(注) 1.第7回新株予約権証券(以下、「本新株予約権」といいます。)については、2024年12月11日付の当社取締役会において発行を決議しております。
2.申込み及び払込みの方法は、本有価証券届出書による届出の効力発生後にEVO FUND(Cayman Islands、代表者:マイケル・ラーチ、リチャード・チゾム)(以下「割当予定先」といいます。)との間で本新株予約権の買取契約(以下、「本買取契約」といいます。)を締結し、払込期日までに上記払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします(以下、本新株予約権の発行並びに本買取契約の締結を総称して「本件」といい、本新株予約権及び株式会社SANKO MARKETING FOODS第1回無担保普通社債(以下、「本社債」といいます。)の発行並びに本新株予約権の行使による資金調達を「本資金調達」又は「本スキーム」といいます。)。
3.本新株予約権の募集は第三者割当の方法によります。割当予定先の状況については、別記「第3 第三者割当の場合の特記事項 1 割当予定先の状況」をご参照ください。
4.新株予約権の目的となる株式の振替機関の名称及び住所
株式会社証券保管振替機構
東京都中央区日本橋兜町7番1号
(注) 1.行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の発行により資金調達をしようとする理由
当社は、下記「(1) 資金調達の目的」に記載のとおりの目的のための資金調達を行う手法として、様々な資金調達方法を比較・検討してまいりましたが、下記「(4) 本スキームの特徴」に記載の本スキームによる資金調達のメリット及びデメリット及び「(5) 他の資金調達方法」に記載のとおり、各種資金調達方法には各々メリット及びデメリットがある中で、「(2) 資金調達方法の概要」に記載した資金調達方法が現在の当社の資金ニーズを満たす最も適切な資金調達手法であることから、本スキームによるデメリットも考慮した上で、総合的に判断し、本スキームを採用することを決定しました。
(1) 資金調達の目的
① 当社のこれまでの経営戦略
当社は、1975年の創業以来、「価値ある食文化の提案」を企業理念として、社会に必要とされる「食ブランド」を創造してまいりました。当社成長のきっかけとなった「東方見聞録」における「個室」の導入、2008年のリーマンショックの中でのお客様の「今」に応える低価格の全品均一(300円以下)の居酒屋業態、日常食業態を拡大した「焼き牛丼」、大型空中階の店舗を縮小しより専門性の高い「目的来店型店舗」など、社会の中で新たに生まれたニーズに適合する新業態の開発や、店舗採算の改善策として、価値と価格のバランスを見極めた販売価格の設定、グランドメニューの見直し、メニューミックスなどにより店舗体験価値向上などの施策でお客様満足を追求するなど既存業態のブラッシュアップを行い、お客様に喜びと感動を提供することを目指して事業を行ってまいりました。
これまで従来にない外食価値を提供する飲食店ブランドを開発・展開してまいりましたが、最近10年程前から顕著な傾向となった宴会需要の低下や若年層のアルコール離れなど、居酒屋市場全体の縮小に対応するため、既存店舗の統廃合に取り組みつつ、お客様の消費行動の変化に目を向け、これまでの総合居酒屋から専門居酒屋への業態開発へシフトするなど、様々な改革を行ってまいりました。しかし、十分な業績の回復には至らず、2020年初頭よりまん延し始めた新型コロナウイルス感染症拡大で外食事業者にとって極めて厳しい経営環境となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の鈍化にともない経済・社会活動の制限が緩和され、個人消費やインバウンド需要の回復等が下支えとなり一時持ち直しの動向がみられましたが、生産年齢人口の減少による人手不足、少子高齢化に伴う労働人口の減少、原材料価格やエネルギー価格の高騰、急激な円安進行による物価高、さらには福島第一原発の処理水問題に端を発する水産物の輸出制限措置が開始される等、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況の中、2024年5月14日公表の「2024年6月期 通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」に記載のとおり、事業再構築の進捗を確実に進めるために、①飲食の既存業態の出店計画を補完する東海エリア9店舗の地位承継に伴うコスト、②国内市場から海外市場へ事業範囲を拡大するためのベトナム事業・貿易事業の事業化コスト、③自社船団であるSANKO船団の形成コスト、④水産6次産業化モデルの中核となる商品開発コスト、⑤水産事業の販売拡大のための販路開拓コストなどが先行して発生したことから、2024年6月期通期連結業績予想の修正を行いました。当社グループの収益力改善を目指した事業取り組みと2024年中の事業進捗の概況は以下のとおりです。
(イ)水産事業の6次産業化モデルの構築
当社グループは、「とる うる つくる 全部、SANKO」をスローガンに、当社グループ独自の事業ポートフォリオの構築を目的として、既存事業とのシナジーを追求した水産事業の6次産業化モデルの構築に取り組んでおります。
2020年に静岡県沼津市を起点にスタートした水産プロジェクトは、沼津・下田で水揚げされた近海物の鮮魚や加工品等を当社飲食直営店舗で提供するだけでなく、法人営業による販路開拓を行うことによって、事業成長の推進力となりました。また、昨年には提携する漁業者からの鮮魚を漁獲、魚種、相場に関わらず一定の価額で全量買取りする「SANKO船団」の取り組みを開始いたしました。2024年3月末日時点で自社船を含めて計5隻を形成し、下田沖の地金目鯛を目玉商品として自社店舗及び新規開拓の取引先等へ販売を行ってまいりました。この取り組みは当初目標の成果をあげる一方、釣果が天候の影響を大きく受けるなど安全操業と安定釣果の運行管理を実施するため、2024年11月末日時点で自社船を含めて計4隻及び定置網漁船との連携など船団形成のブラッシュアップ施策を実施してまいりました。
当社グループは、水産サプライチェーンを構築することを目的として、2021年11月に水産仲卸の株式会社SANKO海商(静岡県浜松市)、2022年7月に豊洲市場で7社しかない水産物卸売会社(大卸)である綜合食品株式会社(東京都江東区)を子会社化いたしました。当社グループの船団や産地とのつながりによる水産物の調達力を活かすため、国内・海外へ対応したHACCP認証や最新設備の導入など加工場へ投資を行うことで、商品開発・販売体制を整備し水産6次産業化の構築を進めております。加工体制につきましては、従来から導入する瞬間凍結機による高鮮度・高品質な生産に加え、2024年9月から優秀な海外人材を自社工場に配置するなど加工能力を増強し24時間生産体制の準備を進めております。販売体制につきましては、豊洲市場に加えて2023年末頃より取り組み始めた東京都中央卸売市場大田市場(東京都大田区)の仲卸し業者と連携した物流・販売体制の構築が2024年中に着実に進んでおります。さらに、2024年7月に千葉市地方卸売市場の仲卸である株式会社津田食品(千葉県千葉市)と資本業務提携契約を締結いたしました。この資本業務提携により、当社グループの沼津・下田・浜松・豊洲の水産商品を中心とした既存の調達リソース及び各所飲食店・小売店の販路に、同社が持つ千葉エリア他の販路・物流機能が加わり、水産資源の付加価値を高める加工・流通部の強化が進みました。また、水産物の最終消費者との接点として、2023年4月に鮮魚小売店「漁港産直 積極魚食『サカナタベタイ』」(千葉県市川市 MEGAドン・キホーテ本八幡店内)、2024年2月に「炙り屋 せん」(東京都江東区、豊洲市場隣接「豊洲千客万来」内)の運営を開始しております。2024年8月には水産6次化店舗の具現化業態としてまぐろ焼肉・まぐろ専門店「マグロ*リスペクト」を出店いたしました。当店舗は、「まぐろの海商(SANKO海商)の目利き」、「産地との結びつきのある綜合食品」、「SMF沼津加工場での加工」といった、漁獲~加工~流通~販売までを自社で行うグループシナジーを最大限活用した「マグロ専門店」であり、店舗へは原材料価格を抑え、お客様へは付加価値のある希少部位や本マグロ・ミナミマグロ・バチマグロなど多種のマグロを提供しております。さらに、2024年9月にとれたて鮮魚と炊きたてご飯の店「魚と野菜と土鍋ごはん 吉今」を出店いたしました。これらの店舗は、SANKO船団が漁獲する朝獲れ鮮魚(船直便)や豊洲大卸の綜合食品及び浜松仲卸のSANKO海商といったグループ会社の仕入力を最大限に活かした新業態の店舗であります。
当社グループは、これからも全国の産地に入り込み、地域の皆様(地元漁師や漁協その他水産事業者、地方自治体等)と共に地域ビジネスの創出に取り組み、これまで飲食事業で蓄積した3次産業のノウハウを活かした「売れるものを創る」ことで、水産事業の6次産業化モデルの構築を引き続き進めてまいります。
当社は、当社グループのサステナビリティ基本方針に沿った持続的な成長と、中長期的な企業価値の向上を果たすべく、「生産者とともに歩む『産地活性化プラットフォーマー』」を目指してまいります。
(ロ)店舗事業における収益基盤の再構築
テレワークの定着や外出自粛等の影響から、お客様の消費行動の中心は都市部から郊外に分散されつつあり、この傾向は今後も続くものと想定されます。これまでの串焼きやおでん、煮込み料理を中心とした大衆酒場「アカマル屋」のほか、当社グループシナジーを最大化し、かつ、お客様に還元するための新業態として、「アカマル屋鮮魚店」を開発いたしました。「アカマル屋鮮魚店」は鮮魚店併設型の大衆酒場であり、「SANKO船団」の下田や沼津からの朝獲れ鮮魚や浜松のSANKO海商、豊洲の綜合食品と連携したまぐろの解体ショーの実施など連日お客様で賑わう新しいコンセプトの大衆酒場であります。これら「アカマル屋」のビジネスモデルは、高効率かつ高収益モデルのブランドであり、今後、商圏及び立地条件を見極めたうえで積極的に出店してまいります。
下表のとおり飲食既存店はアフターコロナ以降も順調に売上が伸長しております。当社の成長戦略は、コロナ禍において戦略的に撤退した飲食店舗の売上高を補完することであり、水産サプライチェーンの構築とともに、これを最大活用した店舗出店が達成されることで、会社の業績回復に寄与するものと認識し、2024年2月「アカマル屋 野方店」、2024年5月「アカマル屋 ひばりヶ丘店」、2024年10月「アカマル屋 小岩店」の3店舗を出店いたしました。
なお、大型商業施設内フードコート等で飲食店9店舗を承継し運営を開始した東海エリアでは、運営開始に際して地位承継時に一時的な出店経費が発生しましたが、水産6次産業化による独自の強みを活かし、新メニューを2024年7月より全店へ順次展開し、モデルチェンジとリニューアルを完了いたしました。新メニューは、マグロ一筋40年のSANKO海商の目利きが仕入れ、職人が加工するマグロや鮮魚をメインにした丼や、自社船を含むSANKO船団が漁獲する魚と豊洲の大卸・綜合食品の仕入力を最大活用した海鮮をふんだんに活用し、さらに、規格外、船上及び産地加工における商品化処理の労働力不足、水揚げ量がまとまらない、知名度の低い魚が弾かれる日本の流通システムなど様々な要因で廃棄されている未利用・低利用魚を活用しております。また、大きな固定投資を伴わない受託事業では、水産物・農作物の国内生産を維持するための「産地活性化プラットフォーマー」につながる官公庁食堂群を中心とした出店を行ってまいりますが、2024年5月に九段第二合同庁舎(東京都千代田区)内地下一階に「東京チカラめし」、同年同月に東京大学医学部附属病院(東京都文京区)の職員食堂「あふ東大病院食堂」を出店いたしました。さらに、これまでの農林水産省をはじめとする官公庁等の食堂受託事業を通じ、日本の1次産業の活性化の一助となるべく、産地や行政の取り組みの広報活動を展開してきた実績をさらに発展させるため、2024年9月に全国各地の産地直送食材を使用したメニューを提供するテラスレストラン「新宿三丁目テラス」を出店いたしました。「東京チカラめし」につきましては、ブランド力を活かしてアジア地域を中心にライセンス契約獲得に引き続き取り組んでまいります。
(ハ) コストの削減
全社的な取り組みとして、引き続きコストの見直し及び削減を進めております。円安等による物価高が定着し原価及び経費の削減が難しい環境ではありますが、主な取り組みといたしましては、営業部門経費は主に節水コマの取り付けによる店舗の水道光熱費、購入方法の見直しによる消耗品費などの削減を進め、間接部門経費は出張交通費の見直しによる旅費交通費、費用対効果の精査を実施した支払手数料、支払報酬などの削減を実施する等のコスト削減策を引き続き講じております。
② 2022年12月15日公表のEVO FUNDに対する第三者割当による第1回新株予約権付社債及び第5回新株予約権の発行
2022年12月15日当時、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、外出自粛等による来店客数の減少によって当社飲食店舗は大幅に売上高が減少しており、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼしている状況のなか、手元流動性が低下しており、安定的な財務基盤の構築のための運転資金が不足している状況でした。また、経営の安定化を図りながら成長軌道を描くためには、まずコロナ禍においても採算性の高い既存店舗事業である「アカマル屋」及び「アカマル屋鮮魚店」へ資源を集中させながら、新規事業である水産の6次産業化のプラットフォーム構築を早期に構築することが必要でした。
そこで当社は、2022年12月15日に関東財務局長に提出した有価証券届出書(同月16日に訂正届出書を提出)に記載のとおり、財務基盤の安定と成長戦略への投資資金を確保すべく、EVO FUNDに対し、第三者割当による第1回新株予約権付社債(転換価額修正条項付)及び第5回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行並びに第1回新株予約権付社債及び第5回新株予約権の買取契約の締結を当社取締役会において決議し、2023年1月4日、第1回新株予約権付社債(転換価額修正条項付)及び第5回新株予約権(行使価額修正条項付)を発行しました(以下、これらの発行を個別に又は総称して「2023年1月発行」といいます。)。2023年1月発行は、2022年12月15日付取締役会決議時点では、以下の資金使途と支出予定時期を意図して調達したものでありますが、第1回新株予約権付社債については予定通り調達・充当し、2023年5月8日に全ての転換が完了いたしました。第5回新株予約権につきましては、2023年5月8日から2024年1月15日をもって行使が全て完了いたしました。当初予定の資金調達額1,055百万円(当初行使価額211.5円による払込金額を基に算定)ですが、実際の資金調達額は719百万円となりました。これは第5回新株予約権の行使価額が修正条項付であり、実際の新株予約権の各行使請求による行使価額は行使請求日の直前取引日の終値の90%に相当する金額に修正される設計に基づき、2023年1月発行以降の当社株価推移に応じて第5回新株予約権の行使が行われたためです。実際の資金調達額のうち195百万円は当初支出予定の資金使途に充当する目的で手元資金残高に保管しております。この結果、当初予定の資金使途の未充当額(当初調達予定額での充当予定額-実際調達額に基づく充当額の差額)335百万円が発生しております。
(第1回新株予約権付社債の発行による調達資金)
(第5回新株予約権の発行及び行使による調達資金)
(2023年1月発行の資金充当状況)
(注) 「本日現在の充当額」のほかに195百万円は当初支出予定の資金使途に充当する目的で手元資金残高に保管しております。
③ 2023年5月24日公表の株式会社TFLに対する第三者割当による新株式の発行
2023年に入ってから特に顕著になった新型コロナウイルス感染症の感染者数の減少や、2023年5月8日に新型コロナウイルス感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づく位置付けが5類感染症に移行したことなどによって消費者やインバウンドの活動は活発になり、当社のアカマル屋ほか飲食事業は順調な業績推移を示しております。飲食事業の業績回復に伴いアフターコロナの新生活様式により適応した店舗構成とするため追加閉店を実施いたしました。また、水産の6次産業化の事業領域については、漁業は下田漁港(静岡県下田市)を母港とする自社船(19トン)の本格操業開始に伴い漁業部を新設、水産卸売事業は当社独自の水産商品開発を強化するためにグループ商品部を新設、小売業等は水産小売事業部を新設し2023年4月新業態の鮮魚店「漁港直送 積極魚食 サカナタベタイ MEGA ドン・キホーテ本八幡店」(千葉県市川市)を開店し、水産の6次産業化について追加の開業費用が発生しました。さらに中食事業及びEC通販事業など計画に対して進捗が遅れている部門は、各施策の見直しを行い、経営資源の効率的運用の観点から弁当の製造受託事業から撤退することといたしました。この結果、手元資金が減少し運転資金が不足する見通しとしました。迅速に資金を調達する必要があるものの、当社の財務状況では銀行借入等の負債性の調達は当社が必要としている金額を確実かつ迅速に行えるとの見込みがない一方、当社取締役会長が取締役を務める資産管理会社である株式会社TLFから資金拠出の申し出がなされ、当社が必要としている金額を確実かつ迅速に調達することができることから、第三者割当による新株式の発行に至りました。
そこで当社は、2023年5月24日に関東財務局長に提出した有価証券届出書に記載のとおり、財務基盤の安定のための運転資金を確保すべく、株式会社TLF(所在地 東京都中央区銀座六丁目6番1号)に対し、第三者割当による新株式の発行(これら発行を以下「2023年5月発行」といいます。)を当社取締役会において決議しました。2023年5月発行は、取締役会決議時点では、以下の資金使途と支出予定時期を意図して調達したものでありますが、予定通り調達・充当いたしました。
(新株式発行による調達資金)
(2023年5月発行の資金充当状況)
④ 2024年3月27日公表のEVO FUNDに対する第三者割当による第2回新株予約権付社債及び第6回新株予約権の発行
2024年3月27日当時、新型コロナウイルス感染症拡大の鈍化にともない経済・社会活動の制限が緩和され、個人消費やインバウンド需要の回復等が下支えとなり一時持ち直しの動向がみられました。しかしながら、少子高齢化に伴う労働人口の減少、原材料価格やエネルギー価格の高騰、急激な円安進行による物価高、さらには福島第一原発の処理水問題に端を発する水産物の輸出制限措置が開始される等依然として先行き不透明な状況のなか、手元流動性が低下しており、安定的な財務基盤の構築のための運転資金が不足している状況でした。また、経営の安定化を図りながら成長軌道を描くためには、まずコロナ禍においても採算性の高い既存店舗事業である「アカマル屋」及び「アカマル屋鮮魚店」へ資源を集中させることで安定的な黒字化で財務基盤を構築し、さらに、持続的な成長のために水産6次産業化を迅速に構築するため「産地活性化プラットフォーマー」として一次産業・二次産業・三次産業のそれぞれで成長投資の実行が必要でした。
そこで当社は、2024年3月27日に関東財務局長に提出した有価証券届出書(同月28日に訂正届出書を提出)に記載のとおり、財務基盤の安定と成長戦略への投資資金を確保すべく、EVO FUNDに対し、第三者割当による第2回新株予約権付社債(転換価額修正条項付)及び第6回新株予約権(行使価額 修正条項付)の発行並びに第2回新株予約権付社債及び第6回新株予約権の買取契約の締結を当社取締役会において決議し、2024年4月12日、第2回新株予約権付社債(転換価額修正条項付)及び第6回新株予約権(行使価額修正条項付)を発行しました(以下、これらの発行を個別に又は総称して「2024年4月発行」といいます。)。2024年4月発行は、2024年3月27日付取締役会決議時点では、以下の資金使途と支出予定時期を意図して調達したものでありますが、第2回新株予約権付社債については予定通り調達・充当し、2024年9月13日に全ての転換が完了いたしました。第6回新株予約権につきましては、2024年4月15日から行使が始まり2024年12月10日までに行使された新株予約権数は13,800個、未行使新株予約権数は16,200個となっております。当初予定の資金調達額489百万円(当初行使価額164.3円による払込金額を基に算定)ですが、2024年12月10日までの資金調達額は159百万円となりました。第6回新株予約権の行使期間は2024年4月15日から2026年12月14日までであり、実際の資金調達額のうち155百万円は当初支出予定の資金使途に充当されており、また、実際の資金調達額のうち4百万円は当初支出予定の資金使途に充当する目的で手元資金残高に保管しております。この結果、当初予定の資金使途の未充当334百万円が発生しております。また、EVO FUNDが第6回新株予約権の発行日翌取引日以降、原則として30ヶ月以内に、一定の条件のもと第6回新株予約権の全てを行使する行使コミット条項を規定する買取契約をEVO FUNDとの間で締結しておりますため、未行使分は今後行使がされる予定です。
(第2回新株予約権付社債の発行による調達資金)
(第6回新株予約権の発行及び行使による調達資金)
(2024年4月発行の資金充当状況)
(注) 「本日現在の充当額」のほかに4百万円は当初支出予定の資金使途に充当する目的で手元資金残高に保管しております。
⑤ 財務基盤の安定と成長戦略並びに資金調達の内容
当社グループは、2020年2月下旬から始まったコロナ禍の中、当時の主力事業であった大型居酒屋店舗を一気に閉店するとともに、「アカマル屋鮮魚店」等の新業態を開発し、官公庁等の食堂運営受託を開始いたしました。また、静岡県沼津の漁業協同組合の一員として水産業の現場に入ったことを機縁として、浜松市の水産仲卸である「SANKO 海商」、東京は豊洲の水産大卸である「綜合食品」が当社グループに加わったことから、「水産×飲食の両軸経営」を標榜し、事業構造の改革に取り組んでまいりました。これらの事業構造改革が一つの形となるに至り、新たに「とる うる つくる 全部、SANKO」をスローガンとし、自らが漁船を持つ漁業者として魚を獲り(とる)、低利用漁や未利用魚、廃棄部位等を活用した独自の商品開発を推進することで魚の価値を最大化し(加工=つくる)、飲食・小売事業者として魚を販売する(うる)ことで、「産地活性化プラットフォーマー」として、オンリーワンのビジネスモデルを展開し、新たな市場を開拓(市場の創造=つくる)してまいります。
一方で当社の状況は、前事業年度まで7期連続の営業損失を計上、2022年6月期より連結財務諸表を作成、前連結会計年度まで3期連続の営業損失を計上しております。2024年11月14日に公表した2025年6月期第1四半期連結累計期間(2024年7月1日~2024年9月30日)の連結経営成績は、売上高は23億61百万円(前年同期比5.7%増加)、営業損失は1億74百万円(前年同期は営業損失1億34百万円)、経常損失は1億40百万円(前年同期は経常損失1億35百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億44百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1億42百万円)となりました。また、2025年6月期第1四半期連結会計期間末(2024年9月30日)の連結財政状態は、現金及び預金3億34百万円、純資産3億5百万円、自己資本比率13.1%となりました。安定的な事業の継続のためには、売上規模及び季節的変動要因のある資金需給を反映した資金繰りに基づく手元資金の確保及び財務体質の健全化が必要な状況となっております。
当社グループは、飲食事業で培った強みを活かして水産の産地に入り、生産者とともに歩む「産地活性化プラットフォーマー」として取り組んだ結果、飲食事業はコロナ禍の影響が漸次的に薄れ、緩やかに売上が回復し、事業ユニットとして黒字転換を果たしました。水産事業は売上の拡大基調が定着し、グループシナジー効果を最大限に追求することで収益の確保を目指しています。当社の経営上の課題は、コロナ禍において戦略的に撤退した飲食店舗の売上高を補完することであり、水産サプライチェーンの構築とともに、これを最大活用した「アカマル屋鮮魚店」等の店舗出店が達成されることで、会社の業績回復に寄与するものであると認識しております。企業理念である「価値ある食文化の提案」を具現化し、持続的成長且つ安定的な収益構造を実現するため以下の成長戦略を進めてまいります。
水産事業においては、2023年9月に下田の漁業者から、漁獲、魚種、相場に関わらず全量買取りする「SANKO船団」の取り組みを開始、自社専用船とともに朝獲れの新鮮な魚介類を、当社直営店舗に多段階流通を経ずに卸す試みを始め、今後は、「SANKO船団」の輪を日本全国の漁業者に広げてまいります。また、SANKO船団の釣果を最大活用するため、国内・海外へ対応したHACCP認証や最新設備の導入など加工場への投資を行い、原材料価格を抑えながら希少部位や高鮮度・高品質の商品を自社店舗だけでなく外販拡大できる商品開発・供給体制を整備します。また、水産卸売り業における輸出取引は、日本独自の希少食材をベトナムの合弁事業(日本食レストランを2025年春頃に運営開始)へ供給するほか、円安を背景として既に取り組み実績を出している米国・EU圏内への輸出に注力し、当社グループの水産資源の国内調達力とこれまで培ってきた飲食事業のノウハウを組み合わせて海外市場開拓を積極的に取り組んでまいります。
飲食事業においては、業績回復が著しい「アカマル屋」が既存店2019年(コロナ前)同月対比で100%を超え続けるなど、コロナ禍で変化したお客様ニーズにマッチするブランドとして成長を続けております。また、「アカマル屋」はこれまで串焼きやおでん、煮込み料理を中心とした大衆酒場でお客様から好評を博しておりましたが、水産の6次産業化を目指す当社グループのシナジー効果を最大化するため、「アカマル屋鮮魚店」を開発いたしました。「アカマル屋鮮魚店」は鮮魚店併設型の大衆酒場であり、「SANKO 船団」からの朝獲れ鮮魚やSANKO海商(浜松)、綜合食品(豊洲)と連携した商品提供を行っております。同店では、まぐろの解体ショーを定期的に実施するなど、連日お客様で賑わう新しいコンセプトの大衆酒場であります。SANKO船団の取り組みにより、魚価の高騰に関わらず、原価の抑制を実現するとともに、魚本来の価値を伝えることで、お客様満足ならびに漁業者の生活の安定と向上の両方を達成するブランドとして育成しております。店舗採算の改善策として、価値と価格のバランスを見極め、原材料価格等の高騰を吸収する販売価格の適正化を行います。店舗ごとの需給のバランスを考慮したうえで個店ごとに判断し、一律値上げは実施しません。原材料価格等の高騰を受けた価格改定だけでなくメニューミックスやワンモアドリンクの取り組みを行い、店舗体験価値の向上策を同時に実施します。このような施策でお客様満足を維持したまま、より収益性の高い店舗作りを進めてまいります。新規出店については、「アカマル屋」及び「アカマル屋鮮魚店」は、投資効率の高いブランドであり、引き続きブランドの磨き上げを行い、商圏及び立地条件を見極め人財の成長に合わせた出店を行います。また、2023年4月に出店した鮮魚小売店「サカナタベタイ」(千葉県市川市)では、希少部位・未利用魚など無駄なく活用し提案するお店づくりのノウハウ蓄積、2023年12月より東海エリアの大型商業施設内フードコート等で産地直送の朝獲れ鮮魚、魚介料理を提供する飲食9店舗を承継しドミナント化と効率運営のノウハウを確立、2024年2月に生でも食べられるサーモンや本鮪を使用した炙り、店内で削る0.01㎜のとろける鰹節と天ぷら出汁をかけていただく出汁天ぷら串など、魚をより身近に手軽に食べていただけるメニューを提供する「炙り屋 せん」(東京都江東区、豊洲市場隣接「豊洲千客万来」内)、並びに2024年8月に出店したマグロの希少部位を焼いて味わう“まぐろ焼肉”が看板メニューのまぐろ専門店「マグロ*リスペクト」の新業態など、6次産業化のグループシナジーを最大限に活用した出店を引き続き検討してまいります。
水産・飲食の6次産業化を補完する事業として、新規事業への取り組みを強化してまいります。コロナ禍をきっかけに飲食店向けトータルサポート事業として若手飲食店店長らが中心となって始めた除菌・清掃等の定期契約主体の安定した清掃事業を、飲食事業で培った接客力と店内清掃の知恵と知識を活かし、既存顧客へ関連サービスの提案と新規顧客の獲得に注力し業容拡大を図ってまいります。さらに、SANKOグループの人材獲得策として取り組んでいる海外の優秀な人材募集・採用・育成のノウハウを、サービス業、医療・福祉事業、卸売業ほか人手不足が深刻な事業会社へ海外人財の紹介事業として、将来性の高い事業領域として取り組んでまいります。
当社グループは係る状況のなか、以下の(イ)資金繰りに基づく運転資金の確保、(ロ)第1回無担保普通社債の償還(発行予定分)、(ハ)水産6次産業化を迅速に構築するための成長投資を実行するため、今回の追加調達が必要となっております。
(イ)資金繰りに基づく運転資金の確保
現在の当社グループの資金の状況は、新規出店コスト、業態転換コスト、SANKO船団の形成コスト、承継した東海エリアのモデルチェンジコスト及び他事業転換コストが先行して発生し事業構造の改革による収支改善が計画より遅れている影響で営業損失を継続して計上しており、この収支改善がさらに遅れる時は2025年中に手元の資金で安定的な事業が困難な状況になることが想定されます。また、経常損失が続いている中で金融機関による必要十分な融資を得ることが困難であることが予想され、また、仮に新規の融資を得られたとしても、有利子負債を増加させ自己資本比率を低下させることは安定した継続的な経営の観点から望ましくないため、資本性資金により確保することといたしました。
(ロ)第1回無担保普通社債の償還(発行予定分)
第1回無担保普通社債の発行を2024年12月30日に予定し、償還期限が2025年12月30日であることから、第7回新株予約権の行使により調達した資金をその償還に充当する予定です。第1回無担保普通社債により調達する予定の2億円により、早期に手元の運転資金を確保することで資金繰りを万全な状況といたします。
(ハ)水産6次産業化を迅速に構築するための成長投資
当社はこれまでの飲食事業にとどまらず、自身が産地に入り、生産者とともに歩む「産地活性化プラットフォーマー」として、企業理念である「価値ある食文化の提案」を発展的に具現化するSDGsを踏まえた持続的な成長を実現する水産6次産業化を迅速に構築するために、出口戦略として水産物の最終消費者との接点となる流通・拠点作りを積極的に進めてまいりました。水産事業に取り組んだ2020年から約4年が経過し微力ながら水産事業の発展に貢献した部分もあると自負する一方、ゼロから始めた取り組みは試行錯誤の繰り返しであったため、これまでの取り組み成果と今後打つべき手など水産6次産業化の進め方の検証を逐次行ってまいりました。この結果、水産6次産業化を迅速に構築するためのブラッシュアップ費用の資金調達を行います。今後より一層の日本の漁業・水産事業が持続可能となる流通プラットフォームの構築に努めてまいります。
以上のとおり、当社は、収益力の向上と安定した事業基盤を確保することを目的として、本資金調達により足元の運転資金に充てるとともに、既存店舗事業へ資源集中させ、水産6次産業化へ向けた流通プラットフォーム構築の整備に充当する予定であり、これにより、当社の持続的な成長が可能になるものと考えております。このような背景のもと、当社は、手元に必要な資金を迅速に調達し、さらに、一定期間において追加的な資金調達が可能となる、本社債及び本新株予約権を発行することといたしました。
(2) 資金調達方法の概要
当社は、資金調達の検討を進めるなかで、間接金融による調達の状況及び見通し、当社の財務状況、今後の事業展開等を勘案し、直接金融で調達できる方法を検討してまいりました。当該検討の過程で、下記「(5) 他の資金調達方法」に記載の各項目及び他の手段との比較を行い、また、「(4) 本スキームの特徴」に記載の[メリット]及び[デメリット]を総合的に勘案した結果、割当予定先からの提案である第三者割当による本新株予約権及び本社債の発行による資金調達を採用することといたしました。本スキームの特徴として、本新株予約権の発行と並行して、割当予定先に対して本社債を発行することで、本新株予約権の行使を待たずに当社が一定の資金を調達し、本新株予約権の行使による払込代金により、資本調達及び社債の償還を行う仕組みとなっております。本新株予約権、本社債の概要は以下のとおりです。
<本新株予約権>
当社は、本新株予約権について、割当予定先であるEVO FUNDとの間で、本新株予約権の募集に係る有価証券届出書による届出の効力発生後に本買取契約を締結する予定ですが、同契約に記載される内容を含め、本新株予約権の特徴は以下のとおりです。
① 本新株予約権1個当たりの目的となる当社普通株式の数は100株と固定されており、本新株予約権の目的となる株式の総数は7,090,000株です。
② 本新株予約権者はその裁量により本新株予約権を行使できます。
③ 本新株予約権の行使価額は、当初121.6円ですが、最初の修正日である2024年12月30日に初回の修正がなされ、以後、各修正日に、修正後行使価額に修正されます。修正後行使価額の算出に際しましては、割当予定先と議論を行った上で、同種の資金調達案件との条件比較から、割当予定先の投資家としての収益確保のためにディスカウント率を5%として計算することとしました。但し、当該金額が本新株予約権に係る下限行使価額を下回る場合には当該下限行使価額が修正後行使価額となります。
④ 下限行使価額は、発行決議日の直前取引日の取引所における当社普通株式の普通取引終値の50%の0.1円未満の端数を切り上げた金額である64円としましたが、本新株予約権の発行要項第11項の定める行使価額の調整の規定を準用して調整されます。下限行使価額の水準については、割当予定先の投資家としての収益確保と、当社として資金調達額の最大化を図るという要素を割当予定先と当社間で議論の上決定したものであります。
⑤ 本新株予約権の行使期間は、割当日の翌取引日である2024年12月30日から2027年12月30日までの3年間です。
<本社債>
また、当社は、本新株予約権の発行日の翌営業日に割当予定先であるEVO FUNDに対して、契約上で規定されている標準的な前提条件の充足を条件として、以下「本社債の概要」記載の内容にて発行価額総額最大200,000,000円の社債(本社債)を発行することを予定しております。本新株予約権の行使による払込金額は、本社債の未償還額が残存する限り、概ね本社債の償還に用いられる見込みです。本新株予約権は、将来の当社普通株式の株価の動向次第では行使がされない場合もあり、その場合は本新株予約権の行使による資金調達ができなくなるか、又は当初の想定調達額を下回る可能性があります。しかしながら、本社債の発行により、本新株予約権の行使を待たずに一定の金額の資金調達が証券の発行時に可能となり、当社の手元資金の流動性の厚みも増すことから、本新株予約権の発行日の翌営業日に本社債を発行することを決議いたしました。
<本社債の概要>
(3) 資金調達方法の選択理由
上記「(1) 資金調達の目的」に記載した資金使途の目的に適う資金調達の方法を検討していましたが、2024年10月頃、EVOLUTION JAPAN証券株式会社(東京都千代田区紀尾井町4番1号 代表取締役社長 ショーン・ローソン)(以下「EJS」といいます。)から、本新株予約権及び本社債の発行による資金調達手法である本スキームの提案を受けました。同社より提案を受けた本スキームは、本社債によって早期に必要な資金の調達が一部確約されていることに加え、本新株予約権により手元で必要な資金を高い蓋然性をもって調達できる一方で、株価に対する一時的な影響を抑制しつつ資金調達をすることができると考えております。また、全体として、当社の当面の資金需要を満たす資金を相当程度高い蓋然性をもって調達できる設計となっているため、当社のニーズに合致していると考えており、当社の今後の成長にとって最善であると判断しております。また、当社は、下記「(4) 本スキームの特徴」に記載の本スキームのメリット及びデメリット並びに「(5) 他の資金調達方法」に記載の他の資金調達方法について検討し、希薄化による既存株主の不利益を考慮した上で、これらの検討結果として、本スキームが下記「4 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載した各資金使途に必要となる資金を、一定の期間において高い蓋然性にて調達できることから、総合的な判断により本スキームを採用することを決定しました。
本スキームは、修正日に行使価額が修正(5%のディスカウント)されるMSワラント及び無担保社債の組み合わせですが、本新株予約権には下限行使価額が設定されています。また、割当予定先は株券貸借を活用して行使・売却を繰り返して調達を進めていくことが想定されますが、かかる手法は一般的なものであり、調達をスムーズに行うためには必要なことであると判断しております。本スキームの設計上、株価に下落圧力がかかる可能性がございます。当社の状況を鑑みると、資金調達は必要不可欠なものであるため、調達を実施しないことによる資金不足となるリスクを最も避けるべきであり、調達した資金を下記「4 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載した各資金使途に充当する事で、中長期的には既存株主様の利益に資するものであるものと考えております。
(4) 本スキームの特徴
本スキームによる資金調達には、以下のようなメリット及びデメリットがあります。
[メリット]
① 即座の資金調達
本社債の発行により、当社は本社債の払込期日において、当座必要な手元資金の確保が可能となります。また、本社債は無担保であり、当社は下記「4.新規発行による手取金の使途 (2)手取金の使途」に記載の計画に応じて、当該資金を自由に用いることができます。
② 資金調達コストの削減
本新株予約権と本社債の発行を一度に行うことで、それぞれ個別に複数回の決議・発行の手続きを経るよりも、調達に係るコストを削減する事が可能となります。
③ 最大交付株式数の限定
本新株予約権の目的である当社普通株式数は合計7,090,000株で固定されており、株価動向にかかわらず、最大交付株式数が限定されております。そのため、希薄化率が当初予定より増加することはありません。
④ 株価への影響の軽減
本新株予約権には下限行使価額が設定されており、修正後の行使価額が下限行使価額を下回る価額に修正されることはなく、株価が下限行使価額を下回る等の株価低迷の局面において、更なる株価低迷を招き得る当社普通株式の供給が過剰となる事態が回避されるように配慮した設計となっております。
⑤ 株価上昇時の調達額増額
本新株予約権は株価に連動して行使価額が修正されるため、株価が上昇した場合に資金調達額が増額されます。
[デメリット]
① 当初に満額の資金調達ができないこと
新株予約権の特徴として、新株予約権者による権利行使があって初めて、行使価額に行使の対象となる株式数を乗じた金額の資金調達がなされます。そのため、本新株予約権の発行当初に満額の資金調達が行われるわけではありません。
② 株価下落・低迷時に行使が進まない可能性
本新株予約権には下限行使価額が設定されているため、株価水準によっては本新株予約権の行使がなされない可能性があります。
③ 資金調達額の減少
本新株予約権は、株価の下落局面ではその行使価額も下方に修正されるため、下方修正後に行使が行われた場合、資金調達額が予定額を下回る可能性があります。但し、行使価額は下限行使価額を下回ることはありません。
④ 割当予定先が当社普通株式を市場売却することにより当社株価が下落する可能性(本スキーム設計上の下落リスク)
割当予定先であるEVO FUNDの当社普通株式に対する保有方針は短期保有目的であることから、割当予定先が本新株予約権の行使により取得した株式を市場で売却する可能性があります。また、割当予定先は行使により取得した株式又は下記「5.当社の株券の貸借に関する事項について割当予定先と当社の特別利害関係者等との間で締結される予定の取決めの内容」に記載される株式貸借契約に基づいて借り受けた当社株式を売却することにより資金を回収するという行為を繰り返して行うことを予定しています。そのため、かかる当社普通株式の売却により当社株価が下落する可能性があります。
また、本スキームは、修正日に行使価額が修正(5%のディスカウント)されるMSワラント及び無担保社債の組み合わせであり、割当予定先は株券貸借を活用して行使・売却を繰り返して調達を進めていくことが想定されています。そのため、本スキームの設計上、株価に下落圧力がかかる可能性があります。
⑤ 不特定多数の新投資家へのアクセスの限界
第三者割当方式であり、割当予定先のみに対する発行であるため、不特定多数の新投資家から資金調達を募るという点において限界があります。
⑥ エクイティ性証券の発行の制限
当社は、原則として、割当予定先又はEJSによる事前の書面による承諾を得ることなく、本新株予約権が残存している間において、エクイティ性証券の発行等ができないこととされているため、将来的な資金調達方法について制限を受けることとなります。
(5) 他の資金調達方法
① 新株式発行による増資
(a) 公募増資
公募増資による新株発行は、一度に資金調達が可能となるものの、時価総額や株式の流動性によって調達金額に限界があり、当社の時価総額や株式の流動性を勘案すると必要額の調達が困難であると考えられます。また、公募増資の場合には検討や準備等にかかる時間も長く、公募増資を実施できるかどうかもその時点での株価動向や市場全体の動向に大きく左右され、一度実施のタイミングを逃すと決算発表や半期報告書及び有価証券報告書の提出期限との関係で最低でも数ヶ月程度は後ろ倒しになることから柔軟性が低く、資金調達の機動性という観点からは今回のスキームの方がメリットが大きいと考えております。さらに、現時点での当社の業績動向や財務状況等に照らした場合には、当社普通株式の引受けを行ってくれる証券会社を見つけることは困難と考えられ、実際にもかかる提案を証券会社からは受けておりません。これらの点を考慮の上、公募増資は今回の資金調達方法として適当ではないと判断いたしました。
(b) 株主割当増資
株主割当増資では、資力等の問題から割当予定先である株主の応募率が不透明であり、また実務上も近時において実施された事例が乏しく、当社としてもどの程度の金額の資金の調達が可能なのかの目処を立てることが非常に困難であります。これらの点を考慮の上、株主割当増資は今回の資金調達方法として適当でないと判断いたしました。
(c) 新株式の第三者割当増資
第三者割当増資による新株式発行は、資金調達が一度に可能となるものの、同時に将来の1株当たり利益の希薄化が即時に生じるため、株価に対して直接的な影響を与える可能性があります。また、現時点では適当な割当先が存在しません。
(d) 包括的新株発行プログラム(“STEP”)
新株の発行を段階的に行うことにより資金を調達できるという意味では、本資金調達と類似しておりますが、STEPにおいては、価額決定日において当社に未公表の重要事実がある場合には決議ができないこと等の柔軟性に欠ける点があります。一方で、本資金調達は割当予定先の裁量により新株予約権が行使されるため、かかる論点がなく、積極的に、業務提携等の重要事実の検討・推進をすることができます。
② 新株予約権無償割当による増資(ライツ・イシュー)
株主全員に新株予約権を無償で割り当てることによる増資、いわゆるライツ・イシューには当社が金融商品取引業者と元引受契約を締結するコミットメント型ライツ・イシューと、当社が金融商品取引業者との元引受契約を締結せず新株予約権の行使は株主の決定に委ねられるノンコミットメント型ライツ・イシューがありますが、コミットメント型ライツ・イシューについては国内で実施された実績が乏しく、資金調達手法としてまだ成熟が進んでいない段階にある一方で、引受手数料等のコストが増大することが予想される点や時価総額や株式の流動性による調達額の限界がある点等、適切な資金調達手段ではない可能性があります。また、ノンコミットメント型ライツ・イシューについては、当社は最近2年間において経常赤字を計上しており、取引所の定める有価証券上場規程に規定される上場基準を満たさないため、実施することができません。以上から、今回の資金調達方法として適当でないと判断いたしました。
③ 借入れ・社債のみによる資金調達
借入れ又は社債のみによる資金調達では、調達額が全額負債となるため、財務健全性がさらに低下し、今後の資金調達の余地が縮小する可能性があることから、今回の資金調達方法として適当ではないと判断いたしました。
2.企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第9項に規定する場合に該当する場合にあっては、同項に規定するデリバティブ取引その他の取引として予定する取引の内容
該当事項はありません。
3.当該行使価額修正条項付新株予約権付社債券等に表示された権利の行使に関する事項について割当予定先との間で締結する予定の取決めの内容
当社は割当予定先との間で、本有価証券届出書による届出の効力発生後に、上記「(注)1.行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の発行により資金調達をしようとする理由 (2)資金調達方法の概要」記載の内容を含む本買取契約を締結する予定です。
4.当社の株券の売買について割当予定先との間で締結する予定の取決めの内容
該当事項はありません。
5.当社の株券の貸借に関する事項について割当予定先と当社の特別利害関係者等との間で締結される予定の取決めの内容
本新株予約権の発行に伴い、当社株主である有限会社神田コンサルティングは、第2回新株予約権付社債及び第6回新株予約権発行に伴い締結した貸株契約の内容を変更し、有限会社神田コンサルティングの割当予定先への貸株を継続する予定とのことです(契約期間:2024年3月27日から本新株予約権の行使期間の満了日の5営業日後まで、貸借株数:1,800,000株、貸借料:年率1.00%、担保:無し)。
割当予定先は、第6回新株予約権及び本新株予約権の行使により取得する当社普通株式の数量の範囲内で、ヘッジ目的で行う売付け以外の目的のために売却その他処分しないものとする旨、上記貸主との貸株契約書にて定めているとのことです。
6.その他投資者の保護を図るために必要な事項
該当事項はありません。
7.本新株予約権の行使請求の方法
(1) 本新株予約権を行使請求しようとする場合は、上表「新株予約権の行使期間」欄記載の行使請求期間中に同「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄記載の行使請求の受付場所に行使請求に必要な事項を通知しなければなりません。
(2) 本新株予約権を行使請求しようとする場合は、上記(1)の行使請求に必要な事項を通知し、かつ、本新株予約権の行使に際して出資の目的とされる金銭の全額を現金にて上表「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄記載の払込取扱場所の当社が指定する口座に振り込むものとします。
(3) 本新株予約権の行使請求の効力は、上表「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄記載の行使請求受付場所に行使請求に必要な事項が全て通知され、かつ当該本新株予約権の行使に際して出資の目的とされる金銭の全額(行使請求に必要な事項の通知と同日付で上表「新株予約権の行使時の払込金額」欄第3項に定める行使価額の修正が行われる場合には、当該修正後の行使価額に基づき算定される金額とします。)が上記(2)の口座に入金された日に発生します。
(4) 本項の規定に基づき、本新株予約権の行使請求が行われた場合、当社は、本新株予約権者に対し、本新株予約権に係る買取契約及び本発行要項に基づき本新株予約権者の本新株予約権の行使請求が可能である場合には、本新株予約権の行使を拒否することができません。
8.本新株予約権に係る株券の交付方法
当社は、行使請求の効力発生後、当該本新株予約権者が指定する振替機関又は口座管理機関における振替口座簿の保有欄に振替株式の増加の記録を行うことにより株式を交付します。なお、当社は本新株予約権に係る新株予約権証券を発行しません。
9.社債、株式等の振替に関する法律の適用等
本新株予約権は、社債、株式等の振替に関する法律に定める振替新株予約権とし、その全部について同法の規定の適用を受けるものとします。また、本新株予約権の取扱いについては、株式会社証券保管振替機構の定める株式等の振替に関する業務規程、同施行規則その他の規則に従うものとします。
該当事項はありません。
(注) 1.上記払込金額の総額は、本新株予約権の払込金額の総額に本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を合算した金額であります。
2.本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額の合計額は、全ての本新株予約権が当初行使価額で行使されたと仮定した場合の金額であります。行使価額が修正又は調整された場合には、本新株予約権の行使に際して出資される財産の額及び差引手取概算額は増加又は減少する可能性があります。また、本新株予約権の権利行使期間内に行使が行われない場合には、本新株予約権の行使に際して出資される財産の額及び差引手取概算額は減少する可能性があります。
3.発行諸費用の概算額の内訳は、本新株予約権の発行に関する弁護士費用、評価算定費用、信用調査の外部委託費用等の合計額であります。
4.発行諸費用の概算額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。
本新株予約権の発行及び割当予定先による本新株予約権の行使によって調達する資金の額は、上記のとおり合計862,257,000円となる予定であり、調達する資金の具体的な使途については、以下のとおり予定しています。
(注) 1.本新株予約権の行使価額は修正又は調整される可能性があり、実際に調達できる資金の額及びその支出時期と現時点において想定している調達資金の額及び支出予定時期との間に差異が生じる可能性があります。調達資金額が大きく不足した場合には、追加での資金調達についても検討し、実施について適切に判断してまいります。なお、上記の資金使途に充当するまでの間、当該資金は銀行預金で保管する予定です。
2.調達資金は①から③の各資金使途の支出予定時期において、①運転資金に優先して充当する予定です。
なお、本社債の発行によって調達する資金の額は、200,000,000円となる予定であり、調達する資金の具体的な使途については、以下のとおり予定しています。
(第1回無担保普通社債の発行による調達資金)
当社は、上記表中に記載のとおり本新株予約権の発行及び割当予定先による本新株予約権の行使によって調達する資金を充当することを予定しておりますが、各資金使途についての詳細は以下のとおりです。
現在の当社グループの資金の状況は、新規出店コスト、業態転換コスト、SANKO船団の形成コスト、承継した東海エリアのモデルチェンジコスト及び他事業転換コストが先行して発生し事業構造の改革による収支改善が計画より遅れている影響で営業損失を継続して計上しており、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を受けております。事業構造の改革は確実に進んでおり、当社グループは事業計画及び資金計画を策定しておりますが、売上規模及び季節的変動要因のある資金需給を反映した資金繰りに対して手元流動性が低下しており、手元資金の確保が必要な状況となっています。当社グループの資金繰りは、飲食業は日銭商売による売上入金が先行するパターンから徐々に電子決済比率が上昇し、また、水産卸売り業は支払い先行・在庫保有のパターンになるなど水産6次産業化が進捗する過程で運転資金が増加し、当社グループの資金繰り構造は大きく変化しております。今後の資金計画は、固定費支出額等を目安として設定した目標手元資金に不足する589百万円を充当します。
上記「① 運転資金」に記載のとおり、早期に手元の資金を確保することで資金繰りを万全な状況にすることが必要となっているため、2024年12月27日に第1回無担保普通社債を発行、2024年12月30日に当該社債により200百万円の資金調達を予定しております。また、第1回無担保普通社債の償還のための返済原資は、第7回新株予約権の発行と行使により調達した資金を充当する予定です。これは、負債である社債の増加は自己資本比率を低下させることから健全な財務体質の構築に望ましくないため、資本性資金により返済原資を確保します。さらに、第1回無担保普通社債の償還期限が2025年12月30日であることから、第7回新株予約権の行使により調達した資金を優先して返済原資に充当し、早期に全額200百万円を償還することで財務体質の健全化を図る予定です。なお、当該社債に係る利息は付されておりません。
当社はこれまでの飲食事業にとどまらず、自身が産地に入り、生産者とともに歩む「産地活性化プラットフォーマー」として、水産6次産業化を迅速に構築することを積極的に進めてまいりました。水産事業に取り組んだ2020年から約4年が経過し、これまでの取り組み成果と今後打つべき手など水産6次産業化の進め方の検証を行った結果、水産6次産業化を迅速に構築するためのブラッシュアップ費用として73百万円を充当します。主な内容は、水産6次産業化を具現化する新業態として出店した店舗の中で、立地・流通、顧客属性などの要因で6次化を表現するために個別に追加投資と時間・経費を要する店舗及び賃貸人との契約期日満了に伴い契約終了を検討している店舗の撤退費用(現状回復費用など)となりますが、引き続き検証内容の精査を行い、水産6次産業化の構築を迅速に進めてまいります。
該当事項はありません。
当社は、割当予定先又はEJSによる事前の書面による承諾を得ることなく(但し、当社が当該承諾について協議を求めた場合には、割当予定先又はEJSは当該協議に応じるものとします。)、本買取契約の締結日に始まり本新株予約権又は本社債が残存している間において、当社普通株式又は当社普通株式に転換若しくは交換できる証券の勧誘、担保提供、発行、売付け、売却契約、購入オプションの付与、購入権の付与、引受権の付与、貸付けその他の移転又は処分を、直接又は間接に行わず、またデット・エクイティ・スワップ等の実行による当社普通株式の発行又は当社普通株式の所有についての経済的結果の全部又は一部を第三者に移転するスワップその他の取決めを行わず、さらに当社の指示により行為するいかなる者をしても上記の各行為を行わせないものとします。但し、上記の制限は、当社が割当予定先又はその関係会社を相手方として上記各行為を行う場合、当社普通株式の株式分割により当社が当社普通株式を発行又は交付する場合、当社が当社普通株式の無償割当を行う場合、会社法第194条第3項に基づく自己株式の売渡し、1年間以上の保有を誓約している当社の資本業務提携先に割り当てる場合、当社のストックオプション制度に基づき当社が当社の新株予約権若しくは当社普通株式を発行若しくは交付する場合、本新株予約権を発行する場合、本新株予約権の行使に基づき当社が当社普通株式を発行又は交付する場合及びその他適用法令により必要となる場合については適用されません。
当社は、本買取契約の締結日に始まり、本新株予約権又は本社債が残存している間において、割当予定先以外の第三者に対して当社普通株式若しくは当社の種類株式又は当社普通株式若しくは当社の種類株式に転換若しくは交換できる証券を発行又は交付しようとする場合には(以下、かかる発行又は交付を「本追加新株式発行等」といいます。)、割当予定先に対して、当該証券の発行又は交付を決議する取締役会の日の3週間前までに、当該証券の発行又は交付に係る主要な条件及び内容(当該証券の種類、価額、数量、払込期日、引受契約の条件、引受予定先の名称・所在地を含むが、これに限られません。以下同じ。)を記載した書面により通知しなければなりません。
割当予定先は、上記の通知を受領した場合、当社に対して、当該通知の受領日(当日を含みません。)から1週間以内に、当該通知に記載された条件及び内容により当該証券を引き受けるか否かを書面にて通知することとし、割当予定先が当該条件と同一の条件により当該証券を引き受ける旨を当社に通知(以下、かかる通知を「応諾通知」といいます。)したときは、当社は、割当予定先に対して当該証券を発行又は交付するものとし、当該第三者に対して当該証券を発行又は交付してはなりません。
当社は、割当予定先からの応諾通知を受領しなかった場合に限り、上記通知により割当予定先に通知された主要な条件及び内容によってのみ、本追加新株式発行等を決議することができます。
なお、前記の定めは、以下に規定する各場合には適用されないものとします。
① 当社の役職員若しくはコンサルタント若しくはアドバイザーを対象とするストックオプションを発行する場合、又は当社普通株式を発行若しくは交付する場合において、当社の取締役会によって適法に承認された資本政策に従っており、かつその発行株式数が本買取契約締結時点における当社の発行済株式総数の5%未満である場合。
② 当社が適用法令に従い開示した書類に記載された、本買取契約の締結日時点で既発行の株式(種類株式等で当社普通株式への転換請求権等を付与されているものを含む。)、新株予約権又は新株予約権付社債等の行使又は転換の場合において、当該行使又は転換が当該書類に記載された条件から変更又は修正されずに、当該条件に従って行われる場合。
③ 上記の他、当社と割当予定先とが、別途先買権の対象外とする旨を書面により合意した場合。
④ 1年間以上の保有を誓約している当社の資本業務提携先に割り当てる場合。
また、当社が本条項に違反した場合には、当社は割当予定先に対して遅滞なく違約金を支払わなければなりません。
(注) 割当予定先の概要の欄は、別途記載のある場合を除き、2024年9月30日現在におけるものです。
当社は、当社の企業価値の向上及び事業の発展のための機動的かつ確実な資金調達方法について、複数検討してまいりました。そのような中で、EJSに資金調達方法を相談した結果、本新株予約権及び本社債による資金調達に関する提案を受けました。当社内において協議・比較検討した結果、本スキームが、本社債により即座に資金を調達できることに加えて、本新株予約権により、当社の必要とする資金を高い蓋然性をもって調達できるとともに、株価に対する一時的な影響を抑制しつつ既存株主への過度な影響を及ぼさずに追加的な資金調達ができる点において、有効な資金調達手段であると判断いたしました。また、「第1 募集要項 1 新規発行新株予約権証券(第7回新株予約権証券) (2) 新株予約権の内容等 (注) 1.行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の発行により資金調達をしようとする理由 (4) 本スキームの特徴」に記載した本スキームのメリット・デメリットを勘案の上、割当予定先と協議した結果、①既存株主の株式価値希薄化への配慮、②過去に実施した資金調達に関する複数の実績をもつことから、本スキームによる資金調達方法が最良の選択肢であるとの結論に至ったため、2024年11月頃に、本新株予約権及び本社債の割当予定先としてEVO FUNDを選定いたしました。
割当予定先は、上場株式への投資を目的として2006年12月に設立されたファンド(ケイマン諸島法に基づく免税有限責任会社)であります。これまでの投資実績として、第三者割当の手法を用いて、割り当てられた新株予約権を行使し、発行会社の資金調達に寄与した案件が複数あります。
割当予定先の関連会社であるEJSが、関連企業の買受けのあっせん業の一環として今回の資金調達のアレンジャー業務を担当しました。EJSは英国領ヴァージン諸島に所在するタイガー・イン・エンタープライズ・リミテッド(Craigmuir Chambers, PO Box 71, Road Town, Tortola VG1110, British Virgin Islands 代表取締役 マイケル・ラーチ、リチャード・チゾム)の100%子会社であります。
(注) 本新株予約権に係る割当は、日本証券業協会会員であるEJSの斡旋を受けて、割当予定先に対して行われるものであり、日本証券業協会の定める「第三者割当増資等の取扱いに関する規則」(自主規制規則)の適用を受けて募集が行われるものです。
割当予定先に割り当てる本新株予約権の目的である株式の総数は、以下のとおりです。
普通株式:7,090,000株
割当予定先であるEVO FUNDは、純投資を目的としており、本新株予約権の行使により取得する当社普通株式を原則として長期間保有する意思を有しておらず、出資者に対する運用責任を遂行する立場から、保有先の株価推移により適宜判断の上、本新株予約権の行使により交付を受けることとなる当社普通株式につきましては、基本的にマーケットへの影響を勘案しながら市場内で売却するものの、ブロックトレード相手が見つかった場合には市場外で直接売却していく方針である旨を口頭にて確認しております。
また、当社と割当予定先は、下記の内容を含む本買取契約を締結する予定です。
ア.当社は、取引所の定める有価証券上場規程第434条第1項及び同施行規則第436条第1項乃至第5項の定めに基づき、原則として、単一暦月中に割当予定先が本新株予約権を行使することにより取得される株式数が、本新株予約権の払込日時点における上場株式数の10%を超える場合には、当社は当該10%を超える部分に係る本新株予約権の行使(以下「制限超過行使」といいます。)を行わせないこと。
イ.割当予定先は、上記所定の適用除外の場合を除き、制限超過行使に該当する本新株予約権の行使を行わないことに同意し、本新株予約権の行使にあたっては、あらかじめ当社に対し、当該本新株予約権の行使が制限超過行使に該当しないかについて確認を行うこと。
ウ.割当予定先は、本新株予約権を譲渡する場合、あらかじめ譲渡先となる者に対して、当社の間で制限超過行使に係る義務を負うことを約束させ、また譲渡先となる者がさらに第三者に譲渡する場合にも当社に対して同様の義務を承継すべき旨を約束させること。
さらに、本買取契約において、本新株予約権の譲渡の際に当社取締役会の承認が必要である旨が定められる予定です。譲渡が行われることとなった場合には、当社の取締役会による承認に先立ち、当社は、譲受先の本人確認、反社会的勢力でないことの確認、払込みに要する資金等の状況の確認、及び譲受先の保有方針の確認を行います。また、譲渡が行われた場合、当社は当該事実を開示いたします。
割当予定先であるEVO FUNDの保有財産の裏付けとなる複数のプライム・ブローカーの2024年10月31日時点における現金・有価証券等の資産から借入れ等の負債を控除した純資産の残高報告書を確認しており、払込期日において本新株予約権の払込金額(発行価額)の総額の払込み及び本新株予約権の行使に要する資金は充分であると判断しております。
なお、本新株予約権の行使にあたっては、割当予定先は、基本的に新株予約権の行使を行い、行使により取得した株式又は上記「第1 募集要項 1 新規発行新株予約権証券(第7回新株予約権証券) (2) 新株予約権の内容等 (注) 5.当社の株券の貸借に関する事項について割当予定先と当社の特別利害関係者等との間で締結される予定の取決めの内容」に記載の株式貸借契約に基づいて借り受けた当社株式を売却することにより資金を回収するという行為を繰り返して行うことが予定されているため、一時に大量の資金が必要になることはないことから、割当予定先は本新株予約権の行使にあたっても十分な資金を有していると判断しております。
また、割当予定先は、現在、当社以外にも複数社の新株予約権を引き受けているものの、上述のとおり、行使及び売却を繰り返して行うことが予定されているため、一時点において必要となる資金は多額ではなく、それらを合算した金額を割当先の純資産残高から控除した上でなお、本新株予約権の払込金額(発行価額)の総額の払込み及び本新株予約権の行使に要する資金としては充分であると判断しております。
当社は、EJSにより紹介された割当予定先並びに間接にその100%を出資しており、かつ役員であるマイケル・ラーチ氏、及び割当予定先の役員であるリチャード・チゾム氏について、反社会的勢力等と何らかの関係を有していないかを、過去の新聞記事やWEB等のメディア掲載情報を検索することにより、割当予定先が反社会的勢力でない旨を確認いたしました。また、割当予定先からは、反社会的勢力との間において一切の関係がない旨の誓約書の提出を受けております。
さらに慎重を期すため、企業調査、信用調査を始めとする各種調査を専門とする第三者調査機関である株式会社東京エス・アール・シー(住所:東京都目黒区上目黒四丁目26番4号、代表者:中村勝彦)に割当予定先並びに直接及び間接の持分を合算してその100%を出資しており、かつ役員であるマイケル・ラーチ氏、及び割当予定先の役員であるリチャード・チゾム氏について調査を依頼しました。そして、同社の保有するデータベースとの照合等による調査を行った結果、2024年11月21日、割当予定先、その出資者及び役員に関する反社会的勢力等の関与事実がない旨の報告書を受領いたしました。
以上から総合的に判断し、当社は割当予定先、その出資者及び役員については、反社会的勢力との関係がないものと判断し、反社会的勢力と関わりがないことの確認書を取引所に提出しております。
本新株予約権には譲渡制限は付されていません。但し、本買取契約において、本新株予約権の譲渡の際に当社取締役会の承認が必要である旨が定められる予定です。
当社は、本新株予約権の発行要項に定められた諸条件を考慮した本新株予約権の評価を第三者算定機関(茄子評価株式会社、代表者:那須川進一、住所:東京都港区麻布十番一丁目2番7号ラフィネ麻布十番701)に依頼しました。当該第三者算定機関と当社及び割当予定先との間には、重要な利害関係はありません。
当該算定機関は、価格算定に使用する価格算定モデルの決定にあたって、ブラック・ショールズ・モデルや二項モデルといった他の価格算定モデルとの比較及び検討を実施した上で、本新株予約権の発行要項及び割当予定先との間で締結する予定の本買取契約に定められたその他の諸条件を相対的に適切に算定結果に反映できる価格算定モデルとして、一般的な価格算定モデルのうちモンテカルロ・シミュレーションを用いて本新株予約権の評価を実施しております。
また、当該算定機関は、当社の株価(128円)、ボラティリティ(2.63%)、予定配当額(0円)、無リスク利子率(0.59%)、割当予定先の権利行使行動等についての一定の前提を想定して評価を実施しています。
当社は、当該算定機関が上記前提条件を基に算定した評価額を参考に、割当予定先との間での協議を経て、本新株予約権1個の払込金額を当該評価額と同額である50円としました。その後の行使価額も、修正日の直前取引日における当社普通株式の普通取引の終値の95%に相当する金額の0.1円未満の端数を切り捨てた額に修正されるものの、その価額は下限行使価額を下回ることはありません。なお、下限行使価額は、発行決議日の直前取引日終値の50%に相当する金額としており、類似の新株予約権の発行例と比べて過度に低い水準となることはないことから、特に不合理な水準ではないと考えております。
また、当社は、本新株予約権の払込金額の決定方法は、既存株主の利益に配慮した合理的な方法であると考えており、当社監査役3名(うち社外監査役3名)全員も、当社取締役会に対して、払込金額を含む本新株予約権の発行条件については、割当予定先に特に有利ではなく、本新株予約権の発行は適法な発行である旨の意見を表明しております。当該意見は、払込金額の算定にあたり、当社及び割当予定先との取引関係のない独立した外部の第三者算定機関である茄子評価株式会社が、当社普通株式の株価及びボラティリティ、予定配当額、無リスク利子率、割当予定先の権利行使行動等の前提条件を考慮して、新株予約権の評価額の算定手法として一般的に用いられているモンテカルロ・シミュレーションを用いて公正価値を算定していることから、当該算定機関の評価結果は合理的な公正価格を示していると考えられ、払込金額も、評価結果として表示された評価額と同額であることを判断の基礎としております。
本新株予約権が全て行使された場合に交付される株式数は7,090,000株(議決権数70,900個)であり、これは2024年12月11日現在の当社発行済株式総数29,192,949株及び議決権数291,824個を分母とする希薄化率としては24.29%(議決権ベースの希薄化率は24.30%)となります。
そのため、本新株予約権の発行により、当社普通株式に一定程度の希薄化が生じることになります。
しかしながら、当社は、本新株予約権による資金調達により調達した資金を上記「第1 募集要項 4 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載した各資金使途に充当する予定であり、これは当社の企業価値の向上を実現し、売上及び利益を向上させるとともに、安定した業績の拡大に寄与するものであって、中長期的な観点から当社の既存株主の皆様の利益に貢献できるものと考えております。また、当社普通株式の過去三年間における1日あたり平均出来高は157,999株であって、行使可能期間において円滑に市場で売却できるだけの十分な流動性を有しております。一方、本新株予約権が全て行使された場合に、交付されることとなる当社普通株式数7,090,000株を、行使期間である3年間(年間取引日数:245日/年営業日で計算)で行使売却するとした場合の1取引日あたりの株数は約9,650株(直近平均三年間平均出来高の約6.11%となるため、株価に与える影響は限定的なものと考えております。したがって、本新株予約権による資金調達に係る当社普通株式の希薄化の規模は、市場に過度の影響を与える規模ではなく、株主価値向上の観点からも合理的であると判断しております。
該当事項はありません。
(注) 1.割当前の「所有株式数」及び「総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、2024年6月30日現在の株主名簿に基づき、2024年7月1日から同年12月11日までに行われた第6回新株予約権の行使により発行された1,370,000株(議決権数13,700個)の増加による変動を加味して記載しております。
2.「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、割当後の所有株式数に係る議決権の数を、2024年6月30日時点の総議決権数(270,516個)に、2024年7月1日から12月11日までに行われた第6回新株予約権の行使により発行された1,370,000株に係る議決権数(13,700個)及び本新株予約権の目的となる株式発行により増加する議決権数(70,900個)を加えた数で除して算出しております。
3.割当前の「総議決権数に対する所有議決権数の割合」及び「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、小数点第3位を四捨五入しております。
4.割当予定先であるEVO FUNDの「割当後の所有株式数」は、割当予定先が本新株予約権の行使により取得する当社普通株式を全て保有した場合の数に割当予定先の2024年12月11日時点における保有株式数を加えた数となります。割当予定先より、本新株予約権の行使により取得する当社普通株式を、当社の企業価値を向上させ、株式価値を向上させることを十分に考慮し、かかる目的の達成状況を踏まえながら、株式を売却することにより利益を得る純投資の方針に基づき保有する旨及び当社の経営に介入する意思や支配株主となる意思はなく、また、当社普通株式を売却する場合には可能な限り市場動向に配慮しながら行うことを口頭にて確認しております。このため、割当予定先が本新株予約権の行使により取得する当社普通株式の長期保有は見込まれない予定です。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
第1 【公開買付け又は株式交付の概要】
該当事項はありません。
第2 【統合財務情報】
該当事項はありません。
第3 【発行者(その関連者)と対象者との重要な契約(発行者(その関連者)と株式交付子会社との重要な契約)】
該当事項はありません。
「第四部 組込情報」に記載の有価証券報告書(第48期、提出日2024年9月27日)の提出日以降、本有価証券届出書提出日(2024年12月11日)までの間において、当該有価証券報告書に記載された「事業等のリスク」について、変更及び追加すべき事項はありません。
また、当該有価証券報告書に記載されている将来に関する事項は、本有価証券届出書提出日(2024年12月11日)現在においても変更の必要はないものと判断しております。
後記「第四部 組込情報」に掲げた有価証券報告書(第48期、提出日2024年9月27日)の提出日以降、本有価証券届出書提出日(2024年12月11日)までの間において、以下の臨時報告書を関東財務局長に提出しております。
(2024年9月30日提出の臨時報告書)
当社は、2024年9月27日の定時株主総会において、決議事項が決議されましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づき、本報告書を提出するものであります。
2024年9月27日
第1号議案 剰余金処分の件
第2号議案 取締役7名選任の件
第3号議案 補欠監査役1名選任の件
(注) 1.出席した株主の議決権の過半数の賛成による。
2.議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数の賛成による。
本総会前日までの事前行使分及び当日出席の一部の株主のうち賛否に関して確認できたものを合計したことにより、決議事項の可決又は否決が明らかになったため、本総会当日出席の株主のうち、賛成、反対及び棄権の確認ができていない議決権数は加算しておりません。
「第四部 組込情報」に記載の第48期有価証券報告書(提出日2024年9月27日)に記載の資本金等は、当該有価証券報告書の提出日(2024年9月27日)以降、本有価証券届出書提出日(2024年12月11日)までの間において、以下のとおり変化しております。
(注) 第6回新株予約権の行使によるものであります。
次に掲げる書類の写しを組み込んでおります。
なお、上記書類は、金融商品取引法第27条の30の2に規定する開示用電子情報処理組織(EDINET)を使用して提出したデータを開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する留意事項について(電子開示手続等ガイドライン)A4-1に基づき本有価証券届出書の添付書類としております。
該当事項はありません。
第1 【保証会社及び連動子会社の最近の財務諸表又は財務書類】
該当事項はありません。