第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

提出会社の経営指標等

回次

第33期

第34期

第35期

第36期

第37期

決算年月

2020年8月

2021年8月

2022年8月

2023年8月

2024年8月

売上高

(千円)

4,388,522

5,369,639

8,585,027

6,868,463

4,749,003

経常利益

(千円)

834,086

1,200,149

2,366,768

789,112

42,870

当期純利益

(千円)

690,561

902,702

1,817,019

706,580

19,593

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

1,241,157

1,241,157

1,241,157

1,241,157

1,241,157

発行済株式総数

(株)

13,053,000

13,053,000

13,053,000

13,053,000

13,053,000

純資産額

(千円)

5,706,094

6,327,134

7,299,089

7,473,761

7,163,287

総資産額

(千円)

8,894,466

9,742,628

12,552,945

11,612,024

11,464,215

1株当たり純資産額

(円)

445.69

494.20

578.06

591.25

566.10

1株当たり配当額

(円)

17.00

24.00

48.00

36.00

30.00

(うち1株当たり中間配当額)

(5.00)

(10.00)

(22.00)

(18.00)

(10.00)

1株当たり当期純利益金額

(円)

53.34

70.51

142.58

55.92

1.55

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

64.2

64.9

58.1

64.4

62.5

自己資本利益率

(%)

12.5

15.0

26.7

9.6

0.3

株価収益率

(倍)

16.59

28.42

14.59

32.35

995.48

配当性向

(%)

31.9

34.0

33.7

64.4

1,935.5

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

1,190,519

1,062,178

2,227,966

2,252,246

431,772

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

337,360

809,886

1,744,664

1,489,501

504,277

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

575,951

291,400

8,074

286,701

395,071

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

2,540,381

2,505,018

3,011,795

3,496,246

3,028,196

従業員数

(人)

142

160

179

183

198

(外、平均臨時雇用者数)

(102)

(108)

(133)

(152)

(133)

株主総利回り

(%)

102.4

232.1

246.2

219.5

192.7

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(109.8)

(135.9)

(139.3)

(170.1)

(202.4)

最高株価

(円)

1,244

2,541

3,430

2,068

2,419

最低株価

(円)

475

853

1,741

1,396

1,280

 

(注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。

4.最高・最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(プライム市場)におけるものであり、2018年11月27日より2022年4月3日までは東京証券取引所(市場第一部)におけるものであります。

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第35期の期首から適用しており、第35期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

2【沿革】

年月

沿革

1965年4月

鹿児島県出水市において鉄工所を故前田務(元社長、元相談役)が個人で創業

1988年10月

個人経営の鉄工所をマルマヱ工業有限会社(現当社)に改組(出資金2,000千円)

1992年(注)

オートバイ部品製造目的のT'sM'sR&D(現当社事業)を前田俊一(現代表取締役)が個人で創業

1997年9月

T'sM'sR&Dの事業をマルマヱ工業有限会社が引継いでR&D(切削加工の研究開発)事業部を設置

2001年4月

株式会社マルマエに商号及び組織変更(資本金10,000千円)

2003年12月

鹿児島県出水郡高尾野町(現出水市)に本店移転、高尾野事業所 新工場竣工

2004年12月

日本証券業協会によるグリーンシート銘柄に指定

2005年12月

高尾野事業所 第2工場竣工

2006年12月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2007年2月

熊本事業所(熊本県菊池郡大津町)が稼動開始

2008年3月

高尾野事業所 第4工場竣工

2008年4月

関東事業所(埼玉県朝霞市)が稼動開始

2011年4月

熊本事業所の閉鎖

2011年7月

事業再生ADR手続の成立

2015年1月

事業再生ADR手続による事業再生計画の終結

2015年6月

高尾野事業所 第5工場竣工

2015年10月

高尾野事業所 第6工場竣工

2016年11月

開発部の新設

2017年1月

高尾野事業所 第7工場竣工

2018年1月

東京証券取引所市場第二部へ上場市場変更

2018年4月

出水事業所(鹿児島県出水市)が稼動開始

2018年11月

東京証券取引所市場第一部に指定

2019年2月

鹿児島県出水市大野原町(出水事業所)に本店(本社)移転

2019年5月

高尾野事業所 第8工場竣工

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しによりプライム市場へ移行

(注)個人事業部分については、月次の確定が困難なため月の記載を省略しております。

3【事業の内容】

(1)事業の内容

(事業の内容)

当社の事業の内容は、半導体・FPD(※1)等の製造装置に使用される真空チャンバーや電極等の真空部品の製造を行う精密部品事業の単一セグメントであります。

小型高精度加工機から国内最大クラスの門型5面加工機まで幅広い工作機械を駆使し、オートバイのレース用部品、発電所用蒸気タービン部品、防衛省向け部品、医療装置部品、産業用ロボット部品、FPD製造装置関連部品、半導体製造装置関連部品及び太陽電池製造装置関連部品へ展開して参りました。現在は、主に半導体製造装置とFPD製造装置に使用されるチャンバーや電極等の真空パーツの製造が主力となっております。

当社の製造する半導体製造装置部品は、半導体チップを製造する工程のうち、CVD、エッチング、塗布、洗浄などの一般的に前工程と言われる工程で使用される真空パーツを製造しております。また、FPD製造装置関連部品は、液晶パネルを製造する工程のうち、CVD、スパッタ、エッチング、アッシング、塗布、貼り合わせなどの工程で使用される真空パーツが中心です。

当社は、半導体及びFPD製造装置の精密部品のなかでも、要求品質が高く複雑な形状であることから高い参入障壁を持つ真空パーツへ取組み、受注拡大を狙っております。また、独創的な製造手法や継続的な生産性改善手法等を組み合わせた、独自の生産方式(マルマエ生産方式)によりコスト低減を続け、市場価格の低下に先回りした対応を行っております。

各種製造装置の部品製造には切削加工だけでなく、溶接加工、ガンドリル加工、組立、輸送など、さまざまな工程と設備、そしてノウハウが必要です。当社では、これら複数の工程を一貫受注できるよう生産設備を増強し、技術面でもお客様の満足を得られるモノづくりを進めております。この一貫受注により、輸送コストが安い上に納期コントロールがしやすく、仕様変更にも迅速に対応できるほか、製造履歴の管理が徹底できることで、少量多品種の部品製造業としては高度な品質管理を行っております。一貫受注は製造だけにとどまらず、自社で大型高精度部品輸送用のエアサス付大型トレーラーとトラックを所有し、低コストな輸送と短納期を実現しております。

精密部品製造において、一般的には、切削加工のプログラミング担当と工作機械のオペレーション担当が分かれておりますが、当社では、主要な製造技術者に対し、オペレーションだけでなく、プログラマーとしての教育を行うことで量産品の試作やボリュームのある単品物についても短納期対応を可能としており、プログラマーの割合が多いことが当社の強みとなっております。また、当社のプログラマーはコンピューターで製図を行うCADやコンピューターでプログラミングを行うCAMなどITを活用できるデジタルな職人を多数育成し配備しております。

また、当社では、これまでのさまざまな分野での生産活動で培われたノウハウを基に、設計段階での構造提案やVE提案も行っております。アルミ素材の種類選択から、溶接構造、可動部品、熱変形、腐食など幅広い分野での提案が可能です。

当社の成長を支えてきた製造技術は、独創的技術力等の「強み」を持つことで、時間短縮を行ったり、他社が作り得ない製品の受注を可能とすることで受注を生み出してまいりました。

今後も引き続き当社の試作能力及び生産キャパシティの拡大並びにさまざまな分野のモノづくりと切削技術の革新に努めております。

(製品分野)

①半導体製造装置関連部品

用途:半導体製造装置及び検査装置を構成する真空部品です。

特徴:主に真空中で使用されるために気密性など高精度な仕上がりが要求されるほか、高温高電圧のプラズマ(※2)にさらされることから高い耐電圧性能が要求されます。また、半導体製造のプロセスは非常に繊細であるため、製品の安定度が重要な要素となっており、試作とプロセス評価に長い時間が掛かりながらも、一旦装置に採用されると長期間変更されずに受注が継続します。また、プラズマにさらされることから消耗も激しく、定期的に消耗品需要もあり、新規装置の需要が無い場合でも消耗品需要が見込めます。

②FPD製造装置関連部品

用途:液晶及び有機EL等の製造装置及び検査装置を構成する真空部品です。

特徴:チャンバーと呼ばれる耐真空容器や電極と呼ばれるチャンバー内蔵物を製造しております。これらの部品は部品サイズが3m以上と大きく、形状が複雑で非常に歪み易い割に、厳しい平面度や位置精度など高精度が要求されるアルミ等の金属製部品です。大きさは違いますが、半導体部品と同様にプラズマにさらされる環境で、耐電圧や安定性が求められる重要部品です。

③その他の分野

用途:スマートフォン筺体(ケース)の表面処理装置、太陽電池製造装置部品、オートバイのレース用部品、光学分野(カメラ・顕微鏡)・医療装置などの産業用装置部品などを製造しております。

特徴:各分野の最終製品を構成する部品のなかでも、複雑な形状や高い平面度が必要であるなど歪みの少なさが要求される部品、あるいは溶接や表面処理を含む多工程が必要な部品などで、アルミほか各種金属製の部品です。

(生産拠点及び製造設備)

当社は、鹿児島県出水市及び埼玉県朝霞市に生産拠点があり、2024年8月31日現在、合計188台の工作機械を保有及び運用しております。

※1 FPD     ………Flat Panel Displayの略で薄型テレビの総称です。

※2 プラズマ    ………高温高電圧の環境下で気体を構成する分子が電離し陽イオンと電子に分かれて運動している状態であり、非常に高エネルギーで活性化している状態。活性化した状態を活かして金属の膜をエッチング(溶かして溝を掘る)するなどのプロセスを行います。

(2)事業系統図

当社事業の系統図は以下のとおりであります。

0101010_001.png

 

4【関係会社の状況】

該当事項はありません。

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

当社は、精密部品事業のみの単一セグメントとなっております。そのため、セグメント区分別の従業員数は記載しておりません。

 

 

 

 

2024年8月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

198

(133)

39.0

8.2

4,746

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(嘱託社員、パートタイマー等を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(2)労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

15.0

75.0

61.2

86.4

62.3

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。