当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や企業の良好な業績が反映され、景気はこれまでの足踏み状態を抜け出し、緩やかに持ち直しました。米国経済は、インフレ圧力の緩和傾向を受けFRBによる4年半年振りの利下げが実施されるなどの動きの中、全体的に強い雇用環境や消費動向などにより底堅く推移しました。中国経済は、足元好調な輸出に伴う若干の改善がみられるも、投資の落ち込みや家計の節約志向に伴う内需の低迷により、景気は停滞しました。
大型原油船(VLCC)につきまして、中国の原油備蓄需要に伴い3月頃から中東で活発な荷動きが続きました。また、西側の米国、ブラジル積み中国揚げトレードによりトンマイルが延び、おおむね市況は好調を維持しました。しかしながら、6月後半頃から中国国内の原油在庫が積み上がり、中国向け成約が減ったことから船腹需給が緩み、市況は弱含んでいます。第2四半期に入ると、夏場の不需要期の影響により今年のWS最低値を更新するなど一時的に下落した局面もありましたが、荷動きのタイミングなどで上昇に転ずる場面もあり、乱高下を繰り返しながらも全体的には底堅い市況展開となりました。
石油製品船につきましては、4月に中国出し北米向けの貨物が多く成約されトンマイルが伸びたことにより市況が上昇しました。その後一時的に軟化傾向となるも、紅海の不安定な情勢及び堅調な貨物需要を背景に市況は堅調に推移しました。第2四半期は中東域やインドで製油所が定期修理に入るなど積み地の生産量が減少したことや、中国をはじめ東アジアでの需要落ち込みにより輸送需要が低下し、市況は軟化しました。
大型LPG船(VLGC)は、アジア、アフリカなどの新興国を中心とした堅調な民生燃料の需要や、パナマ運河の通航制限と紅海の情勢悪化により喜望峰経由の航路を選択したオペレーターが増えたことでトンマイルが延び、船腹需給のタイト感が意識され、好調な市況となりました。第2四半期は荷動きが引き続き堅調ながら、パナマ運河の通航制限がほぼ解消されたことで通航隻数が正常化し、船の余剰感が意識され、また夏場の貨物の不需要期とも重なり、市況は大きく下落しました。
ばら積み船につきましては、第2四半期は南米出し中国向けの穀物輸送需要を背景に全体的に堅調に推移しましたが、その後、南米穀物の出荷が落ち着いたことで船腹需給が緩み、インドネシア炭の出荷が活発だったものの改善には至りませんでした。第2四半期は南米出しの穀物・猛暑による発電用石炭需要が用船市況を下支えしましたが、パナマ運河の通航制限解消が市況にマイナスに働いたため市況は若干軟化しました。
こうした経営環境の中、当社グループは引き続き大型タンカーを中心に長期貸船契約を主体とする事業運営のもと、各船の運航効率の向上と諸経費の節減に全社を挙げて努めました。また、継続的な船隊構成の整備・最適化の観点から第1四半期にLPG船“PAUL”を取得した一方で、VLCC“TOHSHI”を売却しました。これらの結果、当中間連結会計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。
海運業収益は、好条件で傭船契約を更改したことや円安の影響により売上が増加したことなどにより、75億3千4百万円(前年同期比5億5千8百万円増)となりました。営業利益は、円安による船費の増加はありましたが、船舶が大きなトラブルなく順調に稼働したほか、入渠地の変更による修繕費用の削減を図ったこと及びVLCCの耐用年数の見直しにより減価償却費が減少したことなどにより9億3千2百万円(前年同期は3億3千8百万円の営業損失)、経常利益は、7億2千4百万円(前年同期は4億2千2百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、VLCC1隻の売却益を計上したことなどにより、49億円(前年同期は2億9千4百万円の親会社株主に帰属する中間純損失)となりました。
(2)財政状態に関する説明
資産、負債および純資産の状況
当中間連結会計期間末の資産の部は、前連結会計年度末に比べ78億4千3百万円増加し783億7千1百万円となりました。流動資産は、船舶の売却による現金及び預金の増加などにより42億8千6百万円増加し108億9千5百万円となりました。固定資産は、新造船の竣工により船舶が増加したことなどにより35億5千6百万円増加し674億7千6百万円となりました。
負債の部は、借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べ22億4千3百万円増加し534億3百万円となりました。
純資産の部は、利益剰余金の増加などにより前連結会計年度末に比べ56億円増加し249億6千8百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ31億1千6百万円増加し、75億2千3百万円となりました。(前年同期は34億8千4百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の営業活動による資金収支は、減価償却費などによって、20億3百万円の収入となりました。(前年同期は25億2千8百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の投資活動による資金収支は、船舶の建造代金の支払いなどにより6億4千万円の支出となりました。(前年同期は10億2千3百万円の支出)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間の財務活動による資金収支は、借り入れを行ったことなどにより16億8千4百万円の収入となりました。(前年同期は24億5千6百万円の支出)
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)主要な設備
①主要な設備の完了
前連結会計年度末に計画していた重要な設備の新設のうち、当中間連結会計期間に完了したものは次のとおり
であります。
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会社名 |
セグメントの 名称 |
船名 |
総屯数(屯) |
載貨重量屯数 (M/T) |
取得価額 (百万円) |
取得年月 |
|
KYOEI TANKER SINGAPORE PTE.LTD. |
外航海運業 |
PAUL |
18,311 |
19,521 |
6,935 |
2024年4月 |
②主要な設備の売却
当中間連結会計期間に売却した重要な設備は次のとおりであります。
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会社名 |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
前期末帳簿価額 (百万円) |
売却の年月 |
載貨重量屯数 (M/T) |
|
ALLEGIANCE MARITIME S.A. |
外航海運業 |
船舶 |
649 |
2024年4月 |
300,363 |
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。