(1)会社の経営方針並びに営業方針
①経営方針
情報の活用
機動力を武器に
生産性の向上
②営業方針
選択と集中
小さな市場の大きなシェアを取る
消費者と直接繋がる
(2)粧美堂の理念体系
①粧美堂の企業理念 笑顔を、咲かせよう。
②粧美堂の存在意義 あらゆる人たちの身近に笑顔を。
③粧美堂の行動指針 逃げずに、まっすぐ、そして最速で。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、持続的に企業価値の向上を図るために、利益率を重視しており、営業利益の継続的成長を最大の経営目標と考え、売上高営業利益率の向上を経営上重要な指標としております。
(4)中長期的な会社の経営戦略
SHOBIDOが目指す姿
私たちSHOBIDOは、世界中の多様な個人の「笑顔を、咲かせよう。」という企業理念を掲げています。その実現に向け、特定分野を徹底的に深掘りし、圧倒的な情報力と商品力を持つ専門家として、企画から商品化、OEM受託まで一貫して対応できる企業を目指しています。
(5)会社の対処すべき課題
当社グループでは「あらゆる人たちの身近に笑顔を。」咲かせるための総合企画メーカーとして、対処すべき課題は以下のように考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
消費者の方々に「粧美堂(SHOBIDO)」をお一人お一人の個性と向き合い高品質・高機能な商品を適正な価格で提供する「メーカー」として認知していただき、消費者に信頼して選んでいただける「ブランド」として定着することが今後当社グループが発展する必須条件であると考えております。
②「モノづくりのパートナー」としてOEMビジネスの強化
過去70年以上にわたり、女性の美と向き合ってきた知見を活かし化粧品、化粧雑貨、服飾雑貨、キャラクター雑貨及びコンタクトレンズ等の商品を国内大手の小売業向けにOEM(相手先ブランドによる商品受注生産)で供給しています。国内の大手小売業は利益率の改善を企図しNB(ナショナルブランド)商品中心の品揃えからPB(プライベートブランド)商品の拡充を経営課題としております。当社ではこうしたニーズに対応するために重要な販売先ごとに専門チームを配し、世の流行や販売先ごとの客層を分析し商品企画の段階から提案を繰り返し、案件化しています。OEMビジネスは一般的に粗利率は低いものの、受注生産、一括買取りにつき在庫リスクを回避できることから、安定的な収益源として当社グループが注力していくべきビジネスであると認識しております。
③ECビジネスの強化
インターネットやスマートフォンの普及に伴い、対面での取引を前提とする従来からのチャネルから世の中はECを通じたビジネスが大きく成長しています。私どもの商品のメインユーザーである若年層の女性は化粧品、化粧雑貨に関する情報をSNSなどを通じて得るケースが多く、ECビジネスとの親和性は高いものと思われます。当社でもSNSの発信やマーケティングは既に力を入れておりますが、一層注力し将来的にはECビジネスの比率を30%程度まで引き上げてまいります。
当社グループの取扱い商品は化粧品・化粧雑貨・コンタクトレンズなどで現時点では若年層の女性がメインユーザーでありますが、今後、中高年層や男性などを対象に「美しく粧(よそお)う」「健やかに粧(よそお)う」ための商材を研究・開発しビジネスチャンスを追い求めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティ基本方針>
当社グループは「笑顔を、咲かせよう。」という企業理念のもと、世界中の多くの皆さまに「美しく装う」「健やかに装う」ことの楽しさ、嬉しさ、驚きをお届けし、いま現在はもちろんのこと、未来の人々の日常にも笑顔の花を咲かせることで、持続可能な社会の実現を目指します。
多様化する美や健やかさの価値観を常に追求し、新たなモノづくりにつなげることで、人々に愛され、信頼される企業を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティ関連のリスクおよび機会の評価、管理のためのガバナンスは、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会で行われております。
持続可能性の観点で当社の企業価値向上に向け、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会は、サステナビリティ関連を含む課題に取り組む各部門からリスク及び機会に対応するための実行計画の立案、進捗の報告を受け、評価、管理を行う体制としております。
当社グループは、持続的成長と企業価値向上にあたり、人材の成長と事業成長が継続的に連動すると考え、サステナビリティ関連の項目の中で、特に人的資本を重視しております。人的資本については、性別・国籍等を問わず、本人の能力や適性に基づいた処遇とすることを基本方針としており、多様な人材、多様な価値観を取り入れるため、中途採用を積極的に行っております。人材の育成については、日々のOJT教育以外に自己啓発の推進や、外部の有識者による階層別研修や選抜型研修を実施するなど社内研修の充実を図り、能力のある優秀な従業員の育成に取り組んでおります。
社内環境については、従業員がライフステージの変化において適切な選択を可能とし、時短勤務や時差出勤のほか、一定の条件に基づいた在宅勤務の実施、またすべての従業員が育児との両立を図れるよう育児目的の休暇を取得しやすくするなど、ワークライフバランスを重視した施策を推進しております。
当社グループはサステナビリティ関連を含む課題に取り組む各部門がリスクおよび機会を識別し、対応するための実行計画の立案、進捗をリスクマネジメント・コンプライアンス委員会へ報告しております。
リスクマネジメント・コンプライアンス委員会では、リスクおよび機会に関する評価、管理を行い、必要に応じて外部専門家からアドバイスを受けられる体制を整えており、各部門の潜在的なリスクを早期発見し検討・協議したうえで、各部門にて具体策の取り組みを推進・実行しております。
当社グループは、上記「(2)戦略」において記載した人的資本及び社内環境整備について、当該指標に関する測定可能な目標は定めておりません。今後、人材の多様性の確保を含む人的資本に関する測定可能な目標の設定に関して検討してまいります。
なお、当社の管理職に占める女性労働者の割合等は「第1 企業の概況 5従業員の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績、財務状態及び株価等に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを完全に網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)販売先上位各社への依存について
当社グループは、幅広い業態の小売業を顧客としておりますが、その取引は営業効率を向上させる観点より近年意図的に各小売業態の有力な販売先に集中させており、当社グループの2024年9月期における連結売上高の約7割が販売先上位20社に対する取引によるものです。これは、当社グループの商品力及び企画力、厳格な品質管理、安定的な供給力、物流や受注・出荷システム等のインフラにおける利点などが販売先上位各社に評価されたものと考えております。
しかしながら、何らかの理由により上位の販売先との取引が縮小または中止となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)キャラクター商品の取扱いについて
当社グループは、他社商品との差別化の源泉としてキャラクター商品を幅広く取扱っております。当社グループ商品へのキャラクターの活用にあたっては、使用するキャラクターを分散させることによりキャラクターの人気の移り変わりに柔軟に対応しております。一方でキャラクターの流行の度合いにより、当社グループの業績が変動する可能性があります。
また、当社グループが人気キャラクターの商品化許諾を版権元から獲得できなかった場合や、取扱いキャラクター商品に関する版権元との商品化許諾契約が何らかの理由により更新拒絶、解除等により終了した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)事業環境の変化について
当社グループは、化粧品、化粧雑貨、コンタクトレンズ関連、服飾雑貨等の商品を幅広く取扱っております。これらの商品に使用される原材料等の価格変動による仕入価格や物流コストへの影響を回避するため、国内外の仕入先メーカーの開拓や物流体制の見直しといった効率化を常時進めております。しかしながら急激なコストの高騰が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)為替変動の影響について
当社グループの総仕入額に対する外貨建て仕入及び輸入資材の比率は、2024年9月期実績で46.4%となっており、その外貨建て金額のうち93.0%を米国ドル建てで決済しております。したがって、米国ドルの円に対する為替相場の変動により業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは為替相場の変動リスクをできるだけ軽減するために、実需の範囲内で為替予約取引等も実施しておりますが、これによってすべてのリスクを回避できるわけではないため、急激かつ大幅な為替相場の変動等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)生産国の経済情勢等による影響について
当社グループは、商品企画部門が営業部門との連携により市場の売れ筋商品情報を収集し、その情報を踏まえた商品の企画開発を行い、一部の子会社を除き、当社グループが生産設備を保有しないため国内外の協力工場に生産委託をしております(以下「自社企画商品」)。海外において製造された自社企画商品については、生産国の内政状況、経済状況の変化、法律その他規制の変更、生産国の為替相場等の著しい変化、自然災害などが生じた場合などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)商品の品質及び安全性の確保について
当社グループは、商品の企画及び開発にあたり、独自の品質管理基準を設定して商品の品質向上や安全性確保に取り組むとともに、関連法規の遵守に努めております。また、自社企画商品の製造を委託する仕入先メーカーに対しても、品質管理や安全性確保に関する指導を工場への立ち入り検査を含めて継続的に行っております。しかしながら、何らかの事情により取扱い商品の品質や安全性に関しての問題が生じた場合、製造物責任や損害賠償責任等による被害者に対する損害賠償や不良品回収のためのコスト等が一時的に発生する可能性があります。またこれらに起因する当社グループの社会的信用力の低下により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(7)法的規制等について
当社グループは、事業の推進に際して、各種規制に抵触しないように細心の注意を払っていますが、何らかの事情により抵触する事由が生じた場合には、その対応のために新たな費用が発生あるいは商品企画の見直しや仕入価格の上昇等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報管理・サイバーセキュリティについて
当社グループが保有・管理している個人情報を含む、社外秘情報等については社内で定められた規定に則り厳格に管理し漏洩しないよう努めております。しかし、社外からのサイバー攻撃や関係者の過失などにより情報が漏洩した場合には信用力の低下を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)自社企画商品について
当社グループは、相対的に利益率が高い自社企画商品の拡販に積極的に取り組んでおります。自社企画商品については、原則として仕入先からの買取りであるため、仕入先への返品は困難であり、一定のOEM商品や販売先専用に製造した受注商品等を除いては、販売動向が在庫に影響する可能性があります。こうした背景から、当社グループでは、在庫リスクを抑制するため在庫水準等の適正化を常に図っておりますが、消費者の嗜好及び需要は急激に変化する可能性があることから、消費者のニーズを満たす商品の供給ができなかった場合、その対応として商品の値下げや廃棄、その他の対応を行うことにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)大規模災害による影響について
当社グループは、東京・大阪圏に営業拠点、物流拠点を複数有しております。各事業拠点においては、地震、台風等の大規模災害による停電等への対策は実施しておりますが、その被害の程度によっては事業拠点の損壊やシステム障害の発生等により、事業運営上の支障が生じ当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2023年10月1日~2024年9月30日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなかで、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、地政学リスクの高まりに加えて、日銀による金融緩和の修正により市中金利の上昇や急激な円安、原材料価格や光熱費の高騰による物価上昇など企業経営を取り巻く環境は依然として不透明な状況が続いています。
当連結会計年度は、当社の成長戦略である、商品力強化による「粧美堂ブランド」の価値向上やOEM事業における重点販売先の「モノづくりのパートナー」としての地位獲得、ECビジネスの推進に注力してまいりました。これらの成長戦略が実を結びつつあることに加えてインバウンド消費が拡大したことにより、当連結会計年度の売上高は、対前期比2.3%増の20,919,562千円と過去最高を更新しました。商品構成については利益率の低い他社からの仕入れ商品を圧縮し、利益率の高い自社企画商品の比率を継続的に引き上げてきたことで自社企画商品売上高は17,850,067千円(対前期比4.7%増)と増加し、構成比については85.3%と前期の83.4%から1.9ポイント上昇しました。また売上総利益額は5,504,464千円で対前期比2.5%増となりました。大幅な円安進行と原材料価格上昇に伴い海外で生産委託している自社企画商品の原価高騰は大きな懸念材料でしたが、適宜売価の引き上げを行っており、同利益率は26.3%と対前期比で横ばいとなりました。販売費及び一般管理費は、昨今の物流コストの上昇により物流費が増加しましたが、全体としては対前期比0.1%減の4,494,407千円に抑えることができました。これは陰りが見えた中国市場への対応として海外子会社の業務縮小を一早く決断したことと自社で行っていた物流業務の効率化を図り3PL(3rd Party Logistics)業者に一部を移管したことで物流業務に関わる人件費を圧縮したことが要因であります。
上記の運営により営業利益は対前期比16.2%増の1,010,056千円、経常利益は対前期比0.4%減の967,821千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、中国におけるコンタクトレンズ関連の連結子会社(孫会社)持分の一部を地場企業等に売却したことによる売却益を97,814千円計上した結果、773,966千円(対前期比62.8%増)となりました。
当社グループの事業セグメントは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、単一の事業セグメントでありますが、取扱い商品を区分した売上高の概況は次のとおりであります。なお、ここ数年「化粧品」の売上が大幅に伸びていることもあり当連結会計年度より「化粧品・化粧雑貨」の区分につきましては「化粧品」と「化粧雑貨」に分けて開示をいたします。
(化粧品)
当分類には、メイク関連化粧品、ネイル関連化粧品、ヘアケア関連化粧品などの売上が含まれます。当連結会計年度の売上高は、重点販売先への営業強化により、バラエティショップ向けの人気キャラクターをあしらったスキンケア用品など当カテゴリー全般が好調に推移し8,105,310千円(対前期比2.5%増)と増収となりました。
(化粧雑貨)
当分類には、メイク関連雑貨、ネイル関連雑貨、ヘアケア関連雑貨などの売上が含まれます。当連結会計年度の売上高は、ヒートカーラーやネイル関連雑貨などが好調に推移し6,907,030千円(対前期比7.1%増)と増収となりました。
(コンタクトレンズ関連)
当分類には、コンタクトレンズ、コンタクトレンズケア用品の売上が含まれます。当連結会計年度の売上高は、国内は好採算のカラーレンズが好調に推移しましたが、中国におけるコンタクトレンズ関連の連結子会社(孫会社)を売却した影響もあり、全体としては2,508,390千円(対前期比1.1%減)と微減となりました。
(服飾雑貨)
当分類には、バッグ、ポーチ・ケース、サイフ類、その他服飾小物などの売上が含まれます。当連結会計年度の売上高は、一部の販売先に対する売上が減少したことなどから2,240,695千円(対前期比10.9%減)となりました。
(その他)
当分類には、ペット用品を含む生活雑貨、文具、行楽用品、ギフト商品などの売上が含まれます。当連結会計年度の売上高は、人気キャラクターをあしらったペット関連商材を期中に新たに導入した効果もあり1,158,136千円(対前期比11.5%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて769,936千円減少し、14,427,472千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,671,705千円減少し、10,331,835千円となりました。
これは主に、有価証券が220,000千円増加したことに対し、投資有価証券の取得等により現金及び預金が1,277,345千円、売掛金が499,820千円、為替相場の変動等により為替予約が238,782千円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて901,768千円増加し、4,095,637千円となりました。
これは主に、投資有価証券が950,308千円増加したことに対し、建物及び構築物が44,595千円、のれんが28,809千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,045,311千円減少し、7,851,954千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて330,017千円減少し、5,486,059千円となりました。
これは主に、短期借入金が400,000千円増加したことに対し、1年内返済予定の長期借入金が230,000千円、未払法人税等が333,893千円、その他に含まれている未払金が138,528千円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて715,293千円減少し、2,365,894千円となりました。
これは主に、長期借入金が689,000千円、繰延税金負債が53,283千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて275,374千円増加し、6,575,518千円となりました。
これは主に、利益剰余金が479,545千円増加したことに対し、繰延ヘッジ損益が145,845千円、連結子会社である壹見健康科技(上海)有限公司の持分譲渡による連結除外に伴い非支配株主持分が93,560千円減少したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は362,680千円減少し、3,725,881千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、832,052千円(前年同期は32,161千円の収入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益を1,068,781千円計上するとともに、減価償却費203,795千円、のれん償却額28,809千円、売上債権の減少429,699千円、仕入債務の増加181,254千円があったこと、関係会社出資金売却益△97,814千円、棚卸資産の増加△203,076千円、未払金の減少△124,214千円、法人税等の支払額△611,415千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、395,718千円(対前期比345.0%増)となりました。
これは主に、定期預金の純減額913,551千円、投資有価証券の償還による収入100,000千円があったこと、有形固定資産の取得による支出△190,300千円、投資有価証券の取得による支出△1,300,980千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、811,111千円(対前期比847.8%増)となりました。
これは主に、短期借入金の純増加額400,000千円、長期借入れによる収入800,000千円があったこと、長期借入金の返済による支出△1,719,000千円、配当金の支払額△290,718千円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、報告セグメントが単一であるため、商品区分別に記載しております。
当社グループは、一部において商品生産を行っておりますが、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度における仕入実績を商品区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.従前より「化粧品・化粧雑貨」に含まれていた化粧品の仕入高が増加したことにより、当連結会計年度から「化粧品・化粧雑貨」の区分を「化粧品」と「化粧雑貨」に分けて記載しております。
当社グループは、一部において商品の受注生産を行っておりますが、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を商品区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.従前より「化粧品・化粧雑貨」に含まれていた化粧品の売上高が増加したことにより、当連結会計年度から「化粧品・化粧雑貨」の区分を「化粧品」と「化粧雑貨」に分けて記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.株式会社PALTACへ販売した商品は、主に株式会社大創産業へ卸され、ダイソー店舗等にて一般消費者へ販売されております。
4.株式会社PALTAC及び株式会社しまむらの当連結会計年度は当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。また、株式会社ドン・キホーテは当連結会計年度から10%を超えたため記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当該連結財務諸表にかかる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ475,794千円増加し、20,919,562千円(対前期比2.3%増)となりました。
化粧品は、重点販売先への営業強化により、バラエティショップ向けの人気キャラクターをあしらったスキンケア用品など当カテゴリー全般が好調に推移し、売上高は前連結会計年度に比べ199,261千円増加しました。
化粧雑貨は、ヒートカーラーやネイル関連雑貨などが好調に推移し、売上高は前連結会計年度に比べ457,877千円増加しました。
コンタクトレンズ関連は、国内は好採算のカラーレンズが好調に推移しましたが、中国におけるコンタクトレンズ関連の連結子会社(孫会社)を売却した影響もあり、売上高は前連結会計年度に比べ27,280千円減少しました。
服飾雑貨は、一部の販売先に対する売上が減少したことなどから、売上高は前連結会計年度に比べ273,936千円減少しました。
その他分類は、人気キャラクターをあしらったペット関連商材を期中に新たに導入した効果もあり、売上高は前連結会計年度に比べ119,871千円増加しました。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度に比べ134,761千円増加し、5,504,464千円(対前期比2.5%増)となりました。
利益率の低い他社からの仕入れ商品を圧縮し、利益率の高い自社企画商品の商品構成比率を継続的に引き上げました。大幅な円安進行と原材料価格上昇に伴い海外で生産委託している自社企画商品の原価高騰は大きな懸念材料でしたが、適宜売価の引き上げを行っており、同利益率は26.3%と対前期比で横ばいとなりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、昨今の物流コストの上昇により物流費が増加しましたが、全体としては、対前期比0.1%減の4,494,407千円となりました。
主な内容は、販売促進費565,316千円、物流費1,108,451千円、人件費1,719,871千円であります。
以上の結果、営業利益は1,010,056千円(対前期比16.2%増)、売上高営業利益率は4.8%(前年同期は4.3%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、58,181千円となりました。
主な内容は、受取利息22,599千円、不動産賃貸収入10,523千円であります。
営業外費用は、100,417千円となりました。
主な内容は、支払利息27,733千円、為替差損56,430千円であります。
以上の結果、経常利益は967,821千円(対前期比0.4%減)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、105,829千円となりました。
主な内容は、連結子会社である壹見健康科技(上海)有限公司の持分の一部を譲渡したことによる関係会社出資金売却益97,814千円であります。
特別損失は、4,869千円となりました。
内容は、投資有価証券売却損4,869千円であります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は773,966千円(対前期比62.8%増)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの事業に重要な影響を与える要因としましては、法的規制、景気、為替相場等の経済状況の変動、地震・台風等の大規模災害等様々な要因が挙げられ、詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
特に、景気の変動については、後退局面においても業績の安定化が図れるよう、比較的利益率の高い自社企画商品の取扱いの拡大に注力する所存であります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(資金の需要)
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品の仕入、全社に係る販売費及び一般管理費のほか、今後の事業展開や物流体制のリノベーションのための投資及び業務効率の向上等を図ることを目的としたシステム開発投資等によるものであります。これらの資金需要につきましては、自己資金にて対応することを基本としており、必要に応じて銀行借入を行うこととしております。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社では、収益性の向上という観点から選択と集中を進めてまいりましたが、今後は、「真のメーカー」の立場で「この商品であれば粧美堂」と言われるような定番的商品ラインアップの構築を目指した選択と集中を推進していきます。
当社はディスカウントストア、ドラッグストア、バラエティストア、総合スーパー等の幅広い業態の小売業の中でもトップクラスの企業と取引があり、こうした企業との取引に一層注力することによる成長を展望すると同時に、各社から還元を受けたPOSデータや店頭での情報を、速やかに社内の商品企画セクションに還元し、商品化をスピードアップするという取り組みを行っております。また現場力を最大限に活かすために、現場のマネージャークラスに権限を大幅に委譲し意思決定プロセスを簡素化すると同時に、ITインフラを整備したことで従来以上に社内外の情報の共有化と業務スピードの迅速化に努めています。
また、上記のような小売業のトップクラスの企業は、いずれもPB商品の拡充を経営課題と掲げていることもあり、当社が永年培ってきた化粧品・化粧雑貨などの分野における知見を活かし、主要な重点販売先に商品企画段階から当社社員が提案を繰り返し、魅力ある商品・売り場づくりのお手伝いをすることで、重点販売先と歩調を合わせた成長を目指してまいります。
当社グループは、世界中の多様な個人の「笑顔を、咲かせよう。」という企業理念を掲げ、小さな市場で大きなシェアを持つ、ニッチ市場のNo.1メーカーの集合体を目指すことを今後の目標と定め、ネイルケア、メイクアップ、キッズ向け商品のカテゴリーに焦点を定め経営資源を投入してまいります。また長年に亘るキャラクタービジネスで培った有力ライセンサーとの紐帯を一層強化し、当社が企画する商品と組み合わせることで他社商品との差別化を推進してまいります。
また、当社グループでは消費のEC化の進展を見据えて、数年前からEC事業の強化やSNSを通じた情報発信を行い「消費者と直接繋がる」取り組みを進めてまいりました。多様な市場情報の収集、自社メディアからの情報発信力の強化、従来はコンタクトレンズ中心だった取扱品目に当社の強みである化粧品、化粧雑貨などを加えることでEC事業の一層の拡大を進めてまいります。
当社グループでは、当連結会計年度の総仕入額のうち46.4%を海外から外貨建てで仕入れており、その93.0%は米国ドル建ての決済でした。米国ドル建て決済見込み額の約50%程度を目安として為替予約を実施しておりますが、足許の円安基調は当社グループの業績に大きな影響を及ぼします。これに対し当社グループでは、販売先に対する商品価格への転嫁の要請、ゼロベースでの商品仕入先メーカーの見直し、外貨調達手法の一層の高度化、社内業務のDX化による効率化など多岐にわたる方策を検討・実践しております。
キャラクター使用許諾契約(注)
(注)対価として、一定料率のロイヤリティを支払っております。
記載すべき重要な事項はありません。