文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営環境、経営方針及び経営戦略等
今後の世界経済は、不安定な中東情勢や、ロシア・ウクライナ紛争も継続しており、インフレーションに大きな影響を与えうる可能性があり、先行き不透明な状況で推移すると予測しております。我が国経済のみならず世界経済への長期的な影響が懸念されております。この影響に関しては、当社グループが事業を行っております各国政府の方針、事業別の環境等により異なります。そのため、それぞれのセグメントの記載の中に記載しておりますので、ご参照ください。
各事業については以下のように見通しと取り組みを進めてまいります。
(コンテンツ事業)
コンテンツ事業におきましては、日本国内において売上高が増加を続けております。一方数年来の構造改革の結果、支出適正化がなされており利益増加に貢献しており、今後これらのコンテンツにも期待をしております。海外展開に関しましては、ベトナム並びにインドネシアが明確に売上高を増加させる段階に至っており、コロナ禍の中でも当社商品の販売店数が増加しておりますので、今後の利益増加への貢献を期待しております。
現在の好調には中期経営計画アクセルプランに基づき、獲得してきたコンテンツが貢献するとともに、数年来の取り組みによる固定費の削減が進んでおりますことが寄与しております。現在においては上記実績による受注が好調であり、また、筋肉質な体質にもなっておりますので、利益も確保できると考えております。
また、この間には中長期的な戦略的投資としてベトナム・インドネシア・タイなどでのコンテンツ事業をグループ会社の協力のもと行ってまいりました。これに加え、中期経営計画に基づいた新規事業も開始しており、数年単位でこれを育成して、将来の収益増加に繋げてまいります。
(Digital Finance事業)
当事業は持分法適用関連会社の行う事業であり、セグメントではありませんが、連結財務諸表へは持分法による投資損益として当社の業績へ大きく影響を与えることから記載しております。
Digital Finance事業におきましては、これまで約10年にわたり、創業国であるタイ以外の国での展開を進めてまいりました。すでにカンボジア、ラオス、ミャンマー、スリランカでのファイナンス事業を展開しております。非都市部に集中し、高い競争力を持った、他にない事業を形成しております。
同事業は特定の相手先との国際的な裁判費用やその影響による業績不振に加えて、コロナ禍、ミャンマーにおける内戦、などにより実質的に営業停止状態の期間も長く、厳しい5年間を経験しました。これらのことを考慮し前期には損失の引当処理を実行済みであり、今後は環境が改善すると考えられるとともに、財務体質も筋肉質になり、より利益貢献がしやすい状態になったと考えております。
過去5年間、コロナ禍並びに同事業を行うGroup Lease PCL.が大型の裁判を行っていたこと、などから全営業国において保守的なリスクマネジメントのために新規貸付を抑制し、回収に注力してきました。この結果、営業貸付金が減少し、現金預金が増加して、売上高・セグメント利益ともに減少してきていました。2025年以降においては、上記国別商品別の状況に応じて、新たな再成長を開始する一方、各国とも世界的な物価高による悪影響も受けており、慎重に情勢を見極めつつ、事業成長を目指してまいります。
(リゾート事業)
当事業は持分法適用関連会社の行う事業であり、セグメントではありませんが、連結財務諸表へは持分法による投資損益として当社の業績へ大きく影響を与えることから記載しております。
リゾート事業はタイ国クラビ県の離島ピピ島にある5つ星ホテルZeavola Resortを経営する事業です。当該ピピ島は自然の豊かな特別なリゾート島であり、タイでも有数の多種多様なダイビングスポットを有しております。その中で160mのプライベートビーチを有し、ホスピタリティに溢れたスタッフを有し、「最もロマンチック」「最もサステイナブル」などの部門で数々の世界的なホテル賞を獲得してきた同ホテルは周辺のホテルの中でも特別なホテルとなっており、収益性においても抜きん出るホテルとなっております。2023年においてもWORLD LUXURY HOTEL AWARDSでLuxury Boutique Resort 2023(アジア地域)及びLuxury Sustainable Resort 2023(全世界)を受賞いたしました。
今後については、客室稼働率が9割を大幅に超えるなど力強い回復を見せており、同ホテルのターゲット顧客である富裕層が益々旅行をする環境が整っておりますので、今後も力強い回復を見込んでおります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループが対処すべき課題とその対処方針としては、「東南アジアにおける事業の推進とグローバル化への対応」をあげております。
当社グループは、タイ証券取引所に上場しDigital Finance事業を営むGroup Lease PCL.を持分法適用関連会社とし、東南アジアを中心にDigital Finance事業を推進しております。現在進出しているのはタイから、カンボジア、ラオス、ミャンマー、スリランカとなっております。
タイ王国においては、ピピ島でリゾートホテルを運営するP.P.Coral Resort Co.,Ltd.を持分法適用関連会社として、リゾート事業を展開しております。
また、日本国内で行っていたコンテンツ事業についても、トレーディングカードゲームをベトナムにおいては大手書店との提携により販売網を展開し、インドネシアにおいては直営店及びフランチャイズ契約店舗での販売を展開し、タイ王国においても現地のカードショップで販売を行うなど、東南アジアでのコンテンツ事業を拡充してまいりました。
東南アジア地域は持続的に経済成長が見込まれ、当社グループはこの地域に強いノウハウや人材、組織を保有しており、今後も積極的に東南アジア市場での事業展開を推進してまいります。
このような東南アジア地域に密着したノウハウを有する人材を今後も発掘・採用することは、当社グループの今後の事業展開において重要な課題であり、現在の人的ネットワークを縦横無尽に駆使してさらに事業展開を加速させてまいります。
当社は、親会社が策定した「中期経営計画2024-2028」を実現するにあたり、当社グループの主要事業それぞれに事業戦略(ビジョン)を設定しております。当該事業戦略(ビジョン)につきましては、単なる利益追求を目的で設定されたものではなく、当社の持続的な成長を行うため、当社グループが事業を通じて直面している社会的課題(主に環境への負荷や、人々の心身の健康の増進等)を解決していくことがその基本となっております。
国際情勢や社会環境の大きな変化により、当社グループを取り巻く経営環境もますます険しくなっております。当社グループといたしましては、このような急速な経営環境の変化に即応し、持続的な成長を実現する為、多様性を持った取締役会と、主要事業責任者からなる幹部会議を構成し、これらの会議体で事業の推進と課題の解決を行っております。
長期的な社会・環境の変化に伴うサステナビリティに関する取り組みについても、課題を考慮した経営を行うため、当社幹部会議の中で、各事業責任者からの活動報告を通じて、課題の抽出や解決といった対応につなげております。また、重要な課題については、取締役会に上程し対応策を講じていくこととしております。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社は、持続的な成長と企業価値の向上を実現させるために、多様な視点や価値観を尊重することが重要と考え、経験・技能・キャリアが異なる人材を積極的に採用しつつ、これらの人材がその能力を発揮できる社内環境の整備に努め、新卒・中途採用の区別なくスキル・経験等を総合的に判断し、職員及び管理職への登用を行っております。
また、当社グループの多様性確保の観点から、女性・外国人(海外事情の明るい人材を含む)・中途採用者の管理職登用を積極的に進めております。女性の管理職への登用につきましては、性別に関係なく管理職としての能力で諮られるべきであることから女性管理職の具体的な目標数は定めておりませんが、既に海外子会社の社長や国内主要事業の管理職への登用等、その能力やキャリアを十分発揮できる登用を推進しており、今後も各事業に見合った人材をジェンダーレスに中核人材として登用していく方針です。また、当社グループは、持分法適用関連会社を含めますと役・職員の過半以上が外国人により構成されており、既に同様の比率で外国人及び、海外のビジネス環境を熟知した日本人の中核人材の管理職登用は進んでおります。当社グループは、既に役・職員の過半以上が外国人であることから、外国人の採用や管理職の登用に具体的な目標は定めておりませんが、今後の当社の事業方針でも、東南アジアを中心とした各事業の海外展開は重要な事業戦略となっておりますので、現状を維持し人材の多様性確保は引き続き積極的に進めてまいります。また、中途採用者につきましても当社グループでは通年採用制度を採っており、大部分が中途採用の従業員で締められ今後もこの方針を継続しする方針のため、中途採用者の人数等の個別の目標は定めておりません。
当社グループは、比較的規模が大きくなく多様な事業セグメントから構成されるため、サステナビリティに係るリスク機会について各事業責任者が認識し当社取締役会で報告する体制を構築することでグループのリスク管理を行っております。
以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対処に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本有価証券報告書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
①海外展開におけるリスク
当社グループは、タイ、シンガポール、カンボジア、ラオス、ミャンマーに海外持分法適用関連会社があり、東南アジアを中心に海外事業を展開しております。2022年9月期からは売上高、営業損益には当該事業の業績は取り込まれませんが、営業外損益の持分法による投資損益に反映されるため、経常利益に対する影響度が相対的に大きくなっております。このため、為替レートの変動により円換算後の連結財務諸表に影響を与えるほか、海外拠点国の政治活動の激変、テロ、社会的混乱等のカントリーリスクが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②Digital Finance事業のリスクについて
当社グループのDigital Finance事業におきましては、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーにおいてオートバイローン、資産担保金融、太陽光パネルローン等の引受やマイクロファイナンスを展開しております。当該融資については、新規契約時の取引審査を厳格に行うとともに、その後の与信管理にも万全を期しております。しかしながら、貸付期間は長期にわたることから、景気変動やその他の事由により延滞・貸倒れ等不測の事態を蒙ることもあります。
延滞については事態発生時に速やかに対応し、債権保全・回収に全力を挙げております。又、貸倒れが発生した場合には原則として貸付契約の解除手続を行い、担保物件の売却を図る等回収の極大化に努めております。
貸倒引当金については、貸付先の状況及び担保資産の価値等を見積もり、個別に回収可能性を検討するほか、貸倒実績率等を考慮して計上しておりますが、予期できない貸倒れが発生した場合には貸倒引当金を積み増しせざるを得ないこともあり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
又、上記進出している各国の政治情勢が、今後の政権交代等により不安定となるリスクや、経済情勢が悪化した場合、為替変動等、さらには法規制が変更となることにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
③リゾート事業のリスクについて
当社グループでは、Engine Holdings Asia PTE.LTD.におきまして株式の取得・保有を通じて持分法適用関連会社の管理を行っており、将来の事業領域拡大を視野に入れた活動をしております。2011年3月にはタイの高級リゾート「Zeavola Resort」を保有するP.P.Coral Resort Co.,Ltd.及びEngine Property Management Asia Co.,Ltd.の株式を取得し、持分法適用関連会社としております。コロナ禍が発生した際には一時営業停止となるなど、相対的に大きな損失が発生いたしました。今後につきましてはリゾートの稼働率の推移によっては業績に悪影響を与える可能性があります。
④システムリスクについて
当社グループの各事業におきましては、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに一部依存しております。自然災害や事故などによって、通信ネットワークが切断された場合に営業・販売活動が困難な状況になります。又、アクセス増等一時的な過負荷によってサーバが動作不能に陥ったり、購入者、参加者もしくはその他のシステム利用者のハードウェアまたはソフトウェアの欠陥等により、正常な売買等が行われなかったり、システムが停止する可能性があります。さらには、コンピュータウィルス、外部からの不正な手段によるコンピュータ内への侵入等の犯罪や役職員の過誤等によって、ホームページが書き換えられたり、重要なデータを消去または不正に入手されたりする可能性もあります。これらの障害が発生した場合には、当社グループの各事業に直接的損害が生じるほか、当社グループ自体の信頼を低下させる上、事業にも重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑤個人情報の取扱について
当社グループのDigital Finance事業におきましては各種ローンの申込時に、住所・氏名・電話番号・クレジット番号等のユーザ個人を特定できる情報を取得できる環境にあります。これら情報の管理において当社グループは、プライバシー及び個人情報の保護について最大限の注意を払い、各サービスにおける個人情報のセキュリティについても留意しております。
しかしながら、これらの情報の外部流出や悪用等の可能性が皆無とはいえず、これを理由に法的紛争に巻き込まれた場合等は、当社グループの信用が低下する可能性があると同時に業績にも影響が生じる可能性があります。
⑥親会社からの独立性について
親会社の昭和ホールディングス株式会社の2024年9月30日現在の議決権比率は、53.24%となっております。又、当社は取締役会の構成員7名の内、同社グループから取締役3名の派遣を受け入れており、同社グループの支配力が高い状況にあります。
会社法上、各取締役はそれぞれ会社に対し、善管注意義務、忠実義務を負っており、又、親会社からも当社が上場企業として独立性を確保することについて尊重する旨の意向を確認していることから、親会社からは上場企業として適切な独立性を保っていると認識しております。しかしながら、親会社の経営判断によっては将来的に当社の経営に影響する可能性があります。
⑦新型コロナウイルス感染症に関するリスクについて
当社グループでは、取引先や社員の健康・安全を第一に考え、また更なる感染拡大リスクを防ぐために、出張制限、Web会議の活用、イベント実施に関する規制強化、可能な範囲内での時差出勤、テレワーク、在宅勤務の実施を行う等の安全対策を実施しております。しかしながら、今後、事態の長期化又は感染拡大が発生した場合、景気の更なる悪化を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧持分法適用関連会社Group Lease Holdings PTE.LTD.が保有するタイSEC指摘GLH融資取引に関する悪影響について
当社持分法適用関連会社であるGroup Lease PCL.(以下、「GL」という。)の子会社Group Lease Holdings PTE.LTD.が保有する貸付債権等(以下、「GLH融資取引」という。)に関連して、GLは、2017年10月16日及び同月19日に、タイ証券取引委員会(以下、「タイSEC」という。)からGL元役員の不正行為や利息収入の過大計上などの指摘を受けました。当該タイSEC指摘GLH融資取引については、この問題の発覚時の2018年3月期決算において、全額損失処理済ですが、タイ法務省特別捜査局(以下、「タイDSI」という。)による調査が継続しております。現在も未解決事項となっており、当社グループは、タイSECの指摘の根拠を特定することはできておりません。また、後述の(追加情報)に関する注記(JTRUST ASIA PTE.LTD.等との係争について)に記載のとおり、当該タイSEC指摘GLH融資取引に関連し、JTRUST ASIA PTE.LTD.からタイ王国及びシンガポール共和国等で、各種の訴訟が提起され係争中となっております。
なお、捜査の動向次第では、当社グループの経営等に影響を及ぼす可能性があります。
⑨JTRUST ASIA PTE.LTD.等との係争について
当社持分法適用関連会社であるGLが発行した総額1億80百万米ドルの転換社債保有者であった JTRUST ASIA PTE. LTD. (以下、「JTA」という。)は、GLがタイSECから2017年10月16日及び同月19日にGL元役員の不正行為や利息収入の過大計上、関連する決算の訂正などについて指摘を受けたことに起因し、タイ王国及びシンガポール共和国等において当社グループに対して各種の訴訟を提起しており、一部終結に至ったものの、現在も係争中となっております。JTAが行っている訴訟の概要につきましては、以下のとおりです。
(1) JTAが行っている訴訟の概要
イ)(GL)損害賠償請求訴訟
ロ)(EHA)暫定的資産凍結命令訴訟
ハ)(EHA)損害賠償請求訴訟
ニ)(当社他)損害賠償請求訴訟
※実質的に当社親会社である昭和ホールディングス株式会社の株式を保有しているか確認中です。
ホ)(GLH他)損害賠償請求訴訟
ヘ)(GLH)会社清算申立
ト)(GL)会社更生手続申立訴訟
⑩コンテンツ事業のリスク
日本国内の人口減少と少子高齢化による市場縮小並びに海外市場における漫画やアニメ等の台頭による日本コンテンツの地盤沈下があげられます。
⑪継続企業の前提に関する重要な事象等
当連結会計年度において、上記⑧⑨の事象が存在しておりますが、これらについて、以下の対応策を実行していることから、当該事象の解消が実現できるものと考えており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
⑧「持分法適用関連会社Group Lease Holdings PTE.LTD.が保有するタイSEC指摘GLH融資取引に関する悪影響について」に記載した事項に関しましては、当社グループといたしましては、引き続き、タイSECやタイDSIに対し、当社グループの正当性を主張しつつ、タイDSIの捜査に全面的に協力してまいります。
⑨「JTRUST ASIA PTE.LTD.等との係争について」に記載した事項に関しましては、当社グループでは、法律専門家の意見等も踏まえ、GLがJトラストアジアとの契約に違反したことや、契約上も転換社債を即時返済する義務はないものと認識しており、当該請求は法的に無効と考えております。
GL及び当社といたしましては、法律顧問と相談し検討を進めており、上記一連の訴訟についてはいずれも事実に基づかない不当なものであると考えており、GL及び当社といたしましては、当社グループの正当性を主張すべく粛々と法的対応を進めてまいる所存であり、JTAに対し必要且つ適切な法的処置を取ってまいります。
以上に記載している将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年12月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループは当連結会計年度においては、増収減益となりました。売上高は8億60百万円(前年同期比12.4%増)、営業損失は14百万円(前年同期は36百万円の営業利益)、経常損失は8億95百万円(前年同期は4億86百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は9億42百万円(前年同期は5億13百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
売上高は当社が営むコンテンツ事業の受注状況が堅調だったことに加え、ロイヤリティ収入が堅調に推移したことから、増収となりました。営業利益については、主に訴訟費用等の増加により、減益となりました。経常利益については、持分法適用関連会社が営むDigital Finance事業において第4四半期で209百万円の損失、リゾート事業において第4四半期で57百万円の損失、また、ファイナンスリーシングライセンス取り消しと会社清算の通知を受けたGL Finance PLC.の資産に対して貸倒引当金を152百万円計上した結果、持分法による投資損失が拡大したことから、赤字幅が増大したものであります。これらの結果、最終損益の親会社株主に帰属する当期純損失も前年同期よりも悪化いたしました。
当連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べて2億47百万円減少し、37億90百万円となりました。
流動資産は50百万円増加し、14億77百万円となりました。主な内訳は、現金預金の減少1億65百万円、商品の増加51百万円、短期貸付金の減少35百万円、貸倒引当金の減少2億49百万円等であります。
固定資産は2億98百万円減少し、23億13百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の増加1百万円、無形固定資産の減少0百万円、投資その他の資産の減少2億99百万円であります。
流動負債は6百万円増加し、2億80百万円となりました。
固定負債は83百万円増加し、4億61百万円となりました。主な内訳は、長期借入金の増加54百万円、その他固定負債の増加28百万円であります。
純資産は3億37百万円減少し、30億48百万円となりました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少9億28百万円、為替換算調整勘定の増加5億49百万円等であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて1億65百万円減少し、当連結会計年度末の残高は5億11百万円(前期末比24.5%減)となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、15百万円(前年同期は85百万円の獲得)となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純損失の計上8億95百万円、持分法による投資損失8億99百万円、法人税等の支払額22百万円等であります。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1億48百万円(前年同期は3億29百万円の使用)となりました。その主な内訳は、貸付による支出5億59百万円、貸付金の回収による収入4億13百万円、親会社に対する貸付による支出83百万円、親会社に対する貸付金の回収による収入83百万円等であります。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、25百万円(前年同期は6億88百万円の獲得)となりました。その主な内訳は、短期借入金の減少額25百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 その他事業については、生産実績がないため記載を省略しております。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売金額によっております。
2 その他事業については、受注実績がないため記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成について必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは当連結会計年度においては、増収減益となりました。売上高は8億60百万円(前年同期比12.4%増)、営業損失は14百万円(前年同期は36百万円の営業利益)、経常損失は8億95百万円(前年同期は4億86百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は9億42百万円(前年同期は5億13百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当社といたしましては、今後とも短期的な景気判断や収益について適切に対処しながらもそれらに囚われることなく、中長期的視点で経済成長する地域に適切に投資し、当社の成長を目指しております。
当社グループが営む事業ごとの経営成績に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当事業の当連結会計年度における業績は、増収増益となりました。当連結会計年度における業績は、売上高8億23百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益は3億27百万円(同38.4%増)となりました。これは受注状況が堅調であったことに加え、ロイヤリティ収入が堅調に推移したことによるものです。
当事業は、主にゲームの企画開発や漫画やアニメ、ゲーム等のエンターテインメント関連の書籍及び電子書籍の企画編集、様々なコンテンツを商品・イベント化する企画開発など、コンテンツ商品の企画開発分野で独自性を持って展開しております。
現在、当社の祖業でありますコンテンツ事業においては長年の不振を払しょくし、過去10年以上かけて戦略的に事業を選択集中させるとともに海外事業を含めて新規事業に取り組み、営業拡大を図り、同時に生産性の改善、コストの適正化を図ってまいりました成果が実を結んでいる結果、長期的に利益改善が進んでおります。
当事業の当連結会計年度における業績につきましては、ゲーム企画開発、書籍編集、その他コンテンツ関連企画開発等の受注が堅調に推移し、コストコントロールを確実に進めている結果、利益を増加させました。同時に、印税収入にあたるロイヤリティ収入が過去最高となったことで、利益増を果たしております。この数年間の高い利益水準が、コンテンツの入れ替わりや投資的経費の増加で一時的に下がりましたが、回復して高い水準へ復帰しております。それと同時に、今後のさらなる成長に向け、人的資源を新規事業並びに海外展開に適切に投資的経費を投下し続けており、長期的にはこれらも利益貢献するものと考えております。
今後は、中期経営計画でお知らせしましたように、国内の新規事業展開と海外展開を積極的に進めることで、本格的な事業拡大につなげる方針を継続してまいります。
b.Digital Finance事業
当事業は連結セグメントではなく、持分法適用関連会社の事業になっておりますが、当社グループの重要な事業であるため解説しております。
当事業の当連結会計年度における業績は減収減益となりました。当連結会計年度における売上高は38億13百万円(前年同期比9.0%減)、投資損失(注)は10億15百万円(前年同期は6億33百万円の投資損失)となりました。(注)連結損益として取り込んだ持分法投資損失。これは当連結会計年度の持分法適用関連会社からの取込利益を精査する過程において、主にGroup Lease PCL.の子会社の業績に加えて、当該事業の進出地域での経営環境を勘案し、貸倒引当金を見直したこと、子会社の清算に伴う引当金計上、法的係争費用やその影響による損失などが発生したことで、持分法による投資損失を計上することによるものです。
当連結会計年度におきましては、各国において、政治経済の状況を踏まえ、事業継続を行っております。
過去5年間、コロナ禍並びに同事業を行うGroup Lease PCL.やその子会社がJ Trustグループとの係争が継続している状況を踏まえて大型の裁判を行っていること、などから全営業国において保守的なリスクマネジメントのために新規貸付を抑制し、回収に注力してきました。この結果、営業貸付金が減少し、現金預金が増加して、売上高・セグメント利益ともに減少してきていました。今後は、上記国別商品別の状況に応じて、新たな再成長を開始いたしております。
c.リゾート事業
当事業は連結セグメントではなく、持分法適用関連会社の事業になっておりますが、当社グループの重要な資産を保有しているため解説しております。
当事業の当連結会計年度における業績は増収減益となりました。当連結会計年度における売上高は8億84百万円(前年同期比28.9%増)、投資利益(注)は1億74百万円(同6.9%減)となりました。
当事業はタイ王国ピピ島においてリゾートホテルであるZeavola Resortを運営しております。欧米の富裕層を中心にした顧客層から支持を受ける環境に配慮した循環型のサステイナブルリゾートとして多くの表彰を受賞するファイブスターリゾートとして、高単価の宿泊・サービス収入を得ております。
当事業については3ヶ月遅れでの連結財務諸表への反映がなされており、当連結会計年度へは2023年7月から2024年6月までの12ヶ月間の業績が反映されております。
新型コロナウイルスの影響により外国人の入国は厳しく制限されていたため、同ホテルは2020年4月から11月まではほぼ営業がなされておりませんでした。その一方で、従業員への給与支払、設備維持費、減価償却費などが重く、損失を計上しておりました。一方でタイ政府の入国規制緩和により、2021年12月に営業を開始しました。当期は宿泊客が増加しており、例年以上の満室率が継続しております。これにより当連結会計年度においては前年同期を上回る売上高増収となりました。一方、5つ星ステータス保持のために閑散期に設備修繕等を実施したことから経費が増加し、前年同期よりも減益となりました。
特に同リゾートはこれまでも世界的なホテル賞を受賞してきておりますが、2023年においてもWORLD LUXURY HOTEL AWARDSでLuxury Boutique Resort 2023(アジア地域)及びLuxury Sustainable Resort 2023(全世界)を受賞いたしました。今後は閑散期においてホテルの完全稼働、5つ星ステータス保持のための設備投資等を行う予定であり、これによって宿泊単価の上昇も見込んでおります。
財政状態に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べて2億47百万円減少し、37億90百万円となりました。
流動資産は50百万円増加し、14億77百万円となりました。主な内訳は、現金預金の減少1億65百万円、商品の増加51百万円、短期貸付金の減少35百万円、貸倒引当金の減少2億49百万円等であります。
固定資産は2億98百万円減少し、23億13百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の増加1百万円、無形固定資産の減少0百万円、投資その他の資産の減少2億99百万円であります。
流動負債は6百万円増加し、2億80百万円となりました。
固定負債は83百万円増加し、4億61百万円となりました。主な内訳は、長期借入金の増加54百万円、その他固定負債の増加28百万円であります。
純資産は3億37百万円減少し、30億48百万円となりました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による利益剰余金の減少9億28百万円、為替換算調整勘定の増加5億49百万円等であります。
投資その他の資産の減少については関係会社株式の評価見直しを行ったことによるものであります。
純資産の減少について親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことと、為替換算調整勘定を計上したことによるものであります。
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて1億65百万円減少し、当連結会計年度末の残高は5億11百万円(前期末比24.5%減)となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、15百万円(前年同期は85百万円の獲得)となりました。その主な内訳は、税金等調整前当期純損失の計上8億95百万円、持分法による投資損失8億99百万円、法人税等の支払額22百万円等であります。
2022年9月期末から連結子会社であったGroup Lease PCL.を持分法適用関連会社としたことから、大きな資金の増減が発生せず、ほぼ当社単体の営業活動に起因する資金の増減となっております。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1億48百万円(前年同期は3億29百万円の使用)となりました。その主な内訳は、貸付による支出5億59百万円、貸付金の回収による収入4億13百万円、親会社に対する貸付による支出83百万円、親会社に対する貸付金の回収による収入83百万円等であります。
投資活動の資金は機動的に貸付と回収を行ったことにより増減が発生しております。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、25百万円(前年同期は6億88百万円の獲得)となりました。その主な内訳は、短期借入金の減少額25百万円であります。
財務活動の資金は当連結会計年度は、短期借入金の増減で、大きな変動はありません。
(資本の財源及び資本の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、コンテンツ事業に制作費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資のための資金のほか、M&Aによる業務拡大を行うことを決定した場合等に発生するものでありますが、現時点ではM&A等の投資活動につきましてはより慎重に検討し抑制的に進めております。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金及び金融機関等からの借り入れや社債等により調達し、投資活動資金につきましては、より長期的な資金活用となることを想定し、社債並びに転換社債等により調達することを基本としております。また、当社グループの事業運営・成長に伴う安定的な資金の流動性並びに投資資金の獲得のため、適切な規模でのエクイティ・ファイナンスにつきましても適宜検討を進めてまいります。
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローは15百万円となりました。また投資活動によるキャッシュ・フローは主に貸付と回収を行ったことにより△1億48百万円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは25百万円となりました。
これらにより、当連結会計年度末における有利子負債の残高は4億51百万円となっており、また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5億11百万円となっております。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。