第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は、創立以来「開発は企業の保険なり」の社是のもと事業活動に取り組み、産業界の省力・省人化、作業環境の改善を通じて社会に貢献することを基本方針に掲げております。この基本方針に基づいて、高機能・高品質・高信頼性の製品づくりに努め、日東工器ブランドを浸透させることによって、企業価値を高めてまいります。

(2) 経営戦略等

当社グル-プの中長期的な経営戦略は、お客様に喜んでいただける「ホンモノ」のモノづくりによる企業文化を継承し、独創性に富んだ技術の追求、独創的なオンリーワン製品の開発、日東工器ブランドの向上、さらに企業価値の向上を目指すことであります。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営上の目標の達成状況の客観的な指標は、売上高、営業利益、自己資本利益率(ROE)であります。中期経営計画(2021年4月(第66期)~2024年3月(第68期))の2年目である2023年3月期の目標値は、連結売上高275億60百万円、営業利益36億20百万円であり、中長期的には自己資本利益率(ROE)8%以上を目指しております。

(4) 経営環境

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症に対しワクチン接種や治療薬の進展により、欧米先進国を中心に経済活動が正常化へ向かいました。日本経済においても、感染者数減少を受けての経済活動の再開や、個人消費や企業の設備投資が回復した一方、世界的な半導体の不足や原材料価格の高騰は継続し、ウクライナ情勢の緊迫化が世界経済へ与える影響が徐々に拡がり、今後も不透明な状況が見込まれます。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、2021年4月(第66期)~2024年3月(第68期)を期間とする中期経営計画を実行しております。この中期経営計画は、100年企業を目指すために、社是「開発は企業の保険なり」の理念のもと、新製品・新規事業開発により、グローバルな事業展開を強く推し進めるとともに、経営方針の「社会への貢献」と事業活動を両立し、社会から必要とされる企業であり続けることを目指すものです。

研究開発面では、新市場に向けた製品開発に注力し、創業以来の開発テーマである「省力・省人化」を更なる次元に高めていきます。具体的には、水素エネルギー分野の製品開発、バッテリーツールの更なる拡充、ロボット・FAと親和性の高いツール開発、医療関連機器の拡充に取り組んでまいります。そのためにはIT化・自動化をはじめとした新技術開発を強化してまいります。

生産面では、将来を見据えて生産の自動化・IT化に積極的に投資してまいります。生産の自動化・IT化を推し進めることによって、品質、コストダウン、納期の更なる短縮を実現させていきます。なお、昨今の原材料不足、原材料高騰に対応すべく、調達の合理化・グローバル化を推し進めてまいります。

販売面では、国内営業はすべての販売ネットワークを駆使し、全製品での拡販に注力し、既存事業の強化を進めます。同時に新分野の開拓、ニーズの掘り起こしを行い、当社製品の事業領域の拡大と深化に努めます。

海外営業は、海外マーケティング機能を強化し、海外でのブランド認知度向上と新販売チャネルの開拓にグループ総力で努めます。また、新型コロナウイルス感染症の影響下で培ったバーチャル展示会、WEB商談会、さらにはYouTubeチャンネルなどのデジタルマーケティングツールを駆使し、従来営業活動にプラスした活動を展開いたします。

管理面では、基幹システムの新規導入や紙文書のデジタル化を推し進め、業務の付加価値向上、品質向上を図ります。

また、更なるパンデミックや自然災害に備えたBCPの強化や、コンプライアンスの向上に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 災害リスク等

新型感染症等の伝染病及び地震、台風その他の自然災害等によって、正常な事業活動ができなくなるリスクがあります。
 今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動の遮断や抑制によるリスクを軽減するため、従業員の時差出勤や在宅勤務実施、WEBや動画などを活用した販売促進、部品発注の前倒し、物流ルートの確保など、事業活動の継続に向けた対策を行い、お客様へ製品の供給を継続するよう取り組んでまいりますが、受注及び売上げの減少、部品調達の遅延、輸送手段の停止などが発生し、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。

(2) 素材の供給に関するリスク

当社グループは、鉄、ステンレス、真鍮、アルミなど各種の素材を使用した製品を製造しております。そのため、資源国から輸入される原材料の円安による値上り、原油価格上昇による素材の高騰、自然災害や事故、テロ、戦争等によって素材調達の価格や数量の安定性に影響を受けることも考えられます。素材価格上昇の影響を受けた場合の値上り分は一部の製品には価格転嫁を行いますが、原価率の上昇が避けられない状況も考えられます。当社グループはコストダウンに鋭意努力してまいりますが、今後素材価格が上昇する場合は利益を押し下げるリスクがあります。

(3) 海外製造拠点における製造不能リスク

当社は、タイ国に製造子会社を有しており、迅速流体継手、機械工具、リニア駆動ポンプの製品の一部を当該会社に製造委託しております。タイ国において、予期しない法律・規制の変更や政情不安・テロ・暴動・戦争及び自然災害・新型感染症等の不可抗力による事故が発生した場合は、当社への製品が一時滞ることになり、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。

(4) 協力会社の確保リスク

当社グループは、協力会社に製造の一部を委託しております。当社グループは、今後とも協力会社を活用していく方針でありますが、必要となる技術を保有する協力会社を確保できなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。

(5) 取引先の信用リスク

当社グループは、主に代理店を通じて販売しております。これらの取引先は、長年継続して取引している信用のおける企業が大半を占めており、社内規程(与信管理)に従って売掛債権の保全に努めて、リスクを最小限に抑えております。しかしながら、取引先に不測の事態が万一発生した場合には、売掛債権の貸倒れ損失及び販売ルートを一時的に失うことによる売上げ減少リスクがあります。

(6) 為替変動リスク

当社グループは、2023年3月期の為替レートを1米ドル115円、1英ポンド150円、1ユーロ133円、1タイバーツ3.40円、1豪ドル80円と想定して予算を策定しております。通貨によって影響額が異なりますが、仮に米ドルの為替変動が他の通貨にも連動すると仮定いたしますと、変動が小幅なら海外販売子会社への売上げの影響と、海外製造子会社からの仕入れの影響が相殺されることにより当社の利益に与える影響は軽微であります。販売子会社がある米国、欧州、豪州の通貨に対して、円安に振れると売上高・利益共に押し上げ効果があります。一方、海外製造子会社があるタイ通貨に対して円安に振れると、原価が上昇し利益を押し下げます。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。なお、収益認識会計基準第89-2項に定める経過的な取扱いに従って、前連結会計年度について新たな表示方法による組替えを行っておりません。

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概況は次のとおりであります。

  ①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症に対しワクチン接種や治療薬の進展により、欧米先進国を中心に経済活動が正常化へ向かいました。日本経済においても、感染者数減少を受けての経済活動の再開や、個人消費や企業の設備投資が回復した一方、世界的な半導体の不足や原材料価格の高騰は継続し、ウクライナ情勢の緊迫化が世界経済へ与える影響が徐々に拡がり、今後も不透明な状況が見込まれます。

 このような経営環境の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症に伴う、対面での営業活動の制限や原材料の確保や部品の調達に影響を受けましたが、テレワークやWEB会議などの業務の合理化、全社での活動事業コストの低減等に努める一方で、製品PR動画を積極的に活用し、新市場での事業拡大に努めました。

  この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

  当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて25億46百万円増加し642億68百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて13億85百万円増加し86億4百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて11億61百万円増加し556億63百万円となりました。

b.経営成績

  当連結会計年度における売上高は252億81百万円となり、前連結会計年度225億33百万円と比較すると12.2%の増収となりました。利益面では、営業利益は32億53百万円となり、同20億91百万円と比較すると55.6%の増益、経常利益は34億13百万円となり、同22億66百万円と比較すると50.6%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は18億60百万円となり、同15億49百万円と比較すると20.1%の増益となりました。

 

 事業のセグメント別の業績は、次のとおりです。

[迅速流体継手事業]

 迅速流体継手事業は、引き続き半導体・産業機械業界の需要が好調に推移し、売上高は114億40百万円(前連結会計年度比21.1%の増収)となりました。利益面では、増収により、営業利益25億97百万円(同52.3%の増益)となりました。

[機械工具事業]

 機械工具事業は、営業活動の制限が緩和されイベントの開催や対面営業の再開により国内外の売り上げが回復基調にあり、売上高は77億48百万円(同10.3%の増収)となりました。利益面では、増収により、営業利益4億40百万円(同69.2%の増益)となりました。

[リニア駆動ポンプ事業]

 リニア駆動ポンプ事業は、欧米での機器組込み用ポンプの需要が好調により、売上高は41億76百万円(同2.2%の増収)となりました。利益面では、営業利益2億47百万円(同135.8%の増益)となりました。

[建築機器事業]

 建築機器事業は、年間を通して公共・投資物件等の建設需要が弱い影響により、売上高は19億16百万円(同3.0%の減収)となりました。利益面では、減収及び経費の増加により、営業損失32百万円(前連結会計年度は20百万円の利益)となりました。

 

 海外売上高は、84億99百万円(前連結会計年度比19.4%の増収)となり、海外売上高の連結売上高に占める割合は33.6%となりました。

 

  ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、定期預金の預入による支出341億17百万円、有価証券の取得による支出16億円、親会社による配当金の支払い8億58百万円、無形固定資産の取得による支出6億93百万円、有形固定資産の取得による支出5億34百万円等による減少があったものの、定期預金の払戻による収入390億46百万円、税金等調整前当期純利益27億96百万円、有価証券の償還による収入16億円等の増加があったため、前連結会計年度末より55億10百万円増加し、当連結会計年度末には147億81百万円となりました。

    <営業活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、29億53百万円(前連結会計年度比21.4%減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益27億96百万円、減価償却費14億97百万円等による資金の増加があったものの、棚卸資産の増加8億82百万円、売上債権の増加7億34百万円等による資金の減少があったことによるものであります。

  <投資活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、36億39百万円(前連結会計年度は61億15百万円の使用)となりました。これは、定期預金の預入による支出341億17百万円、有価証券の取得による支出16億円、無形固定資産の取得による支出6億93百万円、有形固定資産の取得による支出5億34百万円等による資金の減少があったものの、定期預金の払戻による収入390億46百万円、有価証券の償還による収入16億円等による資金の増加があったことによるものであります。

    <財務活動によるキャッシュ・フロー>

当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、11億52百万円(前連結会計年度比29.8%減)となりました。これは、親会社による配当金の支払い8億58百万円、リース債務の返済による支出2億94百万円等によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

(1) 生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

迅速流体継手(百万円)

12,283

134.4

機械工具(百万円)

8,219

126.4

リニア駆動ポンプ(百万円)

4,235

109.9

建築機器(百万円)

2,005

100.2

報告セグメント計(百万円)

26,743

124.4

 (注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

(2) 受注実績

 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

(3) 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

迅速流体継手(百万円)

11,440

121.1

機械工具(百万円)

7,748

110.3

リニア駆動ポンプ(百万円)

4,176

102.2

建築機器(百万円)

1,916

97.0

報告セグメント計(百万円)

25,281

112.2

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱山善

3,628

16.1

4,633

18.3

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

  1) 財政状態

(資産合計)

  当連結会計年度末の資産残高は、前連結会計年度末に比べて25億46百万円(前連結会計年度末比4.1%)増加し642億68百万円となりました。これは主に電子記録債権の増加5億98百万円、有価証券の増加3億円、商品及び製品の増加7億15百万円、原材料及び貯蔵品の増加3億41百万円、無形固定資産の増加4億94百万円等によるものであります。

(負債合計)

  当連結会計年度末の負債残高は、前連結会計年度末に比べて13億85百万円(前連結会計年度末比19.2%)増加し86億4百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加1億10百万円、未払法人税等の増加6億32百万円、リース債務の増加5億81百万円等によるものであります。

(純資産合計)

  当連結会計年度末の純資産残高は、前連結会計年度末に比べて11億61百万円(前連結会計年度末比2.1%)増加し556億63百万円となりました。これは利益剰余金の増加9億98百万円、為替換算調整勘定の増加2億75百万円等によるものであります。

 

 

  2) 経営成績

(売上高)

  当連結会計年度の売上高は、252億81百万円(前連結会計年度比12.2%の増収)となりました。新型コロナウイルス感染症発生に伴う影響を鑑み売上目標は245億60百万円を計画していましたが、感染症対策を講じつつ経済活動を再開し、計画に比べて2.9%の増収になりました。

(営業利益)

  当連結会計年度の営業利益は、32億53百万円(同55.6%の増益)となりました。営業利益目標は28億40百万円を計画していましたが、売上げの増加により、計画に比べて14.6%の増益となりました。

  売上高と営業利益の各製品セグメントの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

(経常利益)

  当連結会計年度の経常利益は、34億13百万円50.6%の増益)となりました。経常利益目標は29億20百万円を計画していましたが、売上げの増加により、計画に比べて16.9%の増益となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

  当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、18億60百万円(同20.1%の増益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益目標は20億40百万円を計画していましたが、計画に比べて8.8%の減益となりました。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度を初年度とする中期経営計画(2021年4月(第66期)~2024年3月(第68期))では、新型コロナウイルス感染症の影響下における業績回復および営業利益率15%を目指し、中長期的には自己資本利益率(ROE)8%以上を経営目標にしております。

中期経営計画初年度と前3年間の指標の推移は以下のとおりであります。中期経営計画の初年度である当連結会計年度は、1年を通じて新型コロナウイルス感染症の影響下での事業活動を余儀なくされましたが、デジタル関連製品需要の高まりにより、設備投資が好調でした。また、医療関係のポンプ製品も堅調で、海外販売もコンテナ不足でデリバリーに苦慮したものの国内に先んじて回復傾向にあり、中期経営計画の目標値を上回ることができました。中期経営計画2年度以降も、資本を効率的に活用して新規事業開拓、新製品開発、合理化設備投資を推し進め、収益力および営業利益率ならびに自己資本利益率の向上に取り組んでまいります。

なお、投資判断につきましては、引き続き需要の安定度を予測し、経営環境や財務状況に基づき、投資効果を意識して取り組んでまいります。

 

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

営業利益率(%)

18.9

14.7

9.3

12.9

自己資本利益率(ROE)(%)

6.80

5.07

2.85

3.38

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関わる情報

  当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

  当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは、持続的な成長のための資金確保と自然災害等の不測の事態があっても顧客に商品を提供できるように内部留保の充実に努めており、研究開発、生産設備等の投資は自己資金で実施する方針です。

  事業運営上必要な資金の流動性は、十分に確保しております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。本連結財務諸表の作成にあたりましては、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、ならびに当連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響する様な重要な変動に関する事項の予見、予想等を行わなければなりません。将来に関する事項につきましては、本有価証券報告書提出日現在で過去の実績や状況に応じて合理的な基準に従って見積り及び判断したものであります。実際の結果は、見積り予測困難な不確実性があるため、これらの見積りと乖離する可能性がありますのでご留意下さい。

 当社グループは、以下の会計上の見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えております。

固定資産の減損

 当社グループは、固定資産の減損について、主として営業活動から生ずる損益(翌連結会計年度以降の見通しを含む)及び土地等の市場価格に基づいて兆候の判定を行っています。減損の兆候があると判断した場合には、年度計画や中期経営計画における売上高及び営業利益の計画値等に基づき割引前将来キャッシュ・フローを見積ります。

 なお、新型コロナウイルス感染症が会計上の見積りに与える影響に関しては「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載をしております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、当社(日東工器株式会社)が行っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、917百万円であります。

各セグメントの研究開発状況につきましては、以下のとおりであります。

(1) 迅速流体継手事業

  迅速流体継手事業の研究開発は、当社カプラ事業部のカプラ開発部が担当し、半導体製造装置用や省エネルギー関係等新しい用途開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、331百万円であります。

(2) 機械工具事業

  機械工具事業の研究開発は、当社機工事業部の機工開発部が担当し、工場環境関連や電機関連等の省人化・省力化製品の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、355百万円であります。

(3) リニア駆動ポンプ事業

  リニア駆動ポンプ事業の研究開発は、当社リニア事業部のリニア開発部が担当し、圧縮空気応用技術による各種製品の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、138百万円であります。

(4) 建築機器事業

  建築機器事業の研究開発は、当社機工事業部の機工開発部が担当し、ドアクローザの開発を行っております。当事業に係る研究開発費は、91百万円であります。