第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

 PC調達方法としてのサブスクリプションの認知度向上、IT部門の業務負担軽減ニーズの高まりを背景として、LCMサービスを包含するビジネス向けPCのサブスクリプション利用率が年々拡大しております。

 

 現在、2025年10月のWindows 10 サポート終了に向けて、PC更新拡大期に入っております。PC更新拡大期には、法人のIT部門の業務負荷が増大するため、サブスクリプションへの移行が進むと見込まれております。また、IT機器管理全般を外部委託するLCM(※1)サービス、データ消去等のITAD(※2)サービスのニーズが高まり、当社事業の成長速度の加速が見込まれます。こうした市場環境を追い風に、持続的な収益拡大と企業価値の向上を目指してまいります。

(※1)LCM:

Life Cycle Managementの略。PC、Wi-Fi、モバイル機器等の導入、運用・管理、使用後のデータ消去・適正処分を管理する仕組み。

(※2)ITAD:

IT Asset Dispositionの略、IT機器の適正処分の意味。情報セキュリティ上安全、かつ適法(環境法、国際条約、資源有効利用促進法等)な処分は、コンプライアンス・ガバナンスにおいて経営上の重要事項と位置付けられ、欧米で一般化しています。

 

 この事業環境を踏まえ、以下を重点課題として先行投資等を行っております。

①成長機会に備えたインフラの整備とDX化(設備投資・AI活用)

②人的資本経営の推進(人材確保・リスキリング)

③ストック収益の拡大(サブスクリプション型サービスの拡大)

④LCMサービスの推進(運用保守管理、ヘルプデスク、データ消去、排出管理BPOサービス、クラウドサービス等)

⑤資産効率・収益性の向上

 

 当中間連結会計期間の業績は、すべてのセグメントで増収増益を達成し、中間連結会計期間の売上高は、5期連続で過去最高を記録しました。売上高は、前年同期比で17.3%の増収、営業利益は、前年同期比で21.0%の増益となりました。

 

 

 セグメント別では、PCサブスクリプションのニーズの高まりを受け、ITサブスクリプション事業(※3)は順調に拡大いたしました。ITAD事業(※4)も、採算性の高い使用済みPCの確保とサービス収益の拡大を受け、増収増益となりました。コミュニケーション・デバイス事業(※5)は、旅行業界と連動して回復基調となっております。

 

(※3)ITサブスクリプション事業:

法人・官公庁が業務で使用するPC等のIT機器サブスクリプション、IT環境の運用保守、ヘルプデスク、クラウド等のITサービスで構成。サブスクリプション型サービスが大部分を占めています。

◆IT機器サブスクリプション(中長期レンタル中心)

◆ITサービス(運用保守、通信、クラウド系ソリューション等)

(※4)ITAD事業:

使用済みIT機器のデータ消去、適正処理サービスです。

◆使用済みIT機器のセキュアな回収、データ消去

◆リユース・リサイクル販売(高価値品はテクニカルセンターで製品化し、リユース販売。リユース困難な機器については分解して素材化し、当社の監査基準を満たすリサイクル業者へ販売し、廃棄物削減と適正処理を推進)

(※5)コミュニケーション・デバイス事業:

イヤホンガイド®関連サービスです。国内の旅行関連市場では当社グループのイヤホンガイド®がガイドレシーバーのシェア90%以上を有しています。

◆イヤホンガイド®の製造販売、レンタル

◆イヤホンガイド®の保守・メンテナンスサービス

 

 投資面では、引き続き2025年10月のWindows 10 サポート終了に伴うPC更新需要の拡大を見据え、戦略投資を拡大、先行コストが増加いたしました。具体的には、(1)人的資本への投資(人材の積極採用、昇給、従業員のリスキリング)、(2)DXの推進(AIの活用、RPAによる自動化、ノーコードでのアプリ開発)、(3)マーケティング強化(展示会への出展、マーケティング支援サービスの採用)などです。2024年9月には、サービス提供力の向上と作業環境の改善を目的に大阪テクニカルセンターを移転、2024年11月には、生産性向上と事業拡大のため本社の増床も行いました。

 また、2024年12月より、マーケティング戦略と業務推進の専門チームであるデマンドセンターを新設し、同部門がハブとなり、関係部門の最適化を図るとともにプロモーション活動の強化、顧客の開拓を目指します。

 

 この結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高3,791,863千円前年同期比17.3%増)、営業利益315,243千円前年同期比21.0%増)、経常利益290,966千円前年同期比13.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益193,807千円前年同期比15.6%増)となりました。

 

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

<ITサブスクリプション事業>

当社のサービスは、企業のIT部門の負荷軽減に大きく貢献しており、そのニーズはますます高まっております。特に、重点課題である長期サブスクリプション売上高は順調に拡大しており、事業基盤の安定性が向上しております。

また、長期サブスクリプション売上の拡大に伴い、サブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産)の保有台数も増加しておりますが、引き続き高い稼働率による運用を実現することで、収益の確保に努めております。

事業規模拡大に向け、引き続きサブスクリプション資産の調達、人材の採用、営業強化やマーケティング支援サービスの採用、DX推進等の投資を積極的に実行したことにより、先行コストは増加しました。その一方で、資産効率の高水準での維持や業務効率の向上により、収益性が高まり、先行コストをカバーしております。

長期サブスクリプション売上の拡大に加え、選挙で利用する大口の短期レンタル案件や大口の販売などもあり、前年同期比でセグメント業績は、増収・増益となりました。

 

この結果、売上高2,758,911千円前年同期比18.1%増)、セグメント利益316,346千円前年同期比5.7%増)となりました。

 

<ITAD事業>

当社は外部環境の影響を受けにくい事業構造の実現を目指し、データ消去、引取回収といったサービス収益の拡大を進めております。サービス範囲の拡張と営業強化の取り組みにより、これらのサービス収益は順調に成長しております。使用済みPCの排出状況はまだ本格化しておりませんが、リユース販売においては、採算性の高い使用済みPCの確保を推進したことにより収益性が向上しました。

さらに、業務効率化による生産性の向上が収益性を押し上げ、セグメント業績は増収・増益となりました。

 

この結果、売上高937,232千円前年同期比15.4%増)、セグメント利益302,436千円前年同期比32.1%増)となりました。

 

<コミュニケーション・デバイス事業>

旅行業界の回復が進む中、大手旅行会社を中心に、受注が前期比で増加しました。その中でも、クルーズ船や訪日旅行者向け需要が拡大しております。また、工場見学など旅行業以外の分野でも顧客開拓が進み、収益基盤が多角化しております。これらの需要拡大に対応するため、業務効率化による生産性の向上を行いました。

また、人材育成による営業力強化にも注力いたしました。

この結果、当中間連結会計期間の業績は、前年同期比で増収・増益となりました。

 

この結果、売上高151,270千円前年同期比33.5%増)、セグメント利益27,768千円前年同期比94.8%増)となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

 当中間連結会計期間末の総資産は、10,742,282千円前連結会計年度末比248,651千円増)となりました。

 この内、流動資産は2,254,602千円前連結会計年度末比96,835千円減)となりました。これは、主に現金及び預金が95,208千円、商品が37,086千円、その他が41,161千円減少し、売掛金が75,918千円増加したことによります。

 固定資産は8,487,679千円前連結会計年度末比345,487千円増)となりました。これは、主にサブスクリプション資産(勘定科目はレンタル資産(純額))が298,399千円、差入保証金が21,307千円、投資その他の資産のその他が21,792千円増加したことによります。

 負債は7,699,814千円前連結会計年度末比268,352千円増)となりました。

 この内、流動負債は3,647,056千円前連結会計年度末比460,855千円増)となりました。これは、主に1年内返済予定の長期借入金が59,608千円、その他が422,516千円増加したことによります。

 固定負債は4,052,757千円前連結会計年度末比192,502千円減)となりました。これは、主に長期借入金が187,631千円減少したことによります。

 純資産は3,042,468千円前連結会計年度末比19,701千円減)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する中間純利益193,807千円、新株予約権の行使による資本金・資本剰余金がそれぞれ1,203千円増加した一方、剰余金の配当により215,360千円減少したことによります。

 また、当中間連結会計期間末における自己資本比率は28.3%(前連結会計年度末は29.2%)で、1株当たり純資産額は578円93銭(前連結会計年度末は582円87銭)であります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ95,208千円減少し、1,287,186千円となりました。

 当中間連結会計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(a) 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果、得られた資金は1,652,477千円前年同期に得られた資金は1,088,395千円)となりました。収入は主に税金等調整前中間純利益291,150千円減価償却費1,329,110千円であり、支出は主に売上債権の増加額75,932千円法人税等の支払額108,310千円であります。

(b) 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果、使用した資金は1,400,099千円前年同期に使用した資金は1,716,757千円)となりました。支出は主にレンタル資産の取得を始めとする有形固定資産の取得による支出1,314,919千円であります。

(c) 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果、使用した資金は347,560千円前年同期に得られた資金は730,739千円)となりました。収入は主に長期借入れによる収入1,200,000千円であり、支出は主に長期借入金の返済による支出1,328,022千円配当金の支払いによる支出215,235千円であります。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。

 

(6) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。