本書提出日現在における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社は1998年の創業時から一貫して「新しい価値を創造し、世の中に普及させる」という目標を掲げ、「人々のライフスタイルを変革する」を経営理念としております。創業当時、日本の新卒採用を変えたいという思いから世の中に全く普及していなかったインターンシップ事業をスタートしました。その後、店舗をメディア化したリテールメディア事業、フリーペーパーの勃興と共に展開をしたフリーペーパーラック事業など、世の中の変化の切先をとらえて事業展開を進めてまいりました。
現在の当社グループの事業は、通信販売企業及びメーカーのライフタイムバリューの最大化を目的としたD2C事業、全国の小売店をメディア化したリテールメディア事業からなる「通販支援事業」、当社グループの強みである通信販売の知見を活かし健康海藻であるアカモクを販売する「通信販売事業」にて構成されております。
社会が変化するスピードが益々加速していく中、当社グループは新たなる価値の創造への挑戦を更に続けて、大きな会社へと成長して社会に貢献したいと考えております。
D2C事業部およびリテールメディア事業部からなる通販支援事業では、現在は通信販売企業及びメーカーの受託つまりは他社商品の販売やプロモーションが殆どですが、今後は自社開発商品の販売を行い、売上高に占める自社商品の割合を高め、ストック型収益を積上げることで、さらなる業績の安定化を目指します。
通販事業部からなる通信販売事業では、「アカモク」を地上波およびBS放送等の広告媒体を使って通信販売しております。「アカモク」は他の海藻類の中でもフコイダンやフコキサンチン、カリウム、カルシウム、鉄分や食物繊維などの含有量が高く、昨今の一般消費者の健康ニーズに合致した商材です。フコキサンチンには脂肪燃焼効果が、カリウムには塩分の取り過ぎを調整する効果があるとされております。
当社では、2023年10月から北海道大学と連携し、「アカモク」の商品の可能性を追求しております。例えば、フコキサンチンを原材料とした製品化を目指し、販路拡大したいと考えております。また、全国に群生する「アカモク」を有効活用することで、第一次産業振興、地方創生、食料危機対策に繋げていくことを成長戦略としております。
通販支援事業におけるD2C事業部では、コミュニケーター数(お客様に架電する社員)を重視しております。架電リストを効率的に運用するためには一定規模のコミュニケーター数の確保が必要不可欠であり、品質管理を徹底することで収益性向上に繋げることが可能となります。
通信販売事業では、CPO(1件当たりの受注コスト)及び定期率(新規受注時の定期受注件数の割合)、定期周期率を重要視しております。広告宣伝費を下げればCPO(1件当たりの受注コスト)は低くなりますが、新規顧客獲得数も減少するため、戦略的に管理しております。一方で、広告宣伝費を掛けて新規顧客を獲得しても、当該顧客が継続的に商品購入しなければ、投資した広告宣伝費を回収できないため、新規受注時の定期受注件数の割合を増やすべく諸施策を実施しています。定期周期率とは、当月新規顧客数がどのような間隔で定期購入しているかを示した指標です。当指標は、前月の既存定期発送顧客数に対して、当月中に定期発送を行った顧客の割合を示した指標です。当指標は、既存の定期発送顧客に対する発送サイクルが短期化すると上昇し、長期化すると下落する指標となっております。
一般社団法人日本コールセンター協会によると、コールセンター・コンタクトセンター関連の売上高は、回答企業の2023年度年間総売上高は64社で1兆5,022億円でした(注1)。本業界の市場環境は経営の効率化や費用削減などを目的として、アウトソーシング化の需要が高まっていることやECの需要が堅調に拡大していることから、今後も本業界は堅調に推移すると考えられます。当社グループにとっても需要拡大の機会であると認識しております。
(注1)出処:一般社団法人日本コールセンター協会 「2023年度 コールセンター企業 実態調査」
公益社団法人日本通信販売協会によると、2023年度の通販の売上高は、前年比6.7%増の13兆5,600億円となり、金額ベースでは前年に比べ1兆8,500億円の増加となりました(注2)。コロナ需要が徐々に落ち着く一方、対面イベントや店舗販売など通販以外の市場も回復が見られ、消費者行動が多様化する中、2023年度の伸び率は前年を6.7%上回る動きとなりました。直近10年の平均成長率は8.8%と、マイナス成長を記録した1998年度以来、23年連続して増加傾向が続いております。通販・EC市場の傾向として、BtoBやモール系が堅調であること、商材では衣料品や、化粧品、食料品(健康食品を含む)が好調であることが要因として挙げられます。
また、国民の健康志向と食の安全性意識の高まりにより、一般消費者の「安全でより良いものを選択する行動」が今後も拡大し、当社グループにとっても需要拡大の機会であると認識しております。
(注2)出処:公益社団法人日本通信販売協会 「2023年度 通販市場売上高調査」
当社の成長において、新規事業の育成は不可欠なものとなっております。会社として新たな事業を生み出すことはもちろん、事業内でも新たな収益の柱を生む施策を実施してまいります。
事業拡大及び新規事業育成において、人材の確保・育成は重要な課題となっております。今後の事業計画に応じた人材採用及び研修活動を強化してまいります。
当社グループの事業において、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「健康増進法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「個人情報の保護に関する法律」の遵守は不可欠なものとなっております。コンプライアンスの強化を図るために、社員、スタッフの教育に注力してまいります。
人員増加による事業及び組織の拡大が見込まれている為、拡大に応じた内部統制体制の強化を進めてまいります。健全な労働環境整備のため、労働時間管理ルールの見直しを行い、適法・適切な労働時間管理を進めてまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
国際情勢や社会環境が大きく変化し、これまでにも増して環境への意識が高まり、当社グループを取り巻く環境も変化しております。このように急速に変化し続ける事業環境に対応し、安定的な成長を実現するために長期的な社会・環境の変化に伴うサステナビリティに関する取り組みをしております。
当社では取締役会がサステナビリティに関する全社的な活動を統括し、様々な課題に取り組む体制としております。取締役会では、従業員の採用・育成の進捗及び組織の状況・課題の報告や、リスク・コンプライアンス委員会からの報告がなされ、サステナビリティに関して審議、監督しております。
当社グループの人材の育成及び社内環境整備に関する方針として、様々な人材が多様な働き方で能力を発揮できるようにテレワークや時短勤務などを推奨しております。また、成長戦略に沿って人員計画を立て、採用・育成のための活動を行い、経営者と従業員の密接なコミュニケーションを図ることで、従業員がセルフイメージを高め、十分に能力を発揮することが出来る環境整備にも努めております。
サステナビリティに関する全社的なリスク管理に関して、当社におけるリスク管理に関する基本事項を定めている「コンプライアンス管理規程」に追加すると共に管理部長を最高責任者としてリスク管理を担う機関として設置されている「リスク・コンプライアンス委員会」において、課題・対応策を検討しております。
当社では、人材の確保と育成、社内環境の整備を重要な経営課題として取り組んでおります。人材の確保と育成に関しては、採用候補者及び各従業員が持つ才能・潜在能力の見極め及び最大化に努めております。社内環境の整備に関しては、人材の評価・教育制度の整備を進め、優秀な人材の定着及び既存人材の能力の底上げに努めております。
それと併せ、女性役員・女性管理職の比率を上げると共に、様々な勤務形態を積極的に採用し、多様な人材が活躍できる環境の整備を進めております。
具体的には、「
なお、当社では具体的な目標値は設定しておらず、管理職には能力や実績本位で任命しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績、財務状況等において投資者の判断に影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループの経営成績、財務状況等に関するリスクについて、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。当社グループはこれらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び万が一発生した場合には適切な対応に努め、事業活動に支障をきたさないよう努力してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、国内市場に依存しており、当社の業績は国内の景気や個人消費の動向等の経済環境に大きく左右されます。日本国内における少子高齢化や消費者の購買行動の変化が悪化した場合には、エンドユーザー数の減少や客単価の低下による売上減少、解約による稼働率低下等が想定され、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、消費動向に合わせた販売方法や商品開発に努めるとともに、事業の多角化等により、影響を低減又は回避するよう努めております。
2.法規制(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
当社は、特に「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」や「特定商取引法」等の各種法令や、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。これらの法令の制定や改正、新たなガイドライン等により規制が強化された場合、当社の業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、内部統制及びコンプライアンス管理体制を整備・構築し法令遵守の徹底に努めております。
3.D2C事業に係る特定の取引先への依存について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:中期、影響度:大)
当社の通販支援事業では、取引先中の上位二社の売上が42%を占めております。
通信販売事業を営む主要取引先である株式会社博報堂コネクト経由の取引は、特定のメーカー1社の製品のアウトバウンド営業の依頼となっております。また、もう一つの主要取引先である株式会社自然食研からは、直接アウトバウンド営業の依頼を受けています。なお、両社とも商材として健康食品・サプリメントを扱っています。
当社は、当該上位二社(及び特定のメーカー1社)とは良好な関係にあり取引の継続性は高いと考えており、取扱商品の製品メーカー側の新規顧客獲得への営業支援拡大に努めております。
しかしながら、何らかの理由により株式会社博報堂コネクト及び特定のメーカー1社、株式会社自然食研との取引において、それらの企業における販売広告手段及び取引方針の変更、業績不振、事業活動からの撤退等が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、当該上位二社(及び特定のメーカー1社)の事業方針を注意深く把握するとともに競合他社に取引をシフトされないよう、当社の強みを継続して維持していきます。
4.特定の商品カテゴリへの依存について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
当社の通信販売支援事業のD2C事業売上の内、サプリメント及び健康食品(以下、サプリメント等という。)の割合は、2023年9月期が81.96%、2024年9月期が78.43%となっております。特定の商材を集中的に取扱うことにより、営業手法の改善、販売効率の向上に繋がっています。
一方、当社が取扱っているサプリメント等のみならず、当社取扱品と同様の成分を含むサプリメント等で健康被害が生じた場合には、当社業績に影響を与える可能性があります。また、サプリメント等における健康被害が、成分等に拘わらずサプリメント等全体に対する消費者の不信感に繋がった場合には、同様に当社業績に影響を与える可能性があります。
なお、当社では、仮に問題が発生した商品があった場合でも、当該商品を取り扱わず他の商品へ切り替えることが十分に可能である体制の整備・維持に努めております。
5.通販事業に係る取引先及びアカモクの収穫について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:中期、影響度:大)
当社の通信販売事業では、主力商品である「アカモク」の製造について、特定の外部メーカー1社に依存しております。設備や生産のための人員等の固定費やラインの管理・立ち上げ等の費用の負担がなく、営業活動と研究開発に経営資源を集中できる等のメリットがあります。
一方でアカモクの収穫時期は4月~5月の時期に集中しているため、突発的な災害や何らかの理由による生産の不安定化により供給能力が低下する恐れがあります。加えて、在庫管理や工程管理の過程における品質問題の発生、製造依存先の収益構造の悪化、事業活動の停止等が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、他の仕入先候補や仕入可能量などを継続的に調査し、仕入先の代替性を常に検討しております。
6.個人情報の管理について(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
当社は多数の個人情報を扱っており、また業務上においても個人情報に接する機会が生じるため、個人情報の漏洩による損害に対する賠償を請求されることも考えられ、そのような事態が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、その取扱いについては2005年4月に施行された「個人情報の保護に関する法律」を踏まえ、経済産業省の外郭団体である財団法人日本情報処理開発協会の発行するプライバシーマークを取得する等、十分な管理体制を構築するよう取り組んでいます。
また、従業員、その他情報に触れる機会のある役職員等に対して、当社作成の個人情報取扱マニュアルに基づき当該情報の取扱いについて教育・研修を実施し、社内ネットワーク、基幹システムを含む社内管理体制を適切に利用できる環境を維持しつつ、高いセキュリティレベルの維持・継続に努めております。
7.情報システムに障害が発生した場合の影響について(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
当社では、コール業務管理、エンドユーザー情報の管理など情報システムに依存しています。プログラムの不具合、コンピュータウイルスやサイバー攻撃等により、当社情報システムにさまざまな障害が生じた場合には、コール業務自体が停止する可能性があるほか、効率的な運営が阻害され、重要なデータが流出する等による対応費用が発生する可能性があり、当社グループの事業、財政状態、経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社では、サーバーの負荷分散や定期的なバックアップ、適切なID管理等の手段を講じてシステムトラブルの防止及び回避に努めております。
8.特定の人物への依存について(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:小)
当社の代表取締役社長である中山伸之は、創業者及び大株主であると同時に、創業以来当社の事業推進において重要な役割を担っております。当社は、取締役会やその他会議体において、役員及び幹部社員への情報共有や権限委譲を進める等、経営組織の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により同氏が当社の経営執行を継続することが困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
9.人材の確保及び人件費の高騰について(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
当社コールセンターでは、業務に従事する多数のコミュニケーターの確保が必要となりますが、人口減少や少子高齢化、景気好転などにより当社に十分な労働力を継続的に確保できない可能性及び採用費や人件費などが増加する可能性があります。また、労働関係法令の改正等により従業員に係る費用が増加し、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、人材採用及び人材育成を重要な経営課題と位置づけており、離職抑制及び高齢者の人材採用や公正で柔軟な人事制度導入など労務環境のさらなる改善を推進しており、当該リスクの低減に努めております。
10.小規模組織体制および内部管理(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
当社は現状の事業規模に応じた比較的小規模な経営管理体制および業務執行体制で運営を行っております。
今後、当社事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が間に合わない状況が発生した場合、適切な業務運営が困難となり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、優秀な人材の確保・育成に努めながら、コーポレート・ガバナンスの強化を進め、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用し、リスクの低減に努めております。
11.災害等(発生可能性:小、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:大)
大規模地震などの自然災害・火災・伝染病等の疾病・テロ行為など不可避な事態が発生した場合、諸状況に応じて緊急対応は行いますが、一部又は全部の事業活動の停止や保有設備・資産の復旧に多大な支障をきたす可能性があります。
また、自然災害・火災・伝染病等の疾病・テロ行為が大規模かつ広範囲に発生し、電気・通信・交通等の社会インフラの復旧に長期的に支障をきたす事態が発生した場合、諸状況に応じて緊急対応は行いますが、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。
12.訴訟等に関するリスク(発生可能性:中、発生する可能性がある期間:特定時期なし、影響度:中)
当社では「コンプライアンス管理規程」を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させることで、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社グループ及び役職員の法令違反等の有無に関わらず、顧客や取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。提起された訴訟の内容及び結果によっては、当社の経営成績および社会的信用に悪影響を与える恐れがあります。
このようなリスクを踏まえ、当社では、従業員のミスや顧客からのクレームをより早期に検知する体制を構築し、トラブルが生じた際は顧問弁護士の助言を受けた上で、リスク・コンプライアンス委員会やその他会議体にて適切に対応を行う体制構築に努めております。
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2023年10月1日から2024年9月30日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加により緩やかな回復傾向を見せています。一方で、資源価格や人件費の高騰、日米金利差を背景とした円安の進行が影響し、物価上昇が継続しており、消費者物価指数が大きく上昇するなど、消費動向は弱まりつつあります。また、急激な為替変動、世界的な地政学的リスクの高まり、金利上昇気配の高まりもあり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。通信販売業界においては、通信販売市場の2023年度の売上高は、2023年4月から2024年3月までの累計で前年比6.7%増の13兆5,600億円(2024年8月27日発表のJADMA「2023年度通販市場売上高調査」より)となり、直近10年の平均成長率は8.8%と成長を続けております。
このような環境のもと、当社グループは、今や生活の上で欠かすことのできない通信販売市場における通信販売会社へのプロモーション事業を行い、また一般消費者の健康意識の高まりを背景に、無添加食品を中心とした通信販売事業を展開してまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は2,703,435千円(前期比2.7%の増加)、営業利益317,120千円(前期比48.7%の増加)、経常利益318,727千円(前期比48.8%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益214,001千円(前期比43.5%の増加)となりました。
なお、セグメントごとの業績は以下のとおりです。
通販支援事業については、当社の主力事業であるD2C事業において、健康食品関連事業者向けのコールセンター業務受託が順調に推移したこと及び原価低減施策を実行し原価率が低減したことにより業績向上に寄与しました。一方で、今般報道されている他社において生じた紅麹原料によるサプリメント健康被害の問題に端を発した機能性表示食品に対する消費者心理の変化を念頭に、一部の取引先企業の広告宣伝投資が一時的に縮小する期間があったものの、現在は回復傾向であり、業績に対する影響は軽妙であります。
この結果、当連結会計年度の売上高(「セグメント間の内部売上高又は振替高」を含まない外部顧客への売上高(以下同じ))は2,018,682千円(前期比1.8%の増加)、セグメント利益は305,878千円(前期比33.8%の増加)となりました。
(通信販売事業)
通信販売事業においては、前期に引き続き投下した広告の運用効率が好調を維持し、新規顧客の獲得が順調に推移しました。また、定期発送顧客に対する定期発送サイクルを短縮化する施策が寄与し、定期発送率(※)が目標値を上回って推移したことで、当連結会計年度の売上高は684,752千円(前期比5.2%の増加)となりました。広告宣伝投資の最適化を行った結果、セグメント利益は11,242千円(前期は15,301千円の損失)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ543,971千円増加し1,578,424千円となりました。これは主に、売掛金が31,559千円、未成業務支出金が12,914千円減少した一方で、現金及び預金が581,760千円、商品が2,567千円増加したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末比で3,852千円減少し、67,807千円となりました。これは主に、建物が2,199千円、工具、器具及び備品が4,098千円減少した一方で繰延税金資産の回収可能性の判断に係る会社分類を変更したこと等により繰延税金資産が3,879千円増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末比で540,118千円増加し、1,646,232千円となりました。
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,441千円増加し、460,869千円となりました。
これは主に、買掛金が40,223千円、未払金が8,904千円、未払消費税等が3,291千円減少した一方で、1年内返済予定の長期借入金が11,324千円、未払法人税等が49,852千円増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末比で8,017千円増加し、95,022千円となりました。これは、長期借入金が8,017千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末比10,459千円増加し、555,891千円となりました。
当連結会計年度における純資産合計は、前連結会計年度末比で529,659千円増加し、1,090,341千円となりました。これは主に、上場に伴う新株の発行により、資本金が167,808千円、資本剰余金が167,808千円増加したこと、剰余金の配当19,957千円が発生した一方、親会社株主に帰属する当期純利益214,001千円の計上により利益剰余金が194,043千円増加したことによるものであります。自己資本比率は66.2%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ581,760千円増加し、1,268,630千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、258,613千円(前連結会計年度は262,054千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益318,727千円の計上、売上債権の減少が31,055千円、棚卸資産の減少が11,077千円、助成金の受取額12,531千円生じた一方、仕入債務の減少が40,223千円、未払金の減少が8,904千円、法人税等の支払額が78,217千円が生じたこと等によるものであります。
投資活動の結果支出した資金は、585千円(前連結会計年度は7,254千円の支出)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出724千円、敷金及び保証金の返還が139千円が生じたこと等によるものであります。
財務活動の結果得られた資金は、323,732千円(前連結会計年度は13,526千円の収入)となりました。これは主に、株式の発行による収入335,616千円、長期借入金の借入額100,000千円、長期借入金の返済額80,657千円、配当金の支払額19,957千円、上場関連費用の支出11,269千円が生じたこと等によるものであります。
当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.通販支援事業において一部仕入業務を行っておりますが、仕入金額が僅少であるため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループで行う通販支援事業は、提供するサービスの性質上、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。通信販売事業については、見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当連結会計年度における売上高は、2,703,435千円(前期比2.7%の増加)となりました。
通販支援事業につきましては、D2C事業部において健康食品関連事業者向けの新規獲得テレマーケティング施策を拡大しコールセンター業務受託が順調に推移したことにより、売上高の成長に寄与しました。一方で、今般報道されている他社において生じた紅麹原料によるサプリメント健康被害を端を発した機能性表示食品に対する消費者倫理の変化を念頭に、一部の取引先企業の広告宣伝投資を抑制する動きがあり、一部の取引先企業の新規獲得テレマーケティング施策が一時的に縮小する期間がありましたが、現在は回復傾向にあり、業績に対する影響は軽妙でありました。この結果、D2C事業部の売上高は、1,814,480千円(前期比2.9%増加)となりました。リテールメディア事業部においては、原材料価格高騰の影響により、紙面による広告媒体の需要が減少しました。このような環境の中、既存顧客の受注確保に努めると共に、当事業部のこれまでのインストアプロモーション支援の実績を営業活動において示す事で新規顧客の開拓を推進しました。この結果、リテールメディア事業部の売上高は204,202千円(前期比6.6%減少)となりました。この結果、通販支援事業の売上高は2,018,682千円(前期比1.8%の増加)となりました。
通信販売事業につきましては、前期に引き続き投下した広告の運用効率が向上し、CPO(1人あたり新規顧客獲得単価)が目標3,800円に対して実績3,449円となり、新規顧客の獲得が順調に推移しました。また、定期配送顧客に対する定期発送サイクルを短縮化する施策が寄与し、定期発送率(※)が目標0.382に対して0.385と目標を上回って推移しました。この結果、売上高は684,752千円(前期比5.2%の増加)となりました。
※当社の「定期発送率」は、既存の定期継続顧客総数に対して、当月中に定期発送を行った顧客の割合を示した指標です。当社の顧客に対する定期発送サイクルは、基本的に1カ月、2カ月、3カ月の中から選択していただいております。当指標は、既存の定期発送顧客に対する発送サイクルが短期化すると上昇し、長期化すると下落する指標となっております。
当連結会計年度における売上原価は、1,346,552千円(前年同期比4.6%の減少)となりました。
これは主に、通販支援事業のD2C事業部における、原価低減施策を実行したことによりテレマーケティングに利用する顧客リストの獲得費用が減少したこと、通信販売事業の売上高拡大に伴い仕入高が増加したことによるものであります。当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,039,762千円(前年同期比3.1%の増加)となりました。新規上場に伴い資本金が増加したことで、当期より外形標準課税適用会社となったため租税公課が増加したこと、上場準備関連費用が増加した事によるものであります。この結果、営業利益は317,120千円(前期比48.7%の増加)となりました。
営業外収益は、主に助成金収入12,531千円の受取によるものです。営業外費用は主に、新規上場に伴う上場関連費用11,269千円、支払利息665千円によるものです。この結果、経常利益は318,727千円(前期比48.8%の増加)となりました。
当連結会計年度において特別利益及び特別損失の発生はありませんでした。法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した法人税等は104,726千円(前期比61.0%増加)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は214,001千円(前期比43.5%の増加)となりました。
前記「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループでは通販支援事業においては、コミュニケーター数(お客様に架電する社員)、通信販売事業においては、CPO(1人あたり新規顧客獲得単価)及び定期率(新規受注時の定期受注件数の割合)を重視しております。当連結会計年度におけるコミュニケーター数は、目標371人対して実績405人となりました。CPOにおいては、目標3,800円に対して3,449円となりました。定期率においては、目標59.0%に対して実績68.6%となりました。
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資金需要として主なものは、人件費、人材獲得のための採用費、業務委託費であります。これらの必要資金については、営業活動により獲得した自己資金を充当することを基本方針としながら、今後の資金需要や金利動向等を勘案し、必要に応じて金融機関からの借入やエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定であります。
なお、これらの資金調達方法の優先順位は、資金需要や資金使途等に合わせて最適な方法を検討・選択する予定であります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状、その他さまざまな要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。