名称 株式会社オープンハウスグループ
所在地 東京都千代田区丸の内二丁目7番2号
普通株式
(1)本公開買付けに関する意見の内容
当社は、2025年1月10日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、当社の取締役9名(うち社外取締役3名)のうち、公開買付者の専務取締役CFOである若旅孝太郎氏を除く8名が審議及び決議に参加し、決議に参加した取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の一致により、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することの決議を行いました。
上記の取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
なお、当社の取締役である若旅孝太郎氏は公開買付者の専務取締役CFOを兼務しているため、利益相反の疑いを回避する観点から、上記当社取締役会での本公開買付けに係る審議及び決議には参加しておらず、当社の立場において公開買付者との協議・交渉にも参加しておりません。
(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社株式44,011,372株(所有割合(注1):63.42%)を所有し、当社を連結子会社としているとのことです。この度、公開買付者は、2025年1月10日開催の取締役会において、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の下限を2,255,228株(所有割合:3.25%)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。一方、本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社の発行済株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(2,255,228株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(2,255,228株)は、当社が2024年12月23日付で提出した「第28期有価証券報告書」(以下「当社有価証券報告書」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(69,892,996株)から、当社有価証券報告書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(493,107株)を控除した株式数(69,399,889株)に係る議決権数(693,998個)の3分の2に相当する数(462,666個、小数点以下切り上げ)に100を乗じた数(46,266,600株)から、公開買付者が所有する当社株式数(44,011,372株)を控除した株式数(2,255,228株)としているとのことです。かかる買付予定数の下限は、本公開買付けにおいて公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引を確実に遂行すべく、本公開買付けの成立後に公開買付者が当社の総株主の議決権の3分の2以上を所有することとなるように設定したとのことです。
なお、公開買付者は、本書提出日現在、当社株式を44,011,372株(所有割合:63.42%)所有しているため、本公開買付けにおけるいわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定しておりませんが、公開買付者及び当社において下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の措置を講じていることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者が当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社の株主を公開買付者のみとし当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、下記「(4)上場廃止となる見込み及びその事由」に記載のとおり、本公開買付けの結果次第では、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があり、また、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施することとなった場合には、所定の手続を経て上場廃止となるとのことです。
公開買付者は、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、自己資金及び株式会社三井住友銀行(以下「三井住友銀行」といいます。)からの606億7,855万5,630円を上限とした借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)(注2)により充当することを予定しており、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに、本銀行融資を受けることを予定とのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社有価証券報告書に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(69,892,996株)から当社有価証券報告書に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(493,107株)を控除した株式数(69,399,889株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。以下同じです。
(注2) 公開買付者は、上記金額の裏付けとして、三井住友銀行から、606億7,855万5,630円を上限として融資を行う用意がある旨の融資証明書を2025年1月10日付で取得しているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
公開買付者は、1997年9月に商号を株式会社オープンハウスとして創業し、新築一戸建住宅の売買仲介事業を開始したとのことです。2013年9月に東京証券取引所市場第一部に株式を上場し、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、市場第一部からプライム市場へ移行しているとのことです。また、2022年1月1日付で公開買付者が営んでいた戸建関連事業及びその他の事業等を、会社分割により公開買付者の100%子会社である株式会社オープンハウス(株式会社オープンハウス準備会社より商号変更)に承継させるとともに、商号を株式会社オープンハウスグループに変更し、持株会社体制に移行したとのことです。公開買付者は、公開買付者及び関係会社60社(本書提出日現在。連結子会社59社及び持分法適用関連会社1社にて構成され、非連結子会社及び持分法非適用会社を除きます。)からなる企業グループ(以下「公開買付者グループ」といいます。)で構成され、戸建関連事業を中心にマンション事業、収益不動産事業、その他の事業、公開買付者の連結子会社である当社が展開する事業のセグメントであるプレサンスコーポレーション(注3)を展開しているとのことです。
公開買付者グループは、2023年11月に2026年9月期を最終年度とする「3ヵ年の経営方針(2024年9月期~2026年9月期)」を策定しているとのことです。当該方針において、3年累計の当期純利益を2,500億円(2024年11月に2,500~2,600億円に上方修正しております。)とし、自己資本比率は35.0%以上、ネットD/Eレシオは1.0倍以下を維持、投資額は3年累計で5,000億円を想定しているとのことです。株主還元は、3年累計で1,000億円とし、引き続き配当性向20%以上の安定的な配当及び機動的な自己株式の取得を実施する方針としているとのことです。2024年9月期においては、戸建及びマンションによって構成される実需不動産(注4)に加え、収益不動産(注5)及びアメリカ不動産(注6)によって構成される投資用不動産に対する高い需要が継続し、過去最高の売上高1兆2,958億円(対前期増加率12.8%)及び過去最高の当期純利益929億円(対前期増加率0.9%)を達成するなど、業績は堅調に推移しているとのことです。
(注3) 「事業のセグメントであるプレサンスコーポレーション」とは、当社を公開買付者のその他のセグメントに組み込まず、当社全体を独立したセグメントとして取り扱っている公開買付者グループにおけるセグメント上の位置付けとしての当社を意味しているとのことです。
(注4) 「実需不動産」とは、実際に居住することを目的として購入される不動産とのことです。
(注5) 「収益不動産」とは、居住者やテナント等に賃貸することにより賃料収入を得ることを目的として購入される不動産とのことです。
(注6) 「アメリカ不動産」とは、居住者に賃貸することによる賃料収入や売却時の値上がり益を得ること等を目的として日本人の投資家により購入される米国に所在する中古不動産とのことです。
我が国では、2000年以降、女性の社会進出が進み、共働き世帯が増加する等の生活スタイルの変化に伴い、利便性の高い都心部においてリーズナブルな価格の住宅を求める傾向がより強くなってきており、人口が減少する傾向にある中においても、都市部における世帯数は今後も増加が見込まれると考えているとのことです。このような公開買付者グループを取り巻く事業環境を踏まえて、都心で手の届く価格の一戸建住宅を、安定的かつ効率的に供給し続けるために、公開買付者グループは、主要事業である戸建関連事業に関して、創業時からの仲介機能に加えて、用地の仕入、設計、建設までの全ての機能を公開買付者グループ内で完結できる体制を整備し、製販一体型の事業運営を行うことで、商品力を高めてきたとのことです。加えて、公開買付者の戸建関連事業は、特定エリアに絞ってピンポイントでお客様にアプローチする“攻め”の営業を徹底し、首都圏、名古屋圏、関西圏及び福岡圏等の主要都市部で集中的に戸建住宅を供給するドミナント戦略を展開することで、高収益性及び高効率性を伴って、戸建住宅市場における公開買付者グループのシェアを着実に高めてきたとのことです。
2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大による環境の変化をきっかけに、家族が揃って自宅で過ごす時間が増えたことやテレワークの機会が増えたことにより、住まいに対する新たなニーズが発生したことに伴い戸建住宅の利用価値や需要が拡充した後、ゼロコロナからウィズコロナに向けた環境の変化に伴い、戸建に対する極めて高い需要は平準化する傾向を示しているものの、都心部の利便性の高い戸建に対する需要は現在にかけて引き続き堅調に推移していると考えているとのことです。上記のような環境下においても、公開買付者グループの主要事業である戸建関連事業が牽引するかたちで、公開買付者グループの業績は2020年9月期以降、毎期過去最高益を更新する等、順調に進捗してきたとのことです。マンション事業においては、公開買付者の連結子会社である株式会社オープンハウス・ディベロップメントが新築マンションの開発及び分譲を行っており、一部の物件においては公開買付者の連結子会社である株式会社オープンハウス・アーキテクト(旧株式会社アサカワホーム。以下「OHA」といいます。)が建築を担っているとのことです。特に、首都圏、名古屋圏及び福岡圏の都心部を中心として利便性の高い貴重な立地において、マンション志向の強い単身者、2人世帯を対象としたコンパクトタイプ並びにファミリータイプのマンションの開発・分譲に取り組んでおり、販売は順調に推移しているとのことです。また、現場ごとのモデルルームや販売促進物等は必要最小限に留めることにより、コスト管理の徹底を図り、売上総利益率の改善も見込んでいるとのことです。
公開買付者グループは、事業シナジーを発現できるM&Aに積極的に取り組んできたとのことです。例えば、公開買付者は、2015年1月には、OHAを、2018年10月には株式会社ホーク・ワン(以下「ホーク・ワン」といいます。)をそれぞれ完全子会社化したとのことです。OHA及びホーク・ワンは、いずれも公開買付者の完全子会社となって以降、受注棟数の増加等による売上高の増加を実現しているとのことです。また、公開買付者は、2020年4月6日付で当社との間で資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。)を締結、2020年5月には、当社の株主から株式を譲り受ける方法により、当社の総議決権(2020年3月31日時点)の31.91%を取得して当社を公開買付者の持分法適用関連会社とし、2021年1月に第三者割当増資及び公開買付けを通じて当社の総議決権(2021年3月31日時点)の64.46%を取得し、当社を公開買付者の連結子会社としたとのことです。加えて、公開買付者は、2023年10月に公開買付けを通じて株式会社メルディア(旧株式会社三栄建築設計。以下「メルディア」といいます。)を連結子会社とした後、2023年11月にメルディアを完全子会社化したとのことです。このように、公開買付者は、M&Aを通じた公開買付者グループ全体の企業価値向上にも取り組んできたとのことです。また、公開買付者グループは、公開買付者グループの企業価値の最大化を図るために経営の健全性、透明性及び客観性が重要であると考え、コーポレート・ガバナンスを重要な経営課題の一つと位置付けるとともに、持続可能な社会の実現に事業活動を通じて貢献し、「オープンハウス脱炭素プロジェクト」として再生可能エネルギーの普及に貢献することを目的として太陽光発電事業を開始するなど、企業の持続的成長を目指す「サステナビリティ」を推進しているとのことです。
一方、当社は、1997年10月に不動産販売業を行うことを目的とする株式会社日経プレステージとして大阪市中央区に設立され、1998年11月に自社ブランドマンションの販売を開始し2002年4月に商号を株式会社プレサンスコーポレーションへ変更しました。その後、当社は、2007年12月に東京証券取引所市場第二部に株式を上場し、2013年10月に東京証券取引所市場第一部銘柄に指定され、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からスタンダード市場に移行しました。
当社グループ(注7)は、当社並びに当社の子会社12社及び持分法適用関連会社2社(2024年9月30日現在)により構成されており、主に関西エリア・東海エリア・関東エリア・沖縄エリアにおいてワンルームマンション(主に単身者向けに賃貸に供される投資型マンション)、及びファミリーマンション(家族での使用を想定したマンション)の企画開発と販売を主たる事業としております。当社は、1997年10月の創業以来、一貫して利便性の高い立地にこだわり、より資産価値の高いマンションをお届けすることで、お住まいになる方のより快適で豊かな暮らしを実現することに注力してまいりました。また、企業理念である「一隅を照らす」(注8)を念頭に、独立系マンションディベロッパーとして都市型マンションからファミリーマンションまでを手掛ける当社ならではの開発力を活かしたマンションづくりを目指して、首都圏から九州まで広い地域で事業を展開し、特に近畿圏、東海・中京圏においては、数多くのマンションを供給してまいりました。
(注7) 「当社グループ」とは、当社並びに当社の子会社12社及び持分法適用関連会社2社(2024年9月30日現在)で構成される企業グループをいいます。
(注8) 「一隅を照らす」とは、「一人ひとりが自身の置かれたその場所で精一杯努力し、他の人のためにも働くことでまわりを明るく照らす。それがひいては社会全体を明るく照らし、世界の人々の平和や幸福の実現に結び付く」という考えをいいます。
当社グループは、近年において、人口が減少傾向にある一方、都市生活の利便性を求めて都心部の世帯数等が増加する傾向にあると考えています。当社は、投資型ワンルームマンションの分譲につきましては、単独世帯数が増加傾向にあること、不動産投資が資産運用商品として市場に定着していること等から、需要は堅調に推移するものと考えております。また、当社は、ファミリーマンションの分譲につきましては、政府による住宅取得支援制度も継続実施されており、都心及びその周辺部のファミリーマンションに対する需要は、堅調に推移するものと考えており、今後も変化する顧客ニーズへの的確な対応に努め、事業規模の拡大を図ってまいります。
公開買付者は、2020年4月6日、地域補完及び商品補完関係の構築等を目指し、公開買付者と当社の経営資源や経営ノウハウを融合することによる事業シナジーを発現させること等により、両社並びに両社のお客様、株主、従業員、取引先及び関係者の皆様にとっての利益の最大化を図るべく、当社との間で本資本業務提携契約を締結したとのことです。また、公開買付者は、2020年5月には、当社の株主から株式を譲り受ける方法により、当社の総議決権(2020年3月31日時点)の31.91%を取得して当社を公開買付者の持分法適用関連会社としたとのことです。公開買付者及び当社は、相互に経営ノウハウを提供することにより、本資本業務提携契約において企図したシナジー効果を実現するために協議を重ねたとのことです。その後、公開買付者及び当社は、当社を公開買付者の連結子会社とすることにより当社の信用補完及び資金調達の安定化を図り、同時に、当社の経営の独立性を尊重しつつ、両社の連携を深めることが、両社の資本業務提携を促進し、両社の企業価値の向上に資すると考え、公開買付者は、2020年11月13日、(ⅰ)本資本業務提携契約の変更等に関する合意書を締結すること、並びに、(ⅱ)公開買付者が最終的には当社を連結子会社化することを目的として、当社株式に対する公開買付け(買付予定数の下限:なし、買付予定数の上限:19,881,500株(当時の所有割合(注9):30.69%)、買付け等の期間:2020年11月16日から2021年1月14日まで。以下「前回公開買付け」といいます。)を実施すること、及び公開買付者を割当先とする第三者割当増資(払込期間:前回公開買付けに係る公開買付期間終了後の2021年1月15日から2021年1月19日まで、発行株式数:3,508,772株(議決権数:35,087個、当時の所有割合:5.42%)、発行価額:1株当たり1,425円、発行総額:約5,000百万円。)において、前回公開買付けの成立等の一定の前提条件の充足を条件として、発行される当社株式の全てを引き受けることを決定したとのことです。詳細については、公開買付者が2020年11月13日付で公表した「株式会社プレサンスコーポレーションとの資本業務提携契約の変更等に関する合意書の締結、株式会社プレサンスコーポレーション株式(証券コード:3254)に対する公開買付けの開始及び第三者割当増資の引受けに関するお知らせ」をご参照ください。前回公開買付けは、当社の株主の皆様から32,634,299株の応募を集めて成立し、公開買付者は第三者割当増資における発行株式の全ての引受けを行うとともに、買付予定数の上限である当社株式19,881,500株の買付けを行ったとのことです。その結果、公開買付者は、前回公開買付けの決済開始日である2021年1月20日付で当社株式44,011,372株(当社の総議決権(2021年3月31日時点)の64.46%)を所有するに至り、同日付で当社を連結子会社化したとのことです。
(注9) 「当時の所有割合」とは、当社の2020年9月30日現在の発行済株式総数(65,336,739株)から同日時点において当社が所有する自己株式数(556,734株)を控除した株式数(64,780,005株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下同じとします。)をいいます。
前回公開買付け時においては、当初、2019年12月に、以前、当社の代表取締役社長の地位にあった者(以下「当社元代表取締役社長」といいます。)が業務上横領の容疑で逮捕(注10)されるという予期せぬ事態が発生したことをきっかけに公開買付者が当社株式を取得することとなった経緯や、当社は、公開買付者とは異なる、近畿圏での事業展開、及びマンション事業を主力としており、これらのエリア及び事業分野においては公開買付者よりも優れているといった背景を踏まえて、当社が培ってきた独立系マンションディベロッパーとしての独自の企業文化や経営の自主性を一定程度維持し、公開買付者との間で独立した競争関係を維持し公開買付者と当社の間で切磋琢磨することが、当社従業員のモチベーションの向上や当社の持続的な発展による企業価値及び株主価値の継続的な向上のために非常に重要であり、当社の自主的な経営を尊重しつつ、両社の連携を深めることが公開買付者及び当社の企業価値向上及び株主価値の継続的な向上に有用であるとの考えのもと、当社を公開買付者の完全子会社とせず、公開買付者の連結子会社として当社の上場を維持していたとのことです。前回公開買付け以降、当社においては、2019年12月に、当社元代表取締役社長が業務上横領の容疑で逮捕された後に回復しつつあった顧客や取引先、金融機関等からの信用の更なる補完を実現しつつ、両社において、本資本業務提携契約で企図していた各種施策である、地域補完、商品補完、賃貸・分譲物件の管理・マネジメント、コスト削減等について可能な範囲で取り組んできたとのことです。これらの取り組みを通じて、一定の具体的な成果を得ることができた一方で、両社それぞれが上場会社であり少数株主の皆様を有する中で、本来公開買付者が得るべき利益が当社の少数株主に流出することにより公開買付者の少数株主が害されるおそれや当社が本来得るべき利益を公開買付者が得ることにより当社の少数株主が害されるおそれがあるという潜在的な利益相反関係について慎重な検討を要することにより、下記のとおり一部の領域においては協働が限定的となっていたとのことです。
(注10) 当社元代表取締役社長については、その後2021年11月に無罪が確定しております。
足元では、建設設備・資材や人件費を含む建築コストの上昇等、両社を取り巻く環境は刻々と変化する中で、公開買付者は、当社において、集客マーケティング力の強化等を通じて、更なる売上拡大、更なる企業価値の向上を目指すことができる余地があると考え、また、建設設備・資材や人件費を含む建築コストの上昇等の外部環境の変化にも適時かつ適切に対応していくための体制づくりが当社における喫緊の経営課題であると認識するに至ったとのことです。公開買付者は、建設設備・資材や人件費を含む建築コストの上昇等の外部環境の変化に公開買付者グループとして適時かつ適切に対応していくための議論を重ねていく過程において、2024年10月中旬、両社の企業価値の最大化の観点から、両社の連携をより強固なものとしていくことが必要不可欠であり、当社の少数株主の皆様と公開買付者との間の利益相反を回避し、公開買付者グループとしての更なる経営資源の相互活用や意思決定の迅速化を図るには、当社の上場を維持したままでの実行は難しく、当社を公開買付者の完全子会社とすることが必要不可欠であるという考えに至ったとのことです。当社の完全子会社化により、具体的には、以下のようなシナジーが実現できると考えているとのことです。
(ⅰ)公開買付者及び当社の営業チームによる積極的なクロスセル
公開買付者によれば、公開買付者と当社は、相互に補完する商品ラインナップ・顧客属性・地域展開を有しているとのことです。これらの相互活用やクロスセルを実施するにあたっては、従来、当社において増加する利益の一部が当社の少数株主に帰属することで公開買付者の少数株主の利益が害される懸念及び当社による公開買付者への協力により当社の少数株主に帰属すべき利益が公開買付者に帰属することで当社の少数株主の利益が害される懸念が存在したことによる一定の制約が存在しておりましたが、本取引による当社株式の非公開化後は、これらの相互活用や積極的なクロスセルを推進し、お客様のニーズや状況に合わせた最適な提案が可能となるとのことです。具体的には、戸建とマンションという商品補完、実需向けと富裕層向けという顧客属性補完、関東圏と関西圏という地域補完等が見込まれるとのことです。
(ⅱ)集客マーケティング機能の強化
公開買付者及び当社双方で独自に磨いてきたノウハウの共有・横展開に関して、上記のとおり、少数株主が存在する現状の当社との関係性においては、公開買付者と当社において相互に活用することが限定的とならざるを得ないところ、本取引を通じて相互のノウハウを最大限活用することができる状態を実現することで、両社の集客マーケティング機能の底上げを図るとのことです。また、公開買付者グループ全体最適の観点から、マーケティング機能強化への投資を積極的に推進するとのことです。
(ⅲ)マンション建築機能の相互活用
従来、当社が本来得るべき利益を公開買付者が得ることにより当社の少数株主が害されるおそれがあるという潜在的な利益相反関係が存在することから制約が存在した、当社が関西圏で保有する当社の連結子会社である株式会社メルディアDC、公開買付者が関東圏に保有する公開買付者の連結子会社であるOHAの2社のRC建築機能の相互活用を推進することにより、両社の事業上の選択肢を広げ、収益機会を最大化することを目指すとのことです。
(ⅳ)人材の採用及び育成
従来、当社は公開買付者の連結子会社であるものの、あくまで独立した上場会社であることを前提に、個別に人材採用を行ってまいりましたが、上記の利益相反関係が解消されることにより、人材採用面での連携も強化し、労働力人口減少が見込まれる中にあっても、他業種との人材獲得競争に負けない採用力を実現するとのことです。また、公開買付者グループ内での人材の相互交流も積極化し、公開買付者と当社が一体となって、多様な人材に多様な機会を提供するとのことです。
(ⅴ)情報システム及びSDGs関連投資の推進
上記のとおり、少数株主が存在する現状の当社との関係性においては、公開買付者の有する情報システムの活用が当社として限定的にならざるを得ないところ、当社株式の非公開化により、公開買付者が積極的に推進・整備してきたDXインフラを横展開することにより、当社の生産性向上やビジネス機会の拡大を実現するとのことです。また、今後の情報システムやSDGs関連投資(注11)についても、当社への展開も念頭に、積極的に推進するとのことです。
(注11) 「SDGs関連投資」とは、太陽光発電を中心としたSDGsに沿った取組みの推進に係る投資を意味するとのことです。
(ⅵ)資金調達の安定化
上記のとおり、潜在的な利益相反関係が存在することにより、公開買付者から当社に対する資本注入には慎重な検討を要しておりましたが、当社株式の非公開化により、柔軟かつ迅速な意思決定に基づく資本強化を通じた当社の信用補完による更なる資金調達の安定化を図り、当社の事業運営の更なる成長を実現するとともに、直近のマンション事業を取り巻く環境としてこれまで以上に事業拡大のための資金力の重要性が増している中で、事業の持続可能性を盤石なものとすることを目指すとのことです。また、社債による資金調達等も選択肢に含めながら、グループ最適の観点から資金調達の最適化を目指すとのことです。
(ⅶ)親子上場解消による利益相反の回避と公開買付者グループ全体の利益最大化
当社は、本書提出日現在、公開買付者の連結子会社でありながらも、上場企業であるために、公開買付者と当社の少数株主の皆様との間に潜在的な利益相反構造が存在しておりますが、本取引によって当該利益相反構造が解消されることにより、利益最大化のための公開買付者グループ内の連携が可能になると考えているとのことです。また、当社において、近年の新市場区分における上場維持基準への適合対応やコーポレート・ガバナンスコード等に対応するために、上場を維持するための体制や業務にかかる負担(株主総会の開催・運営、監査、株主名簿管理人への事務委託に要する費用、有価証券報告書等の継続的な情報開示等)は年々増大しているとのことですが、本取引により当社株式を非公開化することによって、これらのコスト及び業務を軽減できると考えているとのことです。
なお、本取引が成立した場合、当社株式の上場が廃止されることとなりますが、上場廃止に伴うデメリットとして、一般的には、資本市場から資金調達を行うことができなくなることや、取引先を含む外部からの社会的信用や知名度の獲得・維持といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが挙げられるとのことです。しかしながら、本取引が成立した場合には、当社は東京証券取引所プライム市場に上場しており高い社会的信用及び認知度を有していると考えている公開買付者の完全子会社として、公開買付者によって信用が補完されることにより、当社による金融機関からの借入れや社債等を利用した安定的な資金調達が可能になると考えられることから、資金調達に対する影響は限定的と考えているとのことです。また、当社と取引先の信頼関係については、2019年12月に当社元代表取締役社長が業務上横領の容疑で逮捕されたことによる悪影響を受けたこともあったとのことですが、当社にとって最重要の取引先であるとともに他の取引先からの信頼にも大きな影響力をもつ金融関係との信頼関係を改善すべく、まずは金融機関に対して丁寧な説明を行ったとのことです。加えて、2020年5月に公開買付者が当社の株式を初めて取得してからは、公開買付者が当社を持分法適用関連会社としたことを含め十分な説明を行ったことで金融機関及びその他の取引先からの信頼を取り戻すことができ、その後2021年11月に当社元代表取締役社長の無罪が確定したことを経て既に十分な信頼関係が構築されており、上場廃止を理由に既存の取引関係が大きく剥落することはないと考えているとのことです。さらに、当社においてこれまでの事業運営により積み重ねられてきた社会的信用や知名度は、上場廃止により失われるものではなく、むしろ、東京証券取引所プライム市場に上場する公開買付者の完全子会社となり、上記のシナジーを実現することで、当社の社会的信用及び知名度の更なる向上も見込まれることからすれば、上場廃止に伴うデメリットは僅少であり、上記のシナジー実現により見込まれる当社の企業価値向上というメリットを上回ることはないと考えているとのことです。
公開買付者は、当社との連携を深めることで上記のシナジーが見込まれることを踏まえ、本取引について本格的な検討を開始すべく、2024年10月下旬、公開買付者グループ及び当社グループから独立した第三者算定機関としてフィナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、公開買付者グループ及び当社グループから独立した法務アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所をそれぞれ選任したとのことです。公開買付者は、2024年10月24日、当社に対し、本取引の検討・協議を開始したい旨の申し入れを行ったとのことです。その後、2024年11月5日、当社に対して、本公開買付け及びその後の本スクイーズアウト手続により当社株式の全てを取得し、当社を完全子会社化することに関する意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を提出し、これを受けて、当社から、検討に必要な体制を構築した上で、提案内容を検討する旨の連絡を受領したとのことです。
公開買付者から当社に対する上記2024年11月5日付の本意向表明書の提出を受けて、当社は、当社の少数株主の皆様への影響に配慮し、本公開買付けを含む本取引に関し、当社の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立することを目的とした検討体制の構築を開始いたしました。具体的には、当社は、下記「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり本特別委員会(下記「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」において定義します。以下同じです。)の設置に向けた準備を進め、本特別委員会を2024年11月7日に設置し、また、当社は、同日付で当社及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、みずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、当社及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任いたしました。
なお、当社の取締役のうち、若旅孝太郎氏については、公開買付者の専務取締役CFOを兼務しているため、利益相反の疑いを回避する観点から、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、本特別委員会の設置を含め、2024年11月7日以降、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
公開買付者は、本意向表明書を提出した2024年11月5日以降、本取引実施に向けて当社との間で本格的な協議を開始したとのことです。具体的には、公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のためのデュー・ディリジェンスを2024年11月中旬から2024年12月上旬まで実施するとともに、2024年12月上旬から、本取引の諸条件に関する協議を開始したとのことです。
本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)について、公開買付者は、2024年12月9日、当社株式の市場株価の推移や、当社から開示された事業計画、当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの状況等を踏まえ、独立した第三者算定機関であるSMBC日興証券による株式価値算定に関する試算を総合的に勘案した上で、当社及び本特別委員会に対し、本公開買付価格を2,075円(提案日の前営業日である同年12月6日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,886円に対して10.02%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,866円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して11.20%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,901円に対して9.15%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,906円に対して8.87%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の初回の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同年12月10日、公開買付者は、当社より、当社の第三者算定機関による当社株式価値の提案日時点の試算結果のうち、当社が重視するディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)(永久成長法)の価格レンジに達していないことや、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと等を踏まえると、当社の少数株主利益保護の観点から応募推奨をすることができる水準を大きく下回っているとの本特別委員会の見解及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、より高い公開買付価格の再提示を要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、同年12月12日に、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を2,200円(提案日の前営業日である同年12月11日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,903円に対して15.61%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,861円に対して18.22%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,903円に対して15.61%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,907円に対して15.36%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の2回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同年12月16日、公開買付者は、当社より、当社の第三者算定機関による当社株式価値の提案日時点の試算結果のうち、当社が重視するDCF法(永久成長法)の価格レンジの中央値に大きく達していないことや、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと、本取引において定量的・定性的両面でシナジーが見込まれる中、本取引によって実現するシナジーを十分に反映しているといい難いこと等を踏まえると、当社の少数株主利益保護の観点から応募推奨をすることができる水準を大きく下回っているとの本特別委員会の見解及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、より高い公開買付価格の再提示を要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、同年12月18日、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を2,270円(提案日の前営業日である同年12月17日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,902円に対して19.35%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,856円に対して22.31%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,906円に対して19.10%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して18.97%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の3回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同年12月19日、公開買付者は当社より、当社の第三者算定機関による当社株式価値の提案日時点の試算結果のうち、当社が重視するDCF法(永久成長法)の価格レンジの中央値に達していないことや、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと、本取引において定量的・定性的両面でシナジーが見込まれる中、本取引によって実現するシナジーを十分に反映しているといい難いこと等を踏まえ、当社の少数株主の利益に配慮する必要があることから、本特別委員会の意見及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本公開買付価格を2,600円とすることを要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、同年12月23日、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を2,320円(提案日の前営業日である同年12月20日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,922円に対して20.71%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,871円に対して24.00%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して21.59%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して21.59%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の4回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同年12月24日、公開買付者は当社より、当社の第三者算定機関による当社株式価値の提案日時点の試算結果のうち、当社が重視するDCF法(永久成長法)の価格レンジの中央値に達していないことや、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと、本取引において定量的・定性的両面でシナジーが見込まれる中、本取引によって実現するシナジーを十分に反映しているといい難いこと等を踏まえると、当社の少数株主の利益に配慮する必要があることから、本特別委員会の意見及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本公開買付価格を2,550円とすることを要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、2025年1月6日、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を2,350円(提案日の前営業日である2024年12月30日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,999円に対して17.56%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,917円に対して22.59%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,912円に対して22.91%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,910円に対して23.04%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の5回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、2025年1月7日、公開買付者は当社より、当社の第三者算定機関による当社株式価値の提案日時点の試算結果のうち、当社が重視するDCF法(永久成長法)の価格レンジの中央値に達していないことや、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと、本取引において定量的・定性的両面でシナジーが見込まれる中、本取引によって実現するシナジーを十分に反映しているといい難いこと等を踏まえると、未だ当社の少数株主に対し本公開買付けへの応募を推奨できる水準の価格に達していないことから、本特別委員会の意見及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本公開買付価格を2,520円とすることを要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、同年1月8日、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を2,370円(提案日の前営業日である同年1月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,964円に対して20.67%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,937円に対して22.35%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して24.21%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,909円に対して24.15%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の6回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同年1月8日、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと、本取引において定量的・定性的両面でシナジーが見込まれる中、本取引によって実現するシナジーを十分に反映しているといい難いこと等を踏まえると、当社の少数株主の利益に配慮する必要があることから、本特別委員会の意見及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本公開買付価格を2,435円とすることを要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、公開買付者は、同年1月9日、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を2,380円(提案日の前営業日である2025年1月8日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,969円に対して20.87%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,938円に対して22.81%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して24.74%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,909円に対して24.67%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の7回目の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、同月9日、公開買付者は当社より、可能な限り当社の少数株主の利益に配慮する必要があることから、本特別委員会の意見及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本公開買付価格の上乗せを改めて要請する書面を受領したとのことです。
当該要請を踏まえ、同年1月9日、公開買付者及び本特別委員会は協議を行い、当該協議後、公開買付者は、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を2,390円(提案日の前営業日である2025年1月8日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,969円に対して21.38%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,938円に対して23.32%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して25.26%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,909円に対して25.20%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の8回目の価格提案書を提出したとのことです。その結果、公開買付者は、最終的な意思決定は同年1月10日に開催される当社の取締役会での決議によることを前提として、当社及び本特別委員会から、本公開買付価格を2,390円とする旨の公開買付者の提案を応諾する書面を受領し、当社及び本特別委員会との間での本公開買付価格の合意に至ったとのことです。
これらの協議・交渉を経て、公開買付者は、2025年1月10日開催の取締役会において、本取引の一環として、本公開買付価格を2,390円として本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
③ 本公開買付け後の経営方針
本書提出日現在、公開買付者の取締役である若旅孝太郎氏が当社の取締役を兼務しておりますが、本公開買付け成立後の当社の経営体制について決定している事項はなく、本公開買付けの決済後に当社と誠実に協議する予定とのことです。本公開買付け成立後の経営方針について、公開買付者は、当社の企業価値向上のための経営戦略の具体的な施策として、主に上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の各シナジーを実現する施策を講じることを考えているとのことですが、具体的な内容及び方法については、公開買付者と当社の間で協議をしながら決定していく予定とのことです。
公開買付者は、本取引後も当社の従業員の雇用を維持し、また、雇用条件を不利益に変更しないことを基本方針としているとのことです。
④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
当社は、公開買付者より2024年10月24日に、本取引の検討・協議を開始したい旨の申し入れを受け、その後2024年11月5日に、公開買付者より本取引に関する初期的な意向表明書を受領いたしました。
これらを受けて、当社は、当社の少数株主の皆様への影響に配慮し、本公開買付けを含む本取引に関し、当社の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、酒谷佳弘氏(監査等委員である独立社外取締役、公認会計士)、西岡慶子氏(監査等委員である独立社外取締役)、及び我孫子俊裕氏(監査等委員である独立社外取締役)の3名によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を2024年11月7日に設置いたしました。また、当社は、同日付で当社及び公開買付者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、みずほ証券を、当社及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所をそれぞれ選任いたしました。
なお、当社の取締役のうち、若旅孝太郎氏については、公開買付者の専務取締役CFOを兼務しているため、利益相反の疑いを回避する観点から、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、本特別委員会の設置を含め、2024年11月7日以降、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
当社は、みずほ証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。
当社は、公開買付者より2024年10月24日に、本取引の検討・協議を開始したい旨の申入れを受け、その後同年11月5日に、本意向表明書を受領いたしました。
当社及び本特別委員会は、本意向表明書の受領後、本取引の是非及び本取引に係る取引条件の妥当性の検討を進め、公開買付者から、同年12月9日に、当社株式の市場株価の推移や、当社が開示した事業計画、公開買付者が当社に対して実施しているデュー・ディリジェンスの状況等を踏まえ、公開買付者から独立した第三者算定機関であるSMBC日興証券による株式価値に関する試算を総合的に勘案し、本公開買付価格を2,075円(提案日の前営業日である同年12月6日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,886円に対して10.02%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,866円に対して11.20%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,901円に対して9.15%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,906円に対して8.87%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の初回の価格提案書を受領いたしました。これに対して、同年12月10日、当社は、当社の第三者算定機関による当社株式価値の提案日時点の試算結果のうち、当社が重視するDCF法(永久成長法)の価格レンジに達していないことや、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと等を踏まえると、当社の少数株主利益保護の観点から応募推奨をすることができる水準を大きく下回っているとの本特別委員会の見解及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、より高い公開買付価格の再提示を要請する書面を提出いたしました。
当該要請を踏まえ、当社及び本特別委員会は、同年12月12日に、公開買付者から、本公開買付価格を2,200円(提案日の前営業日である同年12月11日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,903円に対して15.61%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,861円に対して18.22%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,903円に対して15.61%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,907円に対して15.36%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の2回目の価格提案書を受領いたしました。これに対して、同年12月16日、当社は公開買付者に対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の提案日時点の試算結果のうち、当社が重視するDCF法(永久成長法)の価格レンジの中央値に大きく達していないことや、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと、本取引において定量的・定性的両面でシナジーが見込まれる中、本取引によって実現するシナジーを十分に反映しているといい難いこと等を踏まえると、当社の少数株主利益保護の観点から応募推奨をすることができる水準を大きく下回っているとの本特別委員会の見解及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、より高い公開買付価格の再提示を要請する書面を提出いたしました。
当該要請を踏まえ、当社及び本特別委員会は、同年12月18日に、公開買付者から、本公開買付価格を2,270円(提案日の前営業日である同年12月17日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,902円に対して19.35%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,856円に対して22.31%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,906円に対して19.10%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して18.97%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の3回目の価格提案書を受領いたしました。これに対して、同年12月19日、当社は、公開買付者に対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の提案日時点の試算結果のうち、当社が重視するDCF法(永久成長法)の価格レンジの中央値に達していないことや、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと、本取引において定量的・定性的両面でシナジーが見込まれる中、本取引によって実現するシナジーを十分に反映しているといい難いこと等を踏まえると、当社の少数株主の利益に配慮する必要があることから、本特別委員会の意見及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本公開買付価格を2,600円とすることを要請する書面を提出いたしました。
当該要請を踏まえ、当社及び本特別委員会は、同年12月23日、公開買付者から、本公開買付価格を2,320円(提案日の前営業日である同年12月20日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,922円に対して20.71%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,871円に対して24.00%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して21.59%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して21.59%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の4回目の価格提案書を受領いたしました。これに対して、同年12月24日、当社は公開買付者に対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の提案日時点の試算結果のうち、当社が重視するDCF法(永久成長法)の価格レンジの中央値に達していないことや、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと、本取引において定量的・定性的両面でシナジーが見込まれる中、本取引によって実現するシナジーを十分に反映しているといい難いこと等を踏まえると、当社の少数株主の利益に配慮する必要があることから、本特別委員会の意見及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本公開買付価格を2,550円とすることを要請する書面を提出いたしました。
当該要請を踏まえ、当社及び本特別委員会は、2025年1月6日に、公開買付者から、本公開買付価格を2,350円(提案日の前営業日である2024年12月30日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,999円に対して17.56%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,917円に対して22.59%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,912円に対して22.91%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,910円に対して23.04%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の5回目の価格提案書を受領いたしました。これに対して、同年1月7日、当社は、公開買付者に対し、当社の第三者算定機関による当社株式価値の提案日時点の試算結果のうち、当社が重視するDCF法(永久成長法)の価格レンジの中央値に達していないことや、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと、本取引において定量的・定性的両面でシナジーが見込まれる中、本取引によって実現するシナジーを十分に反映しているといい難いこと等を踏まえると、未だ当社の少数株主に対し本公開買付けへの応募を推奨できる水準の価格に達していないことから、本特別委員会の意見及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本公開買付価格を2,520円とすることを要請する書面を提出いたしました。
当該要請を踏まえ、当社及び本特別委員会は、同年1月8日に、公開買付者から、本公開買付価格を2,370円(提案日の前営業日である2025年1月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,964円に対して20.67%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,937円に対して22.35%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して24.21%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,909円に対して24.15%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の6回目の価格提案書を受領いたしました。これに対して、同年1月8日、当社は、公開買付者に対し、類似事例におけるプレミアム水準に達していないこと、本取引において定量的・定性的両面でシナジーが見込まれる中、本取引によって実現するシナジーを未だ十分に反映しているといい難いこと等を踏まえると、可能な限り当社の少数株主の利益に配慮する必要があることから、本特別委員会の意見及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本公開買付価格を2,435円とすることを要請する書面を提出いたしました。
当該要請を踏まえ、当社及び本特別委員会は、同年1月9日に、公開買付者から、本公開買付価格を2,380円(提案日の前営業日である2025年1月8日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,969円に対して20.87%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,938円に対して22.81%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して24.74%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,909円に対して24.67%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の7回目の価格提案書を受領いたしました。これに対して、同年1月9日、当社は、公開買付者に対し、可能な限り当社の少数株主の利益に配慮する必要があることから、本特別委員会の意見及び当社のアドバイザーの助言を踏まえて、本公開買付価格の上乗せを改めて要請する書面を提出いたしました。
当該要請を踏まえ、同年1月9日、公開買付者及び本特別委員会は協議を行い、当該協議後、当社及び本特別委員会は、同年1月9日に、公開買付者から、本公開買付価格を2,390円(提案日の前営業日である2025年1月8日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,969円に対して21.38%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,938円に対して23.32%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して25.26%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,909円に対して25.20%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の8回目の価格提案書を受領いたしました。
当社及び本特別委員会は公開買付者からの最終提案を踏まえ、慎重に協議の結果、最終的な意思決定は同年1月10日に開催される当社の取締役会での決議によることを前提として、同月9日、公開買付者の最終提案を応諾し、本公開買付価格を2,390円とする旨の公開買付者の提案を応諾する旨の書面を提出したことで、公開買付者との間で本公開買付価格について合意に至りました。
(ⅲ)当社の意思決定の内容
以上の経緯の下で、当社は、2025年1月10日開催の当社取締役会において、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言及び2025年1月9日に提出された株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(みずほ証券)」といいます。)の内容、並びにアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、本特別委員会から2025年1月9日に提出された答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本公開買付けは公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、公開買付者及び当社がそれぞれの経営資源を集約し、互いに強みとする事業ノウハウ等を活用することにより、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の(ⅰ)公開買付者及び当社の営業チームによる積極的なクロスセル、(ⅱ)集客マーケティング機能の強化、(ⅲ)マンション建築機能の相互活用、(ⅳ)人材の採用及び育成、(ⅴ)情報システム及びSDGs関連投資の推進、(ⅵ)資金調達の安定化及び(ⅶ)親子上場解消による利益相反の回避と公開買付者グループ全体の利益最大化といったシナジーの実現が期待され、本公開買付けを含む本取引を行うことで公開買付者及び当社が一体となり、スピード感をもって事業運営を実施しシナジーの早期実現を目指すことが当社の企業価値の向上に資するとの認識を有するに至りました。
なお、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが挙げられます。しかしながら、当社の現在の財務状況及び昨今の間接金融における低金利環境等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であり、また、知名度や社会的信用の向上についても、公開買付者及び当社は業界内において既に一定の知名度を確立しており、当社株式の非公開化に伴うデメリットは限定的と考えております。
また、当社は、以下の各点等の諸事情を考慮し、本公開買付価格である1株当たり2,390円は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a)本公開買付価格は、当社において、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するための措置が十分に講じられた上で、当社が公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(b)本公開買付価格は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、特別委員会から取得した本答申書において、妥当であると認められると判断されていること。
(c)本公開買付価格は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年1月9日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,962円に対して21.81%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,941円に対して23.13%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して25.26%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,909円に対して25.20%のプレミアムが加算されたものであり、当社の上場来最高値である2,171円(2022年1月13日の取引時間中の最高値)を上回る価格であること。
(d)本公開買付価格は、下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、みずほ証券より受領した本株式価値算定書(みずほ証券)における算定結果のうち、市場株価基準法に基づくレンジの上限を上回っており、類似企業比較法及びDCF法の中央値を超える価格となっていること。
(e)当該措置が講じられた上で、当社及び公開買付者から独立した本特別委員会の実質的及び必要に応じた直接的な関与の下、公開買付者との間で真摯に交渉を重ね、当初の公開買付者からの提案価格である2,075円から引上げられた価格であること。
(f)本公開買付価格は、当社の2024年9月30日現在の非支配株主持分控除後の連結簿価純資産額(194,750百万円)を当社の同日現在の自己株式控除後の発行済株式数(69,399,889株)で割ることにより算出した1株当たり連結純資産額である2,806円を下回っているものの(14.83%のディスカウント)、連結簿価純資産額はあくまで理論的な清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の株式価値算定においては重視することは合理的でないと考えていること。また、仮に当社が清算する場合、即時又は早期の売却が想定される販売用不動産及び仕掛販売用不動産(具体的には、当社の連結貸借対照表(2024年9月30日現在)上、販売用不動産として23,867百万円、仕掛販売用不動産として162,215百万円を計上しております。)については一括処分や他社への売却を行うことになり、当該売却価格は大幅な減価が想定されること、当社の保有する流動性の低い資産を中心に資産の売却に困難が生じ得ること及び様々な費用(土地建物の売却に係る費用、従業員に対する割増退職金、不動産鑑定費用、建物の取壊費用、事業清算のための弁護士等の専門家費用等)が発生することから、連結簿価純資産額が同額で換価されるわけではなく、当社の株主に分配することができる金額は連結簿価純資産額から相当程度毀損されることが想定されるため(なお、当社においては、清算を前提としていないことから、具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等の確認までは行っておりません。)、1株当たり連結簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格となるという考え方は採用し難いと考えていること。
以上より、当社は、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る条件は妥当なものであると判断し、2025年1月10日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することの決議を行いました。
なお、上記「(1)本公開買付けに関する意見の内容」に記載のとおり、当社の取締役である若旅孝太郎氏は公開買付者の専務取締役CFOを兼務しているため、利益相反の疑いを回避する観点から、上記当社取締役会での本公開買付けに係る審議及び決議には参加しておらず、当社の立場において公開買付者との協議・交渉にも参加しておりません。
当社取締役会の決議の詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 当社における独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けを含む本取引に関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、本公開買付けを含む本取引に関し当社及び公開買付者から独立した第三者算定機関であるみずほ証券に対し、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年1月9日付で、本株式価値算定書(みずほ証券)を取得いたしました。
みずほ証券は当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は当社及び公開買付者に対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を実施しておりますが、本公開買付けを含む本取引に関して当社及び公開買付者との利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。なお、みずほ証券によれば、みずほ証券は金融商品取引法(第36条第2項)及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)(第70条の4)の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行間の情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の貸付人の地位とは独立した立場で、当社の株式価値の算定を行っているとのことです。当社は、みずほ証券の算定機関としての実績に加え、みずほ証券とみずほ銀行との間において適切な弊害防止措置が講じられていること等を鑑み、本取引における財務アドバイザー及び第三者算定機関として職務を行うにあたり十分な独立性が確保されており、当社がみずほ証券に対して当社株式の株式価値算定を依頼することに関し、特段の問題はないと判断しております。なお、本取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることを以って独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりみずほ証券を当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会は、2024年11月13日開催の第1回特別委員会において、みずほ証券の独立性及び専門性に特段の問題がないことを確認した上で、当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関として選任することを承認しております。
なお、当社は、公開買付者及び当社において、少数株主の利益に配慮して、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載した本公開買付けの公正性を担保するための各種措置を実施していることから、みずほ証券からフェアネス・オピニオンを取得しておりません。
(ⅱ)算定の概要
みずほ証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価基準法を、また、当社と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法を、さらに、将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を採用して、当社株式の価値算定を行い、当社はみずほ証券から2025年1月9日付で本株式価値算定書(みずほ証券)を取得しております。
本株式価値算定書(みずほ証券)において、上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価基準法:1,908円~1,962円
類似企業比較法:2,130円~2,501円
DCF法 :2,057円~2,642円
市場株価基準法においては、2025年1月9日を基準日として、東京証券取引所における当社株式の終値1,962円、同日までの過去1ヶ月の終値の単純平均値1,941円、同過去3ヶ月の終値の単純平均値1,908円、同過去6ヶ月の終値の単純平均値1,909円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を1,908円から1,962円までと算定しております。
類似企業比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として株式会社グッドコムアセット、株式会社コーセーアールイー、株式会社ディア・ライフ及びエスリード株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算出を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,130円から2,501円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した2025年9月期から2027年9月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年9月期第1四半期以降生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を計算し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を2,057円から2,642円までと算定しております。なお、割引率については、6.03%から7.03%を採用しており、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用しております。永久成長率は▲0.5%から0.5%として株式価値を算定しております。
DCF法による分析において前提とした財務予想値は以下のとおりであり、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年9月期から2026年9月期及び2026年9月期から2027年9月期におけるフリー・キャッシュ・フローは、売上高の成長に伴う不動産及び土地等の取得に係る運転資本の増加により、それぞれ▲11,789百万円から▲6,334百万円、▲6,334百万円から11,786百万円へとの大幅な増加を見込んでおります。
なお、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予想に加味しておらず、これを算定の基礎としたみずほ証券による算定にも盛り込まれておりません。また下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、本事業計画の算定基礎となる財務予測や前提条件等の策定にあたり設定された仮定及びそれに基づく数値等について、当社より説明を受けた上で質疑応答を行いましたが、特段不合理な点は見受けられず、その算定方法及び算定結果は合理的なものと認められることを確認しております。
DCF法で算定の前提とした当社財務予想の数値は以下のとおりです。
|
(単位:百万円) |
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|
2025年9月期 |
2026年9月期 |
2027年9月期 |
|
売上高 |
218,624 |
232,786 |
247,337 |
|
営業利益 |
21,046 |
22,357 |
23,222 |
|
EBITDA |
21,762 |
23,293 |
24,234 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
▲11,789 |
▲6,334 |
11,786 |
みずほ証券は、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて当社及びその関係会社の財務予想その他の将来に関する情報(将来の収益及び費用に関する予想、並びに本事業計画を含みます。)については、当社の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に準備又は作成されたことを前提としており、独自にそれらの実現可能性の検証を行っておりません。また、当社及びその関係会社の資産・負債(金融派生商品、簿外資産及び負債その他の偶発債務を含みます。)又は引当について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。みずほ証券の算定は2025年1月9日までにみずほ証券が入手した情報及び経済条件(但し、財務情報については、2024年9月期まで)を反映したものです。なお、みずほ証券の算定は、当社取締役会が本公開買付価格を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
なお、みずほ証券は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりみずほ証券を当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会も、みずほ証券の独立性及び専門性に問題がないことを第1回の本特別委員会において確認いたしました。
② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者グループ及び当社グループから独立した第三者算定機関として、公開買付者のフィナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、SMBC日興証券は公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。SMBC日興証券は、本公開買付けに係る決済資金を公開買付者に融資する予定である三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループ企業の一員ですが、公開買付者は、SMBC日興証券の第三者算定機関としての実績に鑑み、かつ、SMBC日興証券によれば、弊害防止措置としてSMBC日興証券における当社株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び三井住友銀行との間で社内の規程に定める情報遮断措置が講じられていること、公開買付者とSMBC日興証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているためフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての独立性が確保されていること、SMBC日興証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、公開買付者がSMBC日興証券に対して当社株式の株式価値の算定を依頼することに関し、特段の問題はないと考えられることを踏まえた上で、SMBC日興証券をフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選任しているとのことです。
SMBC日興証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法、類似上場会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法及び将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法の各手法を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者はSMBC日興証券から2025年1月9日付で当社株式の株式価値に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」(SMBC日興証券)といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載された各措置をもって、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えており、SMBC日興証券から、本公開買付価格の妥当性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
SMBC日興証券による当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりです。
市場株価法 :1,908円~1,941円
類似上場会社比較法:2,189円~2,754円
DCF法 :1,962円~3,410円
市場株価法では、算定基準日を2025年1月9日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の算定基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,941円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,908円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,909円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,908円から1,941円までと算定しているとのことです。
類似上場会社比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,189円から2,754円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社から提供された2025年9月期から2027年9月期までの事業計画、直近までの業績の動向、公開買付者が2024年11月中旬から2024年12月上旬まで当社に行ったデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、2025年9月期第1四半期以降に当社が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値や株式価値を評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,962円から3,410円までと算定しているとのことです。なお、DCF法において前提とした当社の将来の財務予測においては、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2025年9月期から2026年9月期及び2026年9月期から2027年9月期において、売上高の成長に伴う不動産及び土地等の取得に係る運転資本の増加により、それぞれ大幅な増加を見込んでいるとのことです。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。
公開買付者は、SMBC日興証券から取得した本株式価値算定書(SMBC日興証券)の算定結果に加え、公開買付者において実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2025年1月10日開催の取締役会において、本公開買付価格を1株当たり2,390円とすることを決定したとのことです。
本公開買付価格2,390円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2025年1月9日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,962円に対して21.81%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,941円に対して23.13%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,908円に対して25.26%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,909円に対して25.20%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。また、本公開買付価格2,390円は、本書提出日の前営業日である2025年1月10日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,957円に対して22.13%のプレミアムを加えた価格とのことです。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されていますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実施された場合には、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
上場廃止を目的とする理由並びに少数株主への影響及びそれに対する考え方につきましては、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおりです。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社の株主を公開買付者のみとし当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の総数が当社の総株主の議決権の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。本株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し本株式売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社がその取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。この場合、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
なお、当社は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において本株式売渡請求を承認する予定です。
本株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
② 株式の併合
本公開買付けの成立後、公開買付者が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)の開催を当社に要請する予定とのことです。本臨時株主総会を開催する場合、2025年4月下旬頃を目途に開催される予定ですが、その具体的な手続及び実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう当社に対して要請する予定とのことです。なお、当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。
上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主の皆様に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定とのことです。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、譲渡制限付株式報酬として当社又は当社の子会社の取締役に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)については、割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、会社法第180条に規定する株式併合に関する事項が当社の株主総会で承認された場合又は会社法第179条に規定する株式売渡請求に関する事項が当社の取締役会で承認された場合(但し、会社法第180条第2項第2号に定める株式併合の効力発生日又は会社法第179条の2第1項第5号に規定する特別支配株主が売渡株式を取得する日(以下「スクイーズアウト効力発生日」といいます。)が譲渡制限期間の満了時より前に到来するときに限ります。)には、当社取締役会の決議により、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時をもって、割当契約書に規定される払込期日を含む月からスクイーズアウト効力発生日を含む月までの月数を12で除した数(但し、1を超える場合1とみなします。)に、各取締役に割り当てられた本譲渡制限付株式の数を乗じた数(但し、計算の結果、1株未満の端数が生じる場合には、これを切り捨てるものとします。)の本譲渡制限付株式について、譲渡制限を解除するとされ、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得すると規定されております。本スクイーズアウト手続においては、上記割当契約書の(a)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時において譲渡制限が解除された本譲渡制限付株式については、本株式売渡請求又は本株式併合の対象とし、上記割当契約書の(b)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得する予定です。
本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
公開買付者及び当社は、当社が公開買付者の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と当社の少数株主との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、以下の措置を実施しております。
なお、公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、当社株式を44,011,372株(所有割合:63.42%)所有しているため、本公開買付けにおけるいわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定しておりませんが、公開買付者及び当社において以下の①乃至⑧の措置を講じていることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は、本公開買付けを含む本取引に関し、企業価値の向上及び少数株主の利益を図る立場から、当社の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確立することを目的として、2024年11月7日、当社及び公開買付者関係者から独立した酒谷佳弘氏(監査等委員である独立社外取締役、公認会計士)、西岡慶子氏(監査等委員である独立社外取締役)及び我孫子俊裕氏(監査等委員である独立社外取締役)の3名から構成される本特別委員会を設置いたしました。なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更されておりません。
また、本特別委員会の委員の互選により、本特別委員会の委員長として酒谷佳弘氏が選定されております。なお、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、開催回数に応じて算出される報酬を支払うものとされており、成功報酬は採用しておりません。
当社取締役会は、本特別委員会に対し、当社が表明すべき意見の内容を検討する前提として、(ⅰ)本取引の目的は正当性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、(ⅲ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか、(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)のほか、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか、(ⅴ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことが適切かどうかという各事項(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)について、2024年11月13日に諮問しております。また、当社取締役会は、本特別委員会の諮問に際し、(a)本特別委員会が自ら公開買付者と交渉を行うこともできるほか、公開買付者との交渉を当社の社内者やフィナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等の専門家(以下、総称して「アドバイザー等」といいます。)が行う場合でも、本特別委員会は、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与えることができるものとすること、(b)必要に応じて自らの外部アドバイザー等を選任し(この場合の費用は当社が負担する。)、又は、当社が選任する外部アドバイザー等について、指名又は承認(事後承認を含む。)する権限を付与した上で、本特別委員会として、当社が選任する外部アドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当該アドバイザー等を活用することができるものとすること、(c)答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を当社の役職員並びに外部アドバイザー等に対して求めることができる権限を付与することを併せて決議しております。
本特別委員会は、2024年11月13日から2025年1月9日までの間に合計12回、合計約14.5時間にわたって開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メール等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項についての協議及び検討を行いました。
本特別委員会は、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認し、その選任を承認しており、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、当社及び公開買付者関係者の関連当事者には該当しないこと及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないことを確認の上、その選任を承認しております。また、本特別委員会は、必要に応じてその専門的助言を受けることができることを確認した上、本特別委員会独自の外部アドバイザーの選任は行わないことを決定するとともに、下記「④ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、当社が社内に構築した本取引の検討体制に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認しております。
その後の具体的な審議状況として、本特別委員会は、①当社に対して質問事項を提示し、当社から、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施し、②別の会合において、公開買付者に対して質問事項を提示し、同社から、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施しております。
また、本特別委員会は、公開買付者及び当社より提出された各検討資料その他必要な情報・資料等の収集及び検討を行うとともに、当社、当社のフィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券及び当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、公開買付者を選定するプロセスの概要、選定手法、選定手続の確認、本公開買付けを含む本取引の経緯・背景、内容、意義・目的、当社の企業価値に与える影響、公開買付者関係者の関係、各アドバイザーの独立性、本公開買付価格の算定手法の合理性、分析の前提事実の適正性、利害関係者からの不当な干渉の有無、当社の状況や当社が意思決定をするに至る経緯・検討経緯の妥当性、開示の適正性その他本取引に関連する事項について説明を受けるとともに、質疑応答を行いました。また、本特別委員会は、当社役職員から当社の事業計画について説明を受け、質疑応答を行った上で事業計画の合理性について確認を行いました。
本特別委員会は、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言を踏まえ、公開買付者からより高い価格を引き出すために、相互に独立した第三者間のM&Aで行われる一般的な交渉プロセスに即して十分な交渉を実施することを含む交渉方針について審議・検討するとともに、2024年12月9日に公開買付者より公開買付価格を1株当たり2,075円とする、第1回提案を受領して以降、本特別委員会が公開買付者から公開買付価格に関する提案を受領する都度、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言も踏まえて公開買付者に対する交渉方針を審議・検討した上で、公開買付者と直接書面のやり取りを行うこと等により、公開買付者との間で公開買付価格に関する協議・交渉を行い、その結果、公開買付者から、2025年1月9日に公開買付価格を1株当たり2,390円とする、最終的な提案を受けるに至りました。
本特別委員会は、このような経緯の下、本諮問事項について審議の上、2025年1月9日、当社取締役会に対し、大要以下の内容の答申書を提出いたしました。
ア.答申内容
(ア)本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は正当性を有していると認められる。
(イ)本取引に係る取引条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると認められる。
(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
(エ)上記(ア)から(ウ)のほか、本取引(当社取締役会が本取引に関する決定を行うことを含む。)は少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
(オ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは適切であり、少数株主にとって不利益なものではないと認められる。
イ.答申の理由
(ア)本諮問事項(ⅰ)(本取引の目的は正当性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。))に対する答申
以下の点を前提にすると、本取引により想定されるシナジーは合理的なものということができ、公開買付者の想定と当社の想定との間に矛盾・齟齬もなく、本取引の実行は、当社が認識する経営課題の解決に資することが認められる。また、業務提携等の他の手法によるのではなく、本取引によるべき理由として説明された内容も合理的なものであると認められ、本取引によることも相当であると考えられる。加えて、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられない。したがって、本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は正当性を有すると認められる。
(a)近年においては、人口が減少傾向にある一方、都市生活の利便性を求めて都心部の世帯数等が増加する傾向にあるが、投資型ワンルームマンションの分譲については、単独世帯数が増加傾向にあること、不動産投資が資産運用商品として市場に定着していること等から、需要は堅調に推移すると考えられる。また、ファミリーマンションの分譲については、政府による住宅取得支援制度も継続実施されており、都心及びその周辺部のファミリーマンションに対する需要は、堅調に推移すると考えられる。そのような情勢の中、当社グループは、変化する顧客ニーズへの的確な対応に努め、事業規模の拡大を図っている。もっとも、地価の上昇と、建築原価の高騰により厳しい市場環境が続いている。一方で、そのような環境であるが故に当社グループの事業エリアでは競合他社も含めて供給物件が減少傾向にある。そのため需給バランスは良好な水準で推移しており、コストの上昇を販売価格に転嫁できている。当社グループの仕入力と販売力をもって、エリア内では比較的優位に事業を継続できている。当社グループは、その緊喫の経営課題として情報セキュリティの向上が挙げられると認識しており、今後に想定される経営課題としては、利益率向上にあると認識している。情報セキュリティについては、業界に留まらず社会全体が取り組む課題であり、個人情報を多く取り扱う当社では特に内部からの情報漏洩等に配慮した適切かつ有効な対策が求められていると認識している。また、利益率向上については、業界全体として用地価格の上昇、工事原価の上昇、人件費の向上等が著しく、利益率の改善に向けた施策が求められると認識している。以上のような当社による事業環境及び経営課題の認識については、矛盾した点や明らかに客観的事実に反している点はない。したがって、上記事業環境及び経営課題の解決に寄与する方策(M&Aを含むがこれに限られない。)を講じることは、個別に当該方策に係るリスクや当該方策に伴うデメリットを勘案する必要はあるものの、一般論としては当社の企業価値の向上に資するものであると考えることができる。
(b)公開買付者によれば、公開買付者が想定する本取引のシナジーは、(ⅰ)公開買付者及び当社の営業チームによる積極的なクロスセル、(ⅱ)集客マーケティング機能の強化、(ⅲ)マンション建築機能の相互活用、(ⅳ)人材の採用及び育成、(ⅴ)情報システム及びSDGs関連投資の推進、(ⅵ)資金調達の安定化及び(ⅶ)親子上場解消による利益相反の回避と公開買付者グループ全体の利益最大化である。一方で、当社が想定する本取引のシナジーは、(ⅰ)公開買付者及び当社の営業チームによる積極的なクロスセル、(ⅱ)集客マーケティング機能の強化、(ⅲ)マンション建築機能の相互活用、(ⅳ)人材の採用及び育成、(ⅴ)情報システム及びSDGs関連投資の推進、(ⅵ)資金調達の安定化及び(ⅶ)親子上場解消による利益相反の回避と公開買付者グループ全体の利益最大化である。
上記の想定されるシナジーの内容は、相互に矛盾する点や明らかに客観的事実に反している点は見当たらず、合理的なものであると考えられる。また、公開買付者と当社が想定するシナジーは一致しており、相互に矛盾又は齟齬はない。
(c)公開買付者によれば、現在の資本関係を前提として、当社との間で、地域補完、商品補完、賃貸・分譲物件の管理・マネジメント、コスト削減等について可能な範囲で取り組んできたが、これらの取り組みを通じて、一定の具体的な成果を得ることができた一方で、両社それぞれが上場会社であり少数株主が存在する中で本来公開買付者が得るべき利益が当社の少数株主に流出することにより公開買付者の少数株主が害されるおそれや当社が本来得るべき利益を公開買付者が得ることにより当社の少数株主が害されるおそれがあるという潜在的な利益相反関係について慎重な検討を要することにより、一部の領域においては協働が限定的となっていたとの説明がなされている。また、公開買付者は、建設設備・資材や人件費を含む建築コストの上昇等の外部環境の変化に公開買付者グループとして適時かつ適切に対応していく上で、公開買付者及び当社の企業価値の最大化の観点から、両社の連携をより強固なものとしていくことが必要不可欠であり、当社の少数株主の皆様と公開買付者との間の利益相反を回避し、公開買付者グループとしての更なる経営資源の相互活用や意思決定の迅速化を図るには、当社の上場を維持したままでの実行は難しく、当社を公開買付者の完全子会社とすることが必要不可欠であると考えているとのことである。また、「株式対価の組織再編行為」としては「株式交換」が考えられるが、公開買付者は、(ⅰ)株式対価の株式交換は、経済条件が株式交換比率によって表され、交付対価である公開買付者の市場株価も日々変動することから、1株当たりの経済条件が少数株主にとって分かりにくい取引である上、当社の株主に交付される公開買付者の株式のその後の株価推移によっては、当社の株主の皆様が利益を享受できない可能性があることや、公開買付者の株主の皆様にとっては、その所有する株式に関する議決権の希薄化が生じること(ⅱ)金銭を対価とする公開買付けは、経済条件が比率ではなく固定された金額で提示されることの分かりやすさに加え、当社に義務付けられる公開買付けに関する当社の意見表明の内容も踏まえた上で、少数株主の皆様に本公開買付けを含む本取引の経済条件について適切にご検討・ご判断いただく機会を提供し、もって本取引の公正性を担保できることから、当社の少数株主及び公開買付者の株主への配慮という観点から、現金対価が望ましいと考えているとのことである。
以上の点に鑑みると、他の手法によらず、本取引による経営課題の解決を目指すという判断は、合理的なものと考えられる。
(d)本取引による当社におけるデメリットとして、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが挙げられる。しかしながら、当社の現在の財務状況及び昨今の間接金融における低金利環境等を考慮すると、自己資金及び金融機関からの借入れによって資金を確保することが可能であることから、資金調達に対する影響は限定的であると当社は考えている。また、当社と取引先の信頼関係は既に一定程度構築されており、上場廃止を理由に既存の取引関係が大きく剥落することはないと考えられること、当社においてこれまでの事業運営により積み重ねられてきた社会的信用や知名度は、公開買付者及び当社は業界内において既に一定の知名度を確立しており、上場廃止により失われるものではなく、むしろ、東京証券取引所プライム市場に上場する公開買付者の完全子会社となり、上記のシナジーを実現することで、当社の社会的信用及び知名度のさらなる向上も見込まれることからすれば、上場廃止に伴うデメリットは僅少であり、上記のシナジー実現により見込まれる当社の企業価値向上というメリットを上回ることはないと当社は考えている。
(e)当社の事業について、①本取引後における組織再編や重要な財産の処分若しくは譲受け(M&Aを含む。)又は子会社の解散、事業の廃止等の組織再編の有無、②本取引後の人員削減の有無・既存従業員への悪影響、③本取引に伴う資金調達及び人材採用への悪影響の有無並びに④本取引後の当社と当社の顧客・仕入先その他の取引先との関係性への悪影響等の当社の企業価値の低減のおそれのある行為が想定されているかも問題となる。これらの点については、以下の事項が確認できており、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられない。
① 本取引後に、組織再編や重要な財産の処分又は譲受けを行う具体的な想定はなく、当社グループ会社の組織再編についても決定している方針はない。
② 本取引後も、当社従業員の処遇等については、維持する想定である。なお、具体的な人事施策の内容については、本取引後、PMI等を通じて、当社と公開買付者との間で協議しながら、検討を進めていくことを予定している。
③ 公開買付者は本取引に係る必要資金として、自己資金及び三井住友銀行からの借入金を用いることを想定している。また、人材採用については、公開買付者及び当社の連携も強化し、労働力人口減少が見込まれる中にあっても、他業種との人材獲得競争に負けない採用力を実現することを想定している。
④ 本取引後の当社と当社の顧客・仕入先その他の取引先との関係性への悪影響等の当社の企業価値の低減のおそれのある行為は想定されていない。
(イ)本諮問事項(ⅱ)(本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか)に対する答申
以下の理由により、本取引の交渉状況やスキーム等の公正性・妥当性を前提に、本公開買付価格については、その公正性・妥当性が認められる。また、本取引においては、少数株主が本公開買付け又は本スクイーズアウト手続のいずれによって対価を得たとしても、当社株式1株当たり本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることから、本公開買付けを含む本取引の条件の公正性・妥当性は確保されていると認められる。
(a)本公開買付価格の実際の交渉状況についてみると、公開買付者による当初の提示額(1株当たり2,075円)を出発点として、当社が、みずほ証券から取得した暫定的な株式価値算定結果及び本特別委員会における審議・検討に基づく本特別委員会からの買付価格の引き上げ要請を踏まえ、みずほ証券の助言を受けながら公開買付者と交渉を重ねたことに加え、本特別委員会が公開買付者に対して直接引き上げ要請を行った結果、公開買付者から、7度にわたり買付価格を引き上げる提案を引き出した上、最終的に本公開買付価格(1株当たり2,390円)での合意に至った。なお、かかる一連の交渉においては、その進行過程において、みずほ証券から、委員会の場で又は電子メールにて適時に本特別委員会に対して共有及び説明がなされ、随時本特別委員会による方針の確認及び本特別委員会の意見の聴取を得ながら、本特別委員会の実質的な関与の下に当社によって交渉が行われるとともに、必要に応じて当委員会が直接交渉を行った。その結果、最終的な本公開買付価格は、当初に公開買付者が提示した価格から相応の上積みがされており、当社として、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して交渉がされたことが経緯として認められる。以上からすれば、本取引における本公開買付価格の合意は、当社と公開買付者との間において、実質的にも独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果なされたものであることが推認され、合意プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらない。
(b)本事業計画は、2025年9月期から2027年9月期までの当社の財務予測として、本取引の実施を前提としないスタンドアローン・ベースで作成されている。特別委員会においてなされたヒアリング、インタビュー及び質疑応答等によれば、公開買付者又はそれらの関係者がその作成に関与し、又は影響を及ぼした事実は窺われない。また、当社は、公開買付者との交渉において、本事業計画について公開買付者に対して一定の説明を行っているが、公開買付者の指示により、又はその意を汲んで、策定又は修正が行われたという事実も窺われない。以上からすれば、本事業計画については、その策定プロセスに、公開買付者の圧力が介在した事実は認められず、また、その内容において不合理な予測となっている点は認められない。
(c)みずほ証券が採用した評価手法は、継続企業を前提とした企業価値評価手法であり、具体的には、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を採用している。市場株価を基準にして、将来キャッシュフローの現在価値を評価に織り込むDCF法にて評価上限を把握する評価手法の組み合わせは、企業評価の標準的アプローチに沿ったもので妥当であると認められる。みずほ証券が採用した評価手法のうち、市場株価基準法は、本取引の公表日の前営業日を基準日とし、基準日の終値並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間のそれぞれの終値の単純平均値を基に株価を算出している。当社の株価推移については、特別な要因によると思われる重要な変動は存在せず、特段異常な動きはないことからみても、みずほ証券の算定における株価評価期間は適切であり、市場株価基準法による価格レンジは十分合理的なものであると判断される。類似企業比較法については、当社の類似企業として株式会社グッドコムアセット、株式会社コーセーアールイー、株式会社ディア・ライフ及びエスリード株式会社の4社が採用され、当該4社の企業価値に対するEBITDAの倍率を基に、当社の株式価値を算出している。当該類似企業の選定について、みずほ証券から、候補となる会社と当社との類似性を、主に規模・事業内容、収益状況、特徴等の観点から総合的に検証していること等について説明を受けており、これらの説明に特に不合理な点はなく、株式会社グッドコムアセット、株式会社コーセーアールイー、株式会社ディア・ライフ及びエスリード株式会社を当社の類似企業とし、当該4社の各マルチプルを基に算出された価格レンジは十分合理的なものであると判断される。次にDCF法については、各算出要素において恣意的な数値の操作や不合理な前提条件の設定がなされた場合には、最終的な算定結果が大きく変動する可能性がある。かかる観点から、特別委員会においてなされたヒアリング、インタビュー及び質疑応答等において、みずほ証券に対してその算定過程についての質問・確認を行ったが、DCF法で採用した各種算出根拠について、特段指摘すべき恣意的な数値の操作や不合理な前提条件の設定は見受けられなかった。また、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法の選択、並びにそれぞれの算定方法及び算定根拠について、いずれも不合理な点は見当たらず、本特別委員会は、当社株式の株式価値の検討にあたり、本株式価値算定書(みずほ証券)に依拠することができるものと評価した。
(d)本公開買付価格である1株当たり2,390円は、(ⅰ)みずほ証券が市場株価基準法により算定した当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を上回り、(ⅱ)みずほ証券が類似企業比較法により算定した当社株式の1株当たり株式価値のレンジの中央値を上回り、その範囲内に入る価格であり、かつ、(ⅲ)みずほ証券がDCF法により算定した当社株式の1株当たり株式価値のレンジの中央値を上回り、その範囲内に入る価格であると認められる。以上から、本公開買付価格は、みずほ証券により算定された当社株式の株式価値との比較の観点からしても、少数株主にとって不利益ではない水準に達していると考えられる。
(e)さらに、本公開買付価格は、2025年1月9日の東京証券取引所における当社株式の終値である1,962円に対して21.81%、同日から過去1ヶ月の平均終値ある1,941円に対して23.13%、同過去3ヶ月の平均終値ある1,908円に対して25.26%、同過去6ヶ月の平均終値ある1,909円に対して25.20%のプレミアムを加えた金額であるとともに、当社の上場来最高値である2,171円(2022年1月13日の取引時間中の最高値)を上回る価格である。
(f)本公開買付価格は、当社の2024年9月30日現在の非支配株主持分控除後の連結簿価純資産額(194,750百万円)を当社の同日現在の自己株式控除後の発行済株式数(69,399,889株)で割ることにより算出した1株当たり連結純資産額である2,806円を下回っている(14.83%のディスカウント)ものの、連結簿価純資産額はあくまで理論的な清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の株式価値算定においては重視することは合理的ではない。また、仮に当社が清算する場合、即時又は早期の売却が想定される販売用不動産及び仕掛販売用不動産(具体的には、当社の連結貸借対照表(2024年9月30日現在)上、販売用不動産として23,867百万円、仕掛販売用不動産として162,215百万円を計上しております。)については一括処分や他社への売却を行うことになり、当該売却価格は大幅な減価が想定されること、当社の保有する流動性の低い資産を中心に資産の売却に困難が生じ得ること及び様々な費用(土地建物の売却に係る費用、従業員に対する割増退職金、不動産鑑定費用、建物の取壊費用、事業清算のための弁護士等の専門家費用等)が発生することから、連結簿価純資産額が同額で換価されるわけではなく、当社の株主に分配することができる金額は連結簿価純資産額から相当程度毀損されることが想定されるため(なお、当社においては、清算を前提としていないことから、具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等の確認までは行っていない。)、1株当たり連結簿価純資産額が当社株式の公正価値の最低価格となるという考え方は採用し難い。そのため、本公開買付価格が、当社の2024年9月30日現在の非支配株主持分控除後の連結簿価純資産額(194,750百万円)を当社の同日現在の自己株式控除後の発行済株式数(69,399,889株)で割ることにより算出した1株当たり連結純資産額である2,806円を下回っていることをもって、妥当性を欠くものとは評価できない。
(g)本取引においては、一段階目に公開買付けを行い、二段階目に株式等売渡請求又は株式併合を行うという手法が想定され、株式交換等の組織再編によることは想定されていない。本取引の手法は、この種の非公開化取引においては一般的に採用されている方法であり、かつ、二段階目のいずれの手続においても、裁判所に対する売渡価格の決定の申立て又は株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。また、本取引の方法は、株主が受領する対価が現金であることから、対価の分かり易さ、並びにその価値の安定性及び客観性が高いという点で望ましく、当社の完全子会社化を迅速に行うという要請と、少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会と時間の確保を両立させることができるという観点でも、特に株式等を対価とする株式交換等の組織再編よりも望ましいと考えられる。公開買付届出書によれば、株式等売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭が、本公開買付価格に各株主の所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定される予定であることも明らかにされている。さらに、本公開買付けにおいては買付予定数の上限が設定されておらず、強圧性の問題も小さいと認められる。以上より、買収の方法として公開買付けを伴う二段階買収の方法を採用し、買収対価を現金とすることには、合理性が認められる。
(ウ)本諮問事項(ⅲ)(本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか)に対する答申
以下の(a)から(h)までに記載のとおり、本取引では、①取引条件の形成過程において実質的にも独立当事者間取引といえる状況が確保され、②少数株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点から見ても充実した公正性担保措置が採用され、かつ、実効性をもって運用されていると認められるから、結論として、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保されていると認められる。
(a)本特別委員会は、当社より、本諮問事項についての諮問を受けており、その諮問事項の検討にあたって、M&A指針で特別委員会が果たすべきとされる役割(具体的には、①当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、M&Aの是非について検討・判断するとともに、②少数株主の利益を図る観点から、(ⅰ)取引条件の妥当性及び(ⅱ)手続の公正性について検討・判断すること)を実施している。
(b)本特別委員会については、独立社外取締役3名で構成されており、各委員について、公開買付者及び本取引の成否から独立していることが確認されていること、当社取締役会は、当社取締役会における本取引に関する意思決定は、本公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、及び、本特別委員会が本公開買付けを含む本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けを含む本取引に賛同しないこととすることを決議している等が認められることから、公正性担保措置として有効に機能していると認められる。
(c)当社は、本取引に関する意思決定過程における透明性及び合理性を確保するため、当社及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常律事務所から、特別委員会の設置や委員の選定、その他の公正性担保措置に係る助言を受けている。また、本特別委員会は、第1回委員会において、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、高い専門性及び独立性に問題がないことを確認した上で、本特別委員会として、必要に応じて専門的助言を求めることを確認し、助言を受けている。
(d)当社は、本公開買付価格の公正性を担保するために、当社及び公開買付者から独立した第三者算定機関であるみずほ証券から、当社株式の株式価値に関する資料として本株式価値算定書(みずほ証券)を取得している。本株式価値算定書(みずほ証券)においては、複数の算定方法を採用しており、恣意的な価格の算定がされないよう配慮がされている。また、算定の前提となる本事業計画の作成にあたって、公開買付者又は当社の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、算定にあたって公正性を疑わせるような事情も見当たらない。以上から、本株式価値算定書(みずほ証券)は、独立した第三者算定機関による株式価値算定書であると認められる。
(e)公開買付期間は、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日とされることが予定されている。公開買付期間を法令に定められた最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対抗的買収提案者による買収提案の機会を確保するものと認められる。また、当社と公開買付者との間において、当社による対抗的買収提案者との接触等を過度に制限するような内容の合意は行われない。このように、本件では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されていると認められる。
(f)本公開買付けにおける買付予定数の下限につき「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)は採用していないものの、他の公正性担保措置が行われていることも踏まえると、当社の少数株主について相当程度の配慮が行われていると認められる。
(g)本取引では、公開買付届出書及び当社の意見表明プレスリリースにおいて、本特別委員会に付与された権限の内容、本特別委員会における検討経緯や公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、本答申書の内容及び本特別委員会の委員の報酬体系等、本株式価値算定書(みずほ証券)の概要、本取引の実施に至るプロセスや交渉経緯等について充実した情報開示がなされる予定となっており、当社の株主に対し、取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料が提供されるものと認められる。
(h)公開買付届出書によれば、公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式の全てを取得するに至らなかった場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、当社株式の全ての株式等売渡請求を行い、又は株式併合を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請する予定である。また、株式等売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭が、本公開買付価格に各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定する予定であることが明らかにされている。さらに、株式等売渡請求の場合は当社の株主に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が、それぞれ確保されていることを踏まえると、強圧性が生じないように配慮がなされていると認められる。
(エ)本諮問事項(ⅳ)(上記(ⅰ)から(ⅲ)のほか、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか)に対する答申
上記(ア)から(ウ)までについて、いずれも問題があるとは認められない。以上より、本諮問事項(ⅳ)について、本取引(当社取締役会が本取引に関する決定を行うことを含む。)は、当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められる。
(オ)本諮問事項(ⅴ)(当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことが適切かどうか)に対する答申
本諮問事項(ⅰ)から(ⅳ)までについて、いずれも問題があるとは認められない。以上から、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行うことは適切であり、少数株主にとって不利益なものではないと認められる。
② 当社における独立したリーガル・アドバイザーからの助言
当社は、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社及び公開買付者関係者から独立した外部のリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていないことから、公開買付者及び本公開買付けの成否からの独立性に問題はないと判断しております。また、本特別委員会も、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを第1回の本特別委員会において確認しております。
③ 当社における独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、当社及び公開買付者関係者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券を選任し、みずほ証券から当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2025年1月9日付で本株式価値算定書(みずほ証券)を取得しております。
なお、みずほ証券は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりみずほ証券を当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会も、みずほ証券の独立性及び専門性に問題がないことを第1回の本特別委員会において確認しております。
④ 当社における独立した検討体制の構築
上記「(1)本公開買付けに関する意見の内容」に記載のとおり、当社の取締役である若旅孝太郎氏は公開買付者の専務取締役CFOを兼務しているため、利益相反の疑いを回避する観点から、上記当社取締役会での本公開買付けに係る審議及び決議には参加しておらず、当社の立場において公開買付者との協議・交渉にも参加しておりません。
また、上記を含む当社の検討体制につき独立性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認
当社取締役会は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書(みずほ証券)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、2025年1月10日開催の取締役会において、当社の取締役9名(うち社外取締役3名)のうち、公開買付者の専務取締役CFOである若旅孝太郎氏を除く8名が審議及び決議に参加し、決議に参加した取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の一致により、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することの決議を行いました。
⑥ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者グループ及び当社グループから独立した第三者算定機関としてフィナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2025年1月9日付で本株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得したとのことです。詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
⑦ 取引保護条項の不存在
公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
⑧ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、上記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続において、公開買付けに応募しなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法を採用する予定であり、その場合に当該当社の株主の皆様に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定であることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日としているとのことです。公開買付期間を法定の最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様が本取引の是非や本公開買付価格の妥当性について熟慮し、本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行うための機会を確保しているとのことです。
(7)公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項
該当事項はありません。
|
氏名 |
役職名 |
所有株式数(株) |
議決権の数(個) |
|
原田 昌紀 |
代表取締役 社長 |
120,334 |
1,203 |
|
平野 賢一 |
取締役 専務執行役員 開発事業本部長 兼 名古屋支店長 |
14,865 |
148 |
|
多治川 淳一 |
取締役 常務執行役員 建築事業本部長 |
22,190 |
221 |
|
山岸 嘉章 |
取締役 ファミリーマンション・住宅事業管掌 |
349,810 |
3,498 |
|
土井 豊 |
取締役経営管理本部長 |
134,442 |
1,344 |
|
若旅 孝太郎 |
取締役 |
- |
- |
|
我孫子 俊裕 |
取締役 (監査等委員) |
117 |
1 |
|
酒谷 佳弘 |
取締役 (監査等委員) |
5,949 |
59 |
|
西岡 慶子 |
取締役 (監査等委員) |
3,861 |
38 |
|
計 |
- |
651,568 |
6,512 |
(注) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
該当事項はありません。
以 上