文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、グローバルな「粉体技術連峰」の形成により、「粉体技術」の分野において常に世界のナンバーワン企業であり続けることを志向しております。既存のプロセス機械装置及びシステムエンジニアリングに加え、新素材などのマテリアルビジネス関連事業を新たに展開し、先端的「粉体技術」の一層の進展を図ります。また、粉体技術関連事業のみならず、プラスチック薄膜技術の分野においても、強力なブランド力と卓越した技術開発力を背景に高付加価値製品を提供し続けることにより競争力の強化を図ってまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、収益力と資本効率の向上をバランスよく推し進め、企業価値を最大化させるため、連結ROE(株主資本利益率)10%以上、売上高営業利益率10%以上、総還元性向50%以上を目標とし、PBR1倍以上の維持・向上を目指しております。
(3) 経営環境並びに優先的に対処すべき課題
足元の経営環境につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。2024年10月1日より「Unique & Dominant ~ ホソカワの独自性で、市場での存在感を高める~」を基本方針とし、新たに第18次中期3カ年経営計画をスタートさせました。
引き続き、当社グループは、革新的な粉体技術を提供する世界トップ企業であり続けるため、IIoT(Industrial Internet of Things) 技術を応用したデジタル・ソリューションの提供など、常に新しい技術と新しい市場の創造に挑むとともに、ナノパーティクルテクノロジーを含む新素材の開発、製造、販売などのマテリアルビジネスを実現することにより、超優良企業を目指します。
当中期3カ年経営計画期間中(2025年9月期~2027年9月期)における基本施策は以下のとおりであります。
① グループシナジーの創出
当社グループは日本・欧州・米国を主要拠点とし、アジア諸国や中南米、中近東、アフリカ諸国までグローバルに展開しております。世界に広がるグループ各社との連携を深め、情報交換・共有を強化していくことにより、各国・地域の市場特性に合わせた最適な機器・システムの開発を行っていくとともに、現地に密着した販売戦略や体制を構築してまいります。また、アフターサービスのネットワークの拡充を図ることにより、収益基盤の拡大及び顧客満足度の向上に努めてまいります。
② DX(DX : Digital Transformation)によるデータ分析と活用
市場や顧客、案件テストデータなど、創業来100年以上の永きにわたって蓄積されたデータは他社にはない当社グループの強みであります。粉体技術を通して社会に貢献するという理念の下、DX技術を駆使し、各データの分析を進めるとともに、あらゆる情報の一元化及び共有、データの活用により、業務効率の最適最大化を図り、持続成長可能な企業活動を推進してまいります。さらに、IIoTと当社システムとの融合によるデジタル・ソリューションといった付加価値の高いサービスを顧客に提供することにより、顧客満足の向上や競合他社との差別化を図り、収益基盤の強化を図ってまいります。
③ 特定市場のデファクトスタンダードを目指した商品開発の推進
当社グループではかねてより「粉体技術の開発を通して社会に貢献する」を企業理念とし、さらには「自然環境の保護に努め、次世代のための環境保全に取り組む」ことを当社グループの使命のひとつとして掲げてまいりました。全世界的に持続可能(サステナブル)な社会の実現に向けた取り組みを進めるなか、顧客ニーズは産業や市場、用途毎にますます多様化・高度化しております。当社グループでは、従来からリチウムイオン電池電極材や代替肉用製造システムなど、社会課題解決に貢献する機器やシステムを提供しておりますが、引き続き、この企業理念や使命を追求し、社会課題解決に資する製品の開発を進め、他社の追随を許さない世界標準システムや商品の構築を図ってまいります。また、メンテナンスサービス事業を強化することにより、機器・システムのライフタイムを伸ばし循環型社会実現への貢献を図ってまいります。
④ コーポレート・サステナビリティの実践
当社グループでは、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)は企業活動の前提条件であり、自然環境や社会システムの変化に適切に対応し、透明性・実効性の高い企業統治を実現していくことによって、将来的なリスクを低減し、機会をとらえていくことが企業価値の向上につながると認識しております。このような考えのもと、ステークホルダー全体を見据え、社会貢献と企業活動の長期的な持続・成長の両立を図ってまいります。また、従前から「人材集団の形成」を経営の基本方針の一つとして掲げておりますが、人材育成や働き方改革、ダイバーシティ&インクルージョンなど、時代の要請に即した風土づくりや職場環境の整備、制度改革などを進め、人的資本の価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、従前より、『経済的かつ優れた技術をもって顧客の多様なニーズに的確に対応してその満足を得るとともに、社会に貢献し、倫理的指針に基づく活動を通じ、自然環境の保護に努め、次世代のための環境保全に取り組む。また、従業員の積極的なチャレンジを可能にする充実した職場作りを推進し、株主への適切な利益還元を行うことを使命とする。』をミッションステートメントに定め、粉体技術の開発を通して社会に貢献することを経営理念として活動しております。今後も持続可能な社会の実現と事業の成長のために、重要な課題に取り組むとともに、SDGsの達成に貢献してまいります。
当社では、2021年11月にホソカワサステナビリティ委員会を立ち上げ、ESG(環境・社会・ガバナンス)の視点を踏まえ、マテリアリティ(重要性)を特定するとともに、CO2排出量の算定作業を進めてまいりました(いずれも日本国内が対象)。また、2022年11月にはTCFD(気候関連財務情報タスクフォース)シナリオ分析チームを組織し、TCFDの提言に沿った取組みと情報開示を進めてまいりました。2023年10月にこれらの委員会/チームを発展的に解消し、取締役副社長を委員長とする「ホソカワサステナビリティ経営委員会」及びその下部組織として「ホソカワサステナビリティWorking Group(WG)」を発足いたしました。今後はこれらが中心となり、グループ全体にわたるサステナビリティ及び気候変動を含めた環境に関する方針や施策の立案や実行を審議・決定してまいります。また、ホソカワサステナビリティ経営委員会における検討内容は取締役会に報告し、助言や審議を受けております。

全社サステナビリティの実態に対し見える化を図り、これまでの活動をさらに推し進めるために、2024年10月に新組織として「サステナビリティ推進室」を設置いたしました。
マテリアリティの特定
~持続可能な地球環境への技術的貢献~
~安全・安心で豊かな社会の実現~
~事業を支えるガバナンスの高度化~
①気候変動
当社グループでは、2050年のカーボンニュートラル実現という社会目標の実現に向け、TCFDの提言に沿い、2100年における世界の気温上昇が1.5℃上昇、2℃上昇、4℃上昇の世界観を想定し、2030年及び2050年におけるシナリオ分析を実施、9つのリスクと4つの機会を抽出し、売上や利益などに関する影響等を評価いたしました。
最初のステップは対象をホソカワミクロン株式会社(国内のみ)、ホソカワミクロン化粧品株式会社(当時)、ホソカワ受託加工株式会社に絞り、シナリオ分析を進めました。今後順次、海外連結子会社にも展開していきます。
なお、以下に示す政府機関及び研究機関で開示されているシナリオなどを参照して、重要度の評価及び財務影響の分析を実施しています。
国際エネルギー機関(IEA):「World Energy Outlook 2022」NZE2050/APS/STEPS
気候変動に関する政府間パネル(IPCC):「AR6」SSP1-1.9(1.5℃シナリオ)/SSP1-2.6(2℃シナリオ)/SSP5-8.5(4℃シナリオ)
9つのリスク
4つの機会
カーボンニュートラルに向けて需要が拡大している電気自動車(BEV)などの関連産業や業界へ、二次電池やモータなどに使用する原材料の微細化や高機能化技術を提供していくとともに、今後の成長が見込まれる代替食品やバイオ医薬品などの分野への展開、さらには食品廃棄ロスの削減につながる製品・システムの開発、販売に努めてまいります。
特定したリスク、機会に対しては、次のような中長期での対応策を継続的に実施し、効果評価を行い、事業活動のレジリエンスを高めてまいります。
・事業活動におけるGHG排出量削減推進
・サプライチェーンの強靭化
・経営理念「粉体技術の開発を通して社会に貢献する」に基づいた製品・サービスの拡充
・低・脱炭素移行に伴う新たなマーケットニーズの探索
・積極的な情報開示と新たなサステナビリティ活動への取り組み展開
・レジリエンスの向上
その他の詳細につきましては、当社ウェブサイトURL
からご覧いただくことができます。
②人的資本・多様性
a) 人材育成の方針
当社グループでは、「和と誠意と積極性」、「創造の精神」、「来たらざるを頼むなかれ我に備えあるを頼む」を3つの社是とし、「人材集団の形成」を経営の基本方針の一つにするなど、企業の競争力の源泉は「人」であり、従業員の積極的なチャレンジを可能にする充実した職場づくりを推進してまいりました。
b) 社内環境整備
上述のような考えのもと、当社グループ発展の中核を担う技術・技能及び知識において優れた人材を見出し、それにふさわしい称号と待遇を与える当社独自の自己研鑽のための制度として1979年に「特別専門職制度」を設け、社会的にも高く評価される専門家として育成し、併せて当社の技術・技能及び知識水準の向上をはかるための支援を、制度発足以来の趣旨に則り40年以上にわたって継続的に行っております。また、2022年度には、従業員向けインセンティブプランとして当社国内に勤める全従業員を対象に信託スキームを利用した「RS信託」を導入いたしました。さらには、主に新入社員を対象として、実際に機械や粉体を取り扱うテストセンター室において、実践的な経験を積ませるなど、OJTによる業務経験の蓄積を育成の中心とし、全社的な階層別研修やHosokawa English Program、e-ラーニングなどの座学も取り入れ、より良い社会の実現に寄与できる人材の育成に取り組んでおります。
研修体系と平均研修時間等
※Hosokawa English Programについては、時間測定が難しいためデータ未記載
リスク管理全般については「リスク管理規程」を定め、リスクが顕在化する具体的恐れがあるとき及び危機が発生した際の会社の対応について定め、会社損失の最小化を図ることを企図しております。気候変動に対してはシナリオ分析にもとづき、気候関連リスクの洗い出しを行っております。特定された気候変動に関するリスクは、定期的に下記のプロセスにより管理し、ホソカワサステナビリティ経営委員会において、その回避や低減、コントロールを図り、機会への着手を早期に行うための方針策定や対応策の立案を行っています。同経営委員会は原則として四半期に1 回開催し、定期的に取締役会への報告や答申を行い、監督、指示を受けてまいります。

①気候変動
2022年9月期比において、2030年度のScope-1及び2のCO2排出量24%削減を目指します(日本国内事業のみが対象)。海外も対象とした当社グループとしてのScope-3を含む全CO2排出量の算定を急いでおりますので、その結果が出次第、2024年9月期中の実績を2025年度中には当社ウェブサイトなどを通じて開示できるよう取り組んでおります。
②人的資本・多様性(日本国内の事業所のみを対象)
次世代育成対策推進法及び女性活躍推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定しております。また、これ以外にも働きやすい職場環境を目指した取り組みを行っております。
a) 次世代育成対策推進法にもとづく行動計画(計画期間:2028年3月31日までの4年間)
目標1. 育児休業を取得しやすい環境を整えるため、社内規則など仕事と生活の両立に関する諸制度の周知や育児休業中の社員のフォローを行うとともに、休業中をサポートする管理職や社員にとっても働きやすい環境を構築する。
目標2. 年次有給休暇の取得率70%以上を目指す。
b) 女性活躍推進法に基づく行動計画(計画期間:2028年3月31日までの4年間)
目標1. 新規採用者の女性比率20%以上を目指す。(継続)
目標2. 育児休業取得率女性は100%を継続、男性は80%以上を目指す。
c) その他働きやすい職場環境を目指した取り組み
・毎週水曜日の早帰りデー
・時間有給制度の導入
・在宅勤務制度の導入
・三六協定の遵守(1ヶ月の残業上限35時間、1年間の残業上限360時間。特別条項として1ヶ月の残業条件80時間及び1年間の残業上限680時間)
また、多様性の確保に向けては、人種、国籍、性別、性的指向、宗教、障がい等に基づく差別をすることなく、公正・公平な採用活動を行うことを基本方針としております。また、従業員一人ひとりの人間性・多様性を尊重しており、全役員・全従業員への人権に対する教育強化を推進しております。
当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を与える可能性のある事項は下記のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの製品の需要は、世界各国に及んでおり製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けております。当社グループの販売先における政治・外交情勢の不安定化、貿易摩擦・貿易戦争、景気後退及びこれに伴う需要変動などで予測を超えた変動があるときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの業績は主として日本円、米ドル、ユーロ並びに英国ポンド等の外国為替相場の変動による影響を受けております。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されているため換算リスクと取引リスクという形で為替変動の影響を受けます。為替相場の変動は外国通貨で販売する製品及び調達する材料の価格に影響を与える可能性があります。
当社グループの海外での生産及び販売活動は、米州、欧州、アジア、中近東、アフリカ等にて展開されています。これらの活動については下記のリスク要因を十分考慮していますが、予測しないリスクが発生する場合があります。また、当社グループが事業展開する各国において、より厳格な法規制の導入や当局の法令解釈・運用指針の変更により、当社グループの活動が制限されることがあります。このようなリスクの顕在化により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
・政治又は経済要因
・法律又は規則の変更
・潜在的に不利な税の影響
・労働争議
・テロ行為又は戦闘行為
当社グループでは、客先との合意に基づく最適な納入仕様の決定を行うとともに、各工場での厳格な品質管理の上、客先の検収をいただいております。製造物にかかる賠償責任につきましては製造物賠償保険に加入していますが、保険でカバーされない製造物責任リスクにより多額のコストが発生する場合やブランドイメージの棄損などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、将来の客先のニーズを予測し、新技術の開発を継続的に実施してきましたが、予測を超えた社会環境の変化や客先のニーズの変化により、最終的に客先にその新技術が受け入れられない可能性があります。
また、新技術の一部には許認可が必要なものもあるうえ、許認可申請をしても承認される保証はありません。
このような場合、新製品・サービスの投入が遅れ、競合他社や新規参入企業に対する優位性が低下し、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、「ホソカワミクロングループコンプライアンス憲章」を定めるとともに、「コンプライアンス規程」(国内)及び「Hosokawa Micron Group Compliance Charter」(海外グループ)を規定し、全役職員のコンプライアンス意識を高めるよう努めております。しかしながら、法令違反が生じた場合には業務停止や課徴金等の行政処分を受ける可能性があります。
また、個別に想定される当社グループを相手とした製品保証等の訴訟については、妥当と思われる引当額を計上しておりますが、当社側の主張・予測と相違する結果、多額の賠償等のコストが発生する場合があります。このようなリスクの顕在化により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、他社製品と差別化できる高度な技術及びノウハウを保持しており、またこれらの保護について最善の努力を傾注していますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であるおそれがあり、そのため第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。一方、当社が使用する技術及びノウハウ等が不可避的に他社の知的財産権に抵触し係争に発展する可能性があります。
当社グループでは取引先の財務情報を参考に与信管理を行い、取引先の信用リスクに備えています。しかし、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
インターネット等を通じて当社グループに対する悪評・誹謗・中傷等の風説が流布する可能性があります。これらは、たとえ事実と異なる内容であったとしても、当社グループへの信頼及び企業イメージを低下させ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、世界中に製造販売・サービス・研究開発の拠点を有しております。地震や台風、豪雨による風水害等の自然災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、耐震化を進めるほか、点検・訓練の実施、連絡体制の整備に努めております。
さらに当社グループは、新型コロナウイルス感染症のような未知の感染症の世界的拡大(パンデミック)に備え、従業員の健康と安全の確保を最優先に感染防止対策を徹底しております。しかしながら、甚大な自然災害により、当社グループの従業員、生産設備、システムやサプライチェーン等に被害が発生し、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、社内において感染症の拡大が認められた場合、一時的に業務停止等の措置を講じることにより、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
11 情報セキュリティ
当社グループでは、業務上必要となる個人情報を含む各種情報を情報システム上で管理しております。これらの情報システムやネットワークの管理においては、安定稼働やセキュリティ対策に力を入れ、適切なサーバの管理や情報のバックアップ等の必要な措置を講じております。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入等により、万一、これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
12 人材確保
当社グループでは、製造・開発・販売・技術・管理、その他専門分野に携わる優秀な人材を幅広く採用・育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っております。しかしながら、人材採用競争の激化、労働市場の状況変化等により、優秀な人材を十分に確保できなかった場合、社内人材の育成が奏功しなかった場合、あるいは社員の退職等によって十分な人材確保ができなかった場合、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
13 調達・生産等
当社グループでは、原材料や部品等が安定的、タイムリーかつ合理的な価格で供給されることを確保するため、調達先の複数化や自国/域内調達等の対応を進めております。しかしながら、調達先の倒産/廃業、大規模災害や世界的な感染症の拡大等により、短期的に対応が困難な場合があるほか、原材料や部品等の供給不足、物流網の混乱などにより納期遅延等が発生し、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、価格転嫁は進めておりますが、急激な需給環境の変化などにより、想定を超える素材やエネルギー価格の急騰、供給逼迫の長期化等から、調達価格の高騰が避けられない場合があり、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
14 環境規制・気候変動への対応
地球環境問題及び気候変動への対応は社会課題の一つであり、当社グループでも、環境規制及び関連法規等の遵守、気候変動の緩和に向け、「粉体技術の開発を通して社会に貢献する」との経営理念にもとづき取組みを開始しておりますが、低炭素社会の実現に向けた規制への適合や取組みのため、一時的に必要なコストが増加する可能性があります。また、対応が困難であった場合や、不十分な場合、さらには遅れが生じた場合は、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、消費者物価上昇率の伸び鈍化が続く中、人手不足による高めの賃金上昇が続いたことから、家計の購買力が改善し、消費を下支えしたことに加え、世界貿易量の回復により、輸出依存度の高い国の経済を下支えするなど、底堅さを維持しております。米国においては、個人消費、設備投資、政府支出や輸出が好調であったことなどから、2024年7-9月期まで9期連続でプラス成長となり、底堅く推移しましたが、一方で企業の景況感は二極化しており、非製造業が好調を維持しているのとは対照的に、製造業のISM景況指数は2024年9月まで6ヶ月連続で判断の目安となる50を下回る水準となっております。欧州においては、ユーロ圏の実質GDPは2024年7-9月期も小幅なプラス成長になったとみられ、4期連続でプラスとなったようであり、悪化こそ免れているものの、鉱工業生産や消費は悪化しており、引き続き低成長から抜け出せておらず、景気の方向感は一進一退で推移しております。特に欧州最大の経済規模を持つドイツでは、中国製電気自動車(BEV)の普及などによる自動車業界の低迷や、主要な輸出先の中国で内需が弱いことを背景に経済の弱さが全産業に及んでおります。中国においては、不動産開発投資が大幅に減少していることに加え、インフラ投資など固定資産投資が伸び悩んでいるほか、家計の根強い節約志向が消費の抑制要因となり、個人消費も力強さを欠いていることから、成長の勢いは鈍化しております。減速する中国経済の牽引役を外資企業に期待し、外資誘致に力を入れる方針を示しているものの、反スパイ法施行などビジネス環境の悪化を背景に、外資企業の対中投資は弱く、政策効果は限定的とみられております。日本においては、2024年4-6月期の消費が5期ぶりに増加に転じたほか、輸出や設備投資など多くの項目が増加となり、同期間の実質GDPは2期ぶりのプラス成長となりました。しかしながら、民間設備投資の先行指標である船舶・電力を除く民需は2024年1-3月期に増加したものの、その後、持ち直しの動きに足踏みがみられるようになってきております。
このような経済環境の中、当連結会計年度の受注高は777億1千7百万円(前期比1.5%の減少)、売上高は円安効果もあり854億3千2百万円(前期比7.4%の増加)、受注残高は447億3千1百万円(前期比15.2%の減少)となりました。利益面におきましては、増収効果及び粗利改善により、営業利益は82億7千9百万円(前期比4.0%の増加)、経常利益は92億4千1百万円(前期比10.7%の増加)と過去最高となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益はシステム開発に伴う損失や減損損失、固定資産除売却損などの特別損失により55億8千万円(前期比6.5%の減少)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
当事業は、粉砕・分級装置、混合・乾燥装置及び日本市場においての大気汚染防止装置、製品捕集用集塵装置、精密空調制御装置等の製造販売、複合ナノ粒子を中心とした新素材開発とその商品化並びに微粉体受託加工サービスを提供するホソカワミクロングループの主力分野であります。
当連結会計年度のスタート時点においては、国内外においていくつかの大型案件の受注を見込んでおりましたが、電気自動車(BEV)需要の拡大ペースが鈍化するなかで、国内外自動車メーカー各社が電動化戦略を見直したことなどから、二次電池用電極材料関連案件を中心に投資判断を先送りする動きが顕著になったことなど、全般に設備投資に対して慎重な姿勢が見られました。他方、納期については、インバータの納期が短縮されるなど、徐々に改善してきております。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は医薬関連向けや受託加工事業など前連結会計年度を上回った分野もありましたが、574億6千1百万円(前期比12.5%の減少)、受注残高は345億4千1百万円(前期比18.2%の減少)となり、円安効果による、邦貨への為替換算上の上積みもあり、売上高は650億4百万円(前期比5.4%の増加)となりました。セグメント利益は74億6千3百万円(前期比7.8%の減少)となりました。
当事業は、単層から多層の各種プラスチック高機能フィルム製造装置の開発・製造・販売を行っております。
市況の回復が懸念されたプラスチック薄膜関連市場でありますが、主力市場である欧州市場は引き続き不透明な状況が続いているものの、もうひとつの主力市場である米国向けは、ごみ袋用を中心とした3層ラインやバリアフィルム/ラミネーションフィルム用などの5層ラインといったいくつかの大型案件の成約により、市況全体としては動きが鈍い中ながら急回復いたしました。納期も徐々に改善傾向にあることから、受注残高からの出荷も進みました。また、増収に加え、市場低迷に備えて実施した組織改革も功を奏し、収益性の改善もみられるようになってきました。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は202億5千5百万円(前期比53.2%の増加)、受注残高は101億9千万円(前期比3.0%の減少)となりました。売上高は204億2千8百万円(前期比14.5%の増加)となりました。増収及び値上げ効果の浸透によりセグメント利益は24億7千9百万円(前期比73.7%の増加)となりました。
② 財政状態
当連結会計年度の資産は、前連結会計年度に比べ、10億4千2百万円増加し、980億7千1百万円となりました。これは、主に有形固定資産が13億6千8百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べ、16億7千7百万円減少し、364億4千7百万円となりました。これは、主に電子記録債務が9億3千万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ、27億2千万円増加し、616億2千3百万円となりました。これは、主に利益剰余金が40億7千3百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、13億6百万円増加し、269億9千5百万円となりました。各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、73億5百万円の資金の増加(前連結会計年度比13億5千8百万円の増加)となりました。主に税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億1千1百万円の資金の減少(前連結会計年度比5億円の増加)となりました。主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、27億5千3百万円の資金の減少(前連結会計年度比19億5千9百万円の増加)となりました。主に配当金の支払額によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態につきましては「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度は、2021年10月よりスタートした第17次中期3カ年経営計画「Challenge To Be Global Standard ~ホソカワミクロングループの最先端技術を業界世界標準へ~」の最終年度でした。初年度である2022年9月期連結会計年度は、売上面において当初設定した目標を上回る好調なスタートとなりました。2年度目の前連結会計年度は、粉体関連事業を中心に堅調に推移した結果、売上高、利益ともに過去最高を更新することができました。最終年度となった当連結会計年度は、納期の改善により物価高騰を反映させた案件へ置き換わってきたことから、売上総利益率が改善したことに加え、換算上の対ドル、ユーロでの円安の恩恵もあって、売上高から経常利益まで、2連結会計期間連続で過去最高を更新し、絶対額では当初設定した第17次中期3ヵ年経営計画の最終年度目標数値を達成いたしましたが、海外を中心に効率が低下した結果、ROE及び売上高営業利益率は目標とする10%に届かなかったという課題も残りました。
当社グループでは一品一葉の受注生産体制を取っており、受注から設計、資材発注、製造、出荷・売上計上に至るまでのリードタイムは案件の規模により半年から1年超となります。受注後、詳細設計を行い、設計完了次第、資材発注という流れになっており、受注日から資材発注まで一定のタイムラグを伴います。このため、コロナ禍やウクライナ侵攻により、物価が急騰し、購入資材の納期が急速に伸びた2022年9月期連結会計年度においては、当該高騰分を客先への販売価格に転嫁できず、受注時に想定した利益を確保できない案件も発生しておりました。2023年9月期連結会計年度に入ると、購入部材の価格上昇及び納期も落ち着きを見せてきたことから、仕入価格急騰を反映した値上げ後の案件も徐々に売上計上されるようになり、売上総利益率も若干改善しました。当2024年9月期連結会計年度になり、インバータなどを中心に購入部材の納期も短縮されてきたことから、当社機器・システムの客先への納期も少しずつ改善した結果、受注残高からの出荷も進みました。また、値上げ後の案件へと売上内容も置き換ってきたことから、売上総利益率も改善いたしました。世界的な賃上げ圧力や将来を見越して戦略的に人員を補強してきたことなどにより、人件費を中心に販売費及び一般管理費の増加はありましたが、営業利益は前連結会計年度と比べ4.0%増の82億7千9百万円となり、過去最高益を更新いたしました。営業利益のセグメント毎の分析については「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。経常利益は、欧米を中心に金利のある世界へと変わってきた結果、受取利息が増えたことなどから、前連結会計年度と比べ10.7%増の92億4千1百万円となり、営業利益と同様、2期連続で過去最高を更新いたしました。しかしながら、日本本社において次期基幹システム開発計画の一部見直しをおこなったこと、欧州連結子会社においては資本効率改善のため、所有する一部土地・建物の売却を決定したことなどに伴い、減損損失を特別損失として計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比6.5%減の55億8千万円となりました。なお、今後の先行指標となる受注面におきましては、BEVの普及が当初見込みより後退するなど、先行きの経済の不透明感が払拭されないことから、特に粉体関連事業において、納期の制約により早めに投資判断をしていた客先も、投資判断を先送りする傾向がみられるようになってきました。この結果、受注高は前連結会計年度比1.5%減の777億1千7百万円となった一方で、売上計上が進んだことから、次期繰越受注残高は前連結会計年度末から15.2%減少し、447億3千1百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては 「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、継続的な新製品開発に向けた研究開発費用、さらには株主各位への配当金支払や株主還元の一環としての自己株式の取得等であります。また、長期性の資金需要は、粉体関連機器及びプラスチック薄膜製造装置の製造に係る工作機械等の製造設備や顧客テストに供するテストセンター機器、DX推進などのデジタル化投資、老朽化施設の更新、受託加工事業の増強のための設備投資等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。新型コロナウイルス感染症の拡大やウクライナ情勢の長期化などを要因として、全般的に顧客への納期が2.0倍前後になってきたことなどから通常より厚めの流動性を確保するようにしておりましたが、納期も改善してきたことから、現預金等の流動性資金は、月次連結売上高の2.0ヶ月以上を維持することを基本に戻しつつあります。
資金の調達方針としては、短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入による調達を基本とし、設備投資や長期性資金につきましては、金融機関からの長期借入等による調達を基本としております。
当連結会計年度末における借入金の有利子負債の残高は16億1千万円、現金及び預金の残高は274億2千万円となっております。
なお、当連結会計年度末における当社グループの流動比率は217.8%と流動性は十分な水準にあります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
既述のような結果及び課題認識の上に立ち、2024年10月1日にスタートした第18次中期3ヵ年経営計画では、10年後のあるべき姿を見据えながら、「Unique & Dominant ~ホソカワの独自技術で市場の存在感を高める~」の第1フェースとして、他社にはないユニークな新しい高付加価値製品・サービスの開発・提供とエンジニアリングによる案件大型化により、質と量の拡大を目指してまいります。具体的には第18次中期3ヵ年経営計画の最終年度となる2027年9月期連結会計年度において、売上高1,000億円、営業利益率10%、ROE10%を目標といたしました。また、10年後のあるべき姿として、M&Aを含めた成長領域の伸長等により、売上高1,500億円、営業利益率12%、ROE12~13%の達成を掲げ、業績及び資本効率の向上に引き続き取り組んでまいります。
(注) 1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。
2 (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) 1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を受取っております。
2 (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。
(5)連結子会社の吸収合併
当社は、2024年7月25日開催の取締役会において、当社を吸収合併存続会社、当社の完全子会社であるホソカワミクロン化粧品株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併をすることを決議し、同日付で合併契約を締結し、2024年10月1日付で吸収合併いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループは、高度化する多種多様のニーズに的確かつ迅速に応えていくため、また、地球上の各地域特有の独自性に対応するために、研究開発拠点を持つ日本並びに欧米の連結子会社が長年積み上げてきた固有技術のノウハウ交換によるシナジー効果を発揮しながら、グローバルかつ斬新な新製品・新技術の創成、生産システムの最適化、主力機種の改良など、幅広い研究開発活動を行っております。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
当事業に係わる研究開発費は
多くの産業の生産プロセスにおいて、固体の集合体である粉体の状態で粉砕・乾燥・混合などの処理工程が存在しており、その粒子の大きさや形状などにより化学的、光学的、機械的などの物理特性が変わるため、それらをコントロールする粉体処理技術が非常に重要になっております。新素材を創生し、製品の高機能化を生み出し、付加価値向上に寄与できる粉体処理装置・測定機器並びに省エネルギー・省力化を実現できる最先端のシステムを目指して、さらにはSDGsを考慮して研究開発を続けております。
当連結会計年度では、次世代を担う超微粒子粉砕機、高性能分級機、省エネルギー乾燥機などの粉体処理プロセスや粒子形状測定機器を継続的に開発するとともに、予測されている人手不足の深刻化や海外企業との競争に備えるためのIIoTの実用化を図っており、既に具体的なサービスとして、設備から得られる情報を一元管理し、リアルタイムに運転状況を把握できるGEN4RM(Remote Monitoring)を販売しております。このGEN4RMからのデータを解析することにより設備の故障を予知できる技術の確立や、現実世界から収集した情報を使い仮想空間上に設備を再現し、将来起こる変化にいち早く対応できるデジタルツイン技術も視野に入れて開発を進めております。
マテリアル部門では、国家プロジェクトで開発した独自の機能性ナノ粒子を活用し、医薬製剤技術および薬物送達技術(DDS)を駆使して、自社ブランドの機能性化粧品や育毛剤(医薬部外品)の開発・改良を続けています。当連結会計年度には、臨床試験を含む産学共同研究の成果を基に、新たにオーラルケア技術「ナノラルⓇ」を完成させました。第1号製品である薬用歯磨き剤「ナノラル薬用ホワイト&プロテクト」は、抗菌成分を封入したナノ粒子が歯周ポケットに浸透し抗菌成分を徐放することで、歯周病改善に優れた効果を発揮します。4月よりB2Cモデルで販売を開始し、特にシニア層から好評を得ています。今後も、健康と美をサポートする製品開発に注力してまいります。
また、同部門ではODM開発にも力を入れており、エイジングケア(スキンケア、スカルプケア、ヘアケア)を目的とした製品が、再生医療クリニックや美容クリニック、エステサロンでの採用により拡大しています。前連結会計年度に完成した「ナノ粒子×バイオ再生医療」技術を応用した製品(美容液、育毛剤)は、ヒト幹細胞培養上清液をナノ粒子に封入し、高い効果が認められています。
さらに、当連結会計年度も、医科系大学との医療デバイス共同開発や、日本医療研究開発機構(AMED)の産官学連携プロジェクトに引き続き参画し、機能性ナノ粒子技術の医薬品応用に向けた研究を推進しています。
当事業に係わる研究開発費は
当社グループのプラスチック薄膜製造装置は、溶解された種類の異なるプラスチックをノズルからの噴出・冷却・延伸により、最大11層までのフィルムを連続的に製造することができ、ネット通販用包装材のような単層フィルムから、酸素・水蒸気などのガス浸透防止や内容物の匂いや香りを保護する多層フィルムまで幅広い用途に使用されております。
耐候性、剛性、収縮率、透明度などの機械特性・光学特性をさらに強化できる機器開発はもちろんのこと、プラスチックフィルム再利用技術や生分解性フィルムの生産技術などのノウハウを導入することで、地球環境にやさしい次世代フィルムの創出にも取り組んでおり、プラスチック薄膜製造装置のリーディングカンパニーとして、世界最高水準の技術を追求し続けております。