当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなど緩やかな回復の動きが継続しました。しかしながら、欧米の高金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞などによる海外景気の下振れ、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動などが、わが国の景気を下押しするリスクとなっております。
情報サービス産業におきましては、業務効率化や生産性向上、新しい働き方を目的としたデジタルトランスフォーメーション(DX)など、情報通信技術(ICT)活用の意欲は引き続き高く、企業の競争力強化に向けたAI、IoT、クラウドサービスの活用にも積極的な姿勢が見られるなど、IT投資は堅調に推移するものと見込まれます。
こうした環境の中、当社は、「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を中期経営ビジョンとする新たな中期経営計画(2024年6月~2027年5月)を策定し、2027年5月期時点で連結売上高120億円以上、連結営業利益12億円以上、ROE8.0%以上を中期経営目標として取組んでまいります。
事業活動については、「トータル・ソフトウェア・エンジニアリング・サービス(T-SES※)のレベルを上げて注力分野を拡大する」を基本方針とし、人材育成による新規設計能力、見積能力、マネージメント能力の向上や、T-SESのトータル度向上により生産性を高め、新規設計案件や大規模案件の受注を増やすことで事業規模拡大を目指します。なお、人材育成については、各セグメントで事業特性を考慮した目標を設定し、新規設計ができる高度技術者の育成や次世代汎用技術の底上げを進めております。
注力事業、注力分野については、社会インフラのDXへ注力します。当社が考える社会インフラのDXは、保守性、拡張性が高く、サイバーセキュリティが備わった先進的なシステムへ転換することです。社会インフラの「セキュア」で「スマート」なプラットフォームへの変革に貢献し、IoTやクラウド、AIなどの最新の技術を備えた新たなシステム開発に注力いたします。なお今中計期間では、自動運転/先進運転支援関連、ガバメントクラウドなどのクラウドシステム、航空宇宙・危機管理関連での規模拡大を図ります。
持続的成長への施策として、人的投資については3期連続の賃上げを実施し社員への還元と優秀な人材の獲得に向けた採用競争力の維持・強化を図るとともに、事業規模の拡大を見据えた新卒・中途採用の強化も進めており、2025年新卒内定者数は社員の1割程度となり、期首計画を上回る見通しです。また、戦略的な技術習得と社員の自律的なスキルアップに向け、資格取得報奨金制度の拡充の他、全社員が利用できるオンライン学習プラットフォームを導入しております。
株主還元については、当期より配当方針を「安定的な配当の継続と連結配当性向66%を目標とする」とし、還元率を連結配当性向概ね50%から66%に引き上げております。これにより2025年5月期年間配当金は14円増配し、1株当たり52円(6期連続の増配)とする予定です。なお今中計期間は累進配当政策を実施します。
この結果、当中間連結会計期間における売上高は4,962百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は538百万円(前年同期比16.4%増)、経常利益は保険解約返戻金等が発生したことにより654百万円(前年同期比37.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は464百万円(前年同期比36.5%増)となり、売上高、営業利益、経常利益は中間連結会計期間において4期連続で上場来最高を更新しました。
※ T-SES:当社が保有する知見に基づいて、顧客(またはエンドユーザ)を正しい仕様決定に導き、以降一貫して完成まで請け負うこと。(当社の造語)
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメント |
売上高 |
セグメント利益 |
||||||
|
前期 |
今期 |
増減額 |
前年同期比 |
前期 |
今期 |
増減額 |
前年同期比 |
|
|
制御システム |
712 |
766 |
54 |
7.6% |
162 |
190 |
27 |
17.1% |
|
自動車システム |
1,122 |
1,193 |
70 |
6.3% |
301 |
295 |
△6 |
△2.0% |
|
特定情報システム |
603 |
858 |
255 |
42.3% |
102 |
203 |
100 |
97.9% |
|
組込システム |
694 |
671 |
△23 |
△3.3% |
164 |
107 |
△56 |
△34.5% |
|
産業・ICT ソリューション |
1,409 |
1,473 |
63 |
4.5% |
238 |
265 |
27 |
11.7% |
|
合計 |
4,541 |
4,962 |
421 |
9.3% |
969 |
1,062 |
93 |
9.7% |
(制御システム)
制御システムでは、発電所監視制御システムは受注量の増加により堅調に推移しました。在来線の運行管理システムは更新案件の受注やAI案件への参画により売上利益とも好調に推移し、新幹線の運行管理システムは開発量が増加したことで順調に推移しました。東京圏輸送管理システムは受注が堅調であるものの検収は第3四半期以降となりました。
この結果、売上高は766百万円(前年同期比7.6%増)、セグメント利益は190百万円(前年同期比17.1%増)となりました。
(自動車システム)
自動車システムでは、自動運転/先進運転支援関連は複数の車種一括受注により新規案件の獲得や担当範囲を拡大するなど売上は好調に推移しました。車載情報関連は新たな案件を獲得するなど堅調に推移し、電動化関連は開発規模縮小に伴い売上利益ともに減少しました。
この結果、売上高は1,193百万円(前年同期比6.3%増)、セグメント利益は295百万円(前年同期比2.0%減)となりました。
(特定情報システム)
特定情報システムでは、衛星画像関連は受注量の増加により好調に推移しました。危機管理関連は今期より大型案件が開始したことで売上利益とも大幅に増加しました。航空宇宙関連は一部案件がテストフェーズに入り体制を縮小しました。
この結果、売上高は858百万円(前年同期比42.3%増)、セグメント利益は203百万円(前年同期比97.9%増)となりました。
(組込システム)
組込システムでは、低迷しておりました半導体市場にこのところ回復の兆しが見えつつあります。ストレージデバイス開発は段階的に体制を拡大させており売上は横ばいとなりました。なお新ストレージ開発は前期で開発を終了しております。IoT建設機械関連は開発量が増加し体制を拡大したことで好調に推移しました。
この結果、売上高は671百万円(前年同期比3.3%減)、セグメント利益は107百万円(前年同期比34.5%減)となりました。
(産業・ICTソリューション)
産業・ICTソリューションでは、クラウドシステムは新規顧客の開拓や既存顧客からの新たな案件の獲得により好調に推移し、IoTクラウドは横ばいで推移しました。社会インフラ関連の駅務機器開発は前期より開始した開発案件にて体制を拡大したことで堅調に推移し、道路設備関連は保守フェーズとなり体制を縮小しました。
この結果、売上高は1,473百万円(前年同期比4.5%増)、セグメント利益は265百万円(前年同期比11.7%増)となりました。
(2)財政状態の状況
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて、136百万円増加して、12,939百万円となりました。この主な要因は、売上債権が増加したことによります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて332百万円減少して、2,014百万円となりました。この主な要因は、賞与支給に伴い賞与引当金が減少したことによります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて468百万円増加して、10,925百万円となりました。この主な要因は、配当金の支払いにより利益剰余金が減少したものの、親会社株主に帰属する中間純利益が増加したことによります。この結果、自己資本比率は、84.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて646百万円減少して、3,936百万円となりました。
当中間連結会計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、327百万円(前年同期は9百万円の使用)となりました。主な要因は、売上債権の増加や法人税等の支払いによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、121百万円(前年同期は153百万円の獲得)となりました。主な要因は、定期預金への預入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、193百万円(前年同期は173百万円の使用)となりました。主な要因は、配当金の支払いによるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(8)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。