文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社の経営方針につきまして、当社は、当社グループが取り扱う商品やサービスによりお客様に「ドキドキ感、わくわく感」をお届けすることを通じて、企業理念「はずむライフスタイルを提供し、人々を幸せにする」を実現し続けることを基本的な経営方針としております。
また、社名のフォーシーズ(4Cs)には「顧客(Customer)を創造(Creation)し、顧客を大切(Cherish)にすることで社会貢献(Contribution)する」という想いを込めております。
当社グループは、当社と子会社の株式会社iiy、株式会社HACCPジャパンで運営しております。当社においては、化粧品・健康食品、アロマ関連商品の通販事業、卸売事業、リテール事業を展開している他、2024年5月より参入しましたコンサルティング事業において太陽光発電所の権利、設備等を購入取得し提携業者へ販売するまでの一連のコンサルティングを開始いたしました。子会社の株式会社iiyでは、フェムケア関連商品をメインに通信販売を行っており、株式会社HACCPジャパンでは衛生に関する商品販売やセミナー活動等のコンサルティングを行っております。報告セグメントとして、販売経路に合わせた形とし「通販事業」「卸売販売」「リテール事業」「コンサルティング事業」としております。
当社は、2023年12月より新経営体制となり既存事業の強化及び新規事業を推進してまいりました。新規事業においてはすでに記載のとおり、早期に利益改善を実現するために再生エネルギー事業へ参入しております。また、既存事業においてはブランド別での事業戦略となっていたところを販路・売上拡大を目的に社内体制を変更し、国内外での販路拡大を行っております。さらに公表しておりますとおり株式会社PROUMED、DENBA JAPAN株式会社との業務提携を行っており、今後も当社がこれまで培ってきたノウハウと業務提携先の新たな技術やサービスを融合し、新たなイノベーションを創造し、「美と健康」「生活における癒し」の分野で新たなフェーズへと進み、当社はお悩み解決型企業として飛躍的な拡大を基本戦略として、当社グループの売上拡大、黒字化の達成、また企業価値向上を目指してまいります。
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(11)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在しておりますが、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(11)継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当該事象の解消又は改善に努めております。
当社の企業理念として、「はずむライフスタイルを提供し、人々を幸せにする」をスローガンに、社名を「株式会社フォーシーズHD」(英語:4CsHD Co.,Ltd.)としております。この社名のフォーシーズ(4Cs)は「顧客(Customer)を創造(Creation)し、顧客を大切(Cherish)にすることで社会貢献(Contribution)する」という意味を込めており、これら英単語の頭文字、4つのCを表わしております。さらに、Harmonious Development(環境・人と調和して発展していく会社)、HAZUMUをDailyに(はずむライフスタイルのある毎日を)をHDの意味として位置付け、この社名のもと当社グループは、当社グループに関わる全ての人に感動を提供し、多くの人を幸せにするということを会社の中心において事業を進めております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、現状統一的な自社のサステナビリティを巡る取組について基本的な方針は策定されておりませんが、各取組の対応状況は、都度、経営メンバーに共有し、必要に応じて取締役会に報告しております。
企業の持続的成長におけるコーポレート・ガバナンスの重要性を認識しており、取引の公正・適正の確保に努めるとともに、経営の透明性、健全性を高めつつ、事業環境の変化に対応できる体制の構築に努めております。
今後は、基本的な方針の整備を行い、実効的な監督機能の一層の向上を目指してまいります。
当社グループは、現在“美と健康”“生活における癒し”の事業展開を行っており、時代に応じたお客様の暮らしに寄り添ったサービスの提供を行い、社会の持続可能な発展に貢献することが当社の目指す姿であります。
そのために、環境・人と調和していく会社として、“商品の環境への配慮”と“人材教育とワークライフバランス”を目指してまいります。
これらのサステナビリティ目標を新たに定めることにより、企業の社会的責任を更に推進できるものと考えております。
(商品の環境への配慮)
SDGsへの取組として、コスメロス対策としての販路拡大を開始、商品では環境配慮型容器の使用、水の使用を抑えた製品を企画開発する等環境に配慮した取組を行っており、今後もサステナビリティを巡る取組について積極的に施策を打ち出してまいります。
(人材育成とワークライフバランス)
・社員の能力発揮を後押しする学びの支援
当社グループは、入社後に実施する新入社員研修、業務遂行に必要な知識やスキルを習得するための外部研修など様々な学習機会の提供をおこなっております。また、職務を円滑に行うための資格取得を推進しており、社員の自己成長と能力の発揮を後押ししています。
・多様な人材の活躍機会の創出
人材の採用においては、性別・国籍および障害の有無等の区別をすることなく、グローバル人材や障害者の雇用を拡大するとともに、多様な経験を持ったキャリア人材の採用を進めており、様々な価値観を相互に理解し認め合う職場環境を醸成しております。
シニア人材の活用においては、65歳定年制、70歳までの再雇用制度などを整え、能力を十分に発揮できる就業環境の整備に努めております。
多様な働き方を実現する制度として、育児・介護と就業の両立支援としての休暇や短時間勤務制度などがあり、在宅勤務や時差出勤、長期休暇を一定期間内での時期選択制にするなど、働き方の選択肢を増やすようにしております。また、男性社員の育児参加が女性の活躍を後押しすると考え、男性社員にも育児休業の活用支援を行っております。
当社は、金融商品取引法及び会社法に基づく内部統制システムの適切な整備と確実な運用を行っています。内部統制システムとして、当社の職務の効率性向上のための体制、リスク管理体制、コンプライアンス体制及び内部監査体制等を構築・整備し、その充実を図るとともに、監査役監査が効率的に行われることを確保するための体制や環境の整備を推進しています。
(4)指標及び目標
当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材育成とワークライフバランスに関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は以下のとおりであります。
(注)1.育児・介護休業復職率は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。なお、パートタイマーの従業員の育児休業取得分は除いて計算しております。
2.月平均所定外労働時間は、パートタイマーの従業員は除外して算出しており、小数点第2位以下は切り捨てて表示しております。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては開示しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を確認した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)製品の製造委託
当社グループは、既存の化粧品及び健康食品等の製造を外部に委託しております。また、当社グループは、製品の品質維持向上のために、製造委託先及び製造再委託先に対し、製品標準書や品質管理業務手順書等を定めて製造・品質管理を行っております。
当社グループは、製造委託先、製造再委託先の管理には万全を期しておりますが、万が一、製品の製造委託先もしくは製造再委託先との急な契約の解消や天災等による生産設備への被害など不測の事態が生じた際には、製品の円滑な供給に支障をきたすことが考えられます。また、当社グループ商品の安全性をめぐるクレームが発生した場合、不良品回収のためのコストや損害賠償費用等が発生する可能性があり、結果として当社グループ商品に欠陥や安全性に関する問題がなかった場合であっても、風評被害等の影響を生ずる可能性があります。かかる事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)店舗運営にかかるリスク
① 出退店計画
当社グループでは、戦略的なスクラップ&ビルドを行う予定ですが、デベロッパーとの交渉や施設のリニューアル等の理由でスクラップが予定どおり行われない場合や、新規出店が重なり、広告宣伝費、人件費、消耗品費等の出店コストが先行して発生する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、新規プロジェクト並びに新規出店の進捗に対しては、取締役会並びに経営会議にて個別にきめ細やかな報告と確認を随時行ってまいります。
② 店舗周辺の環境変化
当社グループは出退店を決定する際には、商圏誘引人口、競合店調査、賃借条件等の立地調査を綿密に行った上で意思決定をしております。しかしながら、交通アクセスが変化した場合や、同業他社等から新規参入があった場合には、当初の計画どおりに店舗収益が確保できず、当社グループの財政状態又は業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 敷金・保証金
直営店における店舗については、賃借による出店が中心であり、賃借契約を締結する際に賃貸人に対して敷金及び保証金の差入を行っております。賃貸人の財政状況が悪化した場合には、敷金及び差入保証金の回収が不可能となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 自然災害
当社グループの運営する店舗において、異常気象及び地震並びに台風等の天変地異により、お客様の来店が困難な状況が続き来客数が減少した場合、また店舗の破損等に伴う修繕費や除却損等の多額の費用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループでは、自然災害などの緊急時において、お客様の人命と安全の確保を第一として、経営陣と適宜情報交換を行い、店舗の営業中止などの迅速な判断を行い、有事の際に損害を最小限に抑えるよう努めております。
⑤ パート就業者への社会保険加入義務化の適用基準拡大
当社グループでは、各店舗において多数のパート就業者を雇用しており、社会保険加入義務化の適用基準拡大等の法改正の動向により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループでは法令遵守を第一に、より緻密な人件費コントロールのノウハウの構築と蓄積を進めてまいります。
(3)法的リスク
① 訴訟
当社グループは、国内外での事業活動の推進にあたって、知的財産法、製造物責任法、ライセンス等の問題で不測の訴訟や請求を受ける可能性があります。重大な訴訟が提起された場合、当社グループの信用状況や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、当該リスクへの対策として、事業に関連する各種法令、規制を遵守するとともに、契約内容の明確化、相手方との協議の実施により紛争の発生を未然に防ぐよう努めております。
② 知的財産権
当社グループは、製品に係る商標権等の知的財産権その他業務遂行上取得したノウハウを保有しております。当社グループは、かかる知的財産権を厳格に管理しておりますが、当社グループの保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には期待される収益が失われる可能性があります。また、当社グループの意図にかかわらず、当社グループ製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償を請求される可能性があります。あるいは根拠の無い請求であっても賠償請求を受ける可能性があり、これを争うためには費用と時間を要する可能性があります。
かかる事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制
当社グループは、化粧品及びアロマ関連商品を販売しており、「医薬品医療機器等法」で医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のため必要な規制がされております。当社グループでは品質管理部門が統括管理を行い、本法に基づいた化粧品及びアロマ関連商品の販売を行っております。
また、当社グループは、健康食品を販売しており、食品の規格、添加物、衛生監視及び営業許可について定めた「食品衛生法」、販売する食品について、栄養成分及び熱量を表示する場合の基準を規定した「健康増進法」、消費者が安心して食生活の状況に応じた食品の選択ができるようにするため、栄養補助食品のうち一定の要件を満たした食品を保健機能食品と称する「保健機能食品制度」等の規制を受けております。
その他にも、事業の遂行にあたって、特定商取引に関する法律(特定商取引法)、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)、製造物責任法(PL法)、薬機法(旧薬事法)、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)等の多岐にわたる法的規制の適用を受けております。
当社グループは、コンプライアンス及びリスク管理について統制・把握し、役職員に対するコンプライアンスの周知徹底や教育の実施等、これらの法令の遵守に努めておりますが、万が一これらに抵触することがあった場合は、行政処分の対象となることがあり、その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)情報セキュリティ
当社グループは、様々な経営及び事業に関する重要情報、主要な販売チャネルの1つが通信販売であるため、多数の顧客の個人情報を保有しております。また、当社グループは、これらの個人情報の取扱いに関して個人情報保護に関する法令及び社内規程を遵守するとともに、情報管理体制の強化と従業員教育の徹底に取り組んでおります。
しかしながら、不測の事態により、個人情報の漏洩が発生した場合、また、万が一これらの情報が誤って外部に漏洩した場合には、当社グループの事業に重大な影響を与えるとともに、当社グループの社会的信用を低下させる可能性があります。
(5)システム障害
当社グループは、売上管理、受発注管理、勤怠管理等の運営管理システムの保守・管理については、万全の体制を整えておりますが、災害、ソフトウエア又はハードウエアの欠陥、コンピューターウイルスの感染等の不測の事態によりシステム障害が発生した場合には、事業運営に支障をきたすことになり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)インターネット等による風評被害
ソーシャルメディアの急激な普及に伴い、口コミサイトへの投稿が多くなっております。当社グループでは定期的にインターネット上の風評を調査しておりますが、書き込みを要因とするマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)固定資産の減損に係るリスク
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。当期において減損が発生しておりますが、将来においても、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)特定の取引先への依存
当社グループの中には、特定の取引先(販売先)に依存している会社があります。当該取引先に対する売上が何らかの理由により減少した場合又は取引関係に急激な変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)債務保証
当社はグループ会社に対し、必要に応じ、銀行借入時等資金調達に際して信用の提供をしております。現状におきまして、嘗て当社のグループ会社であったクレイトン・ダイナミクス株式会社の借入に関する債務保証が残存しております。この債務保証につきましては、金融機関と交渉の上、解消していく方針ではありましたが、解消に至る前にクレイトン・ダイナミクス株式会社の財政状態が著しく悪化したことに伴い、同社の借入金に対する 当社の保証債務を履行する可能性が高まったため、債務保証損失引当金繰入額81,500千円を特別損失に計上することといたしました。
(10)感染症流行による事業活動の停滞
感染症の拡大により卸売事業については、インバウンド需要が減少し当社の財政及び経営成績に影響が生じる可能性があります。なお、今般の新型コロナウイルス感染症に対しては2023年5月に感染症法上の5類に移行しましたが、引き続き感染予防対策を徹底するとともに時差出勤やテレワーク(在宅勤務)の実施に加え、WEB会議の開催等、その影響を最小限にとどめる取組を推進することで、事業継続に努めてまいります。
(11)継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは第18期連結会計年度より、継続企業の前提に関する重要な疑義を解消する施策を実施してまいりましたが、通販事業と卸売事業では、黒字化の収益体制が確立できているものの、リテール事業とコンサルティング事業におきましては、引続き営業損失が続いている状況となっております。当連結会計年度において、営業損失126,174千円、親会社株主に帰属する当期純損失を273,032千円計上しております。
当社グループの事業運営は、営業黒字、プラスの営業キャッシュ・フローを達成することができず、6期連続の連結営業赤字及びマイナスの連結営業キャッシュ・フローを計上することとなり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。2025年9月期につきましては、連結での黒字化を目指すべく社内の組織変革をし、既存事業である通販事業、卸売事業、リテール事業での販路拡大を目指し、2024年5月10日に公表したとおり新規事業として再生可能エネルギー事業へ参入し、翌月6月より太陽光発電事業におけるコンサルティング事業を開始し利益体質の強化を図っております。
当社グループは、当該事象を解消又は改善するために様々な対応策をすでに一部実施しており、今後も遂行してまいります。
これらの対応策に加えて、当連結会計年度末の現金預金は、必要運転資金に十分な残高であるため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は存在しないと判断しております。
(対応策)
1.通販事業
① コールセンターを活かした他社との業務提携による収益の拡大
② 当社顧客への他社商品・サービスの販売による収益拡大
③ 行使価額修正条項付第16回新株予約権の行使によるマーケティング費用を充当
2.卸売事業
① 国内外における当社取扱いブランド商品の販路拡大
② 行使価額修正条項付第16回新株予約権の行使によるマーケティング費用を充当
3.リテール事業
① 新規顧客獲得強化による新たな顧客層の獲得とリピート率を高めることによる客数の向上
② 原価率と人件費率を改善することによる利益体質の改善
4.コンサルティング事業
① 第三者割当による新株式発行の資金387百万円を元手に太陽光発電事業における太陽光発電所を継続的に購入取得し販売
② 子会社の株式会社HACCPジャパンにて衛生関連商材の販売や衛生に対するコンサルティングのセミナーを実施
5.コスト削減又は効率的配分の徹底
① 経費削減活動の徹底を継続
② 販売スタイル別のセグメントへの変更や生産部門統一化による、効率的かつ効果的なコスト配分の徹底
6.成長企業・事業のM&A及び資金調達
「はずむライフスタイルを提供し、人々を幸せにする」というミッションのもと、既存事業における美と健康の分野にて、他社との事業提携を行い商品開発・新ブランドの展開を行う。他社の商品についても、通信販売やリテール販売で、当社の販路を活用し収益を拡大する。美と健康と生活における癒しをテーマとした生活を豊かにするサービスを提供する事業を想定したエンジョイライフ分野におけるM&Aを積極的に推進し、第三者割当新株式発行の行使による328百万円相当の資金調達を充当する。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、10月に発表された日銀短観における大企業の業況判断DI(最近)によると、世界的な半導体需要の回復が追い風になったものの、輸出の低迷や台風による工場停止などが景況感の重石となり、大企業製造業で景況感が横ばいとなっています。大企業非製造業では、地震臨時情報・台風上陸に伴う人出減少や人手不足が重荷となったものの、価格転嫁の進展やインバウンド需要の増加が追い風となり、景況感が若干改善しています。しかしながら、物価高による消費への悪影響や人手不足の深刻化、円高によるインバウンド需要減少への懸念などが影響し先行きの景況感については、悪化の懸念が見込まれております。
このような状況下のもと、当社グループにおきましては業績回復に向けて、各セグメントそれぞれの営業スタイル特性に合わせた施策を積極的に推進してまいりました。また、2024年5月10日に公表しておりますとおり、当社は再生可能エネルギー事業へ参入を決議し、太陽光発電事業におけるコンサルティング業務を第3四半期連結会計期間より開始いたしました。報告セグメントにつきましては「衛生コンサルティング事業」から「コンサルティング事業」へ名称を変更し、売上・利益の計上を行っていくこととなります。
他、化粧品・健康食品、アロマ関連商品を取扱う「通販事業」「卸売事業」「リテール事業」におきましては、通販事業は、売上高は前連結会計年度を上回る結果となり、営業利益についても計画通りの実績を出すことができております。卸売事業は、売上高・営業利益ともに前連結会計年度を上回り、順調に国内・海外ともに販路拡大を進めております。しかしながら、リテール事業は、客単価・リピート率向上の施策が功をなし一定の結果が出ておりますが、目標としていた黒字化での着地は未達成となりました。コンサルティング事業につきましては、前述したとおり太陽光発電事業を始動しておりますが、売上・営業利益は収益認識基準のもと、現契約内容においては工事完成基準となるため、今期には計上出来ておりません。子会社の株式会社HACCPジャパンで行っている衛生に関するコンサルティング業務については、社内的なリソース及び世情を鑑みてグループ全体で事業の選択と集中を進めており、売上は前年度を下回る結果となりましたが、営業損失額は大きく改善いたしました。
商品では、2024年2月に販売を開始いたしました、ボディケアカンパニーのファイテン株式会社との共同企画商品「アロマブルーム メタックスアロマティックローション」は、リテール店舗、WEBで好調な売れ行きが続いており、卸売でも販路を大きく拡大しております。来期以降も、積極的に販路拡大を進めてまいります。また、当社取扱い商品は全ブランド通販、卸売、リテールでの販売を強化していく方針となります。
以上のことより、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,257,804千円(前年同期比5.7%増)となり、営業損失126,174千円(前年同期は営業損失214,214千円)、経常損失129,355千円(前年同期は経常損失216,931千円)、親会社株主に帰属する当期純損失273,032千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失272,624千円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(通販事業)
通販事業は社内コールセンターにおける電話オペレーターによる販売とEC販売にて構成されております。通販事業におきましては、売上高1,082,150千円(前年同期比21.6%増)、セグメント利益は197,674千円(前年同期比3.4%減)となりました。通販事業の今期の施策としては、電話オペレーター販売においては、既存顧客の掘り起こしによる顧客ストックの積み上げ、コールセンターを活かした顧客の育成による収益拡大を目指しておりました。リピート顧客及び掘り起し顧客へのアプローチを徹底的に継続し安定的な売上・利益の実績をつくることができていることと、さらに電話での販売スキルを武器に他社商材や架電代行業務を行っております。EC販売においては、自社オンラインショップの改修、モール販売の強化、SNSの活用や広告配信などにより全ブランドの認知度向上と新規顧客開拓を図り、売上拡大につなげてまいりました。化粧品・健康食品を取り扱う「FAVORINA」は、新規顧客獲得の施策とリピーター販売強化により売上拡大に向けての取組を加速しております。「AROMA BLOOM」においては、ECモールでの施策を活発化するとともに、売上・認知拡大を積極的に進めており売上増及び利益化が実現できております。以上の結果、通販事業全体としては、売上高においては前年同期よりも上回る結果となる一方で、営業利益についてはEC販売への積極的な投資を高めたことにより前年対比より減少とはなりましたが、安定的な黒字化体制を確立することができております。
(卸売事業)
卸売事業は国内卸売事業と海外卸売事業にて構成されております。卸売事業におきましては、売上高520,391千円(前年同期比13.9%増)、セグメント利益212,275千円(前年同期比41.1%増)となりました。卸売事業の今期の施策としては、医薬部外品の売り場拡大によるピーリング市場の掘り起こしと主力商品の拡大、海外展開の強化のための資金として、行使価額修正条項付第16回新株予約権の行使により50百万円相当の資金調達を充当、各自治体の「ふるさと納税」事業へ参画など、新たな市場への参入を目指しました。すでに実績のある「Cure」ブランドについては、国内外の人気ユーチューバーによるプロモーション活動の効果も大きく売上、販路を順調に拡大しております。「FAVORINA」「FINE VISUAL」「AROMA BLOOM」につきましては、国内卸売事業・海外卸売事業とも認知拡大を目的としたプロモーション活動を継続しており、それぞれ順調に進んでおります。海外につきましては、「Cure」ブランドでは2022年6月28日に公表させていただいた「子会社に対する仮処分命令申立てに関する和解成立のお知らせ」のとおり、主力商品である「ナチュラルアクアジェル」を中華人民共和国、中華人民共和国香港特別行政区及びアメリカ合衆国において2023年7月31日までの期間にて、製造及び販売を控えておりましたが、2023年8月1日より本条件が解除となりましたため当期より販売を再開しております。さらに、現在は「Cure」ブランドを筆頭に他ブランドにおいても東南アジアを中心としたアジア市場へも販路を拡大しております。また「FAVORINA」「AROMA BLOOM」につきましては台湾での販売を開始することができました。以上の結果、卸売事業全体としては、売上高・セグメント利益は前年度を大きく上回る結果となりました。
(リテール事業)
リテール事業は「AROMA BLOOM」の店舗運営事業にて構成されております。リテール事業におきましては、売上高635,223千円(前年同期比13.6%減)、セグメント損失34,975千円(前年同期はセグメント損失75,845千円)となりました。今期の施策としては、新規顧客獲得強化による新たな顧客層の獲得とリピート率を高めることによる客数の向上、原価率と人件費率を改善することによる利益体質の改善を目指しておりました。会員獲得施策として昨年度より導入しているアプリ会員については1年間で4万人弱増の約9万人、LINEアカウントの登録者数も3万人増の約8万人へ増加しており新規獲得とリピート率及び単価の向上につながっております。その結果、原価率と客単価につきましては、前年同期に対して大きく改善されております。当連結会計年度では、収益性の低い3店舗の退店を行ったため、前年度より売上高は下回っておりますが、客単価の向上とリピート施策及び新商品の発売により一定の効果は出ております。リテール事業におきましては、引き続き赤字体質の脱却を図るため、地域特性に合わせたMD(ブランド、店舗、顧客)コンセプトを見直しすることによる店舗スタイルの見直し、顧客情報の獲得のためのツール導入による再来店アプローチの強化、仕入れ価格の交渉及びOEM製品開発による原価率の改善により早期に業績の拡大と黒字化を目指してまいります。
(コンサルティング事業)
コンサルティング事業におきましては、売上高30,598千円(前年同期比45.8%減)、セグメント損失12,813千円(前年同期はセグメント損失26,668千円)となりました。今期の施策としては、衛生に関するコンサルティングとして、食品業界に浸透しつつある食品衛生法上のHACCP管理への指導、JFSM(食品安全マネジメント協会)規格の認証コンサルへの注力、空間除菌デバイスDevirus ACの感染症対策に悩む畜産業界に転用する施策の推進を目指しておりました。HACCP管理への指導及びJFSM認証コンサルについては、顧客によって明暗が分かれているのが実情で、HACCPの国内における浸透も進んでいないため、多店舗展開を行っている飲食事業者をターゲットとし、業容拡大となっている顧客の工場新設案件や、増設案件などに衛生コンサルを提案することで、さらなる受注の拡大、セミナー受注の提携先を強化してまいりましたが、飲食店を含めた食品関連企業における新型コロナウイルス禍によるダメージはいまだ継続しており厳しい経済環境が続いております。感染症対策として販売を行っている空間除菌デバイスDevirus ACについては、国内大手の鶏舎への導入を実施し更なる展開拡大を行ってまいりましたが、暖冬の影響で鳥インフルエンザの発生頻度が少なく売上が予測を下回る結果となりました。そのような外的環境を受け、グループにおける事業の選択と集中の検討を進めている中で、社内のリソースを第3四半期連結会計期間より太陽光発電事業のコンサルティングへシフト変更いたしました。太陽光発電事業の売上・利益につきましては、現契約内容においては収益認識基準に沿って、工事完成基準となります。
(資産)
当連結会計年度における資産の残高は2,293,574千円(前連結会計年度末1,643,387千円)、その内訳は流動資産1,949,157千円、固定資産344,416千円となり、前連結会計年度末に比べ650,187千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加297,148千円、売掛金の減少24,899千円、商品及び製品の減少69,736千円、前渡金の増加368,797千円、短期貸付金の増加40,000千円、流動資産その他の増加97,947千円、無形固定資産の償却による減少50,275千円等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度における負債の残高は1,120,170千円(前連結会計年度末1,125,220千円)、その内訳は流動負債911,329千円、固定負債208,841千円となり、前連結会計年度末に比べ5,049千円減少いたしました。これは主に、買掛金の増加7,363千円、短期借入金の減少100,000千円、1年内返済予定を含む長期借入金の減少112,829千円、前受金の増加126,318千円、債務保証損失引当金81,500千円を計上したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の残高は1,173,403千円(前連結会計年度末518,166千円)となり、前連結会計年度末に比べ655,236千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失273,032千円の計上により利益剰余金が減少、第三者割当による新株式の発行により資本金、資本剰余金がそれぞれ464,000千円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、786,592千円となり、前連結会計年度末と比べて297,147千円増加しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用された資金は、361,105千円(前年同期は324,387千円の使用)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失257,475千円、債務保証損失引当金の増加81,500千円、棚卸資産の減少72,341千円、前渡金の増加368,797千円、未払又は未収消費税等の増加32,591千円、前受金の増加126,318千円、未収入金の増加48,710千円、預け金の増加78,091千円、法人税等の支払額22,667千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用された資金は、50,123千円(前年同期は102,931千円の使用)となりました。
これは主に、出資金の払込による支出10,000千円、短期貸付による支出40,000千円、差入保証金の回収による収入7,358千円、資産除去債務の履行による支出9,495千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、708,376千円(前年同期は317,388千円の使用)となりました。
これは主に、短期借入金の返済による支出100,000千円、長期借入金の返済による支出112,829千円、第三者割当による新株式の発行による収入921,368千円等によるものであります。
当社グループの提供するサービスは生産・受注活動を伴わないため、記載を省略しております。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度末の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
通販事業、卸売事業の売上高については前連結会計年度を上回る結果となり、順調に売上を拡大しております。リテール事業におきましては、収益性の低い店舗を3店舗退店したことで、売上は前年同期比を下回り、コンサルティング事業におきましては、外部環境の影響が大きく、売上が予測を下回る結果となりました。このような中グループ全体における事業の選択と集中の検討を進めていく中で、社内のリソースの一部を第3四半期連結会計期間より太陽光発電事業のコンサルティングへシフト変更いたしました。しかしながら太陽光発電事業については、当連結会計年度で契約した物件につきましては、基本的に太陽光発電設備を引渡した時点で当該物件の支配が移転すると判断し、工事が完成し契約先に引渡しを行った時点で、収益を認識する工事完成基準での計上とすることとなりましたので、当連結会計年度の売上高には計上できておりません。以上のことより、前連結会計年度と比べ120,919千円増加し、当連結会計年度の売上高は2,257,804千円(前年同期比5.7%増)となりました。
b.営業損益
通販事業及び卸売事業におきましては安定的に黒字化が実現できております。一方、リテール事業では新規顧客獲得強化による新たな顧客層の獲得とリピート率を高めることによる客数の向上、原価率と人件費率を改善することにより、利益体質の改善を図っており一定の効果は出ておりますが、リテール事業としては未だ黒字化の実現ができておりません。コンサルティング事業につきましても、外部環境を受け、社内のリソースの一部を第3四半期連結会計期間より太陽光発電事業のコンサルティングへシフト変更しておりますが、前述したとおり当連結会計年度の利益には計上できておりません。以上のことより前連結会計年度と比べ88,040千円改善はしておりますが、当連結会計年度の営業損失は126,174千円(前年同期は営業損失214,214千円)となりました。
c.経常損益
前連結会計年度と比べ87,575千円改善し、当連結会計年度の経常損失は129,355千円(前年同期は経常損失216,931千円)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純損益
特別損失(債務保証損失引当金繰入額・貸倒引当金繰入額等)の計上等により、前連結会計年度と比べ408千円悪化し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は273,032千円(前年同期は親会株主に帰属する当期純損失272,624千円)となりました。
なお、セグメント別の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは化粧品、健康食品、アロマ関連商品の通信販売及び卸販売、リテール販売を主な事業としております。そのため、法的な規制や制限、その他個人情報の漏洩が発生した場合は経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入と第三者割当増資を資金の源泉としております。また、設備投資並びに事業投資等の長期資金需要につきましては、自己資金はもとより、金融機関からの借入等、金利コストの最小化を図れるような調達方法を実施しております。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に当たっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。