当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
[国内外経済等の背景について]
当中間連結会計期間において、景気は足踏みがみられつつも緩やかに回復しております。また、賃金の上昇の動き、各種政策の効果もあって、個人消費についても緩やかな回復が続くことが期待されております。
家電小売業界では、これまで続いていた物価高・実質賃金低下・可処分所得減少等に伴う消費者の日常生活における節約志向が継続する一方、個人消費の回復傾向や気候要因等を背景として、省エネ性能の優れたドラム式洗濯機・エアコンなどの高付加価値商品が堅調に推移しました。
[当社の取り組みについて]
このような市況を背景に、当社グループは、「くらしまるごと」戦略の下、成長戦略として掲げる5つの重点施策「LIFE SELECTをコアとした業態別エリア店舗開発の積極的推進」「Eコマースの強化推進」「SPA商品の積極的開発」「YAMADAスマートハウスで完結型くらしまるごと提案強化」「各事業会社別課題の目標設定で目標達成を図る」を実行することにより、継続した増収・増益体制の構築に取り組みました。4月には、オンラインギフトプラットフォーム「Giftmall(ギフトモール)」を運営する株式会社ギフトモールと資本業務提携を発表しました。ギフトモールの保有するプラットフォーム集客力、顧客基盤、サービス開発力を活用することでEコマースの強化推進やOMO(Online Merges with Offline オンラインとオフラインの融合)を可能とする等、当社Eコマース基盤をより深化できることを目指していきます。5月には、家電流通業界に特化したAIロボティクスサービス創出に向けて avatarin株式会社と業務提携契約を締結しました。まずは、遠隔操作ロボットの接客の実験を行い、店舗におけるお客様とのコミュニケーションのデジタル化を進め、当面の生産性向上、将来起こりうる人手不足の課題解決に向けてAI接客の実現可能性を検討します。また、6月には、サブスクサービスのプラットフォーマーであるみずほリース株式会社と協働し、法人を対象とした家電のサブスクサービス「ヤマダビジネスレンタル」を開始。企業における家電製品の導入から引き取りに至るまでのプロセスへの対応及び負担を大幅に軽減することとあわせてレンタル期間中の製品保証も付帯した、安心して家電製品をご利用いただける取り組みを始めています。今後もこのような事業提携による新規事業展開を行うことでの、成長戦略構築に努めます。
当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は前年同期比2.7%増の7,960億1百万円、営業利益は前年同期比14.1%増の232億27百万円、経常利益は前年同期比5.0%増の248億31百万円の増収・増益となりました。なお、親会社株主に帰属する中間純利益は、前年度において、固定資産売却益が当中間連結会計期間に比べ多く計上されていたことに加え、退職給付制度改定益が特別利益に計上されていた影響を受け、前年同期比3.6%減の127億72百万円となりました。今期業績の主な要因としては、①個人消費の持ち直しによる耐久消費財の需要増加、②猛暑によるエアコン販売の伸長、③前期の構造改革により売上が低迷していた住建部門の回復傾向、④2024年9月30日時点の一時的な円高による通貨オプション取引・為替予約から発生した評価損等によるものです。
また、売上だけでなく、販売管理費については、LIFE SELECTの出店に合わせた店舗の統廃合等による店舗生産性の向上のほか、紙チラシの代わりにデジタル広告を強化するといった広告宣伝の最適化に向けた取り組み等によって、人件費および広告宣伝費等の経費上昇を抑制できております。こうした施策は今後も継続して取り組んで参ります。
[セグメント別の業績状況]
2023年10月1日付で子会社間の合併を実施したことに伴い、従来「金融」に含めていた家電製品の延長サービス事業を「デンキ」に含めており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
1) デンキセグメント
デンキセグメントにおいては、「くらしまるごと」戦略の強化として「たのしい。くらしをシアワセにする、ぜんぶ。」をストアコンセプトとしたくらし体験・体感・完結型店舗「LIFE SELECT(日本最大級の品揃え・価格・サービスのお店)」の展開を推進しており、2024年5月には広島県福山市に「Tecc LIFE SELECT 福山店」を新装オープンしました(2024年9月末現在 全国33店舗)。またこの他にも、今期中にLIFE SELECT3店舗の出店を予定しております。こうしたLIFE SELECTをコアとした積極的なエリア店舗開発によって営業体制強化を進めるとともに、リフォームや家具・インテリア、ネット・TVショッピング、法人事業等で新たな取り組み・成長戦略を推進することにより、更なる増収・増益体制の構築に努めております。また今期は、期初から猛暑による影響で、エアコンをはじめとした季節家電の需要が大きく伸長しました。
以上の取り組みの下、デンキセグメントにおける売上高は6,585億42百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は 221億73百万円(前年同期比9.6%増)の増収・増益となりました。
2) 住建セグメント
住建セグメントにおける売上高は1,266億15百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益は△8億85百万円(前年同期比+4億96百万円)の増収・赤字幅の縮小となりました。
住建セグメントの会社別実績(連結・内部取引相殺前)は、①ヤマダホームズは売上高421億85百万円(前年同期比24.2%増)、営業利益△14億31百万円(前年同期比+8億57百万円)となり、前期より取り組んできた、営業・販売体制の刷新及び積極的広告投資が奏功し、住宅事業・中古買取事業等が好調に推移しました。特に、ヤマダデンキ店舗内に「住まいの相談カウンター」を設置し、住宅の情報収集・接客の新たなタッチポイントを設けるなど、グループシナジーを発揮した施策を展開することによって、土地の仕入れ体制が大きく増強された結果、建売分譲をはじめとする住宅販売が大きく伸長しました。引き続き、建売分譲住宅の拡販や注文住宅の新商材の投入及び着工期間の短縮を進め、早期収益化を推進します。
②ヒノキヤグループは、分譲住宅が好調に推移する一方、注文住宅の着工遅れが生じているほか、断熱材事業においても取引先デベロッパーの需要が下期に集中することに伴い、一時的に完工案件が減少した結果、売上高552億70百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益△1億26百万円(前年同期比△8億57百万円)の減収・減益となりました。住宅事業および断熱材事業ともに、案件が集中する期末へ向けて各種工程管理を徹底して参ります。
③ハウステックは、納入先ビルダーの着工・完工遅れによる影響を受けましたが、当社グループシナジーの発揮、商品価格戦略の見直しの継続、徹底した経費コントロール等の取り組みにより売上高298億94百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益9億54百万円(前年同期比6.0%増)の減収・増益となりました。
3) 金融セグメント
金融セグメントにおける売上高は22億89百万円(前年同期比29.1%増)、営業利益は6億49百万円(前年同期比201.7%増)となり、当社グループの住宅事業・リフォーム事業と連携したヤマダNEOBANK住宅ローン及びリビングローンの伸長や、ヤマダ少額短期保険の業績拡大等によって増収・増益となりました。
4) 環境セグメント
環境セグメントにおける売上高は169億31百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益は8億27百万円(前年同期比9.4%増)となり、リユース家電の生産体制及び売上高が着実に伸長し、増収・増益となりました。なお、再製品化した商品の取り扱いは足元ではヤマダデンキ300店舗以上で展開しており、当社グループ完結型の資源循環システム構築へ向けた取り組みは着実に推移しています。
5) その他セグメント
その他セグメントにおける売上高は125億30百万円(前年同期比2.2%減)、営業利益は3億86百万円(前年同期比17.4%減)となりました。減収・減益の主な要因はコスモス・ベリーズにおけるビジネスモデルの変更によるものです。
[店舗数について]
当中間連結会計期間末の店舗数(海外含む)は、9店舗の新規出店、21店舗の退店により、直営店舗数993店舗(ヤマダデンキ直営963店舗、その他連結子会社30店舗)となり、FCを含むグループ店舗数総計は9,780店舗となっております。
[業績のまとめ]
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高7,960億1百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益232億27百万円(前年同期比14.1%増)、経常利益248億31百万円(前年同期比5.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益127億72百万円(前年同期比3.6%減)となりました。
[財政状態]
当中間連結会計期間末の総資産額は、前連結会計年度末に比べ417億83百万円増加(前期比3.2%増)して1兆3,307億78百万円となりました。主な要因は、商品及び製品の増加によるものであります。
負債は、376億42百万円増加(前期比5.7%増)して7,024億62百万円となりました。主な要因は、運転資金の借入に伴う短期借入金の増加によるものであります。
純資産は、41億41百万円増加(前期比0.7%増)して6,283億16百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する中間純利益による利益剰余金の増加によるものであります。この結果、自己資本比率は46.7%(前期末は47.8%)となりました。
[経営成績]
①売上高・売上総利益
当中間連結会計期間の売上高は、期初から猛暑による影響で、エアコンをはじめとした季節家電の需要が大きく伸長したほか、住宅・リフォーム等の売上が好調に推移しました。その結果、当中間連結会計期間の売上高は7,960億1百万円(前年同期比2.7%増)となりました。売上総利益に関しては、冷蔵庫などの売上が伸び悩む中、リフォーム及び家具・インテリアの拡販で粗利高の確保に努めたことにより、当中間連結会計期間の売上総利益は2,288億41百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
②販売費及び一般管理費・営業利益・経常利益・税金等調整前中間純利益
当中間連結会計期間の販売費及び一般管理費は、売上伸長に伴う各種経費の増加により、2,056億13百万円(前年同期比0.2%増)となり、営業利益は、232億27百万円(前年同期比14.1%増)となりました。
営業外収益及び費用は、営業外収益52億円(前年同期比3.4%減)、営業外費用は35億96百万円(前年同期比70.2%増)となり、その結果、経常利益は248億31百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
特別利益は2億26百万円、特別損失は33億89百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前中間純利益は216億69百万円(前年同期比5.3%減)となりました。
③法人税等合計・非支配株主に帰属する中間純利益・親会社株主に帰属する中間純利益・中間包括利益
当中間連結会計期間の法人税等合計は88億4百万円、非支配株主に帰属する中間純利益は92百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する中間純利益は127億72百万円(前年同期比3.6%減)、中間包括利益は129億68百万円となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ169億32百万円増加して712億83百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、59億60百万円の支出(前年同期は131億26百万円の収入)となりました。
これは主に、棚卸資産の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、161億76百万円の支出(前年同期は101億35百万円の支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、383億13百万円の収入(前年同期は2億99百万円の支出)となりました。
これは主に、運転資金の借入に伴う短期借入金の増加によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1億58百万円であります。これは、主に子会社である株式会社ハウステックの住建事業における研究開発活動によるものであります。
なお、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。