当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「安心・安全・快適・環境・健康・福祉」に配慮した豊かな生活空間の創造を目指し、健全な若者の育成と魅力溢れる社会の実現に、おもてなしの心と笑顔で貢献することを経営理念としております。
また、この経営理念に立ち返り、未来を開拓する「健全な若者の育成」を通じて、魅力溢れる社会を創造するグローバルトップブランド『UniLife』という存在目的(Purpose:パーパス)を定義し、「豊かな生活空間」のディスラプション(創造的破壊(Disruption))として「学び・成長・つながり」を生むリアル空間へ再創造することを掲げ、これを2030年における当社グループのありたい姿、長期ビジョン『Grow Together 2030』としました。そして、この長期ビジョンの実現に向けた最初の3か年を第一フェーズと位置付け中期経営計画『GT01』を策定し、これにあわせ、新しい領域に挑戦する「探索」と、既存の事業の一層成長を図る「深化」という活動が、高い次元でバランスよく調和していることを目指す『両利きの経営』と、規模の大きさで競合相手を圧倒する消耗戦から、社員一人一人が知識を機動的に生み出す力を発揮するかたちへと転換し、組織の学習スピードを高めることを目指す『社員全員の経営』の2つを経営の基本方針とし、『GT01』を実践してまいりました。
今後は2024年10月期から2026年10月期の3か年を長期ビジョンの第2フェーズと位置付ける中期経営計画『GT02』を策定し、引き続き『両利きの経営』と『社員全員の経営』を基本方針とし、「人間性とテクノロジーの融合による、ジェイ・エス・ビーだけの価値創出」に焦点を当て、持続的成長の源泉は「人」であるとの考えのもと、多様性の尊重と相互結合の促進によるイノベーションとデジタルテクノロジーを組み合わせ、すべてのステークホルダーに対する新たな価値の提供に加え、一人ひとりが挑戦する「創造する組織」化の実現を図ってまいります。
(2)経営環境
文部科学省「令和5年度学校基本調査(速報値)」によりますと、大学(大学院を含む)の学生数は294.6万人と前年より1.5万人増加しており、当社グループを取り巻く市場環境につきましては引き続き追い風となる状況となっております。
新型コロナウイルス感染症による国内経済への影響につきましては、2023年5月の新型コロナウイルス感染症 の「5類感染症」への分類移行を受け、緩やかながら経済環境の正常化がみられる反面、急速な物価上昇に対す る金融引き締めの影響、為替相場の急変動、中東情勢の緊迫化などから、景気の先行きについては不透明感が見 られます。そのため、今後の景況判断につきましても、引き続き慎重に見極める必要があると考えております。このような状況のもと、当社の推計では、18歳人口の減少とともに学生マンション需要は2019年から2040年にかけて年平均1.1%減少すると見込んでおりますが、学生マンション需要に対する当社グループ管理戸数の市場シェアは5%程度であると考えております。また、学生マンション事業への特化や、これまで蓄積してきた学生マンションの運営ノウハウ、学生のニーズの早期把握、大学及び大学生協との連携等を通じて、市場における一定の優位性は確保しているものと考えております。
今後もこの優位性を維持しつつ、市場シェアの拡大を図り、長期的な成長を目指してまいります。
(3)中長期的な経営戦略
長期ビジョン『Grow Together 2030』では、見えない資産(無形資産)が持続的な企業価値向上の源泉であるということを重視し、①「アビリティ(総合的人間力)」の芽を育て、社会課題の解決に貢献する、② 人間性とテクノロジーの融合による当社グループだけの価値の創出、③ 当社グループブランドである「UniLife」のグローバル・トップブランドへの進化を成長シナリオとし、グループ全体においてこの存在目的(パーパス)を通して価値観を共有し、人材の育成・成長を通じた価値創造を目指します。また、その価値創造は若者が成長することによって実現するものと定義しております。
長期ビジョン実現への取り組みの要旨は以下のとおりです。
■人的資本への投資
・創造する組織へ進化するための人材育成
・社員ロイヤリティ(絆)の向上と組織エンゲージメント(求心力)強化
・経営層及び後継者育成計画策定実施
■知的資本への投資
・DX戦略を推進するための組織編成
・DX関連ベンチャーへの投資
・CVC(Corporate Venture Capital)組成・運営
■ブランド・顧客基盤の構築
・最高のエンゲージメントを持つチームが、顧客成功体験(CX:Customer Experience)を支援
・顧客ロイヤリティ(絆)を確立
・顧客が他者へ推奨する状態(ロイヤルカスタマー)の確立
■企業内外の組織づくり
・「両利きの経営」と「社員全員の経営」を可能とする組織戦略
・UniLifeが、情報ネットワークのハブとして社内外でつながり、互恵互助のもと、ロイヤリティ(絆)を獲得し、お互いの知が結合することによりイノベーションを起こし続ける。
■成長時間を短縮する方策
・オープンイノベーション、アライアンス、ジョイントベンチャーの活用
・M&Aによる既存事業の拡大とシナジーの見込める新規事業投資
中期経営計画『GT02』(2024年10月期~2026年10月期)では、業務改革を最重要項目として設定し、ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)、DX、そしてビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)を3本柱として、人的資本・知的資本・気候変動・事業ポートフォリオを重要項目に設定し、それらに取り組むことで、長期的かつ持続的な企業価値の向上を図ってまいります。
(4)目標とする経営指標等
中期経営計画『GT02』(2024年10月期~2026年10月期)で掲げる主な経営指標等は以下のとおりです。
経営成績
|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
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788億円 |
87億円 |
85億円 |
56億円 |
資本効率及び財務安全性
|
ROE |
ROIC |
自己資本比率 |
流動比率 |
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15%以上 |
8%以上 |
40%以上 |
120%以上 |
入居関連指標
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管理戸数 |
契約決定件数 |
|
104,000戸 |
34,000件 |
成長投資
|
自社物件開発 |
新規事業/DX |
サステナビリティ/更新 |
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270億円 |
20億円 |
10億円 |
なお、将来に関する前提・見通し・計画については、公表した時点における仮定等に基づくものであり、実際の経営成績は今後さまざまな要因によって異なる可能性があります。従いまして、その実現を保証あるいは約束するものではありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機に加速し、現在においても国際情勢、サステナビリティ、知財・技術など、社会システムの大きな変化が加速度的に生じていると考えております。
こうした変化に対応し、当社グループが更なる成長を実現するため、変わらぬ軸として持ち続ける経営理念「豊かな生活空間の創造」に立ち返り、存在目的(Purpose:パーパス)を定義し、「豊かな生活空間」のディスラプション(創造的破壊(Disruption))のもと、2030年における当社グループのありたい姿、長期ビジョン『Grow Together 2030』とし、この長期ビジョンの実現に向けた最初の3か年(2021年10月期~2023年10月期)を第一フェーズと位置付ける中期経営計画『GT01』を遂行しました。
2024年10月期~2026年10月期は長期ビジョンの第二フェーズ『GT02』の期間と位置づけ、これら中長期的な戦略を実行する上で、当社グループの優先的に対処すべき課題は以下のとおりです。
「両利きの経営」「生産性向上」を実現するための業務改革
『GT02』における戦略実行の組織基盤として、BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)、DX(デジタルトランスフォーメーション)及びBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を3本柱とする業務改革を進めながら、人的資本(①)・知的資本(②)・気候変動(③)・事業ポートフォリオ(④)の重要項目に取り組むことで、ステークホルダーと共創・エコシステムを確立し、長期的且つ持続的な企業価値向上に努めてまいります。
① 人的資本-人的資本への投資、人材戦略
人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、両利きの経営を実践し、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方を追求してまいります。
「従業員は資産である」とのコンセプトのもと、生活と仕事の調和、新しいワークスタイルへの対応、ダイバーシティ、教育及び社員エンゲージメント向上を基本方針として、人事や教育研修等の制度を再設計するとともに、人への投資を加速し、人的資本経営を推進いたします。
② 知的資本-経営資源・無形資産等の確保強化
データに基づいた客観的な分析を行う、「データドリブン文化」を推進し、「人的資本/M&A連動」を推し進め、DXリーダーの配置、DXベンチャーへの投資等を通じ、DXの目的である、顧客体験向上とコスト削減の両立による競争優位性の構築・企業価値向上を図ってまいります。
③ 気候変動をはじめとしたESGの取組
当社グループは気候変動に関するリスクと機会の分析及び公表を行っております。
地球温暖化による気候変動に対しては、TCFD提言に基づく定量的な情報開示をはじめ、社会環境・地球環境の保全に対する積極的な活動を行ってまいります。併せてZEH※をはじめとする環境対応物件の展開、物件に対するリノベーションや再エネ活用を推進し、事業を通じた社会課題解決につながるソリューション開発に努め、高い付加価値の創造及び提供、ステークホルダーの満足度向上を実現させることで、社会的責任として高潔性が高い気候変動対応を確立してまいります。
また、気候変動対応について学生と共に考え活動することで、価値共創を実現するエコシステムを構築してまいります。
※ZEH:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略語。エネルギー収支をゼロ以下にする住宅を意味します。
④ 事業ポートフォリオ
『GT02』においては、総額約300億円の投資を行う方針としております。
資本コストをベースとした意思決定を重視し、オーガニックグロースだけでなくM&Aグロースを両立させ、成長スピードを加速してまいります。学生マンション事業の成長性はまだまだ高く、成長スピードに乗って更なる拡大を目指します。また、新たな成長エンジンとなる事業を育てていくため、新規事業領域への投資も進めてまいります。
これらを通じて新たな価値提供を実現し、学生マンション分野で唯一無二の存在であり続けることを目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するマテリアリティ(重要課題)、ガバナンス及びリスク管理
(マテリアリティ:重要課題)
当社グループは事業の強みを生かしながら社会に貢献しうる課題を議論し、15項目のマテリアリティ(重要課題)を設定しました。特性の異なる各項目に取り組むことにより、事業と社会貢献を両立しながら価値創造実現を目指します。今後、各項目に対する指標及び目標を設定し、目標達成のための活動内容策定と実践を進めてまいります。主要な活動状況については、随時ホームページ等にて開示してまいります。
(ガバナンス)
当社グループはサステナビリティ(持続可能性)のある社会形成に貢献すべく、サステナビリティ委員会を設置し、事業特性を加味した総合的な取組みを推進しております。サステナビリティ委員会は委員長を代表取締役社長より指名された取締役が務め、定められた常任メンバー、特別招集メンバー、常勤監査役で構成されます。委員長は委員会で審議・承認された事項を定期的に取締役会へ上程又は報告を行います。取締役会はその上程又は報告を通じてサステナビリティに関する各種施策の状況把握やリスク事案の監督を行います。
(リスク管理)
サステナビリティ委員会事務局が中心となって各事業の気候変動リスク、人的資本リスク及びその対応状況を把握し、サステナビリティ委員会に報告する体制としています。
また、これらと並行して当社グループを取り巻く様々なリスクを管理する内部監査室と連携し、当社グループ全般の適切なリスク管理・運営を行うために策定された「リスクマネジメント規程」に基づき、リスク管理を行っております。
気候変動による事業環境の変化に伴うリスクや自然災害に伴うリスク、人的資本における労働環境の変化に伴うリスクや健康・安全に係わるリスクについても管理を進め、「リスクマネジメント規程」に基づき審議・対応策の協議を行い、その内容については、取締役会へ報告することとなっています。
(2)重要なサステナビリティ項目
上記ガバナンス及びリスク管理を通じて識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
・気候変動
・人的資本
それぞれの項目に係わる当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
① 気候変動
(戦略)
当社グループでは、気候変動のリスクと機会について、サステナビリティ委員会にて事業活動への影響を検討し、下記のリスクと機会を設定しています。
今後更なる分析・検討を進め、財務的インパクトやそれに応じた対応策を組み込んだ戦略を構築してまいります。
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分類 |
番号 |
リスク・機会 |
事業への影響 |
|
|
項目 |
要因 |
|||
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移行 リスク |
① |
炭素税徴収、関連運用コスト増加 |
新規物件開発・既存物件維持 |
炭素税負担による自社負担のエネルギーコスト増加 |
|
② |
ビジネスの停滞・退化 |
ZEH・ZEB等の低排出仕様物件の不採用 |
顧客・社会のニーズの変化に対応できない物件の入居率や家賃低下に伴う売上高の減少、物件評価額の低下による減損 |
|
|
物理 リスク |
③ |
物件被害 |
自然災害の激甚化や増加 |
自社管理物件の修繕費や保険料等の災害対応コストの増加 使用・収益不能物件の発生および被災リスクの高い物件の入居率低下・賃料減額による売上高減少 |
|
④ |
通学出来ないことによる下宿生減少 |
疫病発生 |
感染リスクの高まりによる下宿生数減少に伴う売上高減少 |
|
|
⑤ |
管理運営体制の機能不全 |
疫病発生 |
社会活動停止による管理運営機能低下に伴う売上高減少 |
|
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⑥ |
外勤業務の生産性低下 |
気温上昇 |
過酷状況下での労働時間増加による売上原価増加 |
|
|
⑦ |
物件の安全性や評価の低下 |
自然災害可能性の高い地域に所在 |
物件の募集力低下に伴う売上高の減少 自社管理物件の修繕費や保険料等の増加 |
|
|
⑧ |
食材コストの高騰 |
収穫量の減少 |
食材コスト増加による売上原価増加、入居者食費値上げによる喫食収益減少 |
|
|
機会 |
⑨ |
自社管理物件の安全性訴求 |
災害対応能力向上 |
安心安全な日常生活を確保できる住環境の整備による入居率や家賃上昇に伴う売上高の増加 |
|
⑩ |
BCPを梃にした競争優位性確立 |
顧客志向 |
||
|
⑪ |
物件の付加価値向上 |
ZEH・ZEB等の低排出物件採用 |
⑪⑫省エネ需要増加に伴う入居率や家賃上昇に伴う売上高の増加 ⑫エネルギー使用量削減による売上原価の減少 |
|
|
⑫ |
省エネ・高効率化の推進 |
積極的な既存設備更新 |
||
|
⑬ |
新規ビジネスの検討 |
脱炭素の反映 |
新規ビジネスの展開による売上高の増加 |
|
(指標及び目標)
当社グループは気候変動を含む事業環境の変化に伴うリスクや自然災害に伴うリスクについても主要なリスクとして特定し、当社グループの温室効果ガス排出削減を意図した総排出量の集計及び開示を行ってまいります。最終的にはScope3領域の排出量集計、開示及び削減を目指しますが、まずはScope1及びScope2領域で進めてまいります。
また、ZEH・ZEB物件の展開、物件における再エネの活用、学生との共創による気候変動関連の社会課題解決活動についても検討をしてまいります。
なお、当社グループの気候変動の詳細については、下記ウェブサイトにて掲載しております。
https://www.jsb.co.jp/ir/management/sustainability/
② 人的資本
コンセプト:「従業員は資産である ~社員が笑顔でチャレンジの舞台に立てる企業に~」
(当社グループの人的資本に対する考え)
当社グループでは組織を構成するのは「人」であり、企業価値創造の源泉も「人」であると考えております。
人材を「資本」として捉え、個々の価値を最大限に引き出し、「資産」すなわち、人財として活躍するための人的資本投資を進めてまいります。
そして多様な人財価値のシナジーによって組織力を最大化させ、中長期的且つ持続的な企業価値向上につなげる経営を追求してまいります。
中長期的且つ持続的な企業価値向上を実現するためには、社員個々が公平な機会提供と公正な評価を受けながら、エクスペリエンス(経験)と共に成長して当社グループに愛着を持ち、社員同志が一体となってお互いに更なる成長をしながら絆を深め、企業も成長することで、当社グループで働きたい・働き続けたいと思うような「選ばれる会社」である必要があると考えております。
(戦略)
当社グループの人材の多様性確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、上記コンセプト及び人的資本に対する考えのもと、以下の「人的資本に関わる重要課題」を認識したうえで、社員の知見や経験の活用最大化、高い社員満足度の実現に向けて、多様な社員の確保、育成及び活躍推進に向けた環境整備が必要であると考えております。それら課題を克服するための「戦略」及び戦略に基づいた「具体的施策」(戦術)を設定しました。これらを通じてダイバーシティ(多様性)を受入れ且つインクルーシブに(包括的に)分け隔てなく社員の個々が活躍できるようになるための制度と環境を実現してまいります。
「人的資本における重要課題」
・挑戦を推奨する組織風土の醸成
・多様な人財の能力発揮(最大化)
・人の活力を最大とするための教育制度の充実(マネジメント、リスキリング)
・効率的で柔軟な働き方の実現
・従業員のエンゲージメント等のスコア化とその向上
人的資本における「戦略」(関連重要課題、具体的施策)
|
重要課題 |
戦略 |
具体的施策(戦術) |
|
挑戦を推奨する組織風土の醸成 |
企業風土向上 |
評価基準・評価方法の明確化 挑戦を推奨する組織風土の醸成 |
|
多様な人財の能力発揮(最大化) |
ダイバーシティ・インクルージョンの推進 |
ジェンダーにとらわれない個々のスキルに基づく人材登用 様々な価値観・経験を持つ多様な人財の受け入れ促進 |
|
人の活力を最大とするための教育制度の充実 |
教育研修・キャリア形成・リスキリング活性化 |
ビジネスリーダーの計画的な育成 自律的な学びの仕組化・促進 |
|
効率的で柔軟な働き方の実現 |
職場環境向上 |
ファミリーフレンドリーな働き方 フレキシブルワーク |
|
従業員のエンゲージメント等のスコア化とその向上 |
従業員満足度向上 |
エンゲージメントサーベイの継続によりスコア向上に向けた施策を実施 従業員満足度調査を元に具体的施策の振り返り、改善を実施 |
(指標及び目標)
上記「戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について次の指標を用いております。当該指標における目標及び実績は次のとおりであります。
|
指標 |
2026年10月期目標 |
2023年10月期実績 |
|
管理職に占める女性労働者の割合 (ジェイ・エス・ビーグループ) |
15.0% |
9.2% |
|
男性労働者の育児休業取得率 (ジェイ・エス・ビーグループ) |
50.0% |
25.0% |
|
重要課題 |
戦略 |
指標及び目標 (目標値は今後の検討課題) |
|
挑戦を推奨する組織風土の醸成 |
企業風土向上 |
エンゲージメントスコア ビジネスコンテスト、アイデアソンなど挑戦機会の実績 |
|
多様な人財の能力発揮(最大化) |
ダイバーシティ・インクルージョンの推進 |
女性管理職比率 キャリア採用率・アルムナイ採用率 |
|
人の活力を最大とするための教育制度の充実 |
教育研修・キャリア形成・リスキリング活性化 |
個々のスキル見える化・リーダー養成研修の実績 研修受講者数・資格取得者数 |
|
効率的で柔軟な働き方の実現 |
職場環境向上 |
男性育休取得率・育休後復職率 テレワーク・フレックスワークなど新たな制度の整備状況 |
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従業員のエンゲージメント等のスコア化とその向上 |
従業員満足度向上 |
エンゲージメントスコア 従業員満足度スコア |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の影響の内容、当該リスクへの対応策は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載があるものを除き、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)学生マンション事業への依存について
当社グループは、全セグメントの売上高の大半を不動産賃貸管理事業が占めており、その中心である学生マンション事業への依存度が高くなっております。今後も学生マンション事業の拡充による安定的な収益確保に努める所存でありますが、事業環境の変化、異業種やハウスメーカー等の参入による競争の激化等により同事業に何らかの問題が生じた場合、当社グループの経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、学生支援サービス事業等、中核事業の育成に努めるとともに、これまで蓄積してきた学生マンションの運営ノウハウや入居者である学生のニーズの早期把握による付加価値の高い物件供給、大学及び大学生協との一層の連携強化に努め、一定の市場優位性を確保しつつ事業活動を遂行してまいります。
(2)不動産市況の変化について
当社グループの事業は、学生を主たる顧客層としているため景気動向や金利動向による影響は少ないものの、日本経済が今後急速に悪化した場合、不動産市場も影響を受け、不動産にかかわる投資収益が悪化し、不動産オーナーの賃貸事業運営の意欲が衰退する可能性があります。
これらの事態が発生した場合、不動産市況の変化による家賃収入の減少、仲介手数料及び管理費収入の減少、また、当社グループが保有する不動産価値の下落により減損処理が必要になる等、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌連結会計年度においても相応にあるものと認識しております。当該リスクへの対応については、今後の国内経済の動向を注視するとともに、不動産市況や稼働率等不動産関連指標の動向を適宜把握し、当該リスクの適時軽減に取り組んでまいります。
(3)少子化リスクについて
学生マンション関連業務は人口動態の影響を大きく受ける可能性があり、今後少子化による18歳人口の減少を受けて学生数が減少する可能性があります。ただし、現状では進学率が高水準で推移していることから、学生数はほぼ横ばいとなっております。また、現時点では、都市部に人気校が多いことから地方からの学生の移動があり、下宿生数そのものの減少は緩やかなものとなっております。しかし、今後予測を大幅に上回る出生数の減少を受けて、学生数の減少により大学進学等の就学状況の変化が起こった場合、マーケットの縮小が起こる地域が出てくる可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は常にあり、その影響を完全に回避することは困難ではありますが、当該リスクへの対応については、学生に係る進学率等統計情報の収集や、大学をはじめとした教育機関の動向を常に注視し、経営成績等への影響の低減に努めてまいります。
(4)大学の統廃合、キャンパス移転について
大学及び短期大学の進学希望者数と合格者総数が等しい、いわゆる大学全入時代の到来を踏まえ、大学の統廃合、キャンパスの移転等も行われております。当社グループでは新規に企画する物件及び仲介管理業務を受託している物件の主な対象となる大学、短期大学及び専門学校等の学生数、下宿生の傾向を勘案しつつ業務を行っておりますが、大学の統廃合又は学校の方針により全面及び一部キャンパスの移転等が発生した場合、周辺物件の需要と供給のバランスが崩れる等の事態が発生した場合には当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は翌連結会計年度においても相応にあるものと認識しております。当該リスクへの対応については、大学をはじめとした教育機関の動向を常に注視するとともに、物件そのものの市場価値を高め、社会人向けへの一部転用や卒業生を含めた仲介業務を行うことで当社グループの事業へのリスク軽減を図ってまいります。
(5)業務提携について
当社グループは、全国各地の大学生活協同組合と、学生専用賃貸物件の開発、建設及び入居斡旋・管理に関する業務提携を行っております。現時点において提携先との関係は良好でありますが、今後、何らかの事情により契約変更又は提携解消が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は現時点では高くないと認識しておりますが、当該リスクへの対応については、引き続き、全国各地の大学生活協同組合との緊密な連携に努めてまいります。
(6)法的規制等について
当社グループの主要な事業活動の継続には、宅地建物取引業・警備業・特定建設業に関する免許・登録や指定が前提となります。また、当社グループの事業は上記以外にも都市計画法、建設業法、建築基準法等、さまざまな法的規制を受けております。
今後、これらの規制の改廃や新たな法的規制等が設けられる場合や、それぞれの規定に基づいて監督官庁から行政処分を受けた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、当社の主要事業の継続に必要となる、宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業者免許(国土交通大臣(8)第5032号、国土交通大臣(6)第5716号 他)を取得しておりますが、本書提出日までの間において、これらの免許及び登録の取消事由及び更新拒否事由は存在しておりません。しかしながら、将来においてこれら免許及び受録の取消等があった場合には、主要な事業活動に支障をきたすとともに経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、本書提出日現在における当社グループの主要事業に係る許認可取得状況は以下のとおりであります。
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免許・登録等の別 |
会社 |
番号 |
有効期間 |
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宅地建物取引業法免許 |
㈱ジェイ・エス・ビー |
国土交通大臣 (8)第5032号 |
2023年10月30日から 2028年10月29日まで |
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㈱ジェイ・エス・ビー・ネットワーク |
国土交通大臣 (6)第5716号 |
2023年1月6日から 2028年1月5日まで |
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㈱東京学生ライフ |
東京都知事 (3)第94618号 |
2022年9月15日から 2027年9月14日まで |
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㈱学生ハウジング |
京都府知事 (10)第6978号 |
2022年2月28日から 2027年2月27日まで |
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賃貸住宅管理業 |
㈱ジェイ・エス・ビー |
国土交通大臣 (02)第003965号 |
2022年2月26日から 2027年2月25日まで |
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㈱ジェイ・エス・ビー・ネットワーク |
国土交通大臣 (01)第003868号 |
2022年2月22日から 2027年2月21日まで |
|
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㈱東京学生ライフ |
国土交通大臣 (02)第003869号 |
2022年2月22日から 2027年2月21日まで |
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㈱学生ハウジング |
国土交通大臣 (02)第000024号 |
2021年7月29日から 2026年7月28日まで |
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警備業 |
㈱ジェイ・エス・ビー |
第457号 |
2021年2月1日から 2026年1月31日まで |
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特定建設業 |
総合管財㈱ |
京都府知事許可 (特-27)第39660号 |
2021年2月5日から 2026年2月4日まで |
各種業法について理解と見識の低さから違法行為を行う可能性があると認識しており、当該リスクへの対応として、役職員が常に法令遵守を意識して業務に取り組むようコンプライアンスに関する研修を定期的に行っております。
(7)一括借上方式(運営委託方式のうち賃料定額型)による事業展開について
当社グループは、主に不動産賃貸物件を当社が一括して借上げ、不動産オーナーに対しては家賃保証を行い、入居者に転貸する方式により、業務を行っております。当方式は、不動産オーナーに対して契約期間中は部屋の稼働の有無や当社が入居者から受け取る賃料に関係なく、毎月定額の賃借料を支払う内容となっております。そのため、当社が想定する稼働率及び家賃相場を大幅に下回り、入居者からの賃料収入が不動産オーナーへ支払う保証賃料を下回る場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌連結会計年度においても相応にあるものと認識しております。当該リスクへの対応については、空室の発生や賃料相場の下落による経営成績への影響を低減するために、不動産オーナーとの運営管理委託契約において経済情勢が変動した場合の賃料改定条項を設けるほか、入居者との賃貸借契約では契約解除に関して主に2ヶ月前までの予告を義務付け、転借人の募集期間を確保するなどの対策を講じております。
(8)事業年度内における経営成績変動及び制度変容等について
不動産仲介業務においては、業界全般において1月から3月に契約が集中し、この時期の収益が大きくなる傾向にあります。当社グループでも、学生の住まい探しの時期が1月から3月に集中することから、同一事業年度内において経営成績が変動いたします。また、当社は契約金として入居者から家賃の1~3ヶ月分に相当する額を入居時に一括して受け取る礼金制度(当社グループにおいて一部地域では礼金を入館金と呼称しております。)を採用しており、当社が一括借上を行っている物件では、当社が貸主として入居者から礼金を受領しております。この礼金収入は契約開始が集中する4月に大部分が売上高に計上されるため、当社グループの第1四半期(11月~1月)、第3四半期(5月~7月)及び第4四半期(8月~10月)よりも、4月が属する第2四半期(2月~4月)の比重が高くなっております。
当社グループが採用している礼金制度は、業界及び地域慣習の動向の影響を受ける可能性があり、制度自体の変容や廃止等が起こる可能性があります。また、敷金制度(賃借人の賃料滞納などの債務の担保を目的として、家賃の1~3ヶ月分に相当する額の預託を受ける制度)も同様であります。これらが起こった場合、当該礼金収入の減少や敷金預託の減少が発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当連結会計年度における四半期ごとの経営成績概要は以下のとおりであります。
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
通期 |
|
売上高(千円) |
12,951,243 |
21,975,003 |
14,471,247 |
14,383,841 |
63,781,335 |
|
構成比(%) |
20.3 |
34.5 |
22.7 |
22.6 |
100.0 |
|
営業利益又は 営業損失(△)(千円) |
△228,340 |
6,513,802 |
896,272 |
5,485 |
7,187,219 |
|
構成比(%) |
△3.2 |
90.6 |
12.5 |
0.1 |
100.0 |
当該リスクが顕在化する可能性は、翌連結会計年度においても相応にあるものと認識しております。当該リスクへの対応については、制度改正及び公正な会計慣行に関する情報を的確に把握するように努めております。
(9)高齢者住宅事業について
当社グループでは、来たる超高齢化社会を見据え、高齢者住宅事業に取組んでおります。当業界は、政府の新成長戦略において2025年までに全高齢者における高齢者向け住宅の割合を4%程度とすることが目標とされていることに加え、2011年10月に施行された改正高齢者住まい法による「サービス付き高齢者向け住宅制度」の導入や、これに伴う建築費補助や融資支援など、政策的に参入促進の基調にあります。しかしながら、今後業界に対する不測の規制強化や、業界に対するニーズの急激な変化、また当社グループの高齢者住宅事業において介護職員の採用が円滑に進まないこと等により当該事業の進捗が滞った場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。ただし、高齢者住宅事業を連結子会社である株式会社グランユニライフケアサービスへ移管した後、2023年11月1日付で同社株式の全部を第三者へ譲渡したことに伴い、当該リスクは解消しております。
(10)介護保険法の改正、介護報酬の改定について
当社グループの高齢者住宅事業における介護サービスは、介護保険法をはじめとする各種関連法令によって規制を受ける公的介護保険法内のサービスが中心となっております。これらのサービスは5年毎の介護保険法の改正、3年毎の介護報酬の改定により、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。ただし、高齢者住宅事業を連結子会社である株式会社グランユニライフケアサービスへ移管した後、2023年11月1日付で同社株式の全部を第三者へ譲渡したことに伴い、当該リスクは解消しております。
(11)個人情報管理について
当社グループは、事業を行うにあたり不動産オーナー及び入居者の個人情報を多数扱っており、個人情報取扱業者に該当しております。個人情報の取扱いに際しては、厳重な取扱いに留意しておりますが、不測の事態により、万が一個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合は、当社グループの信用失墜による契約件数の減少、売上の減少又は損害賠償による損失発生等の可能性も考えられ、その場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
前連結会計年度の有価証券報告書提出日時点において、当社従業員による顧客情報の一部漏洩の可能性があることが判明し、その後の内部調査の結果、当該従業員による情報漏洩の事実を確認しました。
その後、二次被害防止に向けた対策及び情報漏洩の対象となった顧客等に対する本事案に関する連絡を行うとともに、関連する規制当局への報告を行いました。
当該元従業員(2023年2月3日付で懲戒解雇処分)に対しては、社内調査により個人情報漏洩の可能性を認識後、すみやかに警察当局に相談の上、刑事告訴を行っており、2023年6月13日に当該元従業員及び社外の関係者1名が、不正競争防止法違反の疑いで京都府警に逮捕されました。
当社では、本事案の事実調査及び原因究明の結果を踏まえ、再発防止を徹底し、コンプライアンス体制のより一層の強化を図っており、引き続き再発防止に努めてまいります。
(12)ストック・オプションと株式の希薄化について
当社グループでは、当社及び当社子会社の取締役及び従業員に対し、当社グループの経営成績向上に対する貢献意欲や士気を一層高めるとともに、株主との価値共有を推進することにより、企業価値向上に資することを目的とするため、新株予約権を付与しております。本書提出日の前月末現在、新株予約権による潜在株式数は145,500株であり、これは発行済株式総数の1.3%に相当しております。(2023年11月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っておりますが、当該株式分割前の株式数を記載しております。)今後、これらの新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
今後においても、ストック・オプション制度を活用していくことを検討することがあります。その場合には、当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じますが、役員及び従業員が、経営成績向上意欲や士気を高め、株価変動に関する利害を株主の皆様と共有し、結果として、企業価値向上へ貢献するものと考えております。
(13)重要な訴訟等におけるリスクについて
当社グループは、国内外の活動に関して、訴訟、紛争、その他の法的手続きの対象となる恐れがあります。不動産事業及び建設業においては、当社グループの企画するマンション建設に伴う近隣住民との紛争及び契約内容に関する賃借人又は施主との訴訟等が考えられます。重要な訴訟等が提起された場合、訴訟等の内容及び結果によっては当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
予期せぬ訴訟等については発生の可能性はあると認識しておりますが、現時点で予測できる内容は無く、どの程度の可能性があるかは想定できません。
(14)金利変動リスクについて
当社グループは、物件開発資金を主とした必要資金の多くを金融機関からの借入により調達しておりますが、長期借入金の比率を高めるなど将来の金利上昇による経営成績の悪化並びに流動性に対する対応策を講じております。ただし、急速かつ大幅な金利変動があれば、支払利息の増加等により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、金利が大幅に上昇した場合には、物件建設資金を借り入れた場合の金利負担の上昇等、資金調達コストの増加が起こり、不動産オーナーの賃貸事業運営に影響を与える可能性があります。
当該リスクは市場動向によるため顕在化する可能性は常にあるものと認識しております。当該リスクへの対応については、金融機関からの資金調達では金利変動による影響を軽減するため、金融情勢を踏まえながら一定程度金利を固定化することで金利上昇局面での経営成績等に与える影響を最小限に抑える取り組みを行っております。
(15)自然災害リスクについて
地震、台風、洪水、津波等の自然災害や気候変動に伴う異常気象、コロナウイルスやインフルエンザウイルス等の感染症拡大等の自然災害リスクに対して、全ての被害や影響を回避することは困難であり、また、大規模災害の発生に伴い、被災地域における営業活動の停止、被害を受けた設備等の修復、ライフラインの供給停止が生じた場合は、当社グループの事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
当該リスクが顕在化する時期や影響を予測することは困難ではありますが、発生時の損害を最小限に抑えるため、安否確認体制の構築、自然災害対応マニュアルの作成、事業継続計画等の整備に努めております。
(16)新型コロナウイルス感染症の影響について
当社グループは新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対し、従業員や関係者の健康と安全に配慮しつつ、衛生管理の徹底、Web会議システムの活用など事業への影響を最小限に抑える取り組みを継続してまいりました。
同感染症については、2023年5月の「5類感染症」への分類移行にもみられるとおり、各種規制等が徐々に緩和され実体経済への影響も薄まりつつある状況となっております。しかしながら、このような状況においても、同感染症による当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性は、完全には払拭されていないと考えられるため、当該リスクの顕在化に備え、状況に応じた柔軟な対応に努めるなど、リスク管理を慎重に行い、引き続き当社グループの経営成績への影響を最小限に抑えるよう努めてまいります。
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍における各種規制が緩和され、社会経済活動は正常化に向かい、景気や企業業績も緩やかながら回復基調となったものの、その一方で、原材料価格の長引く高騰や為替の急激な円安進行などによる景気の下振れリスクも抱えており、依然として先行きの不透明な状況が続いております。国際的な経済情勢においても、インフレの進行や中東情勢の緊迫化、金利の引き締めなどを背景として景気減速の見通しとなるとともに、今後さらに落ち込むリスクが高まってきており、先行きについては予断を許さない状況となっております。
このような経営環境のもと、当社グループの主たる顧客層である学生の動向におきましては、大学(大学院を含む)の学生数は294.6万人と前年より1.5万人増加(文部科学省「令和5年度学校基本調査(速報値)」)しており、前年に引き続き過去最多となるなど、当社グループにとって、良好な市場環境が継続する状況となっております。
このような環境の中で、当社グループにおきましては、中期経営計画『GT01』(2021年10月期~2023年10月期)の最終年度にあたる当連結会計年度において、主力の不動産賃貸管理事業において、例年に引き続き、当初計画を上回る水準で当社グループの収益基盤である物件管理戸数は堅調に増加するとともに、入居率におきましても、物件管理戸数の増加分も含め高水準を維持するなど、当社グループの経営成績は順調に推移いたしました。
また、入居者の利便性を重視した自社所有物件開発による新規供給におきましても、運営開始当初から好評を得るなど、当社グループの経営成績に貢献いたしました。
一方では、食材価格の高騰や水道光熱費の上昇等、コスト負担の増加に伴う営業利益の圧迫も懸念されますが、販売価格への転嫁を進める等、その影響を最小限に抑える対策も図ってまいりました。
2021年10月期から当連結会計年度(2023年10月期)に至るまで、好調な経営成績を維持し、中期経営計画『GT01』における経営数値目標は超過達成を果たすことができました。
当社グループの掲げる長期ビジョン『Grow Together 2030』における次期フェーズ、中期経営計画『GT02』達成へ向け、堅調な収益基盤の確保等、当社グループとして理想的なかたちでその橋渡しができたと考えております。
以上の結果、当連結会計年度の連結売上高は63,781百万円(前年同期比10.1%増)、経常利益は7,073百万円(同14.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,775百万円(同11.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績の概況は次のとおりであります。
① 不動産賃貸管理事業
大学との提携による学生寮等の企画開発や、自社所有の学生マンションの新規物件開発等による管理物件の供給増加に伴い、物件管理戸数は順調に増加し当初計画を上回りました。(前年同期比4,842戸増 85,453戸※4月末現在)入居率も高水準(99.9%※4月末現在)を維持したことにより、学生マンションの家賃収入をはじめとする各種不動産賃貸関連サービスにおける売上高は当初計画を上回る状況で推移しました。
費用面におきましては、借上物件の管理戸数増加による保証家賃の増加や、自社所有物件の増加に伴う減価償却費の増加、食事付き学生マンションの積極展開及び食材価格の高騰による食材仕入の増加等、当社グループの業容拡大に伴う費用負担がそれぞれ増加しております。
また、前連結会計年度に引き続き、下期におきまして、当社グループ従業員へ利益の一部を還元するとともに、グループ従業員の生活支援とモチベーション向上を目的として特別手当を計上しました。
当セグメントにおける政策的な側面としまして、2023年9月13日に、京都市内北部エリアを中心に事業を展開する株式会社学生ハウジングの全株式を取得することを決議し、今後はグループ一体となり、入居者募集体制をはじめとした営業力の強化に努めてまいります。
以上の結果、売上高60,183百万円(前期比10.6%増)、セグメント利益8,767百万円(同12.7%増)となりました。
② 高齢者住宅事業
2023年5月の新型コロナウイルス感染症の「5類感染症」への分類移行にもみられる、各種規制等が徐々に緩和される状況もあり、前連結会計年度の前半に見られた、高齢者住宅施設への入居マインドの低下から一転し、足もとでの入居状況は改善傾向で推移しました。
一方、費用面では施設運営人材の採用難は依然として続いており、派遣社員の利用増加に伴う人件費負担は増加傾向となりました。
以上の結果、売上高2,980百万円(前期比4.0%増)、セグメント利益310百万円(同19.1%増)となりました。
なお、2023年9月4日に、当セグメントを中心的に担う株式会社グランユニライフケアサービス(以下、「GUCS」)の全株式を株式会社学研ホールディングスの連結子会社である株式会社学研ココファンに譲渡することを決議し、今後は、同社の持つ強力な組織力のもと事業を展開していくこととなります。
本件株式譲渡に当たり、当社グループの展開する「高齢者住宅事業」をGUCSに移管した後、株式譲渡を実行し、GUCSは当社グループの連結の範囲から除外されるとともに「高齢者住宅事業」は当社グループの事業セグメントから除外されることとなります。
これに伴い、今後、当社グループは主力の「不動産賃貸管理事業」に集中的に経営資源を投下し、成長スピードの加速と企業価値の向上を図ってまいります。
③ その他
コロナ禍における世界的な入国出国規制の影響により、当社の運営する日本語学校事業では、長期間にわたり待機留学生の発生、受け入れ時期の遅延が発生しておりましたが、当該規制の大幅な緩和から、従来の受け入れ体制を取り戻したことにより事業収益は大幅に改善しました。
また、当社では、学生マンションを単なる住居ではなく、「学び・成長・つながり」の場として捉え、若者の人間力・社会人基礎力の向上を目指す、「学びのマンションプロジェクト」を推進するなど、学生支援活動にも積極的に取り組んでおります。
一方、第0新卒事業を運営する株式会社スタイルガーデンは、当初、順調なペースで事業収益の伸張はあったものの、物価高騰をはじめとした市況変化への対応が遅れたこともあり、運営体制の見直しが必要となりました。学生支援に係る当社グループの従来事業とのグループシナジー創出も含め、運営体制の見直しに一定程度の時間を要する見込みであることから、当連結会計年度において、同社に係るのれん等の減損損失を計上しました。
以上の結果、売上高616百万円(前期比0.9%減)、セグメント損失19百万円(前期はセグメント損失59百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べて2,979百万円減少し、11,653百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、資金の増加は6,245百万円(前年同期6,043百万円 資金の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益7,108百万円、非資金項目である減価償却費1,429百万円及び法人税等の支払額2,503百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は11,107百万円(前年同期7,089百万円 資金の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出10,812百万円、敷金及び保証金の差入による支出267百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、資金の増加は1,882百万円(前年同期2,996百万円 資金の増加)となりました。これは、主に長期借入れによる収入4,319百万円、長期借入金の返済による支出1,714百万円、自己株式の取得による支出499百万円及び配当金の支払額461百万円によるものです。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
該当事項はありません。
② 受注実績
該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
不動産賃貸管理事業(千円) |
60,183,753 |
110.6 |
|
高齢者住宅事業(千円) |
2,980,644 |
104.0 |
|
報告セグメント計(千円) |
63,164,398 |
110.2 |
|
その他(千円) |
616,936 |
99.1 |
|
合計(千円) |
63,781,335 |
110.1 |
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づき分析した内容であります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、実際の経営成績等は異なることがあります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては前述の「(1)経営成績の状況」をご参照ください。
2030年長期ビジョン『Grow Together 2030』に基づく中期経営計画『GT01』(2021年10月期~2023年10月期)に掲げる経営数値目標と実績との比較分析は以下のとおりとなっております。
『GT01』の計画策定時点において、主力の不動産賃貸管理事業では、新型コロナウイルス感染症感染拡大による、学生の動向や大学等教育機関の動向を考慮の上、全国各エリアにおいて一定の入居率の低下を見込んでおりました。しかしながら、計画実践初年度である2021年10月期の賃貸入居需要の繁忙期に当たる第2四半期連結会計期間(2月~4月)において、当初の見込みを一転し、前年実績を上回る入居水準に達するといった好調な状況となりました。また、その後の入居状況についても底堅く推移したことに加え、オンラインを通じ非対面を中心とした営業戦略推進による運営効率化によって、コスト圧縮も想定以上に進んだこともあり、初年度における当初の計画数値を大幅に超過するに至りました。
さらに、2021年7月26日の取締役会決議に基づき、新株式の発行及び株式売出しといった資本政策を実施し、調達資金による成長投資の加速と、投資家層の拡大、市場株式の流動性向上を図りました。
以上のことから、2021年12月14日の取締役会において、『GT01』における2023年10月期目標数値の一部について引き上げることを決定いたしました。
その後の経営成績につきましても順調に推移し、2022年10月期及び2023年10月期における経営実績数値(売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)はいずれも超過達成となりました。
財務安全性における「流動比率」、入居関連指標における「契約決定件数」、成長投資における「自社物件」については、計画目標を下回るものの、その乖離幅は僅少と考えられるため、概ね計画の達成を果たしたものと評価しております。
■ 『GT01』2023年10月期 経営数値目標
|
売上高 |
622億円 (当初目標:619億円) |
|
|
営業利益 |
67億円 (当初目標:60億円) |
|
|
経常利益 |
65億円 (当初目標:58億円) |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
43億円 (当初目標:38億円) |
|
|
|
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|
資本効率 |
ROE |
15%以上 (変更なし) |
|
ROIC |
8%以上 (変更なし) |
|
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|
|
|
財務安全性 |
自己資本比率 |
40%以上 (変更なし) |
|
流動比率 |
120%以上 (変更なし) |
|
|
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|
入居関連指標 |
管理戸数 |
85,000戸 (変更なし) |
|
契約決定件数 |
30,000件 (変更なし) |
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|
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|
|
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成長投資 |
自社物件 |
250億円 (当初目標:200億円) |
|
システム投資 |
7億円 (当初目標:6億円) |
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■ 実績及び達成率
|
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GT01 |
2021年10月期 |
達成率 (%) |
2022年10月期 |
達成率 (%) |
2023年10月期 |
達成率 (%) |
|
売上高 (千円) |
62,255,647 |
52,787,978 (52,017,025) |
101.5
|
57,922,958 (57,290,107) |
101.1
|
63,781,335 (63,181,144) |
100.9
|
|
営業利益 (千円) |
6,743,437 |
5,337,935 (4,268,167) |
125.1
|
6,312,419 (5,881,160) |
107.3
|
7,187,219 (6,783,470) |
106.0
|
|
経常利益 (千円) |
6,564,473 |
5,203,523 (4,123,011) |
126.2
|
6,189,807 (5,741,181) |
107.8
|
7,073,974 (6,639,370) |
106.5
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益 (千円) |
4,358,213 |
3,252,963 (2,698,673) |
120.5
|
4,303,897 (3,817,684) |
112.7
|
4,775,251 (4,421,899) |
108.0
|
(注)1.( )内は単年度計画
2.2021年10月期及び2022年10月期( )内は、前連結会計年度策定時点の当初単年度計画を表示
3.2023年10月期( )内は、当連結会計年度(2023年10月期)策定の単年度計画を表示(GT01の超過達成を見込む)
4.達成率は各連結会計年度の単年度計画に対する比率を表示
■ 資本効率
|
|
GT01 |
2021年10月期 (実績) |
2022年10月期 (実績) |
2023年10月期 (実績) |
|
ROE (%) |
15%以上 |
16.1 |
17.2 |
16.5 |
|
ROIC (%) |
8%以上 |
10.5 |
10.0 |
9.8 |
■ 財務安全性
|
|
GT01 |
2021年10月期 (実績) |
2022年10月期 (実績) |
2023年10月期 (実績) |
|
自己資本比率 (%) |
40%以上 |
46.0 |
45.4 |
46.5 |
|
流動比率 (%) |
120%以上 |
155.4 |
158.6 |
116.7 |
■ 入居関連指標
|
|
GT01 |
2021年10月期 (実績) |
進捗率 (%) |
2022年10月期 (実績) |
進捗率 (%) |
2023年10月期 (実績) |
進捗率 (%) |
|
管理戸数 (戸) |
85,000 |
75,946 |
89.3 |
80,611 |
94.8 |
85,453 |
100.5 |
|
契約決定件数 (件) |
30,000 |
29,146 |
97.2 |
29,454 |
98.2 |
29,943 |
99.8 |
(注)1.管理戸数は4月末現在の不動産賃貸管理事業に係る数値
2.契約決定件数は11月~10月決定数値
■ 成長投資
|
|
GT01 |
2021年10月期 (実績累計) |
進捗率 (%) |
2022年10月期 (実績累計) |
進捗率 (%) |
2023年10月期 (実績累計) |
進捗率 (%) |
|
自社物件 (千円) |
25,000,000 |
6,736,301 |
26.9 |
13,697,896 |
54.8 |
24,799,296 |
99.2 |
|
システム投資(千円) |
700,000 |
249,499 |
35.6 |
470,259 |
67.2 |
704,370 |
100.6 |
(注)1.自社物件の実績累計は連結貸借対照表計上額を集計
2.システム投資の実績累計は連結貸借対照表計上額に同投資に係る維持管理費用を加算
b. 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は66,646百万円となり、前連結会計年度末の58,938百万円から7,708百万円の増加(前期比13.1%増)となりました。
(流動資産)
流動資産につきましては、14,059百万円となり、前連結会計年度末の16,607百万円から2,548百万円の減少(前期比15.3%減)となりました。これは、主として現金及び預金が2,979百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産につきましては、52,587百万円となり、前連結会計年度末の42,330百万円から10,257百万円の増加(前期比24.2%増)となりました。これは、主として有形固定資産が9,686百万円、敷金及び保証金が202百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(流動負債)
流動負債につきましては、12,049百万円となり、前連結会計年度末の10,469百万円から1,579百万円の増加(前期比15.1%増)となりました。これは、主として1年内返済予定の長期借入金が884百万円、前受金、営業預り金及び契約負債が663百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債につきましては、23,554百万円となり、前連結会計年度末の21,665百万円から1,888百万円の増加(前期比8.7%増)となりました。これは、主として長期借入金が1,720百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては、31,043百万円となり、前連結会計年度末の26,803百万円から4,240百万円の増加(前期比15.8%増)となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払いにより利益剰余金が4,314百万円増加したこと、また、自己株式が356百万円増加したことによるものであります。
c. キャッシュ・フローの状況の分析
前述の(2)キャッシュ・フローをご参照ください。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。また、これらの連結財務諸表の作成にあたって、一部見積り数値を利用しておりますが、これらの見積り数値の妥当性については、継続的に評価を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性のため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(減損会計における回収可能価額)
減損損失は、減損の兆候が見られる資産グループについて減損損失の認識を判定し、当該資産グループから得られる将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上することとしています。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断していますが、経営環境の変化や地価の変動等、前提とした条件や仮定に変更が生じ回収可能価額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
なお、固定資産の減損につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性
健全な財政状態を維持しつつ、事業活動に必要な資金を安定的に確保すべく、営業活動によるキャッシュ・フローの創出に努めるとともに、当社グループの成長戦略推進に不可欠となる新規物件開発等に係る設備投資などの長期的な資金需要については、自己資金及び金融機関からの借入金でまかなうことを基本方針としております。当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は22,180百万円となっており、また、現金及び現金同等物の残高は11,653百万円となっております。
なお、設備投資の概要及び重要な設備の新設の計画については、「第3 設備の状況」をご参照ください。
(1)業務提携契約
当社は、全国各地の大学生活協同組合(大学生協)と業務提携を行っております。業務提携の主な内容は以下のとおりであります。
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提携相手先 |
契約期間 |
提携内容 |
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生活協同組合連合会 大学生協事業連合 (注)1、2 |
自1993年11月27日 至1997年5月31日 以後3年ごとの自動更新 |
学生専用賃貸物件の開発・建設及び入居斡旋・管理に関する業務提携 |
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生活協同組合連合会 大学生活協同組合 中国・四国事業連合 |
自1999年7月30日 至2000年7月29日 以後1年ごとの自動更新 |
学生専用賃貸物件の開発・建設及び入居斡旋・管理に関する業務提携 |
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生活協同組合連合会 大学生協事業連合 (注)3 |
自2015年10月22日 至2016年10月21日 以後1年ごとの自動更新 |
学生専用賃貸物件の入居斡旋に関する業務提携 |
(注)1.生活協同組合連合会大学生協事業連合は、2018年11月1日付で生活協同組合連合会大学生協関西北陸事業連合、生活協同組合連合会大学生活協同組合九州事業連合、大学生活協同組合連合会北海道事業連合、生活協同組合連合会大学生協東海事業連合、大学生活協同組合東京事業連合及び大学生活協同組合東北事業連合が合併したものであります。また合併前の生活協同組合連合会大学生協関西北陸事業連合は、2016年9月1日付で生活協同組合連合会大学生協阪神事業連合(2011年9月1日付で生活協同組合連合会大学生協大阪事業連合及び生活協同組合連合会大学生協神戸事業連合が合併)、生活協同組合連合会大学生協京都事業連合及び生活協同組合連合会大学生協北陸事業連合が合併したものであります。
2.当社は、(注)1.に記載のうち、大学生活協同組合東京事業連合及び大学生活協同組合東北事業連合を除く合併前の各事業連合とそれぞれ業務提携しており、一連の合併に伴い各事業連合の権利義務全てが生活協同組合連合会大学生協事業連合に承継されておりますが、いずれも同様の内容のため、原契約の契約始期が最も早い生活協同組合連合会大学生協京都事業連合との業務提携のみ記載しております。
3.㈱ジェイ・エス・ビー・ネットワークとの業務提携であります。なお同社は、(注)1.に記載のうち、合併前の大学生活協同組合東京事業連合及び大学生活協同組合東北事業連合とそれぞれ業務提携しており、合併に伴い両事業連合の権利義務全てが生活協同組合連合会大学生協事業連合に承継されておりますが、いずれも同様の内容のため、原契約の契約始期が最も早い大学生活協同組合東京事業連合との業務提携のみ記載しております。
(2)連結子会社株式の譲渡
当社は、2023年9月4日、会社法第370条及び当社定款第26条(取締役会の決議の省略)に基づき、当社の連結子会社(完全子会社)である株式会社グランユニライフケアサービスの全株式を株式会社学研ココファンに譲渡することを決議し、2023年11月1日付で本件株式譲渡を完了いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。