独立監査人の監査報告書

 

 

 

2024年12月24日

ニッポンインシュア株式会社

 取 締 役 会  御 中

 

 

有限責任監査法人トーマツ

    福 岡 事 務 所

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

荒 牧  秀 樹

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

宮 㟢  健

 

 

<財務諸表監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているニッポンインシュア株式会社の2023年10月1日から2024年9月30日までの第24期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、ニッポンインシュア株式会社の2024年9月30日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

貸倒引当金の計算に使用するデータ及び仮定の適切性

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

会社の当事業年度末の貸借対照表において、求償債権残高は1,272,764千円計上されており、総資産に占める割合は27.7%となっている。また、求償債権の貸倒に備えるための貸倒引当金残高は486,457千円計上されている。
 会社が提供する保証サービスは、保証委託者の債務不履行が発生した場合に会社が代位弁済を行うものである。代位弁済により生じた求償債権については保証委託者から回収することとなるが、回収できなかった部分は損失となる。
 財務諸表注記「重要な会計方針  3.引当金の計上基準」及び「重要な会計上の見積り」に記載のとおり、会社は、求償債権のうち、一定の滞納月数を超えておらず、回収不能となる兆候が個別にみられないものについては、一般債権等として将来の予想損失額を見込んで貸倒引当金を計上している。予想損失額は過去の一定期間の貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の平均値に基づき算定している。また、一定の滞納月数を超えるものについては、貸倒懸念債権等として、個別に求償債権残高から回収可能見込額を控除した回収不能見込額に基づき貸倒引当金を計上している。
(計算に使用するデータ)滞納月数ごとの求償債権残高、貸倒実績率及び回収不能見込額について、基幹システムからのレポートをもとに計算・集計のうえ算定の基礎資料としている。当該基礎資料が適切に作成されていない場合には貸倒引当金から損益に重要な影響を及ぼす虚偽表示が生じる可能性がある。

(計算に使用する仮定)一般債権等、貸倒懸念債権等のいずれの債権についても滞納月数などの情報をもとに過去の一定期間の貸倒実績を用いている。これは将来における貸倒による損失が過去の貸倒実績に近似するという仮定に基づくものであり、当該見積りは不確実性が高く経営者による判断を要する。

 以上より、当監査法人は求償債権に対する貸倒引当金の計上にあたって会社が使用するデータ及び仮定の適切性を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。


 

 

当監査法人は、求償債権に対する貸倒引当金の計上にあたって会社が使用したデータ及び仮定が適切であるかどうかを評価するため、以下の監査手続を実施した。

(会社の内部統制の評価)

以下の内部統制の整備・運用状況を評価した。

・滞納月数を基礎とした債権分類に基づき、貸倒実績率及び回収不能見込額が漏れなく正確に算定されることを担保するための統制

・一般債権等における滞納月数ごとの貸倒実績率及び貸倒懸念債権等における回収不能見込額について仮定が適切であることを担保するための統制

(会社が使用したデータの適切性を検討するための手続)

・貸倒実績率及び回収不能見込額の算定が正確になされているかどうかについて、監査人による再計算の実施

・貸倒実績率及び回収不能見込額の算定に用いられた計算資料に含まれている保証委託者別の求償債権や滞納月数などの情報が漏れなく正確に会社の基幹システムからレポートとして出力されていることを確かめるために、以下の手続を実施した。

① 基幹システムにインプットされている基礎データが正確に漏れなく入力されているかどうかについて、保証委託契約書などの根拠証憑との照合及び財務諸表計上額との一致の検討

② 基幹システムからアウトプットされるレポートのロジック及びパラメータが適切なものとなっているかどうかについて、ITを利用した情報システムの運用・管理等に関する統制活動を評価するとともに、出力画面の閲覧により適切に出力されていることの検討

(会社が使用した仮定の適切性を検討するための手続)

・経営者への質問、関連資料の閲覧及び分析等による当該仮定に影響を及ぼす事項の有無の検討

・過去に算定した貸倒実績率及び回収不能見込額の見積りについて、当事業年度までにおける確定額との比較分析

・比較分析の結果、当事業年度における貸倒実績率及び回収不能見込額の見積りへの反映を必要とするかどうかの検討

 

 

 

保証履行引当金の計算に使用するデータ及び仮定の適切性

監査上の主要な検討事項の

内容及び決定理由

監査上の対応

会社の当事業年度末の貸借対照表において、保証履行引当金残高は420,239千円計上されている。
 会社が提供する保証サービスは、保証委託者の債務不履行が発生した場合に会社が代位弁済を行うものである。保証契約に定める保証限度額の範囲において翌事業年度以降に求償債権が発生し、その一部が回収不能となることによる損失が見込まれる。
 財務諸表注記「重要な会計方針 3.引当金の計上基準」及び「重要な会計上の見積り」に記載のとおり、会社は、保証履行により発生する損失に備えるため、当事業年度末における将来の損失発生見込額を計上している。
 会社は、保証契約に定める保証限度額の範囲において翌事業年度以降の保証履行による将来の予想損失額を計上しているが、その見積りは、保証委託者の状況、過去の回収実績並びに保証終了時の立替累積月数の実績及び弁護士費用や強制執行に要する追加費用の発生実績に基づいている。また、保証委託者の状況や経済環境の変化等の追加情報を評価した結果、当該予想損失額は変動する可能性がある。
 (計算に使用するデータ)

滞納月数ごとの分類、予想損失額について、基幹システムからのレポートをもとに計算・集計のうえ算定の基礎資料としている。当該基礎資料が適切に作成されていない場合には保証履行引当金から損益に重要な影響を及ぼす虚偽表示が生じる可能性がある。

(計算に使用する仮定)

 会社は利用可能な情報に基づいて将来の損失発生見込額の見積りを行っているが、これは将来における保証履行により発生する損失が過去の回収実績に近似するという仮定に基づくものであり、当該見積りは不確実性が高く経営者による判断を要する。

 以上より、当監査法人は保証履行引当金の計上にあたって会社が使用するデータ及び仮定の適切性を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

 

 

当監査法人は、保証履行引当金の計上にあたって会社が使用したデータ及び仮定が適切であるかどうかを評価するため、以下の監査手続を実施した。

(会社の内部統制の評価)

以下の内部統制の整備・運用状況を評価した。

・滞納月数を基礎とした分類に基づき、予想損失額が漏れなく正確に算定されることを担保するための統制

・予想損失額の見積りの仮定が適切であることを担保するための統制

(会社が使用したデータの適切性を検討するための手続)

・予想損失額の算定が正確になされているかどうかについて、監査人による再計算の実施

・予想損失額の算定に用いられた計算資料に含まれている保証委託者別の求償債権や滞納月数などの情報が漏れなく正確に会社の基幹システムからレポートとして出力されていることを確かめるために以下の手続を実施した。

① 基幹システムにインプットされている基礎データについて正確に漏れなく入力されているかどうかについて、保証委託契約書などの根拠証憑との照合及び財務諸表計上額との一致の検討

② 基幹システムからアウトプットされるレポートのロジック及びパラメータが適切なものとなっているかどうかについて、ITを利用した情報システムの運用・管理に関する統制活動を評価するとともに、出力画面の閲覧により出力ロジックの検討を実施し適切に出力されていることの検討

(会社が使用した仮定の適切性を検討するための手続)

・経営者への質問、関連資料の閲覧及び分析等による当該仮定に影響を及ぼす事項の有無の検討

・過去に算定した予想損失額の見積りについて、当事業年度までにおける確定額との比較分析

・比較分析の結果、当事業年度における予想損失額の見積りの仮定への反映を必要とするかどうかの検討

 

 

 

その他の記載内容

 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

 

財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

財務諸表監査における監査人の責任

 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去するための対応策を講じている場合又は阻害要因を許容可能な水準にまで軽減するためのセーフガードを適用している場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

<報酬関連情報>

当監査法人及び当監査法人と同一のネットワークに属する者に対する、会社の監査証明業務に基づく報酬及び非監査業務に基づく報酬の額は、「提出会社の状況」に含まれるコーポレート・ガバナンスの状況等(3)【監査の状況】に記載されている。

 

利害関係

 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

以 上

 

 

 

 

(注) 1.上記の監査報告書の原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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