1【提出理由】

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)第179条第1項に規定する特別支配株主である株式会社サーラコーポレーション(以下「サーラコーポレーション」といいます。)から、2025年1月14日付で、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)の通知を受け、同日付の当社取締役会決議において、本株式売渡請求を承認する旨を決定いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

 

2【報告内容】

1.本株式売渡請求の通知に関する事項

(1)当該通知がされた年月日

2025年1月14日

 

(2)当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名

商号

株式会社サーラコーポレーション

本店の所在地

愛知県豊橋市駅前大通一丁目55番地サーラタワー

代表者の氏名

代表取締役社長 兼 グループ代表・CEO 神野 吾郎

 

 

(3)当該通知の内容

当社は、サーラコーポレーションから、2025年1月14日付で、当社の特別支配株主として、当社の株主(但し、サーラコーポレーション及び当社を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といい、本売渡株主が所有する当社株式を以下「本売渡株式」といいます。)の全部をサーラコーポレーションに売り渡すことを請求する旨の通知を受けました。当該通知の内容は以下のとおりです。

 

① 特別支配株主完全子法人に対して本株式売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)

該当事項はありません。

 

② 本株式売渡請求により本売渡株主に対して本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号、第3号)

サーラコーポレーションは、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本株式売渡対価」といいます。)として、その所有する本売渡株式1株につき2,150円の割合をもって金銭を割当交付いたします。

 

③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)

該当事項はありません。

 

④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)

2025年2月14日

 

⑤ 本株式売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)

サーラコーポレーションは、本株式売渡対価の全てを、株式会社静岡銀行を貸付人とし、当該貸付人との間で2009年9月15日付で締結した当座勘定貸越約定書(円貨スプレッド貸付用)(その後の変更を含みます。)に基づく借入れを原資として支払うことを予定しております。当該借入れに基づく融資の裏付けとして、サーラコーポレーションは、株式会社静岡銀行から2024年11月7日付で融資証明書を取得しておりますが、詳細については、サーラコーポレーションが2024年11月8日から2024年12月19日までを買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)として実施した当社株式及び本新株予約権(下記2.(4)(注1)において定義します。)に対する公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類をご参照ください。

なお、サーラコーポレーションにおいて、本株式売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は生じておらず、今後発生する具体的な可能性も認識しておりません。

 

⑥ その他の本株式売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)

本株式売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付するものとします。

但し、当該方法により交付ができなかった場合には、当社の本店所在地にて当社が指定した方法により(本株式売渡対価の交付についてサーラコーポレーションが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡株主に対する本株式売渡対価を交付いたします。

 

2.本株式売渡請求を承認する旨の決定に関する事項

(1)当該通知がされた年月日

2025年1月14日

 

(2)当該決定がされた年月日

2025年1月14日

 

(3)当該決定の内容

サーラコーポレーションからの通知のとおり、同社による本株式売渡請求を承認いたします。

 

(4)当該決定の理由及び当該決定に至った過程

本株式売渡請求は、サーラコーポレーションが2024年11月8日から2024年12月19日までを公開買付期間として行った当社株式及び本新株予約権(注1)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関し、当社が2024年11月8日付で提出した意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本公開買付けの結果、サーラコーポレーションが当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至ったことから、当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、当社をサーラコーポレーションの完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本株式売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。なお、本新株予約権はその全てが行使又は放棄されており、2025年1月14日現在において残存していないため、本株式売渡請求に併せて、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)に対し、その所有する本新株予約権の全てを売り渡すことの請求はされておりません。

 

(注1)下記①から⑨の新株予約権を総称して、以下「本新株予約権」といい、下記③、④、⑤、⑧及び⑨の新株予約権を総称して、以下「本株式報酬型新株予約権」といいます。

① 2018年3月9日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第4回新株予約権(以下「第4回新株予約権」といいます。)(行使期間は2021年4月1日から2025年3月31日まで)

② 2018年4月9日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第5回新株予約権(以下「第5回新株予約権」といいます。)(行使期間は2021年4月1日から2025年3月31日まで)

③ 2019年4月9日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された株式報酬型第1回新株予約権(以下「第1回株式報酬型新株予約権」といいます。)(行使期間は2019年5月7日から2049年5月6日まで)

④ 2021年7月9日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された株式報酬型第2回新株予約権(以下「第2回株式報酬型新株予約権」といいます。)(行使期間は2021年7月26日から2051年7月25日まで)

⑤ 2022年5月13日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された株式報酬型第3回新株予約権(以下「第3回株式報酬型新株予約権」といいます。)(行使期間は2022年5月30日から2052年5月29日まで)

⑥ 2022年11月9日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第6回新株予約権(以下「第6回新株予約権」といいます。)(行使期間は2022年11月28日から2025年11月27日まで)

⑦ 2022年11月9日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第7回新株予約権(以下「第7回新株予約権」といいます。)(行使期間は2022年11月28日から2025年11月27日まで)

⑧ 2023年5月12日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された株式報酬型第4回新株予約権(以下「第4回株式報酬型新株予約権」といいます。)(行使期間は2023年5月29日から2053年5月28日まで)

⑨ 2024年5月10日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された株式報酬型第5回新株予約権(以下「第5回株式報酬型新株予約権」といいます。)(行使期間は2024年5月27日から2054年5月26日まで)

 

当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、以下の過程及び理由により、2024年11月7日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨すること、また、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。

 

本意見表明報告書に記載のとおり、当社は、サーラコーポレーションから、2024年8月23日に、当社の完全子会社化に係る初期的意向表明書を受領し、本取引に係る検討の依頼を受け、本取引に係る具体的な検討を開始いたしました。

当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本取引においては、当社の一般株主が最終的に金銭を対価としてスクイーズアウトされることが想定されるため、取引条件の適正さが当社の株主の利益にとって特に重要になると考えられたことから、本取引の意思決定の過程における恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性を担保することを目的として、2024年8月26日付の当社取締役会決議により、本取引に関してサーラコーポレーショングループ(サーラコーポレーション並びにその連結子会社及び持分法適用会社等を総称していい、以下同じとします。)、当社グループ(当社及び連結子会社4社の計5社を総称していい、以下同じとします。)及び応募予定株主(注2)から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)を、サーラコーポレーショングループ、当社グループ及び応募予定株主から独立したリーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所をそれぞれ選任するとともに、サーラコーポレーショングループ、当社グループ及び応募予定株主から独立した、外部の有識者を含む委員(当社の社外取締役(監査等委員)兼独立役員である竹内裕美氏(弁護士)、当社の社外取締役(監査等委員)兼独立役員である時田光一郎氏、及びM&A業務に従事する専門家として本取引の検討を行う専門性・適格性を有すると考えられる外部の有識者としてシティユーワ法律事務所より推薦を受けた須田雅秋氏(公認会計士)の3名。なお、当社の社外取締役(監査等委員)兼独立役員である中浜明光氏につきましては、体調面を考慮の上、ご本人が委員への就任を辞退されております。)によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の具体的な活動内容等については、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置することにより、本取引に係る検討体制を構築いたしました。

 

(注2)「応募予定株主」とは、2024年11月7日現在における当社の株主のうち、本公開買付けの実施に際して、(ⅰ)その所有する当社株式について本公開買付けに応募する旨の契約をサーラコーポレーションとの間で締結した、当社の代表取締役社長である山本賢治氏(以下「山本氏」といいます。)、山本氏の資産管理会社である合同会社ヤマモト・トラスト、安江由奈氏及び株式会社山西、並びに(ⅱ)その所有する当社株式について本公開買付けに応募する旨の意向をサーラコーポレーションに示した岡崎信用金庫を総称していい、以下同じとします。

 

上記の体制のもと、当社は、本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、サーラコーポレーションから受けた本公開買付価格及び本公開買付けにおける本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)の提案内容を適時に本特別委員会に共有し、当社の一般株主の利益に配慮する観点から、当社としての交渉方針に係る本特別委員会からの意見、指示、要請等に基づいた上で、プルータス及びシティユーワ法律事務所の助言を受けながら、以下のとおり、サーラコーポレーションとの間で、2024年11月上旬まで5回に亘る協議・交渉を行いました。

具体的には、当社は、2024年10月3日に、本特別委員会を通じてサーラコーポレーションに対するインタビューを実施し、本取引を提案するに至った検討過程、本取引後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるメリット・デメリットその他の影響の内容及び程度、並びに本取引後に予定している当社の経営方針等について説明を受け、質疑応答を行いました。その上で、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かについては引き続き検討を進めることとしつつ、2024年10月上旬から、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格を含む本取引の条件についてサーラコーポレーションとの協議・交渉を開始いたしました。

すなわち、当社は、2024年10月9日付で、サーラコーポレーションから、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格等の諸条件について、(ⅰ)当社の発行する株券等を対象とした完全子会社化を企図した公開買付けを実施し、(ⅱ)本公開買付価格を1,850円とし、(ⅲ)本新株予約権買付価格を1円とする旨のサーラコーポレーションの意向及び本公開買付けに係る条件を記載した提案書を受領しました。これを受けて、当社は、2024年10月16日開催の本特別委員会における検討を踏まえた結果、本公開買付価格に係る上記提案価格(1,850円)は、プルータスによる当社株式の株式価値の試算結果や、他の非公開化を前提とした公開買付けの事例におけるプレミアム水準を踏まえると、合理的な水準にあるとはいえないと考えられたことから、サーラコーポレーションに対し、2024年10月16日付の書面をもって、本公開買付価格の再考を要請するとともに、本新株予約権買付価格については、1円を前提とすると、仮に当社取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明する場合であっても、本新株予約権者に対しては、本公開買付けへの応募を推奨することは相当ではなく、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の判断に委ねることが相当であると考えている旨を伝達しました。その後、当社は、サーラコーポレーションから、2024年10月21日付の書面をもって、本公開買付価格を2,000円とする旨の2回目の提案を受けました。これを受けて、当社は、2024年10月23日開催の本特別委員会における検討を踏まえた結果、上記提案価格(2,000円)は、初回の提案価格より増額されているものの、プルータスによる当社株式の株式価値の試算結果や、他の非公開化を前提とした公開買付けの事例におけるプレミアム水準を踏まえると、いまだ十分な価格であるとは評価し難いと考えられたことから、サーラコーポレーションに対し、2024年10月23日付の書面をもって、再度、本公開買付価格の再考を要請いたしました。その後、当社は、サーラコーポレーションから、2024年10月25日付の書面をもって、本公開買付価格を2,100円とする旨の3回目の提案を受けました。これを受けて、当社は、2024年10月29日開催の本特別委員会における検討を踏まえた結果、上記提案価格(2,100円)は、他の非公開化を前提とした公開買付けの事例におけるプレミアム水準との比較において一定程度評価し得る価格であるものの、プルータスによる当社株式の株式価値の試算結果を踏まえると、より高い価格を目指して交渉を継続することが望ましいと判断し、サーラコーポレーションに対し、2024年10月29日付の書面をもって、再度、本公開買付価格の再考を要請いたしました。その後、当社は、サーラコーポレーションから、2024年10月31日付の書面をもって、サーラコーポレーションによる最終提案価格として、本公開買付価格を2,150円とする旨の4回目の提案を受けました。これを受けて、当社は、2024年11月1日開催の本特別委員会における検討を踏まえた結果、上記提案価格(2,150円)は、サーラコーポレーションによる最終提案価格であって、これ以上の増額を要請することは難しいと考えられた一方で、プルータスによる当社株式の株式価値の試算結果や、他の非公開化を前提とした公開買付けの事例におけるプレミアム水準との比較において合理性の認められる水準であると考え、サーラコーポレーションに対し、2024年11月1日付の書面をもって、正式な意思決定は2024年11月7日開催予定の取締役会にて承認されることを条件として、上記の提案価格(2,150円)をもって、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対しては応募を推奨する予定である旨を回答しました。

 

さらに、当社は、リーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2024年11月6日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要については、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、リーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関であるプルータスから2024年11月6日付で取得した株式価値算定書(なお、当社は、本新株予約権買付価格がいずれも1円とされていることに鑑み、プルータスから本新株予約権の価値に関する算定書は取得しておりません。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社グループの企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。

その結果、当社は、以下の点等を踏まえると、本取引を通じて当社がサーラコーポレーションの完全子会社となることが、当社グループの企業価値の向上に資するものであるとの判断に至りました。

すなわち、当社グループを取り巻く事業環境については、中長期的な新築住宅着工棟数の減少傾向に加え、住宅ローン金利の先高観、土地価格や建築コストの上昇による住宅取得や大規模改修に対する消費マインドの低下、設計職・施工監理職などの専門職技術者の人材不足など、依然先行きが不透明な状況が継続する見込みであると考えております。このような中、当社は、当社グループ全体の収益構造を強化するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、2024年2月に新たな長期ビジョン「Vision 2030」と、2024年12月期から2026年12月期までの3ヶ年を対象とする中期経営計画(以下「本中期経営計画」といいます。)を策定し、以下の事項を重点施策として推進しております。

 

Ⅰ.事業ポートフォリオの最適化と安定成長

住宅リフォーム事業のさらなる伸長を図りつつ、同事業での認知度とブランド力を活かして他の事業セグメントを展開していくとともに、オフィスなどの非住宅建物のリフォーム事業など、成長分野へのリソース集中と新規事業の創出を進め、住宅関連総合企業として利益の最大化を図ります。

Ⅱ.成長の加速

M&Aやアライアンス等を活用して全国の中堅・中小工務店と連合し、より大きな企業集団となることで、DX(注3)やIT技術への積極的な投資や、共同仕入れによる購買力向上によって収益力を高めるなど、グループ化によるシナジーを発揮していきます。

Ⅲ.顧客満足の追求

顧客が求める利便性をさらに高めて顧客対応の最速化を進めるとともに、長年にわたり築き上げてきた工事品質の維持・向上に努め、顧客の期待を超えるサービスや付加価値を提供していきます。

Ⅳ.DXの推進

労働集約性の高いビジネスである住宅事業において、技術職の減少や総労働量の減少といった課題に対応するため、DXを積極的に推進して業務フローを革新し、社員一人当たりの生産性をさらに高めていきます。

Ⅴ.人的資本経営

労働集約性の高いビジネスである住宅事業を拡大していく上では、専門的知識や豊富な経験を有する人材を多く必要とするため、①優秀な人材を継続的に確保すること、②人材や組織に知識や経験を内包し、将来の経営・幹部層に育成すること、③従業員のエンゲージメント(注4)を高め、企業の持続的な成長につなげることを目指していきます。

 

(注3)「DX」とは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略であり、デジタル技術の活用により生産性の飛躍的な向上や意思決定のスピードアップ、新たなサービスの創出等が可能になることを指します。

(注4)従業員の「エンゲージメント」とは、従業員と企業のつながりを示す指標の一つであり、従業員が組織や業務に対してどれだけ積極的に関わり、自発的に貢献したいという意欲を持っているかを示す指標をいいます。

 

このような中、当社は、サーラコーポレーションから、2024年8月23日に本取引に係る検討の依頼を受け、慎重に協議・検討を行った結果、当社としても、当社がサーラコーポレーションの完全子会社となることで、主として以下のシナジーを期待することができ、上記の本中期経営計画による重点施策について、当社グループ単体での取組みと比較して、より推進のスピードを加速させていくことが可能となると考えられることから、本取引により当社グループの企業価値の向上を図ることができるものと判断するに至りました。

 

(ⅰ)サーラコーポレーショングループとの顧客の相互補完及びサーラコーポレーショングループのノウハウを活用した新規事業の創出による収益機会の拡大

当社グループとサーラコーポレーショングループは、ともに愛知県を中心とした東海地区を主領域として住宅に関連する事業を展開しており、事業内容及び事業エリアに一定の親和性があると考えております。そのため、両グループ間で、一方の顧客に対して他方のグループのサービスを紹介し合うことにより、事業エリア及び顧客基盤の拡大が期待できると考えております。また、サーラコーポレーショングループは、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、6つの事業セグメントのもとで、リフォーム事業に留まらない幅広い事業を展開していることから、サーラコーポレーショングループの有する経営資源・ノウハウを利活用することにより、当社グループにおける新規事業の創出の可能性も広がるものと考えております。さらに、サーラコーポレーショングループと一体となることで、当社グループ単体と比較して資材等の購買力が向上するだけでなく、サーラコーポレーショングループとの間で、建設業分野において既に一定の業務上の関係性を有している協力業者(施工店、職人等)を紹介し合うこともできるようになり、生産性の向上も図られることになると考えております。

 

(ⅱ)サーラコーポレーショングループのブランド力を通じた人事面でのメリットの享受

当社としては、サーラコーポレーションは、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に株式を上場させている企業として、十分な知名度・ブランド力を有していると考えており、当社がサーラコーポレーショングループに加わることにより、サーラコーポレーショングループのブランド力を通じて、当社グループにおける人材の採用環境が改善されることを期待しております。また、サーラコーポレーショングループとの間で相互に人材交流が図られ、異業種への転向も支援できるようにより、グループ全体としての離職率の低下にもつながるほか、サーラコーポレーショングループの人事制度との将来的な統合により、従業員の待遇面での拡充が図られることを期待しております。

 

(ⅲ)サーラコーポレーショングループの支援によるM&AやDXなどの成長投資の加速及び投資規模の拡大

当社は、従来から、成長戦略の一環として、M&Aの積極的な実施とDXの推進を行っておりましたが、本取引の実施後においては、当社において、サーラコーポレーショングループが保有する成長投資資金の活用が可能となり、これにより、当社グループ単体と比較して、投資スピードの加速や投資規模の拡大が期待できると考えております。

 

(ⅳ)上場維持コストの負担軽減

当社がサーラコーポレーションの完全子会社となり、当社株式が上場廃止となることで、株式の上場を維持するために必要な人的・経済的コストを削減することができ、経営資源の更なる有効活用を図ることも可能になると考えております。

 

当社は、仮に当社とサーラコーポレーションにおいて、当社株式の上場が維持される限度での資本提携にとどまった場合には、当社は上場企業として一般株主の利益に配慮した独立経営が求められ、また、サーラコーポレーションとしても、当社グループへの投資に対するリターンを100%享受することができなくなることから、両者の間で経営資源の完全な共有を図ることが困難となるほか、住宅関連分野においては一部の競合関係が残り続けることから、上記のシナジー効果の実現には自ずと限界があると考えており、サーラコーポレーショングループとのシナジー効果を最大限発揮するためには、当社とサーラコーポレーションが完全親子会社となることで、両者の利害関係を一致させることが最適な手法であると考えております。

他方、上場廃止に伴うデメリットとしては、資本市場から資金調達を行うことができなくなることのほか、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを享受できなくなることが一般的に挙げられますが、上記のとおり、本取引の実施後においてはサーラコーポレーションからの支援が期待できること、また、当社としては、サーラコーポレーションは、東京証券取引所プライム市場に株式を上場させている企業として、十分な知名度・ブランド力を有していると考えており、上場廃止後も当社における社会的信用面に特段の懸念はないと見込んでいることから、当社株式の上場廃止による特段のデメリットは想定しておりません。

 

さらに、当社は、以下の点等を踏まえると、本公開買付価格(2,150円)及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

 

(a)本公開買付価格が、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載されているプルータスによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っており、類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの範囲内でその中央値を上回っており、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法に基づく算定結果のレンジの範囲内の価格であること。

 

(b)本公開買付価格が、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年11月6日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,515円に対して41.91%、2024年11月6日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,553円に対して38.44%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,443円に対して49.00%、直近6ヶ月間の終値単純平均値1,391円に対して54.57%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であり、他社の類似取引事例におけるプレミアム割合の中央値(注5)と比較すると、いずれのプレミアム割合も他社事例における中央値と同水準又はこれを上回っていることから、一定の合理性のある水準のプレミアムが付されていると評価できること。

 

(注5)当社は、他社事例におけるプレミアム割合につき、最大値と最小値に異常値があった場合の影響を低減化させる観点から中央値を重視することとし、具体的には、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降、2024年8月31日までの間に公表された非公開化を前提とする公開買付けの事例のうち、MBO(マネジメント・バイアウト)及び親会社による子会社の買収事例を除いた143件におけるプレミアム割合を参照した結果、これらの事例における公表日前営業日の終値、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値は、順に35.75%、38.44%、41.91%、44.82%です。

 

(c)本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られていること等、当社の一般株主の利益への配慮がなされていると認められること。

 

(d)本公開買付価格が、上記の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で、当社とサーラコーポレーションとの間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること。

 

(e)本特別委員会が、当社から適時に交渉状況の報告を受け、当社の交渉方針に関して意見、指示、要請等を行うこと等により、取引条件に係る交渉過程に実質的に関与した上で、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本答申書において、本公開買付価格を含む本取引の条件は、当社の一般株主の利益に照らして妥当なものであると考えられる旨の意見が示されていること。

 

以上より、当社は、2024年11月7日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨すること、他方、本新株予約権者の皆様に対しては、本新株予約権買付価格がいずれも1円とされていることから、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。上記取締役会における決議の方法につきましては、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認」をご参照ください。

 

その後、当社は、2024年12月20日、サーラコーポレーションより、本公開買付けの結果について、当社株式1,599,901株の応募があり、買付予定数の下限(1,129,200株)以上となり、本公開買付けが成立したことから、その全てを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、2024年12月26日(本公開買付けの決済の開始日)付で、サーラコーポレーションの所有する当社株式の議決権所有割合(注6)は94.46%となり、サーラコーポレーションは、当社の特別支配株主に該当することとなりました。

 

(注6)「議決権所有割合」とは、当社が2024年11月7日に公表した「2024年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(1,351,560株)に、2024年11月7日現在残存する本新株予約権の合計である4,731個(注7)の目的となる当社株式の数(473,100株)を加算した株式数(1,824,660株)から、当社決算短信に記載された2024年9月30日現在の当社が所有する自己株式数(23,356株)及び本株式報酬型新株予約権の目的となる当社株式の数(107,500株)を控除した株式数(1,693,804株)に係る議決権の数(16,938個)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。

(注7)2024年11月7日現在残存する本新株予約権の内訳は以下のとおりです。なお、2025年1月14日までに本株式報酬型新株予約権を除く本新株予約権は全て行使済みであり、また、本株式報酬型新株予約権は全て放棄されているため、2025年1月14日現在において残存する本新株予約権はございません。

本新株予約権の名称

2024年11月7日現在の個数

(個)

目的となる当社株式の数

(株)

第4回新株予約権

331

33,100

第5回新株予約権

380

38,000

第1回株式報酬型新株予約権

100

10,000

第2回株式報酬型新株予約権

210

21,000

第3回株式報酬型新株予約権

345

34,500

第6回新株予約権

1,445

144,500

第7回新株予約権

1,500

150,000

第4回株式報酬型新株予約権

353

35,300

第5回株式報酬型新株予約権

67

6,700

合計

4,731

473,100

 

 

このような経緯を経て、当社は、サーラコーポレーションより、2025年1月14日付で、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本株式売渡請求をする旨の通知を受けました。そして、当社は、かかる通知を受け、本株式売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。

その結果、当社は、(ⅰ)本株式売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、上記のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資すると判断しており、当該判断を変更すべき特段の事情は見受けられないこと、(ⅱ)本株式売渡対価は、本公開買付価格と同一の価格であるところ、当該価格の決定に際しては、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等に鑑みれば、本売渡株主にとって合理的な価格であり、本売渡株主の利益を害することのないよう十分留意されていると考えられること、(ⅲ)サーラコーポレーションは、本株式売渡対価の全てを、株式会社静岡銀行を貸付人とし、当該貸付人との間で2009年9月15日付で締結した当座勘定貸越約定書(円貨スプレッド貸付用)(その後の変更を含みます。)に基づく借入れを原資として支払うことを予定しているところ、当社としても、当該借入れに基づく融資の裏付けとして、本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出された株式会社静岡銀行作成の2024年11月7日付の融資証明書を確認していること、また、サーラコーポレーションによれば、本株式売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は生じておらず、今後発生する具体的な可能性も認識していないとのこと等から、サーラコーポレーションによる本株式売渡対価の支払のための資金の準備状況・確保手段は相当であり、本株式売渡対価の交付の見込みはあると考えられること、(ⅳ)本株式売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本株式売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(ⅴ)本公開買付けの開始以降2025年1月14日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと等を踏まえ、本株式売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本株式売渡請求の条件等は適正であると判断し、2025年1月14日付の当社取締役会決議において、サーラコーポレーションからの通知のとおり、本株式売渡請求を承認する旨を決定いたしました。

以 上