文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、「成長を愉しもう。」という基本理念を策定しております。この基本理念には、次のような願いが込められています。
・人も企業も、持続的に成長するには、何よりも成長を愉しむことが大切。
・新しいことに挑戦することで、成長できる。
・自分自身の成長を愉しめるから、また成長したくなる。
当社グループでは、一人ひとりが成長を愉しみながら、やりがいをもって働ける舞台をつくることで関わるすべての人を大切にし、誰もがいきいきと働ける社会の実現を目指します。
なお、当社の商号であるCRGホールディングス株式会社に込められた意味は、「ステークホルダーとのコミュニケーションを図り(Communication)、関係性を構築し(Relation)、共に成長をしていく(Growing)」ことを、それぞれの頭文字であるCRGによって表現しており、共に手を携えて、より大きな組織、より理想とするカタチを作り上げていこうという想いが込められています。
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境に改善が見られ、政府による各種政策の効果もあり国内景気は緩やかな回復傾向にて推移しました。一方、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行き懸念など海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクがあるなど、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが属する人材サービス業界におきましては、2024年9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.24倍、完全失業率(季節調整値)は2.5%となりました。人材需要はコロナ前の水準まで回復していないものの、少子高齢化に伴う構造的な人手不足という社会課題は解消されていないものと判断しております。
このような市場環境のもと、当社グループにおきましては、「人のチカラとIT」の融合を事業方針として掲げ、主力の人材派遣紹介事業における継続的な労働力の提供に加え、業務効率化の支援を行うことを目的に、人材派遣紹介事業にて培ったナレッジを活かした採用支援・BPOなどの各種代行事業や、AI・RPA(注1)・OCR(注2)などを活用したITソリューション事業を行っており、人手不足という大きな課題を解決するためのトータルサポートを提供してまいりました。また、近年、これまで以上に期待されているシニア、女性、グローバル人材の活用や、障がいをお持ちの方の雇用機会の創出や処遇の確保・改善にも注力することに加え、専門人材による通訳・翻訳サービスの提供を開始するなど事業領域を拡大させております。
当連結会計年度におきましては、事業者向け金融業を営む株式会社クレイリッシュの株式を取得し、完全子会社化いたしました。同社においては、強みである様々なニーズに対応した多様な金融サービスの提供に加え、当社グループが持つネットワークを有効活用することで、与信力強化及び調達余力の拡大に繋げ、売上拡大に尽力しました。また、ペットケア関連製品の製造請負事業を展開する株式会社プロテクスにおいては、製造業へと参入しておりますが2024年9月に千葉県東金市の製造工場が竣工いたしました。製造ノウハウの一層の活用を図り業容の拡大に努めてまいります。障がいをお持ちの方の就労移行支援やサテライト型障がい者雇用支援サービスを営む株式会社パレットにおいては、就労移行支援事業を一部を譲り受けることといたしました。本件により、就労支援事業のサービス提供エリアは全国に拡大いたしましたので、更なる収益基盤の強化を実施してまいりました。業績面につきましては、主力の人材派遣業において新規顧客の開拓と単価交渉に注力してまいりましたが、特にコールセンター向け人材派遣における大手顧客の需要減に加え、直接雇用化の傾向が続いており、売上高・営業利益を圧迫する結果となりました。このような状況を受け、派遣先職種やサービス内容の拡充によるクロスセルの強化及び事業リスクの分散、成長事業への経営資源配分の最適化、派遣スタッフの集客力強化、共通費用の効率化を推し進めることを目的に、当社グループの人材派遣紹介事業を展開する3社を合併することといたしました。
これにより、拠点の統廃合などに係る店舗閉鎖損失を計上し繰延税金資産を取り崩しておりますが、早期の業績回復・企業価値の向上を図り、より一層のシナジー効果の創出を実現してまいります。また一部の投資有価証券の売却・評価損を特別損失として計上しております。
(注)1.Robotic Process Automationの略。主にパソコンで作業している定型化された業務を、ロボットにより自動化する取り組みのこと。
2.Optical Character Recognition/Readerの略。手書きや印刷された文字を、イメージスキャナやデジタルカメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術のこと。
中核事業であるコールセンター派遣においては、コールセンターのユーザーであるエンド・クライアント企業へのダイレクト・サービス拡大により、顧客開拓を図ってまいります。また、注力分野である女性・シニア層・グローバル人材活用を強化するほか、常用型派遣の強化により高スキルを要する職種への派遣にて売上高の拡大を図ってまいります。
基幹システム「C3」の機能向上、AIによるマッチングシステムの開発、RPAによる事務作業効率化等のIT活用により、サービスレベルの向上やオペレーションの更なる効率化を図ってまいります。
スーパーバイザーとオペレーターをセットで派遣する「ユニット型派遣」に加え、請負型契約への切り替え、クライアントが希望する派遣人数をコミットメントすることで優先的に案件獲得をすること等により、サービスの高付加価値化に取り組んでまいります。また、派遣スタッフのキャリアアップ制度利用を推進することによって付加価値の高い人材提供を図るほか、将来的にはAI、RPAの導入をサポートできる人材の育成・供給にも注力することにより、請求単価の向上を図ってまいります。
案件スクリーニングの強化、優良案件が見込める企業におけるシェアの拡大、ミドル・エグゼクティブ層のハイキャリア人材サービス等、高収益案件へこれまで以上に注力することで、一層の収益性向上を図ってまいります。
生産性・作業品質・提案力を持続的に向上させることで、高い顧客満足・評価を獲得し、クライアントとの関係を深化させることで業務拡大につなげます。
具体的には、国内既存4拠点における請負業務範囲の拡大に加え、ペットケア関連製品の製造請負以外の事業拡大を企図し、将来的にはクライアントの国内全拠点への展開を目指します。
更に、ベトナム等からの海外人材を国内取引先で受入、経験を積ませることで、同海外人材に技術・ノウハウを吸収させ、将来は同人材を活用し、クライアントの海外拠点での業務受注を目指してまいります。
人事、労務領域を効率化するための受託開発を主軸とし、具体的にはAI、OCRを活用したRPAソリューション、勤怠ソリューション分野に注力してまいります。
RPAソリューションにおいては、人員不足による長時間労働といった課題を抱えるあらゆる業種のクライアントに対し、AI、OCRを活用した業務の自動化・効率化ソリューションを積極的に提案し、既存クライアントの課題解決策を提供しながら、顧客基盤を拡大してまいります。
提案力を持続的に向上させることによる新規顧客の獲得に注力してまいります。また地元の福祉サービス企業との連携を図り、就労前の自立訓練から就労移行支援、就労後の定着支援まで一気通貫の体制を整え、サービスレベルの向上に努めてまいります。
株式会社オシエテにおいて、デジタル化・オンライン化に特化した通訳・翻訳サービスのプラットフォームを主として営んでおります。35超の言語に対応可能な2,000名を超える通訳者が登録された通訳・翻訳サービスのマッチングサイトにて、顧客の複数拠点と通訳者をオンラインで結ぶサービスを展開しております。また、昨今のインバウンド需要の高まりを受けて、サービスの充実に努めてまいります。
① 事業者向け金融事業
株式会社クレイリッシュにおいて、資金繰りを支える手形割引や無担保融資、不動産担保融資等様々なニーズに対応したサービスの展開をしており、グループ間の顧客データベース等を活用したクロスセルにも注力してまいります。
② M&A・投資・仲介事業
主としてCRGインベストメント株式会社において、当社グループとの相乗効果が見込まれる企業のM&A、M&A仲介、出資に注力しております。金融機関やM&A仲介会社との関係性を強化しております。
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上のため、収益力を高めるとともに、経営の効率化を図ってまいります。具体的には、売上高成長率及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けております。
当社グループが属する人材サービス業界におきましては、我が国の少子高齢化、それに伴う生産年齢人口の減少という社会構造の変化を受け、人手不足がこれまで以上に深刻な問題になることが予想されることから、経営基盤の一層の強化を図り、主力の人材派遣紹介事業における継続的な労働力の提供に加え、業務効率化の支援を行うことを目的に、人材派遣紹介事業にて培ったナレッジを活かした採用支援・BPOなどの各種代行事業や、AI、RPA、OCRを活用したITソリューション事業を行っており、人手不足という大きな課題を解決するためのトータルサポートを提供していくことが重要であると認識しております。
また、近年、潜在労働力として期待されているシニア、女性、グローバル人材の活用や、障がいをお持ちの方の雇用機会の創出や処遇の確保にも注力しております。
当社グループは、上記経営方針及び経営戦略を実現するために、以下の課題に取り組んでまいります。
当社グループは、持続的成長のために、派遣スタッフの採用と育成が重要であると考えております。
人材派遣紹介事業では、専門性を持った派遣スタッフを確保するため、当社グループ内において専門性の高い教育・研修体制の強化を図ってまいります。また、当社グループの事業方針に合致する企業との業務提携等も積極的に実施し、迅速に顧客ニーズに対応できる体制を構築してまいります。
当社グループは、持続的成長のために優秀な人材を採用するとともに、将来を担う人材の育成が必要不可欠であると認識しております。競合企業に負けない組織体制を構築するとともに、顧客ニーズに柔軟に対応できるよう正社員の教育を強化し、提案力やチーム力の向上を図ってまいります。
HR関連事業におきましては、全国主要都市に拠点の展開をしておりますが、未開拓地域への進出や、既存拠点のある地域の顧客ニーズに対して、柔軟に対応していくための戦略構築が今後の課題となっております。当社グループといたしましては、積極的にサービス提供地域を拡大していくことで、更なる収益基盤の拡大を図ってまいります。また、人材派遣紹介事業が当社グループの売上の大半を占めておりますが、当該事業に依存しない事業体制を構築するため、それ以外の事業も拡大し多様な収益基盤・事業ポートフォリオの拡充に取り組んでまいります。
フィナンシャル事業におきましては、金利の上昇、為替相場の変動、物価の高騰などの環境変化のもと、貸出金利の適正化を図りつつ優良顧客の獲得に努めてまいります。そのためにも、金融機関との取引拡大に加え、市場からの調達等、調達方法の多様化による財務内容の安定性を高めながら、企業体質の強化を図ってまいります。
株式会社プロテクスにつきましては、ほぼ取引先メーカー1社及びその関連会社との取引となっており、同社グループとの取引縮小等に伴う事業リスクが存在するため、当該リスクの低減が必要であると認識しております。請負業務範囲の拡大や国内外を含む受注拠点の拡大及び、上記取引先メーカーとのリレーション強化を図る一方、同社との取引を通じて得たナレッジを他社取引に展開し、事業の拡大及び事業リスクの低減を図ってまいります。
深刻な人手不足を背景に、当社グループは総合人材サービス企業として、人材だけでなく、生産性向上に向けた省人化施策も提供することが必要であると認識しております。
当社グループでは、ITシステムやRPAを活用した新たなサービスを創出し、顧客企業に価値を提供していくと同時に、AIマッチングシステムやRPA活用による社内オペレーションの効率化によって収益性向上を図ってまいります。
また、人材サービス業界に特化した基幹システムや勤怠管理を自動化するシステムを開発・導入し、業務の効率化に取り組んでおります。当該システムにおいては、スマートフォン上で完結する勤怠報告アプリケーションの導入や、幅広い給与支払い方法に対応する等、派遣スタッフの利便性を向上する各種機能を実装し、満足度向上を図っております。
今後は更に、これらシステムの顧客への提供を推進する他、継続的な機能強化を行い、付加価値向上に努めてまいります。
当社グループでは、継続的な事業規模拡大のため、積極的に新規事業へ参入していく方針であります。
当社グループは、人材需給が逼迫する状況を背景に、顧客の業務効率化のためのソリューションを提供しております。今後も、顧客の需要に応じた各種新規サービスを創出するなど、新たな価値を生むための取り組みを展開してまいります。
また、必要に応じてM&Aなども活用することにより、市場環境や顧客需要の変化に柔軟かつスピーディーに対応してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループのサステナビリティ経営への取り組みは、取締役会が全般的な方針の決定及び監督に対する権限と責任を有しております。持続的な成長と企業価値向上のため、効率性及び透明性の高い経営に努め、取締役会の監督のもと、法令遵守の徹底、経営資源の適切な配分、意思決定の迅速化などを図っております。
詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。
当社グループにおける人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社グループは、総合人材サービス企業として幅広い人材関連サービスを提供していることから、業務に従事する役職員に加え、派遣スタッフが最も重要な経営資源であると認識しております。生産年齢人口の減少に伴う構造的な人手不足による各種人材課題解決のため、女性・シニア層・障がい者・グローバル人材といった潜在労働力の積極的な活用に取り組んでおります。また、各種スキルアップ支援による生産性の向上と、能力を最大限に発揮できるような業務効率化・働き方改革の推進、リスキリングに伴う活動機会の提供を行うなどのダイバーシティの推進を人材育成・社内環境整備方針としております。また、「成長を愉しもう。」という企業理念を掲げ、成長し続けるための行動指針を定め、人事評価に反映することで全役職員が共通認識を持てるような組織運営を行っております。これらにより、中長期的な企業価値の向上が可能であると考えております。
当社グループでは、「リスク管理規程」に基づきリスク管理を統括する機関としてリスク管理・コンプライアンス委員会を設置しております。リスク管理・コンプライアンス委員会は代表取締役を委員長として、定期的な開催に加え必要に応じて臨時に開催しております。審議の内容を踏まえ、サステナビリティ関連のリスク及び機会が当社に与える影響について識別・評価し、必要に応じて取締役会やグループ内関係者に報告することとしております。
当社グループの主要企業においては、「(2) 戦略」において記載した社内環境整備に関する方針について、次の指標及び目標を掲げております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(人材派遣紹介事業における重要なリスク)
当社グループは、首都圏を中心とした全国の主要都市に人材派遣紹介関連事業を展開しております。当社グループの属する人材サービス関連業界は、社会情勢や景気変動等の外部環境に影響を受けます。人材派遣紹介事業以外の新規事業の創出に加え、経費の削減による経営効率の改善に継続的に取り組んでおりますが、雇用環境の変動、市場環境が悪化する可能性は不透明であり、悪化した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要事業である人材派遣紹介事業においては、当社グループと同様の事業を営む企業が多数存在しており、これら企業との競合が生じております。当社グループでは、近年の人手不足の影響による派遣スタッフの人件費高騰を受け、クライアントとの交渉により請求単価へ転嫁することで収益性の確保を図り、競争力の維持向上に努めておりますが、同業他社間における価格競争によって取引単価が低迷した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、クライアントの要求に対応するため、派遣スタッフの安定的な確保が重要課題の一つであると考えております。常時インターネット等で募集するだけでなく、プロモーション活動の強化により当社の認知度を向上させ、安定的な確保に努めております。
また、定着率向上のため就労後の派遣スタッフに対し、初日に営業担当者がアンケート用紙を使用して聞き取り等を行い、派遣スタッフのフォローをしております。その後、月1回の定期的なヒアリングを実施し、その結果をクライアントに対してフィードバックすることで、就業環境の向上に努めております。
しかしながら、今後の雇用情勢や労働需要は先行き不透明であり、当社の意図したとおりの労働需要がなく、人材の確保が進まなかった場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの人材派遣紹介事業においては、クライアントとの個別交渉により決定した派遣料金を請求して売上高を計上しており、売上原価として、市場環境やスキルに応じて派遣スタッフに支払う給与及び法定福利費等を計上しております。当社グループは適正粗利率の維持に努めており、派遣給与支払水準の上昇や社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく、クライアントとの料金交渉に随時取り組んでおります。
しかしながら、支払給与と請求料金の値上げまたは値下げが必ずしも連動しない可能性があることから、このような案件が急激に増加したり、連動しない期間が長期化した場合、収益性が低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの中核会社である株式会社キャスティングロードにおいては、コールセンター派遣売上高が大半を占めております。また、株式会社ジョブスにおいても、コールセンター向けの派遣を行っております。これらコールセンター派遣売上高の連結売上高に占める割合は5割を超えております。当社グループでは、販売・オフィスワーク派遣の強化や、RPA分野の拡充を中心に、他分野への事業展開を強化することでリスクの低減を図ってまいりますが、雇用情勢は不透明であり、コールセンター業界の需要が大幅に縮小した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが行う人材派遣紹介関連事業に適用される「労働基準法」、「労働者派遣法」、「職業安定法」等は、市場環境等に合わせて、適宜法改正等が今後も行われていくと予想されます。その際、法改正に起因する売上高の減少や費用の増加が、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要事業である労働者派遣事業は、「労働者派遣法」に基づき、厚生労働大臣の許可を受け行っております。また、当社グループは、「職業安定法」に基づき、同じく厚生労働大臣の許可を受け有料職業紹介事業を行っております。それぞれの許認可の有効期限と取消事由は以下のとおりです。
① 労働者派遣事業
a 有効期限
(a) 株式会社キャスティングロード 2024年10月31日
(b) 株式会社ジョブス 2026年12月31日
(c) 株式会社CRドットアイ 2025年2月28日
(d) 株式会社プロテクス 2025年2月28日
b 取消事由
(a) 「労働者派遣法」または「職業安定法」に違反したとき
(b) 許可条件に違反したとき
(c) 関係派遣先への派遣割合が100分の80以下ではない場合または関係派遣先割合報告書の提出をしない場合で、指導または助言を受け、更に必要な措置をとるべきことの指示を受けたにもかかわらず、なお違反したとき
② 有料職業紹介事業
a 有効期限
(a) 株式会社キャスティングロード 2029年1月31日
(b) 株式会社ジョブス 2026年12月31日
(c) 株式会社CRドットアイ 2025年2月28日
(d) 株式会社プロテクス 2027年5月31日
(e) 株式会社パレット 2026年4月30日
b 取消事由
(a) 「職業安定法」もしくは「労働者派遣法」の規定またはこれらの規定に基づく命令もしくは処分に違反したとき
(b) 暴行、脅迫、監禁その他精神または身体の自由を不当に拘束する手段で職業紹介を行った者またはこれらに従事した者
(c) 虚偽の広告をし、または虚偽の条件を提示して職業紹介を行った者またはこれに従事した者
現時点において、当社グループでは許可の取消等の事由に該当する事実はないと認識しておりますが、許可要件に違反した場合等には、許可の取消、事業停止命令または事業改善命令を受けることがあります。企業のコンプライアンス及びリスク対策に十分努めてまいりますが、当社グループの売上高の大部分が当該事業で構成されており、今後何らかの理由により許可の取消等があった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(人材派遣紹介事業におけるリスク)
当社グループでは、社会保険の加入対象となる派遣スタッフが多数就労しており、社会保険の加入を徹底しております。今後、制度の改正による社会保険料の会社負担率上昇や、加入対象者の増加等による社会保険料の負担増となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの派遣スタッフが派遣先で業務上、または通勤途上において負傷・疾病・障がい・死亡となった場合には、「労働基準法」及び「労働者災害補償保険法」上、使用者である当社グループに災害補償義務が課せられます。当社グループでは、派遣スタッフからの定期的なヒアリングにより、派遣先の就業環境におけるリスクの未然把握に努めておりますが、万が一、当該事象が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(製造請負事業における重要なリスク)
当社グループにおいては、請負契約に基づく役務提供を行っており、業務完了に関しクライアントに対して責任を負っております。このため、役務提供に先立ち、クライアントとの間で請負業務の範囲及び内容について確認を行っております。しかしながら、請負業務の遂行にあたって、仕様及び完了に関する認識の相違が発生した場合、クライアントからの代金回収が困難または不能となる場合があるほか、賠償金の請求、提訴その他の責任追及がされた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
株式会社プロテクスにおいては、特定のメーカー1社及びその関連会社向けの取引が大半を占めております。当社グループとしては、当該取引先とは良好な関係を構築しており、今後も継続的な取引を見込んでおります。また、将来的に当該取引先以外への展開を推進することにより依存度の低下を図ってまいりますが、万が一何らかの理由により当該取引先との取引が継続されない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当社グループ全体に及ぶリスク)
当社グループの売上高の大半を人材派遣紹介事業が占めており、派遣スタッフ、職業紹介希望者等の個人情報を多数保有しております。マッチングの最適化のため、クライアントに関する情報や、派遣スタッフの職歴・スキル等を含めた個人情報をITシステム上にデータベース化して管理しております。当該個人情報の管理につきましては、権限を有する者以外の閲覧を当該システム上で制限しております。また、個人情報等の機密情報の漏えいを防止するため、「情報管理規程」を定めるとともに、全役職員を対象に個人情報管理に係る研修を年1回定期的に行う他、各会議体で周知徹底を図っております。更に、情報処理の知識に精通した社外取締役を招聘し、専門家の助言と合わせて適宜指導を受けながら、情報漏えいを未然に防ぐ体制を整備しております。
しかしながら、このような体制を整備しても新技術を用いた高度なサイバー攻撃など、万が一何らかの理由により、クライアント及び派遣スタッフの情報の滅失・漏えい等があった場合には、損害賠償請求や社会的信用の失墜によって、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、大規模な地震や風水害等の自然災害の発生により、事業所移転を余儀なくされる可能性があります。また、当社グループだけでなくクライアントが人的・物的被害を受けた場合には、クライアント及び派遣スタッフの安否確認等の対応が必要になることが予想されるため、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、データ情報の定期的なバックアップ等によりリスクの低減に努めており、リスクの発生可能性は低いと認識しておりますが、特に当社グループで使用している基幹システム等の障害や停止による派遣スタッフ情報の滅失等があった場合、復旧にかかる費用が発生するとともにクライアントに損失を与える可能性があります。
現時点で、当社グループに対して損害賠償を請求され、または訴訟を提起されている事実はありません。当社グループは法令違反を防止するための内部管理体制を構築し、取引先・従業員その他の第三者との関係において、訴訟リスクを低減するように努めております。しかしながら、当社グループの派遣スタッフによる派遣先等でのトラブルが発生した場合や、取引先等との関係に何らかの問題が生じた場合には、これらに起因して損害賠償を請求され、または訴訟を提起されるリスクがあります。かかる損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの社会的信用、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業運営上必要な内部留保を確保することを方針として掲げ、安定的な資金運用を図るため、金融機関から資金調達を行っておりますが、一部の金融機関との取引について、借入契約に財務制限条項が付されたものがあります。万が一、これらの条件に抵触した場合には、借入金利の上昇や期限の利益の喪失等、当社グループの経営成績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、企業価値を継続的に高めていくためには、業務執行の適正性及び健全性の確保が重要であると考えております。そのためには、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するよう、内部統制運用システムの適切な構築及び運用を実施してまいりますが、構築・運用に最善を尽くしてもなお、内部管理体制及び統制が十分に機能しきれない状況など、万が一、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が発生した場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、持続的な事業の成長を実現させるために継続した人材の確保が必要であると考えております。そのため教育研修体制を整備することで、人材の育成を図るように努めております。また、非正規社員から正社員への転換や女性管理職の積極登用等、多様な取り組みを推進しております。しかしながら、採用環境の変化等により人材の確保・育成が計画どおりに行えない場合、または優秀な人材が流失した場合には、長期的視点から事業展開、経営成績及び成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、今後も積極的な拠点展開を推進していく方針であります。しかしながら、当社グループの店舗展開に関し、物件の確保が計画どおりに進まない等の理由により、新たな拠点開設ができない場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが展開する拠点は賃借物件であることから、何らかの理由により契約が更新できない場合、または契約更新時等に賃料が上昇した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業領域の拡大のために、今後も引き続き積極的に新規事業への参入を進めていく方針であります。新規事業が安定した収益基盤を構築し、それを維持するためには、設備投資等を継続的に行う必要がありますが、事業環境の変化や収益性の悪化等により、当初の事業計画通りの十分な投資資金の回収ができなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(20) 投資案件について
当社グループは、今後の事業拡大のために企業買収や業務提携などを引き続き有効に活用していく方針であります。投資案件の実施にあたっては、対象となる企業の財務内容や事業内容・事業リスク等のデューデリジェンスを厳密に実施することにより、事前のリスク把握とその対応策に努めてまいります。
しかしながら、投資先の事業の将来の予測を正確に行うことは困難な場合があり、投資先の業績の悪化により、計上した株式・のれんの減損処理など、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(21) 株式価値の希薄化について
当社は、当社グループの役職員に対し、業績向上への意欲や士気を更に高めることを目的として新株予約権を付与しております。当連結会計年度末現在、これらの新株予約権による潜在株式数は102,050株であり、発行済株式総数5,527,200株の1.8%に相当しております。加えて、今後においても優秀な人材確保のための新株予約権を発行する可能性があります。現在付与されている、または今後付与する新株予約権の行使により、発行済株式数が増加し、当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国の経済は、雇用・所得環境に改善が見られ、政府による各種政策の効果もあり国内景気は緩やかな回復傾向にて推移しました。一方、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行き懸念など海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクがあるなど、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループが属する人材サービス業界におきましては、2024年9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.24倍、完全失業率(季節調整値)は2.5%となりました。人材需要はコロナ前の水準まで回復していないものの、少子高齢化に伴う構造的な人手不足という社会課題は解消されていないものと判断しております。
このような市場環境のもと、当社グループにおきましては、「人のチカラとIT」の融合 を事業方針として掲げ、主力の人材派遣紹介事業における継続的な労働力の提供に加え、業 務効率化の支援を行うことを目的に、人材派遣紹介事業にて培ったナレッジを活かした採用 支援・BPOなどの各種代行事業や、AI・RPA(注1)・OCR(注2)などを活用したITソリューション事業を行っており、人手不足という大きな課題を解決するためのトータルサポートを提供してまいりました。また、近年、これまで以上に期待されているシニア、女性、グローバル人材の活用や、障がいをお持ちの方の雇用機会の創出や処遇の確保・改善にも注力することに加え、専門人材による通訳・翻訳サービスの提供を開始するなど事業領域を拡大させております。
当連結会計年度におきましては、事業者向け金融業を営む株式会社クレイリッシュの株式を取得し、完全子会社化いたしました。同社においては、強みである様々なニーズに対応した多様な金融サービスの提供に加え、当社グループが持つネットワークを有効活用することで、与信力強化及び調達余力の拡大に繋げ、売上拡大に尽力しました。また、ペットケア関連製品の製造請負事業を展開する株式会社プロテクスにおいては、製造業へと参入しておりますが2024年9月に千葉県東金市の製造工場が竣工いたしました。製造ノウハウの一層の活用を図り業容の拡大に努めてまいります。障がいをお持ちの方の就労移行支援やサテライト型障がい者雇用支援サービスを営む株式会社パレットにおいては、就労移行支援事業を一部を譲り受けることといたしました。本件により、就労支援事業のサービス提供エリアは全国に拡大いたしましたので、更なる収益基盤の強化を実施してまいりました。業績面につきましては、主力の人材派遣業において新規顧客の開拓と単価交渉に注力してまいりましたが、特にコールセンター向け人材派遣における大手顧客の需要減に加え、直接雇用化の傾向が続いており、売上高・営業利益を圧迫する結果となりました。このような状況を受け、派遣先職種やサービス内容の拡充によるクロスセルの強化及び事業リスクの分散、成長事業への経営資源配分の最適化、派遣スタッフの集客力強化、共通費用の効率化を推し進めることを目的に、当社グループの人材派遣紹介事業を展開する3社を合併することといたしました。
これにより、拠点の統廃合などに係る店舗閉鎖損失を計上し繰延税金資産を取り崩しておりますが、早期の業績回復・企業価値の向上を図り、より一層のシナジー効果の創出を実現してまいります。また一部の投資有価証券の売却・評価損を特別損失として計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は17,090百万円(前期比17.9%減)、営業利益が90百万円(前期比20.5%減)、経常利益が44百万円(前期比59.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失が369百万円(前期は44百万円の利益)となりました。
(注)1.Robotic Process Automationの略。主にパソコンで作業している定型化された業務を、ロボットにより自動化する取り組みのこと。
2.Optical Character Recognition/Readerの略。手書きや印刷された文字を、イメージスキャナやデジタルカメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術のこと。
当社グループは、従来「人材派遣紹介関連事業」のみの単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりましたが、第3四半期連結会計期間より、「人材派遣紹介関連事業」としていたセグメント名称を「HR関連事業」へ変更したことに加え、株式会社クレイリッシュを連結の範囲に含めたことに伴い、新たに「フィナンシャル事業」を追加し、2区分によるセグメントごとの概況を開示することといたしました。
セグメント別の概況は次のとおりとなります。
a. HR関連事業
HR関連事業は、顧客企業の人材に係る課題解決のため、人材派遣・人材紹介・製造請負・その他BPO・障がい者雇用サポート・通訳翻訳などの幅広いサービスを展開しております。当連結会計年度におきましては、製造請負・障がい者雇用サポート・通訳翻訳などのサービスは順調に推移したものの、主力のコールセンター向け人材派遣にて、新型コロナウイルス関連案件の剥落に加え、新規案件の獲得に苦戦することとなりました。
以上の結果、売上高は16,857百万円(前期比19.0%減)、セグメント利益は94百万円(同7.2%減)となりました。
b. フィナンシャル事業
フィナンシャル事業は、事業者向け金融業やM&A仲介・投資サービスを展開しております。当連結会計年度におきましては、優良な融資先への貸付が堅調に拡大いたしました。
以上の結果、売上高232百万円(前期は0円)、セグメント利益133百万円(前期比462.8%増)となりました。
a. 資産の部
当連結会計年度末における流動資産は10,079百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,260百万円増加いたしました。これは主に売掛金が470百万円、現金及び預金が163百万円減少したものの、営業貸付金が5,535百万円、その他が384百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は3,174百万円となり、前連結会計年度末に比べ764百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が99百万円減少したものの、のれんが119百万円、建設仮勘定が690百万円、顧客関連資産が55百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、13,253百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,024百万円増加いたしました。
b. 負債の部
当連結会計年度末における流動負債は9,186百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,140百万円増加いたしました。これは主に未払費用が200百万円、未払消費税等が219百万円、未払金が85百万円減少したものの、短期借入金が4,765百万円、1年内償還予定の社債が475百万円、1年内返済予定の長期借入金が210百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は1,300百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,233百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が1,174百万円、退職給付に係る負債が45百万円増加したこと等によるものであります。
c. 純資産の部
当連結会計年度末における純資産合計は2,765百万円となり、前連結会計年度末に比べ349百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が369百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は20.8%(前連結会計年度末は43.1%)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、2,462百万円と前連結会計年度末に比べ162百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果使用した資金は1,763百万円(前年同期は436百万円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の減少額が464百万円、減価償却費の計上が75百万円あったものの、営業貸付金の増加額が1,318百万円、未払金の減少額が164百万円、未払費用の減少額が200百万円、未払消費税等の減少額が225百万円、法人税等の支払額が160百万円、税金等調整前当期純損失が152百万円あったこと等によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は1,492百万円(前年同期は1,101百万円の使用)となりました。これは主に、敷金の回収による収入が45百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が755百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が710百万円、投資有価証券の取得による支出が49百万円あったこと等によるものであります。
財務活動の結果得られた資金は3,093百万円(前年同期は1,275百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が572百万円あったものの、短期借入れによる収入が1,974百万円、長期借入れによる収入が1,200百万円、社債の発行による収入が475百万円あったこと等によるものであります。
当社グループの提供するサービスの性質上、生産体制、販売経路の記載と関連づけ難いため、記載を省略しております。
当社グループの提供するサービスの性質上、受注実績の記載につきましても上記「a.生産実績」同様に、記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産・負債、収益及び費用の金額に影響を与える見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ3,725百万円減少し、17,090百万円(前年同期比17.9%減)となりました。これは主に、コールセンター向けの人材派遣における大手顧客の需要減に加え、直接雇用化の傾向が続いたこと等によるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ3,505百万円減少し、13,262百万円(前年同期比20.9%減)となりました。これは主に、前述の売上高の減少に伴う派遣スタッフの人件費の減少によるものです。売上総利益については売上高の減少を受け3,827百万円(前年同期比5.4%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ196百万円減少し、3,737百万円(前年同期比5.0%減)となりました。これは主に、従業員の減少に伴う人件費の減少及び広告宣伝費の抑制等によるものであります。この結果、営業利益は、90百万円(前年同期比20.5%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ63百万円減少し、44百万円(前年同期比59.0%減)となりました。これは主に、営業利益が減少したこと等によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ413百万円減少し、369百万円(前年同期は44百万円の利益)となりました。これは主に、経常利益が減少したことに加え、子会社の合併に伴う店舗閉鎖損失、投資有価証券売却損、投資有価証券評価損、法人税等の増加によるものであります。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施することを基本方針としております。
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要は稼動スタッフの労務費と販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。設備資金需要につきましては、拠点の新設及び移転に伴う改装費用やシステム関連投資であります。
この資本の財源は内部資金、当座貸越契約及びコミットメントライン契約等の銀行借入によります。
当社グループは、新規事業への新たな取り組みに関する運転資金の確保及び財務基盤の安定性向上のために機動的な資金調達手段を確保することを目的に、当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度における借入実行残高は、4,385百万円となります。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、今後収益を拡大するためには、既存の事業の更なる拡大、新規事業の展開が必要であると認識しております。
そのためには、優秀な人材の確保や教育の強化、組織体制の整備を引き続き行い、これらの課題に対して最善の事業戦略を立案するよう、努めてまいります。
(連結子会社の吸収合併)
当社は、2024年6月14日開催の取締役会決議に基づき、当社の100%連結子会社である株式会社CRドットアイ、株式会社キャスティングロード、株式会社ジョブスの3社を2024年10月1日付で合併いたしました。
(1) 合併の目的
本合併に係る当事会社は、いずれも専門性に特化した人材派遣紹介関連事業を主として展開しておりますが、外部環境の変化による事業への影響が大きいことが課題となっておりました。派遣先職種やサービス内容の拡充によるクロスセルの強化及び事業リスクの分散、成長事業への経営資源配分の最適化、派遣スタッフ集客力の向上、事業展開における共通費用の効率化を推し進めることを目的に3社を合併することといたしました。
(2) 合併の方法
株式会社CRドットアイを存続会社、株式会社キャスティングロード、株式会社ジョブスを消滅会社とする吸収合併であります。
(3) 合併に係る割当の内容
当社の完全子会社間での吸収合併であることから、本合併に際して株式その他の金銭等の割当はありません。
(4) 合併の日程
合併契約取締役会決議日 2024年6月14日
合併契約締結日 2024年8月14日
合併効力発生日 2024年10月1日
(5) 吸収合併存続会社の資本金・事業内容等(2024年9月30日現在)
① 商号 株式会社CRドットアイ
② 資本金 20,800千円
③ 事業内容 人材派遣紹介関連事業など
該当事項はありません。