当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「かかわる“C”に次のステージを提供し、笑顔になっていただく」をミッションに、「マーケティング、テクノロジー、コンサルティングスキルを武器とし、ローカルビジネスの活性化を通じて、消費者に日々の楽しみを提供し、店舗、街・地域、国が活性化されている状態。」「公益資本主義の浸透により、ビジネスと社会貢献が両立する世界が確立している状態。」の2つのビジョンを掲げ、世界をよりステキに、より笑顔にすることに貢献し、たくさんの「ありがとう」を生み出し続ける会社になることを目指しております。
(2)経営戦略等
当社は、ローカルビジネスのデジタルマーケティング領域における課題を総合的に解決するため、マーケティングに掛かる作業工数削減と集客力アップを同時に実現するSaaS型統合マーケティングツール「C-mo」と、デジタルマーケティングを運用代行するコンサルティング×アウトソーシングサービス「C-mo Pro」という2つのソリューションを中心としたサービスを提供することで、事業の拡大を図ってまいりました。
今後の収益拡大のためには顧客満足度の更なる向上とシェア拡大が必要だと考え、顧客ニーズに応えた「C-mo」の継続的なアップデートや、教育によるサポート体制のより一層の向上を行うとともに、営業力強化を目的とした、直販体制及び販売協力先(アライアンス企業)との協力体制の強化に取り組むことで、顧客構造をより強靭なものへと構築してまいります。
また、現在当社が主に支援しているグルメ、ビューティー、トラベル以外の業界へのサービス展開や、マーケティング以外の領域における新たなソリューションの提供も視野に入れ、継続的な成長を目指してまいります。
(3)経営環境
当社のクライアントであるローカルビジネスは、グルメ、ビューティー、トラベル(旅館・ホテル)業界だけでも120万店舗以上(総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」、厚生労働省「令和4年度衛生行政報告例の概況」等より集計)を有しており、非常に大きい市場でありながら、他業界に比べてDX化への適応が遅れている状況であると、当社では認識しております。
ローカルビジネス市場は、参入障壁が低いため競争が激しく、価格競争に巻き込まれやすいという課題を抱えています。価格競争に巻き込まれないためには差別化が必要であり、差別化を図るためには、デジタルマーケティングが不可欠ですが、Web上の集客導線は多様化し、マーケティングは年々複雑化しています。しかしながら、ローカルビジネスは中小企業が多く、人手・ノウハウが不足しがちであることから、マーケティング専任者を置いて適切に対応することは難しいため、マーケティングのDX化は必要不可欠なものであると思案しております。
このような環境下において、当社が提供しているSaaS型統合マーケティングツール「C-mo」と、コンサルティング×アウトソーシングサービス「C-mo Pro」は、人手・ノウハウ不足という課題を補いつつ適正なマーケティングの実行に寄与するため、ローカルビジネスの収益構造の改善、ひいては業界の発展を牽引していく立場にあるものと考えております。
また、当社が提供する「C-mo Pro」のみでは複数の競合は存在するものの、「C-mo」については、新規顧客の獲得から固定客化まで、デジタルマーケティングに必要な機能をワンストップで備えている点で、業界において唯一無二の存在であると自負しております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な成長を通じた企業価値の向上を目指しており、事業拡大の観点から売上高を重要な経営指標と位置づけ、収益力の強化に邁進してまいります。
また、強固な経営基盤及び高利益体質を構築するべく、営業利益及び営業利益率も重要な経営指標と位置づけ、経営の効率化を図ってまいります。
さらに、これらの指標を支えるKPIとして、「C-mo」と「C-mo Pro」のストック売上高を主要な経営指標と位置づけております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 既存事業の収益の拡大
現事業の持続・発展のためには、継続的なサービスの改善、安定的なサービスの提供、クライアント企業との信頼性の向上が必須であると考えております。
「C-mo Pro」については、コンサルタントの接遇面・技術面での教育体制強化によるサービス品質の向上や、グルメ、ビューティー、トラベル以外の他業界への積極的なサービスの横展開等により、収益の拡大を図ってまいります。
また、「C-mo」については、継続的なシステムの機能強化・改善・改良を実施するとともに、増加するクライアント企業へのサポートの体制づくりが必須であるため、カスタマーサクセス(「C-mo」サポート担当)の積極的な教育体制強化及び採用活動を実施してまいります。
② 新規事業及び新規サービスによる収益基盤の拡大
当社は、急激な経営環境の変化に対応し、競合他社に比して更なる収益拡大を図るために、事業規模の拡大と新たな収益源の確保が必須であると考えております。このために、クライアント企業及び消費者の潜在需要をいち早く読み取り、新規事業及び新サービスの開発に積極的に取り組むことで、更なる収益基盤の拡大を図ってまいります。
③ 知名度の向上
当社は、収益基盤強化のため、SaaS型統合マーケティングツール「C-mo」及びコンサルティング×アウトソーシングサービス「C-mo Pro」の知名度の向上を図ることが必要であり、知名度の向上は新規の顧客開拓や優秀な人材の確保に寄与するものと考えております。当社は、イベントへの出展、自社ホームページをはじめとした様々なメディアを使った情報発信を強化することにより、今まで当社のサービスを知り得なかった顧客にまで情報を届け、業界内における確固たる地位が確立できるよう、当社及び当社サービスの知名度向上を目指してまいります。
④ 人材の確保
当社が今後更に事業を拡大していくためには、優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると考えております。当社といたしましては、採用における競争力の強化を図るために、魅力ある職場環境を構築いたします。従業員の能力やモチベーション向上に資するため、教育研修制度の強化、福利厚生の充実、人事制度の整備・運用を進めてまいります。
⑤ システムのセキュリティ管理体制と安定化
当社の展開する事業は、デジタルマーケティングに係るシステムのセキュリティ管理体制の構築が重要であり、市場環境の変化に対応したセキュリティ管理体制の維持・構築・整備を継続的に進めてまいります。
また、クライアントの増加や新規事業等に伴うアクセス数の増加に備え、サーバー設備の増強や負荷分散を推進する等の対策が必要となります。当社は、これら対策の重要性を認識した上で、今後も継続的な維持管理を行い、システムの安定化に取り組んでまいります。
⑥ 内部管理体制の強化
当社が更なる事業拡大、継続的な成長を遂げるためには、コンプライアンス体制の強化と、確固たる内部管理体制の構築を通じて業務の標準化と効率化の徹底を図ることが重要であると考えております。当社といたしましては、健全な企業経営に不可欠なコンプライアンス意識を醸成するべく、制度が従業員に十分浸透し定着するよう、継続的な取り組みを推進してまいります。
また、内部統制の環境を適正に整備し、コーポレート・ガバナンスを有効に機能させることによって、内部管理体制の強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。
⑦ グローバル展開への対応
当社は、今後の収益拡大を目指す上で、グローバルな事業展開への対応が必要不可欠であると考えております。グローバルな事業展開を本格化する上で、諸外国におけるマーケティング手法の確立に努めるべく、現地の需要を調査し、必要に応じてコンサルティング会社を利用することや、M&Aを行うことを検討しており、日本国内にとどまらない、事業展開を積極的に実施してまいります。
⑧ 財務上の課題
財務基盤の安定性を維持しながら、様々な事業上の課題を解決するための事業資金を確保し、また、新たな事業価値創出のために機動的な資金調達を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを模索していくことが、財務上の課題であると認識しております。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する関連事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、「かかわる“C”に次のステージを提供し、笑顔になっていただく」をミッションに、「マーケティング、テクノロジー、コンサルティングスキルを武器とし、ローカルビジネスの活性化を通じて、消費者に日々の楽しみを提供し、店舗、街・地域、国が活性化されている状態。」「公益資本主義の浸透により、ビジネスと社会貢献が両立する世界が確立している状態。」の2つのビジョンを掲げ、世界をよりステキに、より笑顔にすることに貢献し、たくさんの「ありがとう」を生み出し続ける会社になることを目指しております。
当社は、これらのミッション・ビジョンを実現するとともに、経営の効率化、健全化、透明性を高め、中長期的、安定的かつ継続的に株主価値を向上させることが、コーポレート・ガバナンスの基本であると認識しております。
当社では、取締役会を経営の基本方針や重要課題並びに法令で定められた重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置づけ、原則月1回開催しております。加えて、業務執行に関する監視、コンプライアンスや社内規程の遵守状況、業務活動の適正性かつ有効性を監査するため、監査役が取締役会に出席することで議事内容や手続き等につき逐次確認いたしております。また、内部監査室を設置し、内部監査を実施し、監査結果を定期的に代表取締役社長及び取締役会に報告しております。
詳細は、「
(2)戦略
当社では、人的資本が様々な資本の価値創造の源泉であると考えております。そのため、当社は人的資本を最重要視して投資を行うことで、持続的に人的資本やその他の資本を増強することを目指して戦略を設計しております。
(3)リスク管理
当社は、健全な企業活動を行うにあたり、リスクを把握しコンプライアンスを遵守する公正で誠実な経営を実践することを目的としてリスク・コンプライアンス委員会を設置し、運用しております。当該委員会では、業務遂行に係るリスクを的確に把握し、それぞれのリスクに対し、その予防と損失の極小化のための仕組みを検討、取締役会に報告する事により、リスク管理体制の充実を図っております。
リスク・コンプライアンス委員会は、代表取締役社長の椙原健を委員長し、管理本部長、社外取締役、その他取締役会で定める者で構成されております。リスク・コンプライアンス委員会は、原則として四半期に1回以上開催するほか、委員長が必要と認めた場合又は各委員から委員長に要請した場合に開催することとしております。
詳細は、「
(4)指標及び目標
当社は、ミッション・ビジョンの追求を通じて、多様な人材が成長し活躍できる環境を構築するため、企業として新たな価値創造・成長戦略の実現を目指してまいります。
当社では、人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する数値目標等は定めておりませんが、一人ひとりが個々の能力を最大限に発揮し、多様な人材が活躍できる職場環境の整備を進めております。
なお、当社における女性の活躍状況の指標と実績は以下のとおりであります。
|
指標 |
区分 |
実績(当事業年度) |
|
|
全労働者 |
|
|
うち正規雇用労働者 |
39.7% |
|
|
うちパート・有期労働者 |
77.3% |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、リスクの回避、低減、並びに発生した場合の対応に努める方針であり、当社株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものでありますが、以下の記載は当社の事業等及び株式への投資に係るリスクをすべて網羅するものではありません。また、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)事業環境に関するリスクについて
① 市場環境・競合について
当社の事業領域としておりますデジタルマーケティング市場は、成長途中の市場であり、国内外の事業者による新規参入が増加する可能性があります。
また、マーケティング予算の減額やローカルビジネスの各市場を巡る新たな規制の導入等、何らかの予期せぬ要因により、市場規模が想定したほど拡大しなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社といたしましては、ローカルビジネスに特化して独自開発しているSaaS型統合マーケティングツール「C-mo」は、これまで蓄積してきたデータとノウハウを活かし、技術、信頼性の強化等を行っており、ローカルビジネス業界にて、クライアントのDX化に寄与できる等、様々な点から他社と比較して優位性を確保できていると認識しております。
また、先行して事業を推進していくことで、参入障壁を高めるとともに、「C-mo Pro」によるコンサルティング活動から得られたノウハウを「C-mo」の機能開発に活かすことで、クライアントにとって価値のあるサービスを継続的に提供し、市場内での信頼及び地位を早期に確立してまいります。
② 技術革新について
インターネット業界においては、競合他社が使用する技術、業界標準技術並びに技術に対するクライアントのニーズが急速に変化することから、当社がローカルビジネスDX事業において競争力を維持するためには、急速な技術革新に適時に対応していく必要があります。このような技術革新に関しては、以下のような様々なリスクが伴います。
・当社が採用又は開発する新技術等が、想定した効果を発揮しない、又は使用可能となった時点で陳腐化、競争力低下等が生じているリスク
・端末や業界標準技術の多様化及び進化に対応した改良が行えない、既存のシステム又は設備等の改良や新たな開発等により多額の費用が発生するリスク
・新技術を適用した商品又はサービスに、想定していないバグ、欠陥又は不備があるリスク
・新技術をいち早く導入した企業や、新技術をより効果的に利用する企業との間で新たな競争が生じるリスク
これらの各要因により、当社が技術革新に対応することが困難となる場合、当社の業績に悪影響を与える可能性があります。
(2)事業内容及び当社サービスに関するリスクについて
① 新規事業について
当社は、今後も事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、市場・業界動向、法的規制等に留意しつつ、積極的に新サービス、新規事業に取り組んでまいります。
しかしながら、新規事業を推進する中で、当初の見通しとは異なる状況が発生する等により、新サービスや新規事業の展開が当初の計画どおりに進まない場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② マーケティングツール機能等の充実について
当社は、クライアントのニーズに対応し、導入店舗の増加及び活性化を図るため、マーケティングツール機能やサービスの充実等、クライアントが当社サービスに求めていることを慎重に考慮し、サービスごとに市場の環境変化を見据えながら対策を行っております。
しかしながら、新規機能の導入やクライアントのニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能拡充に支障が生じた場合、当社の業界における競争力が低下し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ M&A及び業務提携について
当社は、サービスの拡充に際して、M&A及び他社との事業提携等も手段の一つとして位置付けております。M&A及び事業提携の検討にあたっては、当社の経営戦略との整合性や、そこからもたらされるシナジー等を勘案し、適切なデューデリジェンスを実施した上で、取締役会において議論を実施するというプロセスを辿ります。
しかしながら、これらのM&Aや事業提携が事前の計画どおりの結果が得られない場合、又は投資検討時には認識されなかった追加的な問題が後日判明した場合等には、取得した企業の株式価値や譲り受けた事業資産の減損処理を行う必要が生じる等、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)システムに関するリスクについて
① システム障害について
当社の事業は、コンピューターシステムや通信ネットワークに依存しております。そのため、ネットワーク機器の故障やアクセス過多によるサーバーの停止、事故、火災、自然災害、電力供給の停止、コンピューターウィルスやハッカーの侵入等によるシステムトラブル、従業員の誤操作によるネットワーク障害等について、その発生を防止するべく、稼働状況の常時監視、定期的なバックアップの実施、サーバーの負荷分散、セキュリティ対策による外部からの不正アクセスの回避、内部統制の構築等に取り組んでおります。
しかしながら、予測不可能な要因によって、サーバーやシステム、通信ネットワーク等に何らかのトラブルが発生した場合には、円滑に事業を運営できなくなる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 事業拡大に伴う設備投資について
当社は、サービスの安定稼働やクライアントの満足度向上を図るためには、サービスの成長に即してシステムやインフラに対する先行投資を行っていくことが必要であると認識しております。今後予測されるクライアント数及びトラフィックの拡大、並びに新サービスの導入及びセキュリティの向上に備えて、継続的な設備投資を計画しております。
しかしながら、実際のクライアント数及びトラフィックが当初の予測から大幅に乖離する場合は、設備投資の時期、内容、規模について変更せざるを得なくなる可能性があります。このような事態が生じた場合には、設備投資、減価償却費負担の増加が想定され、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制及び知的財産等に関するリスクについて
① 法的規制等について
当社の事業継続に必ずしも著しく重要な影響を及ぼす法的規制等はありませんが、「個人情報の保護に関する法律」、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」、「職業安定法」、「労働基準法」等の各種法的規制等を受けております。
今後の法改正等により当社事業分野において新たな法的規制が適用されることになった場合には、当社の事業展開が制約を受ける等、対応措置をとる必要が生じる可能性があり、その際、当社の業績に影響を与える可能性があります。
② 知的財産権について
当社は、運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っております。
しかしながら、当社の事業分野で当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性、又は新たに当社の事業分野で第三者により著作権等が成立する可能性があります。この場合、当社が第三者の知的財産権を侵害したことによる損害賠償請求や差止請求、又は当社に対するロイヤリティの支払い要求等を受け取ることにより、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 不適切な広告配信に対する監視体制の強化について
当社は、顧客に提供する価値を担保するために、当社のクライアントが配信する広告に関わる品質管理が必須であると認識しております。具体的には、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」、「健康増進法」並びに「著作権法」等の各種法令により一定の制約がかけられており、広告に係る事業者としては、これらの法令に関係するクライアントと同様、法令に抵触することがないよう、広告内容の適法性の確保を図る必要があります。
また、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信を監視する等社内方針を定め、該当する広告取引が発生しないよう努めております。
(5)事業運営体制に関するリスクについて
① 人材の採用・育成について
当社は、今後急速な成長が見込まれる事業の展開や事業の規模の拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると認識しております。質の高いサービスの安定稼働や競争力の向上にあたっては、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用するとともに、成長意欲の高い人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく必要性を強く認識しております。
しかしながら、当社の採用基準を満たす優秀な人材の確保や人材育成が計画どおりに進まなかった場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 内部管理体制について
当社は、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。今後、事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も充実・強化させていく方針であります。
しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定人物への依存に関するリスク
当社の代表取締役社長である椙原健は、当社の創業者であり、創業以来当社の最高経営責任者として当社の経営方針を決定するとともに、当社の新規ビジネスの開拓及びビジネスモデルの構築において重要な役割を果たしております。当社は、権限の委譲や人材の育成、取締役会等において役員及び幹部従業員へ情報共有を図ることで、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めております。
しかしながら、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 特定業界への依存に関するリスク
当社の売上高において、2023年10月に本格リリースしたトラベル業界向けのサービス売上高は10.7%を占めており、堅調に推移しております。今後も新たな業界への事業の横展開を積極的に進め、事業ポートフォリオの多角化を図ることで、特定の業界の景気変動に左右されにくい、安定した事業構造を構築してまいります。
しかしながら、国内景況が悪化し、各業界に対するサービスの提供の急激な減少等が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
主な業界別ポートフォリオ推移(四半期累計)
|
業界区分 |
2024年9月期 第1四半期累計 |
2024年9月期 第2四半期累計 |
2024年9月期 第3四半期累計 |
2024年9月期 第4四半期累計 |
|
グルメ |
43.2% |
41.8% |
41.5% |
41.5% |
|
ビューティー |
51.7% |
51.0% |
49.7% |
47.8% |
|
トラベル |
5.1% |
7.2% |
8.9% |
10.7% |
(6)その他
① 紛争・係争について
当社は、事業展開にあたり、内部統制体制の強化と法令及び社会的道徳の遵守を含めたコンプライアンスの強化及び各種リスクの低減に努め、必要に応じて弁護士等の専門家の助言等を受けております。
しかしながら、事業活動にあたっては、法令等の違反の有無に関わらず訴訟を提起される可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 調達資金の使途
当社が株式上場時に実施した公募増資による調達資金の使途につきまして、今後の事業拡大に向けた新規顧客獲得のための販売促進費等、事業投資、設備投資、事業拡大に係る採用費及び人件費等、1年内返済予定の長期借入金の返済に充当する予定であります。
しかしながら、新規事業の発足や経営環境の変化の理由により、投資効果が期待どおりの成果を上げられない場合や、より投資効果が見込める使途等が生じた場合には、現時点の資金使途計画以外の使途に充当する可能性があり、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。
③ 自然災害及び有事に関するリスク
地震、台風及び津波等の自然災害、火災、停電、戦争、未知の感染症の伝染、テロ攻撃及び国際紛争等が発生した場合、当社の事業運営及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。特に、これらの自然災害又は有事等により、当社のシステムに障害等が生じた場合、インターネット関連サービスの提供が困難となり、当社のクライアントの満足度が低下し、当社の業績、事業運営及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、大規模な自然災害等が発生した場合には、当社のクライアントの事業の中断等が生じ、当社の業績に悪影響を与える可能性があります。
④ 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案し、利益還元政策を決定していく所存であります。
しかしながら、当社は、現在成長過程にあり、内部留保が充実しているとはいえず、創業以来配当を行っておりません。また、現時点では事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。
将来的には、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案し、利益還元を行うことを検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
⑤ 大株主について
当社の代表取締役社長である椙原健は、自身の資産管理会社である株式会社スマイルプラスの所有株式数を含めると本書提出日現在で当社の大株主であります。同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、上述したリスクは、当社が事業を行う上で予想される主たるリスクであり、既に述べましたとおり、リスクがこれらに限定されるものではありません。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資 産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べ70,639千円減少し、2,184,468千円となりました。これは主に、売掛金が106,017千円増加した一方で、現金及び預金が195,561千円減少したことによるものであります。
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べ191,555千円増加し、711,577千円となりました。これは主に、「C-mo」及び「JAPAN FOOD GUIDE」の開発に係るソフトウエアが121,290千円、関係会社株式が60,000千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は2,896,045千円となり、前事業年度末に比べ120,915千円増加いたしました。
(負 債)
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べ124,797千円増加し、597,812千円となりました。これは主に、買掛金が78,884千円、契約負債が58,754千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ3,881千円減少し、2,298,233千円となりました。これは主に、当期純損失9,347千円を計上したことによる利益剰余金の減少によるものであります。
② 経営成績の状況
当社は、「かかわる“C”に次のステージを提供し、笑顔になっていただく」をミッションに、「マーケティング、テクノロジー、コンサルティングスキルを武器とし、ローカルビジネスの活性化を通じて、消費者に日々の楽しみを提供し、店舗、街・地域、国が活性化されている状態。」「公益資本主義の浸透により、ビジネスと社会貢献が両立する世界が確立している状態。」の2つのビジョンを掲げ、世界をよりステキに、より笑顔にすることに貢献し、たくさんの「ありがとう」を生み出し続ける会社になることを目指しております。
当事業年度(2023年10月1日から2024年9月30日まで)において、当社のクライアントが属するローカルビジネス業界においては、歴史的な円安を背景に、訪日外国人数が新型コロナウイルス感染拡大前の2019年を超える水準で推移しており、宿泊・飲食サービス業を中心にインバウンド市場が活況を呈しています。しかし、地政学リスクの高まりや円安による物価上昇、従業員不足解消のための人件費高騰などが運営コストを圧迫し、依然として先行きは不透明な状況が続いています。
このような状況の中、ローカルビジネス業界では、売上・利益の拡大のためにインバウンド客を積極的に取り込むことや、慢性的な人手不足を解消する手段のひとつとしてDX化を進め生産性の向上を図ることが急務となっています。
ローカルビジネスの活性化を通じて日本経済全体の活性化を目指す当社は、これらの課題解決に寄与すべく、採算確保に貢献するマーケティングツールや、BPO(*1)による省人化サービスを提供しております。
当事業年度においては、「C-mo」の継続的なバージョンアップに加え、2023年10月にトラベル業界(旅館・ホテルなどの宿泊施設)向けサービスの本格展開や、2024年4月にインバウンド客向け飲食店・食体験多言語予約サービス「JAPAN FOOD GUIDE」のリリースを行いました。さらに、事業部制への組織改編による営業力及びサポート体制の強化、アライアンス先の拡大や関係性の強化を通じてビジネスの拡大を図ることで、2024年9月末時点の契約店舗数及びストック売上高は以下のとおり推移いたしました。
契約店舗数 (店舗)
|
|
2021年9月 |
2022年9月 |
2023年9月 |
2024年9月 |
|
C-mo |
2,931 |
3,984 |
4,425 |
4,661 |
|
C-mo Pro |
1,744 |
1,307 |
1,298 |
1,553 |
|
合計 |
4,675 |
5,291 |
5,723 |
6,214 |
(注)2024年6月より「C+」の名称を「C-mo Pro」に変更いたしました。
ストック売上高 (千円)
|
|
2021年9月 |
2022年9月 |
2023年9月 |
2024年9月 |
|
C-mo |
1,128,144 |
1,548,060 |
1,604,181 |
1,486,812 |
|
C-mo Pro |
415,811 |
256,198 |
266,733 |
487,421 |
|
合計 |
1,543,955 |
1,804,258 |
1,870,915 |
1,974,234 |
(注)各期末(9月)における、毎月課金される月額利用料の合計金額を12倍にして算出しております。
また、当事業年度の経営成績は、「C-mo Pro travel」の売上高が堅調に推移し前事業年度と比べて増収した一方で、成長促進のための人件費や採用関連費等のコストが増加したことにより減益となった結果、売上高2,725,676千円(前事業年度比12.3%増)、営業損失4,671千円(前事業年度は営業利益222,412千円)、経常損失3,907千円(前事業年度は経常利益224,104千円)、当期純損失9,347千円(前事業年度は当期純利益147,901千円)となりました。
なお、当社はローカルビジネスDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(*1)BPO
ビジネス・プロセス・アウトソーシング(Business Process Outsourcing)の略。
自社の業務を外部に委託すること。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ195,561千円減少し、1,870,317千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は129,409千円(前事業年度は242,245千円の収入)となりました。これは主に、減価償却費118,509千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は314,957千円(前事業年度は190,882千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出179,260千円、子会社株式の取得による支出60,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は10,014千円(前事業年度は8,018千円の支出)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出9,996千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
なお、当社はローカルビジネスDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
ローカルビジネスDX事業 |
2,725,676 |
112.3 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ、合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 財政状況及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に関する認識及び分析・検討内容
(売上高及び営業利益)
当事業年度の売上高は2,725,676千円(前事業年度比12.3%増)、営業損失は4,671千円(前事業年度は営業利益222,412千円)となりました。これは、2023年10月に本格リリースしたトラベル業界向けサービスが堅調に推移した一方で、成長促進のための人件費や採用関連費等のコストが増加したことによるものであります。
(営業外損益及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は1,100千円(前年同期比46.0%減)であります。また当事業年度の営業外費用は336千円(同2.2%減)であります。
この結果、経常損失は3,907千円(前事業年度は経常利益224,104千円)となりました。
(当期純利益)
法人税等合計にて、5,588千円(前年同期比92.4%減)を計上しております。
この結果、当期純損失は9,347千円(前事業年度は当期純利益147,901千円)となっております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち、主なものは労務費、外注費並びに販売費及び一般管理費等であり、投資を目的とした資金需要は、有形固定資産及び無形固定資産の取得によるものであります。
これらの資金は、自己資金、金融機関からの借入、新株発行等により資金調達していくことを基本としておりますが、財政状態を勘案しつつ、資金使途及び需要額に応じて柔軟に検討を行う予定であります。
⑥ 経営の問題意識と今後の方針について
当社のクライアントであるローカルビジネスは、グルメ、ビューティー、トラベル(旅館・ホテル)業界だけでも120万店舗以上を有しております。
当事業年度末現在において、主なサービス提供先の業界は、グルメ、ビューティー、トラベル業界となっておりますが、今後も新たな業界への事業の横展開を積極的に進め、事業ポートフォリオの多角化を図ることで、特定の業界の景気変動に左右されにくい、安定した事業構造を構築してまいります。
また、ローカルビジネスにおける課題は、マーケティング領域だけでなく、人材不足など多岐にわたっております。変化するニーズに適応した機能の開発、新たなソリューションを提供することを重視すると同時に、人員の増強と組織の強化を経営課題の一つと捉え、優秀な人材を継続的に採用し育成することで、組織を強化していく方針です。
⑦ 経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、「C-mo」と「C-mo Pro」のストック売上高を主要な経営指標と位置付けております。
当事業年度において、当社の経営戦略としては、新型コロナウイルス感染症の影響が薄れてきたグルメ業界における「C-mo」と、新たに本格展開したトラベル業界における「C-mo Pro」のストック売上高の拡大に注力してまいりました。
また、「C-mo」はSaaS型の月額収益構造であるため、売上高増加のためには、解約率を低く安定させることも重要な経営指標であると考えており、既存クライアントの満足度向上を促すため、継続的なアップデートと併せて、「C-mo」のサポート担当であるカスタマーサクセスの体制強化を行っております。カスタマーサクセスが行うサポートの内容といたしましては、システム操作の問い合わせ対応にとどまらず、クライアントが属する業界におけるトレンド情報のレポート送付、「C-mo」の機能を利用した施策提案など、当社からクライアントに対して電話やWeb会議システムを利用し積極的にコミュニケーションを図ることで、「C-mo」をより効果的にご利用いただき、「C-mo」がクライアントの業務になくてはならないツールとなるように導くことで、解約率の低減に尽力しております。引き続き当該指標の改善に邁進していく所存でございます。
ストック売上高 (千円)
|
|
2021年9月 |
2022年9月 |
2023年9月 |
2024年9月 |
|
C-mo |
1,128,144 |
1,548,060 |
1,604,181 |
1,486,812 |
|
C-mo Pro |
415,811 |
256,198 |
266,733 |
487,421 |
|
合計 |
1,543,955 |
1,804,258 |
1,870,915 |
1,974,234 |
(注)各期末(9月)における、毎月課金される月額利用料の合計金額を12倍にして算出しております。
C-mo解約率 (%)
|
|
2021年9月 |
2022年9月 |
2023年9月 |
2024年9月 |
|
「C-mo」解約率 |
2.6 |
1.9 |
2.4 |
2.3 |
(注)各期末(9月)における、直近6ヶ月の平均値にて算出しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。