当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、創立以来「開発は企業の保険なり」の社是のもと事業活動に取り組み、産業界の省力・省人化、作業環境の改善を通じて社会に貢献することを基本方針に掲げております。この基本方針に基づいて、高機能・高品質・高信頼性の製品づくりに努め、日東工器ブランドを浸透させることによって、企業価値を高めてまいります。
(2) 経営戦略等
当社グル-プの中長期的な経営戦略は、お客様に喜んでいただける「ホンモノ」のモノづくりによる企業文化を継承し、独創性に富んだ技術の追求、独創的なオンリーワン製品の開発、日東工器ブランドの向上、さらに企業価値の向上を目指すことであります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営目標における指標は、売上高、営業利益、自己資本利益率(ROE)であります。中期経営計画(2021年4月(第66期)~2024年3月(第68期))の最終年度である2024年3月期の目標値は、連結売上高303億80百万円、営業利益41億20百万円であり、中長期的には自己資本利益率(ROE)8%以上を目指しております。
(4) 経営環境
当連結会計年度における世界経済は、多くの国で経済活動が正常化し景気回復に向かっているものの、エネルギー価格高騰や供給制約、インフレの継続や世界的な金融引き締めが経済を下押ししました。日本経済においても、ウィズコロナの下、社会情勢は正常化に移行しつつありますが、円安や原材料価格高騰の影響を受けた状況で推移しました。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、2021年4月(第66期)~2024年3月(第68期)を期間とする中期経営計画を実行しており、2023年度は、最終年度となります。この中期経営計画は、100年企業を目指すために、社是「開発は企業の保険なり」の理念のもと、新製品・新規事業開発により、グローバルな事業展開を強く推し進めるとともに、社会貢献と事業活動を両立し、社会から必要とされる企業であり続けることを目指すものです。
研究開発面では、新市場に向けた製品開発に注力し、創立以来の開発テーマである「省力・省人化」を更なる次元に高めていきます。具体的には、水素エネルギー分野の製品開発、バッテリーツールの更なる拡充、ロボット及びファクトリー・オートメーション(FA)と親和性の高いツールの開発、医療関連機器の拡充に取り組んでいきます。そのためにはIT化・自動化をはじめとした新技術開発を強化してまいります。
生産面では、引き続き、将来を見据えた自動化・IT化に積極的に投資してまいります。これらを推し進めることにより、更なる品質向上、コストダウン、納期短縮を実現させていきます。なお、昨今の原材料不足、原材料高騰に対応すべく、調達の合理化・グローバル化を推し進めてまいります。また、2022年11月に設立を発表しました新工場について、2025年度の操業を目指し建設準備に入ります。
販売面では、国内営業はすべての販売ネットワークを駆使し、全製品での拡販に注力し、既存事業の強化を進めます。同時に新分野の開拓、ニーズの掘り起こしを行い、当社製品の事業領域の拡大と深化に努めます。
海外営業は、海外マーケティング機能を強化し、海外でのブランド認知度向上と新販売チャネルの開拓にグループ総力を挙げて取り組みます。また、従来の営業活動に加え、コロナ禍で培ったYouTubeなどのデジタルマーケティングツールを駆使した活動を展開してまいります。
管理面では、新基幹システムの導入準備や業務のデジタル化を推し進め、業務の生産性向上と品質向上を図ります。
また、更なるパンデミックや自然災害に備えたBCPの強化、ならびにコンプライアンスの強化に努めてまいります。
当社グループは、経営方針として掲げる「社会への貢献」「従業員の幸福」「会社の発展」を実践し、持続可能な社会の実現に貢献する企業であり続けるために、グループ全体でサステナビリティ経営の推進に取り組んでおります。
(1)ガバナンス
サステナビリティに関する考え方を明確化・強化するため、2023年4月1日付で、サステナビリティに関する業務を管轄するサステナビリティ推進部を設置しました。続いて取締役会の諮問機関として、サステナビリティ委員会を設置することを2023年5月10日の取締役会で決議いたしました。同委員会は、委員長を代表取締役社長、副委員長を管理統轄役員とし、弁護士、グローバル企業経営経験者、女性など多様な視点を考慮した合計5名で構成しており、主に以下の内容について審議し、取締役会へ答申する予定です。
・サステナビリティに関する基本方針
・重要課題(マテリアリティ)
・サステナビリティに関する各種確認
現在、当社グループでは、サステナビリティに関する基本方針と重要課題について検討を進めており、取締役会で決議され次第、適切な形で開示する予定です。なお、重要課題の特定にあたり、その背景となるサステナビリティに関するリスクと機会については、サステナビリティ委員会で審議する予定です。
(2)戦略
(人材)
独創的で高品質な製品の開発および海外を含めた新市場の開拓に挑戦していくため、プロフェッショナル人材の採用や、階層別の研修をはじめ、様々な研修を実施し人材の育成を行っております。また「開発は企業の保険なり」の社是のもと、各自が自己啓発目標と他者育成目標を定める当社独自の目標管理制度を導入し、自らの自己啓発と共に従業員同士で育成を促すことに取り組んでおります。
正規雇用のキャリア採用者の割合は、当連結会計年度では45.2%を占めております。
様々な人材が働きがいをもって能力を発揮するために、社内環境を向上する取り組みを行っております。キャリアビジョンに関する自己申告制度の導入や、健康診断やストレスチェックをはじめとする様々な健康経営について今後も努めてまいります。当連結会計年度の離職率は5.3%となりました。
当社では、育児中の従業員が安心して働ける環境づくりに力を入れております。その一環として、育児中の短時間勤務制度の拡充、配偶者同行休業制度、延長保育費用の補助、男性育児休業の推奨など、育児等を理由に離職が発生しないよう取り組んでおります。また育児等の理由で離職した従業員のカムバック制度も整備しております。
(環境)
当社グループは環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」を基本として、環境に配慮した省力化、省エネルギー製品の開発、さらに生産効率化と省エネルギー生産、廃棄物の削減、営業活動、製品輸送など全ての業務活動において、環境と人に配慮した持続可能な経営を推進してまいります。
事業活動の中で環境に影響を与える主要な環境課題となるものは、以下のとおりです。
① 開発製品の環境負荷の低減(環境配慮設計)
② 製品含有化学物質の管理と体制の構築
③ 効率的な生産の追究
④ 開発・生産・販売、通常の業務におけるCO₂排出量の削減
カーボンニュートラルへの取り組みにつきましては、国の環境方針である2050年のカーボンニュートラルの目標を念頭に取り組んでまいります。当社グループでは、「ISO14001」認証を2001年に取得するなど、早い時期から環境対応を積極的に進めており、設計・開発から調達、生産、販売・物流、使用、廃棄までのバリューチェーン全体にわたり、総合的な視点で環境負荷の低減を推進しています。
(当社グループのバリューチェーン)
(3)リスク管理
現在検討中のサステナビリティ関連の重要課題は、その背景となるリスク及び機会を踏まえて特定する予定です。リスク及び機会は、発生可能性及び影響度などの重要性を評価する予定です。重要課題が特定された後には、そのリスク及び機会を定期的に見直し、必要に投じて戦略に反映します。また、内部統制委員会およびその傘下である危機管理委員会や製品安全員会でもリスクについて検討しており、必要に応じてサステナビリティ委員会と連携します。
気候変動に関するリスク及び機会の管理について、当社グループはTCFDの提言への賛同を表明はしておりませんが、主旨には賛同しております。まず外部専門家を交えてシナリオ分析(2℃以下と4℃)を実施し、リスク(移行リスク・物理リスク)と機会の評価を行いました。現時点において重要度の高いリスクは「カーボンプライシング導入によるコスト増加」のみと判断され、リスクは限定的であると判断しています。今後も事業に与えるリスク及び機会を見直し、各種取り組みを進めてまいります。
(4)指標及び目標
人的資本に関する指標及び目標は、「女性管理職比率」「男性育児休業取得率」「男女間賃金格差」を採用しました。当該指標に関する目標及び実績は、下表のとおりです。
管理職は、男女隔てなく能力・将来性などを総合的に判断し登用しております。
当社の製品は、様々な分野や業界で使用されております。製品の開発や拡販において必要とされる技術職や営業職は、性別を問わない採用を強化しております。当連結会計年度末時点で、7名の女性が製品開発職、2名の女性が営業職として活動しております。また製品の組立作業などでは、多くの女性が活躍しております。
なお、今後特定予定の重要課題の詳細を検討する中で、採用する目標及び指標は今後見直される可能性があります。
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指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
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管理職に占める女性労働者の割合 |
2027年3月までに8% |
6.9% |
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男性労働者の育児休業取得率 |
2027年3月までに50% |
27.3% |
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労働者の男女間の賃金の差異 |
2027年3月までに65% |
61.8% |
「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」「労働者の男女の賃金差異」の詳細は、「第1企業の概況5.従業員の状況」に記載のとおりです。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 災害リスク等
パンデミックや自然災害によって、正常な事業活動ができなくなるリスクがあります。
新型コロナウイルス感染症については、ウィズコロナへ移行が進みつつある中でも、引き続き経済活動の遮断及び抑制によるリスクがあります。リスク軽減のため、従業員の時差出勤や在宅勤務の実施、WEBや動画などを活用した販売促進、部品発注の前倒し、物流ルートの確保など、事業活動の継続に向けた対策を行い、お客様へ製品の供給を継続するよう取り組んでまいりますが、受注及び売上げの減少、部品調達の遅延、輸送手段の停止などが発生し、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。
(2) 素材の供給に関するリスク
当社グループは、鉄、ステンレス、真鍮、アルミなど各種の素材を使用した製品を製造しております。そのため、資源国から輸入される原材料の円安による値上り、原油価格上昇による素材価格の高騰、自然災害や事故、テロ、戦争等によって素材調達の価格や数量の安定性に影響を受けることも考えられます。素材価格上昇の影響を受けた場合の値上り分は一部の製品には価格転嫁を行いますが、原価率の上昇が避けられない状況も考えられます。当社グループはコストダウンに鋭意努力してまいりますが、今後素材価格が上昇する場合は利益を押し下げるリスクがあります。
(3) 海外製造拠点における製造不能リスク
当社は、タイ国に製造子会社を有しており、迅速流体継手、機械工具、リニア駆動ポンプの製品の一部を当該会社に製造委託しております。タイ国において、予期しない法律・規制の変更や政情不安・テロ・暴動・戦争及び自然災害・パンデミック等の不可抗力による事故が発生した場合は、当社への製品が一時滞ることになり、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。
(4) 協力会社の確保リスク
当社グループは、協力会社に製造の一部を委託しております。当社グループは、今後とも協力会社を活用していく方針でありますが、必要な技術を保有する協力会社を確保できなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。
(5) 取引先の信用リスク
当社グループは、主に代理店を通じて販売しております。これらの取引先は、長年の取引がある企業が大半を占めており、社内規程(与信管理)に従って売掛債権の保全に努めて、リスクを最小限に抑えております。しかしながら、取引先に不測の事態が発生した場合には、売掛債権の貸倒れ損失及び販売ルートを一時的に失うことによる売上げ減少リスクがあります。
(6) 為替変動リスク
当社グループは、2024年3月期の為替レートを1米ドル130円、1英ポンド165円、1ユーロ140円、1タイバーツ3.90円、1豪ドル85円と想定して予算を策定しております。
販売子会社がある米国、欧州、豪州の通貨に対して、円安に振れると売上高・利益共に押し上げ効果があります。一方、海外製造子会社があるタイ通貨に対して円安に振れると、原価が上昇し利益を押し下げます。
通貨によって影響額が異なりますが、仮に米ドルの為替変動が他の通貨にも連動すると仮定した場合、変動が小幅なら海外販売子会社への売上げの影響と、海外製造子会社からの仕入れの影響が相殺されることにより、当社の利益に与える影響は軽微であります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、多くの国で経済活動が正常化し景気回復に向かっているものの、エネルギーの価格高騰や供給制約、インフレの継続や世界的な金融引き締めが経済を下押ししました。日本経済においても、新型コロナウイルス感染症対策がウィズコロナへ移行し個人消費を中心に回復の兆しが見られたものの、円安や原材料価格高騰の影響を受けた状況で推移しています。
このような経営環境の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症に伴い営業活動へ制限がありましたが、国内では2年ぶりに当社主催の展示会「アタックフェア」の開催を再開するなど、通常の営業活動へ向けて積極的に販売拡大に努めました。海外では中国におけるリチウムイオン電池の電解液用迅速流体継手の需要拡大が寄与し、売上が大きく伸張しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べて23億64百万円増加し666億32百万円となりました。
当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末に比べて2億59百万円増加し88億63百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末に比べて21億5百万円増加し577億68百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における売上高は280億91百万円となり、前連結会計年度252億81百万円と比較すると11.1%の増収となりました。利益面では、営業利益は34億59百万円となり、同32億53百万円と比較すると6.3%の増益、経常利益は36億12百万円となり、同34億13百万円と比較すると5.8%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は24億89百万円となり、同18億60百万円と比較すると33.8%の増益となりました。
事業のセグメント別の業績は、次のとおりです。
[迅速流体継手事業]
迅速流体継手事業は、半導体・産業機械業界の需 が好調に推移し、売上高は128億21百万円(前連結会計年度比12.1%の増収)となりました。利益面では、増収により、営業利益30億40百万円(同17.1%の増益)となりました。
[機械工具事業]
機械工具事業は、営業活動の制限緩和により対面営業を再開できたことで国内外の売上げが回復基調にあり、売上高は85億51百万円(同10.4%の増収)となりました。利益面では、増収により、営業利益6億30百万円(同43.0%の増益)となりました。
[リニア駆動ポンプ事業]
リニア駆動ポンプ事業は、米州での売上げが好調のため、売上高は44億36百万円(同6.2%の増収)となりました。利益面では、為替の影響、経費の増加及び原価率の上昇等により、営業損失2億32百万円(前連結会計年度は2億47百万円の利益)となりました。
[建築機器事業]
建築機器事業は、設備投資及びインフラ整備の需要が緩やかな上昇基調にあり、売上高は22億81百万円(同19.1%の増収)となりました。利益面では、増収により、営業利益20百万円(前連結会計年度は32百万円の営業損失)となりました。
海外売上高は、アジア・欧州の売上げが好調であったことと円安の影響もあり、98億91百万円(前連結会計年度比16.4%の増収)となり、海外売上高の連結売上高に占める割合は35.2%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、定期預金の預入による支出312億22百万円、棚卸資産の増加13億6百万円、法人税等の支払い12億22百万円、投資有価証券の取得による支出9億93百万円、親会社による配当金の支払い8億27百万円、有形固定資産の取得による支出7億61百万円等による減少があったものの、定期預金の払戻による収入358億29百万円、税金等調整前当期純利益36億12百万円、有価証券の償還による収入11億円、投資有価証券の償還による収入10億円等があったため、前連結会計年度末より56億22百万円増加し、当連結会計年度末には204億3百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、22億99百万円(前連結会計年度比22.2%減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益36億12百万円、減価償却費13億43百万円等による資金の増加があったものの、棚卸資産の増加13億6百万円、法人税等の支払い12億22百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、46億52百万円(前連結会計年度比27.8%増)となりました。これは、定期預金の預入による支出312億22百万円、投資有価証券の取得による支出9億93百万円、有形固定資産の取得による支出7億61百万円等による資金の減少があったものの、定期預金の払戻による収入358億29百万円、有価証券の償還による収入11億円、投資有価証券の償還による収入10億円等による資金の増加があったことによるものであります。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、14億98百万円(前連結会計年度比30.0%増)となりました。これは、親会社による配当金の支払い8億27百万円、自己株式の取得による支出3億72百万円、リース債務の返済による支出2億99百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
迅速流体継手(百万円) |
13,002 |
105.9 |
|
機械工具(百万円) |
8,820 |
107.3 |
|
リニア駆動ポンプ(百万円) |
4,312 |
101.8 |
|
建築機器(百万円) |
2,194 |
109.4 |
|
報告セグメント計(百万円) |
28,329 |
105.9 |
(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
(2) 受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3) 販売実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
迅速流体継手(百万円) |
12,821 |
112.1 |
|
機械工具(百万円) |
8,551 |
110.4 |
|
リニア駆動ポンプ(百万円) |
4,436 |
106.2 |
|
建築機器(百万円) |
2,281 |
119.1 |
|
報告セグメント計(百万円) |
28,091 |
111.1 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱山善 |
4,633 |
18.3 |
5,242 |
18.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べて23億64百万円(前連結会計年度末比3.7%)増加し666億32百万円となりました。これは主に商品及び製品の増加10億7百万円、原材料及び貯蔵品の増加4億93百万円、現金及び預金の増加6億27百万円、電子記録債権の増加2億93百万円、無形固定資産の増加1億48百万円、投資有価証券の増加1億円65百万円、有価証券の減少6億円等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末に比べて、買掛金の増加3億71百万円、未払法人税等の減少1億47百万円等により2億59百万円(前連結会計年度末比3.0%)増加し88億63百万円となりました。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末に比べて21億5百万円(前連結会計年度末比3.8%)増加し577億68百万円となりました。これは利益剰余金の増加16億68百万円、自己株式の増加3億72百万円、為替換算調整勘定の増加7億11百万円、その他有価証券評価差額金の増加1億27百万円等によるものであります。
2) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、280億91百万円(前連結会計年度比11.1%の増収)となりました。売上目標は275億60百万円を計画していましたが、感染症対策を講じつつも通常の営業活動を再開し始めたことにより、計画に比べて1.9%の増収になりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、34億59百万円(同6.3%の増益)となりました。営業利益目標は36億20百万円を計画していましたが、計画に比べて4.4%の減益となりました。
売上高と営業利益の各製品セグメントの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、36億12百万円(5.8%の増益)となりました。経常利益目標は36億60百万円を計画していましたが、計画に比べて1.3%の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、24億89百万円(同33.8%の増益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益目標は25億10百万円を計画していましたが、計画に比べて0.8%の減益となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度を2年目とする中期経営計画(2021年4月(第66期)~2024年3月(第68期))では、新型コロナウイルス感染症の影響下における業績回復および営業利益率15%を目指し、中長期的には自己資本利益率(ROE)8%以上を経営目標にしております。
中期経営計画初年、2年目を含む4年間の指標の推移は以下のとおりであります。当連結会計年度は、上半期は新型コロナウイルス感染症の影響下での事業活動を余儀なくされましたが、デジタル関連製品需要が業績をけん引しました。下半期はデジタル関連製品需要の減速がみられましたが、展示会等の対面の営業活動が再開し、売上げに大きく貢献しました。また、医療向けのポンプ製品も堅調で売上げを下支えしました。今後も、資本を効率的に活用して新規事業開拓、新製品開発、合理化設備投資を推し進め、収益力および営業利益率ならびに自己資本利益率の向上に取り組んでまいります。
なお、投資判断につきましては、引き続き需要の安定度を予測し、経営環境や財務状況に基づき、投資効果を意識して取り組んでまいります。
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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営業利益率(%) |
14.7 |
9.3 |
12.9 |
12.3 |
|
自己資本利益率(ROE) (%) |
5.07 |
2.85 |
3.38 |
4.39 |
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関わる情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、持続的な成長のための資金確保と自然災害等の不測の事態があっても顧客に商品を提供できるように内部留保の充実に努めており、研究開発、生産設備等の投資は自己資金で実施する方針です。
事業運営上必要な資金の流動性は、十分に確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。本連結財務諸表の作成にあたりましては、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、ならびに当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響する様な重要な変動に関する事項の予見、予想等を行わなければなりません。将来に関する事項につきましては、本有価証券報告書提出日現在で過去の実績や状況に応じて合理的な基準に従って見積り及び判断したものであります。実際の結果は、見積り予測困難な不確実性があるため、これらの見積りと乖離する可能性がありますのでご留意下さい。
当社グループは、以下の会計上の見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えております。
固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損について、主として営業活動から生ずる損益(翌連結会計年度以降の見通しを含む)及び土地等の市場価格に基づいて兆候の判定を行っています。減損の兆候があると判断した場合には、年度計画や中期経営計画における売上高及び営業利益の計画値等に基づき割引前将来キャッシュ・フローを見積ります。
当社グループの研究開発活動は、当社(日東工器株式会社)が行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、1,045百万円であります。
各セグメントの研究開発状況につきましては、以下のとおりであります。
(1) 迅速流体継手事業
迅速流体継手事業の研究開発は、当社カプラ事業部のカプラ開発部が担当し、半導体製造装置用や省エネルギー関係等新しい用途開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、360百万円であります。
(2) 機械工具事業
機械工具事業の研究開発は、当社機工事業部の機工開発部が担当し、工場環境関連や電機関連等の省人化・省力化製品の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、366百万円であります。
(3) リニア駆動ポンプ事業
リニア駆動ポンプ事業の研究開発は、当社リニア事業部のリニア開発部が担当し、圧縮空気応用技術による各種製品の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、268百万円であります。
(4) 建築機器事業
建築機器事業の研究開発は、当社機工事業部の機工開発部が担当し、ドアクローザの開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、49百万円であります。