文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
(2) 目標とする経営指標
当社は、売上総利益を最大化すべく、「大手企業(注)売上高」「大手企業取引社数」「大手企業1社当たり売上高」「プロフェッショナル人材の登録者数」「契約数」「直接営業人員数」を重要な経営指標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、今後もプロフェッショナル人材向けサービス事業に注力し、引き続き事業拡大を図ってまいります。当社には、プロフェッショナル人材データベースや多様な働き方に関するノウハウ、大手企業から中小・ベンチャー企業、中央省庁、金融機関といった多様なステークホルダーとの関係、DX(デジタルトランスフォーメーション)で企業変革を支援する実績、地方への展開力といった強みがあります。新型コロナウイルス感染症の影響等による働き方改革への関心の高まり、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進加速、地方創生の促進といった社会情勢を背景に、当社の強みを活かし、企業規模や地域に縛られない「新しい働き方」を推進してまいります。
事業としては、新たにプロフェッショナル人材事業、地方創生事業、ソリューション事業を「3本の柱」とし、今後の事業拡大を図ってまいります。柱となるプロフェッショナル人材事業に加え、東京一極集中の是正を目指し地方と都市部を繋ぐ地方創生事業及び、プロフェッショナル人材事業及び地方創生事業で培ったノウハウがあるからこそ提供できる当社独自のソリューション事業の3つの事業を通じて、日本経済の活性化に貢献してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
① 優秀な人材の採用と育成
当社売上高の90%以上を担っている主力事業のプロフェッショナル人材事業において、売上高3,000億円以上の大企業との取引高は66.4%(2024年9月期実績)を占め、毎期120%以上の高成長を続ける当社の売上高を牽引しています。今後もこの高成長を継続するためには更なる営業人員数の増加が必要であり、当社のミッション・ビジョンに共感する優秀な人材の積極採用を継続してまいります。
また、大企業のニーズに応じて適正なプロフェッショナル人材をアサインする目利き力や企業の課題に対して適切なソリューションを提案するコンサルティング力など、高度なプロフェッショナル力の育成に努めます。
併せて獲得した人材が長期にわたって活躍する環境を整えるべく、新入営業社員向け教育研修の計画的な実施、社員の学習と成長の機会の充実、社内交流・コミュニケーション活性化、社員のエンゲージメント強化といった人員定着のための施策を実施し、人的資本経営を推進してまいります。
② AIの活用やDXによる生産性の向上
当社では、クライアントと登録プロフェッショナル人材のマッチングの多くにおいて、当社社員が介在して、1件ずつ手厚く対応をしております。今後もこの手厚い対応は当社の強みとして継続するものの、より効率的かつ精度の高いマッチングを行うためにAIの活用を積極的に推進してまいります。
また、マッチング以外の営業活動や業務全般において、データの蓄積と可視化、分析機能など情報基盤の強化により、これまで以上に仕組化・DX(デジタルトランスフォーメーション)を進め、生産性の向上に繋げてまいります。
③ 登録プロフェッショナル人材データベースの拡充
当社の事業拡大のためには、高度プロフェッショナル人材の確保が必要不可欠となります。PR活動やWeb広告、当社運営メディア「CAREER Knock」「Consulnext.jp」を活用したコンテンツマーケティングなど新規登録のプロモーションを継続してまいります。
また、運営サービスの多角化を受け、サービス間の相互送客やライスワーク、ライフワーク両面での挑戦の機会提供を強化することにより、プロフェッショナル人材が、ライフステージに応じて、雇用、副業、独立、離職(リスキリング等)といった多様な働き方を実践し、当社と持続的な関係を続けていただけるよう、エンゲージメント強化に努めてまいります。
④ 事業の多角化による適正な利益確保
売上高の成長を維持しつつ、適正な利益水準を確保するためには、事業の多角化を進め、相対的に売上総利益率の高い地方創生事業やソリューション事業を引き続き成長させていきます。また、プロフェッショナル人材事業においては、クライアント企業の多様なニーズに対応すべく対応領域の拡大を続けることに加え、当社社員プロフェッショナル人材と外部プロフェッショナル人材のハイブリッド体制でのプロジェクト支援や課題解決型のコンサルティングを強化し、提供価値を高めることにより、利益水準の向上を目指してまいります。
⑤ 事業間、サービス間連携の強化
当社の強みである8万人超のプロフェッショナル人材データベースと都市部大手企業、地方有力企業、中小企業、ベンチャー・スタートアップ、官公庁、自治体、地方金融機関といった多様なプレーヤーとのネットワーク力を各事業、各サービスで最大限に活用し合えるように、事業間、サービス間連携の強化を進めてまいります。
事業間連携の強化においては、複数事業による多面的なソリューション提案により売上高3,000億円以上を中心とした大企業との接点を強化し、取引拡大の余地が大きい大企業へのクロスセルを推進いたします。
サービス間連携の強化においては、プロフェッショナル人材の新規登録機能を統合し、1サービス登録から複数サービス利用へと繋げ、新規登録者のサービス間連携を強化いたします。
⑥ 情報管理体制の強化
当社は、自社サービスの顧客情報やプロフェッショナル人材の個人情報等を含む多くの機密情報を取り扱っており、情報管理体制を強化していくことが重要な課題であると考えております。
現在、情報セキュリティ関連規程を制定し、運用するとともに、「プライバシーマーク」の認証を取得し、情報管理を徹底しておりますが、今後も継続的に社内教育・研修の実施やシステムの整備等を継続して実施し、管理体制の強化を図ってまいります。
⑦ 認知度の向上
当社は、ミッション「日本のみらいのために挑戦する人を増やす」、ビジョン「プロフェッショナル人材が挑戦するエコシステムを創造する」を通して、プロフェッショナル人材と企業・組織に新しい価値を提供し、日本社会と市場の変革を支えることを目指しています。しかしながら、日本の労働人口におけるフリーランス人口の割合は8%と米国の38%に比べて大幅に少なく、大企業における外部プロフェッショナル人材の活用やその有意性についての認知もけっして高いと言えない状況です。
当社は今後も積極的な広報活動を行い、当社の認知のみならず、外部プロフェッショナル人材の活用やその活用を通して解決される社会課題や企業課題を広報し、日本社会と市場の変革に繋げてまいります。
該当事項はありません。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は「日本のみらいの為に挑戦する人を増やす」をミッション、「プロフェッショナル人材が挑戦するエコシステムを創造する」をビジョンに掲げ、ビジョンの実現を通じた社会課題の解決を目指し、まさに事業展開そのものがサステナビリティの強靭化に貢献するものと理解しております。特に「人生100年時代を実践するプロフェッショナル人材による労働力不足の解消」「人材の流動化による日本経済の発展」「東京一極集中の是正による地域経済の活性化」といった社会へのインパクトを含め、サステナビリティ領域の議題や方針、対策等につきましては、代表取締役及び経営幹部が出席する経営会議ならびに取締役会で議論し、経営幹部がリードするかたちで、実効性のある活動の推進を目指しております。また、具体的な施策については、社会課題の解決に貢献する事業運営を長期的・持続的に推進していけるよう努めております。
当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
当社は、先述の通り、「人生100年時代を実践するプロフェッショナル人材による労働力不足の解消」「人材の流動化による日本経済の発展」「東京一極集中の是正による地域経済の活性化」といった社会へのインパクトの創出に取り組んでおります。それに向けて、多様な人材が希望する勤務場所(都市部・地方)や契約形態(正社員・業務委託等)で挑戦できる環境や仕組みを整備することに努めております。当社従業員やプロフェッショナル人材といった「人」を最も重要な経営資源と捉えており、このようなかたちでエンゲージメントを高め、事業運営を担う当社の人材の価値を最大化することが必要と考えております。このことが企業を持続的な成長に導くことを可能にする、人的資本経営の実践にほかならないと認識しております。
具体的には当社では、以下2点の方針のもと、ミッション・ビジョン・行動指針である「みらイズム」を起点とした人的資本経営を実践しております。
当社が描き実現を目指しているビジョンにおいては、プロフェッショナル人材は、ライスワーク(生活のための仕事、食料を得るための仕事)のみならずライフワーク(夢や自分の好きなことを追い求めるための仕事、自己実現の仕事)も実践していることが理想であると考えております。そして、ライスワークとライフワークが一致している状態において、プロフェッショナル人材は最大限「本気」の挑戦を実践できると考えております。
当社事業はプロフェッショナル人材との良好な関係のもとに成り立っておりますが、それゆえにプロフェッショナル人材に向き合う当社メンバー自身もプロフェッショナルであるべきだとしております。
このような前提のもと、ミッション・ビジョンへの共感度の高い人材のみを採用し、またミッション・ビジョンの浸透施策を継続的に講じることで、当社メンバーにとって当社での業務の推進がライフワークの実践につながることになり、ライスワークとライフワークが一致している状態の実現が可能になります。それによって、個々のメンバーの「本気」の挑戦を引き出し、人材の価値最大化に繋げてまいります。
先述の通り、当社はプロフェッショナル人材に向き合う当社メンバー自身もプロフェッショナルであるべきだと考えております。当社は当社メンバーに行動指針「みらイズム」を、「プロフェッショナルとして成果を出し続けるための行動様式」として実践するよう提示しております。
上記2点の方針に基づく人的資本経営実践のために、ミッション・ビジョンへの共感度が高く行動指針「みらイズム」を実践できる方のみを採用していけるよう採用方針の明確化・徹底をすると同時に、ミッション・ビジョン・行動指針「みらイズム」浸透施策を日々のコミュニケーションや日常業務に組み込む施策を遂行しております。
定期健康診断やストレスチェックの実施、育児休業など仕事と私生活の両立支援制度の周知、育児世代の女性が働きやすい制度の導入及び規程整備の検討・実施、年次有給休暇取得促進といった、多様な人材が働きやすい環境作りを推進しています。
当社では、
当社では、人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針について、具体的な取り組みを行っているものの、本報告書提出日現在においては、測定可能な目標を設定しておりません。
今後、関連する指標のデータの収集と分析を進めていく中で、その進捗に合わせて測定可能な目標の設定及び開示を検討してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の事業を継続、拡大させていくためには、高い専門性を有したプロフェッショナル人材を継続的に確保する事が重要となります。そのため当社は、フリーランスとして活動しているコンサルタントとの接点の確保、コミュニケーションの強化による囲い込みを重要課題と認識しております。また、フリーコンサルタントと積極的にコミュニケーションを取る専任スタッフの採用活動の強化及び教育研修による育成を図るべく、営業企画部門の強化を積極的に推進しております。これらの活動が当社の計画通りに進まなくなった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の各事業は、主に労働者派遣法(注1)及び職業安定法(注2)、個人情報の保護に関する法律、下請法、フリーランス新法等の法的規制の対象となっております。当社は関係法令を遵守して事業を運営しておりますが、労働者派遣法に定める派遣事業主または職業安定法に定める有料職業紹介事業者としての欠格事由に該当もしくは法令に違反する事項が発生した場合、事業の停止や派遣事業主または有料職業紹介事業者の許可の取り消しをされる可能性があり、その場合には事業を営むことが出来なくなる可能性があります。
また、将来これらの法令ならびにその他の関係法令が、労働市場をとりまく社会情勢の変化などに伴って、改正若しくは解釈の変更などがあり、それが当社の営む事業に不利な影響を及ぼすものであった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 1.派遣元事業主が派遣先と労働者派遣契約を締結して、派遣元事業主が雇用する労働者を派遣先の指揮命令下で労働に従事させること(労働者派遣事業許可証 派13-305405 有効期間 2021年11月1日から2026年10月31日)
2.求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすること(有料職業紹介事業許可証 13-ユ-305507 有効期間 2020年7月1日から2025年6月30日)
プロフェッショナル人材向けサービス市場は、いかに顧客企業の要望に応じることのできる即戦力としてのプロフェッショナル人材を囲い込みできるか否かという点が挙げられますし、人材会社としてのマッチングノウハウと、コンサルティング会社のような大企業の経営課題に対しての提案力とプロジェクトマネジメント力の両方が必要となるため、新規に参入しても、事業を拡大していくためには、相応のノウハウが必要となります。
しかしながら、将来の成長が期待される市場であり、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。新規参入者が多額の営業活動費や広告宣伝費を投下し、競合状況が激化した場合には、価格の下落、又は価格競争以外の要因でも案件獲得を失うおそれがあり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、常に業界動向、技術革新、ユーザーニーズの変化等に対応する必要があると考えております。そのため、顧客企業によるプロフェッショナル人材へのニーズに変化等が起こった場合には、変化に対応するための追加的支出が必要になる可能性があり、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
成長著しいプロフェッショナル人材向けの市場におきましては、当社で培ったノウハウを活かした新規サービスを立ち上げることが必要であると認識しております。新規サービスへの投資については、十分な検討を行った上で投資の意思決定をしてまいります。しかしながら、新規投資によるサービスが顧客企業またはプロフェッショナル人材のニーズに応えられずに、採算の合わないサービスが増加する、あるいは市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた投資の回収を実現できない可能性があります。さらに、新規サービスの立ち上げには、一時的に追加の人材採用及び育成費用の発生、外注及び広告宣伝にかかる費用の発生、ソフトウエア開発並びに設備投資等が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、システムトラブルの発生を回避するために、ウェブサーバの負荷分散、データベースサーバの冗長化、サーバリソース監視、定期バックアップの実施等の手段を講じることで、システムトラブルの防止及び回避に努めております。しかし、サービスを管理しているサーバや配信のためのシステムにおいて何らかのトラブルが発生することにより、サービスの運営に障害が生じる可能性があります。このような障害が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の主要事業であるプロフェッショナル人材向けサービス事業は、顧客先において事業戦略策定や業務改革支援、新商品・サービス開発支援、大規模システム構築PMO、基幹システム導入支援等の機密性の高い情報を取り扱っております。このため当社においては、全従業員及び稼働中のプロフェッショナル人材に対して入社・登録時及び定期的に機密情報の取扱いに関する指導・教育を行っておりますが、全従業員及び稼働中のプロフェッショナル人材の過失もしくは不注意等によって当社の顧客企業の機密情報等の流出が生じた場合には、当社に対する社会的信用が損なわれ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業拠点及びサーバ等の設備については、本社所在地である東京都港区にあり、当該地区において大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合、当社の事業活動に支障をきたす可能性があることから、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、事業活動の中で生じる各業務について適法かつ適正な業務処理を行っており、現時点において業績に影響を及ぼす重要な訴訟を提起されている事実はありません。しかし、システムダウンによるサービス停止や外部侵入等による機密情報の漏洩等、予期せぬトラブルが発生した場合、又は取引先との関係に何かしらの問題が生じた場合等、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の主要事業であるプロフェッショナル人材向けサービス事業は、労働者派遣法、職業安定法及び個人情報保護法により、個人情報の適正管理が義務付けられております。当社においては、個人情報を管理するためのルールの厳守を徹底するとともに、個人情報管理について一層の取組みを図ってまいりますが、何らかの原因により個人情報が漏洩する事態が発生した場合には、当社に対する社会的信用が損なわれ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
創業者であり代表取締役社長である岡本祥治は、当社設立以来の代表者であり、経営方針や事業戦略、サービスコンセプト等についてリーダーシップを発揮しております。各事業部門の部門長及びリーダーへ権限委譲を進めることで、当人に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、当人に不測の事態が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、顧客企業の事業戦略策定や業務改革、新商品・サービス開発、大規模システム構築PMO、基幹システム導入等を支援する事業会社として、重責を負託されていることを十分に認識し社会的責任を果たすために、取引にあたり当社独自の基準を設けています。しかしながら何らかの理由によりレピュテーション上のリスクが生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令及び社内規程、ルール等のコンプライアンス遵守を行動基準として定め、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生する可能性は否定できず、これらの事態が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
現在当社は成長過程にあると認識しており、獲得した資金については優先的に人材の採用及び育成、社内情報システム等の設備導入に充てるため、過去においては配当を行っておりません。今後は、株主様に対する利益還元を経営上の重要な課題の一つとして認識し、将来的には、配当による株主への利益還元を予定しております。
当社は、会社法の規定に従って2015年6月24日開催の臨時株主総会決議、2016年3月31日開催の臨時株主総会決議に基づき、新株予約権を付与しております。本書提出日の前月末現在新株予約権による潜在株式数は72,400株であり、同日現在の発行済株式総数の1.4%に相当し、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
⑮ 固定資産の減損について
当社は、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っています。その結果、固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(業績等の概要)
当事業年度における我が国経済は、コロナ禍からの経済活動正常化やインバウンド需要の増加により、個人消費や設備投資を中心に緩やかに持ち直しの動きがみられる状況となりました。一方で、エネルギー価格や原材料価格の高騰による物価上昇、円安の進行、ロシア・ウクライナ情勢の長期化により、依然として先行きは不透明であります。
このような環境の中で、首都圏を中心とした人材不足及び働き方改革への関心の高まり、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、地方創生の促進を背景に、当社のプロフェッショナル人材向けサービス事業は受注を拡大し、売上高は成長を続けております。
当社では、プロフェッショナル・エージェント事業を主軸事業とし、付随事業としてWebプラットフォーム・サービス、ソリューション提供サービスを展開しております。
プロフェッショナル・エージェント事業においては、顧客企業から委託された業務について次の二つの方法で遂行しております。
主に、当社が受託した業務を業務委託契約に基づいて、プロフェッショナル人材向けの人材登録システム「FreeConsultant.jp」に登録のあるプロフェッショナル人材へ再委託する方法で遂行しております。
その他、当社が受託した業務を人材派遣契約に基づいて、同じく「FreeConsultant.jp」に登録のあるプロフェッショナル人材を当社が有期雇用し、顧客企業へ人材派遣をする方法で遂行しております。
また、「コンサル転職への挑戦をサポート」をキーワードに、20-30代向けの転職支援サービス「ConsulNext.jp」(コンサルネクスト)も展開しております。
Webプラットフォーム・サービスにおいては、社会課題である東京一極集中の是正を目指して、首都圏のプロ人材と地方の企業の間での副業・転職マッチング・サービスの提供を行っております。
副業マッチング・サイト「Skill Shift」においては、都市部人材の持つ業務スキルによる地方企業の経営課題の解決を目指して、地域金融機関や自治体と連携して、地方企業へ副業人材を紹介しております。
転職マッチング・サイト「Glocal Mission Jobs」「Glocal Mission Times」においては、都市部プロ人材に対して、地方での働き方や地方企業に関する情報発信を通じ地方への興味喚起を行い、魅力ある地方優良企業の経営幹部ポジションなどの転職先を紹介しております。
加えて、プロ人材の転職力を拡張するための情報提供メディアである「FIND CAREERS」を運営し、人生100年時代におけるみらいの働き方をサポートする情報提供プラットフォームを目指しております。
ソリューション提供サービスにおいては、プロフェッショナル・エージェント事業及びWebプラットフォーム・サービスで蓄積したノウハウを活用し、大企業や自治体に対してソリューションの提供を遂行しております。現在、以下の3つのサービスを展開しております。
一つ目は「みらRe-skilling・サービス」で、社員のウェルビーイング向上・人的資本経営推進を目的とするリスキリング推進を支援しております。
二つ目は「イノベーション・サポート・サービス」で、企業・自治体が進めるイノベーションの推進を社内外の人材を活用することで支援しております。
三つ目は「みらいインキュベーション・サービス」で、起業を志すプロフェッショナル人材や、成長段階にある企業に対し資金面を含めた総合的な支援を行っております。
これら事業推進の結果、特にプロフェッショナル・エージェント事業の売上高に関連する各種KPI(契約数、直接営業人員数、大手企業取引数等)が順調に推移したことで、当事業年度の売上高は10,608,091千円(前年同期比26.9%増)となりました。
また、利益面に関しても、プロフェッショナル・エージェント事業における売上総利益率向上の取組が進展したことで、営業利益は573,401千円(前年同期比96.7%増)となりました。一方、2024年4月に吸収合併を行った株式会社ハイブの抱合せ株式消滅差損112,211千円及び減損損失178,303千円を特別損失として計上したことにより、当期純利益は66,508千円(前年同期比65.5%減)となりました。
なお、当社は、プロフェッショナル人材向けサービス事業を中心とした様々な事業を展開しておりますが、経済的特徴が概ね類似していること等から、セグメント別の記載はしておりません。
(注) サービス名は商標又は登録商標です。
(資産)
当事業年度末における資産の残高は、3,320,161千円となり、前事業年度末に比べ558,257千円増加しました。これは主に、現金及び預金が689,961千円、売掛金が106,155千円、契約資産が112,451千円増加し、関係会社株式が272,700千円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債の残高は、2,019,854千円となり、前事業年度末に比べ472,848千円増加しました。これは主に、買掛金が249,285千円、未払消費税等が103,648千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、1,300,306千円となり、前事業年度末に比べ85,408千円増加しました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が66,508千円増加したことによるものであります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、当事業年度末には1,571,864千円となりました。また、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下の通りであります。
なお、2023年9月期において連結財務諸表を作成していたため、前事業年度との比較分析を行っておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により獲得した資金は、748,308千円となりました。これは主に、売上債権及び契約資産の増加218,606千円による資金の減少があった一方で、税引前当期純利益242,746千円、のれん償却額68,327千円、減損損失178,303千円、抱合せ株式消滅差損112,211千円及び仕入債務の増加249,285千円による資金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は、80,399千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出27,102千円、投資有価証券の取得による支出29,700千円、短期貸付けによる支出23,151千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により獲得した資金は、18,900千円となりました。これは、ストックオプションの行使による収入によるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の状況
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社はプロフェッショナル人材向けサービス事業の単一セグメントであります。
(注)当社は当事業年度より連結決算から非連結決算へ移行しているため、前年同期比は記載しておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
(売上高)
当事業年度の売上高は10,608,091千円となりました。この主な要因は、プロフェッショナル人材向けサービス事業が堅調に推移し、顧客数の増加に加え、1社当たりの売上高が増加したことによるものであります。
(売上総利益)
当事業年度の売上総利益は2,726,141千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は2,152,740千円となりました。この主な要因は、営業人員増加による人件費や広告宣伝費、保守運用費が増加したことによるものであります。
(営業外損益及び特別損益)
当事業年度の営業外損益は、営業外収益が11,714千円となり、営業外費用が2,087千円となりました。営業外収益の主な内訳は、経営指導料5,346千円、受取手数料3,041千円、営業外費用の主な内訳は、株式報酬費用消滅損の1,987千円であります。
また当事業年度の特別損益は、特別損失に投資有価証券評価損29,699千円、抱合せ株式消滅差損112,211千円、固定資産除却損20,066千円、減損損失178,303千円を計上したことにより340,281千円となりました。
以上の結果、当事業年度における業績は、売上高10,608,091千円、営業利益573,401千円、経常利益583,028千円、当期純利益66,508千円となりました。
(資産)
当事業年度末における流動資産は2,950,249千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が1,571,864千円、売掛金が1,142,515千円であります。また、固定資産は369,911千円となりました。主な内訳は、有形固定資産が65,919千円、無形固定資産が172,313千円、投資その他の資産が131,678千円であります。
以上の結果、当事業年度末における総資産は3,320,161千円となりました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は2,019,854千円となりました。主な内訳は、買掛金が1,403,120千円、未払消費税等が171,251千円、未払法人税等126,185千円であります。
以上の結果、当事業年度末における総負債は2,019,854千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は1,300,306千円となりました。主な内訳は、資本金は86,765千円、資本剰余金387,227千円、利益剰余金851,224千円、自己株式24,910千円であります。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 (業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の運転資金需要の主なものは、プロフェッショナル・エージェント事業の拡大によるプロフェッショナル人材への業務委託費のほか、人材獲得・維持に係る人件費、サービスの品質向上のためのシステム関連費等であります。当社は、事業運営上必要な資金の流動性と財源を安定的に確保しながら、必要な資金は自己資金及び金融機関からの借入による資金調達を基本とし、必要に応じてエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定です。
なお、資金調達手法の優先順位は、資金需要の金額や用途に合わせ柔軟に検討を行ってまいります。
当社を取り巻く事業環境においては、労働人口減少による人材不足や、多様な働き方の普及拡大による人材流動化の影響により、企業が高度な経営課題の解決を外部への委託や外部との共創により解決しようとする外部人材活用のニーズは、今後も一層拡大していくと見込んでおります。
このような環境のもとで、当社は、新たにプロフェッショナル人材事業、地方創生事業、ソリューション事業を「3本の柱」とし、今後の事業拡大を図ってまいります。
「3本の柱」事業を拡大していくにあたり、登録人材と取引クライアント(企業・自治体等)双方の輪を広げていくこと、そして自社の組織体制を整備・強化していくことが必要だと認識しております。
登録人材の輪を広げるにあたっては、プロ人材の新規登録機能を統合し、サービス間連携を強化し、ライスワーク(生活のための仕事、食料を得るための仕事)・ライフワーク(夢や自分の好きなことを追い求めるための仕事、自己実現の仕事)両面でのプロ人材の挑戦の機会最大化を目指し、多様な商談の拡充に取り組んでまいります。
取引クライアント(企業・自治体等)の輪を広げるにあたっては、売上高3,000億円以上の大手企業の開拓・深耕を新たに推進すると共に、事業間のクロスセルを推進していくことによるクライアントの深耕や、大手企業だけではなく、地方の老舗企業や自治体、官公庁、ベンチャー・スタートアップや海外といった多様な領域の商談化に取り組んでまいります。自社の組織体制を整備・強化するにあたっては、社内システムを活用したノウハウ等の見える化、継続的な改善活動、トレーニングにより学習・成長し続け、力が積み上がる組織を構築していきます。以上の取組により、2025年9月期の業績見通しにつきましては、売上高12,800百万円、営業利益730百万円、経常利益730百万円、当期純利益438百万円を見込んでおります。
上記予想等の将来予測情報は、現時点で入手可能な情報に基づいて作成されており、実際の業績等は今後の様々な不確定要素により予想数値と大きく異なる可能性があります。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。