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独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書 |
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2023年2月22日 |
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アステナホールディングス株式会社 |
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取締役会 御中 |
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東京事務所 |
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指定有限責任社員 業務執行社員 |
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公認会計士 |
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指定有限責任社員 業務執行社員 |
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公認会計士 |
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<財務諸表監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているアステナホールディングス株式会社の2021年12月1日から2022年11月30日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結株主資本等変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、その他の注記及び連結附属明細表について監査を行った。
当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、アステナホールディングス株式会社及び連結子会社の2022年11月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査上の主要な検討事項
監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。
当監査法人は、前連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査上の主要な検討事項として、以下の事項を記載した。
・取得による企業結合により計上された技術資産及び顧客関連資産(無形資産)の時価の算定並びに無形資産の耐用年数及びのれんの償却期間の決定
・企業結合により計上された技術資産及び顧客関連資産(無形資産)並びにのれんの減損兆候の判断
当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査役及び監査役会とコミュニケーションを行った事項の中から、特別な検討を必要とするリスク又は重要な虚偽表示リスクが高いと評価した領域の変化、会社が重要な判断を行った財務諸表の領域に関連する当監査法人の重要な判断、当連結会計年度において発生した重要な事象又は取引が監査に与える影響等、また監査における相対的な重要性や会社に特有の事項を考慮して、監査上の主要な検討事項とする事項について検討した。
その結果、当連結会計年度の連結財務諸表の監査における監査上の主要な検討事項は、前連結会計年度の監査上の主要な検討事項から「収益認識に関する会計基準等の適用」を追加し、「取得による企業結合により計上された技術資産及び顧客関連資産(無形資産)の時価の算定並びに無形資産の耐用年数及びのれんの償却期間の決定」を除外し、以下の事項とした。
・収益認識に関する会計基準等の適用
・企業結合により計上された技術資産及び顧客関連資産(無形資産)並びにのれんの減損兆候の判断
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 |
監査上の対応 |
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会社及び連結子会社は、 収益認識会計基準等の適用による主な変更点は以下のとおりである。 ・代理人取引に係る収益認識 ・一定の期間にわたり履行義務が充足される契約における収益認識 ・返品権付き販売に係る収益認識 ・顧客に支払われる対価が含まれる取引に係る収益認識 会社が収益認識会計基準等を適用した結果、当連結会計年度の売上高は22,735,912千円減少、売上原価は22,655,144千円減少、営業利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ28,954千円減少しており、また、利益剰余金の当期首残高は157,096千円増加していることから、収益認識会計基準等の適用による影響の金額的重要性が高い。 このように、収益認識会計基準等の適用の影響は広範囲に及び、その金額的重要性は高く、関連する連結財務諸表の表示及び開示は財務諸表の利用者による財務諸表の理解にとって重要である。また、適用初年度は検討すべき論点が多岐にわたり会社の慎重な検討が必要である。以上より、収益認識会計基準等の適用にあたっては、監査上の慎重な検討を必要とすることから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
当監査法人は、収益認識会計基準等の適用が適切に行われているかを検討するために、主として以下の監査手続を実施した。 ・収益認識に関連する内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。会計処理の基礎データの収集のためにITシステムに依拠している場合、当該システムのIT全般統制及び業務処理統制の有効性を評価した。 ・会社が実施した収益認識基準等の適用による影響度調査の資料を入手し、主要な取引形態が網羅的に検討対象に含まれているか、また、収益認識基準等に沿った検討に基づき適切に会計方針が決定されているかを検討した。 ・一定の抽出基準に基づき、商流ごとに売上取引をサンプル抽出し、契約書を含む関連書類と証憑突合を実施することで、5ステップに従い適切に収益が認識されているかを検討した。 ・商品又は製品の国内販売について、出荷時から顧客への商品又は製品の支配が移転されるまでの期間が通常の期間である取引に限り、「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取扱いを適用していることを確かめるため、支配移転を示す証憑を閲覧し、収益認識の適切性を検討した。 ・連結財務諸表に注記されている収益認識基準等の適用による影響額が正確かつ網羅的に集計されているかについて、根拠資料の検証や再計算等により検討した。 ・収益認識会計基準等の適用に関連する連結財務諸表の表示及び開示の妥当性について検討した。 |
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監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由 |
監査上の対応 |
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過年度及び当連結会計年度に実施された企業結合の結果、当連結会計年度末の連結貸借対照表において、無形資産2,551,505千円(連結総資産の4.0%)及びのれん4,512,067千円(連結総資産の7.1%)が計上されている。無形資産は、技術資産507,897千円及び顧客関連資産2,043,608千円から構成され、また、のれんは ・ファインケミカル事業:3,660,314千円 ・HBC・食品事業:542,015千円 ・化学品事業:309,737千円 減損の兆候の識別の評価にあたり、ファインケミカル事業等における将来の事業計画が実行可能であるかについて不確実性を有する。 このように、無形資産及びのれんに係る減損兆候の有無の判定は、経営環境の著しい悪化に関する判断など、経営者の主観的な判断を伴い、かつ、金額的重要性が高いことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。 |
当監査法人は、無形資産及びのれんに係る減損兆候の有無の判定にあたり、主として以下の監査手続を実施した。 ・企業結合により計上された無形資産及びのれんに係る減損兆候の有無の判定に関する以下の内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。 -無形資産を含む資産グループ及びのれんが帰属する事業に関連する資産グループを含めたより大きな単位について、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなっていないか等を確認する内部統制 -経営環境に著しい悪化が生じていないかについて、定性的な経営環境の変化に加えて、対象事業の予算と実績との比較分析や将来の事業計画の検討を行う内部統制 -その他、減損兆候の有無を検討する内部統制 ・定性的な経営環境の変化の検討及び使用範囲又は方法の変更による回収可能価額の著しい低下等については経営者及び会社担当者への質問、並びに取締役会議事録等の関連する内部資料を閲覧し、その判断を評価した。 ・無形資産を含む資産グループ及びのれんが帰属する事業に関連する資産グループを含めたより大きな単位について、営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなっていないか又は継続してマイナスとなる見込みではないかを検討した。 ・無形資産を含む資産グループ及びのれんが帰属する事業に関連する資産グループを含めたより大きな単位について、過年度の事業計画と実績の比較分析及び経営者への質問等により、経営環境の著しい悪化及びその見込みがないことについて評価した。 |
その他の記載内容
その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。
連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。
当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。
その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。
連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。
連結財務諸表監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。
・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。
・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。
・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。
・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。
・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。
<内部統制監査>
監査意見
当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、アステナホールディングス株式会社の2022年11月30日現在の内部統制報告書について監査を行った。
当監査法人は、アステナホールディングス株式会社が2022年11月30日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
監査意見の根拠
当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任
経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。
監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。
なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。
内部統制監査における監査人の責任
監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。
監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。
・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。
・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。
監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。
利害関係
会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。
以 上
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(注)1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。 2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。 |