当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、1984年の設立以来、「質の高い“おもてなし”の創造」を理念とし、ホテルの食器洗浄・衛生管理等のスチュワード事業を中心に展開してまいりました。その後、給食事業、音楽・映像・音響・放送機器関連事業を傘下に加え、現在では7社の事業会社からなるグループ会社を形成し、お客様に「最適なサービス」を提供するための環境を実現することを経営方針の柱とし、以下のミッション/ビジョン/バリュー&スローガンを掲げております。
ミッション(企業の存在目的や果たすべき使命を示す)
“Support the Hospitality”
私たちは、人々の夢や感動、喜び・楽しみ、安心・やすらぎの質を高め、活力に満ちた社会を実現することを約束する。
ビジョン(ミッションの達成によって実現したい将来像・理想像を示す)
“Create Together”
ホスピタリティとは一方通行のものではなく、共に喜びを共有するという「相互満足」があってこそ成立する。主客双方がお互いに満足し、信頼関係を強め、共に価値を高めていく「共創」に満ちた世界に貢献する。
バリュー&スローガン(企業・従業員が持つべき共通の価値観を示す)
“Go Beyond!”
心と汗の奉仕によるお客様の満足、会社および従業員の成長ややりがいの実現、および事業サービスの提供による社会への貢献。これらは、お客様・社会・株主の皆さまの期待を超えよう、昨日までの自分自身を超えようという気持ちが土台になる。「すべきこと」「できること」「やりたいこと」の重なりを増やして、成長を加速する機会を自ら創ろう!
(2)経営環境、優先的に対処すべき課題
今後も事業活動に必要なコストは上昇することが想定されますが、わが国経済の雇用や所得環境の状況、グローバルな視点での日本経済の位置づけを察するに、企業収益や個人消費といった経済環境は回復の傾向が続くと予想されます。
このような状況のもと、当社グループは2025年度から「中長期経営計画 Go Beyond! next20」の3ヶ年フェーズを迎えます。このフェーズでは、既存の事業分野の安全で信頼性の高い事業運営基盤から生まれる堅実な事業収益を、いかに新たな顧客価値の提供に対して金銭及び人的投資できるかが大きなポイントと捉えています。各事業の経営環境を踏まえて新たな取り組みを積極的に展開するとともに、リスク・課題のプライオリティを定めて着実な前進を果たすことで、企業価値の向上に全力を尽くしてまいります。
各事業における重点施策は以下のとおりです。
<スチュワード事業>
本セグメントの重点課題は「スチュワード業務の確立」です。スチュワードとは、ホテルなどにおいて什器や食器管理のプロ集団です。ホテル宴会のメニューに対応する食器を調理人と連携して用意し、食事後にサービスの方がさげてきた食器を洗浄、保管、メンテナンスと管理を行います。数々の食器、グラス、カトラリーを間違いなく揃え、お客様に素晴らしいお料理が提供できるように、食器の破損や輝きなどを日々チェックしているプロフェッショナルな仕事です。
これに対して現在、食器洗浄機や洗剤、衛生に関する必要知識やスキルのアップデート及びレベルアップのために、スチュワードに関する社内資格試験など従業員教育に力を入れ、必要な投資を行っています。また、DXやAI・ロボティクスといった先進技術の導入によるバックヤード変革の検討と、そのための異業種との交流を積極的に推進しています。当社がグループの中核として進めるx-value(クロスバリュー)ユニット活動と連携して、事業セグメント内にneXtage(ネクステージ)ユニットを組織化し当事業におけるベテラン人材を配置、活動を進めています。
雇用に関しては外国人や高齢者の方の雇用機会が増えることへの対応を進めています。働き手として外国人の方が増えていることへの対応として、リーダーシップ人材としての外国人スチュワードの養成や、外資系ホテルの増加に伴って英語力に優れた外国人の活躍機会などを期待して積極的に人材の獲得・育成に投資しています。高齢者の方に対しては、短時間だけ働きたいというニーズに合わせた業務の設定やきめ細かなシフト対応、保険加入者が増えるであろう流れなども想定して、対応を進めています。これらの対応を加速するためにダイバシティグループを組織化して、課題解決ミッションを具体化しています。
また、人手不足、高齢化、非熟練者の増加など、事故、ケガ、トラブルの未然防止によって、従業員が安心して働ける職場環境を維持するために、社長直轄でリスクマネジメント室を組織化し、当社と連携して専門性と時代の要請に対する速やかな対応に組織的に注力しています。リスクを機会として有効に活かすことも念頭に、攻めのリスクマネジメント室として、ホテル等のお客様との情報共有や現場巡回を積極的に行っていきます。
<フードサービス事業>
クライアントが主にホテル・レストラン業界であることから、多くの課題感がスチュワード事業セグメントと共通しています。特に働きやすい環境づくりや、食材を取り扱う者としてのHACCP等の衛生管理の知識、意識は常にブラッシュアップの必要があり引き続き対応を進めています。
次世代事業価値づくりも喫緊の課題であり、当社と連携し、設備設計やオートメーション・ロボティクス技術をもつ企業との連携によるレストラン事業における料理施設設備変革、大学・短大・専門学校との産学連携による社会価値づくりなどの取り組みをクライアントと共にプロジェクト推進しております。
また、第三の柱として育てている老人ホーム等ライフケア分野については、かねてより当社人材を現場経験や知見習得のために積極的に投入しておりますが、さらに外部連携の強化によって当該事業育成のスピードを加速すべく活動しています。
スチュワード事業と同様に労働環境や人権配慮、及び労務費上昇や食材・資材費、物流費などの上昇など、想定される事業リスクを社長直轄のリスクマネジメント室で集約し、当社と連携して取り組みに注力しています。
<空間プロデュース事業>
設計、調達、施工、保守という従来の価値を基盤として、現場においては空間をプロデュースするという価値実現の提案機会が増えてきており、これに対応する製品力、提案力、人材などの調達や獲得、育成が求められています。
外部との連携による新たな価値づくりという点においては、当事業セグメントが商品を調達しながら施工につなげる立ち位置にあることから、メーカーをはじめ様々な事業協力パートナーとの連携において試行錯誤を進めています。例えば音響特機においては、会議室システムなど新たな商材を含めてデモンストレーション可能なモデルルームを本社1階に作り、本格稼働をスタートしました。東洋メディアリンクスは、AIやサイネージを活用した提案が本格化してきており、大学との産学連携コラボや商業施設への提案といった今の時代に即した商品ラインナップへの展開を進めています。
社長直轄・当社との連携によるリスクマネジメント室の組織化は本セグメントにおいても同様です。資材・物流費の上昇や為替変動などこのセグメントに特徴的なリスクも含めてグループ連携によるリスク対策を進めています。
当社グループは、サステナビリティを経営の中核に据え、地球環境の未来と持続可能な社会のため、さらなる革新と挑戦を続けていくことを目標とし、その観点で、サステナビリティの考え方をサステナビリティ方針として、以下のとおりまとめております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(サステナビリティ方針)
私たちCSSグループはミッション “Support the Hospitality” のもと、ホスピタリティとは一方通行のものではなく、共に喜びを共有するという「相互満足」があってこそ成立することを前提に、私たちは、人々の夢や感動、喜び・楽しみ、安心・やすらぎの質を高め、活力に満ちた社会を実現することを約束しています。
また、将来のありたい姿としてビジョン “Create Together” を掲げ、一緒に働く同僚、お客様や会社・社会を我がこととして捉え、利他の心で「人によかれ」と考えるチームでありたいと考えています。そこにあるお互いを包みつなげる温かな空気が、私たちの商品やサービスの価値あるいは社会への貢献を創り出し、ひいては近年のSDGs達成へ向けた貢献や、環境・社会・ガバナンス(ESG)課題への取組みにも繋がっていくことで、これからも事業活動を通じた中長期的な企業価値の向上と共に、持続可能な社会の実現に貢献するものと捉えています。
(1)ガバナンス
サステナビリティを巡る課題への取組みを推進するため、2022年5月にグループ経営会議の中部組織として「サステナビリティ委員会」を設置、サステナビリティならびにESGに関わるグループの基本方針・事業活動に関する企画立案と提言を行って参りました。2023年1月には委員会の役割を当社経営企画室に移行、さらに2023年10月からは代表取締役社長直轄のx-value(クロスバリュー)ユニットを組織化、CSO(Chief Sustainability Officer)の任命とともに、サステナビリティに関する各種方針や目標設定および進捗の確認を行い、取締役会における議論を推進しております。
また、当社においては多くの従業員の働きによって事業基盤が創られていることに基づき、とりわけ人的資本に関するリスク管理は重視しております。当社代表取締役社長直轄のリスクマネジメント室を組織化するとともに、当社グループ各社においても代表取締役社長直轄のリスクマネジメント室を適宜組織化して、グループ横断でリスクの共有化と対応の知見の共有を進めることで、この分野における人材開発の役割も担っています
サステナビリティ関連のリスク及び機会に対するガバナンス体制は以下のとおりです。
(2)戦略
① サステナビリティに関する戦略
当社グループのマテリアリティは、サステナビリティ課題をSDGsやグローバルなESG指標、あるいは国内同業他社調査からリストアップし、抽出した課題に対する当社グループにおける重要度と、ステークホルダーにおける重要度を鑑みて、優先順位付けを行っています。
マテリアリティに対する取組みは以下のとおりです。
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区分 |
マテリアリティ |
取組み |
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環境 |
使い捨てプラスチックの削減 |
容器のシェアリングサービスへの参画 |
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ユニフォームの再資源化、リサイクルユニフォームの導入 |
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水資源の有効な活用 |
事業所における節水の取組み |
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人材 |
新たな雇用の創出 |
積極的な雇用創出 |
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多様な人財の活躍 |
管理職の女性比率向上促進 |
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障がい者、高齢者の雇用 |
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外国人の雇用 |
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人財への投資 |
福利厚生の充実 |
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学びへの機会の提供 |
社内外講師によるリテラシー養成カリキュラムを設計 |
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働きやすい職場づくり |
エンゲージメントスコアによる組織マネジメント |
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コンプライアンスの推進 |
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ハラスメント教育の実施 |
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社会・食 |
食の安全・安心 |
HACCPに準拠した衛生管理による食の安全・安心 |
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食品廃棄物の削減 |
事業所における食品廃棄削減の取組み |
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健康志向 |
健康に配慮した食事の提供 |
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ガバナンス |
ガバナンスの強化 |
事業子会社の経営管理強化 |
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役員報酬に業績連動短期(金銭・株式)を導入 |
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監査等委員会の機能性向上 |
② 人的資本に関する戦略
当社グループは表舞台を輝かせる真のホスピタリティを極めるプロフェッショナルを自負し、多くの従業員がお客さまや社会の期待に応えるべく汗を流しています。お客様・社会からの期待や評価をいただくこと、あるいは自己実現に向かうエネルギーは、「お客様・社会・株主の皆さまの期待を超えよう」、「昨日までの自分自身を超えよう」という気持ちが土台にあります。やるべきことは着実に、しかしながらそこに留まることなく職域を超えて一歩踏み出してみようと、価値観・経営理念としてのバリュースローガン『Go Beyond!』を掲げています。当社グループの人的資本への取組みは、そうしたお客様と寄り添いながら共に成長する、事業当事者意識の高い人財をいかに育成するかという視点で継続的に取り組んでまいります。
ア.人材育成及び社内環境整備方針
当社グループは、実際に仕事を進めていく中で得る知識やスキルを成長の軸としながら、個人単位の成長から、より大きな組織単位の成長へレベルアップさせていくことが重要であると考えており、お客様満足向上のための重点施策の一つとして、お客様の気持ちにお応えできる、能力の高い人材の安定確保に取組んでおります。具体的には、採用力の更なる強化に加え、定着(離職防止)の促進、サービスレベルの維持・向上にかかる教育制度および階層別研修制度の充実、自由闊達な意見交換を伴う社風づくりなど、多様な人材の活躍機会を強化して、お客様満足の向上を図ってまいります。
近年においては労働人口における高齢者の割合が増えていることに鑑みて、当社グループにおいても高齢者比率を注視するとともに、該当の年齢世代の方各々の体力および身体的な面を考慮した業務分担など、働きやすい労働環境の整備に腐心しております。勤続10年および20年の節目で表彰する永年勤続者数が着実に増加するよう、該当の方の人数も注視しております。
イ.多様性
当社では、ジェンダー平等実現を目指しています。特に顧客現場における業務が多い当社グループにおいては、本社・管理業務を含めて女性管理職の割合は重要な指標です。ロールモデルや成功体験への共感など、仕事に対する誇りという観点で男女の分け隔てなくやりがいや自己効力感を抱くことができる職場づくりや教育研修、および多様なコミュニケーションを重要視しています。女性・男性を問わず休業取得による育児機会への参画と仕事の両立がどのようにあるか、あるいは出産・育休後の女性社員が職場復帰するのに環境的な負担はないかなど、他社の取り組み事例などを参考に環境を整えていきたいと考えています。
さらに、当社は、年齢・性別・国籍等を問わず必要な人材を新卒・中途に係わらず採用しています。外国人従業員国籍数は過去10年実績で82カ国(2024年9月末時点)となっており、人種や文化の違いに係わらず、高いモチベーションをもって働けるように各種サポートの整備を心がけています。
ウ.健康・安全
当社グループでは、安全と健康のため快適な職場環境を実現する取り組みとして、「職場単位で毎月1回衛生委員会を開催する。」「整理、整頓、清掃、清潔、躾の5S活動等により日常の従業員への安全衛生に関する意識向上を図る。」「作業環境管理、作業管理、健康管理を行う。」「労働災害や事故を減少させるため、年間目標を設定し事故防止に取り組む。」「安全のしおり等の配布、交通安全講習会等の実施により、安全衛生教育を行う。」といった指針を掲げています。
さらに社会から求められる安全水準の高まりに対応して最新の情報や知識・制度に関心を払い、教育機会を適宜設けています。セクハラ・パワハラ等のハラスメントにつきましては、懲戒処分にあたる事項を就業規則に定め周知するとともに、その実効性を担保するために相談ホットラインを設置し、「人権問題」や「ハラスメント」などの未然防止や早期把握・解決に努めています。また、医師の面接指導が必要と判定された従業員がいた場合は、適宜対応しております。お客様の安全と安心を最優先に、関係する法令を遵守するとともに、安全管理を適切に行うことを徹底しています。
(3)リスク管理
リスク管理は、取締役会とその委任を受けた代表取締役社長直轄のx-value(クロスバリュー)ユニット内の「サステナビリティ委員会」および、代表取締役社長直轄のリスクマネジメント室が主体となって行います。サステナビリティ委員会は、長期的な企業価値向上を目的とし、機会の観点からマテリアリティや関連して取組むポリシーの議論を行い、「環境・社会(人権)リスクへの対応」「ガバナンス施策の立案」「長期成長戦略」「社会貢献」「ESG開示」などの具体的な施策について議論を行う組織です。リスクマネジメント室は、グループ各社が想定するリスクについて、その影響度や頻度をもとに経営に及ぼすインパクトの大きさを総合的に判断し、グループ全体としての対応の優先順位や投資判断の材料を取締役会に提供するための機会を設けています。
相互の組織は取締役会および経営会議などの機会で連携し、事業におけるリスク及び機会をさまざまな視点から考察しディスカッションする推進組織として機能します。また、議論および取組みの材料に関しては、当社グループ各社における課題はもちろんのこと、取引先や株主などステークホルダーからの要求・期待、あるいは事業における環境側面の影響評価の結果などを総合して特定してまいります。
(4)指標及び目標
当グループでは、上記(2)戦略において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いており、当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
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指標 |
目標 |
実績 (当連結会計年度) |
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定常的に |
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継続して |
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社会情勢を鑑みて妥当な水準を維持することを目標として注視する |
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経年推移を注視し、前年より増加を目指す |
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経年推移を注視し、前年より増加を目指す |
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有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の有価証券に関する投資判断は、本項及び本報告書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本報告書提出日(2024年12月20日)現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)事業内容及び事業環境について
① 請負事業者の責任について
当社グループが営むスチュワード管理事業は、創業以来、スチュワード管理事業を業務請負という形態にて行っておりますが、業務請負は、人材派遣業や紹介業とは違い、指揮命令系統を当社内部にもち、顧客から独立して業務処理を行うものです。当社グループは請負事業者として、請負作業の完了ないし仕事の完成に関して顧客企業に対して責任を負うとともに、請負作業の遂行に当たって発生する労働災害、器物破損などの損害についても責任を負っております。したがって、当社グループの請け負った業務の遂行に関連するこれらの損害等に対しては、既に保険加入などの対応をしておりますが、想定を超える費用負担が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 主要取引先業界の事業環境について
当社グループの主要顧客はホテル・レストラン業界であり、これら業界の事業環境が悪化した場合、多くの顧客において内部コストの見直しを行う必要性が生じ、これが当社グループとの契約金額の引き下げ要求に繋がる可能性があります。また、ホテル業界において事業環境の悪化により、個々の顧客が会社更生法等の適用を受けた場合などには、当社グループの債権回収が困難になったり、あるいは対象ホテルとの契約の継続が不能となるなどの理由により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 今後の競争激化の可能性等について
当社はスチュワード事業の業界において、リーディングカンパニーとしての位置を堅持しておりますが、同業他社との競合関係は存在いたします。今後、雇用形態に関わる法的規制の変更や緩和等の何らかの要因により競争が激化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ これらのリスクの対応
当社グループの中核であるスチュワード事業については、業務請負という形態を今後も継続してまいりますが、経営の立場として、請負という責任の重要性を改めて強く認識した上で、安全確認の徹底、事故を未然に防ぐ体制作り等作業環境の整備に努めてまいります。
また、スチュワード事業においては、ホテル・レストランが主要なクライアントでありますが、ホテルを取り巻く事業環境の変化、あるいは競合他社との競争激化、また、コロナ禍の業務繁閑による雇用の不安定解消を意図し、スチュワード業務の異業種展開やホテルクライアントにおける宿泊清掃等のスチュワード業務外のサービス展開を新たな課題とし、適宜対応しながら推進しております。
(2)従業員の確保等について
当社グループにおいて必要な正社員及びパートタイマーの採用ができなかった場合、また、何らかの要因により退職率が上昇した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があることから、株式会社セントラルサービスシステム内に人材開発部を設置し、採用活動や教育研修などの人財マネジメントへの対応強化と、顧客ニーズへの対応基盤となる人財投資を積極的に行っております。
(3)個人情報の取り扱いについて
当社グループでは、従業員、パート・アルバイトに関する個人情報約1万件を保有しております。情報管理の方法につきましては、「個人情報保護法」及び「マイナンバー法」に沿った対応を整備しております。現状の具体的扱い方法としては、電子化された従業員情報については、アクセス時のパスワード認証による管理を徹底し、紙媒体の従業員情報については、各部署の責任者が運用を管理し、施錠できる場所に保管・収納するというものであります。当該管理方法については、定期的に人事関連部署がチェックし、また、法務担当部署が抜き打ち検査を行うこと等により、当社グループでは万全なものと考えておりますが、今後何らかの要因で当社グループから個人情報が漏洩した場合には、当社グループの信頼が失墜し、業績にも影響を及ぼす可能性があります。
(4)衛生管理について
当社グループが営む給食管理事業は、食品衛生法等の規制を受けております。当社グループでは同事業の営業に関して、食品衛生法に基づき、厚生労働省管轄の各都道府県・政令指定都市・特別区の保健所を通じて営業許可を取得しております。
また、当社グループといたしましては、スタッフに衛生教育を行うとともに腸内菌検査を定期的に実施し、スタッフの健康状態のチェックを行い、食中毒等の発生防止に努めております。
さらに、株式会社センダン内に衛生管理専任部門を設け、衛生管理研修を実施するとともに、各事業所においては衛生管理マニュアルをもとに事故防止を徹底し、細菌培養検査を抜き打ち実施しております。
しかしながら、食中毒等の発生の可能性を完全に否定することはできず、万が一、食中毒等が要因となって顧客の営業継続が不可能となった場合には、当社グループとの契約も終了する可能性もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制について
当社グループの業務請負事業は労働基準法の関係法規による規制を受けておりますが、今後現行の関係法規の改正ないし解釈の変更等があった場合、あるいは当社グループに関連する新たな法規制の制定があった場合、当社グループの行う事業も影響を受ける可能性があります。
(6)新型感染症等パンデミックの影響について
近年に深刻な影響を社会・経済活動に及ぼした新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックの影響は不確実性が高いことから、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)気候変動に関するもの
当社グループは、国内外を問わず、地震、台風等大規模な災害が発生した場合に備え緊急時の対応を整備しておりますが、想定範囲を超えた自然災害が発生し取引先の経営状態が悪化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2023年10月1日~2024年9月30日、以下「当期」という。)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の分析は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善する中で緩やかな回復基調で推移しました。一方、長引く円安や原材料価格・エネルギーコストの上昇に伴い、生活必需品の値上げが続いており、個人消費の持ち直しの動きに足踏みがみられ、加えて不安定な国際情勢における地政学的リスクの高まりなど、懸念材料も多く、依然として先行き不透明な状況が続いております。
レジャー・観光・飲食業界におきましては、新規ホテル開業が依然引き続いていること、外食、宿泊・温泉施設、遊園地・テーマパークなど外出を伴うレジャーの参加人口が全般的に伸びていること、訪日客のインバウンド需要も伸びており、これらに加えて物価や消費単価が上がっていることもマーケットの拡大に寄与しました。
以上の結果、当期の財政状態及び経営成績等は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当期末の資産の部は、前期末と比べて230百万円増加し、5,931百万円となりました。
当期末の負債の部は、前期末と比べて98百万円減少し、3,256百万円となりました。
当期末の純資産の部は、前期末と比べて328百万円増加し、2,674百万円となりました。
b.経営成績
当期における連結売上高は17,631百万円(前期比18.9%増)、連結営業利益は595百万円(同115.9%増)、連結経常利益は630百万円(同100.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は429百万円(同86.4%増)となりました。
当期におけるセグメント別の状況は次のとおりです。
<スチュワード事業>
当事業は、ホテル・レストランを中心として食器洗浄をはじめとする厨房管理業務及び清掃業務を全国展開する当社グループの中核となるセグメントです。
当連結会計年度においては、年間で19件の新規事業所を開業いたしました。特に上半期の新規開業が東日本に集中したのに対して、下半期の開業は逆にもっぱら西日本となり、単に稼働が高いだけではない、新たな現場を立ち上げる負荷の高いシーズンとなりました。ベテラン人材を中心に全国規模で体制を相互サポートしつつ、年間で845名の純増となった社員及びパート・アルバイトの育成を並行して進め、次年度の売上底上げのベースを着実に作りました。また、労働環境のモニタリング強化やケガや事故事例の迅速な共有と対応など、稼働の高まりによって生まれがちな無理やムラ、気のゆるみを予防強化しました。
前年度からスタートした、繰り返し利用できる容器のシェアリングサービス「Re&Go(リーアンドゴー)」でのご縁から、東京ビッグサイトで開催されたワインイベント Pro Wine Tokyo 2024 では会場内でワイングラスを洗浄する機会に恵まれました。通常はバックヤードで仕事をする従業員にとって、ゲストの方に見ていただけるイベント会場内での作業には戸惑いもありましたが、予期せぬお褒めに誇りを感じる機会ともなりました。また、リサイクル素材を使用した素材だけにブランド使用が認められているBRING Materialの新ユニフォームへの導入や、武蔵野調理師専門学校の『環境と食』カリキュラムにてSDGs講義を当社社長が担当するなど、社会的な取り組みにも積極的に参加しました。
これらの結果、売上高は過去最高の8,487百万円(前連結会計年度比28.0%増)となり、営業利益は538百万円(同110.6%増)と増収増益となりました。
<フードサービス事業>
当事業は、従業員食堂・ホテル内レストラン運営の受託を全国で展開し、フードビジネス事業としてセグメントを構成します。
当連結会計年度においては、依然として宿泊特化型ホテルにおける朝食レストランの需要の伸びが売上の底上げに寄与しました。食材の高騰や円安の影響もあって喫食単価が上がっていることも売上アップに影響しています。新規事業所の開業は、年間で10件の業務受託スタートとなりました。中でも、うち2件が近年第3の柱として力を入れている老人ホーム等ライフケア分野でありますことは特筆すべき点です。新卒採用の人員もこの分野のスキル・知識習得者を増やすことを目的に集中的に配属しており、翌年度のマーケット開拓に期待が持てる一年となりました。また、新たな取り組みとして、朝食ビュッフェの受託をお請けしているホテルでランチ営業の取り組みをスタートしました。
かねてより参画して進めていました大阪農業園芸・食テクノロジー専門学校との産学連携企業プロジェクトは佳境を迎え、数ある商品提案の中から入選した肉不使用の大豆ミートで実現したガレットやスコッチエッグといったメニューが、センダンが運営するレストラン「ナンバリボン」にて提供されました。
これらの結果、売上高は3,919百万円(前連結会計年度比21.1%増)となり、営業利益は104百万円(同20.2%増)の増収増益となりました。
<空間プロデュース事業>
当事業は、映像・音響・放送・セキュリティーに関する設計・施工・販売・管理・メンテナンスに加え、BGM及び香りまで提供する空間プロデュース事業としてセグメントを構成いたします。
当連結会計年度においては、引き続き堅調な監視カメラ関連及び音響・映像関連設備の新規設置及び更新が収益を支えました。また、対前年比較にて売上の伸びに対して利益の伸びが格段に高いことは、ここ近年のコスト意識の強化の成果と手応えを感じています。
一方、テクノロジー統合型グリーンウォール「bio」のリリース、アートグリーン株式会社との業務提携発表、フレグランス事業の輸入・販売元であるScent Air社からの実績表彰などは、近年の新たな取り組みが設計や施工との関りにおいて強化されている状況と捉えています。また、東洋メディアリンクスが玉川大学のSTREAM Hall 2019にて 映像アート演出プレゼンした“「art(アート)」の力で社会課題を解決する試み”は、産学連携のより踏み込んだ課題解決として、その先の展開に多くの関係者からの関心を集めました。音響特機はInterBEE2023、プロ機器展・機材フォーラムなど、全国各地で意欲的にイベント出展して、取扱商品の先取性やバリエーションに関心をいただきました。あわせて、本社ビル1Fに多目的モデルルームをオープン、最新取扱ブランド機器の製品トレーニングや設備用スピーカー試聴・デモンストレーションの随時開催をスタートしました。
これらの結果、当セグメントの売上高は5,236百万円(前連結会計年度比5.6%増)となり、営業利益は224百万円(同81.1%増)の増収増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より、129百万円増加し906百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が629百万円となり、減価償却費65百万円、法人税等の還付47百万円などにより、得られた資金は605百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入29百万円、有形固定資産の取得による支出64百万円等により、使用した資金は53百万円となりました。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額300百万円の減少、配当金の支払101百万円等により、使用した資金は420百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
売上高の実績
当期における売上高実績をセグメントごとに、販売先業態別に示すと次のとおりであります。
なお、売上高にはセグメント間の内部取引が含まれております。
販売先業態別売上高実績
<スチュワード事業>
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販売先業態別 |
当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) |
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金額(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
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ホテル |
6,952,617 |
81.9 |
27.5 |
|
レストラン・会館 |
447,508 |
5.3 |
10.7 |
|
その他 |
1,086,962 |
12.8 |
39.9 |
|
合計 |
8,487,088 |
100.0 |
28.0 |
(注)1 ホテルには、ホテル内のテナントとして運営されているレストランその他の飲食施設を含みます。
2 その他は、ホテル、レストラン・会館に属しない施設及びスポット売上であります。
3 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
<フードサービス事業>
|
販売先業態別 |
当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) |
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金額(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
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企業 |
87,833 |
2.2 |
△50.0 |
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ホテル |
3,432,530 |
87.6 |
33.1 |
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福祉 |
169,745 |
4.3 |
8.1 |
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その他 |
229,162 |
5.8 |
△29.6 |
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合計 |
3,919,272 |
100.0 |
21.1 |
(注)1 ホテルには、ホテル内のテナントとして運営されているレストランその他の飲食施設を含みます。
2 その他は、企業、ホテル、福祉に属しない施設等販売先であります。
3 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
<空間プロデュース事業>
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販売先業態別 |
当連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) |
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金額(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
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銀行 |
1,055,115 |
20.1 |
36.8 |
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ホテル |
114,517 |
2.2 |
16.7 |
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企業その他 |
4,066,825 |
77.7 |
△0.5 |
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合計 |
5,236,458 |
100.0 |
5.6 |
(注)1 その他は、銀行、ホテルに属しない施設等販売先であります。
2 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における売上高は17,631百万円(前年同期比18.9%増)、営業利益は595百万円(前年同期比115.9%増)、経常利益は630百万円(前年同期比100.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は429百万円(前年同期比86.4%増)となりました。
売上高の主な増加要因は、ホテル・観光・レジャー・飲食業界におきまして、新規ホテル開業が依然引き続いていること、外食、宿泊・温泉施設、遊園地・テーマパークなど外出を伴うレジャーの参加人口が全般的に伸びていること、訪日客のインバウンド需要も伸びており、これらに加えて物価や消費単価が上がっていることなどがマーケットの拡大に寄与しました。
一方、長引く円安や原材料価格・エネルギーコストの上昇に伴い、生活必需品の値上げが続いており、個人消費の持ち直しの動きに足踏みがみられ、加えて不安定な国際情勢における地政学的リスクの高まりなど、引き続いての懸念材料もありますが、コストの見直しやお取引先のご理解によって、営業利益を計上することができました。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末時点において判断したものであります。また、連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためにこれらの見積りと異なる場合があります。
(財政状態及び経営成績の状況)
①連結貸借対照表
a.資産、負債
当連結会計年度における資産、負債、純資産の状況は以下のとおりであります。
資産の部は、前連結会計年度末と比べて230百万円増加し、5,931百万円となりました。資産の内訳は流動資産が178百万円の増加となりました。主な要因は、現金及び預金99百万円の増加、受取手形、売掛金及び契約資産96百万円の増加によるものであります。固定資産については52百万円の増加となりました。主な要因は有形固定資産13百万円の増加、無形固定資産8百万円の減少及び繰延税金資産57百万円の増加によるものであります。
負債の部は、前連結会計年度末と比べて98百万円減少し、3,256百万円となりました。負債の内訳は流動負債が103百万円の減少となりました。主な要因は短期借入金300百万円の減少、支払手形及び買掛金48百万円の減少、未払金83百万円の増加、未払法人税等151百万円の増加によるものであります。固定負債については4百万円の増加となりました。主な要因は、リース債務11百万円の減少、退職給付に係る負債19百万円の増加によるものであります。
b.純資産
純資産の部は、前連結会計年度末と比べて328百万円増加し、2,674百万円となりました。主な要因は利益剰余金326百万円の増加によるものであります。
②連結損益計算書
a.営業損益
当期における連結売上高は、全事業セグメントの堅調な推移による売上高の増加により前期に比べて2,798百万円増加し、17,631百万円となりました。詳細は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
営業費用は、食材コストの高騰などの影響による売上原価の増加や需要回復に伴う労務費の増加等により、前期に比べて2,478百万円増加し、17,035百万円となりました。
この結果、当期における連結営業利益595百万円(前連結会計年度比115.9%増)となりました。
b.経常損益
営業外収益は、雇用調整助成金の減少等により前期に比べ10百万円減少し、48百万円となりました。
営業外費用は、為替差損及び持株会特別奨励金の減少により前期に比べ7百万円減少し、13百万円となりました。
また、金融収支(受取利息と支払利息の純額)は△6百万円となりました。
この結果、当期における連結経常利益は前期に比べて316百万円増加し、630百万円となりました。
c.特別損益
当期は、固定資産除却損554千円の発生により、特別損失554千円を計上しております。
この結果、当期における税金等調整前当期純利益629百万円(前連結会計年度比101.2%増)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
繰延税金資産の回収の可能性について慎重に検討した結果、回収が見込まれる部分について繰延税金資産を計上し、法人税等調整額△57百万円(△は益)を計上しました。
以上により、当期における親会社株主に帰属する当期純利益は429百万円(前連結会計年度比86.4%増)となりました。
③連結キャッシュ・フロー計算書
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が629百万円となり、減価償却費65百万円、法人税等の還付47百万円などにより、得られた資金は605百万円(前期は471百万円の獲得)となりました。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入29百万円、有形固定資産の取得による支出64百万円等により、使用した資金は53百万円(前期は35百万円の使用)となりました。
c.財務活動におけるキャッシュ・フロー
財務活動におけるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額300百万円の減少、配当金の支払101百万円等により、使用した資金は420百万円(前期は373百万円の使用)となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金又は銀行借入により調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、479百万円となっております。また、当期末における現金及び現金同等物の残高は、906百万円となっております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
中期経営計画「Value Innovation 2024」の最終年度となる2024年9月期は、ホテル・観光・飲食業界の好調な景況に後押しされる一方、引き続きの慢性的な人手不足、物価をはじめとしたさまざまなコストの高騰といった課題に直面する中、事業基盤の安定化に腐心した一年でした。自然災害は歴史的な想定を上回る規模のものが各地で幾度となく発生し、当社を取り巻く環境やお客様の事業、及び従業員の生活環境にさまざまに影響しました。かような一年も皆さまのお力添えをいただき、おかげさまで今期も増収増益及び増配を実現できました。
このような状況のもと、当社グループは2025年度から「中長期経営計画 Go Beyond!Next20」の3ヶ年フェーズを迎えます。このフェーズでは、既存の事業分野の安全で信頼性の高い事業運営基盤から生まれる堅実な事業収益を、いかに新たな顧客価値の提供に対して金銭及び人的投資できるかが大きなポイントと捉えています。業績目標は、「売上高270億円、営業利益9.5億円、ROE15%以上」を掲げております。各事業の経営環境を踏まえて新たな取り組みを積極的に展開するとともに、リスク・課題のプライオリティを定めて着実な前進を果たすことで、企業価値の向上に全力を尽くしてまいります。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループにおける重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記事項」に記載しています。
該当事項はありません。
該当事項はありません。