当中間連結会計期間において新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
当中間連結会計期間を顧みますと、世界経済は、インフレ圧力の緩和や賃金の上昇による家計の購買力の改善、半導体をはじめとした財需要の循環的な持ち直しなどを背景に、総じてみれば緩やかに回復しました。
主要地域別に見ますと、米国では、既往の利上げによる金融環境の引き締まりが企業活動や個人消費の重石となったものの、雇用・所得環境の底堅さやインフレ率の低下が個人消費の下支えとなり、緩やかな景気拡大が続きました。また、東南アジア等では、半導体をはじめとしたIT関連財をけん引役に輸出が拡大し、景気は底堅く推移した他、欧州では、中国を中心とした外需の減速が下押しに作用する一方、インフレの落ち着きを背景とした個人消費の増加が押し上げに寄与し、景気は緩やかに持ち直しました。一方、中国では、輸出の拡大がみられたものの、不動産市場の悪化や消費者マインドの冷え込みなどを背景に内需の低迷が続き、景気は減速しました。
わが国の景気は、一部で足踏みがみられましたが、緩やかな回復が続きました。まず、企業部門に関しましては、自動車関連における輸出や生産の弱含みが続きましたが、宿泊・飲食サービス業や小売業などを中心としたインバウンド需要の回復が企業活動の追い風となりました。また、人手不足の深刻化やデジタル化、脱炭素などへの対応が迫られるなか、企業の設備投資意欲も強く、特にソフトウエア投資が堅調に推移しました。家計部門に関しましては、労働需給の逼迫を背景に賃金の伸びが着実に拡大したものの、物価高による節約志向の強まりなどから、個人消費は引き続き伸び悩みました。
わが国の金融資本市場におきましては、日本銀行が3月にマイナス金利政策を解除したことを受け、短期市場金利は0.07%台で推移していましたが、7月末に日本銀行が政策金利を0.25%程度へ引き上げたことを受け、9月末にかけて0.22%台で推移しました。長期市場金利は、日本銀行による追加利上げ観測を背景に7月に一時1.1%近くまで上昇しましたが、円高・株安を受けた日本銀行の早期追加利上げ観測の後退や米国長期金利の低下などから水準を切り下げ、9月末にかけて0.8%台半ばを中心に推移しました。円相場は、7月上旬にかけて、米国での早期利下げ観測の後退を背景に、160円を上回る水準まで円安ドル高が進みました。その後、日本の追加利上げと米国の利下げが意識され、急速に円高が進み、9月半ばには一時140円前後まで円が上昇しました。日経平均株価は、円安の進行や米国株の上昇を受け、7月上旬に一時4万2千円まで上昇し、史上最高値を更新しました。その後、急速な円高や米国景気への懸念の高まりなどから、8月初めに一時3万1千円台まで急落したものの、過度に悲観的な見方が後退したことから、期末には3万8千円を挟む水準で一進一退する動きとなりました。
当中間連結会計期間の連結業務純益は、国内外の預貸金収益の増加に加え、資産運用ビジネスや決済ファイナンスビジネスの好調、国内ホールセールビジネスにおける手数料収入の増加等により、前中間連結会計期間比1,473億円増益の9,182億円となりました。
与信関係費用は、株式会社三井住友銀行におけるコスト発生が低位に留まったこと等により、同164億円減少の839億円となりました。
以上の他、株式等損益が増益となったこと等から、経常利益は同3,212億円増益の1兆305億円となりました。
また、親会社株主に帰属する中間純利益は、同1,987億円増益の7,252億円となりました。
主な項目の分析は、以下のとおりであります。
(単位:億円)
(注)1 減算項目には金額頭部に△を付しております。
2 連結粗利益=資金運用収支+信託報酬+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支
また、連結業務純益の事業部門別の状況は以下のとおりであります。
ホールセール事業部門の連結業務純益は前中間連結会計期間比386億円増益の3,382億円、リテール事業部門は同275億円増益の1,288億円、グローバル事業部門は同115億円増益の2,623億円、市場事業部門は同570億円増益の2,855億円となりました。
(単位:億円)
(注)1 セグメントは内部管理上採用している区分によっております。
2 本社管理等には、内部取引として消去すべきものを含めております。
3 前中間連結会計期間比は、金利・為替影響等を調整しております。
① ホールセール事業部門
株式会社三井住友銀行において、活発なコーポレートアクションを踏まえた資金ニーズ等を捕捉し、貸金収益及び手数料収益が増益となったことや、SMBC日興証券株式会社において株式引受業務が好調に推移したこと等により、連結業務純益は前中間連結会計期間比386億円増益の3,382億円となりました。
② リテール事業部門
決済・コンシューマーファイナンスビジネスにおける買物取扱高及びコンシューマーファイナンス残高の増加や、資産運用ビジネスにおける投資信託や外貨預金等の資産運用残高の積み上げ、円金利上昇に伴う預金の運用収益の増益等により、連結業務純益は前中間連結会計期間比275億円増益の1,288億円となりました。
③ グローバル事業部門
貸出金残高の増加や低採算アセットの削減等に伴うスプレッドの改善等により、貸金収益や貸金関連手数料が増益となったことに加え、マルチフランチャイズ戦略における出資先の増益やSMBC Aviation Capital Limitedの増益等により持分法損益が増益となったことから、連結業務純益は前中間連結会計期間比115億円増益の2,623億円となりました。
④ 市場事業部門
株式会社三井住友銀行において、相場急変時の臨機応変なポートフォリオ運営も奏功し、着実に収益を積み上げたほか、SMBC日興証券株式会社を中心にセールス&トレーディング業務が好調となったことから、連結業務純益は前中間連結会計期間比570億円増益の2,855億円となりました。
(3) 財政状態の分析
貸出金は、前連結会計年度末比1兆9,767億円減少して105兆372億円となりました。
(単位:億円)
(注) 内訳については、各社の単体計数を単純合算して表示しております。
[ご参考]国内・海外別貸出金残高の状況
○業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
また、銀行法及び再生法に基づく債権は以下のとおりであります。
銀行法及び再生法に基づく債権は、前連結会計年度末比1,266億円減少して8,965億円となりました。その結果、不良債権比率は前連結会計年度末比0.08%低下して0.73%となりました。債権区分別では、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が763億円減少して839億円、危険債権が530億円減少して5,096億円、要管理債権が27億円増加して3,030億円となりました。
(単位:億円)
有価証券は、前連結会計年度末比1兆6,917億円増加して38兆8,345億円となりました。
(単位:億円)
(注) 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式が含まれております。
また、有価証券等の評価損益は以下のとおりであります。
(単位:億円)
③ 繰延税金資産(負債)
繰延税金資産は、前連結会計年度末比142億円減少して572億円となりました。また、繰延税金負債は、前連結会計年度末比1,254億円減少して5,732億円となりました。
(単位:億円)
預金は、前連結会計年度末比1兆2,974億円減少して163兆5,419億円となりました。また、譲渡性預金は、前連結会計年度末比1兆3,356億円減少して13兆3,367億円となりました。
(単位:億円)
(注) 1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
純資産の部合計は、14兆8,927億円となりました。このうち株主資本合計は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上や剰余金の配当等の結果、前連結会計年度末比5,102億円増加して11兆1,401億円となりました。また、その他の包括利益累計額合計は、前連結会計年度末比4,150億円減少して3兆6,151億円となりました。
(単位:億円)
なお、詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 (3) 中間連結株主資本等変動計算書」に記載しております。
当中間連結会計期間の資金運用収支は前中間連結会計期間比2,386億円増益の1兆1,264億円、信託報酬は同7億円増益の45億円、役務取引等収支は同697億円増益の7,546億円、特定取引収支は同3,698億円増益の3,046億円、その他業務収支は同4,508億円減益の△1,449億円となりました。
国内・海外別に見ますと、国内の資金運用収支は前中間連結会計期間比2,002億円増益の3,728億円、信託報酬は同7億円増益の45億円、役務取引等収支は同407億円増益の5,572億円、特定取引収支は同4,798億円増益の2,532億円、その他業務収支は同4,117億円減益の△1,664億円となりました。
海外の資金運用収支は前中間連結会計期間比2,078億円増益の1兆949億円、役務取引等収支は同305億円増益の2,078億円、特定取引収支は同1,101億円減益の514億円、その他業務収支は同384億円減益の226億円となりました。
(注)1 「国内」とは、当社、国内銀行連結子会社(海外店を除く)及びその他の国内連結子会社であります。
2 「海外」とは、国内銀行連結子会社の海外店及び在外連結子会社であります。
3 「国内」、「海外」間の内部取引は、「消去又は全社(△)」欄に表示しております。
当中間連結会計期間のキャッシュ・フローは、資金の運用・調達や貸出金・預金の増減等の「営業活動によるキャッシュ・フロー」が前中間連結会計期間対比2兆856億円減少の+3兆3,420億円、有価証券の取得・売却や有形固定資産の取得・売却等の「投資活動によるキャッシュ・フロー」が同2兆7,347億円増加の△1兆6,712億円、劣後調達等の「財務活動によるキャッシュ・フロー」が同4,618億円減少の△1,938億円となりました。
その結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末対比1兆1,537億円増加の67兆5,340億円となりました。
(参考)
自己資本比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースで算出しております。
当社は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては先進的内部格付手法を採用しております。また、マーケット・リスク規制を導入しており、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法を採用しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準」(平成31年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、連結ベースで算出しております。
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