名称 TJ1株式会社
所在地 東京都千代田区霞ヶ関三丁目2番5号
2015年9月30日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第4回新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)(行使期間は2015年10月19日から2025年10月18日まで)
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2024年11月14日付の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、当該取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認」に記載の方法により決議されております。
本「(2) 意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、本書提出日現在、CVC Asia Pacific Limited及びその関係会社(これらをCVC Capital Partners plc及びClear Vision Capital Fund SICAV-FIS S.A.並びにそれらの各子会社と総称して以下、「CVC」といい、そのいずれかが助言を提供するファンド又は事業体を以下、個別に又は総称して「CVCファンド」といいます。)又はそのいずれかから助言を提供されているCVC Capital Partners Asia VI Limitedにより発行済株式の全てを間接的に所有されているTJ Holding Limited(以下「公開買付者親会社」といいます。)の完全子会社であり、当社株式を所有し、当社の事業活動を支配及び管理することを主たる目的として2024年8月28日に設立された株式会社であるとのことです。本書提出日現在、CVC、CVCファンド、公開買付者親会社及び公開買付者は、当社株式及び本新株予約権を所有していないとのことです。
CVCは、1981年に創業し、全世界30拠点を展開、グローバルに総額約1,930億ユーロ(約31兆円)の資産を運用する、国際的なプライベート・エクイティ(主に未公開株式への投資を行う投資会社)であるとのことです。現在のCVCの未公開株式の投資先はグローバルで130社を超えており、これらの企業の従業員数の合計は60万人を超え、売上高の合計は約1,550億ユーロ(約26兆円)という規模を有しているとのことです。CVCは、アジアにおける地域ネットワークを有するプライベート・エクイティとして、1999年よりアジアで活動しており、日本においても2003年に拠点を開設し、CVCファンドは、12件の投資実績を有しているとのことです。具体的には、CVCファンドは、日本においては、株式会社テクノプロ、アルテリア・ネットワークス株式会社、HITOWAホールディングス株式会社、株式会社りらく、株式会社ファイントゥデイ、株式会社トライグループ、総合メディカルグループ株式会社等に対する投資実績を有しているとのことです。
今般、公開買付者は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)のプライム市場(以下「東京証券取引所プライム市場」といいます。)に上場している当社株式の全て(ただし、譲渡制限付株式報酬として当社の取締役及び各執行役に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、BBT所有株式(以下に定義します。以下同じです。)及び当社が所有する自己株式を除きます。以下同じです。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、25,660,500株(所有割合(注1):65.87%)を買付予定数の下限(注2)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社を公開買付者の完全子会社とすることを企図しているため、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(25,660,500株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2024年11月14日に公表した「2025年6月期第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(以下「本決算短信」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数(40,480,500株)に、当社から報告を受けた同日現在残存し行使可能な本新株予約権(第4回新株予約権7,172個)の目的となる当社株式の数(717,200株)を加算した株式数(41,197,700株)から、本決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(2,239,535株)(なお、当該自己株式数には、当社の役員等の株式報酬制度に係る株式給付信託(BBT)として、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社株式(436,700株)(以下「BBT所有株式」といいます。)を含めておりません。以下、当社が所有する自己株式数について同じです。)を控除した株式数(38,958,165株、以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じです。)をいうとのことです。
(注2) 買付予定数の下限(25,660,500株)については、本基準株式数から、2024年9月30日現在のBBT所有株式(436,700株)を控除した株式数(38,521,465株)に係る議決権の数(385,214個)に3分の2を乗じた数(256,810個(小数点以下切上げ))から、本譲渡制限付株式のうち当社取締役が保有している株式数(ただし、公開買付期間末日までにその譲渡制限期間の終期が到来し、譲渡制限が解除されるものを除きます。)(20,500株)に係る議決権の数(205個)を控除し(注3)、当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(25,660,500株)としているとのことです。これは、本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社株式の全て及び本新株予約権の全てを取得し当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされること、また、BBT所有株式については、当社と株式給付信託の受託者であるみずほ信託銀行株式会社との間で締結されている株式給付信託契約書(当該信託に係る信託管理人が従うべき信託管理人ガイドラインを含みます。)において、本公開買付けへの応募が想定されず、受託者は信託管理人の指図に基づき当該当社株式の議決権を一律不行使とする旨が規定されていることを踏まえ、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の総議決権数(ただし、BBT所有株式に係る議決権を除く。)の3分の2以上を所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したものであるとのことです。
(注3) 本譲渡制限付株式に関しては、譲渡制限が付されていることから、公開買付期間末日までにその譲渡制限期間の終期が到来し、譲渡制限が解除されるものを除き、本公開買付けに応募することができませんが、2024年11月14日付の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議していることから、本公開買付けが成立した場合には本スクイーズアウト手続(以下に定義します。)に賛同する見込みであると考えているとのことですので、買付予定数の下限を考慮するにあたって、これらの本譲渡制限付株式に係る議決権の数を控除しているとのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、公開買付者親会社から本公開買付けに係る決済の開始日の1営業日前までに310億円を限度として普通株式の第三者割当の方法により出資を受けるとともに、株式会社三菱UFJ銀行及び株式会社みずほ銀行から本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日前までに500億円を上限として融資(以下「本銀行融資」といいます。)を受けることを予定しており、これらの資金をもって、本公開買付けの決済資金に充当する予定であるとのことです。本銀行融資に係る融資条件の詳細は、株式会社三菱UFJ銀行及び株式会社みずほ銀行と別途協議の上、本銀行融資に係る融資契約において定めることとされているとのことですが、本銀行融資に係る融資契約では、公開買付者親会社が所有する公開買付者株式及び公開買付者が本公開買付けにより取得する当社株式が担保に供されることが予定されているとのことです。
当社は、2000年1月31日にインターネットを利用したマーケティングリサーチ会社として設立され、2004年1月には東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場、翌2005年4月には東京証券取引所市場第一部へ指定された株式会社マクロミル・ドット・コム(2001年12月に称号を株式会社マクロミル(以下「(旧)マクロミル」といいます。)に変更)を前身としています。WEB調査票作成、調査対象者抽出、依頼メール配信、実査(回答データ収集)、リアルタイム集計、納品データ生成に至るまでの一連の工程をWEB上で簡易的に行うことを可能とした自動インターネット・リサーチ・システムを独自開発し、郵送調査や訪問調査に代表される従来型の調査手法と比較して安価でスピーディーなマーケティングリサーチの提供を行うことで、マーケティングリサーチに対する潜在的な需要を喚起し、世界のマーケティングリサーチ会社のランキングを公表しているhonomichltop25によると、インターネットリサーチを主たる事業内容とする国内のマーケティングリサーチ会社の中では、2014年4月に上場廃止に至るまで売上高で第1位を継続し、マーケティングリサーチの中でも特に日本におけるオンラインリサーチ市場のリーディングカンパニーとして業績を伸ばしてきました。
国内マーケティングリサーチ市場の拡大に伴い、海外勢の進出なども含め新規参入者が増え、結果として価格競争が激化する等の外部環境の変化が生じていると考える中、(旧)マクロミルとしても短期的な業績変動を覚悟の上で、国内マーケティングリサーチ市場におけるリーディングカンパニーであるという自社の市場ポジショニングや競争優位性を抜本的に強化・改善することを目指した、大型のM&Aや積極的な投資等を行う必要が高まってきました。このことから、そうしたM&Aや投資等に伴う一時的な損失を少数株主に転嫁することを避けるべく、2014年4月に東京証券取引市場第一部の上場を廃止することにしました。上場廃止後には、主に今後の成長分野であるデジタルリサーチ(注1)の領域や海外におけるM&Aや投資等を実施すると共に、企業グループ体制の再編を行い、非公開化時には連結子会社5社及び関連会社2社により構成されていたところ、再上場時には当社、連結子会社25社及び関連会社2社で構成される企業グループを形成するに至っています。
2017年3月の同証券取引市場第一部への再上場(2022年4月には同証券取引市場の市場再編に伴い、同証券取引市場プライム市場に移行)以降も、創業当初より独自に構築してきた自社パネル(注2)から得られる多種多様なマーケティングデータ提供を通じて、消費者ニーズに合致した製品やサービスの提供ができるように顧客企業の意思決定を支援しており、当社、連結子会社21社及び関連会社4社で構成される企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)を形成するに至っています。当社グループが主な事業を営むマーケティングリサーチの市場は、従来の「リサーチ業界」から、業界の垣根を超えた融合が進み、デジタルデータの収集・分析を行う企業や、コンサルティング・レポート提供を行う企業など、関連するその周辺業界の売上を含む「インサイト(注3)産業」へと大きな転換期を迎えています。当社グループとしては特定の市場調査等のリサーチ課題に留まらず、より広範なマーケティング課題全体の解決を支援する「総合マーケティング支援企業」へと、その事業モデルの変革を推進しています。その変革はこれまで、日本及び韓国やその他アジア事業を中心に進めてきましたが、市場規模がより大きく、プラットフォームやソリューション等の技術変化が早い欧米を中心としたグローバル市場において事業展開し、「その他の海外事業」セグメントを構成していたSiebold Intermediate B.V.社及びその傘下のMetrixLabグループにおいては、より大きな規模で、よりスピーディーかつ抜本的な事業の変革が必要不可欠であると考え、2023年5月にToluna Holdings Limited(以下「Toluna社」といいます。)への事業譲渡を実施しています。Toluna社への事業譲渡を対価としたToluna社の持分取得(持分法適用会社化)を通じて、インサイト産業へと変革を遂げる市場環境の変化にいち早く対応することができ、より競争優位性及び成長力向上に繋がると判断しました。なお、当社グループは2023年6月期第3四半期まで、「日本及び韓国事業」セグメントと、「その他の海外事業」セグメントの2つを報告セグメントとしてきましたが、当該譲渡に伴い「その他の海外事業」を非継続事業に分類しており、当該事業の除外により、韓国事業の当社グループ内における重要性が相対的に上昇したため、2024年6月期の連結会計年度より、報告セグメントを「日本事業」と「韓国事業」に変更しています。
(注1) デジタルデータやデジタル施策を使ったマーケティング活動の総称であり、広告のプリテスト、様々なメディア媒体における広告効果測定、ソーシャルメディア分析等を通じて国内外における顧客企業のデジタル広告支出の最適化に資するデータを提供することを中心とした事業領域を意味します。
(注2) 質問票に対する回答者予備群として会員登録されている様々な属性の調査対象者のことをいいます。
(注3) 様々な購買行動の根底にある、消費者を購買へと誘導する要因をいいます。
a) 日本事業
日本においては当社並びに広告代理店との合弁事業である株式会社電通マクロミルインサイト及びQO株式会社(旧株式会社H.M.マーケティングリサーチ)等の子会社で構成され、主に当社が独自開発した自動インターネット・リサーチ・システムを利用したオンラインリサーチ、デジタルリサーチ、オフラインリサーチ及びデータベースサービスを提供しています。
マーケティングリサーチとは、企業や公共機関が、消費者が本当に望んでいるもの、本当に魅力を感じるものを作るための情報(消費者インサイト)を科学的に集め、分析し、商品企画や販売戦略等に反映させる方法です。
マーケティングリサーチ市場における一般的な市場調査は、郵送・電話・座談会等で、消費者の意見を聴取する手法(オフラインリサーチ)と、インターネットを活用してパネルと質問・回答のやり取りを行う手法(オンラインリサーチ)に大別されますが、当社は日本において他社に先駆けてオンラインリサーチ事業を開始し、日本のオンラインリサーチ市場においてNo.1の市場シェア(注4)を有しています。
b) 韓国事業
韓国においては、Macromill Embrain Co., Ltd.とその子会社で構成されており、日本同様に、オンラインリサーチ及びオフラインリサーチを主なサービスとして提供しています。
また、韓国の大手リサーチ会社の中で唯一保有する自社パネル基盤を生かし、日本で既に実施している購買データ提供等に係る新規事業を推進するなど、自社の構造的な強みを活かしたサービス展開を図り、日本で先行して進めている事業モデルの変革を韓国においても追及しています。
当社グループは2023年8月に2024年6月期~2026年6月期までの中期経営計画(3カ年)を策定、公表しており、「主力のオンライン及びデジタルリサーチに再フォーカス」、及び「事業モデルの変革の継続」を主要な方針としています。
財務目標としては、2026年6月期の連結売上高530億円、連結営業利益75億円を目標としております。
日本事業においては、当社グループの主力事業である収益性の高いオンライン及びデジタルリサーチの成長回帰に注力しています。また、将来の売上及び利益を牽引する事業を育成するため、アジア地域での事業拡大及びグローバルリサーチの強化や、データ利活用支援(データコンサルティング)、プラットフォーム型のソリューション(注5)開発を推進し、事業モデルの変革をさらに加速することで、総合マーケティング支援企業としてプレゼンス向上を図ります。
韓国事業においては、日本で既に実施している購買データ提供に係るサービスを開始するなど、自社パネルから取得したデータを主軸としたサービスを本格的に開始する方針です。また、売上収益の拡大とともに、付加価値とサービス範囲の再定義及び価格の見直しや、リサーチプロセスの改善及びリサーチ基幹システムの全面刷新等による業務効率化・生産性の向上に取り組み、利益の最大化を図る方針です。
前述のとおり、当社グループを取り巻く経営環境及び経営状況は、転換点を迎えています。マーケティングリサーチ産業からインサイト産業への転換や、コンサルティングファームの台頭を含む競合の多様化など、ビジネスを取り巻く環境が変化し続けています。また、データの重要性の高まりに伴い、国内外で、セキュリティやプライバシーの更なる強化や対応スピードの一層の加速化が求められています。加えて、労働時間の制約・人件費の高騰・人材流動性の高まりによりテクノロジーの活用を通じた生産性向上の実現に向けた変革の加速が不可欠である状況です。
そのような経営環境及び経営状況の下、当社グループが中期経営計画を達成し、さらにそれ以降も長期的な成長を実現していく上では、下記の取組みが必須であると考えています。
a) 基幹システムの刷新に向けた投資の継続
テクノロジーの進化、セキュリティ及びプライバシーの強化ニーズ、事業変化の加速化並びにデータニーズの高まり等に対応するため、これまでの基幹システムの抜本的な見直しを加速し、今後の成長を支える基盤へと進化させること。
コストの最適化、事業展開の加速化及び環境変化への迅速な対応のために、テクノロジーチームの内製化とシステム関連の外部パートナーの見直し。
b) 新ソリューションの展開
AIを含む最新のテクノロジーを活用し、当社グループの強みであるパネルデータ(注6)とマーケティングデータに関するノウハウをかけ合わせたソリューションを投入すること。
事業のスケールが人員数に制限されないビジネスモデルの構築、及び日本国内だけでなく、海外でも通用するソリューションの開発・展開。
c) 事業領域の拡大
基幹システムの刷新及び新ソリューションの展開に伴い、マーケティングリサーチ領域の周辺にある高付加価値サービスへと人材をシフトさせ、事業の拡大を図ると共に、リサーチデータのニーズを向上させること。
オーガニック(注7)な成長に加えて、M&Aやアライアンス(注8)の積極的な活用。
(注4) オンラインリサーチ市場シェア=当社日本事業 注力事業及び株式会社電通マクロミルインサイトにおけるオンラインリサーチ、株式会社H.M.マーケティングリサーチのオンラインリサーチに係る売上高(2024年6月期)÷一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)によって推計された日本のMR業界市場規模アドホック調査のうちインターネット調査分(2023年分)(出典:一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)2024年6月 第49回経営業務実態調査)
(注5) 顧客が抱えている課題に対する解決策を提供することをいいます。
(注6) パネル調査により取得されたデータをいいます。
(注7) 既存の経営資源を活用した手法をいいます。
(注8) 業務提携や資本提携を含む、企業間における協力関係の構築をいいます。
転換点を迎えている事業環境下においてこれらの取組みを先延ばしにすると、当社グループの中長期的な競争力の低下につながるおそれがあるため、上記施策の早期かつ着実な実行が、当社グループの経営戦略上極めて重要であると考えています。しかしながら、こうした積極的な投資の継続や経営・事業基盤の強化等の取組みは、中長期的には当社グループの企業価値向上に資するものであったとしても、短期的には一時的な利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化をもたらすリスクがあります。一方、資本市場においては、中長期的な視点に立った積極的な成長施策よりも短期的な収益性確保が選好される傾向が近年更に強まっていると考えています。このような環境下において、当社が上場を維持したまま、上記施策を講じる場合には、当社グループの本源的な成長を達成するための戦略と資本市場からの期待に乖離が生じて、必ずしも十分な評価を得ることができず、当社の株価に悪影響を及ぼし、既存株主の皆様に不利益を与える可能性も否定できません。
そのため、当社は、2024年初頃、機動的かつ柔軟に経営課題に対処し、事業拡大及び経営基盤の強化を推進して当社の企業価値を高めていくための様々な選択肢を模索しておりました。そのような状況の中、当社は2024年4月以降、CVCを含む3社のプライベート・エクイティ・ファームと中長期的な経営戦略及び施策等について意見交換や協議を行い、2024年4月下旬、中長期的な成長を通じた当社の企業価値向上のための取組みに対して付加価値を提供することを期待できる戦略的パートナーの下で、株式市場からの短期的な業績期待に左右されない状況下で十分な事業投資、大胆な経営改革を行うために当社株式を非公開化することを選択肢の一つとして考えるに至りました。
CVCは、2024年4月上旬に、当社より、当社の企業価値の向上を目的としたCVCと当社との協業に関する協議の申し入れを受けたとのことです。CVCは、当社及び当社の属する業界の分析を通じて、当社の競合他社における積極的な資本投下による生成AIを活用した生産性の向上、新たなAIスタートアップへの投資の推進といった当社が直面する市場環境・競争環境の大きな変化の中、当社のコアビジネスの競争力の維持・強化、事業モデルの変革、グローバル展開の加速を上記の市場環境・競争環境の大きな変化の中で実現するためには、早期に集中的かつ機動的な投資やM&Aが必要であり、また、CVCファンドの投資先企業との資本業務提携を含む海外でのアライアンスや、CVCが持つマーケティング及びDX(注9)/AI(注10)に関する知見や、全世界30拠点を展開し、各拠点において様々な投資先企業を持つネットワークを活用することにより、当社の事業モデル変革のサポートや、CVCファンドの投資先ネットワークを活用した顧客の紹介を通じた当社の売上への貢献等を通じ、当社事業の成長を支援できるとの考えを持ち、2024年5月下旬、CVCは当社に対し、CVCによる当社の事業理解、CVCと当社が協業した場合のCVCファンドの投資先との協業アイデアや、CVCによる当社が属する業界に関する市場の見立て共有を含む戦略等に関する説明を行うと同時に、更に当社の事業理解を深めるため、当社の事業に関する初期的なビジネス・デューディリジェンスを実施したい旨を連絡したとのことです。2024年6月中旬、CVCは、当社より、CVCに当社との協業に関する検討の機会を与えるため、当社の事業に関する初期的なビジネス・デューディリジェンスを受け入れる旨の回答を得たとのことです。CVCは、2024年6月中旬から2024年8月中旬にかけて行われた、当社経営陣及び実務者に対する計15回のインタビューの実施や資料開示を含む初期的なビジネス・デューディリジェンスの中で、当社が直面する市場環境・競争環境の大きな変化の中で当社がコアビジネスの競争力の維持・強化、事業モデルの変革、グローバル展開の加速を実現するためには、集中的かつ機動的な投資やM&Aを行うことが必要であるとの認識を改めて持ちました。一方で集中的かつ機動的な投資やM&Aを行うためには当社を非公開化することで、株式市場からの短期的な収益改善圧力に左右されることなく、中長期的な視点に基づく成長戦略を実行することが必要との考えを持ち、2024年8月21日、当社に対して、本公開買付けを通じて当社株式を非公開化することに関する正式な意向を表明する提案書(以下「第1回提案書」といいます。)を提出したとのことです。なお、本公開買付価格を含む本公開買付けの諸条件については第1回提案書には含まれていないとのことです。CVCは、2024年8月28日、当社より、第1回提案書の内容を検討した結果、9月上旬から10月上旬にかけて、当社株式の非公開化を前提とした、CVCからのデュー・ディリジェンスを受け入れることを決定したとの回答を得たとのことです。
(注9) DXとは、Digital Transformationの略であり、データやデジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルの創出や既存ビジネスの変革を行うことをいいます。
(注10) AIとは、Artificial Intelligence(人工知能)の略で、コンピュータが蓄積されたデータを学習・分析し、推論や判断、課題解決などを行う技術を指します。
公開買付者は、2024年10月10日、かかるデュー・ディリジェンスの状況等を踏まえ、重大な問題点が検出されなかったことから、本取引の実現可能性が高まったと判断し、当社の事業、財務及び将来計画に関する多面的かつ総合的な分析を行い、本公開買付価格を、2024年10月9日時点の当社株価終値802円に対して24.69%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、過去1ヶ月間終値平均(798円)に対して25.31%、過去3ヶ月間終値平均(814円)に対して22.85%、過去6ヶ月間終値平均(813円)に対して23.00%のプレミアムをそれぞれ付した金額である1,000円、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)を、本公開買付価格1,000円と本新株予約権の当社株式1株あたりの行使価額である550円との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額である45,000円とする旨及び本公開買付けの諸条件に関して、買付け等の期間を11月15日から12月26日の30営業日とし、買付予定数の下限を本基準株式数に係る議決権の数に3分の2を乗じた数(小数点以下切り上げ)に100株を乗じた数以上となるよう設定し、上限を設定しない旨が記載された提案書(以下「第2回提案書」といいます。)を提出したとのことです。公開買付者は、2024年10月11日、当社から、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」といいます。)からの当社株式の株式価値に係る試算結果を含む助言、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)の助言及び本特別委員会(下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」において定義します。以下同じです。)における協議・検討結果に基づいて、本公開買付価格の引き上げを要請されたことから、公開買付者は、当社からの引き上げ要請の理由を真摯に検討し、2024年10月15日に本公開買付価格を2024年10月15日時点の当社株価終値800円に対して33.75%、過去1ヶ月間終値平均(804円)に対して33.08%、過去3ヶ月間終値平均(811円)に対して31.94%、過去6ヶ月間終値平均(814円)に対して31.45%のプレミアムをそれぞれ付した金額1,070円、本新株予約権買付価格を52,000円とする旨及び本公開買付けの諸条件に関して第2回提案書から変更はない旨が記載された提案書(以下「第3回提案書」)を提出したとのことです。公開買付者は、2024年10月17日、当社から、三菱UFJモルガン・スタンレー証券からの当社株式の株式価値に係る試算結果を含む助言、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言も参考に、本公開買付価格の引き上げを要請されたことから、公開買付者は、当社からの引き上げ要請の理由を真摯に検討し、2024年10月23日に本公開買付価格を2024年10月23日時点の当社株価終値808円に対して37.38%、過去1ヶ月間終値平均(808円)に対して37.38%、過去3ヶ月間終値平均(805円)に対して37.89%、過去6ヶ月間終値平均(818円)に対して35.70%のプレミアムをそれぞれ付した金額である1,110円、本新株予約権買付価格を56,000円とする旨及び本公開買付けの諸条件に関して第2回提案書から変更はない旨が記載された提案書(以下「第4回提案書」といいます。)を提出したとのことです。公開買付者は、2024年10月25日、当社から、三菱UFJモルガン・スタンレー証券からの当社株式の株式価値に係る試算結果を含む助言、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言も参考に、本公開買付価格の引き上げを要請されたことから、公開買付者は、当社からの引き上げ要請の理由を真摯に検討し、2024年10月29日に本公開買付価格を2024年10月29日時点の当社株価終値802円に対して40.40%、過去1ヶ月間終値平均(804円)に対して40.05%、過去3ヶ月間終値平均(800円)に対して40.75%、過去6ヶ月間終値平均(820円)に対して37.32%のプレミアムをそれぞれ付した金額である1,126円、本新株予約権買付価格を57,600円とする旨及び本公開買付けの諸条件に関して第2回提案書から変更はない旨が記載された提案書(以下「第5回提案書」といいます。)を提出したとのことです。公開買付者は、2024年11月1日、三菱UFJモルガン・スタンレー証券からの当社株式の株式価値に係る試算結果を含む助言、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言も参考に、本公開買付価格の引き上げを要請されたことから、公開買付者は、当社からの引き上げ要請の理由を真摯に検討し、2024年11月6日に本公開買付価格を2024年11月6日時点の当社株価終値800円に対して43.75%、過去1ヶ月間終値平均(805円)に対して42.86%、過去3ヶ月間終値平均(800円)に対して43.75%、過去6ヶ月間終値平均(821円)に対して40.07%のプレミアムをそれぞれ付した金額である1,150円、本新株予約権買付価格を60,000円とする旨及び本公開買付けの諸条件に関して第2回提案書から変更はない旨が記載された提案書(以下「第6回提案書」といいます。)を提出したとのことです。公開買付者は、2024年11月7日、当社より、本公開買付価格を1,150円、本新株予約権買付価格を60,000円とすることを応諾する旨の回答を受けたとのことです。
公開買付者は、当社との間で、上記のとおり本公開買付価格及び本新株予約権買付価格について協議を重ねたうえで、当社の2025年6月期の中間配当及び期末配当が無配であることを前提として、2024年11月14日、本公開買付価格を1,150円とし、本新株予約権買付価格を60,000円として、本取引の一環として本公開買付けを開始することを決定したとのことです。
その後、公開買付者は、2024年11月15日から本公開買付けを開始いたしましたが、本公開買付け開始後における当社株式の市場株価の状況、当社の株主の皆様による本公開買付けへの応募状況及び今後の応募の見通しを総合的に勘案し、当社の株主の皆様に判断機会を提供し、本公開買付けの成立可能性を高めるため、2024年12月26日付で、公開買付期間を2025年1月17日まで延長し、合計40営業日とすることを決定したとのことです。
公開買付者は、本取引成立後の当社の経営方針について、次のとおり考えているとのことです。
公開買付者は、当社について、2000年にインターネットを利用したマーケティングリサーチ会社として設立され、一連のリサーチをWEB上で簡易に行うことを可能とした自動インターネット・リサーチ・システムを独自開発し、安価でスピーディなマーケティングリサーチの提供を行う事業を開始して以降、オンラインリサーチ業界における先駆者として、マーケティングリサーチを実施する幅広い顧客企業と強固な関係性を構築しており、幅広い顧客のマーケティング全般を請け負う広告代理店(電通・博報堂)とジョイントベンチャーを持つほどの強い関係性を維持している一方で、競合企業における積極的な資本投下によるインサイト領域への展開の加速や、AIによる生産性の向上・AIスタートアップへの投資の推進といった動きを踏まえ、当社においてもオンライン及びデジタルリサーチへの再フォーカス、事業モデルの変革の継続により、総合マーケティング支援企業としてのさらなる進化が必要であると考えているとのことです。
具体的には、当社の各事業において以下の施策を計画しているとのことです。
(ⅰ)DX/AI投資(市場・顧客動向をタイムリーに把握するためのリサーチシステム刷新、SaaS(注1)サービス強化を含むプラットフォーム化)への資金投入及び専門人材の紹介による生産性向上・提供サービス強化
(注1) Software as a Serviceの略称であり、ユーザーがインターネット等のネットワークを経由して利用できるサービスのことをいいます。
(ⅱ)採用戦略の強化や外部企業との連携強化、専門的なアドバイザーによるサポートを活用したコンサルティング事業成長の支援
(ⅲ)M&Aに関する包括的支援(グローバルネットワークを活かしたM&Aの機会拡大、戦略策定、M&A実行後の円滑な統合に向けたPMI支援等)
(ⅳ)生産性改善や付加価値向上に資する人材の質・量の向上に向けた採用プロセス改善・離職抑制支援
(ⅴ)高付加価値サービス提供のためのマーケティング強化支援
(ⅵ)CVCファンドの投資先企業が保有する医療関係ネットワーク活用による、医療従事者や患者向けマーケティングリサーチのパネルの基盤拡大の支援を通じたライフサイエンス事業成長の加速
(ⅶ)CVCのネットワーク活用による、東南アジアを中心としたグローバル展開の加速
本公開買付けが成立した場合、当社の経営陣及び従業員とのパートナーシップを基本理念としつつ、上記(ⅰ)~(ⅶ)の施策を含む当社の本質的な強みに着目した当社の中長期的な成長を企図した事業戦略の構築、CVCがこれまでに構築してきた上記の各施策の実行に関する専門知識を有する多数のプロフェッショナル経営者や人材サーチ会社とのネットワークの活用、並びにM&A等の成長戦略実行に際しての資金・戦略実行面からの支援を通じて、当社の企業価値の向上を目指すとのことです。
また、公開買付者は、本取引実施後、当社に取締役を3~4名派遣することを想定しているとのことですが、現時点で決定している事項はなく、本公開買付けの成立後に、当社との間で協議・検討の上、方針を決定する予定であるとのことです。
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、機動的かつ柔軟に経営課題に対処し、事業拡大及び経営基盤の強化を推進して当社の企業価値を高めていくための様々な選択肢を模索しておりました。そのような状況の中、当社は2024年4月以降、CVCを含む3社のプライベート・エクイティ・ファームと中長期的な経営戦略及び施策等について意見交換や協議を行い、2024年4月下旬、中長期的な成長を通じた当社の企業価値向上のための取組みに対して付加価値を提供することを期待できる戦略的パートナーの下で、株式市場からの短期的な業績期待に左右されない状況下で十分な事業投資、大胆な経営改革を行うために当社株式を非公開化することを選択肢の一つとして考えるに至りました。
その後、当社はCVCより2024年5月下旬に、CVCとして考える当社の事業理解、今後の戦略等の説明を受けると同時に、当社のビジネスの理解を深めて議論・検討を行うために初期的なビジネス・デューディリジェンスを実施したい旨の連絡を受けたことを踏まえ、かかる提案について慎重に検討を行うため、2024年5月下旬に、公開買付者、CVC、CVCファンド及び当社並びに本取引の成否のいずれからも独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として三菱UFJモルガン・スタンレー証券を、2024年6月上旬に、公開買付者、CVC、CVCファンド及び当社並びに本取引の成否のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所をそれぞれ選任しました。その後、6月中旬にCVCに対して本件の検討に向けた協議を進める旨の連絡をした上で、かかる非公開化を含む企業価値向上施策の検討の機会を与えることとしました。なお、CVCとの協議と並行して、当社はCVCを含む3社のプライベート・エクイティ・ファームとも接点を持ち、意見交換や協議を行いましたが、CVCとの間で意見交換や協議を重ねる中で、6月上旬には、CVCファンドは他のプライベート・エクイティ・ファンドと比較してより長期的な投資が可能であり、且つ、CVCは当社への成長戦略への共感度と貢献可能性が高いため、CVCとの間で協議を進めるべきと考えるようになりました。具体的には、アジアでの投資先の7割以上がコンシューマーに関連する企業であるCVCファンドの投資先のネットワークを活用した当社の東南アジアでの事業展開における潜在顧客の拡大や資金面のサポートを含めた中長期的な成長の支援、CVCの持つマーケティング及びDX/AIの知見とネットワークの活用によるマーケティングリサーチ事業を中心とする国内ビジネスの進化の加速が可能であることがあげられます。その後、2024年6月中旬から8月中旬における初期的なビジネス・デューディリジェンスを経て、2024年8月21日にCVCより当社の非公開化についての意向表明書を受領しました。当社においては、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引にかかる当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の恣意性を排除し、その公正性を担保することを目的として、2024年8月28日に開催の取締役会決議により、公開買付者、CVC、CVCファンド及び当社並びに本取引の成否のいずれからも独立した、いずれも当社の社外取締役である志賀裕二氏(当社社外取締役・独立役員(なお、志賀裕二氏は2024年9月25日付で独立役員となっております。))、中川有紀子氏(当社社外取締役・独立役員)、伊藤公健氏(当社社外取締役・独立役員)及びコバリ・クレチマーリ・シルビア氏(当社社外取締役・独立役員)の4名によって構成される特別委員会(なお、当社は、2024年9月25日開催の当社取締役会により、同日付で当社の社外取締役として選任された西谷剛史氏(当社社外取締役・独立役員)を本特別委員会の委員として追加で選任しており、当該追加選任前においては西谷剛史氏を除く4名によって構成される特別委員会を、当該追加選任後においては西谷剛史氏を含む5名によって構成される特別委員会を、以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本取引の是非、取引条件の妥当性及び手続の公正性等について諮問いたしました。また、当社は、上記2024年8月28日開催の取締役会において、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、当社取締役会の委嘱に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しない(本公開買付けに賛同せず応募推奨しない)こととすることを決議しております。
また、当社は、「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、同日、本特別委員会において、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所並びに当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けました。
上記体制の下、当社は、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示及び要請等に基づいた上で、アンダーソン・毛利・友常法律事務所及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券から助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性等に関して公開買付者との間で複数回に亘る協議・交渉を行いました。
具体的には、当社は、本特別委員会において当社としての本取引の目的や意義を2024年9月上旬に確認した後、本特別委員会を通じて、2024年9月13日にCVCに対して本取引の意義・目的等に関して書面による質問を行い、2024年9月30日にCVCから当該質問事項について書面による回答を受けるとともに、2024年10月2日に、特別委員会によるCVCに対するインタビューを実施して、本取引の意義及び目的、本取引の実施時期・方法、本取引の検討に至った経緯、業界再編を含む本取引後の経営方針等を確認しました。
また、本公開買付価格を含む本取引に関する取引条件については、当社は、2024年10月10日に、公開買付者から、本公開買付価格を1,000円(提案実施日の前営業日である同月9日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値802円に対して24.69%のプレミアムを加えた金額となります。)、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格1,000円と本新株予約権の当社株式1株あたりの行使価額である550円との差額に本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額である45,000円とする旨、及び本公開買付けの諸条件に関して、買付け等の期間を11月15日から12月26日の30営業日とし、買付予定数の下限を本基準株式数に係る議決権の数に3分の2を乗じた数(小数点以下切り上げ)に100株を乗じた数以上となるよう設定し、上限を設定しない旨の第2回提案書を受領しました。当社は、第2回提案書における公開買付者の提案に対し、2024年10月11日に、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で当社及び本特別委員会が想定している当社の本源的価値を著しく下回っていると考え、本公開買付価格の再検討を要請しました。その後、当社は、2024年10月16日に、公開買付者から、本公開買付価格を2024年10月15日時点の当社株価終値800円に対して33.75%、過去1ヶ月間終値平均(804円)に対して33.08%、過去3ヶ月間終値平均(811円)に対して31.94%、過去6ヶ月間終値平均(814円)に対して31.45%のプレミアムをそれぞれ付した金額である1,070円、本新株予約権買付価格を52,000円とする旨及び本公開買付けの諸条件に関して第2回提案書から変更はない旨の第3回提案書を受領しました。当社は、第3回提案書における公開買付者の提案に対し、2024年10月17日、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で当社及び本特別委員会が想定している当社の本源的価値を大きく下回っているだけでなく、価格の引き上げ幅も不十分であると考え、本公開買付価格の再検討を要請しました。その後、当社は、2024年10月23日に、本公開買付価格を2024年10月23日時点の当社株価終値808円に対して37.38%、過去1ヶ月間終値平均(808円)に対して37.38%、過去3ヶ月間終値平均(805円)に対して37.89%、過去6ヶ月間終値平均(818円)に対して35.70%のプレミアムをそれぞれ付した金額である1,100円、本新株予約権買付価格を56,000円とする旨及び本公開買付けの諸条件に関して第2回提案書から変更はない旨の第4回提案書を受領しました。当社は、第4回提案書における公開買付者の提案に対し、2024年10月25日、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で当社及び本特別委員会が想定している当社の本源的価値が反映されたものとは評価できず、価格の引き上げ幅も不十分であり、また、当社の少数株主の利益に対して配慮がなされた水準であるとも評価できないと考え、本公開買付価格の再検討を要請しました。その後、当社は、2024年10月29日に、本公開買付価格を2024年10月29日時点の当社株価終値802円に対して40.40%、過去1ヶ月間終値平均(804円)に対して40.05%、過去3ヶ月間終値平均(800円)に対して40.75%、過去6ヶ月間終値平均(820円)に対して37.32%のプレミアムをそれぞれ付した金額である1,126円、本新株予約権買付価格を57,600円とする旨及び本公開買付けの諸条件に関して第2回提案書から変更はない旨の第5回提案書を受領しました。当社は、第5回提案書における公開買付者の提案に対し、2024年11月1日、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で当社及び本特別委員会が想定している当社の本源的価値が反映されたものとは評価できず、価格の引き上げ幅も不十分であり、また、当社の少数株主の利益に対して配慮がなされた水準であるとも評価できないと考え、本公開買付価格の再検討を要請しました。その後、当社は、2024年11月6日に、公開買付者による最終提案価格として、本公開買付価格を2024年11月6日時点の当社株価終値800円に対して43.75%、過去1ヶ月間終値平均(805円)に対して42.86%、過去3ヶ月間終値平均(800円)に対して43.75%、過去6ヶ月間終値平均(821円)に対して40.07%のプレミアムをそれぞれ付した金額である1,150円、本新株予約権買付価格を60,000円とする旨及び本公開買付けの諸条件に関して第2回提案書から変更はない旨の第6回提案書を受領しました。これを受けて、当社は、2024年11月7日開催の本特別委員会における検討を踏まえた結果、上記提案価格(本公開買付価格1,150円、本新株予約権買付価格60,000円)は、公開買付者による最終提案価格であって、これ以上の増額を要請することは難しいと考えられた一方で、三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式の株式価値算定結果や、経済産業省作成の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)公表の2019年6月28日以降に公表され、2024年11月13日までに成立した事例のうち、国内上場企業を対象とし完全子会社化を企図した上限が付されていない他社株公開買付けの事例(マネジメント・バイアウト(MBO)(注)の事例を除く。)におけるプレミアム水準と比較しても、他の同種案件と遜色ないプレミアムが確保されていると認められる水準であると考え、公開買付者に対し、2024年11月7日、正式な意思決定は2024年11月14日付の取締役会にて承認されることを条件として、上記提案価格(本公開買付価格1,150円、本新株予約権買付価格60,000円)をもって、本公開買付けに賛同し、当社の株主及び本新株予約権者に対しては応募を推奨する予定である旨回答しました。プレミアム水準の詳細については、下記「(ⅲ)判断内容」をご参照ください。
(注) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が当社の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって当社の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。
以上の経緯の下で、当社は、2024年11月14日付の取締役会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から受けた財務的見地からの助言並びに同年11月14日付で提出を受けた当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会における検討及び本特別委員会から2024年11月14日付で取得した答申書(以下「本答申書」といいます。)において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、以下のとおり、当社は、本取引は当社グループの企業価値の向上に資すると判断いたしました。
すなわち、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社グループを取り巻く経営環境は転換点を迎えており、持続的な成長及び収益性向上に向けては、様々な施策を通じた事業モデルの変革により、総合マーケティング支援企業としてプレゼンスを向上していくことが必要不可欠です。
中期経営計画1年目は、これまでの施策が奏功し、好環境サイクルが回り始め順調に進捗しています。離反顧客の呼び戻し、業務の効率化・生産性の改善、提案営業力の強化、付加価値向上と戦略的プライシング、潜在ニーズの顕在化等の施策を実行し、2024年6月期においては、日本事業の売上収益は前期比8.0%成長、韓国事業の売上収益は前期比7.3%成長となり、連結全体の売上収益は前期比8.0%成長となり、市場成長を上回る成長を実現しています。
中期経営計画の達成に向けて事業及び業績は順調に進捗しているものの、インサイト産業への移行による顧客ニーズの多様化、コンサルティングファームの台頭等の目まぐるしい事業環境の変化が起こっている中で当社の競争優位性及び収益性を維持する上では、今後も基幹システムの刷新、新ソリューションの展開、事業領域の拡大に向けた積極的な投資が必要となります。短期的な業績への影響にとらわれない中長期的な投資を機動的に推進する必要がある中で、これらの施策を行うにあたり上場を維持した場合には、中長期的には当社グループの企業価値向上に資するものであったとしても、一時的な利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化等により、既存株主の皆様に不利益を与える可能性も否定できないことから、少数株主の利益保護等の観点から戦略として採用しにくいと考えています。したがって、当社は、当社が中長期的に競争力・収益力を高めるための各取組みを柔軟かつ機動的に推進するためには、戦略的パートナーの下で非公開化することが有効であると考えるに至りました。
そして、当社は、2024年11月14日付の当社取締役会において、本取引を通じて、短期的な業績変動にとらわれることなく、中長期的な視点で経営課題に機動的かつ柔軟に取り組み、CVCの豊富な実績及び知見・ネットワークを最大限活用することで、当社グループの持続的な成長の実現、及び当社グループの中長期的な企業価値の向上の実現可能性を高めることができると判断しました。これらの実現可能性を高めるために、CVCから得られると当社が考えるサポートは以下のとおりです。
a) 長期視点での経営に基づく成長戦略・投資の機動的な実行の支援
上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社グループは基幹システムの刷新、新ソリューションの展開、事業領域の拡大に向けた積極的な投資が必要不可欠な状況にあります。「経営陣とのパートナーシップを前提に、中長期的な成長戦略に着目して投資を実行し、投資先企業の継続的な成長を支援することで、新たな企業価値の創造を実現」というCVCファンドの投資理念を基に、短期的な株主利益及び収益確保のためのコストコントロール等に縛られず、長期的視点に基づく成長戦略・投資を機動的に実行することができます。また、本件に投資を実行するファンドは、2024年に設立されており、企業成長の進捗に応じて長期的な保有が可能とのことで、長期的な視点での経営が期待されます。
b) バリューアップノウハウ及び経営リソースの提供
上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ)本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、CVCはこれまで蓄積してきたCVCファンドの投資先に対する豊富なバリューアップノウハウを提供するとともに、CVCファンドによる先行投資のための資金投入を含む、各種支援を行い、当社の事業の潜在的価値の最大化を実現させていく予定とのことです。具体的には、(1) DX/AI投資(リサーチシステム刷新、プラットフォーム化)への資金投入及び専門人材の紹介による生産性向上・提供サービス強化、(2) 採用強化支援、提携先企業のご紹介、外部アドバイザーの招聘によるコンサルティング事業の成長の加速、(3) M&Aに関する包括的支援(グローバルネットワークを活かしたM&Aの機会拡大、戦略策定、PMI支援等)、(4) 生産性改善や付加価値向上に資する人材の質・量の向上に向けた採用プロセス改善・離職抑制支援、(5) 高付加価値サービス提供のためのマーケティング強化支援、(6) CVCファンドの投資先の総合メディカルグループが保有する医療関係ネットワーク活用による、未病・健康維持に関するヘルスケア領域におけるライフサイエンス事業成長の加速、(7) CVCのネットワーク活用による、東南アジアを中心としたグローバル展開の加速を支援していく予定とのことです。
なお、当社株式の非公開化を行った場合には、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先との関係の構築等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、当社グループが持つ競争優位性は、消費者パネルデータと役職員に蓄積された知見にあり、これらは上場の有無にかかわらず維持されるものであり、取引先からの認知度や信頼性が大きく変わることはないと考えています。また、非公開化を通じて付加価値・競争力を高め、グローバルなインサイト企業として持続的に成長することは、従業員の士気の維持・向上に繋がるものと考えています。加えて、当社株式の非公開化により、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなるものの、既存行を中心とした間接金融に加えて、必要に応じてCVCファンドからのエクイティを通じた資金支援を予定しており、当該デメリットが当社グループの事業に与える影響は大きくないと考えられます。したがって、当社取締役会は、当社株式の非公開化のメリットはそのデメリットを上回ると判断いたしました。以上を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社グループの企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、当社は、主として以下の点から、本公開買付価格は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された価格として妥当性を有し、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a) 本公開買付価格が、当社において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(b) 本公開買付価格が、下記「(3) 算定に関する事項」に記載されている三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式価値算定書における当社株式の株式価値算定結果のうち、市場株価分析及び類似企業比較分析による算定結果を上回っており、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー(以下「DCF」といいます。)分析による算定結果のレンジの範囲内であること。
(c) 本公開買付価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2024年11月13日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日の終値806円に対して42.68%(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値807円に対して42.50%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値802円に対して43.39%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値825円に対して39.39%のプレミアムが加算されたものであり、かかるプレミアムの水準は、M&A指針公表の2019年6月28日以降に公表され、2024年11月13日までに成立した事例のうち、国内上場企業を対象とし完全子会社化を企図した上限が付されていない他社株公開買付けの事例(マネジメント・バイアウト(MBO)の事例を除きます。)187件のプレミアム水準の中央値(公表日の前営業日の終値に対して42.64%、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して43.13%、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して42.72%、公表日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して43.57%)と比較しても、本公開買付けにおいては他の同種案件と遜色ないプレミアムが確保されていると認められること。
(d) 本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
また、当社は、本新株予約権買付価格については、本公開買付価格と本新株予約権の行使価額との差額を基準に算定されていることから、上記(a)乃至(d)の点等を踏まえ、本取引を通じて本新株予約権者の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であると判断いたしました。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2024年11月14日付の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。上記取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認」をご参照ください。
当社は、公開買付者、CVC、CVCファンド及び当社並びに本取引の成否のいずれからも独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年11月14日に、当社株式価値算定書を取得いたしました。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)と同一の親会社をもつ会社であり、三菱UFJ銀行は、CVCファンド及び当社に対して通常の銀行取引の一環として融資取引を行っており、また、公開買付者に対して、本公開買付けの決済に要する資金に係る融資を行う予定ではありますが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券によれば、法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4の適用法令に従い、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券及び三菱UFJ銀行の間並びにそれぞれの社内において、弊害防止措置として、当社に関する情報について厳格に管理する情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ、実施していることから、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJ銀行の判断に影響を受けることなくファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての役務を提供しており、三菱UFJ銀行の貸付人の地位とは独立した立場で当社株式の株式価値の算定を行っているとのことです。また、本特別委員会は、第1回の特別委員会において、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が過去の同種取引のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての実績を有していることから、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関とすることを追認しております。なお、当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、本取引に係る三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了等を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断のうえ、上記の報酬体系により三菱UFJモルガン・スタンレー証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しました。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価分析を、当社と比較的類似する事業を手掛ける上場企業が複数存在し、類似企業比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似企業比較分析を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するため、DCF分析を用いて当社株式の株式価値の算定を行っています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券により上記各手法において算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりです。
市場株価分析 :802円~825円
類似企業比較分析 :689円~850円
DCF分析 :1,068円~1,509円
市場株価分析では、2024年11月13日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値806円、直近1ヶ月間の終値単純平均値807円、直近3ヶ月間の終値単純平均値802円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値825円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を802円から825円までと算定しております。
類似企業比較分析では、当社と比較的類似する事業を手掛ける上場企業の市場株価や財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を689円から850円までと算定しております。
DCF分析では、当社が作成した2025年6月期から2029年6月期までの5期分の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,068円から1,509円までと算定しております。なお、DCF分析の前提とした本事業計画においては、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれておりません。また、本事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではないため、本公開買付けにより実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味しておりません。
(注) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の分析及びその基礎となる当社株式の株式価値の分析は、公開買付者による当社株式への本公開買付けに対する意見表明の検討に当たって当社の取締役会の参考に資するためのみに同取締役会に宛てたものです。当該分析は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券又はその関係会社による財務上の意見又は推奨を構成するものではなく、本公開買付けに関する一切の当社若しくは公開買付者の株主の行動又は本取引に関する一切の株主総会に関する株主による議決権行使若しくはその他の行動に関して意見を述べたり、また、本取引への賛同を推奨したりするものでもありません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び既に公開されている情報等をそのまま採用し、それらの資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、2024年11月13日(以下「対象日」といいます。)時点で得られる最善の予測と判断に基づき当社により合理的に作成されたことを前提としております。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本取引のために必要な政府機関、監督官庁等による許認可、同意等は全て取得可能であり、かつ、かかる許認可、同意等には、本取引に重大な悪影響を及ぼすような遅延、制限又は条件が付されないことを前提としております。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、法務、会計、税務に関するアドバイザーではありません。三菱UFJモルガン・スタンレー証券はファイナンシャル・アドバイザーであり、法務、会計、税務に関する問題については独自の検証を行うことなく、当社及び当社リーガル・アドバイザーによる判断に依拠しています。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、当社及び当社の関係会社の資産又は負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の算定は、対象日までの上記情報を反映したものであり、対象日現在における金融及び市場その他の状況、並びに対象日現在において三菱UFJモルガン・スタンレー証券が入手している情報に基づくものです。対象日以降に生じる事象が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の分析及び当社株式価値算定書の作成に用いられた前提に影響を及ぼす可能性はありますが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、当社株式価値算定書及び分析を更新し、改訂し、又は再確認する義務を負うものではありません。当社株式価値算定書の作成及びその基となる分析は複雑な過程を経ており、必ずしも部分的な分析や要約した記載に適したものではありません。当社株式価値算定書で記載されている特定の分析に基づく評価レンジを、当社の実際の価値に関する三菱UFJモルガン・スタンレー証券による評価であると捉えることはできません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本取引に関し、当社のファイナンシャル・アドバイザーとして役務を提供し、当該役務の対価として手数料を受領する予定です。なお、手数料の相当な部分の受領は、本取引の公表・完了を条件としています。
本新株予約権買付価格に関しては、本公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該本新株予約権1個の目的となる当社株式の数を乗じた金額と決定されていることから、当社は、本新株予約権の買付価格について第三者算定機関から算定書又は意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
なお、本新株予約権は、譲渡による取得については当社取締役会の承認を要するものとされておりますが、当社は、2024年11月14日付の取締役会において、本新株予約権者が、その所有する本新株予約権を本公開買付けに応募することにより公開買付者に対して譲渡することについて、本公開買付けの成立を条件として、包括的に承認することを決議しております。
(当社株式)
公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、当社が開示した財務情報等の資料、当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、当社の事業及び財務状況を多面的かつ総合的に分析したとのことです。また、公開買付者は、当社株式が金融商品取引所を通じて取引されていることに鑑みて、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年11月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値(806円)、直近1ヶ月(2024年10月14日から2024年11月13日まで)、直近3ヶ月(2024年8月14日から2024年11月13日まで)及び直近6ヶ月(2024年5月14日から2024年11月13日まで)の終値単純平均値(807円、802円及び825円)の推移を参考にしたとのことです。さらに、当社との協議・交渉の結果、企業価値向上の施策、経営及び事業運営の計画、経済情勢、当社取締役会及び本特別委員会による本公開買付けへの賛同及び株主の皆様への応募推奨の可否並びに当社株主の皆様の本公開買付けへの応募の見通しも考慮し、最終的に2024年11月14日に本公開買付価格を1,150円とすることを決定したとのことです。
本公開買付価格である1,150円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年11月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値806円に対して42.68%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値807円に対して42.50%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値802円に対して43.39%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値825円に対して39.39%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となるとのことです。
なお、公開買付者は、上記の諸要素を総合的に考慮しつつ、当社との協議・交渉を踏まえて本公開買付価格を決定したため、第三者算定機関からの株式価値算定書や意見(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。
(本新株予約権)
本新株予約権は、本書提出日現在において、当社株式1株当たりの行使価額(550円)が本公開買付価格(1,150円)を下回っており、かつ、権利行使期間が到来し権利行使条件を充足していることから、公開買付者は、本新株予約権買付価格を、本公開買付価格と本新株予約権の当社株式1株当たりの行使価額との差額に当該本新株予約権1個の目的となる株式数(100株)を乗じた金額とすることとし、当社株式1株当たりの行使価額との差額である600円に100株を乗じた金額である60,000円と決定したとのことです。
公開買付者は、上記のとおり、本公開買付価格を基に本新株予約権買付価格を決定していることから、第三者算定機関からの算定書や意見(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。
当社株式は、本日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けに係る手続が完了した時点では当該基準に該当しない場合でも、公開買付者は、本公開買付けが成立した後に、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実行することを予定しているとのことであり、その場合、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにおいて、当社株式の全て及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)するとともに、併せて、本新株予約権者(以下「売渡新株予約権者」といいます。)に対し、その有する本新株予約権の全部を売り渡すことを請求(以下「新株予約権売渡請求」といい、株式売渡請求と併せて「株式等売渡請求」と総称します。)する予定であるとのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定であり、また、新株予約権売渡請求においては、本新株予約権1個当たりの対価として、本新株予約権買付価格と同額の金銭を当社の売渡新株予約権者に対して交付することを定める予定であるとのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式等売渡請求の承認を求める予定であるとのことです。当社がその取締役会の決議により株式等売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主及び売渡新株予約権者の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式等売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主からその所有する当社株式の全部を取得し、売渡新株予約権者からその所有する本新株予約権の全部を取得するとのことです。この場合、公開買付者は、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付するとともに、売渡新株予約権者がそれぞれ所有していた本新株予約権1個当たりの対価として、各売渡新株予約権者に対し、本新株予約権買付価格と同額の金銭を交付する予定であるとのことです。
なお、当社は、公開買付者より株式等売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において上記株式等売渡請求を承認する予定です。
株式等売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、売渡株主及び売渡新株予約権者は、裁判所に対して、その所有する当社株式又は本新株予約権の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、当社に要請する予定であるとのことです。本臨時株主総会の開催時期は、本公開買付けの成立時期により異なるものの、現時点では、2025年3月頃を予定しているとのことです。
当社は、公開買付者からかかる要請を受けた場合には、かかる要請に応じる予定です。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定であるとのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者のみが当社株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定であるとのことです。当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められています。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主は、上記申立てを行うことができることになる予定であるとのことです。
上記の手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定であるとのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合において、本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に本新株予約権の取得及び消却、本新株予約権者による放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実施することを要請し、又は実施することを予定しているとのことですが、本公開買付けに応募しなかった本新株予約権者に対して金銭を交付する場合には、本新株予約権買付価格に当該本新株予約権者が所有していた当社の本新株予約権の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定であるとのことです。なお、当社は、当該要請を受けた場合にはこれに協力する意向です。
なお、本譲渡制限付株式については、その割当契約書において、(a)譲渡制限期間中に、会社法第180条に規定する株式併合に関する事項が当社の株主総会で承認された場合又は会社法第179条に規定する株式等売渡請求に関する事項が当社取締役会で承認された場合(ただし、会社法第180条第2項第2号に定める株式併合の効力発生日又は会社法第179条の2第1項第5号に規定する特別支配株主が当社株式を取得する日(以下「スクイーズアウト効力発生日」といいます。)が譲渡制限期間の満了以前に到来するときに限ります。)は、当社取締役会の決議により、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時をもって、その割当日からスクイーズアウト効力発生日までの期間に応じて割当てを受ける者ごとに個別に決定される譲渡制限を解除する株式の数の本譲渡制限付株式について、譲渡制限を解除するとされ、(b)上記(a)に規定する場合は、当社は、スクイーズアウト効力発生日の前営業日をもって、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式の全部を当然に無償で取得するとされております。本スクイーズアウト手続においては、本譲渡制限付株式のうち、公開買付期間末日までにその譲渡制限期間の終期が到来し、譲渡制限が解除されるものを除き、上記割当契約書の(a)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時において譲渡制限が解除されたものについては、株式等売渡請求又は株式併合の対象とし、上記割当契約書の(b)の規定に従い、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時をもって譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式については、当社において無償取得する予定です。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
本書提出日現在、CVC、CVCファンド、公開買付者親会社及び公開買付者は、当社株式及び本新株予約権を所有しておらず、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)にも該当いたしません。
もっとも、本公開買付けが当社株式を完全子会社化することを目的とする本取引の一環として実施されることを踏まえ、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下のような措置を実施いたしました。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、公開買付者、CVC、CVCファンド及び当社並びに本取引の成否のいずれからも独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年11月14日付で当社株式価値算定書を取得いたしました。当社が三菱UFJモルガン・スタンレー証券から取得した当社株式価値算定書の詳細については、上記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、公開買付者、CVC、CVCファンド及び当社並びに本取引の成否のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、本公開買付け及びその後の一連の手続に対する当社取締役会の意思決定方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
また、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことから、当社のリーガル・アドバイザーとして選任されることを承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。アンダーソン・毛利・友常法律事務所の報酬は、時間単位の報酬のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。
当社は、当社において本取引の是非につき審議及び決議するに先立ち、本取引に係る当社取締役会の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2024年8月28日付で、いずれも当社の独立社外取締役である志賀裕二氏(当社社外取締役・独立役員)、中川有紀子氏(当社社外取締役・独立役員)、伊藤公健氏(当社社外取締役・独立役員)及びコバリ・クレチマーリ・シルビア氏(当社社外取締役・独立役員)の4名から構成される本特別委員会を設置いたしました。また、当社は、2024年9月25日開催の当社取締役会により、同日付で当社の社外取締役として選任された西谷剛史氏(当社社外取締役・独立役員)を本特別委員会の委員として追加で選任しており、同日以降は、本特別委員会は、西谷剛史氏を含む5名によって構成されております。また、当社は本特別委員会の委員への選定に際して、志賀裕二氏、中川有紀子氏、伊藤公健氏、コバリ・クレチマーリ・シルビア氏及び西谷剛史氏が、公開買付者、CVC、CVCファンド及び当社並びに本取引の成否のいずれとの間でも重要な利害関係を有していないことを確認しております。また、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとしております。なお、本特別委員会の委員の互選により、当社の独立社外取締役である志賀裕二氏が本特別委員会の委員長に就任しております。
その上で、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(a)本取引の目的が正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(b)本取引の取引条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、(c)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか、(d)上記(a)乃至(c)のほか、当社取締役会における本取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられるか、及び(e)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことの是非(これらを総称して、以下「本諮問事項」といいます。)を諮問し、本諮問事項についての本答申書を当社に提出することを委嘱いたしました。
さらに、当社取締役会は、本特別委員会に対しては、(ⅰ)当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等の専門家(総称して、以下「アドバイザー等」といいます。)を指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、(ⅱ)本諮問事項の検討にあたって、本特別委員会が必要と認める場合には、自らのアドバイザー等を選任する権限、(ⅲ)当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、及び(ⅳ)本取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を付与することを決議しております。また、本特別委員会への諮問にあたり、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、当社取締役会の委嘱に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないことを決議しております。
本特別委員会は、2024年8月28日から同年11月13日までの間に合計11回にわたって開催されたほか、各会日間においても電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行い、本諮問事項についての協議及び検討を行いました。具体的には、本特別委員会は、当社から、本取引の提案を受けた経緯、本取引の目的、事業環境、事業計画、経営課題等に関する説明を受け、質疑応答を行い、また、公開買付者から、本取引を提案するに至った経緯及び理由、本取引の目的、本取引の諸条件等について説明を受け、質疑応答を行いました。加えて、本特別委員会は、交渉担当者から適時に状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することができることを確認しております。さらに、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関する説明を受けております。
その後、本特別委員会は、当社及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、本公開買付価格につき、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり交渉が行われ、公開買付者から、本公開買付価格を1,150円、本新株予約権買付価格を60,000円とする最終的な提案を受けるに至るまで、公開買付者に対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を当社に意見する等して、公開買付者との交渉過程に関与いたしました。さらに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から特別委員会の意義・役割等を含む本取引の手続面における公正性を担保するための措置、並びに本取引に係る当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置及び本取引に関する説明を受け、それぞれ、質疑応答を行うとともに、当社及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券からは本取引の諸条件の交渉経緯及び決定過程等に関する説明を受け、質疑応答を行い、当該算定結果の合理性について検討いたしました。
なお、本特別委員会は、上記「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び「② 当社における独立した法律事務所からの助言」に記載のとおり、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券並びに当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、それぞれの独立性、専門性及び実績等を確認した上でこれらの選任を承認しております。
これらの内容を踏まえ、本特別委員会は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所と議論を重ね、本諮問事項について協議・検討を行いました。本特別委員会は、このように本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2024年11月14日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しました。
(ⅰ)答申内容
(a) 本取引は企業価値の向上に資するものであって、その目的は正当かつ合理的と認められる。
(b) 本取引に係る取引条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性は確保されていると認められる。
(c) 本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
(d) 上記(a)乃至(c)のほか、当社取締役会における本取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでないと認められる。
(e) 当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社株主及び本新株予約権者に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは適切であると認められる。
(ⅱ)答申理由
(a) 本取引の目的の正当性・合理性(本取引による当社の企業価値向上を含む。)について
以下の点を総合的に考慮すると、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は正当かつ合理的と認められる。
・ 当社から説明を受けた、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」に記載の内容の当社による事業環境及び経営課題の認識については、矛盾した点や明らかに客観的事実に反している点はない。したがって、上記事業環境及び経営課題に寄与する方策(M&Aを含むがこれに限られない。)を講じることは、個別に当該方策に係るリスクや当該方策に伴うデメリットを勘案する必要はあるものの、一般論としては当社の企業価値の向上に資するものであると考えることができる。
・ 公開買付者としては、非公開化により当社は短期的な株主利益及び収益確保のためのコストコントロール等に縛られず、長期的視点に基づく成長戦略・投資を機動的に実行することができると考えている。これにより、オンライン及びデジタルリサーチへの投資の加速やコンサルティングサービスの強化、事業モデルの変革、M&Aを通じた事業基盤の拡大、海外事業の拡大・安定化といった長期的な成長戦略に注力することが可能になると考えている。また、経営陣と公開買付者との協議に基づき迅速な意思決定が可能となり経営陣が核心的な事業活動に集中することができることに加えて、戦略に応じたCVCファンドからのエクイティ資金投入により、上記の戦略実行をより加速することが可能となると考えている。
・ 当社としても、当社グループは基幹システムの刷新、新ソリューションの展開、事業領域の拡大に向けた積極的な投資が必要不可欠な状況にある。「経営陣とのパートナーシップを前提に、中長期的な成長戦略に着目して投資を実行し、投資先企業の継続的な成長を支援することで、新たな企業価値の創造を実現」というCVCファンドの投資理念を基に、短期的な株主利益及び収益確保のためのコストコントロール等に縛られず、長期的視点に基づく成長戦略・投資を機動的に実行することができる。また、本件に投資を実行するファンドは、2024年に設立されており、企業成長の進捗に応じて長期的な保有が可能とのことで、長期的な視点での経営が期待される。さらに、CVCがこれまで蓄積してきたCVCファンドの投資先に対する豊富なバリューアップノウハウの提供を受けるとともに、CVCファンドによる先行投資のための資金投入を含む、各種支援を受けることで、当社の事業の潜在的価値の最大化を実現することができると考えている。
・ 他方、本取引によって生じる可能性のある当社におけるデメリットとして、①上場会社として当社が享受してきた社会的信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保、資本市場からの資金調達に影響を及ぼす可能性、②LBOローンに伴う経営の自由度の低下等が挙げられる。もっとも、①上場会社であることによる社会的信用力及び知名度の向上については、当社としては、当社グループが持つ競争優位性を基に、真摯な事業遂行を継続していくことで実現可能なものであり、また、上場廃止により資本市場からの資金調達が受けられなくなることの影響についても、既存行を中心とした間接金融に加え、CVCファンドからの必要に応じた資金支援等を考慮すると、特段の影響はないものと考えている。また、②LBOローンの条件についても、当社が負担する負債比率はマーケットスタンダードからみても合理的な水準であり、また、コベナンツ等の事業への影響も限定的であるといった説明を当社から受けており、公開買付者からも同様の説明がなされている。以上の点に不合理なところはなく、したがって、以上の点に鑑みると、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられない。
・ 以上の点にいずれも不合理なところはなく、公開買付者の想定と当社の想定との間に矛盾・齟齬もなく、本取引の実行は、当社が認識する経営課題の解決に資することが認められる。
(b) 本取引の取引条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているかについて
以下の点を総合的に考慮すると、本公開買付けにおける買付け等の価格を含め、本取引の取引条件の公正性・妥当性が確保されているといえる。
・ 本取引における本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の合意は、当社と公開買付者との間において、実質的にも独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果なされたものであることが推認され、合意プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらない。
・ 具体的には、公開買付者による当初の提示額(1株当たり1,000円)を出発点として、当社が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から取得した暫定的な株式価値算定結果及び本特別委員会における審議・検討に基づく本特別委員会からの買付価格の引き上げ要請を踏まえ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の助言を受けながら公開買付者と交渉を重ねた結果、公開買付者から、5度にわたり買付価格を引き上げる提案を引き出した上、最終的に本公開買付価格(1株当たり1,150円)での合意に至っている。その結果、最終的な本公開買付価格は、当初に公開買付者が提示した価格から相応の上積みがされており、当社として、少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して交渉がされたことが経緯として認められる。この点については、本新株予約権買付価格についても同様である。
・ また、本公開買付価格は、当社株式の株式価値が適正に反映されたものと考えることができ、その価格の妥当性が否定される水準ではないと評価できるものと考えられる。すなわち、本事業計画は、2025年6月期から2029年6月期までの当社の財務予測として、本取引の実施を前提としないスタンドアローン・ベースで作成されている。本事業計画については、2026年6月期を最終年度とする中期経営計画に続くものとして当社において検討・作成が進められたものであり、公開買付者又はそれらの関係者がその作成に関与し、又は影響を及ぼした事実は窺われない。また、当社は、公開買付者との交渉において、本事業計画について公開買付者に対して一定の説明を行っているが、公開買付者の指示により、又はその意を汲んで、策定又は修正が行われたという事実も窺われない。
・ また、本特別委員会は、当社に対し、本事業計画の根拠等に関する詳細な説明を行うことを要請した。この要請に基づき、第5回委員会において、当社から本特別委員会に対する説明の機会が設けられ、質疑応答が行われたが、その中では、本事業計画の修正を要する事情その他本事業計画の合理性に疑念を差し挟むべき事情は見当たらなかった。なお、本特別委員会は、本事業計画については、公表済みの中期経営計画は戦略投資領域(コンサルティング・グローバルリサーチ・新規事業)におけるM&Aによる業容拡大を含む数値に基づき作成されたものであったところ、現時点において具体的に検討が進んでいるM&Aはなく、当社株式の価値算定の基礎とするに足りる具体性を有するものではないことから、中期経営計画を基礎に、より蓋然性の高い事業計画として再策定を行う観点から数値目標の調整を行った上、対象期間を2029年度まで伸長したものであるが、当該見直しの理由を含め、その合理性を確認した。
・ 以上からすれば、本事業計画については、その策定プロセスに、公開買付者の圧力が介在した事実は認められず、また、その内容において不合理な予測となっている点は認められない。
・ また、本公開買付価格の算定方法及び算定根拠については、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が採用した評価手法のうち、市場株価分析は、本取引の公表日の前営業日を基準日とし、当社株式の基準日終値並びに基準日の直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間のそれぞれの終値単純平均値を基に株式価値を算出している。当社の株価推移については、特別な要因によると思われる重要な変動は存在せず、特段異常な動きはないことからみても、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の算定における株価評価期間は適切であり、市場株価分析による価格レンジは十分合理的なものであると判断される。
・ 類似企業比較分析では、当社と比較的類似する事業を手掛ける上場企業の市場株価や財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を分析している。本特別委員会は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、類似企業比較分析の説明を受けており、これらの説明に特に不合理な点はなく、算出された価格レンジは十分合理的なものであると判断される。
・ DCF分析では、各算出要素において恣意的な数値の操作や不合理な前提条件の設定がなされた場合には、最終的な算定結果が大きく変動する可能性がある。かかる観点から、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対してその算定過程についての質問・確認を行ったが、DCF分析で採用した各種算出根拠について、特段指摘すべき恣意的な数値の操作や不合理な前提条件の設定は見受けられなかった。
・ 以上のとおり、市場株価分析、類似企業比較分析及びDCF分析の算定方法及び算定根拠について、いずれも不合理な点は見当たらず、本特別委員会は、当社株式の株式価値の検討に当たり、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が作成した当社株式価値算定書に依拠することができるものと評価した。そして、本公開買付価格は、(ⅰ)市場株価分析により算定された当社株式の1株当たりの株式価値のレンジの上限を上回り、(ⅱ)類似企業比較分析により算定された当社株式の1株当たりの株式価値のレンジの上限を上回り、かつ、(ⅲ)DCF分析により算定された当社株式の1株当たりの株式価値のレンジの下限を上回り、その範囲内に入る価格であると認められることから、少数株主にとって不利益ではない水準に達していると考えられる。
・ また、本公開買付価格のプレミアムについては、M&A指針公表の2019年6月28日以降に公表され、2024年11月13日までに成立した事例のうち、国内上場企業を対象とし完全子会社化を企図した上限が付されていない他社株公開買付けの事例(マネジメント・バイアウト(MBO)の事例を除く。)187件のプレミアム水準の中央値(公表日の前営業日の株価に対して42.64%、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して43.13%、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して42.72%、公表日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して43.57%)と比較しても、本公開買付けにおいては他の同種案件と遜色ないプレミアムが確保されていると認められる。
・ なお、本公開買付価格はその価格の妥当性が否定される水準ではないと評価できるものと考えられるところ、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権の行使価額との差額により算定されていることから、本新株予約権買付価格についてもその価格の妥当性が否定される水準ではないと評価できるものと考えられる。
・ また、本スクイーズアウト手続としては、株式等売渡請求又は株式併合が予定されているところ、いずれの場合でも、当社の株主に対価として交付される金銭が、本公開買付価格に各株主の所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定される予定とのことである。また、本公開買付けに応募しなかった本新株予約権者に対して金銭を交付する場合には、本新株予約権買付価格に当該本新株予約権者が所有していた本新株予約権の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定であることも明らかにされている。
(c) 本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているかについて
以下の点を総合的に考慮すると、本公開買付けを含む本取引に係る手続の公正性は確保され、当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
・ 本特別委員会は、当社より、「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおりの諮問を受けており、①本特別委員会はCVCから買収提案を受けた後、可及的速やかに設置されていること、②本特別委員会の委員は独立社外取締役5名で構成されており、各委員について、公開買付者、CVC、CVCファンド及び当社並びに本取引の成否からの独立性が確認されていること、③本取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を与えられており、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保していること、④当社取締役会から、独自のアドバイザー等を選任し、又は、当社のアドバイザー等を指名若しくは承認(事後承認を含む。)する権限、及び、当社のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、本特別委員会として当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求める権限が付与されていること、並びに⑤当社取締役会は、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、当社取締役会の委嘱に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないことを決議していること等から、公正性担保措置として有効に機能していると認められる。
・ 当社取締役会においては、公開買付者、CVC及びCVCファンドから派遣されている取締役、その他公開買付者、CVC及びCVCファンドと特別な関係を有する取締役はおらず、当社取締役会において、本取引につき特別利害関係を有する取締役は存在しないと判断されることから、本公開買付けに対する意見表明に係る決議にあたり、全取締役による決議を想定しており、当社によれば、当社取締役会においては、社外取締役5名を含む、取締役6名全員の一致により本公開買付けへの賛同意見表明並びに株主及び本新株予約権者への応募推奨が決議される予定とのこと等からすれば、当社における意思決定プロセスにつき、公正性に疑義のある点は見当たらない。
・ 当社は、本取引に関する意思決定過程における透明性及び合理性を確保するため、公開買付者、CVC、CVCファンド及び当社並びに本取引の成否から独立したリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常律事務所から、特別委員会の設置や委員の選定、その他の公正性担保措置に係る助言を受けている。また、当社は、本公開買付価格の公正性を担保するために、公開買付者、CVC、CVCファンド及び当社並びに本取引の成否から独立した第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、当社株式の株式価値に関する資料として当社株式価値算定書を取得している。当社株式価値算定書においては、上記(b)イで詳述したように、複数の算定方法を採用しており、恣意的な価格の算定がされないよう配慮がされている。また、算定の前提となる本事業計画の作成に当たって、公開買付者、CVC若しくはCVCファンド又は当社の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、算定に当たって公正性を疑わせるような事情も見当たらない。なお、当社はフェアネス・オピニオンの取得はしていないが、M&A指針でもフェアネス・オピニオンの取得は必須とされておらず、本取引は独立した当事者の間で行われるものであり、類型的に構造的な利益相反の問題が生じる取引ではないこと、他にとられる公正性担保措置を勘案すると、当社が当社株式価値算定書をもとに本取引への賛同及び応募推奨の可否の判断をすることにも、公正性との関係で問題はないと考えられる。
・ 当社と公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は行っていない。また、公開買付期間は、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日とされることが予定されている。公開買付期間を法令に定められた最短期間より長期に設定することにより、当社の株主及び本新株予約権者に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会が確保されているとともに、対抗的買収提案者による買収提案の機会が確保されているものと認められる。したがって、本件では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されていると認められる。
・ 本公開買付けにおける買付予定数の下限は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する数を上回るものとなる。すなわち、本公開買付けは、公開買付者と利害関係を有しない当社の株主からその株式数の過半数の賛同が得られない場合には成立せず、当社の少数株主の意思を重視したものとなっている。
・ 本取引では、公開買付届出書及び本プレスリリースにおいて、本特別委員会に付与された権限の内容、本特別委員会における検討経緯や公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、本答申書の内容及び本特別委員会の委員の報酬体系等、当社株式価値算定書の概要、本取引の実施に至るプロセスや交渉経緯等について充実した情報開示がなされる予定となっており、当社の株主等に対し、取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料が提供されるものと認められる。
・ 本スクイーズアウト手続では、株式等売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭が、本公開買付価格に各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定する予定であるとされていること、本公開買付けに応募しなかった本新株予約権者に対して金銭を交付する場合には、本新株予約権買付価格に当該本新株予約権者が所有していた当社の本新株予約権の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定であるとされていること、株式等売渡請求の場合は当社の株主及び本新株予約権者に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が、それぞれ確保されていることを踏まえると、強圧性が生じないように配慮がなされていると認められる。
(d) 上記(a)乃至(c)のほか、当社取締役会における本取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでないかについて
・ 本特別委員会としては、上記(a)乃至(c)において検討を要請されている事項が、本(d)を検討する際の考慮要素になるものと考えているところ、本特別委員会における検討の結果、上記(a)乃至(c)について、いずれも問題があるとは認められないことは、上記(a)乃至(c)において述べたとおりである。
・ 以上から、本取引を行うことの決定は、当社の少数株主にとって不利益なものでないと考えられる。
(e) 当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社株主に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは適切であると考えられるかについて
・ 本特別委員会としては、上記(a)乃至(d)において、本取引の目的の合理性、本取引に係る手続の公正性及び本取引に係る取引条件の妥当性が確認され、かつ、本取引を行うことの決定が当社の少数株主にとって不利益なものでないことが確認されることにより、本(e)を是認する理由になるものと考える。そして、本特別委員会における検討の結果、上記(a)乃至(d)について、いずれも問題があるとは認められないことは、上記(a)乃至(d)において述べたとおりである。
・ 以上から、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明するとともに、当社の株主、さらには本新株予約権者に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を行うことは相当であると認められる旨の意見を答申する。
当社取締役会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から受けた財務的見地からの助言並びに同年11月14日付で提出を受けた当社株式の株式価値算定結果に関する当社株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会における検討及び本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付けの実施も含めた本取引が、当社の企業価値向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む取引条件については、本公開買付価格は、当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保されたものであり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な売却機会を提供するものであると判断し、また、本新株予約権買付価格は、本公開買付価格と本新株予約権の行使価額との差額を基準に算定されていることから、本新株予約権者の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であると判断し、2024年11月14日付の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
上記の取締役会においては、当社の取締役6名(佐々木徹氏、志賀裕二氏、中川有紀子氏、伊藤公健氏、コバリ・クレチマーリ・シルビア氏及び西谷剛史氏)において審議の上、その全員一致で本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。また、上記の取締役会に参加した取締役6名において、公開買付者の役員との兼職関係にある等利害関係を有する者は存在しておりません。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者、CVC及びCVCファンドから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。
具体的には、当社は、2024年8月21日にCVCより当社の非公開化についての意向表明書を受領した後、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた助言を踏まえ、本取引に関する検討並びにCVCとの協議及び交渉を行うプロジェクトチームを設置し、そのメンバーは、公開買付者又はCVCの役職員を兼務しておらず、かつ、過去に公開買付者又はCVCの役職員としての地位を有していたことのない当社の役職員のみから構成されるものとしております。また、かかるプロジェクトチームは、本特別委員会とともに当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程に専属的に関与しており、本日に至るまでかかる取扱いを継続しております。
当社は、公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。また、公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日より長い40営業日に設定しているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間より長期に設定することにより、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保することをもって本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことです。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにおいては、買付予定数の下限(25,660,500株、所有割合:65.87%)は、本基準株式数(38,958,165株)の過半数に相当する株式数(19,479,083株、所有割合:50.00%)、すなわち、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する数を上回るものとなるとのことです。公開買付者は、本公開買付けは、公開買付者と利害関係を有しない当社の株主から過半数の賛同が得られない場合には成立せず、当社の少数株主の皆様の意思を重視したものであると考えているとのことです。
該当事項はありません。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ譲渡制限付株式報酬として付与された株式及びそれらに係る議決権の数を含めております。
該当事項はありません。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】
以 上