中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している以下の主要なリスクが発生しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(継続企業の前提に関する重要事象等について)
当社グループは、前連結会計年度において、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、当中間連結会計期間においても、133,375千円の営業損失、134,502千円の経常損失、223,992千円の親会社株主に帰属する中間純損失を計上しております。また、中間連結キャッシュ・フロー計算書に記載の通り、投資キャッシュ・フローの大幅マイナスを上回る営業キャッシュ・フローの創出に至っておらず、経常的に資金が減少し、当中間連結会計期間末の現金及び預金残高は97,787千円となり、1年内返済予定の長期借入金残高212,574千円を大幅に下回る水準となっております。
以上により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。当社グループでは、これらの状況を解消するため、以下の対応策を実施してまいります。
(a)収益力の向上
短期的には、2025年4月より既存顧客に対する月額固定料の20%値上げを行うなど「Bplats® Platform Edition」の提供価格の改定、顧客専用環境運用に係る業務委託費の確保、2024年5月より刷新し提供開始した企業が利用する各種SaaSサービスの外部購買・契約管理・社員割当の一元管理SaaSサービスである「サブかん®」新バージョンの拡販などにより、売上高拡大を図ってまいります。また、中長期的には、中核事業としております主力製品汎用型サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats® Platform Edition」の展開に加え、IoT事業やDX事業を自社事業の取組みの一部として取り組む企業などとの連携による「Bplats® Platform Edition」を活用した新ビジネス創出等により、収益ポートフォリオの拡大を検討してまいります。
(b)クラウド通信費を中心としたコスト削減
売上原価において、昨年度の主力製品バージョンアップに伴い、新旧環境移行による影響もあり通信インフラコストが大幅に増加したことに対して、前年第4四半期より当該コスト削減策の策定とその実行を順次実行中であり、既に直近月においては大幅な削減効果が実現しており(前年第4四半期の1か月平均クラウド通信費29.8百万円/月→2024年10月クラウド通信費15.4百万円/月)、今後一層の当該コスト削減策に取り組みます。また、厳選採用や組織統合・人員配置換え等による労務費・人件費・採用教育費の削減、開発案件に応じた外注加工費(SES)の削減、常勤取締役報酬の減額、外注費の削減、広告宣伝費の削減など、コストの削減を今期及び来期以降も継続して進め、営業黒字体質への転換を目指してまいります。
(c)戦略的事業パートナーとの資本業務提携等
当社グループのキャッシュ・フローの改善を含めた経営基盤の安定化と「Bplats® Platform Edition」の一層の拡販や事業シナジーによる効率化等を推進すべく、現在、戦略的事業パートナー候補との資本政策を視野に入れた交渉を行っております。現時点においては、資本業務提携等の契約締結には至っていませんが、引き続き業績の改善を図りながら、実現に向けた交渉を進めてまいります。
しかしながら、これらの対応策は進捗の途上であり、特に対応策のうち(c)については相手方と交渉中で確約されたものではないことから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、賃上げ率上昇やインバウンド需要の増加により回復基調が継続しているものの、円安や資源高を背景とした物価上昇、中国経済の減速懸念等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く事業環境としては、近年消費者の価値観が「所有」から「利用」、「モノ」から「コト」へ変化する中で、「サブスクリプションビジネス」がBtoCの分野で先行的に拡大しており、すでに「サブスクリプション」はビジネスモデル変革の一つのキーワードとして広く業界に認知されるに至っております。また、近年は、技術革新に加え、社会生活の態様の変化を踏まえ、日本企業によるデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みが一層進んでいく環境が出来上がりつつあるものと思料しておりますが、加えて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機に、コンタクトレス・エコノミーへの対応が求められる時代にもなりました。
このような環境において、当社グループは創業以来「情報基盤の創造によって、より豊かな社会の実現に貢献する」ことを理念とし、「サブスクリプションをすべてのビジネスに」をテーマに、サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats®」の開発・提供を一貫して行っております。サブスクリプション型ビジネスへの転換・事業創出のニーズは各産業に通底するものであり、当社プラットフォームを展開しうる業域は広いため、今後も事業機会は増加していくものと想定しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大により社会経済活動が制約を受けたことを契機として、中長期的には、社会生活の態様の変化から日本企業によるデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みが一層進み、日本企業のビジネスモデルのサブスクリプション型ビジネスへの転換が従来よりも加速していく可能性もあり、その場合には、当社の主力製品である汎用型サブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats® Platform Edition」は、より一層の支持を受けるものと期待されます。
当社グループでは、全てのサブスクリプションビジネスを取り込み得る将来的な拡販の可能性とそれに伴う企業成長を目指し、2017年半ばより汎用製品である「Bplats® Platform Edition」を主力製品として、当期においても引き続きその拡販に注力しており、日本企業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援するプラットフォームシステムとして着実な事業進捗を重ねているものと判断しております。
また、「Bplats® Platform Edition」で実現する「エコシステムがつながる」という当社の強みの機能向上を推進し、多様なニーズに対応すべく、新たなオプション機能の開発を継続的に進めております。特に、自社のサブスクリプションサービスを他事業者のサブスクリプションマーケットプレイスを通じて提供できる新サービス「Bplats® Connect」を活用すると、大手のサブスクリプションマーケットプレイスを展開する事業者に自社のサブスクリプションサービスを登録し新しい顧客層にサービスや商品を提供することや、複数の「Bplats®」の利用者が集まって一つのマーケットプレイス型サイトを新たに開設することによりスマートシティやスマートビルディングといった個々の目的にあった新たなマーケットプレイスに参加する各企業のサブスクリプションを簡単に取りまとめ新規のビジネスを立ち上げることが可能になります。
また、当社では国内の各種法令に適合した機能群を準備し、適切に対応しておりますが、2023年4月より、「改正電子帳簿保存法」及び「適格請求書保存方式(インボイス制度)」に適合した新機能を「Bplats® Platform Edition」の標準機能として提供開始しております。
2023年10月には、「Bplats® Platform Edition v3」は、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認証する「電子取引ソフト法的要件」を取得いたしました。
当社といたしましては、このように主力製品「Bplats® Platform Edition」の機能向上を進めつつ、直販営業の強化に加え、販売パートナーの拡充と販売パートナーへの営業支援を強化し新規契約件数の拡大に注力しております。
それらの結果、当中間連結会計期間における受注件数は46件(前年同期比58.2%)と前年同期を下回ったものの、当中間連結会計期間末における契約社数(無償版契約社数を含む)は272社(前年同期末比+66社)と着実に契約は伸長しております。
当社といたしましては、こうした販売戦略を通じ新規契約件数の拡大に注力することで、引き続き中長期的な成長を目指して当社グループの顧客基盤及びサブスクリプション収益(ストック型の月額収益、オプション追加収益)の拡大に努めてまいります。なお、当中間連結会計期間においては、売上高に占めるストック収入の割合は、83.8%(前年同期63.0%比+20.7pt)、スポット収入に占めるオプション機能の提供を含む初期費用等の割合は、73.6%(前年同期63.7%比+9.9pt)、となりました。
市場の拡大に向けた取り組みの強化としては、企業向けSaaSサービス市場の拡大に伴い、企業内でのSaaSサービスの社内での利用申請などの業務ワークフロー、システム担当者による煩雑な社外調達手配業務のオンライン化、企業内で多様化する働き方や職種に合わせて従業員に割り当てるSaaSサービスを一元管理するクラウドサービス「サブかん®」の大幅な機能強化を実施しました。2024年5月より提供開始した「サブかん」の新バージョンより、新たに「Subkan Connect(サブかんコネクト)」機能を搭載することにより、主力製品「Bplats® Platform Edition」のマーケットプレイスやマイページとデータがつながることを可能としました。これにより、「Bplats® Platform Edition」を活用する事業者によるSaaSサービスやサブスクリプションのオンライン販売サイト(「Bplats® Platform Edition」側)とそれらを購入した企業側の管理サービス(サブかん側)の、「売り手と買い手」がつながることを実現しています。「サブかん」とSubkan Connect(サブかんコネクト)機能を活用して連携可能な第一弾のマーケットプレイスとして、「サブかんストア」も同時に開設し、数百種類にも拡大している国内で流通するSaaSサービス商材の取り扱いを順次充実させ、2024年10月からはシステムの管理者と利用者をつなぐコミュニケーション機能「Subpass(サブぱす)」をリニューアルし提供開始する等、「サブかん」の利便性の拡充を継続的に実施しております。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高については、ストック収入が着実に増加した一方で、前年同期の大型開発案件の効果が剥落したこと等によりスポット収入が伸び悩んだことにより、367,248千円(前年同期比22.5%減)となりました。損益面については、売上原価において、昨年度の主力製品バージョンアップに伴い、新旧環境移行による影響もあり通信インフラコストが大幅に増加したことに伴い昨年度第4四半期より当該コスト削減策の策定とその実行を順次進めておりますが、当中間連結会計期間においては未だに前年同期数値を上回っていること、加えて減価償却費の増加があったこと等により、営業損失は133,375千円(前年同期は24,999千円の営業利益)、経常損失は134,502千円(前年同期は25,006千円の経常利益)、また、減損損失42,260千円、投資有価証券評価損23,326千円、法人税等調整額23,299千円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する中間純損失は223,992千円(前年同期は26,864千円の親会社株主に帰属する中間純利益)となりました。
また、当中間連結会計期間末における当社グループの財政状態については下記のとおりとなっております。
当中間連結会計期間末の総資産は1,132,481千円となり、前連結会計年度末に比べ235,102千円の減少となりました。
流動資産は228,501千円となり、前連結会計年度末に比べ207,061千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が134,424千円減少したこと、売掛金が62,338千円減少したこと等によります。
固定資産は903,979千円となり、前連結会計年度末に比べ28,040千円の減少となりました。これは主に、ソフトウエア及びソフトウエア仮勘定の無形固定資産が17,804千円増加したこと、投資有価証券が23,326千円減少したこと、繰延税金資産が23,074千円減少したこと等によります。
当中間連結会計期間末の負債合計は773,900千円となり、前連結会計年度末に比べ31,377千円の減少となりました。
流動負債は550,208千円となり、前連結会計年度末に比べ70,421千円の増加となりました。これは主に、短期借入金が200,000千円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が90,939千円減少したこと等によります。
固定負債は223,691千円となり、前連結会計年度末に比べ101,798千円の減少となりました。これは主に、長期借入金が102,026千円減少したこと等によります。
当中間連結会計期間末の純資産合計は358,580千円となり、前連結会計年度末に比べ203,724千円の減少となりました。これは主に、株式報酬及び新株予約権行使の払込みにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ10,133千円増加したこと、親会社株主に帰属する中間純損失の計上により利益剰余金が223,992千円減少したこと等によります。この結果、自己資本比率につきましては、31.7%(前連結会計年度末は41.1%)となりました。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ134,424千円減少し、97,787千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は39,681千円(前年同期は148,845千円の獲得)となりました。これは主に減価償却費126,876千円、売上債権の減少額62,338千円、減損損失42,260千円で資金が増加したことに対し、税金等調整前中間純損失200,088千円等で資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は191,453千円(前年同期は149,849千円の支出)となりました。これは主にシステム開発に伴う無形固定資産の取得による支出182,890千円等で資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は17,347千円(前年同期は222,825千円の獲得)となりました。これは主に短期借入れによる収入200,000千円等で資金が増加したことに対し、長期借入金の返済192,965千円等で資金が減少したことによるものであります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。