当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、半導体不足やエネルギー及び資源価格の急激な高騰といったサプライチェーンリスクに加え、ウクライナ情勢の長期化や中国における経済活動抑制の影響によるインフレ圧力の高まりや供給制約等により、先行きの不透明感が増しました。また、新型コロナウイルス感染症の影響についても引き続き動向を注視する必要があります。
我が国経済においては、感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進む中で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されるものの、世界的に金融引締めが進む中での金融資本市場の変動や原材料価格の上昇、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要があります。また、7月以降新型コロナウイルス感染症再拡大などの状況を踏まえ、感染症の動向についても引き続き注視していく必要があります。
当社グループが主力事業を展開する自動車業界及び自動車部品業界においては、半導体等の部品需給の逼迫による生産調整の動きがみられるものの、脱炭素化に向けた世界的な流れは持続しており、次世代技術の開発に向けて研究開発の歩みは益々加速していくものとみられます。当社が主力とする設計開発アウトソーシング事業は生産の上流工程であるため、自動車メーカーの工場稼働停止や減産が、契約解除等の直接的な影響は少ないものとみておりますが、金融資本市場の変動や原材料価格の上昇、新型コロナウイルス感染症の流行がさらに深刻化した際などには業績に影響を及ぼす可能性もあるため、引き続き、業界の動向に注視する必要があります。
以上のような事業環境のもと、当社は主力事業である設計開発アウトソーシング事業における請負業務の拡大を中心に、積極的な事業推進に励んでまいりました。その結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は69億63百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益は5億30百万円(同62.1%増)、経常利益は5億30百万円(同61.9%増)となりました。なお、子会社関連損失を計上し、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億96百万円(同57.2%減)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
①設計開発アウトソーシング事業
当セグメントにおきましては、売上高は67億96百万円(前年同期比5.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は12億35百万円(同29.8%増)、セグメント利益(営業利益)率18.2%となりました。主に請負において受注量が増加したことと、若手技術者を含めた技術者稼働率の向上を計画以上に成し得たことで、増収増益に寄与いたしました。
②3Dプリント事業
当セグメントにおきましては、DfAM(3Dプリント向け設計)関連を含めた提案営業を積極的に実施するも一部受注遅れが生じました。一方、固定費など経費の見直しを実施した結果、売上高は、59百万円(前年同期比1.8%減)となり、セグメント損失(営業損失)は25百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)57百万円)となりました。
③美容・健康商品製造販売事業
当セグメントにおきましては、当第3四半期に事業の選択と集中により美容商品販売を撤退し収益構造の見直しを実施しました。また、第2四半期連結累計期間中にOEM品(ゼリー飲料)の一部品質不適合が発生したことによる製品回収の影響による売上減少と、一部機材の減損を含む構造改革に伴う経費計上により、売上高は90百万円(前年同期比41.6%減)、セグメント損失(営業損失)は60百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)21百万円)となりました。
④不動産賃貸事業
当セグメントにおきましては、前第2四半期に収益用不動産を売却したことにより、売上高は44百万円(前年同期比29.2%減)となり、セグメント利益(営業利益)は19百万円(同18.7%減)、セグメント利益(営業利益)率42.9%となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は80億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億65百万円の減少となりました。主に、子会社の機械装置等の減損処理に伴い有形固定資産が減少したことと、賞与引当金による繰延税金資産の減少があったことによるものです。
負債合計は22億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億71百万円の減少となりました。これは主に賞与支払いによる賞与引当金の減少によるものです。
純資産合計は58億31百万円となり、主に配当金の支払いにより前連結会計年度末に比べ1億93百万円の減少となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は74百万円であります。
当第3四半期連結累計期間の研究開発活動は次のとおりであります。
(設計開発アウトソーシング事業)
当社は、新たな事業創造の一環として、AIソリューション事業の開発に取り組んでおります。AIソリューション事業は、テクノロジーを利用して人の意欲向上と生産性向上を実現することを目指し、その実現のために、異常検知技術による予測にて将来の不確実性への対応力をあげる、空間把握や形状認識技術にてデータと現実を融合し業務を支援するという2つの分野で研究開発活動をおこなっています。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。