文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「人を不幸にしないための、デジタルと」というミッションを掲げ、今や人々の人生に必要不可欠となったデジタルを活用、無意識のうちに、つい、あきらめてしまっていることを、叶えられることに変えていけるようなサービスを展開、経営の基本方針としています。
当社グループが重要と考える経営指標は流通総額、売上総利益及び営業利益であります。
当社グループはメディア運営を中心に行っている「デジタルマーケティング事業」、及びデジタルギフト®や給与前払いサービスを中心に展開する「フィンテック事業」の2つの事業を中心に展開をしております。
デジタルマーケティング事業においては、インターネット広告代理等のデジタルマーケティング支援事業と既存事業のメディア運営を進めております。フィンテック事業においては、従来から運営しているデジタルギフト®に加え、給与前払いサービス「即払い(Q給)」にも本格的に注力を始めております。当社グループはマーケティング(広告)領域・人材領域・支払のDX(金融)領域の3つの領域を注力領域としてあげており、3万円以下の対個人向け支払でのシェア拡大を目指し邁進しております。また今後予定している資金移動業の取得により、報酬といった今まで対応できなかった対価性がある支払と、犯罪収益移転防止法に準拠した送金に対応できるようになる見込みであり、当社グループの事業優位性がより強化されると考えております。
当連結会計年度においては、前連結会計年度においてM&Aにより取得した事業とのシナジー創出も引き続き進めてまいりました。具体的には給与前払いサービス「即払い」が保有している事業ノウハウを人材領域のシェア拡大に活用しており、またそのノウハウをメンタルヘルス事業「マヒナ」及びオンライン家庭教師事業「ピース」における報酬支払においても活用を目指しております。
また、第3四半期連結会計期間において、IT導入補助金を返済原資とする債権に対するファクタリング事業を開始いたしました。ITツール導入企業のDX化の推進を資金面からサポートし、更なる流通総額の拡大を目指しております。
さらに、当連結会計年度においては、株式会社セレス、株式会社Bennu及び株式会社どこよりもの3社と資本業務提携を行いました。いずれもフィンテック事業において、各社と当社グループの実績や知見、企画・開発力を相互に利用し、相互の事業の収益性を高めることを目的としており、企業価値拡大につながると考えております。
当社グループは以下の事項を対処すべき課題として取り組んでまいります。
当社グループは「デジタルマーケティング事業」及び「フィンテック事業」を展開しておりますが、今後は「フィンテック事業」に主な経営資源を投下し、注力事業としてまいります。また、「フィンテック事業」の規模の拡大、プロダクト・仕組化の向上、及びマネタイズの強化を図ることで継続的成長に取り組んでまいります。
今後の更なる成長にとって、優秀な人材を適時に採用し育成していくことが、重要な課題と認識しております。優秀な人材を採用し育成していくために、企業としての認知度の向上、採用競争力の強化、及びチャレンジする従業員に対しては人材育成を行うための外部ブレーンも活用した積極的な育成を行ってまいります。また、従業員のライフステージや状況に応じて多様な働き方を選択できる人事制度の整備・運用を進めてまいります。
当社グループは、「フィンテック事業」における継続的成長の前提となる流通総額の拡大を支えるため、更なる資金調達を進めてまいります。また、調達手段としてはデットを中心とする予定ですが、調達条件、純資産の状況等を適切に見極めながら、必要に応じて株式による調達も検討してまいります。
当社グループは、2017年9月期から2023年9月期まで継続的な営業損失を計上しており、2023年9月期においては282,162千円の重要な営業損失を計上したほか、当期損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しました。また、マッコーリー・バンク・リミテッドを割当先とする第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(以下、「CB」という。)を発行し、2023年8月31日に210,000千円を調達したものの、当該CBの財務制限条項に抵触しました。以上から、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているとして、当社グループは、対応策を講じることにより、こうした事象又は状況の解消及び改善に努めていたものの、資金調達の実行については、資金調達の成否及び調達時期や株価下落などにより当社グループの方針通りに必要な資金調達額を確保できない可能性があること、CBの繰上償還権行使のリスクが存在すること、及び事業運営により得られる今後の営業損益が、キャッシュ・フローに及ぼす影響の程度や期間について外部環境に依存することから、継続企業の前提に重要な不確実性が認められ、2023年9月期末時点において「継続企業の前提に関する注記」及び「継続企業の前提に関する重要事象等」を記載しておりました。
当社グループでは、2024年9月期に以下のとおり、事業面及び財務面での安定化を図り、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況の改善及び解消に努めてまいりました。
2024年9月期においてフィンテック事業の流通総額は72億円となり、前期比の約1.6倍になりました。これに伴い売上収益も増加した結果、当社グループの2024年9月期の通期営業利益は56,172千円と、黒字転換を達成しております。また2024年9月期においては、既存事業に加えて2023年9月期に譲り受けた事業においても安定的な利益基盤を確立することができました。さらに2025年9月期の業績予想において、営業利益は100,000千円と予想しており、更なる利益拡大を見込んでおります。
2024年9月期において、当社グループは財務基盤安定化のため、以下の各対応策を実行した結果、2024年9月期末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末残高444,767千円から801,217千円に増加しました。
・2023年12月6日開催の取締役会において、当社代表取締役社長が所有する資産管理会社であるK Legend株式会社から130,000千円の借入を決議し、2023年12月22日に借入を実行しました。その後2024年4月15日開催の取締役会において40,000千円を繰上返済することを決議し、同日に返済を行いました。
・2024年3月22日開催の取締役会において、第三者割当による新株式の発行を決議し、2024年4月8日に99,900千円の払込が完了しました。
・2024年6月27日開催の取締役会において、当社代表取締役社長が所有する資産管理会社であるK Legend株式会社から100,000千円の借入を決議し、2024年7月8日に借入を実行しました。
・2024年7月30日開催の取締役会において、当社代表取締役社長の知人である馬場稔正氏から50,000千円の借入を決議し、2024年7月30日、2024年7月31日および2024年8月5日に借入を実行しました。
・2024年7月30日開催の取締役会において、当社取引先のグループ会社である株式会社どこよりもから150,000千円の借入を決議し、2024年8月9日に借入を実行しました。
・2024年8月16日に、2024年7月30日開催の取締役会において決議した、当社代表取締役社長が所有する資産管理会社であるK Legend株式会社からの150,000千円の借入金額枠のうち、50,000千円の借入を実行しました。
・2024年8月30日開催の取締役会において、第三者割当による新株式の発行を決議し、2024年9月17日に129,925千円の払込が完了しました。
当社は、2023年8月31日に調達したCBについて、2024年3月5日に20,000千円の繰上償還、2024年3月29日に20,000千円の買入消却、2024年7月26日に70,000千円の買入消却、及び2024年8月29日に50,000千円の買入消却を行いました。
以上の対応策の実施により、現時点において重要な資金繰りの懸念は解消されたことから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消し、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められなくなったと判断しております。
なお、2024年11月22日にCBの全部が権利行使されました。詳細につきましては「第5 経理の状況 37.後発事象」をご参照ください。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、サスティナビリティ関連の戦略を推進するために、経営管理体制を整備しております。具体的には、取締役会を原則として毎月1回開催するほか必要に応じて機動的に開催し、当社のサスティナビリティ関連の戦略における重要な施策に関する事項を決議しております。また監査等委員会を原則として毎月1回開催しており、戦略の執行を監査しております。
上記の体制により、当社のサスティナビリティ関連の戦略におけるリスクと機会を監視・管理しております。
人材は当社グループにとって最大の財産です。当社グループには多様な人材が集い、各々の社員が最大限の力を引き出すことで会社として大きな活力を生み出しております。
人材戦略としては、当社のビジョンでもある失敗を恐れずに挑戦をしつづけることを実践し、お客様への課題解決、持続可能な社会の実現のために、社会への価値提供に努めております。
当社は、当社グループのリスク管理をサステナビリティ実現のための重要な手段として認識しております。具体的には、社会情勢やステークホルダーからの要請を把握し、当社の中長期的な経営戦略との整合性を図りながら、当社グループにおけるリスク管理の観点からも重要課題(マテリアリティ)の識別を経営会議及び必要に応じて、適宜、取締役会への報告を行います。
また、毎月、従業員サーベイを行い、従業員の健康に注意を払い、いきいきと働ける職場環境を整備することに最善を尽くしております。
当社では、人材の多様性の確保、当社のミッション・ビジョン・バリューに基づく人材の育成及び社内環境整備に係る指標について、具体的な取組を行っているものの、母集団としての従業員数が少数であり、適切な目標水準の設定が困難であるため、指標化による目標管理は行っておりません。
今後においては、適切な指標を設定し、その進捗管理に努めることで人材の育成・社内環境整備についての改善に取り組むことを目指してまいります。
本報告書に記載した当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性がある事項及びその他の投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項には、以下のようなものがあります。
また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載が無い限り、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
1.外部環境について
当社グループの事業のうち、デジタルマーケティング事業においては、その収益の多くをインターネット広告によって獲得しております。
インターネット広告市場は、スマートフォンの普及による需要拡大、テレビを中心としたマス広告からのシフトが顕著に生じていること等から、今後も拡大が想定されております。しかしながら、当該市場は景気変動等に伴う企業が投下する広告費の増減に影響を受ける可能性があるほか、当該市場において提供される広告サービス等の変化が激しいことから、今後における成果報酬型広告に対する需要動向等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループにおいては、情報収集に努めるとともに、複数の異なるビジネス領域において事業の運営を行うとともに、複数の異なる領域のインターネットメディアを運営、運営するメディアの数の拡大、そしてM&Aも行っており、一定のリスクの分散及び回避を図っております。
当社グループの事業は、主としてインターネットを通じてサービスを提供しております。当該業界においては、新たな技術やサービスの登場により変化は激しいことから、これら変化への対応が困難となった場合、当社グループが展開する事業に影響が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新たな法的規制、インターネット分野の成長を牽引するGAFA(米国の主要IT企業であるグーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の頭文字を取った4社の総称)の規約やサービス内容の変更、又はその他予期せぬ要因により、関連業界の成長が阻害された場合にも、当社グループの経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループにおいては、情報収集に努めるとともに、複数の異なるビジネス領域において事業の運営を行うとともに、複数の異なる領域のインターネットメディアを運営、運営するメディアの数の拡大、そしてM&Aも行っており、一定のリスクの分散及び回避を図っております。
当社グループが展開する事業・サービスにおいては、複数の事業者が参入しており、競合にさらされております。今後において、既存事業者の拡大や大手企業等の参入が生じ、顧客獲得競争が激化した場合には、価格競争やユーザー獲得コストの増加等により、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループにおいては、「1. 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)会社の経営環境と中長期的な経営方針」のとおり積極的に人材・マーケティング・新規事業への投資を実施し、事業として競争優位性を保てるよう注力しております。
2.事業について
クラウドメディアサービスを含むインターネットメディアにおいては、多数の成果報酬型広告を取り扱っておりますが、その広告出稿量や報酬単価は、当該業種の業況等に影響を受けやすい傾向があります。また、インターネットメディアは、「1.外部環境について」「(2)インターネット業界について」のとおり外部環境の影響を受けます。当社グループにおいては、インターネットメディアの買収も行っており買収したサイトが、これらの影響を受けた場合、これらの要因に起因して、見込んでいた投資回収が困難になった場合、のれん等の減損処理やキャッシュ・フローへの影響など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループにおいては、情報収集に努めるとともに、複数の異なるビジネス領域において事業の運営を行うとともに、複数の異なる領域のインターネットメディアを運営、運営するメディアの数の拡大、そしてM&Aも行っており、一定のリスクの分散及び回避を図っております。
3.事業体制について
当社グループの継続的な事業成長を実現するためには、優秀な人材を確保し育成する事が重要な要素の一つであると認識しております。
しかしながら、当社グループが求める優秀な人材を計画通りに確保もしくは育成出来なかった場合、現在在籍する主要な人材等の離反が生じた場合には、事業展開における制約要因となる又は業務運営に支障が生じる可能性があり、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このため、積極的な中途採用及び新卒採用を推進し、かつ、社内教育体制の構築を行い、優秀な人材の獲得、育成及び活用に努めております。
当社グループは今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しており、当該強化を推進しております。
しかしながら、事業規模・事業内容に適した内部管理体制の構築に支障が生じた場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、まず、当社は、2016年12月22日開催の第12回定時株主総会において、定款の変更が決議されたことにより、同日付にて監査等委員会設置会社に移行いたしました。社外取締役を複数選任するとともに監査等委員である取締役に取締役会における議決権が付与されることで、監査及び監督機能の強化が図られ、コーポレート・ガバナンスをより一層充実させることができるものと判断しております。また、「第4 提出会社の状況」「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」「(2)役員の状況」「③ 社外取締役又は監査等委員会による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係」のとおり内部監査、監査等委員会監査及び会計監査の相互連携を図るとともに、管理機能は当社に集約されており当社のコーポレート部門において子会社を含む事業部をモニタリングするとともに、税理士・会計士・弁護士等と適宜連携し、内部管理体制の充実を図っています。
当社グループの事業においては、会員の個人情報を多数保有しております。
しかしながら、当社グループの社員又は外部提携先を通じた機密情報及び個人情報の紛失・漏洩・不正利用等が発生した場合、若しくは第三者が当社グループのネットワークに侵入して機密情報及び個人情報を不正取得した場合には、当社グループへの信頼性の低下、ブランドの毀損及び訴訟などの多額の費用負担により、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループは、情報セキュリティの重要性を経営の最重要課題の一つとして認識し、「個人情報管理規程」及び「情報管理規程」を定め当社グループ内に周知徹底するほか、外部の専門家も活用しながら技術的対策を講じ、これら情報の個人情報の漏洩等を防止する体制を構築・運営しております。
4.システム障害について
当社グループのサービスは、PCやコンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークに全面的に依存しており、自然災害や事故、外部委託事業者における障害発生等によって通信ネットワークが切断された場合、継続したサービス提供その他に支障が生じる可能性があります。また、当社グループにおけるソフトウエア又はシステム機器等の欠陥等によるトラブルが発生した場合、コンピュータウィルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合、サイトへの急激なアクセス増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によってコンピューターシステムがダウンした場合にも、同様のリスクがあります。
上記要因等により継続したサービス提供に支障が生じた場合には、当社グループの収益機会の喪失、システム及び事業運営に対する信頼性低下、クレーム発生その他の要因により、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループにおいては、技術的対策を講じ、これら障害回避のための取組を推進しております。
5.コンプライアンスについて
当社グループの事業を規制する主な法規制として、「不当景品類及び不当表示防止法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」「著作権法」及び「個人情報保護法」等があります。これら法令に違反する行為が行われた場合、法令の改正若しくは新たな法令の制定が行われた場合、又は当社グループの対応が不十分であった場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、関連法令に遵守したサイト運営に努め、制定・改正される法令に対応した事業展開を迅速に行っていく方針でありますが、十分な対応が困難となる場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループは、関連法令に遵守したサイト運営に努め、制定・改正される法令に対応した事業展開を行うとともに、社内の管理体制の構築を図り、適宜顧問弁護士に確認することにより、これら法令を遵守する体制を整備し対応を行っております。
法令等に抵触する不適切な広告やコンテンツを掲載したこと等に起因して、第三者の違法行為やトラブルに巻き込まれた場合又は何らかの法的責任を問われた場合には、当社グループに対する損害賠償請求、信頼性の低下等により、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループは、サイト運営に際して、当社グループにて策定したマニュアルに基づき、コンテンツ制作を行い法規制等を遵守する対応を図っております。
当社グループの事業において使用する、商標、ソフトウエア、システム並びにコンテンツ等については、現時点において第三者の知的財産権等を侵害するものではないと認識しております。しかしながら、知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、侵害を回避すべく、商標権の取得、並びに著作権及び肖像権等を含めた監視・管理体制の構築を行ってまいります。
当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの契約不適合に関わらずこれらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される可能性があります。これら事象が発生した場合には、訴訟内容や損害賠償額及びその結果等に応じて、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすほか、経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社グループにおいては、「3.事業体制について」「(2)内部管理体制について」のとおり内部管理体制の充実を図るとともに、個人情報を多数保有している関係から個人情報漏洩保険を付保するなどリスク回避につとめております。
6.配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を経営課題と認識しており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、利益還元政策を決定していく所存であります。しかしながら、当面は、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化及び事業の継続的な拡大発展を実現させるための資金として、内部留保を優先させ、有効に活用していく方針であります。将来的には、各期の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、株主に対して利益還元を行うことを検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2023年10月1日~2024年9月30日)におけるわが国の経済は、賃上げや雇用情勢の改善により景気は回復傾向が続くことが期待されております。一方で長期化したウクライナ・中東情勢による海外景気の下振れや円安進行による物価上昇、わが国を含む各国の政策金利引き上げによる金融不安等の影響により依然としてわが国の景気も下押しされる可能性がある不透明な状況が続きました。また、人口減少を背景に労働生産性の向上を図っていくことが課題となっております。
当社グループを取り巻く市場においては、引き続きインターネット広告市場において、世界全体としてDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が加速し、オフライン媒体と比較してデジタル媒体費の費用効率が良いこともあり、インターネット広告費が社会のデジタル化を背景に継続して成長しており、当社グループにとって追い風となっております。
また、フィンテック市場においても、海外からのインバウンド消費の回復等からの市場の拡大が進み、キャッシュレス決済のニーズが高まり、今後のフィンテック市場においても更なる成長が見込まれると考えております。
このような状況において、当社グループはメディア運営を中心に行っている「デジタルマーケティング事業」、及びデジタルギフト®や給与前払いサービスを中心に展開する「フィンテック事業」の2つの事業を中心に展開をしております。
デジタルマーケティング事業においては、インターネット広告代理等のデジタルマーケティング支援事業と既存事業のメディア運営を進めております。フィンテック事業においては、従来から運営しているデジタルギフト®に加え、給与前払いサービス「即払い」にも本格的に注力を始めております。当社グループはマーケティング(広告)領域・人材領域・支払のDX(金融)領域の3つの領域を注力領域としてあげており、3万円以下の対個人向け支払でのシェア拡大を目指し邁進しております。また今後予定している資金移動業の取得により、報酬といった今まで対応できなかった対価性がある支払と、犯罪収益移転防止法に準拠した送金に対応できるようになる見込みであり、当社グループの事業優位性がより強化されると考えております。
当連結会計年度においては、前連結会計年度においてM&Aにより取得した事業とのシナジー創出も引き続き進めてまいりました。具体的には給与前払いサービス「即払い」が保有している事業ノウハウを人材領域のシェア拡大に活用しており、またそのノウハウをメンタルヘルス事業「マヒナ」及びオンライン家庭教師事業「ピース」における報酬支払においても活用を目指しております。
また、第3四半期連結会計期間において、IT導入補助金を返済原資とする債権に対するファクタリング事業を開始いたしました。ITツール導入企業のDX化の推進を資金面からサポートし、更なる流通総額の拡大を目指しております。
さらに、当連結会計年度においては、株式会社セレス、株式会社Bennu及び株式会社どこよりもの3社と資本業務提携を行いました。いずれもフィンテック事業において、各社と当社グループの実績や知見、企画・開発力を相互に利用し、相互の事業の収益性を高めることを目的としており、企業価値拡大につながると考えております。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は838,500千円(前年同期比26.0%増)、営業利益は56,172千円(前年同期は営業損失282,162千円)、親会社株主に帰属する当期利益は21,171千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期損失277,018千円)となりました。
セグメント別の経営成績は次の通りです。
デジタルマーケティング支援事業と既存事業のメディア運営を展開しておりました。
以上の結果、デジタルマーケティング事業の売上収益は209,262千円(前年同期比13.1%増)、セグメント利益149,160千円(前年同期比487.2%増)となりました。
国内のキャッシュレス化の浸透、在宅ワークの拡大、副業解禁などにより個人の稼ぎ方がより多様化する社会的背景の中で、現金以上に価値のあるポイントが利用できる報酬支払インフラの構築を目指して事業を運営してまいりました。当連結会計年度においては、デジタルギフト®及び「即払い」を中心として引き続き流通総額の増加に注力し、最終的に前連結会計年度の58%増にあたる流通総額72億円を達成することができました。また当社グループの注力領域であるマーケティング(広告)領域・人材領域・支払のDX(金融)領域の3つの領域における3万円以下の対個人向け支払でのシェア拡大を目指し、資金移動業の取得に向けた各種対応を行いました。
以上の結果、フィンテック事業の売上収益は629,237千円(前年同期比31.0%増)、セグメント利益は212,571千円(前年同期比186.9%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前連結会計年度末より356,450千円増加し、801,217千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度において営業活動により減少した資金は、17,129千円(前年同期は229,193千円の減少)となりました。
これは主として、営業債権及びその他の債権の増加257,925千円、その他の負債の増加109,822千円、税引前当期利益83,217千円を計上したことによるものであります。
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は、167,400千円(前年同期は383,067千円の減少)となりました。
これは主として、無形資産の取得による支出82,580千円、条件付対価の決済による支出80,000千円によるものであります。
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、540,539千円(前年同期は133,289千円の増加)となりました。
これは主として、短期借入金の純増額494,000千円によるものであります。
生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。
受注に該当する事項が無いため、受注実績に関する記載はしておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、582,553千円増加し、1,597,243千円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が356,450千円増加、及び営業債権及びその他の債権が257,715千円増加したことによるものであります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べて、65,054千円増加し、738,527千円となりました。これは主として、無形資産が29,329千円増加、及び繰延税金資産が26,115千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて、647,608千円増加し、2,335,770千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、413,095千円増加し、1,396,373千円となりました。これは主として、社債及び借入金が277,781千円増加、その他の流動負債が139,579千円増加、及びその他の金融負債が85,070千円減少したことによるものであります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べて、56,759千円減少し、122,306千円となりました。これは主として、その他の非流動負債が74,404千円減少、借入金が32,496千円増加、及び繰延税金負債が15,432千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、356,335千円増加し、1,518,680千円となりました。
資本合計は、前連結会計年度末に比べて、291,272千円増加し、817,090千円となりました。これは主として、資本金が114,913千円増加、資本剰余金が107,334千円増加、及び親会社の所有者に帰属する当期利益21,171千円を計上したことによるものであります。
経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、システム投資、人材確保、借入金の返済等であります。また、その資金の源泉といたしましては、営業活動等によるキャッシュ・フロー、第三者割当増資による調達、金融機関からの借入金等により、必要とする資金を調達しております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は733,432千円となり、現金及び現金同等物の残高は801,217千円となっております。
財務状況を勘案しながら、当社が保有する自己株式100,000株の売却、第三者割当増資、新株予約権の行使等の手段により必要な資金調達を行っていく予定です。
これにより、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
当社の経営者は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社が今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
なお、今後の方針につきましては「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)会社の経営環境と中長期的な経営方針」に記載しております。
当社グループの経営陣は、現在の事業環境並びに入手可能な情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、施策の実施に努めております。そのような中、当社グループが今後も持続的に成長するためには、戦略的な選択と集中を推し進め、成長事業に積極的に投資を行い、10年後も継続する事業の柱を創造することが必要であると考えております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループは、当連結会計年度において総額
セグメントごとの設備投資について示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度において、総額
なお、重要な設備の除却または売却はありません。
当連結会計年度において、総額
なお、重要な設備の除却または売却はありません。
2024年9月30日現在
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.日本基準に基づく金額を記載しております。
3.建物は賃借物件であり、年間賃借料は26,466千円であります。
4.帳簿価額のうち「その他」は、主として商標権であります。
5.従業員数は就業人員であり、従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
6.帳簿価額は、減損損失計上後の金額であります。
2024年9月30日現在
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.日本基準に基づく金額を記載しております。
3.帳簿価額のうち「その他」は、ソフトウエア仮勘定であります。
4.従業員数は就業人員であり、従業員数欄の〔外書〕は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。
該当事項はありません。
該当事項ありません。
重要な設備の除却等の計画はありません。