第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、企業業績の回復や雇用・所得環境の改善などにより景気は緩やかに回復しているものの、エネルギー価格の高騰や円安による物価上昇のほか、欧米における高い金利水準の継続、中東地域をめぐる情勢など海外景気の下振れリスクもあり、先行きは依然として楽観視できない状況にあります。

 当社グループの顧客が属する医薬品業界では、世界人口の増加と新興国の所得水準の向上を背景として市場は成長しておりますが、特許切れによる後発薬の台頭、新薬開発の長期化等により製薬企業の収益性は厳しさを増しております。一方で、潤沢な資金を持つ大手製薬企業は、新たな収益源を求めて有望なパイプラインには積極的に投資する等、M&Aによる業界再編が進んでおります。このような状況を背景に、製薬企業では新薬開発を迅速かつ効率的に実施するために、臨床試験等の開発業務を外部のCRO(開発業務受託機関)へ委託するケースが増えており、当社がターゲットとしている前臨床試験におきましても製薬企業の外部委託は拡大傾向にあります。

 このような状況のもと、当社グループでは世界の大手製薬企業が研究開発拠点を置く米国を中心に、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられたヒト肝細胞キメラマウス(当社製品名:PXBマウス)を用いた受託試験サービスを提供及びPXBマウス関連製品の販売を行っております。

 PXBマウスの需要は肝炎領域からバイオ医薬領域に移行しており、核酸医薬品や遺伝子治療等の開発で利用が増加しております。しかしながら、当中間連結会計期間においては主要顧客である海外製薬企業で開発プログラムの中止や人員整理が頻発する等、研究開発活動の低下が鮮明となりました。引き合いは頂くものの、受注は苦戦しており前年同期を大幅に下回る状況で推移し、売上高についても、新規受注の減少により前年同期を下回りました。損益面につきましては、受託試験の外注案件が減少したこと等により売上原価は減少しておりますが、研究開発費や人件費は増加しており、売上高の減少に伴い営業赤字となりました。

 この結果、当中間連結会計期間の売上高は788,201千円(前年同期比10.6%減)、営業損失は98,830千円(前年同期は営業損失5,084千円)、経常損失は123,652千円(前年同期は経常利益45,868千円)、親会社株主に帰属する中間純損失は124,748千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益27,626千円)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当中間連結会計期間末における流動資産は1,963,430千円となり、前連結会計年度末に比べ168,778千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が180,300千円減少したことによるものです。また固定資産は571,381千円となり、前連結会計年度末に比べ11,730千円減少いたしました。この結果、資産合計は2,534,811千円となり、前連結会計年度末に比べ180,508千円減少となりました。

(負債)

 当中間連結会計期間末における流動負債は419,549千円となり、前連結会計年度末に比べ1,908千円減少いたしました。また固定負債は430,145千円となり、前連結会計年度末に比べ66,108千円減少いたしました。これは主に長期借入金が39,996千円、その他が26,112千円、それぞれ減少したことによるものです。この結果、負債合計は849,694千円となり、前連結会計年度末に比べ68,017千円減少となりました。

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産合計は1,685,117千円となり、前連結会計年度末に比べ112,490千円減少いたしました。これは主に譲渡制限付株式の発行により資本金が7,100千円、資本剰余金が7,100千円、それぞれ増加した一方で、親会社株主に帰属する中間純損失の計上により利益剰余金が124,748千円減少したことによるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ180,300千円減少し、1,204,590千円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、使用した資金は95,184千円(前年同期は33,164千円の使用)となりました。これは主に棚卸資産の減少21,719千円、法人税等の還付額18,161千円があった一方で、税金等調整前中間純損失123,652千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は8,514千円(前年同期は124,312千円の獲得)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出4,191千円、有形固定資産の取得による支出4,099千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は60,338千円(前年同期は19,646千円の獲得)となりました。これは長期借入金の返済による支出39,996千円、リース債務の返済による支出20,342千円があったことによるものであります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、148,095千円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。