第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「環境にやさしく安全な社会の創造に向けてあくなき挑戦を続ける。」という経営理念のもと、高い企業価値を実現するために、企業の社会的使命・責任を果たし、健全かつ適切な業務運営を通じて、お客様や地域社会からの長期にわたる揺るぎない信頼の確立を図らなければならないものと思っております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、単年度の損益計画・資金計画の達成を最重要課題として認識しており、特に安定的な企業価値の向上に繋がる経常利益の増加と当期純利益の増加によるキャッシュ・フローの増加を最重要目標として、収益性の向上・財務体質の充実に取り組んでおります。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

 今後のわが国経済の見通しにつきましては、不安定な国際情勢や金融市場・政策運営を巡る景気が下振れするリスクがあり、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されますが、雇用・所得環境の改善や定額減税の下支えもあり、内需主導で緩やかな回復が期待されます。
 当社グループが主力事業とする建設業界におきましては、公共事業費予算については、新たな国土形成計画に基づく「新時代に地域力をつなぐ国土」の実現を図るため、国民の安全・安心の確保、持続的な経済成長の実現、個性をいかした地域づくりと分散型国づくりの3点を柱に、国土強靭化の着実な推進が行われており、各分野での一定の公共投資は見込めるものの、人件費や資材の高騰に加え、2024年4月から建設業においても労働時間の上限規制が適用開始となり、人材の確保や育成に対する取組みへのさらなる強化が求められ、経営環境は依然として厳しい状況が続くものと予想されます。
 このような経営環境の中、当社グループは、昨年グループビジョンとして「地域の安全に貢献し、進化し続けることでお客様の信頼に応える」を掲げ、「Connect with everything〜全てと繋げる」を行動スローガンとする新中期経営計画を策定しました。新中期経営計画の最終年度となる2026年9月期売上高200億円を目指して、人材への投資、生産性アップ、付加価値の向上に注力し、更なる成長に向けた各施策にスピーディに取り組んでまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

当社グループは、「環境にやさしく安全な社会の創造に向けてあくなき挑戦を続ける」という経営理念のもと、サステナビリティを巡る様々な課題に真摯に向き合い、企業価値の向上を図るとともに持続的な成長に繋げてまいります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループでは、経営会議や執行役員会議、グループリスク管理委員会において、ESG/SDGsに関連する課題並びに取組み施策等を協議するとともに、業務執行に関する監督機関である取締役会に対し定期的に報告する体制を構築しています。

また、建設業界において喫緊の課題である長時間労働の是正や完全週休2日の実現、また多様性を考慮した人材の確保並びに人材を育成すべく、取締役を座長とする業務改革プロジェクトを立ち上げ積極的に取り組んでいます。

 

(2)リスク管理

当社グループでは、月1回開催するグループリスク管理委員会において平時よりグループ各社の様々なリスク管理、リスク対策を実施し、適切なリスクコントロールを行うことにより、事業の推進および企業価値の維持・向上を図るとともに、株主やお客様をはじめとするステークホルダーから強い信頼を得られる企業を目指すことを目的とし、リスクマネジメント方針を毎年更新、策定しています。

サステナビリティに関する事項につきましても、グループリスク管理委員会に報告するとともに、重要な個別事案につきましては速やかに取締役会に報告する体制を構築しております。

 

(3)戦略

当社グループは、次の①サステナビリティに関する方針、戦略並びに②人的資本に関する方針、戦略を定め取り組んでまいります。

 

①サステナビリティに関する方針、戦略

(イ) 低炭素社会の実現

地球温暖化の原因となるCO2排出量の削減に取り組んでまいります。

当社グループでは、CO2排出量の算定・可視化ツールを導入し、当社グループのCO2排出量を計測しています。計測されたデータをもとに、CO2の削減に全グループで取り組んでまいります。

(ロ)持続可能かつ強靭なインフラ整備、安心安全なまちづくり

当社グループの経営理念や主力である建設事業に直結する重要課題として、頻発する自然災害からまちを守る、災害に強いまちづくりを目指して高品質で耐久性に優れたインフラ整備に貢献します。

CO2を吸収する樹木を伐採しない法面工法や自然素材だけで作られた環境型竹短繊維入り土系舗装材を採用する等、防災・減災の実現と景観・環境保全の両立を目指して事業を推進してまいります。

(ハ)持続的な協力関係の構築

当社グループは2024年9月期からスタートした新中期経営計画の行動スローガンとして「Connect with everything ~全てと繋げる」を掲げ、地域社会やお客様を始め全てのステークホルダーとの関わりを更に強化したいと考えます。コンプライアンス経営を重視し、社会課題の解決に向けた取組みや事業活動を行うことで企業価値向上を図ります。

②人的資本に関する方針、戦略

当社グループは、「安全と信頼」をキーワードに交通安全施設や防災製品を提供しています。

地域の安全に貢献し、進化し続けることでお客様の信頼に応えていくことを目標としていますが、その担い手は、当社グループで働く人材です。

当社グループはこれまでも、様々な能力や経験を持つ人材が集まり、その才能を活かすことで、創業85年を超える実績を積み上げてきました。従業員1人ひとりの能力開発と、その力を最大限に活かすことが、生産性の向上や新たな付加価値の創造に繋がっていきます。

お客様の信頼に応えられる存在になるためには、会社と従業員が共に成長していく関係でなければなりません。そのために、当社グループは人材の能力開発に体系的に取組むことで、従業員が継続的にスキルアップし、従業員並びに当社グループの成長を実感できる環境や活躍の機会を提供していきます。

従業員に求められるのは、主体的・継続的にスキルを磨き続ける姿勢です。当社グループは、成長に向けて挑戦し、努力する従業員を支援するとともに、成果を出し、組織に貢献した従業員には、その活躍に公平に報いていきます。

また、社会環境の変化に対応し、多様化する社会やお客様の課題に応えるために、人材の多様化に取組んでまいります。このことが、社会やお客様への新しい価値を提供するとともに従業員のやりがいやエンゲージメントを高めることになると考えます。

当社グループは従業員一人ひとりと共に成長し、「安全と信頼」の実現と持続可能な社会に貢献する企業を目指します。

 

(イ)人材育成に関する方針
(ⅰ)人材確保

人材確保については、日本国内の労働人口減少に伴い採用環境が厳しくなるなか、採用活動の強化を図っていきます。具体的な活動としては、新規学卒者の採用については、大学等の就職支援担当部署との連携強化、企業説明会の充実及び活用により人材の安定的な確保を行います。中途採用については、リファラル採用、M&Aや営業拠点での発掘により、即戦力人材の確保に努めていきます。

(ⅱ)人材育成

人材育成を効果的かつ継続的に実施していくために人材育成室が中心となって、業務遂行に必要な資格やスキル、育成プログラムやキャリアパスなどを明確にし、自律的な成長のための教育・育成の機会を提供します。中核人材については、戦略的に登用や配置により計画的に育成します。

(ロ)社内環境整備に関する方針

従業員が自律的に成長する行動と組織に貢献する意識を持ち、その能力を最大限に発揮できる人事制度、職場環境などの環境を構築することが、生産性向上につながり会社の持続的な成長・発展に不可欠であると考えています。中期経営計画に掲げる「地域の安全に貢献し、進化し続けることでお客様の信頼に応える」を実現するために、企業価値向上に向けた経営基盤強化をはかるため人材への投資、また、働きやすい環境づくりとして、女性従業員の活用、完全週休2日制の実施による休日の増加、働き方の多様化につながるフレックスタイム制の導入、老朽化した営業拠点の建替えなど職場環境の整備を進めております。

 

(4)指標及び目標

①サステナビリティに関する指標および目標

当社グループはサステナビリティへの取組みのうち、気候変動に関するリスクと機会に係る課題について、温室効果ガスの排出量算定・可視化ツールを導入し、温室効果ガス削減やエネルギー効率の向上等の取組みを開始しております。削減目標については定めていませんが、排出量の算定を終えて温室効果ガス削減やエネルギー効率の向上に努めてまいります。

②人的資本に関する指標および目標

人材の多様化のひとつである女性の活躍推進は日本の社会的課題であり、当社においても重要な課題のひとつに位置付けています。女性社員による女性活躍推進活動計画の策定など具体的な取り組みを始めています。女性管理職比率と新卒採用における女性比率をKPIとして、人材の多様性確保に向けて具体的な取組みを実施してまいります。

また、女性のみならず、育児や介護など、多様な事情を抱えた従業員がそのライフステージに応じた働き方ができるよう選択制DCの導入、3大疾病サポート保険の付保を行いました。引き続き、人事制度や環境の整備に取組んでまいります。

KPI

対象範囲

目標値

現状

女性管理職比率

日本乾溜工業株式会社

2026年度末まで10以上

2024年9月末実績

3.4

新卒採用における女性比率

日本乾溜工業株式会社

40以上

直近3年平均

40.0

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避や発生した場合の対応に努めて参ります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 公共事業の削減による官公庁工事の減少

当社グループの経営成績は、国及び地方自治体の公共投資予算を反映します。建設事業部門において、国及び地方自治体が発注する公共事業が一般に想定される規模を超えて削減された場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、公共事業以外の受注活動も強化することで、リスクの低減を図っております。

 

(2) 取引先の信用不安によるリスク

当社グループは、受注に際して信用リスクの回避には最大限に注意しているところでありますが、建設市場全体が縮小傾向を続けるなか、注文者である取引先が信用不安に陥った場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、与信管理の徹底により貸倒れ防止に努めております。また、リスクに備えるため、下請債権保全支援事業による債権保証ファクタリングを利用し、貸倒れが発生した場合でも損失を回避、または低減しております。

 

(3) 建設資材価格及び労務費の変動リスク

建設資材価格や労働者不足による労務費などの高騰により工事採算が悪化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、資材調達先や工事下請業者との取引関係を強化し、常に市場の最新情報を入手することで、資材価格高騰などによる影響を最小限に抑えられるように努めております。

 

(4) 労災事故等によるリスク

当社グループの建設事業部門においては、重大な労災事故、第三者事故等を惹起すると、発注者から指名停止等の処分を受け、その後の受注に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、安全教育、安全パトロールの強化により、事故や労働災害の防止に努めております。

 

(5) 従業員の確保等に関するリスク

当社グループの建設事業部門においては、国家資格を有した管理技術者が必要となるほか、施工管理を担当する人員を必要とします。少子高齢化の進展や建設業界への就労人口が減少傾向にある状況から、人材獲得の停滞や離職者の増加等により人材が不足する状況に陥った場合、受注機会の減少が考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、新たな人材の獲得に向けた採用活動を積極的に展開するとともに社員の定年後の継続雇用の充実を図り、人員の確保に努めております。また、工事施工管理業務を希望する女性の雇用も積極的に行っております。

 

(6) 新型コロナウイルス感染症等の拡大によるリスク

新型コロナウイルス、インフルエンザ等の感染症が拡大し、建設市場の縮小、施工中案件の中断等が発生した場合は、受注機会の減少、工事採算の悪化等が考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、新型コロナウイルス、インフルエンザ等の感染症への対策として、時差通勤やテレワークの導入、また事務所にマスクや手指の消毒液を設置するなどの感染予防対策を施し、社員及び協力業者等の健康管理を徹底したうえで事業を継続しております。

 

(7) M&Aにおけるのれん等の減損リスク

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を目的として、M&Aを事業展開の選択肢の一つとして考えております。

M&Aによる事業展開においては、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大等の効果が得られない可能性があります。これらに加えて、子会社化後の業績悪化やのれんの償却又は減損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、M&Aを行う際には、対象企業の財務内容や契約関係等について公認会計士等の外部専門家の助言を含めたデューデリジェンスを実施すること等により、各種リスクの低減に努めております。また、M&A実施後には、グループ会社の業績等について常時管理する体制を構築しており、定期的に取締役会に報告しております。

 

(8) 有価証券の価格変動等のリスク

当社グループは、既存の事業基盤を拡大するために、中長期的な友好関係の維持を目的とした資本提携や戦略的な企業買収等を行っております。当社グループが保有している投資有価証券及び関係会社株式の時価又は実質価額が著しく下落した場合、その程度によっては、売却損や評価損の計上を強いられることも想定され、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、資本提携先や買収先企業については、取締役会及び経営会議等で定期的にモニタリングし、監督機能を強化することにより、リスクの低減に努めるとともに業績向上を目指した経営を行っております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続きましたが、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行き懸念などによる景気の下押しリスクを抱えており、依然として先行き不透明な状況で推移しました。
 当社グループが主力事業とする建設業界におきましては、建設資材価格の高騰や建設労働者不足等による労務費の高止まり等が続いており、受注環境は依然として厳しい状況で推移しているものの、公共投資は底堅く推移いたしました。

このような状況の中、当社グループは、新中期経営計画の初年度を迎え、基本コンセプトとしております人材への投資、生産性アップ、付加価値の向上に向けた各施策に取組んでまいりました。

当社グループの連結業績につきましては、売上高は175億45百万円(前期比3.9%増6億51百万円増)となりました。
 利益面につきましては、人材投資やシステム投資等により販売費及び一般管理費が増加したことに伴い、営業利益は8億73百万円(前期比7.4%減69百万円減)、経常利益は9億28百万円(同7.4%減74百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億88百万円(同7.5%減55百万円減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(建設事業)

 建設事業における工事につきましては、SAGA2024国スポ・全障スポ関連事業、高速道路の遮音壁取替工事等が完成したことや橋梁構造物補修工事の取組みにより、完成工事高は前期を上回りました。
 また、建設工事関連資材の販売につきましては、土地の造成や災害復旧に伴う土木資材の販売や、街中における駅舎のシェルターや横断歩道橋で使用する景観資材の販売が増加したことから、商品売上高は前期を上回りました。

 以上の結果、建設事業の売上高は152億38百万円(前期比3.3%増4億81百万円増)、セグメント利益は14億49百万円(同0.5%増6百万円増)となりました。

 

(防災安全事業)

防災安全事業につきましては、民間の工場等で使用する測定機器や各種熱中症対策品、さらに官公庁向けの備蓄食料・資機材の販売が増加したことから売上高は前期を上回りました。

以上の結果、防災安全事業の売上高は23億7百万円(前期比11.8%増2億43百万円増)、セグメント利益は1億70百万円(同17.2%増24百万円増)となりました。

 

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、139億27百万円(前連結会計年度末比3.6%増4億88百万円増)となりました。

 資産につきましては、流動資産が105億20百万円(同4.2%増4億19百万円増)となりました。その主な要因は、受取手形及び完成工事未収入金等が6億9百万円減少、未成工事支出金が2億28百万円減少しましたが、現金及び預金が12億26百万円増加したことによるものであります。

 固定資産につきましては、34億7百万円(同2.1%増68百万円増)となりました。その主な要因は、投資有価証券の売却により投資有価証券が1億60百万円減少、のれんの償却によりのれんが1億4百万円減少しましたが、当社グループの基幹システム更新に伴いリース資産が増加したことによりその他の無形固定資産が2億42百万円増加、営業店事務所の建て替えに伴い建設仮勘定が1億16百万円増加したことによるものであります。

負債につきましては、48億10百万円(同0.4%減20百万円減)となりました。その主な要因は、当社グループの基幹システム更新に伴いリース債務が2億45百万円増加、未払法人税等が1億96百万円増加しましたが、支払手形及び工事未払金が2億95百万円減少、借入金の返済により借入金が1億15百万円減少したことによるものであります。

純資産につきましては、91億17百万円(同5.9%増5億9百万円増)となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を6億88百万円計上したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、64億30百万円(前連結会計年度比23.6%増12億26百万円増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、14億69百万円の資金の増加となりました(前連結会計年度比253.0%増10億53百万円増)。その主な要因は、税金等調整前当期純利益を10億93百万円計上したこと、売上債権の減少により資金が5億20百万円増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、35百万円の資金の増加となりました(前連結会計年度比87.5%減2億48百万円減)。その主な要因は、有形固定資産の取得により資金が1億67百万円減少しましたが、投資有価証券の売却により資金が2億1百万円増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億77百万円の資金の減少となりました(前連結会計年度は2億52百万円の減少)。その主な要因は、借入金の返済により資金が1億15百万円減少、配当金の支払いにより資金が1億円減少したことによるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

 (当連結企業集団の各セグメント売上高)

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

当連結会計年度

(自 2023年10月1日

至 2024年9月30日)

売上高(千円)

売上高(千円)

建設事業

14,756,889

15,238,753

防災安全事業

2,063,304

2,307,102

化学品事業

74,561

合計

16,894,755

17,545,856

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 前連結会計年度の売上高のうち、売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
当連結会計年度の売上高のうち、売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

 

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であります。また、事業の中心となっている建設事業では生産実績を定義することが困難であり、建設事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐわないものであります。したがってセグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

なお、参考のため提出会社の事業の状況のうち、建設業における受注工事高及び施工の状況は次のとおりであります。

 

(建設業における受注工事高及び施工高の状況)

(イ)受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

期別

区分

前期繰越
工事高
(千円)

当期受注
工事高
(千円)

合計
(千円)

当期完成
工事高
(千円)

次期繰越工事高

当期施工高
(千円)

手持工事高
(千円)

うち施工高

比率
(%)

金額
(千円)

前事業年度

(自 2022年

  10月1日

至 2023年

  9月30日)

交通安全
施設工事

1,505,917

4,150,506

5,656,423

4,437,754

1,218,668

13.9

168,785

4,418,451

法面工事

370,599

878,649

1,249,248

1,024,612

224,635

8.5

19,116

1,024,347

環境・メンテナンス工事

177,956

791,016

968,973

550,437

418,535

5.0

20,843

569,358

その他工事

74,214

686,700

760,914

630,290

130,624

26.9

35,072

646,735

合計

2,128,687

6,506,871

8,635,559

6,643,095

1,992,464

12.4

243,817

6,658,892

当事業年度

(自 2023年

  10月1日

至 2024年

  9月30日)

交通安全
施設工事

1,218,668

3,494,655

4,713,324

3,804,352

908,971

3,635,566

法面工事

224,635

1,190,962

1,415,598

1,158,249

257,348

1,139,132

環境・メンテナンス工事

418,535

1,156,152

1,574,687

1,091,014

483,673

1,070,171

その他工事

130,624

890,915

1,021,539

741,775

279,763

706,703

合計

1,992,464

6,732,684

8,725,149

6,795,391

1,929,757

6,551,574

 

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に増減のあるものにつきましては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれております。

2 次期繰越工事高の「うち施工高」は、未成工事支出金により手持工事高の施工高を推定したもので、比率は、手持工事高の施工進捗度を記載しております。なお、当事業年度の未成工事支出金残高はありません。

3 当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越工事高の「うち施工高」-前期繰越工事高の「うち施工高」)に一致いたします。

 

 

(ロ)完成工事高

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

前事業年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

交通安全施設工事

1,543,119

2,894,634

4,437,754

法面工事

327,713

696,899

1,024,612

環境・メンテナンス工事

209,040

341,397

550,437

その他工事

158,922

471,367

630,290

合計

2,238,796

4,404,299

6,643,095

当事業年度

(自 2023年10月1日

至 2024年9月30日)

交通安全施設工事

1,227,930

2,576,422

3,804,352

法面工事

256,288

901,960

1,158,249

環境・メンテナンス工事

659,855

431,159

1,091,014

その他工事

119,459

622,316

741,775

合計

2,263,533

4,531,858

6,795,391

 

(注) 1 前事業年度の完成工事の主なものは、次のとおりであります。

西日本高速道路株式会社

令和3年度 九州支社管内標識取替工事

鹿島道路株式会社

令和2年度隼人道路 隼人西舗装工事

福岡県朝倉県土整備事務所

県道筑紫野三輪線道路防災工事

株式会社土井組

令和3・4年度南九州道交通安全施設等整備工事

佐賀県佐賀土木事務所

国道263号(サンライズ工区)交通安全施設(一種)工事

 

  当事業年度の完成工事の主なものは、次のとおりであります。

西日本高速道路株式会社

令和2年度 山陽自動車道 広島高速道路事務所管内遮音壁取替工事

福岡北九州高速道路公社

呉服町~豊JCT(IV)しゃ音壁補修工事(R4-5)

株式会社植村組

令和2年度 隼人道路 野久美田トンネル工事

岡本土木株式会社

福岡3号山田地区外舗装工事

北九州国道事務所

令和5年度筑豊管内交通安全施設整備工事

 

2 前事業年度の完成工事高のうち、完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

   当事業年度の完成工事高のうち、完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

 

 

(ハ)手持工事高(2024年9月30日現在)

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

交通安全施設工事

207,524

701,446

908,971

法面工事

17,300

240,048

257,348

環境・メンテナンス工事

417,047

66,626

483,673

その他工事

103,213

176,550

279,763

合計

745,085

1,184,671

1,929,757

 

(注) 手持工事の主なものは、次のとおりであります。

西日本高速道路株式会社

令和5年度九州自動車道熊本高速道路事務所管内構造物補修工事

2025年5月完成予定

吉原建設株式会社

西階公園野球場施設整備事業 建築主体工事(防球ネット)

2026年1月完成予定

大林道路株式会社

令和5年度 佐世保道路 白岳舗装工事

2025年3月完成予定

福岡北九州高速道路公社

呉服町~千代(Ⅲ)しゃ音壁補修工事(R5-6)

2024年12月完成予定

株式会社スポーツテクノ和広

大南地区スポーツ施設用地施設整備工事

2025年3月完成予定

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で資産、負債並びに収益、費用の数値に影響を与える見積りが行われている部分があります。当該見積りにつきましては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 経営者による経営成績等の分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況の概要につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

また、2024年9月期を初年度とする『2024年9月期~2026年9月期「中期経営計画」』を策定し、『地域の安全に貢献し、進化し続けることでお客様の信頼に応える。』ことをグループのビジョンに定め、『Connect with everything ~全てと繋げる~』という行動スローガンのもと、人材への投資、生産性のアップ、付加価値の向上に注力し、更なる成長に向けた各施策にスピーディーに取り組んでまいります。

なお、『2024年9月期~2026年9月期「中期経営計画」』の内容については、以下のとおりであります。

 

(A)グループビジョン

  「地域の安全に貢献し、進化し続けることでお客様の信頼に応える。」

 

(B)グループ行動スローガン

  Connect with everything ~全てと繋げる~
   ▶ 地域の安全への貢献から、地域社会とグループ全体を繋げる
   ▶ 信頼関係からお客様、メーカー・商社、協力会社、グループ社員、人と人を繋げる
   ▶ グループ会社、本部、ブロック、支店、出張所、組織と組織を繋げる
   ▶ あらゆる情報と情報を繋げる

 

(C)基本コンセプト

  ●人材への投資

   グループ全体で処遇・福利厚生の充実と、積極的に人材育成に取り組む

  ●生産性のアップ

   あらゆる業務を見直し進化し続けることで、ひとり一人働き甲斐を実感する

  ●付加価値の向上

   新たな領域、サービス、業務へ視野を広げ、挑戦を続ける

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは材料費・外注費等の工事原価、商品の仕入、並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは設備投資等によるものであります。

当社グループは事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、設備投資の詳細につきましては「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。