1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   KDDI株式会社

所在地  東京都新宿区西新宿二丁目3番2号

 

2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式

 

3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1)本公開買付けに関する意見の内容

 当社は、2024年11月7日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしておりました。

 なお、公開買付者は、本公開買付前提条件(下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。以下同じです。)が充足されることを条件として(ただし、本公開買付前提条件の一部又は全部が充足されない場合においても、公開買付者が自らの判断においてこれを放棄し、本公開買付けを実施することは制限されていないとのことです。)、2024年11月下旬を目途に、本公開買付けを開始することを予定していたとのことです。

 このため、当社は、上記取締役会においては、本公開買付けが開始される際に、当社が本公開買付けに関して設置した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)に対して、本特別委員会が2024年11月7日付で当社取締役会に対して提出した答申書(以下「2024年11月7日付答申書」)において表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請すること、及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。

 その後、2024年11月20日、当社は、公開買付者から、本公開買付けの開始の支障となる問題が生じていないこと、2024年11月26日に当社において本公開買付けに関する意見表明に係る取締役会決議が適切かつ有効に行われること、及び同日に公開買付者において本公開買付けの開始に係る意思決定が適切かつ有効に行われることを前提に、本公開買付けを2024年11月27日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

 当社は、本特別委員会から、2024年11月26日付で、2024年11月7日付答申書において表明した意見に変更はない旨の答申書(以下「2024年11月26日付答申書」といいます。2024年11月26日付答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)の提出を受けたことから、当該答申書の内容及び2024年11月7日開催の取締役会以降の当社の業績や市場環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討いたしました。

 その結果、当社は、2024年11月26日時点においても、本取引(下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。以下同じです。)の目的や当該目的を達成する意義や必要性に変わりはなく、そのほかにも2024年11月7日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと考えたことから、2024年11月26日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、当社は、公開買付者に対して、2024年11月26日、同日時点において、未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実又は当社の株券等に対する公開買付け等の実施に関する事実が存在しない旨の報告を行っております。

 なお、上記の両取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。

 

(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由

 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

① 本公開買付けの概要

 公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を9,784,000株(所有割合(注1):31.59%)所有する当社の筆頭株主であり、当社を持分法適用関連会社としているとのことです。

(注1) 「所有割合」とは、当社が2024年11月11日に提出した第18期中半期報告書(以下「当社半期報告書」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の当社の発行済株式総数(31,293,120株)から、当社半期報告書に記載された2024年9月30日現在の当社が所有する自己株式数(ただし、株式給付信託(BBT)の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式(302,800株)(以下「BBT所有株式」といいます。)及び従業員向け株式給付信託(J-ESOP)の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式(485,400株)(以下「J-ESOP所有株式」といいます。)を控除しております。以下、自己株式数の記載において同じです。)(324,870株)を控除した株式数(30,968,250株)(以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の記載において同じです。)をいいます。

 

 公開買付者は、2024年11月7日付「株式会社ラック株式(証券コード:3857)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(以下「2024年11月7日付公開買付者プレスリリース」といいます。)において公表したとおり、2024年11月7日付の取締役会決議により、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定していたとのことです。公開買付者は、2024年11月7日以降、本公開買付けの開始までに特別関係者による当社株式の所有状況の調査、及び公開買付者の金融子会社がその事業の中で当社株式を所有し、又は将来にわたり取得又は譲渡する可能性があることから、法第27条の2第7項第2号に掲げる者に該当しない旨の申出を行うことで、法第27条の5第2号に基づく別途買付け禁止の特例を受けるための対応を行うことを予定していたため、次の(ⅰ)から(ⅸ)の各条件(以下、これらを総称して「本公開買付前提条件」といいます。)が充足されることを条件として(ただし、本公開買付前提条件の一部又は全部が充足されない場合においても、公開買付者が自らの判断においてこれを放棄し、本公開買付けを実施することは制限されておりません。)、2024年11月下旬を目途に、本公開買付けを開始することを予定していたとのことです。

 

(ⅰ)当社の取締役会において、本公開買付けに賛同し、当社の全ての株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見(以下「本賛同意見」といいます。)に関する決議が適法かつ有効に行われ、これが公表され、かつ、本賛同意見が変更又は撤回されていないこと

(ⅱ)当社に設置された本特別委員会が、当社の取締役会に対して、本賛同意見を行うことは相当である旨の答申を行い、これが公表され、かつ、当該答申が変更又は撤回されていないこと

(ⅲ)当社が、当社の表明及び保証(かかる表明及び保証の内容については、下記「(7)公開買付者と当社又は当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「③ 本公開買付契約」をご参照ください。)に重要な点において違反していないこと

(ⅳ)当社が、本公開買付契約(下記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」において定義します。以下同じです。)上の義務に重大な違反をしておらず、かつ、履行又は遵守すべき本公開買付契約上の義務を履行又は遵守することが合理的に見込まれること

(ⅴ)当社グループ(下記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」において定義します。以下同じです。)の事業、財政状態又は経営成績に重大な悪影響を与える事由(ただし、これにより、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を維持することができない程度に当社の企業価値の棄損が生じるもの、及び、当社と公開買付者との間の協業の実施が達成できないものに限ります。)が発生又は判明していないこと

(ⅵ)本取引に関して私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)に基づき必要となる待機期間が満了していること

(ⅶ)本取引の実施が法令等の違反を構成せず、本取引を制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等が存在しないこと

(ⅷ)公開買付者が、本公開買付けの開始日において、法第166条第2項に定める当社に係る業務等に関する重要事実であって、当社が同法第166条第4項に定める公表を行っていないものを認識していないこと

(ⅸ)本公開買付けの撤回の条件とすることができる事項が生じていないこと

 

 この度、公開買付者は、2024年11月26日付で公表した「株式会社ラック株式(証券コード:3857)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」に記載のとおり、2024年11月26日付で本公開買付前提条件が充足されていることが以下のとおり確認されたことから、本公開買付けを2024年11月27日から開始することにしたとのことです。

 

(ⅰ)公開買付者は、当社より、2024年11月26日開催の当社の取締役会において、2024年11月26日現在においても、2024年11月7日時点における本公開買付けに関する意見を変更する要因はないと判断し、改めて、本公開買付けに賛同する旨の意見表明を適法かつ有効に行い、これが公表され、かつ、本賛同意見が変更又は撤回されていない旨の報告を受け、同日、当該決議が実施され、本賛同意見が変更又は撤回されず有効であることを確認したとのことです。

(ⅱ)公開買付者は、2024年11月26日に、当社より、本特別委員会が、同日付で、当社の取締役会に対して、本賛同意見を行うことは相当である旨の2024年11月7日付の答申に変更がない旨の答申書を提出し、また、このことが公表され、かつ、当該答申書が変更又は撤回されていない旨の報告を受け、同日、当該答申が行われ、かつ、当該答申が変更又は撤回されていないことを確認したとのことです。

(ⅲ)公開買付者は、当社より、2024年11月26日現在において、当社が、当社の表明及び保証(かかる表明及び保証の内容については、下記「(7)公開買付者と当社又は当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「③ 本公開買付契約」をご参照ください。)に重要な点において違反していない旨の報告を受け、同日、当該違反が生じていないと判断したとのことです。

(ⅳ)公開買付者は、当社より、2024年11月26日現在において、当社が、本公開買付契約上の義務に重大な違反をしておらず、かつ、履行又は遵守すべき本公開買付契約上の義務を履行又は遵守することが合理的に見込まれる旨の報告を受け、同日、当該違反が生じていないと判断したとのことです。

(ⅴ)公開買付者は、当社より、2024年11月26日現在において、当社グループの事業、財政状態又は経営成績に重大な悪影響を与える事由(ただし、これにより、本公開買付価格を維持することができない程度に当社の企業価値の棄損が生じるもの、及び、当社と公開買付者との間の協業の実施が達成できないものに限ります。)が発生又は判明していない旨の報告を受け、同日、当該事由が生じていないと判断したとのことです。

(ⅵ)公開買付者は、本取引に関して独占禁止法に基づき必要となる待機期間が満了していることを確認したとのことです。

(ⅶ)公開買付者は、当社より、2024年11月26日現在において、本取引の実施が法令等の違反を構成せず、本取引を制限又は禁止する司法・行政機関等の判断等が存在しない旨の報告を受け、同日、当該判断等が存在していないことを確認したとのことです。

(ⅷ)公開買付者は、当社より、2024年11月26日現在において、法第166条第2項に定める当社に係る業務等に関する重要事実であって、当社が同法第166条第4項に定める公表を行っていないものが存在しない旨の報告を受け、同日、当該事実が存在していないことを確認したとのことです。

(ⅸ)公開買付者は、当社より、2024年11月26日現在において、本公開買付けの撤回の条件とすることができる事項が生じていない旨の報告を受け、同日、当該事項が存在していないことを確認したとのことです。

 

 公開買付者は、当社の完全子会社化を企図しているため、本公開買付けにおいて、10,659,600株(所有割合:34.42%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的としていることから、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(10,659,600株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(10,659,600株)については、本基準株式数(30,968,250株)に係る議決権数(309,682個)から、BBT所有株式(302,800株に係る議決権数(3,028個)を控除した議決権数(306,654個)に3分の2を乗じた数(204,436個)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(20,443,600株)について、当該株式数から、本書提出日現在、公開買付者が所有する当社株式の数(9,784,000株)を控除した株式数(10,659,600株)としているとのことです。これは、公開買付者が、本取引において、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされること、また、BBT所有株式については、当社と株式給付信託の受託者であるみずほ信託銀行株式会社(以下「みずほ信託銀行」といいます。)との間で締結されている株式給付信託契約書(当該信託に係る信託管理人が従うべき信託管理人ガイドラインを含み、以下「株式給付信託(BBT)契約」といいます。)において、本公開買付けのように当社取締役会が賛同の意見を表明した公開買付けにおいて、信託管理人は当該公開買付けに応募する旨の指示は行わない旨が規定されているため、本公開買付けへの応募が想定されず、みずほ信託銀行は信託管理人の指図に基づき当該当社株式の議決権を一律不行使とする旨が規定されていることを踏まえ、本取引を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権数(ただし、BBT所有株式に係る議決権を除きます。)の3分の2以上を所有することとなるように設定したとのことです。

(注2) なお、J-ESOP所有株式に係る議決権については、当社と株式給付信託の受託者であるみずほ信託銀行との間で締結されている株式給付信託契約書(当該信託に係る信託管理人が従うべき信託管理人ガイドラインを含み、以下「株式給付信託(J-ESOP)契約」といいます。)において、当社以外の者が当社株式の公開買付け(株式の上場維持を前提とする公開買付けを除きます。)を行うことが公表された場合には、みずほ信託銀行は、信託管理人の指図に基づき当該公開買付けに応じる方法により信託財産に属する株式を処分することが規定されており、そのためJ-ESOP所有株式については本公開買付けへの応募の可能性が排除されていないことから、本基準株式数に係る議決権数から控除していないとのことです。

 

 本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年11月7日付で、当社の取締役会長である髙梨輝彦氏(以下「髙梨氏」といいます。)及び当社の第2位の株主である株式会社野村総合研究所(以下「野村総合研究所」といい、髙梨氏と個別に又は総称して「応募予定株主」といいます。)との間で、本公開買付けに応募する旨の契約(以下それぞれ「本応募契約(髙梨氏)」、「本応募契約(野村総合研究所)」といい、これらを総称して「本応募契約」といいます。)を締結しており、髙梨氏が所有する当社株式の全て(271,400株(注3)(所有割合:0.88%))について、また、野村総合研究所が所有する当社株式の全て(3,130,000株(所有割合:10.11%))について、本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。なお、本応募契約の概要につきましては、下記「(7)公開買付者と当社又は当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本応募契約(髙梨氏)」及び「② 本応募契約(野村総合研究所)」をご参照ください。

(注3) 上記髙梨氏の所有株式数(271,400株)には、当社の役員持株会を通じて間接的に所有する当社株式1,149株(小数点以下切捨て)は含まれておりません。以下、髙梨氏の所有株式数において同じです。

 

 また、上記のとおり、公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。

 なお、当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、下記「(4)上場廃止となる見込み及びその事由」に記載のとおり、本公開買付けの結果次第では、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があり、また、本公開買付けの成立後に、本スクイーズアウト手続を実施することになった場合には、所定の手続を経て上場廃止となります。

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

 公開買付者は、1953年に設立された国際電信電話株式会社(KDD)、1984年に設立され、1985年に商号変更を行った第二電電株式会社(DDI)及び1987年に設立された日本移動通信株式会社(IDO)の3社が、「通信」を通じてお客さまの生活やビジネス、コミュニケーションをより豊かにしていくことを目的として、第二電電株式会社(DDI)を合併存続会社として、2000年に合併したことにより、株式会社ディーディーアイとして発足したとのことです。その後、移動体通信のセルラーグループ7社・ツーカー3社、電力系通信事業者である株式会社パワードコムの吸収合併等を通じて、モバイルと固定ブロードバンド(FTTH/CATV)サービス(注4)を1社で提供できる総合通信事業者として、お客さまに様々なサービスを提供しているとのことです。なお、DDIは1993年に東京証券取引所に株式を上場し、2001年にKDDI株式会社に商号変更しているとのことです。

(注4) 「固定ブロードバンド(FTTH/CATV)サービス」とは、高速で大容量の情報が送受信できる通信サービスをいい、光ファイバーを用いたものをFTTH、ケーブルテレビの回線を用いたものをCATVといいます。

 

 本書提出日現在、公開買付者グループ(公開買付者、連結子会社185社及び持分法適用関連会社44社(2024年3月31日現在)で構成される企業グループをいいます。)は、国内外における個人及び法人のお客さまに対する通信サービスの提供を事業の核としながら、様々な領域へビジネスを拡大しているとのことです。2022年5月には「KDDI VISION 2030:『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を公表し、あらゆる産業や生活シーンで付加価値を提供できる存在、「社会を支えるプラットフォーマー」を目指す姿と定めたとのことです。また、「新中期経営戦略(23.3期-26.3期)」では、パートナーとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指す「サステナビリティ経営」を根幹に据え、5Gの特性を活かすことにより、「つなぐチカラ」を進化させ、あらゆるシーンに通信が「溶け込む」ことで、新たな価値が生まれる時代を目指しているとのことです。中でも、事業戦略として「サテライトグロース戦略」を掲げ、5つの注力領域としてDX(注5)、金融、エネルギー、LX(注6)、地域共創を定義し、5Gによる通信事業の進化と、通信を核としたシナジーの発揮による新たな事業領域の拡大を加速しているとのことです。

 2024年5月から、法人事業ブランド「KDDI BUSINESS」(注7)のもと、AI(人工知能)が溶け込む時代に対応した新たなビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」(注8)を始動し、公開買付者の強みである安定的でセキュア(安全)な通信・ネットワークを土台に、各業界に最適化したAIサービスやソリューションを提供することで、法人のお客さまの事業成長と社会課題の解決を支援しているとのことです。

(注5) 「DX(Digital Transformation)」とは、ビジネスや組織がデジタル技術を活用して変革を達成する取組のことをいいます。

(注6) 「LX(Learning Transformation)」とは、デジタル技術等を活用して既存の企業内人材育成手法を抜本的に刷新し、事業の革新、成長に結び付けることをいいます。

(注7) 「KDDI BUSINESS」とは、お客さまのDXを推進し、お客さまの事業成長に貢献すべく、新たなビジネスの創出とビジネス共創拡大を目指す思いを込めた国内・海外を含めた公開買付者の法人事業ブランドです。

(注8) 「WAKONX」とは、「KDDI VISION 2030:『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる」の実現に向け、日本のデジタル化を促進するというコンセプトから生まれた公開買付者のブランドであり、AI時代のビジネスプラットフォームです。

 

 一方、当社は、2007年10月に、(旧)株式会社ラックとエー・アンド・アイ システム株式会社の共同株式移転により完全親会社となる持株会社ラックホールディングス株式会社として設立されました。2012年4月には、完全子会社3社((旧)株式会社ラック、エー・アンド・アイ システム株式会社、株式会社アイティークルー)を吸収合併し、商号を現在の株式会社ラックに変更いたしました。また、当社株式については、2009年4月に株式会社ジャスダック証券取引所(以下「ジャスダック証券取引所」といいます。)に上場した後、2010年4月に、ジャスダック証券取引所と株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場、2013年7月に、東京証券取引所と大阪証券取引所の合併に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場し、その後、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、本書提出日現在において、東京証券取引所スタンダード市場に上場しております。

 当社の企業グループは、本書提出日現在、当社、連結子会社である株式会社ラックテクノロジーズ(2024年4月に株式会社ソフトウェアサービスから商号変更)、株式会社アクシス、株式会社ラックサイバーリンク及びその連結子会社であるCSLINK Co.,Ltd並びに持分法適用関連会社であるKDDIデジタルセキュリティ株式会社(以下「KDDIデジタルセキュリティ」といいます。)、ニューリジェンセキュリティ株式会社(以下、当社、連結子会社及び持分法適用関連会社を総称して「当社グループ」といいます。)により構成されており、「進化し続けることで成長し、持続可能性の高い経営により、社会にとってなくてはならない存在を目指す」という企業理念のもと、セキュリティソリューションサービス事業(以下「SSS事業」といいます。)、システムインテグレーションサービス事業(以下「SIS事業」といいます。)を行っております。

 SSS事業では、セキュリティコンサルティングサービス、セキュリティ診断サービス、セキュリティ運用監視サービス、セキュリティ製品販売、セキュリティ保守サービスを提供しております。

 また、SIS事業では、開発サービス、HW/SW(ハードウェア及びソフトウェア)販売、IT保守サービス、ソリューションサービスを提供しております。

 当社グループでは、2024年度より始まる3ヵ年の新たな中期経営計画(以下「本中期経営計画」といいます。)を2024年5月に発表いたしました。本中期経営計画では、セキュリティサービス・開発サービスを軸とした既存事業を継続的に成長させ、売上高600億円、営業利益・経常利益40億円、ROE(自己資本利益率)15%を経営目標に掲げるとともに、中長期的な視点に基づく新たな価値創造を着実に推進することによる、さらなる成長も目指し、具体的な事業計画化を進めております。

 本中期経営計画に掲げる中長期的な視点に基づく新たな価値創造に向け、当社グループが取り組むべき主な施策は以下のとおりです。

 

(ⅰ)AI時代に対応した新たなセキュリティソリューションの開発・実装

 デジタル社会のあらゆる場面でAIが活用される時代が到来する中で、サイバー攻撃者もAIによるサイバー攻撃の高度化・巧妙化を進めており、今後のサイバー戦は攻撃者と防御者が「人vs人」で攻防技術を競い合う時代から、「攻撃AI」と「防御AI」が独自のアルゴリズムとデータ群を用いて争う時代へと移り変わるものと考えております。そのような環境変化の中で、当社はセキュリティ監視センター「JSOC(ジェイソック:Japan Security Operation Center)」(注9)」の運営や脆弱性診断、緊急対応等のサービスで培った防御技術、及びそれらの事業を通じて蓄積された膨大な脅威データをAIに学習させることで、当社のセキュリティサービスの攻撃検知精度と防御機能を飛躍的に向上させるとともに、サービスの自動化による生産性向上を図ります。また、AIによるセキュリティサービスの自動化により、従来は専門家の不足により十分なセキュリティ対策を講じることができなかった中小企業を中心に、当社サービスの提供機会を拡大する取組も進めてまいります。これらにより、「AIvsAI」のサイバー戦に即応した効果的かつ効率的なセキュリティソリューションを提供してまいります。

(注9) 「JSOC(ジェイソック:Japan Security Operation Center)」とは、当社が企業・団体向けに提供するセキュリティ監視・運用サービスの拠点です。

 

(ⅱ)高レベルの「脅威インテリジェンス基盤」の構築

 監視センサー数2,000を超える大規模なセキュリティ監視・運用サービスをはじめ、年間数百件を超える脆弱性診断、緊急対応等を通じて得られる当社独自のサイバー脅威情報・脆弱性情報に加えて、国内外のサイバーネットワークを通じて最新の脅威情報・脆弱性情報を収集・統合することで、高レベルの「脅威インテリジェンス基盤」(注10)を構築します。この「脅威インテリジェンス基盤」を活用することで、ネットワーク、サーバ・ホスト、クラウド、エンドポイント(PCやスマートフォン)等のシステム構成要素ごとに異なって示される傾向のあるサイバーリスクの一元的な分析・評価を可能にするとともに、統合されたリスク評価を元に、システム全体のセキュリティ対策を最適化することで、迅速で効果的な多層防御サービスを実現します。

(注10) 「脅威インテリジェンス基盤」とは、世界各国で発生するサイバー攻撃・被害の最新状況や、新たに発見されたシステム上の重大な脆弱性等、サイバー攻撃発生によるリスクを正確に検知・判定・予測するために必要な様々な情報を統合集約したデータベースです。

 

(ⅲ)セキュリティプロダクト開発機能・人材の強化

 今後のサイバー戦は「人vs人」から「AIvsAI」の世界へと変容することから、サイバーセキュリティのプロフェッショナルは、サイバー攻撃と防御に関する高度な専門知見の習得に加えて、自らの知識と経験をAIに学習させ、サイバー防御に特化された高度なAIエンジンを開発・実装する「プロダクト開発能力」に秀でている必要があります。当社が長年磨き続けてきた現場経験からの知見を活用し、数多くのセキュリティプロダクトを開発・展開できる人材を育成・強化してまいります。

 

 公開買付者は、2007年11月に、(旧)株式会社ラックとの業務提携、及びラックホールディングス株式会社との資本提携(1,414,200株(持株比率:5.00%))を開始したとのことです。これにより、公開買付者は、セキュリティ市場への開拓を図るとともに、相互事業の発展を目的として、両社協業により営業連携や商品開発を進めてきたとのことです。

 また、社会においてクラウド化が進み、ネットワークインフラに対するセキュリティの必要性も増大し、通信事業者としてネットワークインフラを提供している公開買付者も、安心してお使いいただける安全な環境の提供を強化することが求められる中、公開買付者、当社のそれぞれが強みを有する分野において競争力を向上し、サイバーセキュリティにおいて付加価値の高いサービスを提供するために、2013年12月には、公開買付者と当社の間で、事業拡大に向けた業務・資本提携(8,304,000株(持株比率:31.12%)(うち間接保有分 6,889,800株(持株比率:25.82%)))を締結いたしました。その後、公開買付者と当社では、SOC事業(Security Operation Center事業)(注11)の強化、コンサルティングサービスの拡充等を展開してまいりました。

(注11) 「SOC事業」とは、Security Operation Centerにて、お客さまのIT環境を24時間365日監視するサービスを提供する事業をいいます。

 

 2018年3月には、総合的なセキュリティ監視・運用のケイパビリティ(注12)を確保することを目的として、公開買付者が51%、当社が49%の持ち分でKDDIデジタルセキュリティを共同で設立いたしました。KDDIデジタルセキュリティでは、当社が提供している各種サービスをお客さまに提供するとともに、公開買付者グループ内のセキュリティに係る監視運用業務等を行う等、様々な協業を通じて公開買付者と当社は関係性を深めてまいりました。

(注12) 「ケイパビリティ」とは、「企業全体の組織的な能力」、「組織として持つ、他社より優位な強み」のことをいいます。

 

 さらに2022年2月には、野村総合研究所が当社に対して出資(3,130,000株(持株比率:10.21%))を行った際、公開買付者も、セキュリティ領域の重要パートナーである当社との強固な関係性の維持を目的として追加で出資(9,784,000株(持株比率:31.92%)(うち間接保有分 6,889,800株(持株比率:22.48%)))を実行したとのことです。

 

 上記のとおり、資本提携や協業案件を通じて、公開買付者と当社はお客さまに対して最適なソリューションを提供できるように努めてまいりました。しかしながら、公開買付者によれば、近年、生成AI(注13)やIoT(注14)等の新たなテクノロジーの登場や人手不足等によって、サイバーセキュリティを取り巻く社会環境は大きく変わってきており、あらゆる産業の構造や人々の暮らしが急激に変化するこれからの時代において、サイバー攻撃には社会基盤そのものを機能不全にする危険性が潜んでおり、時代に合わせたサイバーセキュリティ対策及びその重要性が一層高まっていると考えているとのことです。公開買付者によれば、複雑化する社会・業界課題を解決するためには、当社のサイバーセキュリティに関する豊富な知見と、公開買付者のアセットであるネットワークがこれまで以上に一体化することが必要不可欠であり、両社が一層協働することでお客さまに最適なソリューションを提供できる体制が構築できるようになると認識しているとのことです。

(注13) 「生成AI」とは、AI(人工知能)が学習したデータを基に、オリジナルデータをアウトプットする技術をいいます。

(注14) 「IoT」とは、「Internet of Things」の略であり、モノのインターネット化をいいます。

 

 かかる認識に基づき、公開買付者は、当社との協業の深化について検討を重ねてきたところ、当社との資本関係をより強化し、当社及び公開買付者が一体となってAI・IoT時代に対応したサイバーセキュリティ事業の強化に取り組むことが最善と判断するに至ったとのことです。当社の非公開化と完全子会社化を通じて両社の経営資源を集約し、より迅速に市場の変化に対応できる体制を構築することで、当社の企業価値の最大化を目指すとともに、公開買付者グループ全体の成長を促進するとのことです。これにより、両社の事業のさらなる成長と企業価値の一層の向上を実現し、日本のサイバーセキュリティ業界の発展にも貢献していくとのことです。また、当社の中長期的視点を重視しながらも公開買付者との連携をさらに密にすることで、公開買付者の有するAIやIoTに関連するリソースを新たに活用した施策を実行し、当社における持続的な企業価値の向上を実現することで、当社及びそのステークホルダー(お客さま、従業員、取引先等)に対して大きな価値を提供することができるものと考え、当社を公開買付者の完全子会社とすることが最適であると考えるに至ったとのことです。

 なお、公開買付者が、本取引において想定している具体的なシナジー効果は以下のとおりとのことです。これらのシナジーの中には、現在の資本提携の枠組みにおいても一定の発現が見込まれる項目も含まれておりますが、本取引により当社を公開買付者の完全子会社とすることで初めて実現できる項目として、ゼロトラストセキュリティ(注15)の時代における総合対策を一体的に扱える体制を構築し、両社の顧客に提供することや、公開買付者グループのAI及びデータ分析の子会社を活用し、当社のコンサルティングや診断、運用監視の高度化・高付加価値化を図り、他社と差別化を図ることが挙げられ、これにより、シナジー効果を最大化できるものと認識しているとのことです。

(注15) 「ゼロトラストセキュリティ」とは、働く場所やネットワーク境界を意識せず、全てのリソースを信頼せずに制御するセキュリティモデルです。

 

(ア)ネットワークサービスとサイバーセキュリティサービスの一体販売・運用

 公開買付者が提供するネットワークサービスと、当社が提供するサイバーセキュリティサービスを一体化することにより、コンサルティングから監視・運用体制まで一気通貫したサイバーセキュリティサービスの展開を目指していくとのことです。

 近年のクラウドサービスやリモートワークの普及に伴い、サイバーセキュリティに対する考え方が境界型セキュリティ(注16)からゼロトラストセキュリティへと変化しており、ネットワークやクラウド、データセンターといったインフラネットワークサービスと、サイバーセキュリティサービスは一体で運用される傾向が強まっているとのことです。

 例えば、公開買付者の提供サービスSASE(注17)に、当社の提供サービスJSOCを組み合わせて新しいサービスを展開する等、両社が持つ多様なサービスを複合的に組み合わせることが考えられるとのことです。また、公開買付者の長年のソリューション営業活動によって培ってきた営業ノウハウや知見を効果的に掛け合わせることでサービスラインナップの拡充を図り、複雑化している顧客の課題解決に向けたサービス提供体制を構築し、公開買付者の競争優位性の向上を目指すとのことです。

(注16) 「境界型セキュリティ」とは、ネットワーク内外を明確に区別し、外部からのアクセスを制御するセキュリティモデルです。

(注17) 「SASE(Secure Access Service Edge)」とは、WAN(Wide Area Network)、リモートアクセス機能等のネットワーク機能とファイアウォール等のセキュリティ機能をクラウドサービスとして統合したネットワークセキュリティモデルです。

 

(イ)サイバーセキュリティサービスの高度化

 当社が保有しているサイバーセキュリティに関する膨大な脅威データを、公開買付者グループのケイパビリティを活用して統合し、新たな価値の創出と生産性の向上を目指していくとのことです。

 昨今、国内でも情報流出や事業停止を伴うランサムウェア等によるサイバー攻撃が多発しているとのことです(注18)(注19)(注20)。そしてサイバー攻撃の脅威は巧妙化しながら増加の一途を辿り、社会問題にまで発展している状況と認識しているとのことです。

 当社の保有するJSOCにおいては、約1,000社を超える企業、及び100団体を超える公官庁・地方公共団体等に対するサービスの提供実績があり、監視センサー数は2,000台以上、1日当たりの処理データ件数は19億件となっており、これらの実績を通じたサイバーセキュリティに関する脅威データを保有しています。

 公開買付者グループが保有しているAI技術やデータ分析技術を駆使し、当社が持つ膨大なデータを自動的に高度処理することでデータ基盤や分析基盤の統合を図り、データを効果的に集約することでサイバー攻撃に関する動向を可視化できるようなサービスの開発を推進していくとのことです。

(注18) 出典:2024年9月19日警察庁サイバー警察局「令和6年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」

(注19) 出典:2024年2月独立行政法人情報処理推進機構セキュリティセンター「情報セキュリティ10大脅威2024」

(注20) 出典:2024年7月10日サイバーセキュリティ戦略本部「サイバーセキュリティ2024(2023年次報告・2024年次計画)」

 

(ウ)セキュリティ周辺SIの拡大

 公開買付者及び当社の協働を通じてコンサルティングの提案に注力することで、セキュリティに関連する構築ソリューション事業の拡大を目指していくとのことです。

 公開買付者は、欧州から中国、東南アジア、アメリカ大陸に至るまで、日本を含む世界108都市に302拠点(2024年7月時点)を展開しており、現地の顧客に対してサービスを提供しているとのことです。一方、当社は、今後高成長が期待されるID認証や多要素認証等のセキュリティ認証に関するソリューションやECサイトに関連するソリューションを提供しています。また、バックオフィスに関するソリューションにおいて金融機関や保険会社を中心に、約230社に対してサービスを提供している実績があります。

 今後、公開買付者と当社が連携し、公開買付者の大規模な通信インフラや顧客基盤と、当社の専門的な技術力や豊富な開発実績を相互活用することで、公開買付者の顧客に対して当社が得意としているセキュリティに関連するソリューションの構築や運用サービスの提供等クロスセル(注21)を推進し、事業規模の拡大を目指していくとのことです。

(注21) 「クロスセル(Cross Sell)」とは、顧客が現在利用している製品やサービスに関連するもの、組み合わせることで価値が生まれる別のものを提案し、購入を促して収益を増やすセールス手法のことをいいます。

 

 このような認識や考えのもと、公開買付者は本取引の本格的な検討を開始し、2024年1月上旬、当社へ本取引に係る初期的な提案を行い、2024年3月中旬より、公開買付者及び当社は取引ストラクチャーや協業施策等について協議を重ね、検討を進めてまいりました。その後、公開買付者は、2024年6月上旬、公開買付者、応募予定株主及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業をそれぞれ選任し、2024年6月27日、本取引の背景及び目的、想定されるシナジー及びスケジュールを記載した意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を当社に対して提出したとのことです。そして、公開買付者は、2024年7月12日に、当社よりデュー・ディリジェンスに合理的な範囲で協力する旨の通知を受けたとのことです。

 その後、2024年7月中旬以降、公開買付者及び当社は、本取引の実施に向けた具体的な協議を開始するとともに、公開買付者は当社に対するデュー・ディリジェンスを開始し、当社の事業内容及び当社を取り巻く事業環境、成長戦略、経営課題等に対する理解を深めると同時に、ビジネス、会計、税務、法務等の分野に関して確認を行ったとのことです。その結果、公開買付者は、公開買付者及び当社の企業価値のさらなる向上のためには、各社の人材及びノウハウ等の様々な経営資源を相互活用し、当社及び公開買付者が一体となってAI・IoT時代に対応したサイバーセキュリティ事業の強化に取り組むことが必要であることを確認したとのことです。そのため、公開買付者は、当社株式を非公開化し、当社の少数株主の皆様に対して適切かつ合理的な当社株式の売却機会を提供することにより、当社の少数株主の皆様の利益が損なわれないようにする一方、より強力な提携関係を構築することが、結果的には当社の企業価値向上に資するとの考えのもと、当社株式の非公開化を行い、当社を公開買付者の完全子会社とすることが当社の企業価値向上には最善であるとの判断に至ったとのことです。

 そして、公開買付者は、2024年7月中旬から2024年9月下旬にかけて実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて、2024年10月1日に、当社に対して、本取引のストラクチャー、本公開買付けを開始するための主要な前提条件及び本公開買付価格を910円(提案日の前営業日である2024年9月30日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値758円に対して20.05%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値(円未満を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)757円に対して20.21%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値807円に対して12.76%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値796円に対して14.32%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の第1回提案を行ったとのことです。第1回提案に対し、公開買付者は、当社から2024年10月2日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを検討するように要請を受けたとのことです。その後、2024年10月9日に、公開買付者は、当社に対して、本公開買付価格を1,000円(提案日の前営業日である2024年10月8日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値762円に対して31.23%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値757円に対して32.10%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値798円に対して25.31%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値796円に対して25.63%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の第2回提案を行ったとのことです。これに対し、2024年10月11日、当社から、当社の企業価値や公開買付者による当社の完全子会社化によるシナジーが適切に反映されたものと評価できないとの理由から、本公開買付価格の見直しを改めて検討するように要請されたとのことです。公開買付者は、当社からの上記の回答を真摯に検討し、2024年10月17日に、当社に対し、本公開買付価格を1,080円(提案日の前営業日である2024年10月16日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値767円に対して40.81%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値764円に対して41.36%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値789円に対して36.88%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値795円に対して35.85%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の第3回提案を行ったとのことです。これに対し、2024年10月19日、当社から、依然として、当社の企業価値や公開買付者による当社の完全子会社化によるシナジーが適切に反映されたものと評価できないとの理由から、本公開買付価格の見直しを改めて検討するように要請を受けたとのことです。公開買付者は、当社からの要請を真摯に検討した結果、2024年10月23日に、当社に対し、本公開買付価格を1,110円(提案日の前営業日である2024年10月22日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値740円に対して50.00%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値765円に対して45.10%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値780円に対して42.31%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値792円に対して40.15%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の第4回提案を行ったとのことです。これに対し、2024年10月25日、当社から、当社として賛同・応募推奨の意見を表明することのできる水準ではないとの理由から、本公開買付価格の見直しを改めて検討するように要請されたとのことです。公開買付者は、当社からの要請を受け、2024年10月26日に、当社に対し、本公開買付価格を1,140円(提案日の前営業日である2024年10月25日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値720円に対して58.33%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値758円に対して50.40%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値772円に対して47.67%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値790円に対して44.30%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の第5回提案を行ったとのことです。これに対し、2024年10月27日、当社から、引き続き当社として賛同・応募推奨の意見を表明することのできる水準ではないとの理由から、本公開買付価格の見直しを改めて検討するように要請されたとのことです。公開買付者は、当社からの要請を受け、2024年10月30日に、当社に対し、本公開買付価格を1,160円(提案日の前営業日である2024年10月29日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値731円に対して58.69%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値752円に対して54.26%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値767円に対して51.24%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値789円に対して47.02%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする旨の第6回提案を行ったとのことです。これに対し、2024年10月31日、当社から、かかる提案価格(1,160円)は、当社として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主が本公開買付けに応募することを推奨することが可能な水準であると判断した旨の回答を受けたとのことです。

 なお、上記の当社との交渉と並行して、公開買付者は、2024年10月中旬、当社に対し、本公開買付けの実施に関する契約(以下「本公開買付契約」といいます。)の締結を申し入れ、本公開買付契約の締結に向けた協議を開始し、2024年11月7日付で、本公開買付契約を締結しているとのことです。詳細については、下記「(7)公開買付者と当社又は当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「③ 本公開買付契約」をご参照ください。

 また、公開買付者は、髙梨氏に対して、2024年10月中旬、本取引の意義・目的や、本取引のスキーム及びスケジュール等に関して説明の上、応募契約の締結を申し入れ、締結に向けた協議を開始し、2024年10月31日に本公開買付価格が1,160円になることを伝達し、2024年11月7日付で本応募契約(髙梨氏)を締結したとのことです。また、公開買付者は、野村総合研究所に対して、2024年10月中旬、本取引の意義・目的や、本取引のスキーム及びスケジュール等に関して説明の上、応募契約の締結を申し入れ、締結に向けた協議を開始し、2024年11月5日に本公開買付価格が1,160円になることを伝達し、2024年11月7日付で本応募契約(野村総合研究所)を締結したとのことです。詳細については、下記「(7)公開買付者と当社又は当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本応募契約(髙梨氏)」及び「② 本応募契約(野村総合研究所)」をご参照ください。

 以上の検討、協議及び判断を踏まえ、当社の2025年3月期の期末配当が無配であることを前提にして、公開買付者は、2024年11月7日、本取引の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。

 その後、2024年11月20日、公開買付者は、当社に対して、本公開買付けの開始の支障となる問題が生じていないこと、2024年11月26日に当社において本公開買付けに関する意見表明に係る取締役会決議が適切かつ有効に行われること、及び同日に公開買付者において本公開買付けの開始に係る意思決定が適切かつ有効に行われることを前提に、本公開買付けを2024年11月27日より開始することを予定している旨の連絡を行ったとのことです。

 また、公開買付者は、当社より、2024年11月26日、同日時点において、未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実又は当社の株券等に対する公開買付け等の実施に関する事実が存在しない旨の報告を受けたとのことです。

 公開買付者は、上記「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、2024年11月26日に、本公開買付前提条件がいずれも充足されたことを確認し、同日付で本公開買付けを2024年11月27日より開始することを決定したとのことです。なお、公開買付者は、2024年11月7日付公開買付者プレスリリースを公表した2024年11月7日から2024年11月25日時点までの状況を考慮しても、本公開買付価格を変更するべき状況は特段発生していないと考えられることから、2024年11月7日に決定した本公開買付価格の変更は不要であると判断したとのことです。

 

③ 本公開買付け後の経営方針

 公開買付者は、本取引により当社を公開買付者の完全子会社とすることで、当社グループを含む公開買付者グループの連携をさらに進めるとともに、意思決定を迅速化させ、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の本取引によるメリット及びシナジーを実現させるための施策を講じることにより、さらなる企業価値向上に向けた経営を行っていくとのことです。

 本取引後の当社の経営体制につきましては、当社の現在の経営体制を尊重した上で、当社グループを含む公開買付者グループ全体の中長期的成長をできる限り早期に実現することを目指して、今後、必要な施策及びその推進について、当社と協議の上、速やかに決定する予定とのことです。また、当社の取締役を兼任している公開買付者の従業員並びに人材交流により相互に出向している当社及び公開買付者の各従業員の取扱いについては、今後、当社と協議の上、決定する予定とのことです。

 

④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

(ⅰ)公開買付者からの提案及び検討体制の構築の経緯

 当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年1月上旬に公開買付者より本取引に係る初期的な提案を受け、以降、当社内において本取引に係る検討体制を構築し、本取引の意義及び目的等について、公開買付者との協議を重ねてまいりました。その後、当社は、公開買付者より、2024年6月27日付で本意向表明書の提示を受けたことを契機として、当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるために、専門性及び実績等の検討を行った上で、本取引に関して公開買付者、応募予定株主及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けるために、専門性及び実績等の検討を行った上で、本取引に関して公開買付者、応募予定株主及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任し、2024年7月12日付で公開買付者に対して本取引の検討を進める旨及び公開買付者から当社に対するデュー・ディリジェンスに合理的な範囲で協力する旨の回答をいたしました。また、当社取締役会は、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは、支配株主による公開買付けには該当しないものの、公開買付者が、当社株式9,784,000株(所有割合:31.59%)を所有し、当社を持分法適用関連会社としていること等により、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当し得ることに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。

 具体的には、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年6月上旬から当社の独立社外取締役から構成される本特別委員会の設置に向けた準備を進めました。その上で、2024年7月11日開催の当社取締役会における決議により、佐々木通博氏(当社独立社外取締役)、村井純氏(当社独立社外取締役)及び村口和孝氏(当社独立社外取締役)の3名から構成される本特別委員会(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置いたしました。また、当社は、本特別委員会に対し、(a)本取引の目的は合理的か(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(b)本取引の条件(本取引の実施方法及び本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の妥当性が確保されているか、(c)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか、(d)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことが適切か、及び(e)上記(a)から(d)のほか、本取引を行うことが当社の株主にとって不利益でないと考えられるか(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問することを決議しております(当社取締役会における決議の方法については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。)。

 なお、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザーとしてSMBC日興証券を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所をそれぞれ選任することの承認を受けております。

 

(ⅱ)検討・交渉の経緯

 当社は、SMBC日興証券から当社株式の価値算定結果に関する報告及び公開買付者との交渉方針に関する助言を受けるとともに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応等についての法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。

 当社は、2024年1月上旬に公開買付者より本取引に係る初期的な提案を受け、以降、当社内において本取引に係る検討体制を構築し、本取引の意義及び目的等を検討の上で、公開買付者との協議を重ねてまいりました。その後、当社は、公開買付者より、2024年6月27日付で本意向表明書の提示を受け、2024年7月12日付で公開買付者に対して本取引の検討を進める旨及び公開買付者から当社に対するデュー・ディリジェンスに合理的な範囲内で協力する旨の回答をいたしました。なお、デュー・ディリジェンスの実施と並行して、当社から公開買付者に対して、2024年8月1日に当社概要に関する説明会、2024年8月2日に本中期経営計画に関する説明会、2024年8月28日に当社のSIS事業に特化した本中期経営計画に関する説明会を実施しております。また、当社及び本特別委員会は、2024年8月23日、公開買付者に対して、本取引に関する質問書を送付し、2024年9月24日に公開買付者より当該質問書に対する回答を書面で受領した上で、2024年9月26日及び同年10月4日に口頭でその趣旨の確認をするインタビューを実施しております。

 当社及び本特別委員会は、上記の公開買付者との間の協議・交渉を踏まえて、本取引の是非及び本取引に係る取引条件の妥当性の検討を進め、公開買付者から、2024年10月1日に、本公開買付価格を910円(提案日の前営業日である2024年9月30日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値758円に対して20.05%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値757円に対して20.21%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値807円に対して12.76%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値796円に対して14.32%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする第1回提案を受領いたしました。当社は、第1回提案を受けて、公開買付者に対して、2024年10月2日付で、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを検討するように要請いたしました。その後、当社は、公開買付者から、2024年10月9日に、本公開買付価格を1,000円(提案日の前営業日である2024年10月8日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値762円に対して31.23%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値757円に対して32.10%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値798円に対して25.31%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値796円に対して25.63%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする第2回提案を受領いたしました。これを受け、当社は、公開買付者に対して、2024年10月11日付で、当社の企業価値や公開買付者による当社の完全子会社化によるシナジーが適切に反映されたものと評価できないとの理由から、本公開買付価格の見直しを改めて検討するように要請いたしました。その後、当社は、公開買付者から、2024年10月17日に、本公開買付価格を1,080円(提案日の前営業日である2024年10月16日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値767円に対して40.81%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値764円に対して41.36%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値789円に対して36.88%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値795円に対して35.85%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする第3回提案を受領いたしました。これを受け、当社は、公開買付者に対して、2024年10月19日付で、依然として、当社の企業価値や公開買付者による当社の完全子会社化によるシナジーが適切に反映されたものと評価できないとの理由から、本公開買付価格の見直しを改めて検討するように要請いたしました。その後、当社は、公開買付者から、2024年10月23日に、本公開買付価格を1,110円(提案日の前営業日である2024年10月22日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値740円に対して50.00%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値765円に対して45.10%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値780円に対して42.31%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値792円に対して40.15%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする第4回提案を受領いたしました。これを受け、当社は、公開買付者に対して、2024年10月25日付で、当社として賛同・応募推奨の意見を表明することのできる水準ではないとの理由から、本公開買付価格の見直しを改めて検討するように要請いたしました。その後、当社は、公開買付者から、2024年10月26日に、本公開買付価格を1,140円(提案日の前営業日である2024年10月25日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値720円に対して58.33%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値758円に対して50.40%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値772円に対して47.67%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値790円に対して44.30%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする第5回提案を受領いたしました。これを受け、当社は、公開買付者に対して、2024年10月27日付で、引き続き当社として賛同・応募推奨の意見を表明することのできる水準ではないとの理由から、本公開買付価格の見直しを改めて検討するように要請いたしました。そして、当社は、公開買付者から、2024年10月30日に、本公開買付価格を1,160円(提案日の前営業日である2024年10月29日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値731円に対して58.69%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値752円に対して54.26%のプレミアム、同過去3ヶ月間の終値単純平均値767円に対して51.24%のプレミアム、同過去6ヶ月間の終値単純平均値789円に対して47.02%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とする第6回提案を受領いたしました。これを受け、当社は、公開買付者に対して、2024年10月31日付で、かかる提案価格(1,160円)は、当社として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主が本公開買付けに応募することを推奨することが可能な水準であると判断した旨の回答を行いました。

 なお、上記の公開買付者との交渉と並行して、当社は、2024年10月中旬、公開買付者より、本公開買付契約の締結の申入れを受け、本公開買付契約の締結に向けた協議を開始し、2024年11月7日付で、本公開買付契約を締結しております。詳細については、下記「(7)公開買付者と当社又は当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「③ 本公開買付契約」をご参照ください。

 

 以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、適宜、当社や当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券から報告を受け、確認及び意見の申述等を行っております。具体的には、当社は、当社が作成した2025年3月期から2027年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を受けております。また、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券は、公開買付者との交渉にあたっては、本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、また、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、その指示に従って対応を行っております。

 そして、当社は、2024年11月7日、本特別委員会から、同日時点において、本公開買付けが開始された場合には、当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主の皆様に応募を推奨する旨の意見表明を行うことは適切であり、当社の株主にとって不利益なものではないと考える旨の2024年11月7日付答申書の提出を受けております(2024年11月7日付答申書の概要については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

 

(ⅲ)当社の意思決定の内容

 以上の経緯の下で、当社は、2024年11月7日開催の当社取締役会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、並びにSMBC日興証券から受けた助言及び2024年11月6日付で提出を受けた当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、2024年11月7日付答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否か等について、慎重に検討・協議を行いました。

 その結果、当社は、以下のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであるとの結論に至りました。

 上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、近年、生成AIやIoT等の新たなテクノロジーの登場や人手不足等によって、サイバーセキュリティを取り巻く社会環境は大きく変わってきており、あらゆる産業の構造や人々の暮らしが急激に変化するこれからの時代において、サイバー攻撃には社会基盤そのものを機能不全にする危険性が潜んでおり、時代に合わせたサイバーセキュリティ対策及びその重要性が一層高まっております。当社は、このような状況下において、複雑化、高度化するサイバー脅威への対抗、サプライチェーン全体のレジリエンス(注22)の継続性等の社会課題に対して、当社グループが果たすべき役割はますます大きくなり、セキュリティサービスへのAI活用、統合セキュリティプラットフォーム(注23)の構築、セキュリティツールの獲得等の新たな価値創造に向けた取組を実行していくことが重要であると考えております。しかしながら、サイバーセキュリティを取り巻く環境が急速に変化するなか、当社が現在の経営リソースをもって、これらの各取組を同時かつ迅速に実行し、連続的な成長を超える非連続な成長により当社の企業価値を最大化するには限界があると考えております。したがって、当社は、公開買付者が当社の株主を公開買付者のみとし、当社の事業及び経営基盤の抜本的な強化を図ることにより急激な環境変化に対応していくために積極的に各取組を実行することで、下記ア乃至ウのシナジーを早期にかつ着実に最大化し、当社の成長をより加速させることが、当社の企業価値向上にとって最善な手法であると判断するに至りました。

(注22) 「レジリエンス」とは、社会環境の変化やリスク等の困難や脅威に直面している状況に対して速やかに立ち直り、適応していく力のことをいいます。

(注23) 「統合セキュリティプラットフォーム」とは、付加価値向上や生産性向上のために、各セキュリティサービスで収集したデータを総合的に分析・利用する基盤のことをいいます。

 

 当社が本取引によって実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。

 

(ア)事業面でのシナジー

 公開買付者が提供するネットワークサービスと、当社が提供するサイバーセキュリティサービスを融合し、コンサルティングから監視・運用体制まで一気通貫したサイバーセキュリティサービスの展開を目指してまいります。国内においては、公開買付者の顧客に対して当社が得意としているセキュリティソリューションや運用サービスの提供等、クロスセルの推進を図り、事業規模の拡大を目指してまいります。また、海外においては、公開買付者と取引関係のあるASEAN地域の日系企業向けに、サイバーセキュリティサービスのデリバリー体制を構築することにより、当該地域での取引を拡大できる可能性があると考えております。

 

(イ)技術面・リソース面でのシナジー

 当社及び公開買付者が保有する技術知見・アセットを相互活用することにより、以下のシナジーが期待できると考えております。

 

(a)AI活用の加速

 AI時代におけるSSS事業の競争力の源泉は、AIの活用とAIを独自に進化させ得るビッグデータの掛け合わせであると考えており、当社の有する膨大な脅威データを公開買付者グループのケイパビリティを活用して統合しAIに学習させることで、SSS事業におけるAI活用の加速が期待できると考えております。

(b)IoTセキュリティ分野でのプロダクト開発

 公開買付者は、国内外において大規模なIoT基盤を有しているため、当該IoT基盤向けに両社が共同してセキュリティサービス・プロダクトを開発することが期待できると考えております。

(c)次世代SOC監視エンジンの共同開発

 当社競争力の重要な要素であるSOC監視アナリストのAI化を推し進め、人的資源の制約から脱却して非連続成長を実現するための次世代SOC監視エンジンを共同開発することが期待できると考えております。

 

(ウ)資本面・戦略面でのシナジー

 公開買付者グループは、潤沢なキャッシュフローを背景に、新規技術投資やM&A/ベンチャー企業投資を積極的に推進しており、当社の非連続成長を実現する上での強力な資本・戦略パートナーになり得ると考えております。

 

 なお、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが挙げられます。しかしながら、当社は、資金調達の面では、本取引の実行後であっても、公開買付者の資本力等を背景に必要な資金調達を行うことができると考えており、また、当社における人材採用面で重要となる当社の知名度・ブランド力や社会的な信用は、事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きく、本取引の実行後においても、事業遂行によりこれを獲得・維持することが可能であるほか、本取引の実行後は、公開買付者が有する国内有数の通信事業者としての高い知名度・ブランド力も活用できるようになることから、上場廃止による影響は限定的であると考えております。

 

 以上を踏まえ、当社取締役会は、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回り、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものと判断いたしました。

 

 また、当社は、以下の点から、当社株式1株当たりの本公開買付価格である1,160円は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、その他本公開買付けの条件は公正であることから、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

 

(a)本公開買付価格が、当社において、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること

(b)本公開買付価格が、下記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載の当社株式価値算定書におけるSMBC日興証券による当社株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似上場会社比較法に基づく算定レンジの上限値を超え、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定レンジに収まる水準となっていること

(c)本取引において、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)は、法令に定められた最短期間である20営業日より長期(30営業日)に設定されているため、少数株主の本公開買付けに対する応募についての適切な判断機会及び公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されていること

(d)本取引において、株式等売渡請求(以下「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「① 株式等売渡請求」において定義します。)又は本株式併合(以下「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」において定義します。)をする際に株主に対価として交付される金銭は、本公開買付価格に本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(ただし、当社及び公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定であることから、少数株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮されていること

(e)本公開買付価格その他本公開買付けの条件は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年11月7日付答申書においても、本取引の条件(本公開買付価格を含みます。)の公正性・妥当性が確保されていることが認められると判断されていること

 

 以上より、当社は、2024年11月7日開催の取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。

 また、上記取締役会においては、本公開買付けが開始される際に、当社が設置した本特別委員会に対して、2024年11月7日付答申書において表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請すること、及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。

 その後、2024年11月20日、当社は、公開買付者から、本公開買付けの開始の支障となる問題が生じていないこと、2024年11月26日に当社において本公開買付けに関する意見表明に係る取締役会決議が適切かつ有効に行われること、及び同日に公開買付者において本公開買付けの開始に係る意思決定が適切かつ有効に行われることを前提に、本公開買付けを2024年11月27日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

 当社は、本特別委員会から、2024年11月26日付で、2024年11月7日付答申書において表明した意見に変更はない旨の2024年11月26日付答申書の提出を受けたことから、当該答申書の内容及び2024年11月7日開催の取締役会以降の当社の業績や市場環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討いたしました。

 その結果、当社は、2024年11月26日時点においても、本取引の目的や当該目的を達成する意義や必要性に変わりはなく、そのほかにも2024年11月7日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと考えたことから、2024年11月26日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、当社は、公開買付者に対して、2024年11月26日、同日時点において、未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実又は当社の株券等に対する公開買付け等の実施に関する事実が存在しない旨の報告を行っております。

 なお、当社取締役会の意思決定過程の詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

(3)算定に関する事項

① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者、応募予定株主及び当社から独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券に対し、当社株式価値の算定を依頼し、2024年11月6日付で、当社株式価値算定書を取得いたしました。

 SMBC日興証券は、公開買付者、応募予定株主及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。なお、SMBC日興証券は、当社グループ、公開買付者グループに対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を行っている株式会社三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループのグループ企業の一員であり、また、公開買付者の株主(2024年9月30日現在の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対する所有株式数の割合1.00%(小数点以下第三位を四捨五入))でありますが、当社は、SMBC日興証券の第三者算定機関としての実績に鑑み、かつ、弊害防止措置としてSMBC日興証券における当社株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び株式会社三井住友銀行との間で社内の規程に定める情報遮断措置が講じられていること、当社とSMBC日興証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているためファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての独立性が確保されていること、SMBC日興証券は当社、応募予定株主及び公開買付者の関連当事者には該当せず、当社がSMBC日興証券に対して当社株式の株式価値の算定を依頼することに関し、特段の問題はないと考えられることを踏まえた上で、SMBC日興証券をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選任しております。また、本特別委員会は、第3回の会合において、SMBC日興証券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザーとして承認しております。

 なお、当社は、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられており、本取引に係る公正性が十分に担保されていると判断したことから、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 また、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断から、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。

(注) SMBC日興証券は、当社株式価値算定書の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき当社において一切認識されていないことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。さらに、当社及びその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに当社株式価値算定書に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。SMBC日興証券が、当社株式価値算定書で使用している事業計画等は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、当社株式価値算定書において、SMBC日興証券が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。なお、SMBC日興証券の算定結果は、SMBC日興証券が当社の依頼により、当社取締役会が本公開買付価格を検討するための参考に資することを唯一の目的として当社に提出したものであり、当該算定結果は、SMBC日興証券が本公開買付価格の公正性について意見を表明するものではありません。

 

② 算定の概要

 当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者、応募予定株主及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年11月6日付で、当社株式価値算定書を取得いたしました。

 SMBC日興証券は、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を採用して、当社株式の価値算定を行っております。

 SMBC日興証券が上記各手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの価値は以下のとおりです。

 

市場株価法    :746円から787円

類似上場会社比較法:711円から832円

DCF法     :1,021円から1,619円

 

 市場株価法においては、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である2024年11月6日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の直近1ヶ月間の終値単純平均値746円、直近3ヶ月間の終値単純平均値760円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値787円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を746円から787円までと算定しております。

 類似上場会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社株式の株式価値を計算し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を711円から832円までと算定しております。

 DCF法では、当社が作成した本事業計画及び一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期第2四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を計算し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,021円から1,619円までと算定しております。SMBC日興証券がDCF法による算定に用いた当社作成の本事業計画には、営業利益の大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、当社の本社オフィスの減床等を含めたオフィス契約の更改により、2025年3月期においては原状回復費等の一時的な費用の増加が見込まれるものの、2026年3月期においては賃料等の減少が見込まれるため、2026年3月期の営業利益に関しては、前年度比55%以上の増加を見込んでおります。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、2024年11月6日時点において具体的に見積もることが困難であったため、財務予測には加味しておりません。

 

(4)上場廃止となる見込み及びその事由

 当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従って、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けが成立し、その後下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者は当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続を実施することを予定しておりますので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。

 上場廃止を目的とする理由及び少数株主への影響及びそれに対する考え方については、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。

 

(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

 公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、当社を公開買付者の完全子会社とするための本取引の一環として、本公開買付けを実施するとのことです。公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、公開買付者が当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得して当社の株主を公開買付者のみとすることを目的として、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

 

① 株式等売渡請求

 公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式等売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式等売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し株式等売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社がその取締役会の決議により株式等売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式等売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社株式の全部を取得します。この場合、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。

 なお、当社は、公開買付者より株式等売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において株式等売渡請求を承認する予定です。

 株式等売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

② 株式併合

 本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に対して要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。

 本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することになります(注)。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者が当社の発行済株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。本臨時株主総会を開催する場合、本臨時株主総会の開催時期は現時点で未定ですが、現時点で、2025年3月上旬頃を目途に開催する予定であり、その具体的な手続及び実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。

 株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。

 なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の1株当たりの買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 

 上記の株式等売渡請求及び株式併合の各手続については、関係法令の改正、施行、当局の解釈等の状況、本公開買付け後の公開買付者の株券等所有割合並びに公開買付者以外の当社株式を所有する当社の株主の株券等所有割合及び所有の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募しなかった当社の各株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定とのことです。

 以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。

 なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

(注) BBT所有株式については、株式給付信託(BBT)契約において、本公開買付けのように当社取締役会が賛同の意見を表明した公開買付けにおいて、信託管理人は当該公開買付けに応募する旨の指示は行わない旨が規定されているため、本公開買付けへの応募が想定されず、公開買付者は、本公開買付けを通じて、BBT所有株式を取得する予定はないとのことです。本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合、BBT所有株式は、株式給付信託(BBT)契約の定めに従って、当社株式の上場廃止が決定されたことを理由として当社に無償譲渡されることが予定されているとのことです。なお、J-ESOP所有株式については、株式給付信託(J-ESOP)契約において、当社以外の者が当社株式の公開買付け(株式の上場維持を前提とする公開買付けを除きます。)を行うことが公表された場合には、みずほ信託銀行は、信託管理人の指図に基づき当該公開買付けに応じる方法により信託財産に属する株式を処分することが規定されており、そのためJ-ESOP所有株式は本公開買付けへの応募の可能性が排除されていないことから、公開買付者は、本公開買付け又は本公開買付け成立後の株式等売渡請求若しくは本株式併合を通じて、J-ESOP所有株式を取得することを予定しているとのことです。

 

(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

 本書提出日現在において、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。もっとも、(ⅰ)公開買付者は、当社株式を9,784,000株(所有割合:31.59%)所有することにより当社を持分法適用関連会社としており、当社の取締役会長である髙梨氏及び当社の第2位の株主である野村総合研究所との間で本応募契約を締結していること、(ⅱ)当社の取締役9名のうち、公開買付者の従業員を兼務している者が2名(井深円氏(以下「井深氏」といいます。)、牛島克弥氏(以下「牛島氏」といいます。))存在すること、(ⅲ)本公開買付けの結果、公開買付者が当社の支配株主となった場合、本公開買付け後に予定されている本スクイーズアウト手続は、支配株主による従属会社の買収に該当するところ、本取引はこれらを一連の取引として行うものであることを踏まえ、本取引の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避すべく、公開買付者及び当社は以下の措置を講じております。

 なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。

 なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置等については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、応募予定株主及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、みずほ証券は、公開買付者、応募予定株主及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。なお、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は、当社の株主たる地位(2024年9月30日現在の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対する所有株式数の割合:0.03%(小数点以下第三位を四捨五入。))を有しているほか、公開買付者、応募予定株主である野村総合研究所及び当社に対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等を実施しており、またみずほ証券のグループ企業であるみずほ信託銀行は、公開買付者に対して通常の銀行取引の一環としての融資取引等を実施しているとのことですが、本公開買付けを含む本取引に関して公開買付者、応募予定株主及び当社との利益相反に係る重要な利害関係を有していないとのことです。なお、みずほ証券によれば、みずほ証券は法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の4の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行及びみずほ信託銀行間の情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の株主並びにみずほ銀行及びみずほ信託銀行の貸付人の地位とは独立した立場で、当社の株式価値の算定を行っているとのことです。公開買付者は、みずほ証券とみずほ銀行及びみずほ信託銀行との間において適切な弊害防止措置が講じられていること、公開買付者とみずほ証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため第三者算定機関としての独立性が確保されていること、またみずほ証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、みずほ証券を公開買付者、応募予定株主及び当社から独立した第三者算定機関として選定したとのことです。

 また、公開買付者は、本「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の措置を実施しており、かつ当社との協議・交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

 なお、本取引に係るファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことです。公開買付者は、同種の取引における一般的な実務慣行を勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断をしているとのことです。

 

(ⅱ)算定の概要

 みずほ証券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を用いて、当社の株式価値の算定を行い、公開買付者は、みずほ証券から2024年11月6日付で株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。

 公開買付者株式価値算定書において採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。

 

市場株価基準法:742円から787円

類似企業比較法:593円から753円

DCF法   :978円から1,308円

 

 市場株価基準法では、本公開買付けの開始予定についての公表日の前営業日である2024年11月6日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における算定基準日の終値742円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値746円、同過去3ヶ月間の終値単純平均値760円及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値787円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を742円から787円と算定しているとのことです。

 類似企業比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たり株式価値の範囲を593円から753円と算定しているとのことです。

 DCF法では、当社から提供を受けた本事業計画(2025年3月期から2027年3月期)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が当社に対して2024年7月中旬から2024年9月下旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、当社が2025年3月期第2四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を978円から1,308円と算定しているとのことです。なお、DCF法において前提とした当社の将来の財務予測においては、オフィス移転等の影響により、対前年度比において大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、加味されていないとのことです。

 公開買付者は、みずほ証券から取得した公開買付者株式価値算定書の算定結果に加え、2024年7月中旬から2024年9月下旬までの期間において当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に、2024年11月7日、本公開買付価格を1,160円とすることを決定したとのことです。

 

 なお、本公開買付価格である1,160円は、本公開買付けの開始予定についての公表日の前営業日である2024年11月6日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値742円に対して56.33%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値746円に対して55.50%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値760円に対して52.63%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値787円に対して47.40%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。

 また、本公開買付価格である1,160円は、みずほ証券の市場株価基準法、類似企業比較法による算定結果の上限を上回るものであり、また、DCF法による算定結果のレンジの範囲内の価格となるとのことです。また、公開買付者は、2024年11月7日付公開買付者プレスリリースを公表した2024年11月7日から2024年11月25日時点までの状況を考慮しても、本公開買付価格を変更するべき状況は特段発生していないと考えられることから、2024年11月7日に決定した本公開買付価格の変更は不要であると判断したとのことです。

(注) みずほ証券は、当社の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、また本公開買付価格の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としてこれに依拠しており、独自にそれらの正確性の検証を行っていないとのことです。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成され、公開買付者の経営陣がその内容を精査した上でみずほ証券による価値算定において使用することを了承したことを前提としているとのことです。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。みずほ証券の算定は、2024年11月6日までの上記情報を反映したものとのことです。

 

② 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 当社は、上記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載のとおり、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者、応募予定株主及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券に対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年11月6日付で、当社株式価値算定書を取得いたしました。

 SMBC日興証券は、公開買付者、応募予定株主及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、第3回の会合において、SMBC日興証券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザーとして承認しております。なお、SMBC日興証券は、当社グループ、公開買付者グループに対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を行っている株式会社三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループのグループ企業の一員であり、また、公開買付者の株主(2024年9月30日現在の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対する所有株式数の割合1.00%(小数点以下第三位を四捨五入))でありますが、当社は、SMBC日興証券の第三者算定機関としての実績に鑑み、かつ、弊害防止措置としてSMBC日興証券における当社株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び株式会社三井住友銀行との間で社内の規程に定める情報遮断措置が講じられていること、当社とSMBC日興証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているためファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としての独立性が確保されていること、SMBC日興証券は当社、応募予定株主及び公開買付者の関連当事者には該当せず、当社がSMBC日興証券に対して当社株式の株式価値の算定を依頼することに関し、特段の問題はないと考えられることを踏まえた上で、SMBC日興証券をファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選任しております。

 なお、当社は、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられており、本取引に係る公正性が十分に担保されていると判断したことから、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 また、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断から、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。

 

③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)設置等の経緯

 上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2024年7月11日に開催された取締役会における決議により、本特別委員会を設置いたしました。

 かかる本特別委員会の設置に先立ち、当社は、2024年6月上旬、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言も得つつ、当社の社外取締役の全員に対して、公開買付者から本取引に関する協議を開始したい旨の意向を受けた旨、並びに本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を個別に説明いたしました。また、当社は、並行して、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補者の検討を行いました。その上で、当社は、本特別委員会の委員の候補者が、公開買付者からの独立性を有すること、及び本取引の成否に関して少数株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、当社の独立社外取締役と協議し、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得て本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、独立社外取締役である佐々木通博氏、村井純氏、村口和孝氏の3名を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。

 その上で、当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本特別委員会に対し、本諮問事項を諮問いたしました。加えて、当社取締役会は、本特別委員会に対して、(ⅰ)当社が選任したアドバイザー(ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー)を承認する権限、(ⅱ)当社が選任したアドバイザー(ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー)に専門的助言を求める権限、(ⅲ)当社の取締役、従業員その他特別委員会が必要と認める者に特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限、(ⅳ)合理的に必要な範囲で、当社の費用負担において、特別委員会独自のアドバイザー(ファイナンシャル・アドバイザー、リーガル・アドバイザーその他のアドバイザー)及び第三者算定機関を選任し、当社の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他特別委員会が必要と判断する事項を委託する権限並びに(ⅴ)本取引の取引条件等に関する当社による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与する権限を付与することを決議しております。さらに、当社取締役会は、本特別委員会を当社取締役会から独立した合議体として位置付け、本取引に関する意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、とりわけ特別委員会が本取引の目的が合理的でない又は取引条件が妥当でないと判断した場合は、本取引に賛同しないことを決議しております。

 なお、本特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定金額の報酬のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。

 

(ⅱ)検討の経緯

 本特別委員会は、2024年7月11日から2024年11月6日までの間に合計18回、計約33時間にわたって開催され、当社及び各アドバイザーからの報告・情報共有を受けた上で、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。

 具体的には、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるSMBC日興証券、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、公開買付者及び当社のいずれの関連当事者にも該当しないこと、及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないこと、その他本取引における独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認し、また、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。

 本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた説明を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。また、本特別委員会は、SMBC日興証券から受けた助言も踏まえつつ、本事業計画について、当社からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認し、承認しております。なお、公開買付者、公開買付者の従業員を兼務する当社の取締役、公開買付者からの出向者である当社の従業員その他の本取引に特別な利害関係を有する者は、本事業計画の作成に関与しておりません。

 本特別委員会は、当社から、本取引の目的や意義、当社事業に対する影響等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答をインタビュー形式により実施するとともに、公開買付者に対して質問事項を提示し、公開買付者に対して本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施しております。

 加えて、上記「(3)算定に関する事項」に記載のとおり、SMBC日興証券は本事業計画を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、SMBC日興証券が実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を認識しております。

 また、本特別委員会は、当社の公開買付者との交渉について、随時、当社及びSMBC日興証券から受けた報告も踏まえて審議・検討を行い、当社の交渉方針につき、適宜、必要な意見を述べました。具体的には、本特別委員会は、公開買付者からの本公開買付価格に関する提案を受領次第、それぞれの提案について報告を受け、SMBC日興証券による対応方針及び公開買付者との交渉方針等についての分析・意見を踏まえて検討を行いました。その上で、本特別委員会は当社に対し、これらのいずれに際しても、当社としての本取引の意義・目的を達するために公開買付者との間で協議すべき事項について意見を述べる等、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与いたしました。

 さらに、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から、複数回、2024年11月7日付「KDDI株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「2024年11月7日付当社プレスリリース」といいます。)のドラフトの内容について説明を受け、適切な情報開示がなされる予定であることを確認しております。

 

(ⅲ)判断内容

 本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に検討・協議を重ねた結果、2024年11月7日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2024年11月7日付答申書を提出しております。なお、以下の内容中、「当社の株主」及び「一般株主」とは、本公開買付けの成立後においては、東京証券取引所有価証券上場規程第441条の2における「少数株主」と同義です。

 

(A)答申内容

(ア)本取引の目的は合理的と認められる。

(イ)本取引の条件(本取引の実施方法及び本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の妥当性が確保されていると認められる。

(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。

(エ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことが適切であると認められる。

(オ)上記(ア)から(エ)のほか、本取引を行うことが当社の株主にとって不利益でないと考えられる。

 

(B)答申理由

(ア)本取引の目的は合理的か(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)

 以下の点を踏まえると、(ⅰ)本取引により想定されるシナジーは合理的なものということができ、公開買付者の想定と当社の想定との間に矛盾・齟齬もなく、本取引の実行は、当社が認識する経営課題の解決に資することが認められ、(ⅱ)他の手法によるのではなく、本取引によるべき理由として説明された内容も合理的なものであると認められ、本取引によることも相当であることが認められ、さらに(ⅲ)本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものも見受けられないことが認められることから、本取引の目的は合理的であると認められる(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)。

・当社の企業グループは、2024年11月7日現在、当社グループにより構成されており、「進化し続けることで成長し、持続可能性の高い経営により、社会にとってなくてはならない存在を目指す」という企業理念のもと、SSS事業、SIS事業を行っている。当社グループでは、本中期経営計画を2024年5月に発表し、セキュリティサービス・開発サービスを軸とした既存事業を継続的に成長させ、売上高600億円、営業利益・経常利益40億円、ROE(自己資本利益率)15%を経営目標に掲げるとともに、中長期的な視点に基づく新たな価値創造を着実に推進することによる、さらなる成長も目指し、具体的な事業計画化を進めている。本中期経営計画に掲げる中長期的な視点に基づく新たな価値創造に向け、当社グループが取り組むべき主な施策として、(ⅰ)AI時代に対応した新たなセキュリティソリューションの開発・実装、(ⅱ)高レベルの「脅威インテリジェンス基盤」の構築及び(ⅲ)セキュリティプロダクト開発機能・人材の強化が挙げられる。以上のような当社による事業環境及び経営課題の認識については、矛盾した点や明らかに客観的事実に反している点はない。また今後、当社において中長期的な視点に基づく新たな価値創造を推進して成長を加速していくためにさらなる投資が必要となる状況の中、本取引によって資金力のある公開買付者との間でより強力な提携関係を構築することは、当社の成長力を確実に押し上げるに資すると考えられる。加えて、公開買付者が提供するネットワークサービスと当社が提供するセキュリティサービスとの融合により国内外での顧客獲得を加速すること(事業面シナジー)、公開買付者グループが有するケイパビリティと当社が有する脅威情報の掛け合わせによる攻撃検知精度と防御機能の飛躍的な強化(技術面シナジー)等、当社のさらなる飛躍・非連続な成長の可能性を高める座組であると期待できる。したがって、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであると考えることができる。

・公開買付者によれば、公開買付者が本取引において想定している具体的なシナジーとして、(ⅰ)ネットワークサービスとサイバーセキュリティサービスの一体販売・運用、(ⅱ)サイバーセキュリティサービスの高度化及び(ⅲ)セキュリティ周辺SIの拡大が挙げられる。また、当社が本取引によって実現可能と考える具体的なシナジーとして、(ⅰ)事業面でのシナジー、(ⅱ)技術面・リソース面でのシナジー、及び(ⅲ)資本面・戦略面でのシナジーが挙げられる。上記の想定されるシナジーの内容は、相互に矛盾する点や明らかに客観的事実に反している点は見当たらず、合理的なものであると考えられる。また、公開買付者と当社が想定するシナジーは一致しており、相互に矛盾又は齟齬はない。

・公開買付者によれば、資本提携や協業案件を通じて、公開買付者と当社はお客さまに対して最適なソリューションを提供できるように努めてきた。しかしながら、公開買付者は、近年、生成AIやIoT等の新たなテクノロジーの登場や人手不足等によって、サイバーセキュリティを取り巻く社会環境は大きく変わってきており、あらゆる産業の構造や人々の暮らしが急激に変化するこれからの時代において、サイバー攻撃には社会基盤そのものを機能不全にする危険性が潜んでおり、時代に合わせたサイバーセキュリティ対策及びその重要性が一層高まっていると考えている。公開買付者は、複雑化する社会・業界課題を解決するためには、当社のサイバーセキュリティに関する豊富な知見と、公開買付者のアセットであるネットワークがこれまで以上に一体化することが必要不可欠であり、両社が一層協働することでお客さまに最適なソリューションを提供できる体制が構築できるようになると認識している。以上の点に鑑みると、他の手法によらず、本取引により、当社における持続的な企業価値の向上を目指すという判断は、合理的なものと考えられる。

・公開買付者及び当社によれば、本公開買付契約において、大要、(ⅰ)公開買付者は、当社の商号及びブランドの価値を尊重した事業運営を行うことを定めていること、(ⅱ)公開買付者は、本取引後に、当社の従業員の解雇、雇用条件等の不利益変更を行う予定はなく、本公開買付契約においても、公開買付者は、本公開買付けに係る決済の開始日時点における当社グループの従業員の雇用を維持することに同意し、その雇用条件(福利厚生を含む。)を合理的な理由なく不利益に変更することを当社に要請しないことを定めていること、をそれぞれ確認している。以上の点に鑑みると、本取引による当社の企業価値向上に対する重大な支障となる事情として認められるものは見受けられない。

 

(イ)本取引の条件(本取引の実施方法及び本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の妥当性が確保されているか

 以下の点を踏まえると、本取引の交渉状況やスキーム等の妥当性を前提に、本公開買付価格については、その妥当性が認められる。また、本取引においては、一般株主が本公開買付け又は本スクイーズアウト手続のいずれによって対価を得たとしても、当社株式1株当たり本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることから、本取引の条件(本取引の実施方法及び本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の妥当性は確保されていると認められる。

・実際の交渉状況についてみると、本公開買付価格(1株当たり1,160円)は、当社が、本特別委員会における審議・検討に基づく本特別委員会からの買付価格の引上げ要請も踏まえ、SMBC日興証券の助言を受けながら公開買付者と交渉をした結果、公開買付者から、5度にわたり買付価格を引き上げる提案を引き出し、最終合意に至ったものとのことであり、一連の交渉経緯については、当社及びSMBC日興証券から、委員会又は電子メールにて適時に本特別委員会に対して共有及び説明が行われた。その結果、最終的な本公開買付価格は、当初に公開買付者が提示した価格から相応の上積みがされており、当社として、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して交渉がされた経緯が認められる。以上からすれば、本取引における本公開買付価格の合意は、当社と公開買付者との間において、実質的にも独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた交渉の結果なされたものであることが推認され、合意プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらない。

・本事業計画については、本取引が実施される可能性が具体的に認識される前から作成が進められていたものであり、その策定プロセスに、公開買付者の圧力が介在した事実は認められず、また、その内容において不合理な予測となっている点は認められない。

・SMBC日興証券が作成した当社株式価値算定書について、SMBC日興証券に対するヒアリング等によれば、市場株価法、類似上場会社比較法及びDCF法の選択、並びにそれぞれの算定方法及び算定根拠について、いずれも不合理な点は見当たらず、本特別委員会は、当社株式の株式価値の検討に当たり、SMBC日興証券が作成した当社株式価値算定書に依拠することができるものと評価した。その上で、本公開買付価格である1株当たり1,160円は、市場株価法及び類似上場会社比較法に基づく算定レンジの上限値を超え、かつ、DCF法に基づく算定レンジに収まる水準となっていると認められる。以上を勘案すれば、本公開買付価格の水準は、不合理とはいえない。

・本取引の方法は、株主が受領する対価が現金であることから、対価の分かり易さ、並びにその価値の安定性及び客観性が高いという点で望ましく、当社の完全子会社化を迅速に行うという要請と、一般株主等による十分な情報に基づく適切な判断の機会と時間の確保を両立させることができるという観点でも、特に株式等を対価とする株式交換等の組織再編よりも望ましいと考えられる。

 

(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか

 以下の点を踏まえると、本取引では、(ⅰ)取引条件の形成過程において実質的にも独立当事者間取引といえる状況が確保され、(ⅱ)一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点から見ても充実した公正性担保措置が採用され、かつ、実効性をもって運用されていると認められるから、結論として、本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。

・公開買付者、応募予定株主及び本取引の成否から独立した当社の独立社外取締役で構成される特別委員会を設置しており、その設置時期、権限等からみても、特別委員会が公正性担保措置として有効に機能していると認められる。

・当社について、2024年11月7日開催の取締役会において、髙梨氏、井深氏及び牛島氏を除く審議及び決議に参加した当社の取締役6名の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議がされる予定であること、当該取締役会に出席した監査役3名(うち社外監査役2名)の全員が、当該決議につき異議がない旨の意見を述べられる予定であること、当社の取締役会長である髙梨氏は、当社株式271,400株(所有割合:0.88%)を所有する当社の大株主であることから、また、井深氏及び牛島氏は、公開買付者の従業員であることから、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、上記取締役会の審議及び決議には参加しない予定であり、当社の立場において本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加していないこと、当社取締役会は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に関する意思決定を行うこと、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、本取引に賛同しないことが併せて決議されていること等を踏まえれば、本取引に関する当社の意思決定の恣意性は排除され、意思決定のプロセスの公正性、透明性及び客観性が確保されているといえる。

・当社は、当社、公開買付者、応募予定株主及び本取引の成否から独立したリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、特別委員会の設置や委員の選定、その他の公正性担保措置に係る助言を受けている。

・当社は、当社、公開買付者、応募予定株主及び本取引の成否から独立した第三者算定機関であるSMBC日興証券から、当社株式の株式価値に関する資料として当社株式価値算定書を取得している。

・本公開買付けの買付期間は、30営業日とされることが予定されているところ、本公開買付けはいわゆる事前公表型公開買付けであり、本公開買付価格を含む一連の取引条件が公表された後、本公開買付けの開始まで一定の期間を確保することにより、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対抗的買収提案者による買収提案の機会を確保するものと認められる。また、本公開買付契約において、当社は、本公開買付契約締結後、本公開買付けの買付期間が満了するまでの間、当社による直接又は間接の勧誘又は提案によらず、公開買付者以外の第三者から当社株式を対象とする公開買付けが提案又は公表された場合であって、当該公開買付けにおける当社株式の公開買付価格が、本公開買付けにおける当社株式の公開買付価格を上回っている場合(ただし、当社の非公開化を目的とするものであることを要する。)、当社は、本公開買付けに賛同し、当社の全ての株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明(以下「本賛同表明」という。)を変更若しくは撤回しないことが当社の取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると当社の取締役会が合理的に判断したとき、又は本特別委員会から本賛同表明を変更若しくは撤回することが適当である旨の助言若しくは答申を受けたときには、本賛同表明の変更又は撤回をすることができるものとされている。なお、上記の合意に従って当社が本賛同表明を変更又は撤回することとした場合に、当社から公開買付者に対するブレークアップ・フィー(補償金)等の金銭の支払が生じる旨の合意は行っていない。したがって、本取引の検討においては、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されている。

・本取引では、2024年11月7日付公開買付者プレスリリース及び2024年11月7日付当社プレスリリースにおいて、本特別委員会に付与された権限の内容、本特別委員会における検討経緯や公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、2024年11月7日付答申書の内容及び本特別委員会の委員の報酬体系等、当社株式価値算定書の概要、本取引の実施に至るプロセスや交渉経緯及び本取引契約書の内容等について充実した情報開示がなされる予定となっており、当社の株主等に対し、取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料は提供されていると認められる。

・公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、当社株式の全ての株式等売渡請求を行い、又は株式併合を行うことを付議議案に含む臨時株主総会の開催を当社に要請する予定であるところ、株式等売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭が、本公開買付価格に各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定する予定であること、株式等売渡請求の場合は当社の株主に裁判所に対する価格決定申立権が、株式併合の場合は当社の株主に株式買取請求権及びそれに伴う裁判所に対する価格決定申立権が、それぞれ確保されていることを踏まえると、強圧性が生じないように配慮がなされていると認められる。

 

(エ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことが適切か

 本特別委員会としては、上記(ア)乃至(ウ)において、本取引の目的の合理性、本取引に係る取引条件の妥当性及び本取引に係る手続の公正性が確認され、かつ、本取引を行うことが当社の一般株主にとって不利益なものでないことが確認されることにより、(エ)を是認する理由になるものと考える。そして、本特別委員会における検討の結果、上記(ア)乃至(ウ)について、いずれも問題があるとは認められないことは、上記(ア)乃至(ウ)で述べたとおりである。

 以上から、本特別委員会は、当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明を行うことが適切であると認められる旨の意見を答申する。

 

(オ)上記(ア)から(エ)のほか、本取引を行うことが当社の株主にとって不利益でないと考えられるか

 本特別委員会は、以上で述べてきたとおり、上記(ア)乃至(エ)を詳細に検討したことを確認している。そして、経済産業省作成の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」に即して、公正な手続を通じた一般株主利益の確保の観点から、本取引について総合的・網羅的な検討を行ってきたものであるが、かかる検討において、上記(ア)乃至(エ)で検討した事項のほかに本取引を行うことが当社の株主にとって不利益であるというべき事情を認めなかった。

 以上から、本特別委員会は、本取引を行うことが当社の株主にとって不利益でないと認められる旨の意見を答申する。

 

 その後、2024年11月20日、当社は、公開買付者から、本公開買付けの開始の支障となる問題が生じていないこと、2024年11月26日に当社において本公開買付けに関する意見表明に係る取締役会決議が適切かつ有効に行われること、及び同日に公開買付者において本公開買付けの開始に係る意思決定が適切かつ有効に行われることを前提に、本公開買付けを2024年11月27日より開始することを予定している旨の連絡を受け、その旨を本特別委員会にも報告いたしました。

 本特別委員会は、2024年11月26日開催の第19回特別委員会において、当社に対して、2024年11月7日以降本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、当該要請事項について検討を行った結果、2024年11月7日以降、2024年11月26日までの事情を勘案しても、2024年11月7日付答申書において表明した意見を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2024年11月7日付答申書において表明した意見に変更はない旨を委員全員の一致で決議し、その旨を記載した2024年11月26日付答申書を当社取締役会に提出しました。

 

④ 当社における独立した法律事務所からの助言

 当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、公開買付者、応募予定株主及び当社のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、本公開買付けに関する当社取締役会の意思決定の過程、方法その他の本公開買付けに関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。

 アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者、応募予定株主及び当社のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、第3回の会合において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとして承認しております。

 なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

 

⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

 当社取締役会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、SMBC日興証券から取得した当社株式価値算定書の内容を踏まえつつ、2024年11月7日付答申書の内容を最大限尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に検討を行いました。

 その結果、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本公開買付価格である1株当たり1,160円は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2024年11月7日開催の取締役会において、髙梨氏、井深氏及び牛島氏を除く審議及び決議に参加した当社の取締役6名の全員一致で、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、当該取締役会に出席した監査役3名(うち社外監査役2名)の全員が、当該決議につき異議がない旨の意見を述べております。

 また、上記取締役会においては、本公開買付けが開始される際に、当社が設置した本特別委員会に対して、2024年11月7日付答申書において表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう要請すること、及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。

 その後、2024年11月20日、当社は、公開買付者から、本公開買付けの開始の支障となる問題が生じていないこと、2024年11月26日に当社において本公開買付けに関する意見表明に係る取締役会決議が適切かつ有効に行われること、及び同日に公開買付者において本公開買付けの開始に係る意思決定が適切かつ有効に行われることを前提に、本公開買付けを2024年11月27日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。

 当社は、本特別委員会から、2024年11月26日付で、2024年11月7日付答申書において表明した意見に変更はない旨の2024年11月26日付答申書の提出を受けたことから、当該答申書の内容及び2024年11月7日開催の取締役会以降の当社の業績や市場環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討いたしました。

 その結果、当社は、2024年11月26日時点においても、本取引の目的や当該目的を達成する意義や必要性に変わりはなく、そのほかにも2024年11月7日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと考えたことから、2024年11月26日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、当社は、公開買付者に対して、2024年11月26日、同日時点において、未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実又は当社の株券等に対する公開買付け等の実施に関する事実が存在しない旨の報告を行っております。

 なお、当社の取締役会長である髙梨氏は、当社株式271,400株(所有割合:0.88%)を所有する当社の大株主であることから、また、井深氏及び牛島氏は、公開買付者の従業員であることから、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、上記の両取締役会の審議及び決議には参加しておらず、当社の立場において本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。

 

⑥ 他の買付者からの買付機会等を確保するための措置

 公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日に設定しているとのことです。このように公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして長期に設定することにより、公開買付者以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことです。

 また、当社及び公開買付者が2024年11月7日付で締結した本公開買付契約においては、公開買付者以外の第三者から当社株式を対象とする公開買付けが提案又は公表された場合であって、当該公開買付けにおける買付け等の価格が本公開買付価格を上回っている場合(ただし、当社の非公開化を目的とするものであることを要します。)、当社は、本賛同意見を変更若しくは撤回しないことが当社の取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると当社の取締役会が合理的に判断したとき、又は本特別委員会から本賛同意見を変更若しくは撤回することが適当である旨の助言若しくは答申を受けたときには、本賛同意見の変更又は撤回をすることができるものとされております。なお、上記の合意に従って当社が本賛同意見を変更又は撤回することとした場合に、当社から公開買付者に対するブレークアップ・フィー(補償金)等の金銭の支払が生じる旨の合意は行っておりません。本公開買付契約の詳細については、下記「(7)公開買付者と当社又は当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「③ 本公開買付契約」をご参照ください。

 

⑦ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

 公開買付者は、上記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式の全ての株式等売渡請求をすること又は株式併合及びその効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式等売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明らかにしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。

 また、上記「⑥ 他の買付者からの買付機会等を確保するための措置」に記載のとおり、公開買付者は、公開買付期間を30営業日に設定しており、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保し、これをもって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことです。

 

(7)公開買付者と当社又は当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

① 本応募契約(髙梨氏)

 上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年11月7日付で、髙梨氏との間で、本応募契約(髙梨氏)を締結しているとのことです。本応募契約(髙梨氏)において髙梨氏は、当社の取締役会において本賛同意見の表明決議が適法かつ有効に行われ、かかる表明が公表され、かつ、変更又は撤回されていないことを前提として、その所有する当社株式の全て(271,400株(所有割合:0.88%))について、本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。なお、本応募契約(髙梨氏)を除いて、公開買付者と髙梨氏との間で本取引に関する合意は締結されておらず、本公開買付価格の支払を除き、髙梨氏に対して本公開買付けに際して付与される利益はないとのことです。

 

(a)髙梨氏は、本応募契約(髙梨氏)の締結日から本公開買付けに係る決済の開始日までの間、本公開買付けへの応募を除き、当社株式について、取得又は移転、承継、担保提供その他の処分を行わないものとされているとのことです。加えて、髙梨氏は、第三者から本公開買付けと実質的に矛盾若しくは抵触し、又は本公開買付けの実行若しくは成立を困難にするおそれのある取引に係る提案を受け、又はかかる提案が存在することを知った場合、速やかに、公開買付者に対し、その旨及び当該提案の内容を通知し、対応につき、誠実に協議するものとされているとのことです。

(b)髙梨氏は、当社において、本公開買付けに係る決済の開始日より前の日を権利行使の基準日とする株主総会が開催される場合、かかる株主総会において、公開買付者の指示に従ってその所有する当社株式に係る議決権を行使するものとされているとのことです。

(c)本応募契約(髙梨氏)においては、(ⅰ)相手方当事者(髙梨氏にとっては公開買付者を、公開買付者にとっては髙梨氏を指します。以下本項目において同じです。)につき、本応募契約(髙梨氏)に基づく義務の重要な点について違反があった場合、(ⅱ)相手方当事者による本応募契約(髙梨氏)に基づく表明及び保証(注1)(注2)について重要な点で違反があった場合が解除事由として規定されているとのことです。また、法令等に基づき本公開買付けが撤回された場合又は本公開買付けに係る応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たなかった場合には、本応募契約(髙梨氏)は自動的に終了するものとされているとのことです。

(注1) 本応募契約(髙梨氏)において、髙梨氏は、公開買付者に対して、本応募契約(髙梨氏)の締結日、本公開買付けの開始日及び本公開買付けに係る決済の開始日において、①存続及び権限の有効性、②本応募契約(髙梨氏)の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在並びに手続の履践、③本応募契約(髙梨氏)の有効性及び強制執行可能性、④本応募契約(髙梨氏)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関連性の不存在、⑥倒産手続の不存在、⑦髙梨氏の保有する当社株式に対する権利の有効性について、表明及び保証を行っているとのことです。

(注2) 本応募契約(髙梨氏)において、公開買付者は、髙梨氏に対して、本応募契約(髙梨氏)の締結日、本公開買付けの開始日及び本公開買付けに係る決済の開始日において、①設立、存続及び権限の有効性、②本応募契約(髙梨氏)の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在並びに手続の履践、③本応募契約(髙梨氏)の有効性及び強制執行可能性、④本応募契約(髙梨氏)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関連性の不存在、⑥倒産手続の不存在について、表明及び保証を行っているとのことです。

 

② 本応募契約(野村総合研究所)

 上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年11月7日付で、野村総合研究所との間で、本応募契約(野村総合研究所)を締結しているとのことです。本応募契約(野村総合研究所)において野村総合研究所は、その所有する当社株式の全て(3,130,000株(所有割合:10.11%))について、本公開買付けに応募する旨の合意をしており、野村総合研究所による応募の前提条件は存在しないとのことです。なお、本応募契約(野村総合研究所)を除いて、公開買付者と野村総合研究所との間で本取引に関する合意は締結されておらず、本公開買付価格の支払を除き、野村総合研究所に対して本公開買付けに際して付与される利益はないとのことです。

 

(a)野村総合研究所は、本応募契約(野村総合研究所)の締結日から本公開買付けに係る決済の開始日までの間、本公開買付けへの応募を除き、当社株式について、取得又は移転、承継、担保提供その他の処分を行わないものとされているとのことです。加えて、野村総合研究所は、第三者から本公開買付けと実質的に矛盾若しくは抵触し、又は本公開買付けの実行若しくは成立を困難にするおそれのある取引に係る提案を受け、又はかかる提案が存在することを知った場合、速やかに、公開買付者に対し、その旨及び当該提案の内容を通知し、対応につき、誠実に協議するものとされているとのことです。

(b)野村総合研究所は、当社において、本公開買付けに係る決済の開始日より前の日を権利行使の基準日とする株主総会が開催される場合、かかる株主総会において、公開買付者の指示に従ってその所有する当社株式に係る議決権を行使するものとされているとのことです。

(c)本応募契約(野村総合研究所)においては、(ⅰ)相手方当事者(野村総合研究所にとっては公開買付者を、公開買付者にとっては野村総合研究所を指します。以下本項目において同じです。)につき、本応募契約(野村総合研究所)に基づく義務の重要な点について違反があった場合、(ⅱ)相手方当事者による本応募契約(野村総合研究所)に基づく表明及び保証(注3)(注4)について重要な点で違反があった場合が解除事由として規定されているとのことです。また、法令等に基づき本公開買付けが撤回された場合又は本公開買付けに係る応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たなかった場合には、本応募契約(野村総合研究所)は自動的に終了するものとされているとのことです。

(注3) 本応募契約(野村総合研究所)において、野村総合研究所は、公開買付者に対して、本応募契約(野村総合研究所)の締結日、本公開買付けの開始日及び本公開買付けに係る決済の開始日において、①設立、存続及び権限の有効性、②本応募契約(野村総合研究所)の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在並びに手続の履践、③本応募契約(野村総合研究所)の有効性及び強制執行可能性、④本応募契約(野村総合研究所)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関連性の不存在、⑥倒産手続の不存在、⑦野村総合研究所の保有する当社株式に対する権利の有効性について、表明及び保証を行っているとのことです。

(注4) 本応募契約(野村総合研究所)において、公開買付者は、野村総合研究所に対して、本応募契約(野村総合研究所)の締結日、本公開買付けの開始日及び本公開買付けに係る決済の開始日において、①設立、存続及び権限の有効性、②本応募契約(野村総合研究所)の締結及び履行に必要な権限及び権能の存在並びに手続の履践、③本応募契約(野村総合研究所)の有効性及び強制執行可能性、④本応募契約(野村総合研究所)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑤反社会的勢力に該当しないこと及び反社会的勢力との関連性の不存在、⑥倒産手続の不存在について、表明及び保証を行っているとのことです。

 

③ 本公開買付契約

 上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、2024年11月7日付で、公開買付者との間で、本公開買付契約を締結しております。本公開買付契約においては、公開買付者及び当社による表明保証事項(注5)、当社の義務(注6)、公開買付者の一定の権利(注7)、公開買付者及び当社による本公開買付け後の協業内容等(注8)、解除・終了事由(注9)が定められているほか、本公開買付前提条件が充足され又は公開買付者により放棄されていることを条件として公開買付者が本公開買付けを実施すること等が定められております。

(注5) 本公開買付契約において、当社は、大要、①設立、存続及び権限の有効性、②本公開買付契約の締結及び履行に必要な権利能力及び行為能力、③本公開買付契約の有効性及び強制執行可能性、④本公開買付契約の締結及び履行に必要な許認可等の取得、⑤本公開買付契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑥倒産手続等の不存在、⑦反社会的勢力との取引・関与の不存在、⑧子会社の株式の保有の適法性及び有効性、⑨計算書類等及び有価証券報告書の正確性、⑩簿外債務、偶発債務及び後発事象の不存在、⑪重要な契約・資産・システム等の適法性及び有効性、⑫許認可等の適法性及び有効性、⑬法令遵守等、⑭訴訟等の不存在(ただし、公開買付者が認識するものを除きます。)、⑮公租公課の適法性、⑯公開買付者に対する情報開示の真実性、正確性等について、表明及び保証を行っております。また、本公開買付契約において、公開買付者は、大要、①設立、存続及び権限の有効性、②本公開買付契約の締結及び履行に必要な権利能力及び行為能力、③本公開買付契約の有効性及び強制執行可能性、④本公開買付契約の締結及び履行に必要な許認可等の取得、⑤本公開買付契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑥反社会的勢力との取引・関与の不存在、⑦倒産手続等の不存在について、表明及び保証を行っております。

(注6) 本公開買付契約において、当社は、大要、①本賛同意見を表明及び公表し、本賛同意見を維持する義務(ただし、当社による直接又は間接の勧誘又は提案によらず、公開買付者以外の第三者から、当社株式を対象とし、当社の非公開化を目的とする公開買付けが提案又は公表され、当該公開買付けにおける買付け等の価格が本公開買付価格を上回っている場合で、本賛同意見を変更若しくは撤回しないことが当社の取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると当社の取締役会が合理的に判断したとき、又は本特別委員会から本賛同意見を変更若しくは撤回することが適当である旨の助言若しくは答申を受けたときはこの限りではありません。)、②競合取引(本取引を実質的に困難若しくは不可能とする取引を含みます。)に関する合意、提案、勧誘、協議、交渉又は情報提供を行わない義務、③第三者による対抗提案を直接又は間接に勧誘又は提案しない義務及び第三者から対抗提案がされた場合は速やかに公開買付者に報告する義務、④BBT所有株式、J-ESOP所有株式並びに役員持株会及び従業員持株会が所有する株式について、本取引に伴う処理の方法について公開買付者に対して報告するとともに、本公開買付けへの応募が可能な場合には本公開買付けに応募するよう当該各株式の所有者に対して要請する義務、⑤当社の株主の本公開買付けへの応募に関して買付者に合理的な範囲で協力する義務、⑥当社の上記表明保証事項又は上記①乃至⑤の義務の違反があった場合の補償義務を負担しています。

(注7) 本公開買付けの決済の開始日以後、公開買付者が指定する者を、当社の取締役会その他の重要な会議体にオブザーバーとして参加させ、また、公開買付者の従業員を、当社に出向させることができる権利等が定められています。

(注8) 本公開買付けに係る決済の開始日以降において、公開買付者及び当社は、①国内及び海外におけるネットワークサービスとサイバーセキュリティサービスの一体販売・運用、②公開買付者グループのケイパビリティと当社の技術資産及び人的資産を活用したサイバーセキュリティサービスの高度化、③セキュリティ周辺SIの拡大、及び④その他セキュリティ事業において、当社を核とする、公開買付者と当社との事業シナジーを最大化する戦略的施策の検討等の協業を行うこととされています。加えて、本公開買付けに係る決済の開始日以降において、公開買付者は、大要、①当社の商号及びブランドの価値の尊重、②当社グループの従業員の雇用維持の同意及び不合理な雇用条件の不利益変更の要請禁止、③当社の役員並びに従業員に向けたインセンティブプランの誠実な検討、④本中期経営計画の合理的な範囲での尊重及び商業上合理的な範囲での協力、及び⑤セキュリティ領域の戦略的重要性の認識に基づく当社の経営の独立性及び自律性への配慮について誓約しております。

(注9) 本公開買付契約において、相手方当事者(公開買付者にとっては当社を、当社にとっては公開買付者を指します。以下本項目において同じです。)につき、本公開買付契約に基づく義務又は表明保証の重大な違反があった場合、及び相手方当事者について倒産手続が開始された場合等が解除事由として規定されています。また、①当事者が、書面により本公開買付契約の終了について合意した場合、②本公開買付けが開始されたにもかかわらず、撤回され、又は不成立となった場合、③当社が本賛同表明を変更又は撤回した場合、④公開買付者が、2024年12月末日までに本公開買付けを開始しない場合には、本公開買付契約は終了するものとされています。

 

4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

氏名

役職名

所有株式数(株)

議決権の数(個)

髙梨 輝彦

取締役会長

272,549

2,725

西本 逸郎

代表取締役社長

執行役員社長 CEO

28,723

287

井深 円

取締役 常務執行役員 海外事業戦略部長

牛島 克弥

取締役 常務執行役員

737

7

村井 純

取締役

佐々木 通博

取締役

村口 和孝

取締役

12,000

120

樋口 健

取締役

土屋 奈生

取締役

2,885

28

伊藤 信博

常勤監査役

28,791

287

蜂屋 浩一

監査役

関根 良太

監査役

345,685

3,454

 (注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。

 (注2) 取締役の村井純氏、佐々木通博氏及び村口和孝氏は、社外取締役であります。

 (注3) 監査役の蜂屋浩一氏及び関根良太氏は、社外監査役であります。

 (注4) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれに係る議決権の数を含めた数を記載しております。

 

5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

 該当事項はありません。

 

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

 該当事項はありません。

 

7【公開買付者に対する質問】

 該当事項はありません。

 

8【公開買付期間の延長請求】

 該当事項はありません。