当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績に関する説明
当社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げ、クラウドソフトウエアにテクノロジーと人力によってアナログ情報をデジタル化する仕組みを組み合わせた手法を軸に、人や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる、働き方を変えるDXサービスを提供しています。
具体的には、企業の営業活動や請求書業務、契約書業務等に対して、デジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するサービスを展開しており、DXへの意識改革や働き方の変化、SaaSビジネスへの関心の高まり等によって、DX市場は2030年度に8兆350億円(2023年度見込比4兆153億円増)(注1)、国内SaaS市場は2027年度に2兆990億円(2023年度見込比6,862億円増)(注2)の規模に達すると予想されています。当社が提供する営業DXサービス「Sansan」は、法人向け名刺管理サービス市場においてNo.1の売上高シェア(84.1%)(注3)を占めており、同市場は当社サービスの成長等につれて、2013年から2022年にかけて約18倍に拡大しています。また、当社が提供するインボイス管理サービス「Bill One」は、クラウド請求書受領サービス市場においてNo.1の売上高シェア(47.0%)(注4)を獲得しており、2023年度の同市場は、前年同期と比べて133.1%拡大しています。
当中間連結会計期間の経営成績は以下の通りです。
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(単位:百万円) |
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前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 |
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売上高 |
15,726 |
20,058 |
+27.5% |
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売上総利益 |
13,423 |
17,341 |
+29.2% |
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調整後営業利益(注5) |
522 |
828 |
+58.4% |
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経常利益 |
268 |
139 |
△48.1% |
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親会社株主に帰属する中間純利益(注6) |
172 |
320 |
+85.9% |
当中間連結会計期間においては、堅調な受注状況を背景に、さらなる売上高成長の実現に向け、「Sansan」及び「Bill One」の営業体制の強化やサービスの機能拡充等に取り組みました。また、Eight事業においては、収益性に焦点を当てた事業方針の下、さらなる収益拡大に取り組みました。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は前年同期比27.5%増、売上総利益は前年同期比29.2%増、売上総利益率は86.5%(前年同期比1.1ポイント増)となり、堅調な実績となりました。調整後営業利益は、前年同期と比較して、売上高の成長に加え、売上高広告宣伝費率が低下したこと等により58.4%の増益となりました。経常利益は、第1四半期における株式報酬関連費用が一時的に大きく増加していた影響により、前年同期比で減益となりました。親会社株主に帰属する中間純利益については、保有株式の一部売却による投資有価証券売却益416百万円を計上したことで、前年同期と比べて大きく増益となりました。
(注)1.「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/企業編」富士キメラ総研
2.「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」富士キメラ総研
3.「営業支援DXにおける名刺管理サービスの最新動向2025」(2025年1月 シード・プランニング調査)
4. デロイト トーマツ ミック経済研究所「高成長が続くクラウド請求書受領サービス市場」(ミックITリポート2024年12月号)
5. 調整後営業利益:営業利益+株式報酬関連費用+企業結合に伴い生じた費用(のれん償却額及び無形固定資産の償却費)
6. 第1四半期より、四半期決算における税金費用の計算方法を変更したことに伴い、前中間連結会計期間の実績にも遡及して反映しています。
セグメント別の業績は以下の通りです。
なお、第1四半期より、これまで各セグメントに配賦していなかった全社費用を一定の方針に基づき配賦しており、前中間連結会計期間の実績にも遡及して反映しています。
①Sansan/Bill One事業
当事業セグメントには、営業DXサービス「Sansan」やインボイス管理サービス「Bill One」等のサービスが属しています。
当中間連結会計期間におけるSansan/Bill One事業の成績は以下の通りです。
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(単位:百万円) |
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前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 |
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売上高(注7) |
14,023 |
17,743 |
+26.5% |
「Sansan」 |
11,012 |
12,748 |
+15.8% |
「Sansan」ストック |
10,401 |
12,059 |
+15.9% |
「Sansan」その他 |
610 |
689 |
+12.8% |
「Bill One」 |
2,588 |
4,456 |
+72.1% |
その他 |
422 |
538 |
+27.4% |
調整後営業利益 |
945 |
996 |
+5.4% |
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「Sansan」 |
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契約件数 |
9,234件 |
10,205件 |
+10.5% |
契約当たり月次ストック売上高 |
193千円 |
202千円 |
+4.7% |
直近12か月平均月次解約率(注8) |
0.46% |
0.39% |
△0.07pt |
「Bill One」 |
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MRR(注9) |
494 |
779 |
+57.5% |
有料契約件数 |
2,304件 |
3,310件 |
+43.7% |
有料契約当たり月次ストック売上高 |
214千円 |
235千円 |
+9.8% |
直近12か月平均月次解約率(注8) |
0.47% |
0.36% |
△0.11pt |
(注)7. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値
8. 各サービスの既存契約のMRRに占める、解約に伴い減少したMRRの割合
9. Monthly Recurring Revenue(月次固定収入)
a.「Sansan」
主に人材育成による営業体制の強化に取り組んだこと等により、契約件数は前年同期比10.5%増、契約当たり月次ストック売上高は前年同期比4.7%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.39%(前年同期比0.07ポイント減)となり、1%未満の低水準を維持しました。
この結果、「Sansan」売上高は前年同期比15.8%増、うち、固定収入であるストック売上高は前年同期比15.9%増、その他売上高は前年同期比12.8%増となりました。
b.「Bill One」
主に人材採用による営業体制の強化に取り組んだほか、2024年6月から「Bill Oneビジネスカード」を活用した「Bill One経費」のサービス提供を開始し、さらに同年9月からは請求書発行から入金消込までを一気通貫で完結可能な「Bill One発行」のサービス提供を開始した結果、有料契約件数は前年同期比43.7%増、有料契約当たり月次ストック売上高は前年同期比9.8%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.36%(前年同期比0.11ポイント減)となり、1%未満の低水準を維持しました。
この結果、「Bill One」の2024年11月におけるARR(注10)は9,349百万円となり、売上高は前年同期比72.1%増となりました。
(注)10. Annual Recurring Revenue(年間固定収入)
c. その他
既存サービスで培った強みや知見、ノウハウ等を活かして、契約データベース「Contract One」の営業体制の強化に注力したほか、連結子会社であるクリエイティブサーベイ株式会社において、「Ask One」の販売強化等に取り組みました。
この結果、その他売上高は前年同期比27.4%増となりました。
以上の結果、Sansan/Bill One事業の売上高は前年同期比26.5%増、調整後営業利益は前年同期比5.4%増となりました。
②Eight事業
当事業セグメントには、名刺アプリ「Eight」やイベント書き起こしサービス「logmi」シリーズが属しています。
当中間連結会計期間におけるEight事業の成績は以下の通りです。
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(単位:百万円) |
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前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 |
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売上高(注11) |
1,509 |
2,135 |
+41.5% |
BtoCサービス |
166 |
194 |
+16.4% |
BtoBサービス |
1,342 |
1,941 |
+44.6% |
調整後営業利益 |
△386 |
△115 |
- |
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「Eight」 |
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「Eight」ユーザー数(注12) |
343万人 |
389万人 |
+46万人 |
「Eight Team」契約件数 |
4,194件 |
5,026件 |
+19.8% |
(注)11. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値
12. アプリをダウンロード後、自身の名刺をプロフィールに登録した認証ユーザー数
a. BtoCサービス
デジタル名刺交換等の機能拡充により、「Eight」ユーザー数は前年同期末比46万人増の389万人となり、BtoCサービス売上高は前年同期比16.4%増となりました。
b. BtoBサービス
大型のビジネスイベントの開催をはじめとした、各種サービスのマネタイズ強化に継続して取り組んだ結果、BtoBサービス売上高は前年同期比44.6%増となりました。また、名刺管理サービス「Eight Team」においては、契約件数が順調に増加し、前年同期比19.8%増となりました。
なお、2024年9月に連結子会社ログミー株式会社が吸収合併したかえでIRアドバイザリー株式会社の業績が、第1四半期より寄与しています。
以上の結果、Eight事業の売上高は前年同期比41.5%増、調整後営業損失は前年同期と比較して271百万円縮小しました。
(2)財政状態の状況
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当中間 連結会計期間 |
前連結 会計年度末比 |
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資産合計 |
37,592 |
38,858 |
+1,266 |
負債合計 |
22,819 |
23,170 |
+350 |
純資産合計 |
14,772 |
15,688 |
+915 |
負債純資産合計 |
37,592 |
38,858 |
+1,266 |
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産額は38,858百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,266百万円増加しました。これは主に有形固定資産の2,176百万円増加、のれんの141百万円増加、前払費用の217百万円増加及びその他(流動資産)の749百万円増加、現金及び預金の1,230百万円減少、敷金の361百万円減少、投資有価証券の254百万円減少及び売掛金の216百万円の減少によるものです。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は23,170百万円となり、前連結会計年度末に比べ350百万円増加しました。これは主に未払金の219百万円の増加、賞与引当金の109百万円増加、その他(流動負債)の983百万円増加及びその他(固定負債)の309百万円増加、長期借入金の457百万円減少、未払消費税の394百万円減少及び前受金の216百万円の減少によるものです。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産額は15,688百万円となり、前連結会計年度末に比べ915百万円増加しました。これは、ストックオプションの行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ273百万円増加、親会社株主に帰属する中間純利益の計上による利益剰余金の320百万円増加及び自己株式の299百万円増加によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
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(単位:百万円) |
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前中間 連結会計期間 |
当中間 連結会計期間 |
前年同期比 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
611 |
1,009 |
+398 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△2,711 |
△1,873 |
+838 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△85 |
△359 |
△274 |
現金及び現金同等物の中間期末残高 |
18,806 |
23,503 |
+4,697 |
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前中間連結会計期間末に比べ4,697百万円増加し、23,503百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,009百万円(前年同期は611百万円の収入)となりました。主な増加要因は税金等調整前中間純利益の計上406百万円、非現金支出となる減価償却費の計上510百万円、株式報酬費用の計上553百万円、売上債権の減少額270百万円及びその他の負債の増加額870百万円、主な減少要因は投資有価証券売却益の計上416百万円、未払消費税の減少額360百万円、前払費用の増加額199百万円、前受金の減少額216百万円及びその他の資産の増加額366百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は1,873百万円(前年同期は2,711百万円の支出)となりました。主な減少要因は有形固定資産の取得による支出2,002百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出230百万円及び無形固定資産取得による支出230百万円によるものであり、主な増加要因は投資有価証券の売却による収入666百万円及び敷金の回収による収入158百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は359百万円(前年同期は85百万円の支出)となりました。主な減少要因は長期借入金の返済による支出449百万円及び自己株式の取得による支出299百万円によるものであり、主な増加要因は新株の発行による収入409百万円によるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。