見の不表明に至った事由を厳粛に受けとめ、適切に対処すべく、より公正性を確保した第三者による調査が必要と判断し、当社と利害関係を有しない外部の有識者によって構成される第三者調査委員会を設置し、調査を行ってまいりました。
2024年9月9日付「第三者調査委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、第三者調査委員会による調査の結果、北陸のトンネル照明設備更新工事(以下、「当該工事」といいます。)において、損益の期間帰属が誤っていることが判明いたしました。これに伴い、当社は過去に提出済の有価証券報告書等に記載されております連結財務諸表及び財務諸表等並びに四半期連結財務諸表等で対象となる箇所について訂正することを決定いたしました。さらに過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった事項の訂正も併せて行っております。
当初の内部統制報告書における「2 評価の範囲、基準日及び評価手続きに関する事項」に記載のとおり、財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、会社並びに連結子会社及び持分法適用会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定いたしました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、会社及び連結子会社7社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定しておりました。当該判断は、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しており、適切であったと判断しております。
しかしながら、当該工事においては、当社が過去に経験したことのない管理の難易度の高い工事であったにもかかわらず、当該工事を施工した部署内においてその工事への対応に必要な知見・経験を有している人材を配置しなかったこと、それにより将来の工事原価増加要因となる情報を網羅的に把握して実行予算を作成・見直す体制の整備及びその運用がされていなかったこと、情報を把握しても適時に部署内で共有して実行予算を見直しする運用がなされていなかったことから、内部統制の整備及び運用上の不備が発生しました。また減損の認識要否の判断のために将来キャッシュ・フローの見積りを十分に検討する必要があることに関する意識の欠如、関連する会計基準の理解不足から、減損損失の判定の遅延が発生しました。
本件に係る業務プロセス、及び決算財務報告プロセスは評価範囲ではありましたが、当該事実の判明が2024年3月期事業年度(第77期)の末日後の決算作業中に発見されたため、内部統制報告書の提出日においては、当該開示すべき重要な不備を把握できず、内部統制の不備として記載することができませんでした。
上記の事象は、財務報告に重大な影響を及ぼすものであるため、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。これをうけて訂正の対象となる内部統制報告書の評価結果に関する事項を訂正するに至りました。
なお、2024年3月期事業年度(第77期)の末日後の決算作業中に上記訂正事由が発見されたものであるためその全ての調査完了までには至らず、当事業年度の末日においての是正が完了しませんでした。
3.訂正箇所
訂正箇所は___を付して表示しております。
(訂正前)
上記の評価の結果、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。
(訂正後)
下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高く、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。
記
当社は、2022年3月期(第75期)に北陸のトンネル照明設備更新工事(以下、「当該工事」といいます。)を請負いましたが、2024年3月期(第77期)決算において工事原価総額見込みを見直したところ、受注当時の見積り漏れ、その後の工事原価増額などにより損失が発生することが認められ、2024年3月期(第77期)第4四半期において損失処理を行いました。本件は工事原価総額の見積り誤りによるものであり、内部統制の不備に該当すると認識し社内調査を行いました。その結果、本件の主たる原因は、当社が過去に経験したことのない管理の難易度の高い工事であったにもかかわらず、当該工事を施工した部署内においてその工事への対応に必要な知見・経験を有している人材を配置しなかったこと、それにより将来の工事原価増加要因となる情報を網羅的に把握して実行予算を作成・見直す体制の整備及びその運用がされていなかったこと、情報を把握しても適時に部署内で共有して実行予算を見直しする運用がなされていなかったことと考えており、内部統制の整備及び運用上の不備と評価しました。
さらに、会計監査人による監査の過程で、当該工事に係る損失は、受注当時の見積り漏れについては当該工事を受注した2022年3月期(第75期)から2024年3月期(第77期)末までの決算期間にかけて計上する必要があるとの指摘を受け、受注当時の見積り漏れの金額確定のための社内調査を行いました。
併せて、当該工事に類似する案件の網羅性や類似する案件の見積り工事原価総額に誤謬が発生していないかに関する社内調査を実施しました。
これらの社内調査につきましては、2024年3月期事業年度(第77期)の末日後に実施されたものであるため、結果当事業年度の末日においての是正が完了しませんでした。
また、会計監査人による監査の過程で、全社的な共用資産の減損判定のための割引前将来キャッシュ・フローの見積り資料について合理性を持った検証ができていないとの指摘を受け、当該共用資産について、割引前将来キャッシュ・フローの見積りの妥当性を証明する資料の収集に努め、減損処理の検討を行なってまいりました。減損損失の判定が遅延した要因として、固定資産の減損に係る会計基準に基づく網羅的・客観的かつ合理的な評価プロセスが整備されていないため、減損の認識要否の判断のために将来キャッシュ・フローの見積りを十分に検討する必要があることに関する意識の欠如、関連する会計基準の理解不足が挙げられ、これは内部統制の整備上の不備に該当すると考えております。
これらの内部統制の不備は、当社の財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断し、有識者によるより詳細な調査を実施し、是正・改善を図っていくことといたしました。
当社は財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、2024年6月10日付の適時開示「第三者調査委員会設置のお知らせ」の通り第三者調査委員会を設置し、上記社内調査に引き続き内部統制の不備に係る調査を行ないました。
第三者調査委員会による調査の結果、2024年9月9日付「第三者調査委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、当該工事において、損益の期間帰属が誤っていることが判明いたしました。これに伴い、当社は過去に提出済の有価証券報告書等に記載されております連結財務諸表及び財務諸表等並びに四半期連結財務諸表等で対象となる箇所について訂正することを決定いたしました。さらに過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった事項の訂正も併せて行いました。
当社は、第三者調査委員会の調査結果を真摯に受け止め、第三者調査委員会の調査結果及び提言について十分に分析・検証の上、再発防止策等を検討し、以下の施策を着実に実行することにより株主や投資家をはじめとするステークホルダーの信頼回復に向け、全社を挙げて全力を尽くしてまいる所存であります。
(1)内部統制強化委員会設置
(2)内部統制統括部の設置
(3)内部統制アドバイザーとして外部専門家であるOAG監査法人の選任
(4)再発防止策の策定及び実行
①入札等の受注時の見積もりの正確性確保
②実行予算の検証制度に係る規程の改定及び徹底
③受注方針会議の充実
④社内のコミュニケーションの向上
⑤上場会社として求められる会計基準や公開情報に対する理解の向上
⑥監査法人が実施する監査に対する理解の向上
以上