第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下、インバウンド需要の拡大や個人消費の持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復が続くことが期待されております。一方で、欧米における金融引締め、ロシア・ウクライナや中東情勢の長期化等の海外情勢、継続的な物価上昇及び不安定な為替変動による景気への影響が懸念されており、引き続き、先行きが不透明な状況となっております。

当社グループの事業は、待機児童、女性活躍、人口減少による人材不足、出産・育児による離職、介護離職等の社会課題と密接に関連しており、関わる全ての人の間に「ありがとう」が自然にあふれ、「あなたでよかった、ありがとう。」と感じていただける気持ちを循環させてまいります。今後もグループ理念である「...planning the Future~人を活かし、未来を創造する~」に基づき、人生のどの段階においてもなくてはならない企業グループを目指すため、少子高齢化社会における就業人口の増加に注力するとともに、グループ各事業において高品質のサービスを提供することで、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。

この度、2024年11月14日に日本生命保険相互会社と資本業務提携を締結し、当社のITインフラをベースとした保育所向けの業務改善システムの開発及び「保育イノベーションコンソーシアム」の組成を行うことを発表いたしました。保育の質の向上や業務効率化、保育士の労働環境改善、保育業界全体の持続性の向上、発展に向けて取り組んでまいります。

当中間連結会計期間の経営成績は、売上高29,057,796千円(前年同期比0.6%増)、営業利益は、前連結会計年度に新規開設した介護付有料老人ホームの先行的な運営コストが発生したことから725,660千円(同10.0%減)、経常利益は、設備補助金収入が減少したことから782,247千円(同29.8%減)、親会社株主に帰属する中間純利益440,031千円(同36.2%減)となりました。

 

各セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

(子育て支援サービス事業)

子育て支援サービス事業につきましては、厚生労働省が2024年9月に発表した人口動態統計(確定数)の概況によれば、2023年の出生数は727,288人と前年の770,759人からさらに減少し、調査開始以来最少を記録しております。

一方で潜在的な待機児童数(入所を希望しているが待機児童として数値に現れない児童)は71,032人(2024年4月現在)に及ぶこと、また放課後児童クラブにおける待機児童数は17,686人(2024年5月1日現在)と2023年5月1日時点より1,410人増加するなど依然として首都圏を中心に待機児童問題は深刻であること、さらに女性就業率は上昇傾向にあることから、大都市圏における保育ニーズは引き続き高い水準で推移すると想定され、いまだ保育の受け皿確保に向けた各種施策の推進が急務となっております。政府も、次元の異なる少子化対策の実現に向けた「こども未来戦略」を2023年12月に閣議決定し、児童手当の拡充や就労要件を問わず保育を利用できる「こども誰でも通園制度」の創設、職員配置基準改善、保育士等の処遇改善等の施策を進めており、国策としての少子化対策も一層強化されることが予想されます。

そのため連結子会社であるライクキッズ株式会社は民設の認可保育園開設だけでなく、自治体が開設した保育園の運営受託、不動産開発事業者による大規模開発案件での新規保育園開設、病院・企業・大学等が設置する企業主導型保育等の事業所内保育施設の運営受託、自治体からの学童クラブ・児童館の運営受託等、あらゆる側面から保育の受け皿整備に尽力するとともに、連結子会社であるライクスタッフィング株式会社と密接に連携することで、保育の質を担保する優秀な保育士の採用にも注力いたしました。

以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は14,608,506千円(前年同期比7.7%増)、営業利益は人件費の上昇及び物価高騰にかかる原価の上昇があったものの、のれん償却額の減少及び当中間連結会計期間までの期ズレ補助金が増加したことから338,039千円(同50.2%増)となりました。

 

 

(総合人材サービス事業)

総合人材サービス事業につきましては、日本国内において少子高齢化に伴う労働力人口の減少が深刻化する中で、社会インフラとも呼べる当社の注力業界では、人材の確保が重要な経営課題となっております。

そのため、連結子会社であるライクスタッフィング株式会社では事業領域とするモバイル、物流・製造、コールセンター、保育・介護、建設業界において、就業人口の増加に向けた営業活動を展開いたしました。

モバイル業界においては、一部キャリアの直接雇用化の動きに加え、社会全体の人材不足による他業種との人材獲得競争の激化も伴い、人材確保が難航いたしました。しかし、キャリアの顧客争奪の場となる家電量販店における人材需要は高まっております。物流業界は、大手企業での運営の内製化及び直接雇用化の影響を受け人材需要が減少いたしました。人材不足が深刻さを増している保育・介護業界に対しては、社内の営業体制の見直しや連結子会社であるライクキッズ株式会社・ライクケア株式会社で施設運営を行っているノウハウを採用力に繋げ、人材の派遣・紹介を強化しております。

次の成長軸となる事業として、以前より推進している外国人材就労支援サービスの拡大についても引き続き注力いたしました。人材が逼迫する介護業界へ積極的な営業活動を展開し、より多くの企業様においてスムーズな受け入れをしていただけるよう、生活のサポートを含む働きやすい環境の整備を継続してまいります。

以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は、稼働スタッフ数が減少したことにより10,192,957千円(前年同期比9.3%減)、営業利益は他社からの転籍受入れにかかる一時的な人件費の増加があったことから691,857千円(同1.8%減)となりました。

 

(介護関連サービス事業)

介護関連サービス事業につきましては、連結子会社であるライクケア株式会社が、神奈川県・東京都・埼玉県といった65歳以上の人口が多い首都圏において、介護付有料老人ホーム等を運営しております。医療連携を強みとし、24時間看護師が常駐し看取り介護を行っている施設も多いことから、介護度が高く、ご自宅での介護が困難である方が入居されております。

また、新たに2025年2月には埼玉県春日部市にサンライズ・ヴィラ春日部東(72室)を開設予定であり、運営施設数は26施設となる見込みです。

以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は4,217,309千円(前年同期比4.5%増)、営業利益は2024年2月に新規開設したフェリエ ドゥ 上井草の先行的な運営コストが発生したため132,240千円(同48.8%減)となりました。

 

(2)財政状態の状況

当中間連結会計期間末における総資産は37,952,460千円(前期末比550,652千円減)、純資産は16,674,099千円(同141,640千円減)、自己資本比率は43.9%(同0.2ポイント増)となりました。

(流動資産)

当中間連結会計期間末における流動資産の残高は15,118,217千円(前期末比1,487,215千円減)となりました。これは、現金及び預金の減少688,452千円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少840,582千円等があったことによります。

(固定資産)

当中間連結会計期間末における固定資産の残高は22,834,242千円(前期末比936,562千円増)となりました。これは、有形固定資産の増加742,315千円、繰延税金資産の増加193,054千円等があったことによります。

(流動負債)

当中間連結会計期間末における流動負債の残高は11,383,090千円(前期末比363,716千円増)となりました。これは、短期借入金の増加420,000千円等があったことによります。

(固定負債)

当中間連結会計期間末における固定負債の残高は9,895,269千円(前期末比772,729千円減)となりました。これは、長期借入金の減少717,349千円等があったことによります。

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産の残高は16,674,099千円(前期末比141,640千円減)となりました。これは、親会社株主に帰属する中間純利益の計上440,031千円、配当金の支払556,511千円等があったことによります。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税金等調整前中間純利益の計上といったプラス要因がありましたが、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出といったマイナス要因があったことにより、前期末に比べ748,652千円減少し、8,690,943千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,041,131千円(前年同期比14.8%減)となりました。この主な内容は、税金等調整前中間純利益の計上746,300千円、売上債権の減少849,377千円、減価償却費の計上729,374千円、補助金の受取額110,923千円、法人税等の支払額468,903千円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,103,356千円(前年同期比114.4%増)となりました。この主な内容は、子育て支援サービス事業における新規施設開園準備等に伴う有形固定資産の取得による支出816,993千円、差入保証金の差入による支出42,981千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出308,228千円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,686,427千円(前年同期比25.9%減)となりました。この主な内容は、長期借入金の返済による支出1,451,523千円、配当金の支払額556,085千円等であります。

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

(6)主要な設備

当中間連結会計期間において、前連結会計年度末に計画していた重要な設備の新設について完了したものは次のとおりであります。

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

金額

(千円)

完了年月

子会社

(ライクキッズ株式会社)

認可保育園

(東京都1園)

子育て支援サービス事業

保育設備

130,348

2024年10月

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当社は、2024年11月14日開催の取締役会において、日本生命保険相互会社(以下「日本生命」)と資本業務提携契約を締結することを決議し、同日付で日本生命と資本業務提携契約を締結いたしました。詳細は以下のとおりです。

相手先

契約締結日

内容

日本生命

2024年11月14日

①当社のITインフラをベースとした保育所向け業務改善システムの開発

・日本生命の連結子会社であるニチイ学館の保育所にシステムを導入し、業務

 改善のための実証実験を実施

・実証実験の結果を基に、全国の保育所への外販に向けたシステムに改修

②上記①以外の保育の質の向上及び業務効率化に向けた情報交換、共同での

 サービス提供

③保育の質の向上や業務効率化、保育士の労働環境改善、保護者にとっての安

 心・安全担保等の保育業界全体の持続性向上、さらなる発展に向けた「保育

 イノベーションコンソーシアム」の組成・運営