1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   日本電気株式会社

所在地  東京都港区芝五丁目7番1号

 

2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式

 

3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1)意見の内容

 当社は、2024年10月29日開催の当社取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。

 なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。

 

(2)意見の根拠及び理由

 本「(2)意見の根拠及び理由」に記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

① 本公開買付けの概要

 公開買付者は、本書提出日現在、当社普通株式57,320,295株(所有割合(注1):38.47%)を所有するとともに、公開買付者退職給付信託に拠出している当社普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)と合わせて、当社普通株式76,520,295株(所有割合:51.36%)を実質的に所有しており、当社を連結子会社としているとのことです。公開買付者は、2024年10月29日開催の取締役会において、当社普通株式の全て(但し、譲渡制限付株式報酬として当社の各取締役に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)を含み、公開買付者が実質的に所有する当社普通株式及び当社が所有する自己株式を除きます。以下同じです。)を取得し、当社普通株式を非公開化することを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。

 公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を22,756,305株(所有割合:15.27%)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(22,756,305株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社普通株式の全てを取得することにより、当社普通株式を非公開化することを目的としているため、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(22,756,305株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(22,756,305株)については、本基準株式数(148,981,450株)に係る議決権の数である1,489,814個に3分の2を乗じ、1未満に係る数を切り上げた数(993,210個)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(99,321,000株)から、公開買付者が実質的に所有する当社普通株式の数(76,520,295株)及び本譲渡制限付株式の数(44,400株)(注2)を控除した株式数(22,756,305株)としているとのことです。これは、本取引において、当社普通株式を非公開化することを目的としており、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を実質的に所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したとのことです。

(注1) 「所有割合」とは、当社が2024年10月29日に公表した「2025年3月期 第2四半期報決算短信[日本基準](連結)」に記載された2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数(149,321,421株)から、2024年9月30日現在の当社が所有する自己株式数(339,971株)を控除した株式数(148,981,450株、以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下同じです。

(注2) 本譲渡制限付株式に関しては、譲渡制限が付されていることから本公開買付けに応募することができませんが、当社は、2024年10月29日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議していることから、本譲渡制限付株式を有する当社取締役は、本公開買付けが成立した場合には、本スクイーズアウト手続(下記に定義します。)に賛同する見込みであると考えておりますので、買付予定数の下限を考慮するにあたって、これらの本譲渡制限付株式の数を控除しているとのことです。

 

 また、上記のとおり、公開買付者は、当社普通株式を非公開化することを目的としているため、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより当社普通株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当社普通株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。なお、公開買付者が公開買付者退職給付信託に拠出している当社普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)については、公開買付者は、公開買付者退職給付信託の受託者との間で、信託管理人の指図がなければ処分等(本公開買付けへの応募を含みます。)しない旨を含む退職給付信託契約を締結しており、信託管理人との間で、本公開買付けに応募するよう指図しないことを口頭で確認しております。本公開買付けが成立した場合には、速やかに、その全てについて無償交付を受ける予定であり、本スクイーズアウト手続の実施時点では公開買付者が当該当社普通株式の所有者となることが予定されているとのことです。

 

 なお、公開買付者は、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、株式会社三井住友銀行からの借入れにより賄うことができるよう、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに236,000,000千円を限度として借入れを実行することを予定しているとのことです(但し、公開買付者は、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までの資金繰りの状況等を踏まえて、上記限度額の一部について借入れを実行せず、代わりに自己資金を充当する可能性があるとのことです。)

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

(ⅰ)本公開買付けの背景

 公開買付者は、1949年5月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)へ上場し、1961年10月には東京証券取引所市場第一部銘柄に指定されたとのことです。なお、現在は、2022年4月における東京証券取引所の市場区分の再編により、東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。

 NECグループ(公開買付者並びにその連結子会社及び持分法適用関連会社を総称していいます。以下同じです。なお、2024年9月30日現在、NECグループは、公開買付者、連結子会社252社及び持分法適用関連会社54社で構成されているとのことです。)は、「ITサービス」及び「社会インフラ」の2つの中心事業に加え、将来の成長の主軸となるヘルスケア・ライフサイエンス事業を含む「その他」の3つの事業区分を展開し、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指しているとのことです。

 公開買付者は、上記を自らの存在意義(Purpose)としたNEC Wayのもと、2021年5月に、2026年3月期を最終事業年度とする「2025中期経営計画」(以下「2025中計」といいます。)を策定したとのことです。また、2025中計実現のための最適な組織体制とすることを目的に、2023年4月から事業セグメントを「ITサービス」と「社会インフラ」に変更したとのことです。「ITサービス」では、国内においては、近年特に需要が増している企業・行政によるDX(注3)化をサポートするため、国内でも有数のコンサルタントリソースを有するグループ会社のアビームコンサルティング株式会社と連携しながら、戦略構想策定から実装・運用までをEnd to End(注4)で支援するビジネスを拡大しているとのことです。海外においては、デジタル・ガバメント事業(注5)及びデジタル・ファイナンス事業(注6)を進めており、主に政府・自治体や金融機関向けのSaaSビジネスモデル(注7)を展開しているとのことです。「社会インフラ」は、通信領域の仮想化・オープン化、ソフトウェア・サービスや通信事業者のDXを推進するテレコムサービス事業と、主に政府機関向けに航空宇宙及び国家安全保障領域に関わるICT(注8)ソリューションを提供するエアロスペース・ナショナルセキュリティ事業によって構成されており、国家の安全保障や国民の安全・安心に関するソリューションの需要の高まりに応えるべく、光通信技術や無線通信技術、暗号・セキュリティ技術等の開発に注力しているとのことです。

(注3) DX(Digital Transformation)とは、データやデジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルの創出や既存ビジネスの変革を行うことを指すとのことです。

(注4) End to Endとは、コンサルティング、開発、運用、移行といった顧客におけるビジネスプロセスの全てをワンストップで統合的に対応することを指すとのことです。

(注5) デジタル・ガバメント事業とは、政府・自治体向けに行政サービスのデジタル化を支援するソフトウェアを提供する事業を指すとのことです。

(注6) デジタル・ファイナンス事業とは、金融機関向けに金融サービスのデジタル化を支援するソフトウェアを提供する事業を指すとのことです。

(注7) SaaSビジネスモデルとは、ソフトウェアの機能をネットワーク経由でサービスとして提供するビジネスモデルを指すとのことです。

(注8) ICT(Information and Communication Technology)とは、情報通信技術を指すとのことです。

 

 一方、当社は、1953年11月に電気通信設備の工事設計、施工、保守を目的として、公開買付者の営業部工事所より分離独立する形で日本電気工事株式会社として設立されました。その後、1980年12月に日本電気システム建設株式会社に、2005年10月に現社名であるNECネッツエスアイ株式会社に商号変更しました。また、1983年12月に東京証券取引所市場第二部へ上場し、1992年9月には東京証券取引所市場第一部銘柄に指定されました。なお、現在は、2022年4月における東京証券取引所の市場区分の再編により、東京証券取引所プライム市場に上場しております。

 当社グループ(当社並びにその連結子会社及び持分法適用関連会社を総称していいます。以下同じです。なお、2024年9月30日現在、当社グループは、当社、連結子会社17社及び持分法適用関連会社3社で構成されています。)は、顧客視点で新たなコミュニケーションを創出するシステムインテグレーターとして、企業、通信事業者、官庁・自治体、社会インフラ事業者といった幅広い顧客に対し、主にコミュニケーション分野を中心としたICTシステムにつき、企画・コンサルティングから、設計、構築、運用・監視、アウトソーシングやクラウドに至るシステム、サービスを提供するとともに、ネットワーク/コミュニケーション機器等の製造・販売を展開しております。

 昨今の当社グループを取り巻く環境については、あらゆる業界においてデジタル技術やサービスが浸透し、事業活動や提供サービスの高度化、高付加価値化への投資が拡大するとともに、人手不足を背景とした業務効率化など戦略的なデジタル・IT利活用のためのプロアクティブな投資が進展するなど、堅調に推移しています。具体的には、企業においては、DX等の先端技術を活用したオフィス、在宅といった場所にとらわれない新しい働き方や、製造業などにおけるスマートファクトリー化、それに伴うセキュリティの見直し等のニーズが高まっています。通信事業者においては、デジタルサービス利活用の拡大等に伴う通信トラフィックの加速度的な増加に伴う通信品質向上のための持続的な投資に加え、更なる通信サービス高度化、効率化のための基盤整備も拡大しつつあります。また、官庁・自治体をはじめとした社会公共分野においては、激甚化する災害への対応や労働人口減少、高齢化等に対応するため、デジタル技術等のITと融合した社会インフラ基盤の高度化に対する整備が活発化しております。

 かかる状況を踏まえ、当社グループは2030年に向けた目指す社会像として、持続可能で、豊かに響きあう社会「Sustainable Symphonic Society」の実現を掲げ、この実現のため、2022年5月に、2025年3月期を最終事業年度とする中期経営計画「Shift up 2024」を策定しました。当社グループは中期経営計画の3か年において、DX×次世代ネットワークを軸に、自社実践によるノウハウや顧客の現場を熟知している強みを生かした顧客目線のコンサルテーションと顧客伴走によるスパイラル型成長を行う新しい事業モデルへのシフトに注力しています。これらSustainable Symphonic Societyの実現に向け社会への提供価値を高める戦略、施策を実行するため、各種投資や人材育成を含めた経営基盤の強化にも取り組んでおります。

 公開買付者と当社の資本関係は、1953年11月に公開買付者が100%出資により当社(当時の商号:日本電気工事株式会社)を設立したことにより始まり、当社普通株式が1983年12月に東京証券取引所市場第二部へ上場するまでの期間においては、当社による増資の引受け等により公開買付者が所有する当社普通株式数の増加はあったものの、100%出資の状態が継続しておりました。1983年12月に行われた当社普通株式の上場に際しては、公開買付者が、その所有株式の一部を売出したため当社普通株式の上場日時点において所有する当社普通株式数は9,000,000株(当時の所有割合(注9):69.23%)に減少しましたが、依然として、当社は公開買付者の連結子会社でありました。その後も公開買付者による市場売却、当社による株式無償割当て、公開買付者による当社の転換社債の取得及び株式転換等により公開買付者が所有する当社普通株式数は増減を繰り返し、さらに、2001年2月には、公開買付者が、当時所有していた当社普通株式21,341,465株(当時の所有割合:49.60%)のうち6,400,000株(当時の所有割合:14.88%)を公開買付者退職給付信託に対して拠出したことから、その所有する当社普通株式数は14,941,465株(当時の所有割合:34.73%)となりましたが、公開買付者退職給付信託に対して拠出した当社普通株式に係る議決権行使の指図権を留保していたこともあり、公開買付者は、これらの期間を通じて、一貫して、当社を連結子会社としておりました。さらに、その後、市場外での売却や当社普通株式を対価とした組織再編を通じた追加取得等を経て、2006年4月1日時点での公開買付者の所有する当社普通株式数は19,106,765株(当時の所有割合:38.39%)となりました。その後は、公開買付者による当社普通株式の売却等はありませんでしたが、当社が2020年6月に行った当社普通株式1株を3株とする株式分割により、公開買付者による当社普通株式の所有株式数は57,320,295株(所有割合:38.47%)となっており、また、公開買付者退職給付信託に拠出されている当社普通株式は19,200,000株(所有割合:12.89%)となっております。

(注9) 「当時の所有割合」とは、当社の当時の発行済株式総数に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。

 

 公開買付者は、1953年11月の当社の設立以降、当社グループへの製品供給やシステムの構築並びに保守サービスの委託等、現在の事業基盤を確立する過程において、当社との事業連携を強化・維持してきたとのことです。2006年4月には、公開買付者の完全子会社であり、キャリアネットワーク及びパブリックネットワークの保守、運用監視サービス及び現地調整などを主要事業としていたNECテレネットワークス株式会社の全株式を同社と当社の間の株式交換の実施により当社に譲渡しました。これにより、当社をNECグループにおけるネットワークソリューション領域(注10)における中核会社と位置づけ、大企業のみならず、中堅企業・地域市場への対応力を強化するとともに、プロジェクトマネジメント力の強化や、先進的なソリューション提供に向けた技術力の向上を推進してきたとのことです。また、今後、DX投資が大企業や中央官庁に限らず、中小企業や地方自治体においても拡大していくことが期待される中で、当社は、NECグループにおいて、働き方DXサービスや次世代ネットワークセキュリティ等、市場のニーズに即したサービス展開及び全社のDXネイティブ化に注力しており、オープン化・デジタル化が本格化する全国の地域・地方自治体向け事業やデジタル社会基盤領域での競争力強化が期待されているとのことです。

(注10) ネットワークソリューション領域とは、無線・有線ネットワークシステムを構築・運用する通信ソリューションを顧客に提供する事業領域を指すとのことです。

 上記のような公開買付者と当社間の歴史的背景の中で、両社間の取引関係も拡大しているとのことです。公開買付者は、当社グループが顧客に提供するネットワークシステムに関する情報通信機器をメインサプライヤーとして供給しており、当社は、公開買付者が顧客に提供するネットワーク関連システムの構築並びに保守サービスを請け負う関係にあるなど、安定的な取引関係を構築しているとのことです。

 このように、当社は、公開買付者にとって過去から一貫して戦略的パートナーであり、最も重要な子会社の1つとなっているとのことです。

 

(ⅱ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った経緯・目的

 上記のとおり、公開買付者は、当社をネットワークソリューション領域における中核会社であり、施工力を有するSIer(注11)という独自のポジションから国内の地域・地方自治体で需要が加速するDX化を推進するパートナーと位置づけ、当社普通株式の上場を維持することにより、当社の業界における知名度向上や優秀な人材確保等、上場会社としてのメリットの継続的な享受を図る一方で、公開買付者からの人的支援や企業ネットワークの活用、NECグループが保有する経営ノウハウやネットワークの提供を通じて、当社を除くNECグループ各社と当社との連携を強化することで、競争が激化するネットワークソリューション業界並びにIT業界における当社の持続的成長の実現を図ってきたとのことです。

(注11) SIerとは、顧客の課題解決にむけたITシステムの設計・開発・運用・保守を請け負う企業(システムインテグレーター)を指すとのことです。

 しかしながら、足元の国内ネットワークソリューション市場並びにITサービス市場は、継続的な成長が見込まれる中で、市場環境が急速に変化していると認識しているとのことです。例えば、異業種からの新規参入や業界を超えた再編の活発化といったビジネス環境の変化、AI(注12)、IoT(注13)、5Gネットワークをはじめとしたテクノロジーの進化等を背景に、社会・企業のデジタル化によるネットワーク需要並びにIT需要が加速していると認識しているとのことです。また、企業の成長を支えるインフラである次世代ネットワークについては、ローカル5Gの市場の本格化も遅れていると認識しているものの、足元では様々な活用方法が具体化しつつあり、企業のIT投資についても、大企業のみならず中小企業においても、従来型のITサービスから、既存システムのクラウド化及びオペレーションのデジタル化支援へのシフトが進行していると考えており、将来的にはビジネス拡大に向けデジタル技術を活用したクラウドベースのサービス導入の増加が見込まれるものと考えているとのことです。また、社会基盤領域においても、デジタル田園都市国家構想の加速や地方自治体におけるDX化の推進により、IT及びネットワークの統合環境構築・運用の技術高度化の需要が拡大しており、社会全体でのデジタル化が必須となっていくものと考えているとのことです。

(注12) AIとは、Artificial Intelligence(人工知能)の略で、コンピュータが蓄積されたデータを学習・分析し、推論や判断、課題解決などを行う技術を指すとのことです。

(注13) IoTとは、「モノのインターネット」という意味で、様々なモノがインターネットに接続されることで相互に情報交換できる仕組みを指すとのことです。

 このような中、公開買付者としては、これまでの独立した上場企業としての当社のオーガニックな成長を前提とした経営課題の特定・解決や成長戦略の遂行にとどまらず、当社が、急速に変化する市場環境やテクノロジーの進化による競争環境、IT/DXケイパビリティ(注14)の拡充に向けた国内におけるIT人材の獲得競争を勝ち抜き、これまでの競争優位性を維持しつつ持続的に成長していくためには、既存のオーガニックな成長戦略を超え、BluStellar(注15)をはじめとするNECグループにおける経営資源(各種人材・財務基盤・情報・ノウハウ等)の迅速かつ柔軟な相互活用が重要となってきていると認識しているとのことです。

(注14) IT/DXケイパビリティとは、IT・デジタル技術を活用し、業務の効率化からビジネスモデルやサービス全体の変革を推進し新しい価値を創出する能力を指すとのことです。

(注15) BluStellarとは、公開買付者が2024年5月30日に発表した、同社の誇る先進テクノロジーと積み上げてきた知見をもとに、顧客の変革を成功に導く価値創造モデルを指すとのことです。

 

 しかしながら、公開買付者と当社がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、当社を含むNECグループの経営資源を相互に活用する際には、経営資源を供する会社と利益を創出する会社が必ずしも一致するわけではないため、当社が上場会社として一般株主(東京証券取引所有価証券上場規程第441条の2にいう「少数株主」と同じ意味を有する。以下同じ。)を抱えている状態では、公開買付者として当社に対して企業価値向上に資する経営資源の提供を行った場合でも、利益の一部が当社の一般株主へ流出してしまい、公開買付者としてかかる経営資源の提供に経済合理性を認めづらいといった状況が生じる可能性もあることから、現状の資本関係では機動的かつ積極的な施策を実行し、当社を含むNECグループの企業価値の最大化を図るうえで、一定の限界があると考えたとのことです。また、公開買付者と当社との取引関係においても、当社が公開買付者の上場子会社である限り、当社の一般株主の利益が害されないよう配慮する必要があるところ、現時点で具体的な不都合が生じているわけではないものの、今後の競争環境や市場環境の変化によっては、公開買付者及び当社の置かれた状況が複雑化し、かかる当社の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある等、公開買付者と当社の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は両社の取引関係の観点からも一定の制約になり得ると考えたとのことです。

 このような問題意識を背景として、公開買付者は、2024年5月下旬までに、当社の競争優位性の維持と持続的な成長のためには、NECグループの経営資源の包括的かつ積極的な活用が必須との考えのもと、当社普通株式の非公開化によって、公開買付者と当社の公開買付者以外の株主との間の構造的な利益相反の解消を図り、当社を含むNECグループの経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが必要であるとの結論に至り、本取引に関する初期的な検討を開始したとのことです。

 さらに、公開買付者は、上記のような本取引に関する検討の過程において、本取引を通じたシナジー効果の最大化の観点から、本取引を通じて当社普通株式を非公開化した後におけるNECグループ内での当社の事業の位置づけについてもあわせて検討しており、同じく2024年5月下旬までに、公開買付者が営む消防防災事業(注16)を当社へ、公開買付者が営むSME事業(注17)を公開買付者の完全子会社でありNECグループにおいてSME向けITサービス事業を担うNECネクサソリューションズ株式会社(以下「NECネクサソリューションズ」といいます。)へ、それぞれ承継し(以下「本事業承継」と総称します。)、さらに公開買付者が、今後、その完全子会社として設立予定の中間持株会社(以下「本中間持株会社」といいます。)に対して、公開買付者が所有するNECネクサソリューションズの全株式及び本取引の完了後において所有することとなる当社の全株式を移管すること(本事業承継とあわせて、以下「本グループ内再編」と総称します。)で、NECグループにおける国内地域におけるDX領域及び社会公共インフラ領域における事業基盤の強化や経営資源の相互活用による競争力の強化及び経営の効率化等を図ることが合理的であると考えるに至ったとのことです。公開買付者は、本グループ内再編を実施することで、本中間持株会社のもとでNECグループにおける国内地域におけるDX領域及び社会公共インフラ領域における事業基盤の強化を実現していく方針とのことです。

(注16) 消防防災事業とは、自治体や国、都道府県における消防、防災業務の効率化・高度化を支援するシステムを提供する事業を指すとのことです。

(注17) SME事業とは、中堅中小企業向け事業及び中小自治体における職員向け業務支援、住民向けサービスを提供する事業を指すとのことです。

 公開買付者は、本取引を通じて当社普通株式を非公開化した後、本グループ内再編を実施することで、より強固な資本関係及びグループ組織構造のもとで、以下のような取組みやシナジー効果の追求を目指したいと考えているとのことです。

 

1)国内地域におけるDX領域及び社会公共インフラ領域における事業基盤の強化

 当社は、全国の地方自治体を含む幅広い顧客層に対し、マルチベンダーSI力(注18)、ネットワーク技術力、工事施工力、全国対応力等をもって国内地域における社会公共インフラの構築に注力してきており、公開買付者は、こうした当社の事業基盤とNECグループにおいてSME向けITサービス事業を担うNECネクサソリューションズの事業基盤を統合することで、SMEを含む全国の地域・地方自治体向けDX事業及び社会公共インフラ事業における競争力を強化できるものと考えているとのことです。

 具体的には、本取引及び本グループ内再編を通じて、NECグループ内の関連する一部組織や機能の再編・整理を行い、ICT領域等のデジタル機能とネットワークインテグレーション(注19)や工事施工等のフィジカル機能をフルスタック・フルラインナップで顧客に提供できる事業体制を構築することで、当社は国内地域における社会課題をデジタル基盤で解決できる差別化されたDXパートナーとしてのポジションを強化できると考えているとのことです。

(注18) マルチベンダーSI力とは、複数の製品ベンダーの製品を組み合わせて最適なITシステム及びネットワークシステムを構築する能力を指すとのことです。

(注19) ネットワークインテグレーションとは、顧客の通信ネットワークシステムの設計、構築、運用、保守などを請け負うことを指すとのことです。

 

2)経営資源の相互活用による競争力の強化、経営の効率化

 本取引及び本グループ内再編の実行を通じて、公開買付者と当社の一般株主との間の潜在的な利益相反のおそれを解消することで、今まで以上に当社に対してNECグループのコンサルティングやセキュリティ、ネットワーク、AI、DX等の技術、製品、知財、人材といった経営資源を積極的に提供できる体制を構築することができるようになるため、当社の事業の更なる価値創出が実現可能であると考えているとのことです。

 具体的には、NECグループは49,000人を超えるシステムエンジニア・技術者を抱えており、高いシステム実装力や技術デザイン力、業種・業務ノウハウを有しており、当社に対するこれらの経営資源の今まで以上の活用が可能になることにより、当社のDXソリューション事業及びネットワークソリューション事業の拡大と高度化が可能になると考えているとのことです。

 また、NECグループにおけるITシステム投資や管理業務等を共通化することによって、経営効率の向上及びコスト構造の最適化を実現できると考えているとのことです。

 

3)非公開化による迅速な意思決定体制の構築及び中長期的な投資/事業改革の実行

 本取引及び本グループ内再編の実行を通じて、NECグループが一体として迅速に意思決定できる体制を構築すると共に、短期的な利益に因われない中長期的な投資や事業改革を断行することで、これまで以上に付加価値の高い成長領域への進出、競争力の向上及び顧客基盤の拡大が可能になり、企業価値の最大化に資するものと考えているとのことです。

 

 上記のとおり、2024年5月下旬に本取引に関する初期的な検討を開始した後、2024年7月下旬、公開買付者は、NECグループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」といいます。)を、公開買付代理人としてSMBC日興証券株式会社を、リーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任することで、本取引及び本グループ内再編に関する具体的な検討を実施し、当社と協議・交渉を行う体制を構築したとのことです。そして、2024年7月25日には、公開買付者から当社に対し、本取引及び本グループ内再編に関して具体的な検討を開始する旨の初期的な意向が伝えられました。これに対して、当社からは、公開買付者の意向については承ったので、正式な提案を待つとの回答が得られたことから、公開買付者は、想定されるシナジーに関する検討を更に進め、2024年8月6日、当社に対し、公開買付者が本取引を申し入れた背景や本取引実施後の成長戦略等を記載した意向表明書を提出したとのことです。

 これを受けて、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、2024年8月上旬に、NECグループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ法律事務所」といいます。)を選任するとともに、第三者算定機関である大和証券に対し、当社普通株式の株式価値算定書の提出を依頼しました。

 また、当社は、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討及び判断を行うための体制を構築するため、2024年8月8日に、特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置いたしました。なお、本特別委員会設置の詳細については、「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。

 その後、公開買付者は、当社及び本特別委員会より、2024年8月13日並びに2024年9月3日及び5日付で本取引の意義・目的に関して書面による質問を受領したため、それぞれの質問について、2024年8月20日及び22日並びに2024年9月11日に回答したとのことです。また、2024年9月12日開催の本特別委員会において、本特別委員会に対して本取引の意義・目的について説明した上で質疑応答を行い、さらに、本特別委員会から2024年9月26日付で受領した追加質問について2024年10月10日に回答する等、当社及び本特別委員会との間で本取引の意義・目的に関する協議を継続したとのことです。また、公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のために2024年8月下旬から2024年10月中旬までの期間において、当社グループに対してデュー・ディリジェンスを実施しつつ、並行して本グループ内再編の実現可能性の精査、本取引及び本グループ内再編の意義・目的や見込まれるシナジー等についての社内検討を行ったとのことです。

 かかる検討の結果、公開買付者は、本取引及び本グループ内再編を通じて上記のシナジーが実現可能であるとの考えに至ったことから、2024年10月2日、当社に対して、当社の本源的な価値に基づく価格として、本公開買付価格を2,815円(提案実施日の前営業日である同月1日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,787円に対するプレミアム率は1.00%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,688円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対するプレミアム率は4.72%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,594円に対するプレミアム率は8.52%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,495円に対するプレミアム率は12.83%です。)とする旨の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、当社及び本特別委員会からは、2024年10月7日、当該本公開買付価格は、当社の本源的な価値を著しく下回るものであると評価しており、足元の株価水準及び本件に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較しても不十分な価格であるとして、価格の引き上げを検討するよう要請を受けたとのことです。これに対して、公開買付者としては、過去事例におけるプレミアム率は対象企業の株価形成の背景を含む様々な個別事情の影響を受け得るため、そのような過去事例におけるプレミアム率との単純比較により本公開買付価格が十分か否かを検討することは必ずしも適切ではなく、本公開買付価格は当社の本源的価値に基づき決定されるべきとの考えのもと、2024年10月9日、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,000円(提案実施日の前営業日である同月8日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,751円に対するプレミアム率は9.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,708円に対するプレミアム率は10.78%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,616円に対するプレミアム率は14.68%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,506円に対するプレミアム率は19.71%です。)とする旨の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、当社及び本特別委員会からは、2024年10月10日、当該本公開買付価格についても、当社の本源的な価値を大きく下回るものであり、当社の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請を受けたとのことです。そこで、公開買付者は、2024年10月15日、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,100円(提案実施日の前営業日である同月11日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,738円に対するプレミアム率は13.22%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,725円に対するプレミアム率は13.76%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,631円に対するプレミアム率は17.83%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,511円に対するプレミアム率は23.46%です。)とする旨の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、当社及び本特別委員会からは、2024年10月16日、当該本公開買付価格についても、当社の本源的な価値を反映しているものではなく、当社の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請を受けたとのことです。そこで、公開買付者は、2024年10月22日、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,180円(提案実施日の前営業日である同月21日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,683円に対するプレミアム率は18.52%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,736円に対するプレミアム率は16.23%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,648円に対するプレミアム率は20.09%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,515円に対するプレミアム率は26.44%です。)とする旨の価格提案書を提出したとのことです。これに対して、当社及び本特別委員会からは、2024年10月22日、当該本公開買付価格についても、未だ当社の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請を受けたとのことです。これを受けて、公開買付者は、2024年10月24日、当社及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,200円(提案実施日の前営業日である同月23日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,624円に対するプレミアム率は21.95%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,726円に対するプレミアム率は17.39%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,652円に対するプレミアム率は20.66%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,517円に対するプレミアム率は27.14%です。)とする旨の価格提案書(以下「第5回目提案書」といいます。)を提出したとのことです。しかしながら、当社及び本特別委員会からは、2024年10月25日、当該本公開買付価格についても、依然として、本件に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較して低い水準にあるとして、再度の価格の引き上げの要請を受けたとのことです。これに対して、公開買付者は、同じく2024年10月25日、当社及び本特別委員会に対して、公開買付者としては更なる価格の引き上げのご要請には応じられず、第5回目提案書で提示した本公開買付価格(3,200円)を改めて前向きに検討して欲しい旨を記載した提案書を提出したとのことです。その後、当社及び本特別委員会からは、2024年10月26日、当社として、足元の株価水準、当社の事業計画、本件に類似する過去事例(公表直前の株価が相対的に高い水準にある事例)におけるプレミアム水準、公開買付者からの提案内容等を総合的に勘案し、応募推奨するために、本公開買付価格を3,250円(提案実施日の前営業日である同月25日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,650円に対するプレミアム率は22.64%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,721円に対するプレミアム率は19.44%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,656円に対するプレミアム率は22.36%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,519円に対するプレミアム率は29.02%です。)とすることを提案する旨の提案書を受領したとのことです。これを受けて、公開買付者は、本公開買付価格を3,250円とすることに応諾することとし、2024年10月28日、当社及び本特別委員会に対して、その旨の連絡を行ったとのことです。

 以上のような協議・交渉を経て、公開買付者と当社は、当社の2025年3月期の期末配当が無配であることを前提として、本公開買付価格を3,250円とすることで合意に至りました。そこで、公開買付者は、2024年10月29日開催の取締役会において、本取引の一環として、本公開買付けを実施することを決議するに至ったとのことです。

 その後、公開買付者は、2024年10月30日から本公開買付けを開始いたしましたが、当社の株主の皆様による本公開買付けへの応募状況及び今後の応募の見通し等を総合的に勘案し、当社の株主の皆様に本公開買付けへの応募についてさらなる判断機会を提供するため、2024年12月11日付で、公開買付期間を2024年12月25日まで延長し、公開買付期間を合計40営業日とすること(以下「本期間延長」といいます。)を決定したとのことです。なお、公開買付者としては、本公開買付価格(3,250円)は、公開買付者と当社及び本特別委員会との間における複数回に亘る真摯な協議・交渉を経て合意された、当社の価値を十分に反映した価格であり、当社の株主の皆様に当社普通株式の合理的な売却の機会を提供するものであると考えていることから、本期間延長後も本公開買付価格を変更する予定はないとのことです。

 

③ 本公開買付け後の経営方針

 公開買付者は、本取引を通じたシナジー効果の最大化の観点から、本取引を通じて当社普通株式を非公開化した後において、本グループ内再編を実施し、NECグループにおける国内地域におけるDX領域及び社会公共インフラ領域における事業基盤の強化や経営資源の相互活用による競争力の強化及び経営の効率化等を図る予定とのことです。また、公開買付者は、本グループ内再編を実施することで、本中間持株会社のもとでNECグループにおける国内地域におけるDX領域及び社会公共インフラ領域における事業基盤の強化を実現していく方針とのことです。なお、公開買付者は、本取引を通じて当社普通株式を非公開化した後、実務上可能な限り速やかに本グループ内再編を実施する意向を有しておりますが、その具体的な完了時期や条件については本書提出日現在において未定であり、今後、当社との間で協議した上で進めていくとのことです。

 その他の本取引後の当社の経営体制については、本書提出日現在において、具体的に予定している事項はなく未定とのことです。今後、当社の自主性と現在の経営体制を最大限尊重しつつ、当社と協議の上で、最適な体制の構築を検討していく予定であり、当社従業員の処遇改善や当社のブランディング向上につながる施策についても、IT人材確保の必要性が高まっている中にあって当社従業員のモチベーションの維持・向上を図るべく、当社の意向も踏まえつつ検討していくとのことです。なお、本書提出日現在において、本取引後の当社従業員の労働条件の変更や人員削減等の人事施策については検討していないとのことです。

 

④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

(ⅰ)検討体制の構築の経緯

 当社は、公開買付者から、2024年7月25日に本取引の実施に向けた検討を開始した旨の通知を受けました。これを受けて、当社は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者は、当社株式の所有割合が51.36%(公開買付者退職給付信託に拠出している当社普通株式を含む。)に達する当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2024年8月上旬にNECグループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所をそれぞれ選任いたしました。その後、当社は、公開買付者から改めて2024年8月6日に本取引に関する意向表明書を受領しております。当該提案を受けて、当社は、本取引の公正性を担保するため、西村あさひ法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり本特別委員会の設置に向けた準備を進めたうえで、2024年8月6日に公開買付者から意向表明書を受領した直後の同月8日開催の取締役会決議により、芦澤美智子氏(当社独立社外取締役)、吉田守氏(当社独立社外取締役)及び森本美紀子氏(当社独立社外取締役)の3名から構成される本特別委員会(本特別委員会の検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(1)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(2)本取引の取引条件の公正性・妥当性、(3)本取引の手続の公正性、(4)本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非、(5)本取引が当社の一般株主にとって不利益か否か(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)当社取締役会は、本取引に関する意思決定を行うに際しては、本特別委員会の意見を最大限尊重すること、及び(ⅱ)本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引に賛同しないものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)本特別委員会が、取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示及び要請を行うこと等により取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することができること(ⅱ)本特別委員会が本諮問事項の検討等にあたり必要と判断した場合には、当社の費用負担の下、アドバイザー等を選任することができること及び(ⅲ)本特別委員会は、答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を当社又は当社のアドバイザー等に対して求めることができることを決議しております(当該取締役会における決議の方法については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

 なお、本特別委員会は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年8月23日、上記の権限に基づき、NECグループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を、独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所をそれぞれ選任する旨を決定しております。

 また、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びに当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所について、NECグループ及び当社グループからの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認のうえ、その選任の承認を受けております。

 更に、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。

 

(ⅱ)検討・交渉の経緯

 そのうえで、当社は、大和証券から当社普通株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、西村あさひ法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。

 

 また、公開買付者から2024年8月6日に本取引に関する意向表明書を受領して以降、当社は、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。

 具体的には、当社及び本特別委員会は、2024年8月6日に本取引に関する意向表明書を受領したことを踏まえて、当社における検討・協議を進め、2024年8月13日に公開買付者に対し本取引の意義・目的に関して書面による質問をしたところ、2024年8月20日及び22日に、公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受けました。更に、当該回答を踏まえて、本特別委員会が2024年9月3日及び9月5日に書面による追加の質問をしたところ、2024年9月11日に、公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受けました。また、2024年9月12日開催の本特別委員会において、公開買付者から当該質問事項に対する回答及び本取引の意義・目的に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行うとともに、本取引の意義・目的に関する協議を行いました。その後、本特別委員会は、更に2024年9月26日に書面による追加の質問をしたところ、2024年10月10日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受けました。

 本公開買付価格については、当社は、2024年10月2日以降、公開買付者との間で、複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、当社は、公開買付者が当社グループに対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券が実施した初期的な当社普通株式価値分析などを総合的に勘案した結果として、公開買付者から、2024年10月2日に本公開買付けにおける本公開買付価格を2,815円(提案実施日の前営業日である同月1日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,787円に対するプレミアム率は1.00%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,688円に対するプレミアム率は4.72%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,594円に対するプレミアム率は8.52%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,495円に対するプレミアム率は12.83%です。)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けました。しかし、当社及び本特別委員会は、2024年10月7日、当該本公開買付価格は、当社の本源的な価値を著しく下回るものであると評価しており、足元の株価水準及び本件に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較しても不十分な価格であるとして、価格の引き上げを検討するよう要請しました。その後、当社及び本特別委員会は、2024年10月9日、公開買付者より、本公開買付価格を3,000円(提案実施日の前営業日である同月8日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,751円に対するプレミアム率は9.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,708円に対するプレミアム率は10.78%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,616円に対するプレミアム率は14.68%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,506円に対するプレミアム率は19.71%です。)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けました。しかし、当社及び本特別委員会は、2024年10月10日、当該本公開買付価格についても、当社の本源的な価値を大きく下回るものであり、当社の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請しました。その後、当社及び本特別委員会は、2024年10月15日、公開買付者より、本公開買付価格を3,100円(提案実施日の前営業日である同月11日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,738円に対するプレミアム率は13.22%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,725円に対するプレミアム率は13.76%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,631円に対するプレミアム率は17.83%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,511円に対するプレミアム率は23.46%です。)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けました。しかし、当社及び本特別委員会は、2024年10月16日、当該本公開買付価格についても、当社の本源的な価値を反映しているものではなく、当社の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請しました。その後、当社及び本特別委員会は、2024年10月22日、公開買付者より、本公開買付価格を3,180円(提案実施日の前営業日である同月21日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,683円に対するプレミアム率は18.52%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,736円に対するプレミアム率は16.23%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,648円に対するプレミアム率は20.09%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,515円に対するプレミアム率は26.44%です。)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けました。しかし、当社及び本特別委員会は、2024年10月22日、当該本公開買付価格についても、未だ当社の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請しました。そこで、当社及び本特別委員会は、2024年10月24日、公開買付者より、本公開買付価格を3,200円(提案実施日の前営業日である同月23日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,624円に対するプレミアム率は21.95%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,726円に対するプレミアム率は17.39%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,652円に対するプレミアム率は20.66%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,517円に対するプレミアム率は27.14%です。)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けました。しかしながら、当社及び本特別委員会は、2024年10月25日、当該本公開買付価格についても、依然として、本件に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較して低い水準にあるとして、再度の価格の引き上げを要請しました。その後、当社及び本特別委員会は、同じく2024年10月25日、公開買付者より、公開買付者としては更なる価格の引き上げのご要請には応じられず、前回の提案書で提示した本公開買付価格(3,200円)を改めて前向きに検討して欲しい旨を記載した提案を受けました。これに対して、当社及び本特別委員会は、2024年10月26日、当社として、足元の株価水準、当社の事業計画、本件に類似する過去事例(公表直前の株価が相対的に高い水準にある事例)におけるプレミアム水準、公開買付者からの提案内容等を総合的に勘案し、応募推奨するために、本公開買付価格を3,250円(提案実施日の前営業日である同月25日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,650円に対するプレミアム率は22.64%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,721円に対するプレミアム率は19.44%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,656円に対するプレミアム率は22.36%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,519円に対するプレミアム率は29.02%です。)とすることを提案する旨の提案書を提出しました。これに対して、当社及び本特別委員会は、2024年10月28日、公開買付者より、本公開買付価格を3,250円とすることに応諾する旨の連絡を受けました。

 以上の検討・交渉過程において、当社は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びに大和証券及び西村あさひ法律事務所からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、本特別委員会のアドバイザーであるプルータス・コンサルティング及び中村・角田・松本法律事務所から助言を受けるとともに、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきました。具体的には、まず、当社が公開買付者に対して提示し、また、大和証券及びプルータス・コンサルティングが当社普通株式の価値算定において基礎とする当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。また、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券は、公開買付者との交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議のうえ決定した交渉方針に従って対応を行っており、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。

 

 そして、当社は、2024年10月28日付で、本特別委員会から、①当社取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議することは妥当であると考える旨、並びに②当社取締役会における本取引についての決定(すなわち、(A)本公開買付けに賛同の意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定及び(B)本取引の一環として本公開買付け後に行われる株式売渡請求(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「① 株式売渡請求」において定義します。以下同じとします。)又は株式併合(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」において定義します。以下同じとします。)による非公開化手続に係る決定)は、当社の一般株主にとって不利益なものではないと考える旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております(本答申書の概要については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。なお、当社は、本答申書と併せて、本特別委員会から、2024年10月28日付で本特別委員会がプルータス・コンサルティングから提出を受けた当社普通株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり3,250円が当社の一般株主にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の提出も受けております(本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。

 

(ⅲ)判断内容

 以下の経緯の元で、当社は、2024年10月29日開催の当社取締役会において、西村あさひ法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言、2024年10月28日付で大和証券から提出を受けた当社普通株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(大和証券)」といいます。)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。

 

 その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の非公開化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。

 当社グループは、コミュニケーションを事業ドメインとし、通信インフラの施工から企業ネットワークのシステムインテグレーションや働き方改革などのソリューション・サービスへと事業を拡大し、企業、通信事業者、官庁・自治体、社会インフラ事業者など幅広い顧客のニーズや社会課題の解決に貢献してまいりました。

 当社グループを取り巻く環境は、日本における少子高齢化に伴う労働力不足や自然災害に対する防災への備えに加え、新型コロナウイルス感染症を契機とした多様な働き方の拡がりや、社会のボーダレス化の進行など、目まぐるしく変化しております。同時に、デジタル技術の進化やネットワーク技術の高速化・高度化、クラウド化など、テクノロジー面においても変革が加速しております。

 このように当社グループを取り巻く経営環境は大きく構造変化しており、今後も変化が予想されます。こうした長期的な経営環境の変化に的確に対応し、当社の企業価値を更に向上するためには、NECグループのテクノロジー、ノウハウ、リソースを活用し、顧客に対する提供価値の拡大や、NECグループとのリソースの最適な配分を通じて経営の効率化を図り、持続的な成長を追求する必要があると考えております。

 しかしながら、公開買付者と当社の現在の資本関係においては、公開買付者として当社に対して企業価値向上に資する経営資源の提供を行った場合でも、利益の一部が当社の一般株主へ流出してしまい、公開買付者としてかかる経営資源の提供に経済合理性を認めづらいといった状況が生じる可能性もあるとのことから、現状の資本関係では機動的かつ積極的な施策を実行し、当社を含むNECグループの企業価値の最大化を図るうえで、一定の限界があると考えているとの説明を受けております。加えて、当社としても、公開買付者と当社の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は、当社の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある中で、経営資源の相互活用を含む両社の取引関係を推し進めていく際に、一定の制約になりうると考えております。

 

 当社は、上記の当社グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じて当社を非公開化し、公開買付者と当社の一般株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、公開買付者による当社グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで、機動的かつ着実な経営施策の実行並びに以下のようなシナジーの創出が期待できることから、当社の更なる企業価値向上に資するとの結論に至りました。

 

Ⅰ.NECグループの経営資源活用・連携による成長戦略加速、競争力強化

 当社は、DX×次世代ネットワークを軸に、自社実践によるノウハウや顧客の現場を熟知している強みを生かした顧客目線のコンサルテーションと顧客伴走によるスパイラル型成長(注20)を行う新しい事業モデルへのシフトに注力しています。しかしながら、テクノロジーの急速な進化とともにお客様のニーズも多様化する昨今において、それらを適宜キャッチアップし、お客様の期待を超えるサービスを提供し続けるために必要な人材を含めた事業アセットをオーガニック(注21)に強化、拡充することは、今後より一層難しくなると考えております。当社は従来よりNECグループと必要な連携を進めてまいりましたが、本取引を通じて、NECグループが有するAI領域をはじめとした最新テクノロジー及び知財・ノウハウ、コンサルティング力などに加え、豊富な技術リソース等の事業アセットを、密接かつ機動的に活用、連携を強化することが可能となり、当社の成長戦略の実現性をより一層加速させるとともに、結果として競争力強化、企業価値向上に繋がるものと考えております。

(注20) 顧客伴走によるスパイラル型成長とは、「コンサル」を起点に既存のお客様の課題への持続的な改善提案及び新たなお客様の開拓を進め、経験、データの蓄積が増えることで、社会・顧客価値の創造力をさらに高め、それがカスタマーサクセス、サステナビリティの実現に繋がっていくという、循環型・螺旋型成長モデルを指します。

(注21) オーガニックとは、社内に蓄積された人材、商品、技術などの経営資源を有機的に結びつけ、活かして、自助努力で会社を成長、発展させていく方法を指します。

 

Ⅱ.総合力の強化、事業基盤の強化

① ICT基盤から業種・業務系IT・ソフトウェア領域まで含めた総合力の強化

 当社は、マルチベンダーSI力、ネットワーク技術力、工事施工力、全国対応力等に強みを持つSIerとして、国内外の幅広いお客様に、様々なICTシステム、サービスを提供しております。今回、本グループ内再編を通じて、業種・業務系IT・ソフトウェア領域に強みを持つNECネクサソリューションズ及び同社に事業承継されるSME事業と一体的な経営を行う体制となることで、ICT基盤から業種・業務系IT・ソフトウェア領域までフルスタック、フルラインナップでサービス・事業展開が可能となり、総合力のより一層の強化が図れるものと考えております。これにより、デジタル化、IT/ネットワーク融合が加速する事業環境下において、企業や官庁自治体をはじめとしたお客様課題に対するあらゆる側面からのソリューション提供が可能になり、他社との競争力も一気に強化できるものと考えております。

② 社会公共インフラ領域における事業基盤強化

 社会公共領域においては、強靭で安全・安心な社会の実現に向けて、よりレジリエンス(注22)で効率的なシステムの導入、IT/ネットワーク融合が進展しております。それらニーズへの事業対応力の強化と同時に、監理技術者をはじめ建設業法に対応するための人材の確保が課題となっております。本グループ内再編を通じて、消防防災事業が当社に事業承継、集約されることで、市場・事業戦略からシステムインテグレーション・運用まで一気通貫して提供する体制強化、事業基盤をより一層強化できるものと考えております。これにより、お客様に対するより付加価値の高いサービスの展開が可能になるとともに、事業効率化による利益最大化、競争力強化が図れるものと考えております。また、消防防災事業をはじめとした社会公共領域におけるNECグループとの連携強化により、他の社会インフラ領域での事業拡大並びに当社の特徴であるミッションクリティカル(注23)なSI力の一層の強化が図れるものと考えております。

(注22) レジリエンスとは、システム面においては、災害等への耐性が高く、安定的に機能を維持できること、又はシステムの二重化など障害時の影響を最小限に抑える機能を有することを指します。

(注23) ミッションクリティカルとは、例えば業務が滞ることによって社会や企業に損害を与えるような公共性の高いシステムに必要不可欠な極めて高い信頼性、技術や品質を指します。

③ 事業統合、経営一体化による規模、マーケットの獲得による、業界における存在感、ポジションの向上

 本取引及び本グループ内再編により、当社を含む本中間持株会社グループの売上規模は5,000億円を超え、従業員は1万人以上、取引顧客数は延べ2万以上と、SIer業界において有数の規模を有する企業グループとなることが見込まれます。グローバル企業やベンチャー企業などの参入が相次ぐ競争環境において、一定程度以上の企業規模とポジションの向上は経営戦略上の重要課題であり、本件による規模の獲得は、競争力強化の観点からも当社グループにとって有益なものと考えております。また、本中間持株会社を通じた再編は、人事制度や風土等が異なる段階において、各社の経営資源を的確かつ機動的に活用し、グループとして提供価値を最大化するうえでは有効な体制であると考えております。

 なお、本取引の実施が直接的に当社の売上高、従業員数や取引顧客数に影響を与えることはありませんが、本グループ内再編を行うためには、本取引の実施が不可欠であると認識しております。

 

Ⅲ.NECグループとの事業連携・機能集約を通じた経営の効率化

 当社とNECグループは、本取引を通じて両社の事業連携をさらに強化し、研究開発資産などの経営資源を相互に柔軟に活用する体制を早急に整えることで、当社のコンサルティング力や高度な業種ソリューションなど、複合的かつ高付加価値のあるサービスの提供機能を拡充し、顧客との連携を迅速かつ効果的に実現することができます。これにより、当社の事業基盤の強化及び収益性の向上を図ることができると考えています。また、当社株式の上場廃止に伴い、上場維持コスト(有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用など)及び上場リスクによるコストの削減が見込まれるとともに、管理業務やIT基盤などの効率化が期待されます。

 これらNECグループとの事業連携・機能集約を通じた経営の効率化が、当社の企業価値向上に資するものと考えています。

 

 なお、当社は、本取引を通じて非公開化されることによる、上場企業としてのブランド力低下に伴う取引先その他のステークホルダーへの影響や従業員のモチベーション低下の可能性について検討いたしました。もっとも、上記「③ 本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、NECグループとしては、本取引実施後も、当社の経営体制の構成について、当社の独自性を尊重した適切なガバナンスと、当社を含むNECグループとしてのシナジー効果を最大限実現できる体制づくりを目指し、本取引後に公開買付者と当社の間で協議していく方針であること、本公開買付け後の当社従業員の継続雇用方針や処遇の変更、当社以外のNECグループ会社への配置転換について、現時点で決定した事象等はない(但し、今後戦略的かつ合理的に必要であると判断した場合、当社と協議のうえ、方針や処遇の変更、配置転換をする可能性がある)こと、また、IT国内市場の成長・構造変化が進み、エンジニアリソースの確保が重要な課題となる中で、当社従業員のモチベーションの維持等を図るため、当社のブランディング向上に繋がる施策についても、当社の意向も踏まえつつ慎重に検討していく方針であること等を踏まえ、当社としては、本取引を通じて非公開化されることは、当社グループの取引先、従業員、その他のステークホルダーにおいて受け入れられると考えております。

 

 また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

 

(ア)下記「(3)算定に関する事項」に記載されている大和証券による当社普通株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回っており、DCF法による算定結果の範囲内であること。

(イ)下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオン」の取得に記載のとおり、プルータス・コンサルティングによる当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回っており、DCF法による算定結果の範囲内であること。また、本特別委員会がプルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり3,250円が、当社の一般株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得していること。

(ウ)本公開買付けの公表日の前営業日である2024年10月28日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値の2,675円に対するプレミアム率が21.50%、同日までの過去1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,711円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対するプレミアム率が19.88%、同日までの過去3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,659円に対するプレミアム率が22.23%、同日までの過去6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,520円に対するプレミアム率が28.97%と、プレミアムをそれぞれ加えた金額となっている。一般にPBRが高い銘柄は既に株式市場において企業価値が高く評価されているため、公開買付け案件及びM&A案件における市場価格に対するプレミアム比率は低くなる傾向にあるところ、2024年9月30日の当社のPBRは約2.6倍となっている。経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2024年7月31日までに公開買付けが成立した非公開化を目的とした上場子会社への公開買付け案件及びMBO案件のうち対象会社のPBRが2倍超の事案16件のうち、過去1ヶ月平均の株価からのプレミアム水準が20~30%の案件が5件で最頻値であり、同様に過去3ヶ月平均の株価からのプレミアム水準が20~30%の案件が5件で最頻値、過去6ヶ月平均の株価からのプレミアム水準が20~30%の案件が5件で最頻値であることも踏まえると、本公開買付価格は、本公開買付価格の当社普通株式の過去1ヶ月の株価、過去3ヶ月の株価及び過去6ヶ月の株価からは相応のプレミアムが付された水準にあると考えられること。

(エ)当社の長期の株価推移に照らして、直近20年における当社株式の終値の最高値(2024年10月9日終値)2,804円を上回る水準であること。

(オ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、一般株主の皆様の利益が確保されていると認められること。

(カ)当該措置が講じられたうえで、当社グループ及びNECグループから独立した本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯に交渉を重ね、当初の公開買付者からの提案価格である2,815円から引上げられた価格であること。

(キ)当社における独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断されていること。

 

 以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2024年10月29日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。

 当該取締役会における決議の方法については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

(3)算定に関する事項

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 当社は、本公開買付価格に関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、NECグループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対し、当社普通株式価値の算定を依頼し、2024年10月28日付で、本株式価値算定書(大和証券)を取得いたしました。なお、当社は、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 大和証券は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案し、また大和証券の同種の取引における助言実績及び社会的評価等も踏まえ、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により大和証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。

 

(ⅱ)当社普通株式に係る算定の概要

 大和証券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社普通株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにディスカウント・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を算定手法として用いて、当社の株式価値の算定を行い、当社は大和証券から2024年10月28日付で本株式価値算定書(大和証券)を取得しております。

 本株式価値算定書(大和証券)において、上記各手法に基づいて算定された当社普通株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価法  :2,520円から2,711円

類似会社比較法:2,143円から2,668円

DCF法     :3,073円から4,688円

 

 市場株価法では、2024年10月28日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の基準日の終値2,675円、直近1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,711円、直近3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,659円及び直近6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,520円を基に、当社普通株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,520円~2,711円と算定しております。

 類似会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として、TIS株式会社、SCSK株式会社、BIPROGY株式会社、日鉄ソリューションズ株式会社、株式会社インターネットイニシアティブ、ネットワンシステムズ株式会社、エクシオグループ株式会社、コムシスホールディングス株式会社、及び株式会社ミライト・ワンを選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,143円~2,668円と算定しております。

 DCF法では、当社が作成した事業見通しを基に、2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業見通しにおける収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第3四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、当社の企業価値や株式価値を分析し、当社普通株式の1株当たり株式価値の範囲を3,073円~4,688円と算定しております。なお、割引率は5.48%~7.26%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率モデルを採用し、永久成長率は0.0%~1.0%として当社普通株式の1株当たり株式価値を算定しております。

 大和証券がDCF法による算定に用いた当社作成の事業見通しにおいては、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味しておりません。

 なお、DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

 

2025年3月期

(6ヶ月)

2026年3月期

2027年3月期

2028年3月期

2029年3月期

売上高

1,930

3,806

4,009

4,252

4,524

営業利益

212

326

379

435

493

EBITDA

228

362

415

469

527

フリー・キャッシュ・フロー

(40)

191

219

242

272

 

② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、NECグループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対し、当社普通株式の価値算定及び付随する財務分析、並びに本公開買付価格の公正性に関する意見(本フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2024年10月28日付で、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンを取得いたしました。

 なお、当社取締役会は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年10月28日付で、本特別委員会から本答申書の提出を受けた際、併せて本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの提出を受けており、これらの内容も踏まえて、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の決議を実施しております。

 プルータス・コンサルティングは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、複数のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、プルータス・コンサルティングを独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本取引に係るプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

 

(ⅱ)当社普通株式に係る算定の概要

 プルータス・コンサルティングは、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社普通株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場類似会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を採用して、当社普通株式の価値算定を行っております。

 本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)において、上記各手法に基づいて算定された当社普通株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。

 

市場株価法  :2,520円から2,711円

類似会社比較法:2,252円から3,060円

DCF法     :2,540円から4,297円

 

 市場株価法では、2024年10月28日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の基準日の終値2,675円、基準日から直近1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値2,711円、直近3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値2,659円及び直近6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値2,520円を基に、当社普通株式の1株当たりの価値の範囲を2,520円~2,711円と算定しております。

 類似会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として、エクシオグループ株式会社、コムシスホールディングス株式会社、株式会社ミライト・ワン、SCSK株式会社、BIPROGY株式会社、日鉄ソリューションズ株式会社、及びネットワンシステムズ株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBIT及びEBITDAの倍率を用いて算定を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,252円~3,060円までと算定しております。

 DCF法では、当社が作成した事業見通しを基に、2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第3四半期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社普通株式の1株当たりの価値の範囲を2,540円~4,297円と算定しております。なお、割引率については、6.72%~9.44%を採用しており、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法及び倍率法を採用しております。永久成長率は0%とし、倍率はEBIT及びEBITDAの倍率を採用し、それぞれ11.4倍~13.7倍及び8.5倍~10.3倍として株式価値を算定しております。

 DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりであり、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減は見込まれておりません。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減効果を除き、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味しておりません。

 なお、DCF法で算定の前提とした当社財務予測の数値は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

 

2025年3月期

(6ヶ月)

2026年3月期

2027年3月期

2028年3月期

2029年3月期

売上高

1,930

3,806

4,009

4,252

4,524

営業利益

212

326

379

435

493

EBITDA

228

363

415

470

528

フリー・キャッシュ・フロー

(36)

197

220

249

282

 

 プルータス・コンサルティングは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、すべて正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による算定時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。但し、プルータス・コンサルティングは算定の基礎とした当社の事業計画について、複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しており、また、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。

 

(ⅲ)本フェアネス・オピニオンの概要

 本特別委員会は、2024年10月28日付で、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり3,250円が当社普通株式の株主(公開買付者を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得しております(注24)。本フェアネス・オピニオンは、当社が作成した事業計画に基づく当社普通株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり3,250円が、当社の一般株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータス・コンサルティングが、当社から、当社グループの事業の現状、事業見通し等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社普通株式の価値算定結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータス・コンサルティングが必要と認めた範囲内での当社グループの事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータス・コンサルティングにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。

(注24) プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオンの作成及び提出並びにその基礎となる株式価値の算定を行うに際して、当社から提供され又は当社と協議した情報及び基礎資料、一般に公開されている資料について、それらが正確かつ完全であること、当社普通株式の株式価値の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でプルータス・コンサルティングに対して未開示の事実はないことを前提としてこれらに依拠しており、独自にそれらの調査、検証を実施しておらず、その調査、検証を実施する義務も負っておりません。

プルータス・コンサルティングが、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた当社の事業見通しその他の資料は、当社の経営陣により当該時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としており、プルータス・コンサルティングはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明していません。

プルータス・コンサルティングは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提供も受けておりません。従って、プルータス・コンサルティングは当社及びその関係会社の支払い能力についての評価も行っておりません。

プルータス・コンサルティングは、法律、会計又は税務の専門機関ではありません。従って、プルータス・コンサルティングは本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものではございません。

本フェアネス・オピニオンは、本特別委員会が当社から委嘱を受けた事項に対する答申を行うに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものです。従って、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何ら意見を述べるものではございません。

本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が当社の一般株主にとって財務的見地から公正であるか否かについて、その作成日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、その作成日までにプルータス・コンサルティングが入手している情報に基づいてその作成日時点における意見を述べたものであり、その後の状況の変化により本フェアネス・オピニオンの内容に影響を受けることがありますが、プルータス・コンサルティングは、そのような場合であっても本フェアネス・オピニオンの内容を修正、変更又は補足する義務を負いません。また、本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではありません。

プルータス・コンサルティングは、当社への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有しておりません。本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が当社の一般株主にとって財務的見地から不利益なものではなく公正なものであることについて意見表明するにとどまり、本公開買付け実行の是非及び本公開買付けに関する応募その他の行動について意見表明や推奨を行うものではなく、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見を述べるものではありません。従って、プルータス・コンサルティングは本フェアネス・オピニオンに依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負いません。

また、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格に関する当社取締役会及び本特別委員会の判断の基礎資料として使用することを目的としてプルータス・コンサルティングから提供されたものであり、他のいかなる者もこれに依拠することはできません。

 

③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、NECグループ及び当社グループから独立した第三者算定機関であり、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーでもある三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。

 

(ⅱ)当社普通株式に係る算定の概要

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、市場株価分析、類似企業比較分析及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいます。)の各手法を用いて当社普通株式の株式価値評価分析を行い、公開買付者は三菱UFJモルガン・スタンレー証券から2024年10月28日付けで株式価値算定書(以下「買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。(注25)なお、公開買付者は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社普通株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりとのことです。

 

市場株価分析  :2,520円から2,711円

類似企業比較分析:1,813円から2,526円

DCF分析     :2,750円から3,373円

 

 市場株価分析では、基準日を2024年10月28日として、東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の基準日終値(2,675円)、直近1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値(2,711円)、直近3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値(2,659円)及び直近6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値(2,520円)を基に、当社普通株式1株当たりの株式価値の範囲を2,520円から2,711円までと分析しているとのことです。

 類似企業比較分析では、当社と比較的類似する事業を手掛ける上場企業の市場株価と収益等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を分析し、当社普通株式1株当たりの株式価値の範囲を1,813円から2,526円までと分析しているとのことです。

 DCF分析では、当社が作成した当社の2025年3月期から2029年3月期までの事業計画、当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した公開買付者による2025年3月期第3四半期以降の当社の将来の収益予想や投資計画に関する財務予測に基づき、当社が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割引くことにより当社普通株式の株式価値を分析し、当社普通株式1株当たりの株式価値の範囲を2,750円から3,373円までと分析しているとのことです。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券がDCF分析に用いた財務予測においては、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度は含まれていないとのことです。また、本取引により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味していないとのことです。

 公開買付者は、買付者株式価値算定書の算定結果に加え、当社グループに対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同及び応募推奨の可否、当社普通株式の市場株価の動向、本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案しつつ、当社及び本特別委員会との協議・交渉の結果等を踏まえ、2024年10月29日開催の取締役会において、本公開買付価格を3,250円とすることを決議したとのことです。

 なお、本公開買付価格(3,250円)の市場株価に対するプレミアム率は、公開買付者による本公開買付けの公表日の前営業日である2024年10月28日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値2,675円に対して21.50%、過去1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,711円に対して19.88%、過去3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,659円に対して22.23%、過去6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,520円に対して28.97%となるとのことです。

 また、本書提出日の前営業日である2024年10月29日の当社普通株式の東京証券取引所プライム市場における終値3,000円に対するプレミアム率は8.33%となるとのことです。

(注25) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、当社普通株式の株式価値の算定に際し、公開買付者及び当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っていないとのことです。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。加えて当社の財務予測に関する情報については、公開買付者及び当社による2024年10月28日時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としているとのことです。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の算定は、2024年10月28日までの上記情報を反映したものであるとのことです。

 

(4)上場廃止となる見込み及びその事由

 当社普通株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社普通株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社普通株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社普通株式が上場廃止となった後は、当社普通株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。

 

(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

 公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社普通株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社の株主を公開買付者のみとすることを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

 

① 株式売渡請求

 本公開買付けの成立により、公開買付者及び公開買付者退職給付信託の受託者が所有する当社普通株式に係る議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者退職給付信託に拠出している当社普通株式の無償交付を受けることで公開買付者をして会社法第179条第1項に規定する特別支配株主とした上で、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(但し、公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社普通株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社普通株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し株式売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社普通株式の全部を取得するとのことです。この場合、売渡株主がそれぞれ所有していた当社普通株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において株式売渡請求を承認する予定です。

 株式売渡請求に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社普通株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社普通株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

② 株式併合

 本公開買付けの成立後、公開買付者及び公開買付者退職給付信託の受託者が所有する当社普通株式に係る議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社普通株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。本書提出日現在において、当社は公開買付者の要請に応じ本臨時株主総会を開催する予定であり、本臨時株主総会の開催は2025年3月上旬頃を予定しております。なお、公開買付者及び(本臨時株主総会の基準日までに公開買付者退職給付信託に拠出している当社普通株式の公開買付者への無償交付が完了していない場合には)公開買付者が議決権行使の指図権を有している公開買付者退職給付信託の受託者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。

 本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社普通株式を所有することとなります。株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社普通株式を当社又は公開買付者若しくは本中間持株会社に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社普通株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社普通株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社普通株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者が当社普通株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者を除きます。)の所有する当社普通株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。

 株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社普通株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。

 上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者を除きます。)の所有する当社普通株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主の皆様は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社普通株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

 上記の株式売渡請求及び株式併合の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があるとのことです。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社普通株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

 公開買付者及び当社は、当社が本書提出日現在において公開買付者の連結子会社であるため、本公開買付けを含む本取引が当社における支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と当社の公開買付者以外の株主との間の構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。

 なお、公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、当社普通株式57,320,295株(所有割合:38.47%)を所有するとともに、公開買付者退職給付信託に拠出している当社普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)と合わせて、当社普通株式76,520,295株(所有割合:51.36%)を実質的に所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を実施していることから、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。また、本特別委員会は、本答申書において、他の公正性担保措置が十分に講じられていると解されること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、適切な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではないと考えられる旨判断しており、当社としても同様に判断しております。

 なお、以下の記載のうち公開買付者において実施した措置等については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、2024年10月28日付けで三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、当社の株式価値の算定結果に関する買付者株式価値算定書を取得しているとのことです。詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

 

② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 当社は、下記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、NECグループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券を選任し、当社普通株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2024年10月28日付で本株式価値算定書(大和証券)を取得しております。本株式価値算定書(大和証券)の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

 なお、大和証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。

 

③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)設置等の経緯

 上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2024年8月8日に開催された取締役会における決議により、本特別委員会を設置いたしましたが、かかる本特別委員会の設置に先立ち、当社は、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、西村あさひ法律事務所の助言も得つつ、その時点の当社の独立社外取締役を含む役員全員に対して、公開買付者から本取引及び本グループ内再編に関する初期的な意向を受けた旨、並びに本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を説明いたしました。また、当社は、並行して、西村あさひ法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる当社の独立社外取締役の独立性及び適格性等についても確認を行いました。その上で、当社は、NECグループ及び当社グループからの独立性を有すること(芦澤美智子氏、吉田守氏及び森本美紀子氏と公開買付者又は当社との間に重要な利害関係は存在しないことを確認しております。)、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、西村あさひ法律事務所の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、監査法人における公認会計士としての業務経験や、株式会社産業再生機構において大企業の再生プロジェクトに従事した経験など豊富な経験を有している芦澤美智子氏(当社独立社外取締役、慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授)、大手電機メーカーにおいて役員を務め、高い経営能力、戦略構築力、技術マネジメント及び企業経営におけるガバナンス等に関する幅広い知識と経験を有している吉田守氏(当社独立社外取締役、元・パナソニック株式会社常任監査役)、並びにサステナビリティ経営を総合的に支援するコンサルティング会社を設立し同社の代表取締役を務めている森本美紀子氏(当社独立社外取締役、株式会社karna代表取締役)の3氏を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。

 その上で、当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年8月8日開催の取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会を当社取締役会から独立した合議体として位置付け、本取引に関する意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引に賛同しないことを決議するとともに、本特別委員会が、取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示及び要請を行うこと等により取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することができること、本特別委員会が本諮問事項の検討等にあたり必要と判断した場合には、当社の費用負担の下、アドバイザー等を選任することができること、並びに本特別委員会は、答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を当社又は当社のアドバイザー等に対して求めることができること等を決議しております。

 なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされております。

 

(ⅱ)検討の経緯

 本特別委員会は、2024年8月8日から同年10月28日までの間に合計18回、合計約28時間にわたって開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールやWeb会議を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。

 具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性・実績等を検討の上、2024年8月23日、NECグループ及び当社グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、NECグループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任する旨を決定いたしました。

 また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しており、当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しております。

 さらに、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)について、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認しております。

 その上で、本特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言及び西村あさひ法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行いました。

 本特別委員会は、公開買付者に対して、本取引の意義、NECグループ及び当社のシナジー/ディスシナジー、本取引の検討状況、本取引の想定ストラクチャー及び本取引後の本中間持株会社の運営、本取引及び本グループ内再編後の公開買付者による本中間持株会社の経営方針、従業員の取扱い、その他本公開買付けの諸条件等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、書面での回答を受領するとともに、本特別委員会において公開買付者から直接説明を受け、質疑応答を行っております。また、本特別委員会は、上記書面での回答及び上記質疑応答の結果等を検討し、公開買付者に対し、本事業承継により承継される事業の収益性・承継される資産、シナジーの具体的内容、本中間持株会社の経営体制・経営リソース、非公開化の方法等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、書面での回答を受領しております。

 本特別委員会は、当社執行陣から、本取引の背景・目的やシナジーについての見解等について説明を受け、質疑応答を行っております。

 加えて、公開買付者との交渉の基礎となり、また、大和証券及びプルータス・コンサルティングによる当社普通株式の価値評価の基礎ともなる当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について、当社から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認し、承認しております。その上で、上記「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び下記「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、大和証券及びプルータス・コンサルティングは、事業計画の内容を前提として当社普通株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、大和証券及びプルータス・コンサルティングから、それぞれが実施した当社普通株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらについて合理性を確認しております。

 また、下記「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、本特別委員会はプルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオンの提出を受けておりますが、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから、本フェアネス・オピニオンの発行手続等について説明を受け、質疑応答を行っております。

 本特別委員会は、2024年10月2日に当社が公開買付者から最初の公開買付価格の提案を受領して以降、当社が公開買付者から公開買付価格についての提案を受領する都度、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から適時にその内容及び交渉経過等について報告を受け、プルータス・コンサルティングから受けた助言及び大和証券から聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討するとともに、大和証券から公開買付者との交渉方針案及び公開買付者に対する回答書案について事前に説明を受け、必要に応じて意見を述べ、質疑応答を行った上で承認し、公開買付者との交渉を担当する大和証券に対して指示・要請を行う等しております。

 本特別委員会は、本プレスリリース等のドラフトについて、本特別委員会のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所の助言等を受けつつ、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から説明を受け、質疑応答を行い、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。

 

(ⅲ)判断内容

 本特別委員会は、以上の経緯の下で、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言、並びに2024年10月28日付で提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。

(a)答申内容

ⅰ 本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると考えられる。

ⅱ 本取引の取引条件は公正・妥当であると考えられる。

ⅲ 本取引の手続は公正であると考えられる。

ⅳ 本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当であると考えられる。

ⅴ 本取引の決定(本公開買付けについて賛同するとともに、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定、及び本スクイーズアウト手続を実施する旨の決定)は、当社の一般株主にとって不利益ではないと考えられる。

(b)答申理由

ⅰ 以下の点より、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的には合理性があるものと考える。

・長期的な経営環境の変化に的確に対応し、当社の企業価値を更に向上するためには、NECグループのテクノロジー、ノウハウ、リソースを活用し、顧客に対する提供価値の拡大や、NECグループのリソースの最適な配分を通じて経営の効率化を図り、持続的な成長を追求する必要があると考えられる。しかしながら、公開買付者と当社の現状の資本関係では機動的かつ積極的な施策を実行し、当社を含むNECグループの企業価値の最大化を図るうえで一定の限界があると考えているとの説明を公開買付者から受けていることに加え、当社としても、現状の資本関係の維持は、経営資源の相互活用を含む両社の取引関係を推し進めていく際に、一定の制約になりうると考えている。そのため、本取引を通じて当社を非公開化し、公開買付者と当社の一般株主との構造的な利益相反関係を解消し、公開買付者による当社グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで、機動的かつ着実な経営施策の実行を通じて、以下のようなシナジーを創出し、当社の更なる企業価値の向上に資するものと考えられる。

① NECグループの経営資源活用・連携による成長戦略加速・競争力強化

② 総合力の強化、事業基盤の強化(ICT基板から業種・業務系IT・ソフトウェア領域まで含めた総合力の強化、社会公共インフラ領域における事業基盤強化、事業統合、経営一体化よる規模、マーケットの獲得による業界における存在感、ポジションの向上)

③ NECグループとの事業連携・機能集約を通じた経営の効率化

・なお、本取引を通じて非公開化されることによる、上場企業としてのブランド力低下に伴う取引先その他のステークホルダーへの影響や従業員のモチベーション低下の可能性も想定される。しかしながら、NECグループとしては、本取引実施後も、当社の経営体制について、当社の独自性を尊重した適切なガバナンスと、当社を含むNECグループとしてのシナジー効果を最大限実現できる体制づくりを目指し、本取引後にNECと当社の間で協議していく方針であること、本公開買付け後の当社従業員の継続雇用方針や処遇の変更、当社以外のNECグループ会社への配置転換について、現時点で決定した事項等はない(但し、今後戦略的かつ合理的に必要であると判断した場合、当社と協議のうえ、方針や処遇の変更、配置転換をする可能性がある)こと、また、IT国内市場の成長・構造変化が進み、エンジニアリソースの確保が重要な課題となる中で、当社従業員のモチベーションの維持等を図るため、当社のブランディング向上に繋がる施策についても、当社の意向も踏まえつつ慎重に検討していく方針であること等を踏まえ、本取引を通じて非公開化されることは、当社グループの取引先、従業員、その他のステークホルダーにおいて受け入れられるものと考えられる。

ⅱ 以下の点より、本取引の取引条件は公正・妥当であると考えられる。

・本取引の買収の方法について、一段階目として本公開買付けを行い、二段階目として株式売渡請求又は株式併合によるスクイーズアウトを行う方法は、本取引のような非上場子会社化の取引においては一般的に採用されている方法の一つである。また、買収対価の種類については、公開買付者と当社とでは事業内容等が異なり、当社の株主の中には公開買付者株式の取得を望まない者もいると思われること等からすると、買収対価として金銭を交付する方法によることに妥当性があると考えられる。

・本株式価値算定書(大和証券)及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)におけるDCF法による算定の前提とされている当社の事業計画はCAGRが2020年3月期から2024年3月期までの水準を上回り、売上構成の変更により収益率が改善する計画となっており、その策定手続及び内容について不合理な点は認められない。

・本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)における算定の方法及び内容(類似会社比較法における類似会社の選定並びにDCF法における割引率の計算及び継続価値の算定も含む。)について特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断されるところ、本公開買付価格は、プルータス・コンサルティングによる市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内にある価格であると認められる。

・本株式価値算定書(大和証券)における算定の方法及び内容(類似会社比較法における類似会社の選定並びにDCF法における割引率の計算及び継続価値の算定も含む。)に特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断されるところ、本公開買付価格は、大和証券による市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内にある価格であると認められる。

・本公開買付価格は、類似案件(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2024年7月31日までに公開買付けが成立した非公開化を目的とした上場子会社への公開買付け案件及びMBO案件のうち対象会社のPBRが2倍超の案件16件)との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められる。

・本特別委員会は、当社と公開買付者との間の公開買付価格等の本取引の条件に関する協議・交渉過程において実質的に関与しており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況、すなわち独立当事者間取引と同視しうる状況が確保された上で、真摯な交渉が実施されたものと認められる。

・本特別委員会はプルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオンを取得しているところ、プルータス・コンサルティングは、本公開買付価格が当社の一般株主にとって財務的見地から公正なものと考える旨の意見を述べている。本フェアネス・オピニオンは、発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、これらによっても本公開買付価格の妥当性が裏付けられるものと考えられる。

・以上に述べたこと等からすれば、本公開買付価格は公正・妥当であると考えられる。また、本取引においては、下記ⅲのとおり、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることからすれば、本公開買付価格と同額とされる本スクイーズアウト手続において当社の株主に対して交付される対価についても公正・妥当であると考えられる。

ⅲ 以下の点より、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されているものと考えられる。

・当社においては、NECグループ及び当社グループから独立した本特別委員会が設置され、有効に機能したものと認められる。

・本特別委員会は、その独立性及び専門性・実績等を確認した上で選任した本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所及び本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから専門的助言を受けている。

・当社は、本特別委員会が独立性及び専門性・実績等を確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとすることを承認した西村あさひ法律事務所及び当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関とすることを承認した大和証券から専門的助言を受けている。

・本特別委員会は、本特別委員会の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンを取得している。

・当社は、当社の第三者算定機関である大和証券から、本株式価値算定書(大和証券)を取得している。

・当社は、当社グループ以外のNECグループから独立した立場で、本取引に係る検討・交渉等を行う体制を社内に構築し、本特別委員会の確認・承認を得ている。また、公開買付者の従業員を兼務している取締役の菅原弘人氏及び伊東紀子氏並びに過去に公開買付者に在籍していた取締役の芦田潤司氏は、本取引に係る当社取締役会(芦田潤司氏については、本特別委員会の設置に係る取締役会を除く。)における審議及び決議に参加しておらず、かつ、当社の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加していない。また、7年前まで公開買付者に在籍していた監査役の大谷洋平氏は、本特別委員会の設置に係る取締役会の後に開催された本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には参加しておらず、これらの取締役会の決議に際して意見を述べることを差し控えている。

・本取引においては、本公開買付けにおける公開買付期間は法令に定める下限より長期である30営業日が予定されており、また、当社は、公開買付者との間で、対抗的買収提案者が当社と接触等を行うことを制限するような内容の合意等を行っていないため、他の買収者による買収提案の機会が確保されている。

・本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定される予定はないが、公開買付者が当社普通株式の過半数を所有していることから、本取引においてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合には、比較的少数の株式で本公開買付けの成立を阻害することができることとなり、本公開買付けの成立が不安定なものとなることでかえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の利益に資さない可能性があることに加え、本取引では他に十分な公正性担保措置が講じられていることから、本公開買付けにおいて、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定がなされていないことは、本公開買付けにおける手続の公正性を損なうものではないと考えられる。

・本公開買付けにおいては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。

・本取引においては、本スクイーズアウト手続に際して、本公開買付けに応募しない株主に株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されないスキームは採用されていないこと、本スクイーズアウト手続は、本公開買付け成立後速やかに実施する予定であり、また、本スクイーズアウト手続において 本公開買付けに応募しなかった株主に対して交付される金銭の額は、本公開買付価格と同額を基準として決定することを想定しているとのことであり、その旨が開示される予定であることから、強圧性を排除するために望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が排除されているものと認められる。

ⅳ 上記ⅰのとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的には合理性があると考えられること、上記ⅱのとおり、本取引に係る公開買付価格等の条件については妥当性が確保されていると考えられること、上記ⅲのとおり、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることから、当社取締役会は、本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明することが妥当であると考えられる。

ⅴ 上記ⅰのとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的には合理性があると考えられること、上記ⅱのとおり、本取引に係る公開買付価格等の条件については妥当性が確保されていると考えられること、上記ⅲのとおり、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることから、当社取締役会が、本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を決定すること、並びに、本公開買付けが成立した後、当社の株主を公開買付者のみとするために、当社取締役会が本スクイーズアウト手続を実施することを決定することは、当社の一般株主にとって不利益なものではないと考えられる。

 

④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及びフェアネス・オピニオンの取得

 本特別委員会は、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、NECグループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任し、当社普通株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言を受けるとともに、2024年10月28日付で本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得しております。また、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり3,250円が当社普通株式の株主(公開買付者を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンも取得しております。本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。

 なお、プルータス・コンサルティングは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。その他、プルータス・コンサルティングの独立性については、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」をご参照ください。

 

⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言

 本特別委員会は、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、NECグループ及び当社グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。

 なお、中村・角田・松本法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。その他、中村・角田・松本法律事務所の独立性については、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」をご参照ください。

 

⑥ 当社における独立した法律事務所からの助言

 当社は、「(2)意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、NECグループ及び当社グループから独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。

 なお、西村あさひ法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。

 

⑦ 当社における独立した検討体制の構築

 上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、当社グループ以外のNECグループから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。当社は、2024年7月25日に、公開買付者から本取引及び本グループ内再編に関する初期的な意向を受けた時点以降、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び当社普通株式の価値評価の基礎となる事業計画の作成過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、本取引に係る検討及び対応を行う上で必須であった公開買付者からの出向者2名及び公開買付者の出身者(直近10年間に公開買付者に在籍していたものに限る。以下同じ。)3名(取締役の芦田潤司氏を含みます。)の関与を除き、現に当社グループ以外のNECグループ各社の役職員を兼任する当社の役職員や、過去10年間において当社グループ以外のNECグループ各社の役職員であった当社の役職員は関与させておりません。

 具体的には、当社代表取締役執行役員会長兼CEOである牛島祐之氏をプロジェクトリーダーとし、同氏による統括の下、当社内に、本取引の実施意義、実施の手法、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件等に関する検討及び公開買付者との交渉素案を検討するワーキンググループ(以下「資本政策ワーキンググループ」といいます。)並びに本取引が実行された場合のNECグループのアセットを活用した事業拡大、本取引により創出が期待される定性的シナジー及び当社の事業体制の検討に加えて、社内外への公表についても検討を行うワーキンググループ(以下「ビジョン検討ワーキンググループ」といいます。)を設置し、本取引に係る検討を進めてまいりました。

 両ワーキンググループには、現に当社グループ以外のNECグループ各社の役職員を兼任する当社の役職員は一切関与しておりません。また、資本政策ワーキンググループには、7年前に公開買付者を退職している1名が事業計画の策定等の観点で必須であったため関与していることを除いて、過去10年間において当社グループ以外のNECグループ各社の役職員であった当社の役職員も一切関与しておりません。

 一方、ビジョン検討ワーキンググループには、当社の取締役である芦田潤司氏が関与しております。芦田潤司氏は、過去に公開買付者に在籍しておりましたが、(ⅰ)現に公開買付者の役職員ではなく公開買付者から指示を受ける立場にないこと、(ⅱ)公開買付者への復職が予定されている等といった公開買付者からの独立性に疑義を生じさせる利害関係がないこと、(ⅲ)NECグループのアセットを活用した事業拡大や本取引により創出が期待される定性的シナジーの検討に際して不可欠で代替できないこと、(ⅳ)ビジョン検討ワーキンググループが担う検討事項は構造的な利益相反の問題が一般株主の皆様の利益に影響を与えるおそれが類型的に小さい事項であると考えられること等に鑑み、本取引に係る取引条件に関する交渉過程においては関与させず、ビジョン検討ワーキンググループに関与させることとしております。

 また、その他の公開買付者からの出向者2名及び公開買付者の出身者1名については、資本政策ワーキンググループ及びビジョン検討ワーキンググループには関与しておりませんが、当該ワーキンググループからの指示に従い、当該ワーキンググループにおける本件の検討を、必要最小限度の範囲で補助しております。これらの者は、本取引に係る取引条件に関する交渉や事業計画の策定そのものには関与しておりません。

 以上の取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)は西村あさひ法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ております。

 

⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

 当社取締役会は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、西村あさひ法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに本株式価値算定書(大和証券)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。

 その結果、当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2024年10月29日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。

 上記2024年10月29日開催の当社取締役会においては、菅原弘人氏、伊東紀子氏及び芦田潤司氏を除く6名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行っております。菅原弘人氏及び伊東紀子氏は公開買付者の従業員を兼務していること、芦田潤司氏は過去に公開買付者に在籍していたことに鑑み、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記2024年10月29日開催の当社取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。なお、芦田潤司氏は、本特別委員会の設置に係る取締役会には参加しておりましたが、本特別委員会における議論を踏まえ、より保守的に対応する観点から、本特別委員会の設置に係る取締役会の後に開催された本取引に係る当社取締役会(上記2024年10月29日開催の当社取締役会を含みます。)の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。

 また、上記2024年10月29日開催の当社取締役会においては、大谷洋平氏を除く出席した監査役3名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べております。大谷洋平氏は、本特別委員会の設置に係る取締役会には参加しておりましたが、7年前まで公開買付者に在籍していたことに鑑み、本特別委員会における議論を踏まえ、より保守的に対応する観点から、本特別委員会の設置に係る取締役会の後に開催された本取引に係る当社取締役会(上記2024年10月29日開催の当社取締役会を含みます。)の審議及び決議には参加しておらず、これらの取締役会の決議に際して意見を述べることを差し控えております。

 

⑨ 取引保護条項の不存在

 当社及び公開買付者は、当社が公開買付者以外の買収提案者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

 

⑩ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

 公開買付者は、上記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ア)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社普通株式の全ての株式売渡請求をすること又は株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、(イ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者を除きます。)の所有する当社普通株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しております。

 また、公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、40営業日としています。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間よりも長期間に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも当社普通株式の買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しております。

 

(7)公開買付者と当社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

 公開買付者は、公開買付者退職給付信託の受託者との間で、公開買付者が公開買付者退職給付信託に拠出している当社普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)について、信託管理人の指図がなければ処分等(本公開買付けへの応募を含みます。)しない旨を含む退職給付信託契約を締結しており、信託管理人との間で、本公開買付けに応募するよう指図しないことを合意しているとのことです。なお、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合には、速やかに、公開買付者退職給付信託に拠出している当社普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)の全てについて無償交付を受ける予定です。

 

4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

氏名

役職名

所有株式数(株)

議決権の数(個)

牛島 祐之

代表取締役執行役員会長兼CEO

37,800(-)

378

大野 道生

代表取締役執行役員社長兼COO

10,100(10)

101

菊池 惣

取締役執行役員常務兼CDO

5,400(-)

54

芦田 潤司

取締役執行役員常務兼CFO

2,700(-)

27

菅原 弘人

取締役

0(-)

0

伊東 紀子

取締役

0(-)

0

芦澤 美智子

取締役

0(-)

0

吉田 守

取締役

0(-)

0

森本 美紀子

取締役

0(-)

0

大谷 洋平

監査役(常勤)

200(-)

2

伊丹 比呂司

監査役(常勤)

1,600(71)

16

五十畑 亜紀子

監査役

0(-)

0

稲垣 浩二

監査役

0(-)

0

 

57,800(81)

578

 (注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。

 (注2) 所有株式数の( )内の数は、株式累積投資を通じた所有株式数(小数点以下切り捨て)です。

 

5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

 該当事項はありません。

 

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

 該当事項はありません。

 

7【公開買付者に対する質問】

 該当事項はありません。

 

8【公開買付期間の延長請求】

 該当事項はありません。

以 上